JP4833349B1 - 扉開閉機構及び冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工数を削減できる扉開閉機構を提供する。
【解決手段】機器本体2の開口部6aを覆う扉4を、機器本体2及び扉4の左右端に対称に配されたカム機構12によって左右から択一的に開閉する両開きの扉開閉機構において、扉4の枢支軸を形成する左右のヒンジピン21を一体に保持するヒンジアングル10と、開口部6aの上方にネジ止めされる第1取付部51と第1取付部51から前方に突出する第1突出部54とを有して第1突出部54の上面にヒンジアングル10を上方からネジ止めする第1支持部材50と、第1突出部54の外側に配され、開口部6aの上方のネジ止めされる第2取付部61と第2取付部61から前方に突出する第2突出部62とを有して第2突出部64の下面に当接するヒンジアングル10を第2突出部62にネジ止めする第2支持部材60と、ヒンジピン21に係合して扉4を案内する溝カム31とを備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、扉を二方向から択一的に開閉する両開きの扉開閉機構及びそれを備えた冷蔵庫に関する。
従来の扉開閉機構は特許文献1及び特許文献2に開示されている。この扉開閉機構は機器本体及び扉の左右端に対称に配された一対のカム機構を備え、左右端から択一的に扉を開閉する両開きに構成される。カム機構は機器本体に扉の枢支軸を形成するヒンジピンが設けられ、扉にはヒンジピンを係合案内する溝カムが設けられる。
溝カムは連続する第1溝部及び第2溝部から成っている。第1溝部は一端を開放して枢支軸に垂直な面内で傾斜して形成される。第2溝部は第1溝部の他端に連続し、第1溝部の開放端から離れる方向に延びる。また、機器本体にはヒンジピンと同軸の円筒面から成る案内面を有するリブが設けられる。扉にはリブの案内面に摺動する円筒面を有したボスが設けられる。
扉を閉じた状態では両方のカム機構は第1溝部と第2溝部との連結部分にヒンジピンを配した第1係止位置をとる。扉の一方を開くと該一方のヒンジピンは第1溝部内を開放端に向けて相対移動する。この時、第1溝部が傾斜するとともに両ヒンジピン間の距離が一定のため、他方のヒンジピンは第1溝部から離れる方向に第2溝部内を相対移動する。
そして、一方のカム機構のヒンジピンが溝カムとの係合を解除され、他方のカム機構はヒンジピンが第2溝部の端部に配された第2係止位置をとる。この時、ボスがリブに内接してリブの案内面に摺動する。カム機構は第2係止位置でヒンジピンを回転自在に支持するとともにリブとボスとの摺接によってヒンジピンのスライドが規制され、ヒンジピンを枢支軸として扉を回動することができる。
尚、カム機構は左右対称に配されるため、同様の動作によって扉を他方から開くことができる。
上方に配される左右のヒンジピンは左右に分割したヒンジピン形成部材上にインサート成形等によりそれぞれ形成される。機器本体の上面には天井プレートがネジ止めされ、左右のヒンジピン形成部材は天井プレートにネジ止めされる。下方に配される左右のヒンジピンは断面L字型のヒンジアングル上に一体に形成される。また、溝カムは扉の上下面にネジ止めされるカム形成部材に形成される。
扉の取付け時には、まず、下方のヒンジアングルが開口部の下方の前面にネジ止めされる。次に、下方のヒンジピンに扉の下面の溝カムを係合し、扉が所定の隙間を有してヒンジアングル上に設置される。次に、扉の上面の溝カムにヒンジピンを係合し、天井プレートまたはヒンジピン形成部材を前後方向及び左右方向に位置調整する。そして、天井プレート及びヒンジピン形成部材がネジ止めされる。
この時、扉とヒンジピン形成部材の下面との隙間が所定値よりも小さい場合は天井プレートと機器本体の上面との間にスペーサを挟んで天井プレートがネジ止めされる。また、扉とヒンジピン形成部材との隙間が所定値よりも大きい場合はカム形成部材と扉の上面との間にスペーサを挟んでカム形成部材がネジ止めされる。これにより、上下のヒンジピンの距離と上下の溝カムの距離とを所定の範囲に維持し、円滑に扉を案内することができる。
特開2006−132838号公報(第5頁−第7頁、第1図) 特開2001−159268号公報(第5頁−第7頁、第1図)
