JP4833581B2 - 薬剤 - Google Patents

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本発明は、画像診断装置と組み合わせて用いる診断用造影剤に関する。
X線CT、MRI、超音波診断装置などの画像診断モダリティが医療現場で必須のツールになって久しい。これらは生体内でのCT値、スピン緩和時間、音響インピーダンスの違いをそれぞれ画像化したものであり、これら物理的性質の違いが専ら生体の構造(かたち)を反映することから、「形態イメージング」と呼ばれる。これに対し、構造的には同じ組織であっても機能的に異なる状態にある部位の画像化を行うものを「機能イメージング」と呼ぶ。この機能イメージングの内、特にタンパクなどの生体構成分子の存在状態の可視化を行うものが「分子イメージング」と呼ばれることが多い。分子イメージングは発生・分化といった生命現象の解明や疾病の診断・治療への応用が期待されることから、現在最も注目を浴びている研究領域のひとつである。分子イメージングでは、生体構成分子に選択性を有する構造を持つ物質である「分子プローブ」を用いることが多く、この場合には分子プローブになんらかの物理的手段で検出可能とする構造を付加し、体内での分子プローブの分布を可視化する。非特許文献1に、腫瘍をターゲットする際の分子プローブの例が記載されている。ペプチド、抗体などが主な分子プローブである。
このような分子イメージングを用いて、疾病部位や病態の診断を行うには、形態イメージングとの組み合わせが必須である。この際の形態イメージングの位置づけは、一義的には分子イメージングにより示唆される病変部位の組織中での場所を特定することにある。また、このような場所の特定のみならず、分子イメージングにより生化学的に示唆された病変部位が物理的に他の部位と異なっていないかの確認のために重要である。これはいわば暗闇の中におかれた物体をライトで照らしてその形状を知りたいときに、ライトを複数の角度から当てて、形状に関する情報をより詳細に得ようとすることに相当する。このような観点においては、分子イメージングと組み合わせる形態イメージングには異なった原理に基づく複数のモダリティを用いることが望ましい。このため、疾病の早期診断において、分子イメージングと形態イメージングとが融合され、かつ複数の形態イメージングモダリティに対応可能なシステムの有用性は極めて高い。このようなシステムの構築には、分子プローブと結合可能で、かつ複数の形態イメージングモダリティにて用いることのできる造影剤が必要となる。
ここで、形態イメージングとして専ら用いられているX線、MRI、超音波を比較すると、X線とMRIとが専ら広い領域の中・低速での撮像を行うのに対し、超音波はプローブを当てた狭い領域のリアルタイムでの撮像を特徴とする。このことから、上記複数の形態イメージングモダリティとしては、X線あるいはMRIのいずれかと超音波との組み合わせが効果的であると考えられる。血管以外の組織を標的とする場合、このような組み合わせの造影剤としては、非特許文献2に示されるような、血管から組織に移行可能な200nm以下の粒径を有する液滴であって、超音波造影剤としての高沸点フッ化炭化水素とMRI造影剤としての両親媒性Gdキレートを含む形状のものが考案されている。より詳細には、本造影剤は、水に不溶のperfluorooctyl bromide (PFOB)等高沸点フッ化炭化水素を高圧乳化処理により界面活性剤を用いて水に可溶化し、かつ200nm以下の粒径としたものであり、界面活性剤の一部として非特許文献3に示されるような両親媒性Gdキレートを用いている。また、非特許文献4に示されるような脂溶性の酸化鉄コロイドも、適切なエマルションに封入することにより使用可能である。このような構成により血管から組織への移行が可能なサイズであり、MRI及び超音波双方に感受性を持つ造影剤として機能させている。
Allen(2002)Nature Rev.Cancer 2:750-763 Winter et al., (2003)Magnetic Resonance in Medicine 50:411-416 Grant et al., (1989)Magnetic Resonance in Medicine 11:236-243 Sahoo et al.,(2001)Langmuir 17:7907-7911
