JP4825205B2 - ポンプ・デバイスで使用されるｉｖ輸液セット用自動クランプ装置 - Google Patents

Description

本発明は、一般に、蠕動ポンプなど静脈内（ＩＶ）輸液デバイスの分野における可撓性のあるＩＶ管類で使用されるクランプに関し、より詳細には、輸液ポンプがＩＶ管から係合解除されたとき、ＩＶ管を通る流体の自由流れを阻止するために使用されるクランプ・デバイスに関する。

蠕動ポンプなど、ポンプ送りデバイスにより静脈を通して患者に医薬品などの流体を送達することは一般的に行われている。このようなポンプは、高度に制御され正確に医薬品を送達することができ、またその医薬品と接触せずに送達するので有用である。管中の流体を患者の方向へ下流に移動させるように、十分にポンプ送り部材を管に対して押し付けることにより、その流体を可撓性のあるＩＶ管を通して移動させる。複数のポンプ送りフィンガを有する蠕動機構の場合、管に対して順次に上流から下流へとフィンガを移動させて、管を順次閉鎖し、それにより、管中の流体を患者の方向へ下流に移動させる。ＩＶ管がポンプに正しく取り付けられている場合、ＩＶ管はポンプ送り部材のうちの１つにより常に閉鎖されており、それによって、患者への流体の「自由流れ」が阻止される。医療用流体の「自由流れ」は、その流体の流れが制御されず、処方された治療に沿って行われないため望ましくない。

蠕動式ポンプ送り機構は、ヒンジ付ドアを有するハウジング中に配置するのが一般的である。流体が中を通って移動する管は、通常、管の端部がドアの開口部の上部及び底部から延びた状態で、ドア内側のポンプ送り機構と接触して配置される。ドアを管の上で閉じると、ドアの内側のプラテンがＩＶ管を押して、ポンプ送り部材により管を閉鎖できるための支持表面を提供する。常時ではないが、プラテンには、通常、ポンプ送り機構に対してばね負荷がかけられており、したがって、管の上でドアが閉じられた後、ポンプ送り機構の１つ又は複数のポンプ送りフィンガが管を閉鎖する。こうすることにより、ドアが閉じられている間は自由流れが阻止される。

ポンプ送り機構に対するＩＶ管のこの構成は、ポンプのドアが開放されているとき、管中の流れを阻止するための何らかの手段が必要である。ポンプのドアを単に開くと、閉鎖しているポンプ送り機構／プラテンの組合せから管を解放することになり、自由流れが生ずる可能性がある。それは、管中の静圧頭の影響の下に、患者に医薬品が制御されずに注入される可能性があり、又は患者から血液がＩＶ管中に逆流する可能性もあり得る。管における無用の流れを阻止するための知られたデバイスは、輸液ポンプから分離された、管上の手動クランプ、及びポンプ上に取り付けられた自動閉鎖デバイスを含む。手動デバイスは、担当技術者の側に何らかの操作スキルが必要であり、管を手動でクランプするプロセスの時機をポンプのドアが開く前に正しく採ることを忘れてしまう機会が常に存在する。さらに、ドアは、偶発的に開くこともあり、管中で自由流れが起きてしまう。

輸液管をクランプし、またクランプを解除することを助けるための、輸液ポンプ上に取り付けられる自動デバイスが改良されている。具体的には、管の閉鎖及び解放（閉鎖の解除）を、管のポンプ部材の係合解除及び係合と、それぞれ、タイミングをとる信頼性が改善されてきている。通常、クランプによるＩＶ管の閉鎖を開始するために、ドアを開放するアクションが利用され、またＩＶ管クランプによる管の解放、すなわち閉鎖の解除を開始するために、ドアを閉鎖するアクションが利用される。しかし、このようなデバイスの使用に関する操作者エラーにより、ＩＶ管を通る流体の意図しない自由流れを生ずる可能性がやはりある。

したがって、当業者は、閉鎖するポンプ送り機構が管から係合解除される前に、自動的に、且つ積極的にＩＶ管を閉鎖する改良された装置を提供することの継続的な必要性を認識している。さらに、閉鎖するポンプ送り機構が管と係合した後まで、ＩＶ管を閉鎖状態に、自動的に、且つ積極的に維持する装置の必要性が認識されている。さらに、高い信頼性でＩＶ管を閉鎖し、製造するのに費用がかからず、使用しやすい装置に対する必要性が認識されている。さらに、閉鎖構成と非閉鎖構成の間を手動で操作できる装置の必要性が認識されている。本発明はこれらの及び他の必要性を満たしている。

