JP4832083B2 - 合成樹脂鏡 - Google Patents

合成樹脂鏡 Download PDF

Info

Publication number
JP4832083B2
JP4832083B2 JP2006001463A JP2006001463A JP4832083B2 JP 4832083 B2 JP4832083 B2 JP 4832083B2 JP 2006001463 A JP2006001463 A JP 2006001463A JP 2006001463 A JP2006001463 A JP 2006001463A JP 4832083 B2 JP4832083 B2 JP 4832083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
film
mirror
mass
nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006001463A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007181557A (ja
Inventor
保之 薄羽
信也 佐藤
Original Assignee
株式会社菱晃
岩▲崎▼真空技術株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社菱晃, 岩▲崎▼真空技術株式会社 filed Critical 株式会社菱晃
Priority to JP2006001463A priority Critical patent/JP4832083B2/ja
Publication of JP2007181557A publication Critical patent/JP2007181557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4832083B2 publication Critical patent/JP4832083B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mirrors, Picture Frames, Photograph Stands, And Related Fastening Devices (AREA)

Description

本発明は、合成樹脂基板に銀鏡面膜が設けられた合成樹脂鏡に関する。
鏡の構造としては、耐食性の観点から透明基板上に銀反射膜、銅保護膜、裏面保護塗膜を順次積層してなるものが一般的であり、合成樹脂鏡においても、反射膜が銀である場合はこの構造が採用される(特許文献1および2参照)。
実開昭55−16768号公報 特開平6−38860号公報
しかしながら上記のように銅を金属保護膜として用いた合成樹脂鏡においては、その裏面保護塗料として適用可能な既知の防錆塗料を使用した場合、耐食性能を更に改善することが求められていた。
本発明の目的は、合成樹脂鏡の裏面保護塗膜を形成する塗料として適用可能な既知の防錆塗料を使用した場合であっても、優れた耐食性能を発揮することのできる合成樹脂鏡を提供することである。
本発明は、合成樹脂基板上に、銀鏡面膜と、金属保護膜と、裏面保護塗膜とをこの順に有する合成樹脂鏡において、
前記金属保護膜が、銅とニッケルの合金であって、ニッケルの含有量が該合金中、1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする合成樹脂鏡である。
前記裏面保護塗膜を形成する塗料が、防錆塗料であることができる。
また本発明は、合成樹脂基板上に、銀鏡面膜と、金属保護膜と、裏面保護塗膜とをこの順に積層する合成樹脂鏡の製造方法において、
前記金属保護膜を、ニッケルの含有量が合金中、1質量%以上30質量%以下である銅とニッケルの合金、あるいは銅及びニッケル夫々単体の混合物であって該混合物中のニッケル含有量が1質量%以上30質量%以下である混合物からなる蒸発材料を用いて、真空蒸着法により形成する工程を有することを特徴とする合成樹脂鏡の製造方法である。
さらに本発明は、合成樹脂基板上に、銀鏡面膜と、金属保護膜と、裏面保護塗膜とをこの順に積層する合成樹脂鏡の製造方法において、
前記金属保護膜を、ニッケルの含有量が合金中、1質量%以上30質量%以下である銅とニッケルの合金からなるターゲットを用いて、スパッタリング法により形成する工程を有することを特徴とする合成樹脂鏡の製造方法である。
本発明により、合成樹脂鏡の裏面保護塗料として適用可能な既知の防錆塗料を使用した場合であっても、優れた耐食性能を発揮することのできる合成樹脂鏡が提供される。
以下に図面を用いて本発明の一形態を説明する。
この合成樹脂鏡は、合成樹脂基板1の一方の主面(図中、上面)に、銀鏡面膜2、金属保護膜3および裏面保護塗膜4が基板側からこの順に積層されてなる。この合成樹脂鏡は裏面鏡であるため、合成樹脂基板としては透明樹脂基板を用いる。
透明樹脂基板1の材料としては、裏面鏡としての使用可能な透明性を持った樹脂であれば使用できる。また透明性を損なわない程度に着色されているものであってもよい。透明樹脂基板1としては、アクリル板、ポリカーボネート板等が、その透明性の高さから好適に使用できる。また鏡表面の耐擦傷性および耐薬品性に優れるということから、それらの樹脂の両面にハードコートを施したものが好ましい。ハードコートの種類は、特に限定されないが、例えばアクリル系、シリコン系ハードコートが挙げられる。またハードコート膜の成膜方法については、例えばディッピング法、キャスト法、フローコート法等の公知の技術を適用できる。