高沸点フッ化炭化水素を超音波の造影剤として用いる従来の技術は、一般に超音波造影剤として用いられるマイクロバブルに比べて造影能が低いという問題があった。この問題は、超音波診断装置においては音響インピーダンスの違いを可視化するが、生体(軟組織)、高沸点フッ化炭化水素(PFOB)、マイクロバブル(空気)の音響インピーダンスはそれぞれ約1.6、約0.9、約0.004(10kg/m・s)という値を持ち、マイクロバブルが生体と約400倍異なる音響インピーダンスを有するのに対し、高沸点フッ化炭化水素では生体と2倍も異ならないことに起因する。さらには、マイクロバブルは、超音波照射に対し非線形応答を行い、高調波や分数調波などを生成するため、適切なフィルタリング処理により組織からの信号との分別が可能であるという長所を有するが、高沸点フッ化炭化水素では液体の状態で用いることから、このような非線形応答を用いた高感度な測定に適さない。
超音波診断装置に関して感度が低いことにより、治療への応用に関しても制限が生じてしまう。組織選択性の造影剤により疾病部位が初期の段階で確定できた場合には、リスクと効果のバランスの観点から、低侵襲な治療が望まれる。侵襲性を下げるためには疾病部位を選択的に治療する必要があり、通常は光、超音波、電磁波といった外部物理刺激により患部のみを破壊したり、あるいは患部のみで薬剤の‘活性化’を行う。このような選択的な治療においては、リアルタイムで患部を観察できる超音波診断装置を用いて安全性を確保しつつ治療を行うことが多い。しかしながら、前記従来の技術においては、超音波に関する高感度な造影効果が期待できないことから、超音波診断装置を用いた患部観察を高感度に行えないという問題があった。
上に述べたように、MRI及び超音波双方に感受性を有し、かつ血管より組織に移行可能なサイズの造影剤を提供する手段として、非特許文献2に示された手法が挙げられる。しかしながら、非特許文献2の技術においては、マイクロバブルの非線形応答を利用した高感度の超音波造影ができない、また低侵襲的な治療に用いることができないという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決し、かつ血中から組織へ移行可能な造影剤を得るための検討を鋭意重ねた結果、超音波造影剤として液体のマイクロバブル前駆体を用い、MRI用造影剤として脂溶性あるいは両親媒性の常磁性あるいは超常磁性体物質を用い、それらを組み合わせてエマルションの形態にすることにより目的を達成できることに想到し、本発明を完成するに至った。
本発明における造影及び治療用薬剤は、難水溶性のマイクロバブル前駆体及び難水溶性の常磁性あるいは超常磁性物質を界面活性剤により安定化したエマルションの形態をとることができる。難水溶性のマイクロバブル前駆体としては、エマルションの形態において10W/cm程度以下の比較的弱い超音波照射によりマイクロバブルを形成し、生体毒性の低い物質であれば特に制限はないが、特にフッ化炭化水素であることが望ましい。また、単一成分の低沸点フッ化炭化水素を用いる場合には、用いるフッ化炭化水素の沸点が低い場合には超音波照射の前に気化してマイクロバブルを生成し安全面で難があり、また逆にフッ化炭化水素の沸点が高い場合には、高い超音波強度が必要となりやはり安全面で難があるため、沸点の異なるフッ化炭化水素を用い、その一部成分のみをナノサイズの気泡に相変化させ、生成した気泡による超音波エネルギーの吸収を用いて二次的に残りの成分を気化させる手法をとることができる。この場合、少なくとも一種類の37℃以下のフッ化炭化水素と少なくとも一種類の沸点が37℃より高いフッ化炭化水素を用いることができる。
本発明における難水溶性MRI用造影剤としては、特に制限はない。陽性造影を行う場合には、Gd等の難水溶性常磁性原子キレートあるいは一次粒子径が5nm以下の酸化鉄等の難水溶性超常磁性微粒子を、陰性造影を行う場合には、10nm以上の酸化鉄等の難水溶性超常磁性微粒子を用いることが望ましい。