簡単に、また一般的に言えば、本発明は、弾性のある管を通る流体の流れを選択的に阻止するためのクランプ装置を対象とし、また弾性のある管を配置できる管開口部を有し、長手方向中心線を有するベースと、閉鎖位置と開放位置の間で移動するために、ベース上に摺動可能に取付け可能な、長手方向中心線を有するスライド・クランプと、管を、それを通して受け入れるためのスライド・クランプ中に形成されるクランプ開口部と、スライド・クランプが閉鎖位置にあるとき、管を通る流体の流れを阻止するために管を閉鎖する、クランプ開口部中に形成される狭められた領域と、スライド・クランプが開口位置にあるとき、管を通る流体の流れを可能にする、クランプ開口部に形成される開放領域と、スライド・クランプ上に形成される固定構成要素と、ベース上に取り付けられた可撓性のある片持ち梁状の固定アームであって、その上に形成されるがベースの長手方向中心線からオフセットされた位置に配置される解放タブを有し、固定位置の方向に偏倚されており、スライド・クランプを閉鎖位置から開放位置に移動することを阻止するために、スライド・クランプの固定構成要素と係合する固定アームと、固定アームを撓ませるように移動可能な解放タブであって、固定アームが固定構成要素から係合解除されて、スライド・クランプを閉鎖位置から開放位置に次に移動させることを可能にする解放タブとを備える。

本発明の他の態様によると、ベースの管開口部が、スライド・クランプが開放位置にあるとき、ベースが管に沿って選択された位置に摺動できるように、弾性のある管を摺動可能に受け入れる。

本発明の他の諸態様では、固定アームがさらに、スライド・クランプを閉鎖位置から開放位置に次に移動させることができるように、スライド・クランプから可撓性のあるアームを解放するための解放タブを備える。さらに、ベースが、解放タブが事前選択の移動範囲を超えて移動するのを妨害するために、解放タブに隣接した位置に配置された停止部表面を備える。スライド・クランプは、閉鎖位置にあるとき固定アームがその中に偏倚され、且つ配置される戻り止めを備え、その戻り止めは、固定アームを受け入れるのに十分な大きさであり、スライド・クランプが閉鎖位置にある間は接触することなく、したがって、固定アームは応力を受けない。スライド・クランプがさらに、スライド・クランプが開放位置にあるとき、固定アームを受け入れるための傾斜部を備え、傾斜部が、アームよりも深く形成され、それにより、スライド・クランプが流れ位置にあるとき、アームが応力を受けない。傾斜部が、スライド・クランプを開放位置から閉鎖位置に移動させるとき、スライド・クランプ中に形成された戻り止め中に固定アームをガイドするように形成され、それにより、スライド・クランプを閉鎖位置に固定する。

さらに、他の諸態様では、スライド・クランプの開口部が、ほぼ涙滴形状をしており、狭められた領域が、細長いスロット部分を備えており、流れ領域が、円形部分を備えており、管が、スライド・クランプが閉鎖位置にあるときスロット部分中に配置されており、管が、スライド・クランプが開放位置にあるとき円形部分中に配置される。

さらなる詳細な特徴では、管開口部が、管の端部を恒久的にその中に取り付けることのできる管スリーブを備える。管開口部が、ベースを通る流体通路を備え、それにより、弾性のある管が、通路と流体連通して接続される。さらに、クランプ装置が、弾性のある管と直線状に配置された圧力インターフェース・デバイスであって、ハウジング中に取り付けられた圧力膜を有し、その圧力膜が、医療器具中に配置された圧力センサに、弾性のある管類の圧力の増減を伝えるように形成された圧力インターフェース・デバイスを備える。

本発明によるさらなる諸態様では、スライド・クランプがさらに、クランプ装置を医療用輸液ポンプ中の位置に押し込むために使用される操作者の指を受け入れるのに十分な大きさの前面押しフランジを備え、その押し表面が凹状である。固定アームの解放タブが、押しフランジの背面以外の位置に配置される。さらに詳細な態様では、解放タブが、押しフランジに対して横の位置に配置される。さらに、ベースが、円形の取付け端部を備え、それにより、クランプを輸液ポンプ中の動作可能な位置に押し込むことが容易になる。