機器本体の下部に設けた開口部を開閉する両開きの扉開閉機構は、上記と同様のカム機構を扉の左右端に設けて構成することができる。この時、扉の上面の溝カムに係合するヒンジピンをヒンジピン形成部材に設け、機器本体の前面に取り付けられる断面L字型の支持部材によりヒンジピン形成部材を支持することができる。
しかしながら、支持部材が機器本体の鉛直な前面に取付けられるため、前後方向の位置調整が困難になる。このため、支持部材に対してヒンジピン形成部材を前後方向に位置調整する必要がある。また、上下方向の位置調整のために支持部材と機器本体との間にスペーサを挟むことができない。従って、ヒンジピン形成部材を前後方向に位置調整しながら支持部材を上下方向に移動させる必要があり、組立が非常に困難で製造工数が大きくなる問題があった。
本発明は、製造工数を削減できる扉開閉機構及びそれを備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、機器本体の開口部を覆う扉を、前記機器本体及び前記扉の左右端に対称に配された一対のカム機構によって左右から択一的に開閉する両開きの扉開閉機構において、
前記扉の枢支軸を形成する左右のヒンジピンを一体に保持するヒンジアングルと、
前記開口部の上方の前面にネジ止めされる第1取付部と第1取付部から前方に突出する第1突出部とを有し、第1突出部の上面に設置した前記ヒンジアングルを上方からネジ止めする第1支持部材と、
第1突出部の左右方向の外側に配されるとともに、前記開口部の上方の前面にネジ止めされる第2取付部と第2取付部から前方に突出する第2突出部とを有し、第2突出部の下面に当接する前記ヒンジアングルを第2突出部にネジ止めする第2支持部材と、
前記扉の上面の左右端にそれぞれ配されて前記ヒンジピンに係合して前記扉を案内する溝カムと、
を備えたことを特徴としている。
この構成によると、扉の左右端に設けた一対のカム機構のヒンジピンと溝カムとの係脱によって扉が二方向から択一的に開閉される。扉の上方に配される左右のヒンジピンはヒンジアングルにより一体に保持される。第1支持部材は開口部の上方の前面に第1取付部をネジ止めして機器本体に取り付けられる。ヒンジアングルは第1支持部材の第1突出部上に設置され、左右方向及び前後方向を位置調整して第1突出部にネジ止めされる。この時、扉の上面とヒンジアングルの下面との隙間が所定値よりも小さい場合は第1突出部とヒンジアングルとの間にスペーサを挟んでヒンジアングルがネジ止めされる。第2支持部材は第1突出部よりも外側のヒンジピンに近い位置に配置され、第2突出部がヒンジアングルの上面に当接する。そして、第2取付部が開口部の下方の前面にネジ止めされ、第2突出部とヒンジアングルとがネジ止めされる。第2支持部材により溝カムに異物が侵入した場合等のヒンジピンの軸方向の移動が抑制される。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記溝カムが形成されるカム形成部材を前記扉の上面にネジ止めしたことを特徴としている。この構成によると、扉の上面とヒンジアングルの下面との隙間が所定値よりも大きい場合は扉の上面とカム形成部材との間にスペーサを挟んでカム形成部材がネジ止めされる。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記扉の上面と前記カム形成部材との間にスペーサを配したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、第1突出部と前記ヒンジアングルとの間にスペーサを配したことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、第1取付部は、第2取付部の背後を通って第2支持部材の外側に延びる延設部と、前記延接部の端部から前方に突出して前記ヒンジアングルに近接して対向する対向部とを有した平面視L字型に形成されることを特徴としている。
この構成によると、第1取付部の延設部は第2取付部の背後を機器本体の前面に沿って外側に延びる。第1取付部の対向部は延設部の端部から前方に突出し、第1取付部が延設部及び対向部によって平面視L字型に形成される。対向部は第2支持部材の外側のヒンジピンに近い位置に配され、ヒンジピンが上昇した際にヒンジアングルに当接してヒンジピンの上昇を規制する。