銀鏡面膜2の成膜方法は、公知の成膜技術である真空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法などが利用できる。また合成樹脂基板と銀鏡面膜の付着性を高めるために、基板に対して公知の技術であるコロナ放電処理、プラズマ処理等を行うことが好ましい。その具体的方法については特に制限はないが、例えば特許第3185887号公報で示されている方法が挙げられる。膜厚は鏡としての実用的に好ましい反射率が得られる60nm以上であることが好ましく、また基材との密着力の観点から120nm以下であることが好ましい。
本発明では銀鏡面膜2の上に成膜される金属保護膜3を、ニッケルを1質量%以上30質量%以下含む銅−ニッケル合金膜としている。これは、銅にニッケルを含有させたものを銀鏡面膜の保護膜とすると、合成樹脂鏡の耐食効果が高まるが、さらにニッケルの含有量がこの範囲である場合に耐食効果が極めて優れるためである。ニッケルが1質量%以上含む銅−ニッケル合金膜では、後述する塩水浸漬試験で良好な結果となり、ニッケルが30質量%以下含む銅−ニッケル合金膜では、後述する人工汗液浸漬試験で良好な結果となる。
金属保護膜の膜厚は防食の観点から20nm以上であることが好ましく、また銀鏡面膜が形成された基材との密着力の観点から70nm以下であることが好ましい。
この膜を成膜するために公知の成膜技術が利用できるが、成膜時の簡便性の観点から真空蒸着法、スパッタリング法が好ましい。例えば真空蒸着法の場合は、合金中、ニッケルを1質量%以上30質量%以下含む銅とニッケルの合金、あるいは銅及びニッケル夫々単体の混合物であって該混合物中のニッケル含量が1質量%以上30質量%以下である混合物の蒸発材料を蒸発させることにより、金属保護膜を形成することができる。なお、蒸発材料として前記混合物を使用する場合は、真空蒸着装置内の一つの蒸着源(加熱部)に混合物を装填し、蒸着してもよいし、真空蒸着装置内の二箇所の蒸着源に混合物を成す銅及びニッケルを夫々別々に装填し、それらを同時に蒸着してもよい。またスパッタリング法の場合は、ニッケルを1質量%以上30質量%以下含む銅−ニッケル合金のターゲットを使用することにより、金属保護膜を形成することができる。前記方法により得られた金属保護膜は、ニッケルの含有量が1質量%以上30質量%以下としなければならないが、この含有量の設定は、前記蒸発材料あるいはターゲットのニッケル含量を適宜調整することにより行うことができる。
金属保護膜の組成(銅−ニッケルの質量比)は、X線マイクロアナリシス(XMA)等の公知の方法により確認することができる。
本発明において、裏面保護塗膜4を形成する塗料としては、合成樹脂鏡の裏面保護塗膜に利用可能な塗料として公知の塗料を採用することができるが、前記銅−ニッケル合金である金属保護膜と併せての腐食防止向上の観点から、エポキシ系、アクリル・ウレタン系、アルキド・メラミン系等の防錆塗料であることが好ましい。
これらの塗料の塗布及び乾燥はスプレー法、フローコーター法等の公知の方法により行うことができる。乾燥後の塗膜厚は防食の観点から20μm以上であることが好ましく、また密着性の観点から100μm以下であることが好ましい。
以上の方法により得られた合成樹脂鏡は、化粧品用コンパクト等、各種用途に供することができる。
(実施例1〜4、比較例1、2)
合成樹脂基板として、両面にアクリル系ハードコート(三菱レイヨン(株)製、商品名:ダイヤビームUR−1000、膜厚10〜20μm)を施した厚さ1mmのポリカーボネート板(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンNF2000)を用いた。このポリカーボネート板の表面を、プラズマ処理(使用した装置:日本電子(株)製、型式JEH−03D)を行った。その後、真空蒸着(使用した装置:(有)渡辺真空製、型式WS−1801)により膜厚約80nmの銀鏡面膜を形成した。続いて銀の金属保護膜として銅とニッケルの合金を膜厚約40nmになるように真空蒸着した。このときのプラズマ処理条件を表1に、蒸着条件を表2に示す。
以上の操作は各実施例および比較例に共通である。
Figure 0004832083
Figure 0004832083
各実施例および比較例においてそれぞれ、蒸着材料である銅−ニッケル合金中のニッケルの含有量(質量%)が、表3に記載した数値になるように調節したものを使用した。なお、比較例1では蒸着材料に合金ではなく銅を用いた。
Figure 0004832083
以下の操作は各実施例および比較例に共通である。
真空蒸着により得られたこれらの金属保護膜上にエポキシ系防錆塗料(オリジン電気(株)製、商品名:エポナ)をスプレー法により乾燥膜厚が約40μmとなるように塗布し、70℃に設定した乾燥炉にて1時間乾燥した。
得られた合成樹脂鏡を室温にて7日間放置後、以下の耐食試験を行い、その結果を表2に示した。
塩水浸漬試験:40℃の5質量%NaCl水溶液に合成樹脂鏡を10日間浸漬し、腐食の状態を観察した。外縁部の腐食が2mm以下のものを○、2mmを超えるものを×とした。
人工汗液浸漬試験:40℃のJIS K6772に規定されている人工汗液に10日間浸漬し、腐食の状態を観察した。外縁部の腐食が2mm以下のものを○、2mmを超えるものを×とした。
表3から、実施例1〜4の合成樹脂鏡は、比較例1、2のものと比較して耐食性が向上していることが明らかである。
本発明の合成樹脂鏡は、家庭用あるいは自動車用の鏡等に広く用いることができる。
本発明の合成樹脂鏡の例についてその断面構造を表す模式的断面図である。
符号の説明
1:合成樹脂基板
2:銀鏡面膜
3:金属保護膜
4:裏面保護塗膜

