JP4832539B2 - エレベータドアスイッチの調整治具および調整方法 - Google Patents
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Description
そして、左右のかごドア側3L,3Rを吊り下げるドアハンガ4L,4Rには、ハンガレール2の上を転動するハンガローラ5が回転自在に支持されていて、かごドア3L,3Rが図示左右方向に開閉するようになっている。
そして、その駆動ベルト6のうち上段側の部分6aには右側のハンガブラケット7を介して右側のかごドア3Rが接続され、かつ下段側の部分6bには左側のハンガブラケット8を介して左側のかごドア3Lが接続されている。
これにより、図示されないドア駆動モータを作動させることによって左右のかごドア3L,3Rを開閉することができる。
これらのドアスイッチ10L,10Rはその構造が同一であるため、図7を参照して左側のドアスイッチ10Lについて説明すると、このドアスイッチ10Lは、ハンガブラケット(可動側)8にボルトBで締結されているブラケット11によって支持された可動部分12と、ドアマシンベース(静止側)1にボルトBで締結されたブラケット13によって支持された静止部分14とを有している。
これに対して、かごドア3Lが開くと、図9に示したように可動部分12の棒状棒状短絡端子12a,12bと静止部分14の接点15a,15bと離間し、ばね電極16a,16b間の図示されない電気回路が開くため、エレベータの運転は直ちに停止される。
このため、ハンガブラケット8に可動部分12をボルトBで締結するとともに、ドアマシンベース1に静止部分14をボルトBで締結するときには、可動部分12と静止部分14とのドア開閉方向および上下方向の相対位置を確実に調整しなければならない。
このため、ドアスイッチ10L,10Rを保守点検する際における、可動部分12と静止部分14との相対位置の調整作業は困難であり熟練を要していた。
エレベータのドアが開放したことを検出するドアスイッチのうち、前記ドアの可動側と一体に変位する可動部分と前記ドアの静止側に固定される静止部分との相対位置を調整するための治具であって、
前記ドアスイッチは、前記可動部分および前記静止部分のいずれか一方が前記ドアの開閉方向に延びる棒状端子を有するとともに、いずれか他方が前記棒状端子を前記ドアの開閉方向に受容する挿入孔を有しており、
前記治具は、
前記可動部分および前記静止部分によって前記ドアの開閉方向に挟持される厚みを有するとともに前記棒状端子が貫通する保持手段と、
前記可動部分と上下方向に係合する、前記保持手段に設けられた第1の係合部と、
前記静止部分と上下方向に係合する、前記保持手段に設けられた第2の係合部と、
を備え、
前記保持手段は、前記可動部分を前記第1の係合部に係合させるとともに前記静止部分を前記第2の係合部に係合させることにより、前記可動部分および前記静止部分を一体化させた状態で前記エレベータにそれぞれ取り付けると、前記可動部分と前記静止部分が所定の相対位置となるように構成されていることを特徴とする。
そして、ドアスイッチをエレベータに固定した後に、この調整治具を取り外すと、可動部分および静止部分は所定の相対位置に位置決めされた状態となる。
これにより、ドアスイッチの可動部分および静止部分をそれぞれ個別に位置調整する場合に比較し、可動部分および静止部分の相対位置を正確にかつ容易に調整することができる。
これにより、本発明の調整治具をきわめて簡単な構造で実現することができる。
これにより、ドアスイッチをエレベータに取り付けた後における調整治具の取り外しを容易なものとすることができる。
すなわち、保持手段のうち第1および第2の部分の相対位置を変更することにより、ドアスイッチの可動部分と静止部分のドア開閉方向における相対位置を必要に応じて最適なものとすることができる。
このとき、前記第1の部分および前記第2の部分のいずれか一方をいずれか他方に向けて付勢し、第1および第2の部分によって前記シムを挟持することが好ましい。
また、前記相対位置調整手段は、前記第1の部分および前記第2の部分の少なくともいずれか一方に螺合するボルトとすることもできる。
これにより、相対位置調整手段を用いて第1および第2の部分の相対位置を適切に調整した後に、この調整治具にドアスイッチの可動部分および静止部分をそれぞれ係合させることにより、ドアスイッチの可動部分および静止部分の相対位置を
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を取り付けるとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を取り付けることができる。
前記相対位置変更手段を用いて前記第1の係合部と前記第2の係合部の相対位置を所定の値に調整した後、