本発明の新規な特徴、並びに本発明それ自体は、その構造とその動作の両方に関して、添付の説明と共に添付の図面を見れば最もよく理解されよう。

次に、より具体的に図面を参照する。図面中、同様の参照番号は、いくつかの図中で、同様の又は対応するエレメントを指す。図１は、ポンプ・デバイスで使用される静脈内（本明細書で「ＩＶ」と呼ぶ）輸液セットのための自動クランプ装置２０を示す。クランプ装置２０は、全体として、比較的開放された、箱型のベース若しくはフレーム２２と、それに嵌め合わせるスライド・クランプ２４とを備える。両方の部分は、様々なプラスチック材料から射出成形で形成することができる。スライド・クランプ２４の中実な本体は、ベース２２内で摺動する形状であり、且つ寸法である。図示の実施例では、ベース２２は、ベースの上部表面２８上に形成されたタワー２６を有し、そのタワーは、ベースから上方に、またベースに対して実質的に直角に延びている。タワー２６の上端部３０は、弾性のあるＩＶ管を取り付けることのできるメスの管コネクタとして形成される。ポンプ送り管又は他のタイプの流体導管を、所望の他の手段でベースに取り付けることができる。タワーの開放底端部３２は、ベースに取り付けられており、それもまた、ＩＶ管又は他の導管を取り付けることのできるメスの管コネクタとして形成されている。ＩＶ管とポンプ送り管は、所望の場合、同じ管とすることができ、タワーを介し、ベースを介し、またスライド・クランプを介してＩＶ管を通し、ＩＶ管に沿って自動クランプ装置２０を所望の位置まで摺動できるようにするだけである。

次に、図２も参照すると、細長い開口部３８が、スライド・クランプ２４をその上部表面３４からその底部表面３６まで貫通している。開口部３８の細長い寸法は、ベース２２とスライド・クランプ２４の間の相対的な摺動移動の方向に平行であるように、スライド・クランプ上に配置される。スライド・クランプの開口部３８は、開口部分４０及び閉鎖部分４２を備える。開口部分は、開口部分により受け入れられた管が閉鎖されないように十分に大きいが、一方、閉鎖部分は、受け入れた管を閉鎖させるように十分小さい。閉鎖部分のスロット幅は十分に小さく、したがって、スロットを通る選択されたＩＶ管は、完全に閉鎖され、またＩＶ管中の流体圧力の予知可能な範囲に対して閉鎖されたままである。管が閉鎖されたままになる圧力範囲は、少なくとも、輸液装置の普通の使用中に予測される静圧頭を含む。

スライド・クランプ２４はまた、その前縁部４６に押し（ｐｕｓｈｉｎｇ）フランジ４４を含む。押しフランジは、いくらか凹状であるが、「凹状」表面は、必ずしも、湾曲させる必要はない。それは、実際、先の細くなる真っ直ぐな表面、又は他の形状の表面を有することができる。押しフランジの目的は、自動クランプ装置２０（図１）の全体を輸液ポンプ中に取り付けるために、操作者の指を、スライド・クランプのほぼ中心にガイドすることである。このような操作は、Ｍｏｒｒｉｓによる米国特許第６６２９９５５号を、特に図１０を参照することにより見ることができる。Ｍｏｒｒｉｓによる米国特許第６６２９９５５号を、参照として本明細書に組み込む。操作者の指を押しフランジの中心にガイドすることにより、中心線力を自動クランプ装置に対して加え、それにより、ポンプ中にクランプ装置を正しく取り付けられる可能性が高くなる。便宜上、押しフランジ４４の押し表面の形状は、「凹状」と称するが、上記のように、湾曲以外の表面とすることもできる。本実施例では、開口部３８はまたスライド・クランプの長手方向の中心線４７上に位置していることに留意されたい。

図２にはまた、固定用戻り止め縁部５０を有する固定用戻り止め４８が示されている。戻り止めの詳細な動作は後に示すが、その目的は、意図した動作なしに、スライド・クランプがベースの閉鎖位置から開放位置に移動するのを阻止することである。スライド・クランプが開放位置にあるとき、ベースの固定アームを受け入れるための傾斜部５２が、さらにスライド・クランプの前面に示されている。

次に、図３の斜視図、図４、及び図５を参照すると、スライド・クランプ２４の底部表面３６は、底部表面から下方向に突き出ている引抜き（ｐｕｌｌｉｎｇ）突起部３０を含み、それは、ドアが開く前のベース２２との係合からスライド・クランプ２４を部分的に引き抜くように、ポンプ・ハウジング（図示せず）のドア上のラッチに係合するための実質的に垂直な引抜き面５６を示している。スライド・クランプを、ベースから部分的に引き抜く、すなわち引き出すことにより、スライド・クランプをその開放位置からその閉鎖位置に移動させる（図１）。スライド・クランプの押しフランジ４４はまた、ポンプのドアが閉じているとき、又はポンプが閉じられた後に、ポンプのドア又は何らかの他のデバイスが、スライド・クランプをベース中に完全に挿入するための実質的に垂直な押し面を提示する。スライド・クランプを、ベースに完全に挿入されるように押すことにより、スライド・クランプをその閉鎖位置からその開放位置に移動させる。図４及び図５にはまた、戻り止め４８及び傾斜部５２が示されている。それらは共にスライド・クランプの材料で形成され、その深さは共に図５で最もよく見ることができる。