また、本発明における造影及び治療用薬剤は、難水溶性のマイクロバブル前駆体を界面活性剤及び両親媒性の常磁性物質により安定化したエマルションの形態をとることができる。両親媒性の常磁性物質に関して特に制限はないが、リン脂質と結合したGd等の常磁性原子キレートを用いることが望ましい。
本発明によれば、突沸の危険性が低くかつ液体から気体への相変化を利用して部位選択的に造影効果を得ることができ、また加熱治療における温度モニタリングを行うことができる。これらの効果により安全な診断・治療技術を提供することができる。
以下に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
難水溶性マイクロバブル前駆体を両親媒性常磁性物質と界面活性剤で安定化したエマルションの形態をとる造影及び診断用薬剤
まず、両親媒性常磁性物質として、Gd−ジエチレントリアミン5酢酸(Gd-DTPA)をリン脂質である卵黄フォスファチジルエタノールアミン(PE)と化学結合したGd-DTPA-PEを非特許文献3に従って調製した。
しかる後、以下の成分を添加し、20mlの蒸留水をゆっくり添加しながら、ULTRA-TURRAX T25(Janke&Knukel, Staufen Germany)中にて9500rpmで氷温にて1分間ホモジナイズした。
Gd-DTPA-PE 0.1g
グリセロール 2.0g
α―トコフェロール 0.02g
コレステロール 0.1g
レシチン 1.0g
パーフルオロペンタン Ng
パーフルオロヘプタン (0.2−N)g
(但し、Nは0以上、0.2以下の値を持つ)
このエマルションを、Emulsiflex-C5(Avestin, Ottawa Canada)中で20MPaにて高圧乳化処理を2分間行い、0.4μmのメンブレンフィルターによりろ過した。以上の処理により、ほぼ透明のミクロエマルションを得た。得られたミクロエマルションの98%以上が200nm以下の直径を有することが、LB−550(堀場製作所、東京)にて測定できた。結果の一例を図1に示す。なお、目的により200nmより大きいエマルションを得る必要がある際には高圧乳化処理は省くことができる。
得られたミクロエマルションのMRI用造影剤としての機能を以下の通り評価した。まず、Gdの濃度が0.1及び0.5mMのミクロエマルションを蓋をした直径10mmのプラスチック製試験管に15ml入れ、1.5Tの核磁気共鳴イメージング装置(日立メディコ Strates II)にて撮像した。TR/TE=500/20msecに設定した際のミクロエマルションの生理食塩水に対する信号強度比は、それぞれ1.3及び1.9であった。さらに、CPMG法によりミクロエマルションの緩和時間を測定した。その結果、Gd濃度0.1及び0.5mMのミクロエマルションのT1/T2緩和時間は、それぞれ710/181msec及び329/132msecであり、対照である生理食塩水の1050/195msecよりも有意に短縮されていた。以上の結果より、今回得られたエマルションがMRI造影剤として有効であることがわかった。
続いて、得られたミクロエマルションの超音波用造影剤としての機能評価用に液体から気体への相変化を測定した結果の一例を図2及び図3を用いて説明する。図2は超音波照射及び撮像を行うための実験系を示す図である。以下、実験の手順を説明する。まず、水槽1に37℃の脱気水2を満たす。支持具3−1に固定具4−1及び4−2を用いてミクロエマルション5を満たした内径2mmのビニールチューブ6を固定する。ミクロエマルジョン5に対して、超音波トランスデューサ7を用いて3MHzのパルス超音波(5ミリ秒ON/55ミリ秒OFF)を1秒間照射する。超音波トランスデューサ7は波形発生器8及び増幅器9により駆動される。超音波トランスデューサ7より超音波を照射中のミクロエマルション5の超音波画像を、超音波診断装置10に接続された診断プローブ11を用いて取得する。なお、超音波診断装置は日立メディコEUB−8500を、診断プローブはEUP−53(7.5MHz)を用いた。