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に一体に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を取り付けるとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を取り付けることができる。
なお、以下の説明においては、前述した従来技術を含めて同一の部分には同一の符号を用いて重複した説明を省略するとともに、乗りかごのドアが開閉する方向を左右方向と、乗客が乗りかごに出入りする方向を前後方向と、鉛直方向を上下方向と言う。
まず最初に図1を参照し、第1実施形態のドアスイッチ調整治具について説明する。
そして、その本体部分(保持部)11には、ドアスイッチ10の可動部分12に設けられている棒状短絡端子12a,12bの基部に外嵌する貫通孔(第1の係合部)22a,22bが貫設されるとともに、棒状短絡端子12a,12bを受容するために静止部分14に設けられている挿入孔14a,14bに内嵌する環状の凸部(第2の係合部)23a,23bが凸設されている。
これにより、可動部分12および静止部分14は、ドア開閉方向および上下方向において所定の相対位置に一体に保持される。
そして、左右のかごドア3L,3Rをわずかに開けてこの調整治具20をドアスイッチ10から取り除くと、ドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14とを所定の相対位置に位置決めして固定する調整作業が完了する。
そして、ドアスイッチ10をエレベータに固定した後に、この調整治具20を取り外すと、可動部分12および静止部分14は所定の相対位置に位置決めされた状態となる。
これにより、ドアスイッチ10の可動部分12および静止部分14をそれぞれ個別に位置調整する場合に比較し、可動部分12および静止部分14の相対位置を正確にかつ容易に調整することができる。
次に図2を参照し、第1変形例のドアスイッチ調整治具について説明する。
そして、その本体部分(保持部)31には、ドアスイッチ10の可動部分12に外嵌する第1の凹部(第1の係合部)32および静止部分14に外嵌する第2の凹部(第2の係合部)33がそれぞれ凹設されるとともに、棒状短絡端子12a,12bを受容する大径の貫通孔33a,33bが貫設されている。
なお、この調整治具30を用いたドアスイッチ10の調整方法は、上述した第1実施形態の場合と全く同様である。
次に図3を参照し、第2変形例のドアスイッチ調整治具について説明する。
そして、これらの凹溝42a,42bは、本体部分41の後側の側面41aの側にそれぞれ開口している。
これにより、ドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14を所定の相対位置に調整する作業をより一層容易に行うことができる。
次に図4を参照し、第2実施形態のドアスイッチ調整治具について説明する。
さらに、ボルト53,53の基端には、それぞれ複数枚のシム56,56が取り付けられて、第1の板状部材51と第2の板状部材52の相対間隔を所定の値に保持している。
なお、この調整治具50を用いたドアスイッチ10の調整方法は、上述した第1実施形態の場合と全く同様である。
また、コイルばね55によって第1の板状部材51を第2の板状部材52に向かって付勢することにより、第1の板状部材51と第2の板状部材52の間にシム56を挟持する構造となっていて、第1の板状部材51と第2の板状部材52の相対間隔が変動することがないから、ドアスイッチ10の可動部分12と静止部分14のドア開閉方向における相対位置を正確に調整することができる。
次に図5を参照し、第3変形例のドアスイッチ調整治具について説明する。
そして、第1の板状部材61の上下の端部にそれぞれ取り付けられているボルト63,63は、第2の板状部材52に螺合している。
このとき、第1の板状部材51の上下の端部からそれぞれ延設されているフランジ61cの外側表面に目盛りが刻設されているので、第1の板状部材51と第2の板状部材52の間隔を所定の値に正確に設定することができる。
なお、この調整治具60を用いたドアスイッチ10の調整方法は、上述した第2実施形態の場合と全く同様である。
例えば、上述した第2および第3実施形態の調整治具50,60においても、図3に示した第2変形例の調整治具40と同様に、ドアスイッチ10の調整が完了したときに前方に引く抜くことができるように変更することができる。
10L,10R ドアスイッチ
12 可動部分
12a,12b 棒状短絡端子
14 静止部分
15a,15b 接点
16a,16b ばね状電極
20 第1実施形態の調整治具
30 第1変形例の調整治具
40 第2変形例の調整治具
50 第2実施形態の調整治具
60 第3実施形態の調整治具
Claims (12)
- エレベータのドアが開放したことを検出するドアスイッチのうち、前記ドアの可動側と一体に変位する可動部分と前記ドアの静止側に固定される静止部分との相対位置を調整するための治具であって、