次に、ベースを参照すると、ベースの上部表面２８に成形された可撓性のある片持ち梁状の固定アーム６０を有するベース２２が図６に示されており、その遠位自由端６２がベースの上部表面２８の下で下方に偏倚されている。自由端を下方向に偏倚させることは、固定アームを下方向に傾斜させた形状で成形することにより達成されるが、偏倚はまた、ばね又は他の手段を用いることによっても達成することができる。解放タブ６４が固定アーム６０上に形成され、概してタワー２６の方向に、固定アームから上方に突き出ている。解放タブ６４は、タワー２６に対して横の位置に配置されることに留意されたい。解放タブはまた、ベースの長手方向中心線６６からオフセットされている。固定アーム６０の自由端６２は、中心線６６に平行な方向に解放タブ６４を押すことにより、上方向に曲げることができる。本発明の趣旨から逸脱することなく、ベースの中心線からオフセットされた複数の固定アーム及びタブを、図示のものに代えて使用することができる。

固定アームが戻り止め中に位置するとき応力を受けないように、戻り止め４８の深さ及び固定アーム６０のサイズ及び角度は慎重に選択されることもまた留意すべきである。すなわち、固定アームは、任意の有意な力では戻り止めの底部に触れないことである。それは、固定アームが、「クリープ」を示すプラスチック材料、又は他の材料で形成される場合、長時間一定の応力に曝される場合に形状が変化する可能性があり重要である。例えば、クランプ装置が長時間閉鎖位置（図１）で保管され、固定アームが浅い戻り止めの底部と接触しており、戻り止めとの一定の接触により連続応力を受けている場合、固定アームは、固定アームの新しい安定位置であるその保管位置にクリープ変形する。固定アームは、次いで、有効ではなくなってしまう。したがって、アームが応力を受けないように、上記のように戻り止め及び固定アームを形成することにより、保管により影響されないクランプ装置が得られる。同様に、固定アームが、図１２で示す開放位置の場合である傾斜部の最も低い位置にある場合、傾斜部はまた、固定アームに応力を与えない深さを有する。

ベースはまた、ベース中でスライド・クランプの相対的な摺動移動の方向に対して平行に存在するレール７０に形成されたその側部縁６８を含む（図１）。スライド・クランプ２４が、ベース２２と摺動的に係合されるとき、スライド・クランプは、ベースの２つのレール・チャネル７２を介して摺動的に挿入される。ベースとスライド・クランプの位置合わせは、レール・チャネル中にスライド・クランプを挿入することにより達成される。次に図７を参照すると、レール７０及びチャネル７２をより明確に見ることができる。さらに、ベースの近位端７４全体が閉じられていることに留意されたい。中心セクション７６は、前に示したように、スライド・クランプの引抜き突起部を収容するために空いたままである。さらに、固定アームの遠位自由端６２、並びに解放タブ６４もより明確に示されている。

図８は、解放タブ６４の移動範囲を制限する、ベース２２の上部表面２８上に形成された停止部７８を示す。具体的には、停止部表面８０は、タブを曲げ過ぎて過剰応力となり得ないように、事前選択の距離で解放タブの背面から離間されている。図９をさらに参照すると、解放タブ６４がその端部に形成された固定アーム６０の横断面が示されている。固定アームは、ベースの一部分として成形され、片持ち梁状の形態をしていることに留意されたい。解放タブ６４は、固定アームに対して約９０度で配置されるが、固定アームは、ベース２２の上側２８及び下側８２の表面に対して、スライド・クランプと係合するための角度で形成されるため、その固定アームと解放タブのなす角度９０度は、ベースの上部表面に対する９０度とは別である。図９は、操作者の意図したアクションにより固定アーム６０が戻り止めから外れて移動されるまで、スライド・クランプがその開放位置に移動されるのを阻止するためにスライド・クランプの戻り止め４８及び固定縁５０と係合させるのに必要な下方向の偏倚を生成する固定アーム６０の下方向傾斜をより明確に示している。