図3は、パーフルオロペンタンとパーフルオロヘプタンの合計濃度に対するパーフルオロペンタンの相対的な濃度を変化させた場合に超音波画像上で輝度変化を生じるのに必要な超音波強度(診断用のミクロンサイズ気泡の生成に必要な超音波強度に相当)及び突沸に相当するミリサイズの気泡の生成を生じる超音波強度の閾値を示したものである。なお、超音波トランスデューサ7からの超音波照射条件を、1ミリ秒ON/59ミリ秒OFF、10ミリ秒ON/40ミリ秒OFFあるいは20ミリ秒ON/50ミリ秒OFFに変化させた場合も、図3と同等の結果が得られた。輝度変化に関しては、相対濃度が低くなるに伴い閾値が上昇する傾向が見られた。また、突沸閾値については、相対濃度が0及び1以外すなわちパーフルオロペンタンとパーフルオロヘプタンとの混合物を用いた場合にはほぼ一定の値を示すことがわかり、かつその値はパーフルオロヘプタン単独の倍程度の値であった。相対濃度が約0.6〜0.9の間の値を用いることにより、輝度変化を生じる超音波強度度閾値をほとんど変化させることなく、突沸閾値を倍にすることが可能である。また、目的に応じ、0.6以下の相対濃度を用いることも可能である。図3の結果より、本発明における低沸点水不溶性物質と高沸点水不溶性物質とを用いる造影剤により突沸を生じにくく、また超音波診断像における輝度変化を生じる超音波強度を変化させることのできる液体から気体への相変化を伴う造影剤の効果は明らかである。
なお、本実施例と同様の効果は低沸点水不溶性物質と高沸点水不溶性物質の組み合わせとしてパールフオロペンタンとパーフルオロヘプタン、パーフルオロペンタンと2H、3Hパーフルオロペンタン、イソペンタンとヘキサン及びイソペンタンとヘプタンとを用いても得られた。
難水溶性マイクロバブル前駆体を親油性超常磁性物質と界面活性剤で安定化したエマルションの形態をとる造影及び診断用薬剤
まず、親油性超常磁性物質として、非特許文献4に従ってラウリル酸を表面にコーティングした酸化鉄微粒子を調製した。得られた微粒子の98%以上が30nm以下の直径を有することがLB−550(堀場製作所、東京)にて測定できた。得られた微粒子はクロロフォルムに分散した状態で保存した。
しかる後、以下の成分を添加し、20mlの蒸留水をゆっくり添加しながら、ULTRA-TURRAX T25(Janke&Knukel, Staufen Germany)中にて9500rpmで氷温にて1分間ホモジナイズした。
ラウリル酸コーティング酸化鉄 0.5g
グリセロール 2.0g
α―トコフェロール 0.02g
コレステロール 0.1g
レシチン 1.0g
パーフルオロペンタン Ng
2H,3H−パーフルオロヘプタン (0.2−N)g
(但し、Nは0以上、0.2以下の値を持つ)
このエマルションを、Emulsiflex-C5(Avestin, Ottawa Canada)中で20MPaにて高圧乳化処理を2分間行い、0.4μmのメンブレンフィルターによりろ過した。以上の処理によりほぼ透明のミクロエマルションを得た。得られたミクロエマルションの98%以上が200nm以下の直径を有することが、LB−550(堀場製作所、東京)にて測定できた。
得られたミクロエマルションのMRI用造影剤としての機能を以下の通り評価した。まず、Fe濃度0.1及び0.5mMのミクロエマルションを蓋をした直径10mmのプラスチック製試験管に15ml入れ、1.5Tの核磁気共鳴イメージング装置(日立メディコ Strates II)にて撮像した。TR/TE=2000/100msに設定した際のミクロエマルションの生理食塩水に対する信号強度比は、それぞれ0.49及び0.02であった。さらに、CPMG法によりミクロエマルションの緩和時間を測定した。その結果、Fe濃度0.1及び0.5mMのミクロエマルションのT1/T2緩和時間は、それぞれ330/74msec及び90/20msecであり、対照である生理食塩水の1050/195msecよりも有意に短縮されていた。以上の結果より、今回得られたエマルションがMRI造影剤として有効であることがわかった。なお、本実施例の診断用薬剤の超音波用造影剤としての性能は、実施例1に記載した診断用薬剤と同等であった。
難水溶性マイクロバブル前駆体を両親媒性常磁性物質と界面活性剤で安定化したエマルションの形態をとりかつ高分子で被覆された造影及び診断用薬剤
まず、両親媒性常磁性物質として、Gd−ジエチレントリアミン5酢酸(Gd-DTPA)をリン脂質である卵黄フォスファチジルエタノールアミン(PE)と化学結合したGd-DTPA-PEを非特許文献3に従って調製した。