前記ドアスイッチは、前記可動部分および前記静止部分のいずれか一方が前記ドアの開閉方向に延びる棒状端子を有するとともに、いずれか他方が前記棒状端子を前記ドアの開閉方向に受容する挿入孔を有しており、
前記治具は、
前記可動部分および前記静止部分によって前記ドアの開閉方向に挟持される厚みを有するとともに前記棒状端子が貫通する保持手段と、
前記可動部分と上下方向に係合する、前記保持手段に設けられた第1の係合部と、
前記静止部分と上下方向に係合する、前記保持手段に設けられた第2の係合部と、
を備え、
前記保持手段は、前記可動部分を前記第1の係合部に係合させるとともに前記静止部分を前記第2の係合部に係合させることにより、前記可動部分および前記静止部分を一体化させた状態で前記エレベータにそれぞれ取り付けると、前記可動部分と前記静止部分が所定の相対位置となるように構成されていることを特徴とするエレベータドアスイッチの調整治具。 - 前記第1の係合部および前記第2の係合部のいずれか一方が前記棒状端子に外嵌するとともに、いずれか他方が前記挿入孔に内嵌する構造であることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 前記第1の係合部は、前記保持手段のうち前記可動部分の側に凹設されて前記可動部分に外嵌する第1の凹部であり、
前記第2の係合部は、前記保持手段のうち前記静止部分の側に凹設されて前記静止部分に外嵌する第2の凹部であることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。 - 前記保持手段は、前記ドアの開閉方向に対して垂直な方向に延びるとともにその先端が開口している、前記棒状端子を受容する凹溝を有していて、前記可動部分および前記静止部分に対し前記ドアを開くことなく前記垂直な方向に挿抜自在に構成されていることを特徴とする請求項1に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 前記保持手段は、前記可動部分と前記静止部分を前記ドアの開閉方向において所定の間隔に保持するための所定の厚みを有する板状部材であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 前記保持手段は、前記第1の係合部を有する第1の部分と前記第2の係合部を有する第2の部分から構成されるとともに、前記第1の部分と前記第2の部分の前記ドア開閉方向の相対位置を変更する相対位置変更手段を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 前記相対位置調整手段は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に介装されるシムであることを特徴とする請求項6に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 前記第1の部分および前記第2の部分のいずれか一方をいずれか他方に向けて付勢し、前記第1および第2の部分によって前記シムを挟持する付勢手段をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 前記相対位置調整手段は、前記第1の部分および前記第2の部分の少なくともいずれか一方に螺合するボルトであることを特徴とする請求項6に記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 前記第1の部分と前記第2の部分の相対位置を表示する、前記第1の部分および前記第2の部分の少なくともいずれか一方に設けられた目盛りを有することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具を用いて前記ドアスイッチを調整する方法であって、
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に一体に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を固定するとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を固定することを特徴とするエレベータドアスイッチの調整方法。 - 請求項6乃至10のいずれかに記載したエレベータドアスイッチの調整治具を用いて前記ドアスイッチを調整する方法であって、
前記相対位置変更手段を用いて前記第1の部分と前記第2の部分の相対位置を調整した後、
前記第1の係合部に前記可動部分を係合させるとともに前記第2の係合部に前記静止部分を係合させて前記第1および第2の係合部を所定の相対位置に一体に保持しつつ、
前記エレベータの可動側に前記可動部分を固定するとともに前記エレベータの静止側に前記静止部分を固定することを特徴とするエレベータドアスイッチの調整方法。
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