また本発明は、上記構成の扉開閉機構において、前記扉を開いた際に前記溝カムを覆うとともに前記扉を閉じた際に前記溝カムから退避する溝カムシャッターを設けたことを特徴としている。
この構成によると、扉が閉じられると溝カムシャッターが溝カムから退避し、両方のカム機構のヒンジピンと溝カムとが係合して扉を閉じた状態が保持される。扉を一方から開くと該一方のヒンジピンが溝カムから離脱する。この時、溝カムシャッターによって溝カムが覆われる。
また本発明の冷蔵庫は、上記各構成の扉開閉機構を備えたことを特徴としている。
本発明によると、第1支持部材の第1取付部が開口部の上方の前面にネジ止めされ、第1取付部から前方に突出する第1突出部の上面に設置したヒンジアングルを上方からネジ止めするので、ヒンジアングルを第1突出部上で左右方向及び前後方向に移動させて容易に位置調整して固定することができる。この時、第1突出部とヒンジアングルとの間にスペーサを挟むことでヒンジアングルを容易に上下方向に位置調整することができる。従って、扉開閉機構の製造工数を削減することができる。
また、第1突出部の外側に配した第2支持部材の第2突出部の下面にヒンジアングルが当接して第2支持部材及びヒンジアングルがネジ止めされるので、第2支持部材を容易に取り付けできるとともに、ヒンジピン近傍でヒンジアングルを補強することができる。従って、溝カムに異物が侵入した場合等のヒンジピンの軸方向の移動を抑制することができる。
本発明の実施形態の冷蔵庫を示す正面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の本体部を示す正面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷凍室の上方のヒンジアングルの取付け状態を示す正面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷凍室の上方のヒンジアングルの取付け状態を示す上面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷凍室の上方のヒンジアングルの取付け状態を示す側面図 図4のB−B断面図 図4のC−C断面図 図4のD−D断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷凍室扉の上方のカム機構を示す上面図 図9のA−A断面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷凍室扉を右側から開いた状態を説明する上面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷凍室扉を右側から開いた状態を説明する上面図 本発明の実施形態の冷蔵庫の冷凍室扉を右側から開いた状態を説明する上面図
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態の扉開閉機構を備えた冷蔵庫を示す正面図である。冷蔵庫1は断熱箱体から成る本体部2(機器本体)の上部に冷蔵室5が形成され、下部に冷凍室6が形成される。冷蔵室5の前面の開口部5a(図2参照)は冷蔵室扉3により開閉される。冷凍室6の前面の開口部6a(図2参照)は冷凍室扉4により開閉される。冷蔵室扉3は左右端にハンドル3a、3bを有し、左右の二方向から択一的に開閉することができる。冷凍室扉4は左右端にハンドル4a、4bを有し、左右の二方向から択一的に開閉することができる。
図2は冷蔵庫1の本体部2を示す正面図である。本体部2の上面には左右方向に延びる天井プレート7が配される。天井プレート7の左右端にはそれぞれヒンジピン形成部材8が配される。ヒンジピン形成部材8はインサート成形等により金属製のヒンジピン21が一体に形成される。
開口部5aの下方の前面には左右方向に延びる断面L字型のヒンジアングル9が配される。ヒンジアングル9の左右端にはインサート成形等により金属製のヒンジピン21が一体に形成される。天井プレート7及びヒンジアングル9に設けられたヒンジピン21によって冷蔵室扉3(図1参照)の枢支軸が形成される。
開口部6aの上方の前面には左右方向に延びるヒンジアングル10が配される。ヒンジアングル10の左右端にはインサート成形等により金属製のヒンジピン21が一体に形成される。また、ヒンジアングル10は左右に分離してそれぞれ設けられる第1支持部材50及び第2支持部材60により支持される。