しかる後、以下の成分を一緒に添加し、20mlの蒸留水をゆっくり添加しながら、ULTRA-TURRAX T25(Janke&Knkel、Staufen Germany)中にて9500rpmで氷温にて1分間ホモジナイズした。なお、1,2-Diacyl-sn-Glycero-3-Phosphoethenolamine-N-[Methoxy(Polyethylene glycol)-2000] (以下、mPEG 2000 PEと略す)はAvanti社(Alabama, USA)の製品(カタログナンバー:880160)を用いた。
Gd-DTPA-PE 0.1g
mPEG-2000-PE 0.05g
グリセロール 2.0g
α―トコフェロール 0.02g
コレステロール 0.1g
レシチン 1.0g
パーフルオロペンタン Ng
パーフルオロヘキサン (0.2−N)g
(但し、Nは0以上、0.2以下の値を持つ)
このエマルションを、Emulsiflex-C5(Avestin, Ottawa Canada)中で20MPaにて高圧乳化処理を2分間行い、0.4μmのメンブレンフィルターによりろ過した。以上の処理によりほぼ透明のミクロエマルションを得た。得られたミクロエマルションの98%以上が200nm以下の直径を有することが、LB−550(堀場製作所、東京)にて測定できた。また、本実施例で用いたmPEG-2000-PEの代わりに1,2-Distearoyl-sn-Glycero-3-Phosphoethanolamine-N-[Biotinyl(PolyethyleneGlycol)2000]を用いることにより分子プローブとしてビオチンを化学結合した造影剤を得ることができた。
得られたミクロエマルションのMRI用造影剤としての機能を以下の通り評価した。まず、Gdの濃度が0.1及び0.5mMのミクロエマルションを蓋をした直径10mmのプラスチック製試験管に15ml入れ、1.5Tの核磁気共鳴イメージング装置(日立メディコ Strates II)にて撮像した。TR/TE=500/20msecに設定した際のミクロエマルションの生理食塩水に対する信号強度比は、それぞれ1.3及び1.9であった。さらに、CPMG法によりミクロエマルションの緩和時間を測定した。その結果、Gd濃度0.1及び0.5mMのミクロエマルションのT1/T2緩和時間は、それぞれ700/170msec及び320/130msecであり、対照である生理食塩水の1050/195msecよりも有意に短縮されていた。以上の結果より、今回得られたエマルションがMRI造影剤として有効であることがわかった。なお、本実施例の診断用薬剤の超音波用造影剤としての性能は、実施例1に記載した診断用薬剤と同等であった。
本発明の造影剤の粒径分布の一例を示す図。 本発明の造影剤の気化を生じせしめ、観察するための実験系を示す図。 本発明の造影剤に超音波を照射した際に超音波診断画像上で輝度変化を生じるのに必要な超音波強度閾値及び突沸を生じるのに必要な超音波強度閾値を測定した結果の一例を示す図。
符号の説明
1 水槽
2 脱気水
3 支持具
4 固定具
5 造影剤
6 ビニールチューブ
7 超音波トランスデューサ
8 波形発生器
9 増幅器
10 超音波診断装置
11 診断用プローブ

Claims (2)

  1. MRI及び超音波診断装置とともに用いる造影剤であって、超音波照射により気化する37℃以下の沸点を有する水不溶性物質及び37℃より高い沸点を有し該超音波照射により気化した該37℃以下の沸点を有する水不溶性物質による超音波吸収により二次的に気化する水不溶性物質、及び脂溶性超常磁性体を含み、
    前記37℃以下の沸点を有する水不溶性物質が直鎖炭化水素、分岐炭化水素、直鎖ハロゲン化炭化水素、分岐ハロゲン化炭化水素のいずれかであり、前記37℃より高い沸点を有する水不溶性物質が直鎖炭化水素、分岐炭化水素、直鎖フッ化炭化水素、分岐フッ化炭化水素のいずれかであることを特徴とする薬剤。
  2. 請求項1記載の薬剤において、前記脂溶性超常磁性体が酸化鉄を含むことを特徴とする薬剤。
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