Claims (4)

  1. 合成樹脂基板上に、銀鏡面膜と、金属保護膜と、裏面保護塗膜とをこの順に有する合成樹脂鏡において、
    前記金属保護膜が、銅とニッケルの合金であって、ニッケルの含有量が該合金中、1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする合成樹脂鏡。
  2. 前記裏面保護塗膜を形成する塗料が、防錆塗料である請求項1記載の合成樹脂鏡。
  3. 合成樹脂基板上に、銀鏡面膜と、金属保護膜と、裏面保護塗膜とをこの順に積層する合成樹脂鏡の製造方法において、
    前記金属保護膜を、ニッケルの含有量が合金中、1質量%以上30質量%以下である銅とニッケルの合金、あるいは銅及びニッケル夫々単体の混合物であって該混合物中のニッケル含有量が1質量%以上30質量%以下である混合物からなる蒸発材料を用いて、真空蒸着法により形成する工程を有することを特徴とする合成樹脂鏡の製造方法。
  4. 合成樹脂基板上に、銀鏡面膜と、金属保護膜と、裏面保護塗膜とをこの順に積層する合成樹脂鏡の製造方法において、
    前記金属保護膜を、ニッケルの含有量が合金中、1質量%以上30質量%以下である銅とニッケルの合金からなるターゲットを用いて、スパッタリング法により形成する工程を有することを特徴とする合成樹脂鏡の製造方法。
JP2006001463A 2006-01-06 2006-01-06 合成樹脂鏡 Active JP4832083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006001463A JP4832083B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 合成樹脂鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006001463A JP4832083B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 合成樹脂鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007181557A JP2007181557A (ja) 2007-07-19
JP4832083B2 true JP4832083B2 (ja) 2011-12-07

Family

ID=38338136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006001463A Active JP4832083B2 (ja) 2006-01-06 2006-01-06 合成樹脂鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4832083B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62289802A (ja) * 1986-06-09 1987-12-16 Tokai Rika Co Ltd ブロンズ色防曇鏡
JP2720914B2 (ja) * 1987-01-28 1998-03-04 旭硝子株式会社 改良された鏡
JPH10130535A (ja) * 1996-10-30 1998-05-19 Asahi Glass Co Ltd 鏡の裏止め塗膜形成用塗料および鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007181557A (ja) 2007-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6896970B2 (en) Corrosion resistant coating giving polished effect
CN1282762C (zh) 耐腐蚀和耐磨的装饰涂层
KR101705322B1 (ko) 차등화된 외관을 가지는 금속화 마감 영역을 가지는 부품의 처리
US10300678B2 (en) Surface-coated steel sheet and process for the production thereof
US20090181262A1 (en) Coated Metal Product, Method to Produce It and Use of the Method
CN110643939B (zh) 铜基抗菌pvd涂层
US9476116B2 (en) Process for treating a plastic component part
CN108546910A (zh) 一种轮毂耐老化镀膜及形成该保护膜的方法
EP2659018A2 (en) Al PLATING LAYER/AL-MG PLATING LAYER MULTI-LAYERED STRUCTURE ALLOY PLATED STEEL SHEET HAVING EXCELLENT PLATING ADHESIVENESS AND CORROSION RESISTANCE, AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME
JP2005281865A (ja) 物品を保護する方法及び関連する組成
WO2015123056A1 (en) Sputter coating a work piece
JP4832083B2 (ja) 合成樹脂鏡
Vergason et al. PVD chromium coatings replacing decorative chromium electroplated coatings on plastics
JP5398310B2 (ja) 塗装鋼板および外装部材
US20080280158A1 (en) Coated Sanitaryware Item
CN102487590A (zh) 壳体及其制造方法
KR101676173B1 (ko) 도금 밀착성이 우수한 고내식 도금 강판 및 그 제조방법
JP2002266081A (ja) 塗装前処理用化成処理液及び塗装用化成処理鋼板
EP3246432A1 (en) Method for treating parts
KR102300792B1 (ko) 흑색 도금 강판 및 그 제조방법
JP7352238B2 (ja) 樹脂部材及びその製造方法
KR101551406B1 (ko) 마그네슘 또는 마그네슘 합금의 표면처리 방법
WO2022157811A1 (en) Method for the surface treatment of electrically nonconducting objects
Schuhmacher et al. Combined processes- novel approaches for alloy coatings on steel sheet
JPH04180592A (ja) めっき密着性および耐食性に優れたZn―Mg合金めっき鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4832083

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350