図１０を次に参照すると、ベースの右側面図が提供されている。固定アームの上部表面の角度は、ベースの上部表面２８に対して約１７２．８６度であることが分かる。それは図９でも分かる。固定アームを厚くすること、及び図示の角度を設けることにより、反復可能な性能が得られることが見出された。すなわち、（図１３に示す）解放ボス９０が解放タブ６４を押すとき、タブ及び固定アームがベースから離れ、したがって、取り付けられたスライド・クランプから離れる方向に起こされて、それにより、スライド・クランプは解放されて開放位置に移動することができる。それをより詳細に以下で論ずる。図１１は、スライド・クランプ２４の戻り止め４８により受け入れられる固定アームの遠位端６２をより明確に示すベース２２の底面図を示している。さらに、図１１は、管のためのベースを通る開口部４９を示す。

図１２は、本発明の諸態様による、操作可能な自動クランプ装置２０に組み立てられたスライド・クランプ２４及びベース２２を示す。さらに、クランプ装置２０は開放位置にあり、流体がクランプ装置を通って流れることができる。固定アーム６０の遠位自由端６２は、傾斜部領域５２に存在しているが、その傾斜部は、固定アームの遠位自由端６２がベース材料に触れることはなく、したがって、固定アームは応力を受けない状態であるように、十分深く形成されていることが理解されよう。この構成では、クランプ装置２０はその最小の形態であり、それにより、閉じたドアを有するポンプ中に取り付けることができる。

図１３及び１４は、ポンプ・ハウジングのドアと、本発明の諸態様による自動クランプ装置２０がどのように相互作用するかの概要を示している。図１３は、ベース２２に対してその閉鎖位置にあるスライド・クランプ２４を示しており、スライド・クランプが部分的にベースから引き出され、また固定アーム６０の遠位自由端６２がスライド・クランプをその閉鎖位置に保持するために固定用戻り止め４８（図示せず）と係合している。図１４は、その開放位置にあるスライド・クランプを示しており、スライド・クランプは、完全にベース内に挿入され、また固定アームの遠位自由端６２は、戻り止め４８を越えるのに十分な量で上方に曲げられている。

ドア及びラッチ機構の動作可能エレメントが概略的に示され、エレメント９０、９２、及び９４として指定されており、本発明の自動クランプ装置とそれらとの相互作用が示されている。解放ボス９０をドア上に形成し、ドアが閉じた位置に移動すると解放タブ６４と接触するように、また解放タブを上及び後方に押すように解放ボス９０を配置することができる。押しボス９２をラッチ機構上に形成し、スライド・クランプをその閉鎖位置（図１３）からその開放位置（図１４）に押し込むようにラッチが係合されると、スライド・クランプ２４の押しフランジ４４に接触するように押しボス９２を配置することができる。最後に、１つ又は複数の引抜きフック９４をラッチ機構上に形成し、スライド・クランプ２４をその開放位置からその閉鎖位置に引き抜くためにラッチが係合解除されると、引抜き突起部５４と接触するように引抜きフック９４を配置することができる。

ドアの解放ボス９０及び押しボス９２は、ポンプのドアが閉じた位置に移動したとき、図１３で見られるように全体に右方向に移動する。ラッチ機構の引抜きフック９４は、図１４に見られるように、ラッチの係合が解除されると全体に左へ移動するように、またラッチが係合されると右に移動するように作ることができ、閉じた位置では、ラッチ機構の他のエレメント（図示せず）がドアの実際のラッチを行うことが理解される。さらに、引抜きフック９４は、ラッチ機構の残部に対して図示の位置から時計方向に、ばねの偏倚力に抗して回転することができる。便宜上、自動クランプ装置２０を通る導管は、図１３及び図１４で管９６として示されている。図１３では、管９６は、スライド・クランプの開口部により閉鎖され、その開口部の閉鎖スロット中に拡がっている。図１４では、管は流れ形状にある。上記のように、管を、クランプ装置２０を通る導管として使用することも、或いは使用しないこともできる。タワーは、タワーに形成された管の部分と共に使用することができる。

図１５を簡単に参照すると、自動クランプ装置２０の上流に、圧力インターフェース・デバイス１００を含めた様子が示されている。その圧力インターフェース・デバイスは、クランプ装置が取り付けられる輸液ポンプの一部分である圧力センサに取り付けられるようなサイズ及び形状を有する圧力ダイアフラムの形を取ることができる。このような圧力ダイアフラム・デバイスは、Ｃｕｎｎｉｎｇｈａｍによる米国特許第４３９８５４２号に示されており、それを参照として本明細書に組み込む。このような圧力ダイアフラムで使用可能なセンサは、Ｂｕｓｃｈｅによる米国特許第４４０４４４０号に示されており、それもまた参照として本明細書に組み込む。本発明の自動クランプ装置と直線状に圧力ダイアフラムを取り付けることは、クランプ装置をポンプ中に装着するためには圧力ダイアフラムに隣接させる必要があるので、管路に沿ったクランプ装置の移動を制限することになる。このような場合、圧力ダイアフラム・デバイス用の取付け部としてタワー２６を使用することができる。