開口部6aの下方の前面には左右方向に延びる断面L字型のヒンジアングル11が配される。ヒンジアングル11の左右端にはインサート成形等により金属製のヒンジピン21が一体に形成される。ヒンジアングル10、11に設けられたヒンジピン21によって冷凍室扉4(図1参照)の枢支軸が形成される。
冷蔵室扉3の上下面及び冷凍室扉4の上下面にはヒンジピン21に係合する溝カム31(図10参照)を有したカム形成部材30(図10参照)が取り付けられる。ヒンジピン21及び溝カム31を含むカム機構12(図10参照)が冷蔵室扉3及び冷凍室40の左右の両端部に左右対称に設けられる。
図3、図4、図5は冷凍室扉4の上方のヒンジアングル10の取付け状態の詳細を示す正面図、上面図及び側面図である。また、図6、図7、図8はそれぞれ図4のB−B断面図、C−C断面図、D−D断面図を示している。ヒンジアングル10は第1支持部材50及び第2支持部材60により支持される。
第1支持部材50は側面断面がL字型に形成され、本体部2の前面に取り付けられる第1取付部51と、第1取付部51の下端から前方に突出する第1突出部54とを有している。第2支持部材60は側面断面がL字型に形成され、本体部2の前面に取り付けられる第2取付部61と、第2取付部61の下端から前方に突出する第2突出部62とを有している。第2支持部材60は第1突出部54の左右方向の外側に取り付けられ、第1突出部54とヒンジピン21との間に配置される。これにより、第1突出部54がヒンジピン21から離れた位置に配置され、第2支持部材60がヒンジピン21に近い位置に配置される。
第1取付部51には貫通孔51aが設けられ、貫通孔51aに挿通されるネジ51bによって第1支持部材50が本体部2にネジ止めされる。第1突出部54にはネジ孔54aが設けられ、第1突出部54の上面にヒンジアングル10が設置される。ヒンジアングル10にはネジ孔54aに対応する位置に貫通孔10aが設けられる。
貫通孔10aに上方から挿通されるネジ54bによってヒンジアングル10が第1支持部材50にネジ止めされる。この時、貫通孔10aはネジ54bの雄ネジ部に対して十分大きく形成される。これにより、ヒンジアングル10と第1支持部材50との相対位置を前後方向及び左右方向に調整可能になっている。また、第1突出部54がヒンジピン21から離れるため、ヒンジアングル10の下面に設けられるカム機構12(図9参照)との干渉が回避される。
第1取付部51には本体部2の前面に沿って左右方向に延びる延設部52が設けられる。延設部52は第2取付部61の背後を通って第2支持部材60の外側に延び、延設部52の端部には前方に突出する対向部55が設けられる。これにより、第1取付部51は平面視L字型に形成される。
また、第1取付部51には第1突出部54の両側方の下端から前方に突出する対向部56、57が設けられる。対向部55、56、57はヒンジアングル10の上面に近接して対向する。
第2取付部61には貫通孔(不図示)が設けられ、貫通孔に挿通されるネジ61bによって第2支持部材60が本体部2にネジ止めされる。この時、ネジ61bはヒンジアングル9に設けた貫通孔(不図示)を貫通し、第2支持部材60及びヒンジアングル9を共締めする。これにより、第2取付部61を前方に配置して第2突出部62の突出量を小さくすることができ、第2支持部材60の強度を向上することができる。
第2突出部62にはネジ孔62aが設けられ、第2突出部62の下面に接してヒンジアングル10が配される。ヒンジアングル10にはネジ孔62aに対応する位置に貫通孔10bが設けられる。貫通孔10bに下方から挿通されるネジ62bによってヒンジアングル10が第2支持部材60にネジ止めされる。この時、貫通孔10bはネジ62bの雄ネジ部に対して十分大きく形成される。これにより、ヒンジアングル10と第2支持部材60との相対位置を前後方向及び左右方向に調整可能になっている。
図9は冷凍室扉4の上方のカム機構12を示す上面図であり、冷凍室扉4が閉じられた状態を示している。また、図10は図9のA−A断面図を示している。冷凍室扉4の下方のカム機構12も同様に構成され、冷蔵室扉3の上下のカム機構12も同様に構成される。
左右の両端部に配されるカム機構12は、ヒンジアングル10に設けられるヒンジピン21、リブ24、第1係合突起25(それぞれ図中、ハッチングで示す)と、冷凍室扉4に設けられる溝カム31、ボス34、第2係合突起35とを備えている。