動作
本発明の自動クランプ装置２０を使用するために、スライド・クランプ２４は、図１に示すように閉鎖位置にあることが保証される。固定アーム６０が戻り止め４８中に位置するので、スライド・クランプは、解放タブ６４が作動されない限り、閉鎖位置から開放位置に移動することはできない。戻り止め中にあるときは、固定アームは応力を受けない。ＩＶ管９６の上流端は、ポンプ送りされる選択された流体の流体供給部（図示せず）に接続される。本発明の自動クランプ装置を含む投与セットは、必要な場合、操作者が解放タブに指を押し付けて動かし、固定アームを戻り止めから外して上方に移動させ、また押しフランジに他の指を押し付けてスライド・クランプを開放位置に移動させることにより、呼び水（ｐｒｉｍｅ）をすることができる。スライド・クランプがベース中に挿入されると、固定アームは傾斜部５２を移動して下がり、応力を受けない傾斜部の底部まで移動する（図１２）。次に、呼び水を行うことができる。呼び水が入った後、押しフランジが操作者により掴まれてベースから引き出され、図１に示す閉鎖位置へとスライド・クランプを復帰させ、したがって、ＩＶ管を通る流体の自由流れは生じ得ない。

ポンプ・ハウジングのドアが開かれ、自動クランプ装置２０及びそのクランプ装置２０の上下の管類は、適切にポンプに取り付けられる。ポンプの適切な空洞部にクランプ装置を押し込むために、操作者の指を受け入れるための押しフランジが操作者により使用される。クランプ装置は、ポンプに対するこの取付け中には閉鎖構成のままでいるべきである。解放タブが、押しフランジに対してオフセンタになっているので、押しフランジの代わりに、又はそれと共に押す機会は大幅に低減される。

次に、上流及び下流の管類が、管路中の空気（ａｉｒ−ｉｎ−ｌｉｎｅ）センサ、圧力センサなど、存在する任意の他のデバイスと結合される。特に、ポンプ送り管９６は、ポンプ送り機構と接触して配置され、次いで、ポンプのドアが閉じられる。図１３は、その閉鎖位置にあるスライド・クランプ２４を示しており、ポンプのドアが閉められて、解放ボス９０が解放タブ６４に接触しようとしている。ドアが完全に閉められると、解放ボス９０は解放タブ６４を上方向に押し、それにより、固定アーム６０を上方に、また戻り止め４８から外れるように曲げて、ベース中に挿入できるようにスライド・クランプの移動を可能にする。ドアが完全に閉められた後、ラッチ機構がラッチし、図１２に示すように、押しボス９２にスライド・クランプ２４を押させて、その開放位置へとベース中に挿入する。図１４は、その開放位置にあるスライド・クランプ２４を示しており、引抜きフック９４が引抜き突起部５４の背部で枢動している。次いで、従来のように、ポンプが動作してＩＶ管９６から空気を除去し、ＩＶ管９６を静脈のアクセス部位に接続することができる。

ポンプのドアを開ける場合は、ボス９２及びフック９４が左に移動し、引抜きフック９４をスライド・クランプ２４の引抜き突起部５４に接触させ、スライド・クランプ２４をベースから引き出してその閉鎖位置にする。ラッチ機構は、この閉鎖が行われたあとに限ってドアをラッチ解除するように、知られた手段により構成することができる。その時点で、ドアを開放することができる。固定用の戻り止め４８に係合している固定アーム６０は、かなりの力でスライド・クランプ２４がベース２２の方向に押されても、スライド・クランプ２４をその閉鎖位置中に維持する。

ラッチ機構はまた、ドアがラッチ解除されたとき、ドアが閉められるまでラッチ機構がそのラッチ位置まで戻ることができないように、知られた手段で構成することもできる。したがって、ドアが閉められたとき、解放ボス９０が解放タブ６４を上方に押して、固定アーム６０を戻り止め４８との係合から解放し、続いて、前述のように、スライド・クランプ２４を開放位置に移動させることができる。

本明細書で示し、且つ詳細に開示した特定の自動クランプ装置は、本明細書で前に述べた目的を取得し、また利点を提供することが完全に可能であるが、それは、単に、本明細書の現在好ましい諸実施例を示すに過ぎないこと、及び添付の特許請求の範囲に記載されたもの以外は、本明細書で示された構成又は設計の詳細に対する限定を意図していないことを理解されたい。