リブ24は樹脂成形によってアーチ状に形成され、ヒンジピン21の周囲に配される。リブ24の内面にはヒンジピン21と同心の円筒面から成る案内面24aが形成される。尚、リブ24の案内面24aを多数のピンや突起部によって形成し、包絡面がヒンジピン21と同心の円筒面になるように形成してもよい。即ち、案内面24aがヒンジピン21と同心の円弧上に沿って形成されていればよい。
第1係合突起25は左右のヒンジピン21の間に配置される。第1係合突起25には近い方のヒンジピン21と同心の円筒面25aと遠い方のヒンジピン21と同心の円筒面25bとが対向して設けられる。
溝カム31、ボス34及び第2係合突起35は一体に樹脂成形されたカム形成部材30により形成される。カム形成部材30は冷凍室扉4の上面カバー4c上にネジ止めされる。
溝カム31はヒンジピン21が係合し、連続する第1溝部32と第2溝部33とを有している。第1溝部32は本体部2側を開放し、枢支軸に垂直な面内で開放端が内側に向くように傾斜して形成される。第2溝部33は第1溝部32の開放端と反対の端部に連続し、第1溝部32から外側に向かって屈曲して第1溝部32の開放端から離れる方向に延びる。
ボス34は第2溝部33が凹設され、リブ24の案内面24aに摺動する円筒面34aを有している。また、ボス34の周面には後述する第1係止位置でリブ24との干渉を回避する逃げ部34b(図11参照)が設けられる。尚、リブ24の案内面24aが円筒面から成る場合には、ボス34の周面を多数のピンや突起部により形成してもよい。即ち、ボス34の周面を形成する多数のピンや突起部の包絡面が円筒面となるように形成してもよい。
第2係合突起35は第1係合突起25の円筒面25a、25bとそれぞれ摺動する摺動面35a、35bを有している。カム形成部材30には第1係合突起25との干渉を回避する逃げ溝36が第2係合突起35の周囲に凹設される。
また、上面カバー4cにはカム形成部材30の上方に配されるシャッター支持部40が取り付けられる。シャッター支持部40は溝カム31及びボス34が露出する開口部40aと、第2係合突起35及び逃げ溝36が露出する開口部40bとが開口する。開口部40aを介してヒンジピン21及びリブ24がそれぞれ溝カム31及びボス34と係合する。開口部40bを介して第1係合突起25が第2係合突起35と係合する。
シャッター支持部40には開口部40a、40bをそれぞれ開閉する溝カムシャッター41及び逃げ溝シャッター43が取り付けられる。溝カムシャッター41は軸部41aでシャッター支持部40に軸支され、軸部に配された捻りバネ42によって開口部40aを閉じる方向に付勢される。溝カムシャッター41は開口部40aを閉じて溝カム31を覆う位置と、開口部40aを開いて溝カム31から退避する位置との間を回動する。
逃げ溝シャッター43は軸部43aでシャッター支持部40に軸支され、軸部に配された捻りバネ44によって開口部40bを閉じる方向に付勢される。逃げ溝シャッター43は開口部40bを閉じて逃げ溝36を覆う位置と、開口部40bを開いて逃げ溝36から退避する位置との間を回動する。また、シャッター支持部40には溝カムシャッター41及び逃げ溝シャッター43を閉じた際に係止するストッパー47、48が下方に突出して形成される。
前述の図2において、冷蔵室扉3の取付け時には、まず、下方のヒンジアングル9が開口部5aの下方の前面にネジ止めされる。次に、下方のヒンジピン21に冷蔵室扉3の下面の溝カム31を係合し、冷蔵室扉3が所定の隙間を有してヒンジアングル9上に設置される。次に、冷蔵室扉3の上面の溝カム31にヒンジピン21を係合し、天井プレート7またはヒンジピン形成部材8を前後方向及び左右方向に位置調整する。そして、天井プレート7及びヒンジピン形成部材8がネジ止めされる。
この時、冷蔵室扉3とヒンジピン形成部材8の下面との隙間が所定値よりも小さい場合は、天井プレート7と本体部2の上面との間にスペーサが挟まれる。天井プレート7はスペーサを挟んで本体部2の上面上で位置調整してネジ止めされる。また、冷蔵室扉3とヒンジピン形成部材8との隙間が所定値よりも大きい場合は、カム形成部材30と冷蔵室扉3の上面カバーとの間にスペーサを挟んでカム形成部材30がネジ止めされる。これにより、上下のヒンジピン21の距離と上下の溝カム31の距離とを所定の範囲に維持し、円滑に冷蔵室扉3を案内することができる。
冷凍室扉4の取付け時にはまず、下方のヒンジアングル11が開口部6aの下方の前面にネジ止めされる。次に、第1支持部材50の第1取付部51がネジ51bによって開口部6aの上方の前面にネジ止めされる。次に、下方のヒンジピン21に冷凍室扉4の下面の溝カム31を係合し、冷凍室扉4が所定の隙間を有してヒンジアングル11上に設置される。
次に、第1支持部材50の第1突出部54上にヒンジアングル10が設置される。この時、第1突出部54はヒンジピン21から離れた位置に配され、カム機構12との干渉が回避される。ヒンジアングル10は冷凍室扉4の上面の溝カム31にヒンジピン21が係合するように前後方向及び左右方向に位置調整される。そして、ヒンジアングル10がネジ54bにより第1支持部材50の第1突出部54に上方からネジ止めされる。
この時、冷凍室扉4とヒンジアングル10の下面との隙間が所定値よりも小さい場合は、ヒンジアングル10と第1突出部54の上面との間にスペーサ(不図示)が挟まれる。ヒンジアングル10はスペーサを挟んで第1突出部54上で位置調整してネジ止めされる。また、冷凍室扉4とヒンジアングル10との隙間が所定値よりも大きい場合は、カム形成部材30と冷凍室扉4の上面カバー4cとの間にスペーサを挟んでカム形成部材30がネジ止めされる。
次に、一方のヒンジピン21を枢支軸として冷蔵室扉4を開き、ヒンジアングル10上に第2支持部材60の第2突出部62が設置される。第2支持部材60は第2取付部61を冷蔵室扉3のヒンジアングル9に当接してネジ62bにより下方からヒンジアングル10に仮止めされる。次に、第2取付部61をネジ61bによりネジ止めした後、ネジ62bを本締めして第2突出部62がヒンジアングル10にネジ止めされる。次に、他方のヒンジピン21を枢支軸として冷蔵室扉4を開き、第2支持部材60が同様に取り付けられる。
これにより、上下のヒンジピン21の距離と上下の溝カム31の距離とを所定の範囲に維持し、円滑に冷凍室扉4を案内することができる。また、第2支持部材60によってヒンジピン21に近い位置でヒンジアングル10が支持される。これにより、ヒンジピン21の軸方向の移動を抑制することができる。尚、第2突出部62に貫通孔を設けてヒンジアングル10にネジ孔を設け、ネジ62bにより上方から第2突出部62とヒンジアングル10とをネジ止めしてもよい。
次に、冷凍室扉4の開閉時の動作を説明する。冷蔵室扉3についても同様に動作する。冷凍室扉4を閉じた状態では両側のカム機構12は図9に示す第1係止位置に配置される。即ち、左右のヒンジピン21が第1溝部32と第2溝部33との連結部に配置される。また、ボス34の逃げ部34b(図11参照)がリブ24の案内面24aに沿って配置される。
第1溝部32は枢支軸に垂直な面内で前後方向に対して傾斜しているため、左右の第1溝部32の開放端からヒンジピン21が離脱することがない。従って、冷凍室扉41の脱落を防止することができる。
この時、溝カムシャッター41はリブ24に当接し、捻りバネ42の付勢力に抗してシャッター支持部40の開口部40aを開く。これにより、ヒンジピン21が溝カム31に係合する。同様に、逃げ溝シャッター43は第1係合突起25に当接し、捻りバネ44の付勢力に抗してシャッター支持部40の開口部40bを開く。これにより、第1係合突起25が逃げ溝36内に配される。
冷凍室扉4を右側から開くと、右側のヒンジピン21は第1溝部32の係合案内によって第1溝部32の開放端に向かって相対移動する。第1溝部32は開放端が冷凍室扉4の内側に向かって傾斜しており、第2溝部33は第1溝部32との連結部から外側に向かって延びている。
両方のヒンジピン21の間隔は一定のため、右側のヒンジピン21が開放端に向かって内側に相対移動すると、左側のヒンジピン21は第1溝部32から離れる方向に第2溝部33内を外側に相対移動する。これにより、冷凍室扉4は回動しながら左側の軸側から右側の開放側にスライド移動する。
そして、図11に示すように、左側のヒンジピン21が第2溝部33の閉じられた端部に到達し、カム機構12が第2係止位置に配置される。この時、左側のボス34の円筒面34aがリブ24の案内面24aと摺動を開始する。これにより、ヒンジピン21と第2溝部33との係合により略前後方向への冷凍室扉4の移動が規制され、ボス34とリブ24との係合により略左右方向への冷凍室扉4の移動が規制される。従って、カム機構12は第2係止位置で冷凍室扉4をスライド規制して回動自在に支持する。