ベースから部分的に引き出された閉鎖位置にあるスライド・クランプを示す本発明の諸態様による自動クランプ装置の斜視図である。 開口部、戻り止め、傾斜部、及び押しフランジを示す、図１に示されたスライド・クランプの前面左側の斜視図である。 開口部、押しフランジ、及び引抜き突起部を示す、図１に示されたスライド・クランプの底面右側の斜視図である。 図１から図３のスライド・クランプの上面図である。 引抜き突起部、戻り止め、及び傾斜部を示す図１から図４のスライド・クランプの左側の部分的切断図である。 固定アーム、解放タブ、及び管開口部を示すベースの上面左側の斜視図である。 固定アーム及び解放タブを示すベースの底面右側の斜視図である。 解放タブを示すベースの右側面図である。 固定アーム及び解放タブを示すベースの断面左側面図である。 管開口部、解放タブ、及び固定アームの一部分を示し、また上側ベース表面と固定アームの角度で示されたベースの左側面図である。 ベースの底面図である。 スライド・クランプがベース中に完全に挿入されて、流れ構成が得られる、図１の自動クランプ装置の上面左側の斜視図である。 管が、スライド・クランプの開口部により閉鎖されているが、解放ボス及び押しボスが、スライド・クランプを移動させて開放又は流れ位置にしようとしている動作図である。 流れのために管の閉鎖が解除されており、引抜きフックが、閉鎖位置にスライド・クランプを引き抜こうとしている動作図である。 管路圧力を圧力センサに伝えるために、クランプの上流に管の一部分として配置された圧力インターフェース・デバイスを有するクランプ装置の図である。

Claims (20)