また、右側の第1係止部材25の円筒面25bと第2係止部材35の摺動面35bとが摺動し、左側の第1係止部材25の円筒面25aと第2係止部材35の摺動面35aとが摺動する。これにより、冷凍室扉4をより安定して回動させることができる。
更に冷凍室扉4が開かれると、図12に示すように、右側のヒンジピン21と溝カム31との係合が解除される。また、右側の第1係止部材25と第2係止部材35との係合が解除される。これにより、右側のカム機構12の係合が解除される。冷凍室扉4は左側のヒンジピン21を中心としてスライド規制されて回動する。
この時、右側の溝カムシャッター41及び逃げ溝シャッター43はそれぞれ捻りバネ42、44の付勢力によって開口部40a、40bを閉じ、ストッパー47、48により係止される。これにより、右側の溝カムシャッター41により溝カム31及びボス34が覆われ、逃げ溝シャッター43により第2係合突起35及び逃げ溝36が覆われる。
更に冷凍室扉4が開かれると、図13に示すように、左側の第1係合突起25と第2係合突起35との係合が解除される。そして、第2溝部33とヒンジピン21との係合及びボス34とリブ24との係合によって冷凍室扉4が回動する。この時、左側の逃げ溝シャッター43は捻りバネ44の付勢力によって開口部40bを閉じ、ストッパー48により係止される。これにより、左側の逃げ溝シャッター43により第2係合突起35及び逃げ溝36が覆われる。
冷凍室扉4を閉じる場合には左右のカム機構12は上記と逆の動作が行われる。この時、溝カムシャッター41はヒンジピン21との当接により開き始めてリブ24との当接により更に開かれ、溝カム31から退避する。逃げ溝シャッター43は第1係合突起25に当接して開かれ、逃げ溝36から退避する。
また、冷凍室扉4を左側から開閉すると、左右のカム機構12は上記と左右対称に推移する。
本実施形態によると、第1支持部材50の第1取付部51が開口部6aの上方の前面にネジ止めされ、第1取付部51から前方に突出する第1突出部54の上面に設置したヒンジアングル10を上方からネジ止めする。これにより、ヒンジアングル10を第1突出部54上で左右方向及び前後方向に移動させて容易に位置調整して固定することができる。この時、第1突出部54とヒンジアングル10との間にスペーサを挟むことでヒンジアングル10の下面と冷凍室扉4の上面との隙間を容易に広げて位置調整することができる。従って、扉開閉機構の製造工数を削減することができる。
また、第1突出部54の外側に配した第2支持部材60の第2突出部62の下面にヒンジアングル10が当接して第2支持部材60及びヒンジアングル10がネジ止めされるので、第2支持部材60を容易に取り付けできるとともに、ヒンジピン21近傍でヒンジアングル10を補強することができる。従って、溝カム31に異物が侵入した場合等のヒンジピン21の軸方向の移動を抑制することができ、冷凍室扉4の脱落を防止することができる。
加えて、上面にヒンジアングル10が当接する第1突出部54がヒンジピン21から離れ、第2突出部62の下面にヒンジアングル10が当接する。このため、第1突出部54とカム機構12との干渉を防止するとともに第2支持部材60とカム機構12との干渉を防止することができる。
また、溝カム31が形成されるカム形成部材30を冷凍室扉4の上面にネジ止めしたので、カム形成部材30と冷凍室扉4の上面との間にスペーサを挟んでヒンジアングル10の下面と冷凍室扉4の上面との隙間を容易に狭めることができる。
また、冷凍室扉4の上面とカム形成部材30との間にスペーサを配して、ヒンジアングル10の下面と冷凍室扉4の上面との隙間を適正にすることができる。
また、第1突出部54とヒンジアングル10との間にスペーサを配して、ヒンジアングル10の下面と冷凍室扉4の上面との隙間を適正にすることができる。
また、第1取付部51が第2取付部61の背後を通って第2支持部材60の外側に延びる延設部52と、延接部52の端部から前方に突出してヒンジアングル10に近接して対向する対向部55とを有した平面視L字型に形成されるので、対向部55の上下方向の厚みが大きく形成される。これにより、溝カム31に異物が侵入した場合等のヒンジピン21の軸方向の移動をより確実に防止することができる。