1. 弾性のある管を通る流体の流れを選択的に阻止するためのクランプ装置であって、
   前記弾性のある管を配置できる管開口部を有し、長手方向中心線を有するベースと、
   閉鎖位置と開放位置の間で移動するために、前記ベース上に摺動可能に取付け可能な、長手方向中心線を有するスライド・クランプと、
   前記管を、それを通して受け入れるための前記スライド・クランプ中に形成されるクランプ開口部と、
   前記スライド・クランプが前記閉鎖位置にあるとき、前記管を通る流体の流れを阻止するために前記管を閉鎖する、前記クランプ開口部中に形成される狭められた領域と、
   前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき、前記管を通る流体の流れを可能にする、前記クランプ開口部に形成される開放領域と、
   前記ベース上に取り付けられる可撓性のある片持ち梁状の固定アームであって、前記ベースから固定位置に向けて選択された角度をもって前記スライド・クランプの方向に偏倚されており、前記固定位置では前記閉鎖位置から前記開放位置に前記スライド・クランプが移動するのを阻止し、前記閉鎖位置から前記開放位置に前記スライド・クランプを次に移動可能なように撓むことのできる固定アームと、
   前記スライド・クランプにおいて戻り止め縁部と前記戻り止め縁部に隣接する底部とによって画定される戻り止めであって、前記底部は前記スライド・クランプの上部表面よりも下の深さ位置に形成され、前記深さは前記固定アームの前記選択された角度に相当し、それにより前記スライド・クランプが閉鎖位置にあるときには、前記戻り止めの前記底部と接触することなく前記戻り止め縁部と係合するように前記固定アームの一部が前記戻り止め内に位置することで、前記スライド・クランプが前記閉鎖位置から移動することを阻止するとともに、前記固定アームが応力を受けないように保持するようになっている戻り止めと、
   を備えるクランプ装置。
2. 前記ベースの前記管開口部が、前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき、前記ベースが前記管に沿って選択された位置に摺動できるように、前記弾性のある管を摺動可能に受け入れる、請求項１に記載のクランプ装置。
3. 前記固定アームがさらに、前記スライド・クランプを前記閉鎖位置から前記開放位置に次に移動させることができるように、前記スライド・クランプから前記固定アームを解放するための解放タブを備える、請求項１に記載のクランプ装置。
4. 前記ベースがさらに、前記解放タブが事前選択の移動範囲を超えて移動するのを妨害するために、前記解放タブに隣接した位置に配置された停止部表面を備える、請求項３に記載のクランプ装置。
5. 前記解放タブが、前記ベースの前記長手方向中心線からオフセットされた位置に配置される、請求項３に記載のクランプ装置。
6. 前記解放タブが、前記スライド・クランプを前記閉鎖位置から前記開放位置に次に移動させることのできるように、前記固定アームを前記戻り止めから外れて撓ませるように配置される、請求項５に記載のクランプ装置。
7. 前記スライド・クランプがさらに、前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき、前記固定アームを受け入れるための傾斜部を備え、前記傾斜部が、前記固定アームよりも深く形成され、それにより、前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき、前記固定アームが応力を受けない、請求項１に記載のクランプ装置。
8. 前記傾斜部が、前記スライド・クランプを前記開放位置から前記閉鎖位置に移動させるとき、前記スライド・クランプ中に形成された戻り止め中に前記固定アームをガイドするように形成され、それにより、前記スライド・クランプを前記閉鎖位置に固定する、請求項７に記載のクランプ装置。
9. 前記開口部が、ほぼ涙滴形状をしており、
   狭められた領域が、細長いスロット部分を備えており、
   前記開放領域が、円形部分を備えており、
   前記管が、前記スライド・クランプが前記閉鎖位置にあるとき前記スロット部分中に配置されており、
   前記管が、前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき前記円形部分中に配置される、請求項１に記載のクランプ装置。
10. 前記管開口部が、管の端部を恒久的にその中に取り付けることのできる管スリーブを備える、請求項１に記載のクランプ装置。
11. 前記管開口部が、前記ベースを通る流体通路を備え、それにより、前記弾性のある管が、前記通路と流体連通して接続される、請求項１に記載のクランプ装置。
12. 前記弾性のある管と前記ベースの間に配置された圧力インターフェース・デバイスであって、ハウジング中に取り付けられた圧力膜を有しており、前記圧力膜が圧力センサに前記弾性のある管類の圧力の増減を伝えるように形成される、圧力インターフェース・デバイスをさらに備える、請求項１に記載のクランプ装置。
13. 前記スライド・クランプがさらに、前記クランプ装置を医療用輸液ポンプ中の位置に押し込むために使用される操作者の指を受け入れるのに十分な大きさの前面押しフランジを備え、その押し表面が凹状である、請求項１に記載のクランプ装置。
14. 前記解放タブが、前記押しフランジの背面以外の位置に配置される、請求項１３に記載のクランプ装置。
15. 前記解放タブが、前記押しフランジに対して横の位置に配置される、請求項１４に記載のクランプ装置。
16. 前記固定アームがさらに、前記スライド・クランプを前記閉鎖位置から前記開放位置に次に移動できるように、前記固定アームを前記スライド・クランプから解放するための解放タブを備えており、
    前記ベースがさらに、前記解放タブが事前選択の移動範囲を超えて移動することを妨害するために、前記解放タブに隣接した位置に配置された停止部表面を備えており、
    前記スライド・クランプが、前記開放位置にあるとき、前記固定アームを受け入れるための傾斜部を備え、前記傾斜部が、前記固定アームよりも深く形成されており、それにより、前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき、前記固定アームが応力を受けることがなく、前記傾斜部がさらに、前記スライド・クランプが前記開放位置から前記閉鎖位置に移動されると、前記戻り止め中に前記固定アームをガイドし、それにより、前記スライド・クランプを前記閉鎖位置に固定するように形成されており、
    前記スライド・クランプがさらに、前記クランプ装置を医療デバイス中の位置に押し込むために使用される操作者の指を受け入れるのに十分な大きさの、その押し表面が凹状である前面押しフランジを備え、
    前記解放タブが、前記押しフランジの背面以外の位置に配置される、請求項１に記載のクランプ装置。
17. 前記解放タブが、前記押しフランジに対して横の位置に配置される、請求項１６に記載のクランプ装置。
18. 前記解放タブが事前選択の移動範囲を超えて移動することを妨害するために前記解放タブに隣接した位置に前記ベース上に配置される停止部表面と、
    前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき前記固定アームを受け入れるように、また前記スライド・クランプを前記開放位置から前記閉鎖位置に移動するとき、前記スライド・クランプ中に形成された戻り止め中に前記固定アームをガイドし、それにより、前記スライド・クランプを前記閉鎖位置に固定するように、前記ベース上に配置された傾斜部であって、前記固定アームよりも深く形成され、それにより、前記スライド・クランプが前記開放位置にあるとき、前記固定アームが応力を受けない傾斜部と
    をさらに備える、請求項１に記載のクランプ装置。
19. 前記スライド・クランプがさらに、前記クランプ装置を医療用輸液ポンプ中の位置に押し込むために使用される操作者の指を受け入れるのに十分な大きさの、その押し表面が凹状である前面押しフランジを備える、請求項１８に記載のクランプ装置。
20. 前記管開口部が、管端部がその中に恒久的に取り付けることのできる管スリーブを備える、請求項１８に記載のクランプ装置。

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