また、冷蔵室扉3及び冷蔵室扉4を開いた際に溝カム31を覆うとともに冷蔵室扉3及び冷蔵室扉4を閉じた際に溝カム31から退避する溝カムシャッター41を設けたので、冷蔵室扉3及び冷蔵室扉4を開いた際に溝カム31への異物の侵入を防止することができる。従って、扉を閉じることができない不具合を回避することができ、扉開閉機構を備えた冷蔵庫1の使用性を向上することができる。また、扉を開いた際に溝カム31が視認されないため、冷蔵庫1の美感を向上することができる。
特に、冷蔵室扉3や冷凍室扉4の上面に溝カム31が設けられた場合には溝カム31に異物が侵入しやすくなるとともに視認されやすくなる。従って、ヒンジピン21を本体部2(機器本体)に設けて溝カム31及び溝カムシャッター41を扉の上面に設けた場合に冷蔵庫1の使用性及び美感をより向上することができる。
本実施形態において、一対のカム機構12を有する扉開閉機構を備えた冷蔵庫1について説明しているが、同様の扉開閉機構を他の機器に設けてもよい。
本発明によると、扉を二方向から択一的に開閉する両開きの扉開閉機構を備えた冷蔵庫等の機器に利用することができる。
1 冷蔵庫
2 本体部
3 冷蔵室扉
4 冷凍室扉
5 冷蔵室
6 冷凍室
7 天井プレート
8 ヒンジピン形成部材
9、10、11 ヒンジアングル
12 カム機構
21 ヒンジピン
24 リブ
24a 案内面
25 第1係合突起
30 カム形成部材
31 溝カム
32 第1溝部
33 第2溝部
34 ボス
34a 円筒面
34b 逃げ部
35 第2係合突起
36 逃げ溝
40 シャッター支持部
41 溝カムシャッター
42、44 捻りバネ
43 逃げ溝シャッター
47、48 ストッパ
50 第1支持部材
51 第1取付部
52 延設部
54 第1突出部
55、56、57 対向部
60 第2支持部材
61 第2取付部
62 第2突出部

Claims (7)

  1. 機器本体の開口部を覆う扉を、前記機器本体及び前記扉の左右端に対称に配された一対のカム機構によって左右から択一的に開閉する両開きの扉開閉機構において、
    前記扉の枢支軸を形成する左右のヒンジピンを一体に保持するヒンジアングルと、
    前記開口部の上方の前面にネジ止めされる第1取付部と第1取付部から前方に突出する第1突出部とを有し、第1突出部の上面に設置した前記ヒンジアングルを上方からネジ止めする第1支持部材と、
    第1突出部の左右方向の外側に配されるとともに、前記開口部の上方の前面にネジ止めされる第2取付部と第2取付部から前方に突出する第2突出部とを有し、第2突出部の下面に当接する前記ヒンジアングルを第2突出部にネジ止めする第2支持部材と、
    前記扉の上面の左右端にそれぞれ配されて前記ヒンジピンに係合して前記扉を案内する溝カムと、
    を備えたことを特徴とする扉開閉機構。
  2. 前記溝カムが形成されるカム形成部材を前記扉の上面にネジ止めしたことを特徴とする請求項1に記載の扉開閉機構。
  3. 前記扉の上面と前記カム形成部材との間にスペーサを配したことを特徴とする請求項2に記載の扉開閉機構。
  4. 第1突出部と前記ヒンジアングルとの間にスペーサを配したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の扉開閉機構。
  5. 第1取付部は、第2取付部の背後を通って第2支持部材の外側に延びる延設部と、前記延接部の端部から前方に突出して前記ヒンジアングルに近接して対向する対向部とを有した平面視L字型に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の扉開閉機構。
  6. 前記扉を開いた際に前記溝カムを覆うとともに前記扉を閉じた際に前記溝カムから退避する溝カムシャッターを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の扉開閉機構。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の扉開閉機構を備えたことを特徴とする冷蔵庫。
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