JP4824489B2 - 参照電極、その参照電極を用いたイオン濃度測定装置、参照電極用内部液、参照電極用内部液のpH調節方法、及び塩橋 - Google Patents

参照電極、その参照電極を用いたイオン濃度測定装置、参照電極用内部液、参照電極用内部液のpH調節方法、及び塩橋 Download PDF

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Description

この発明は、電極電位の算出や測定の基準となる参照電極、その参照電極を用いたイオン濃度測定装置、参照電極に用いられる内部液、その内部液のpH調節方法、及び電気化学的測定セルや化学電池において2種の電解質溶液を液絡させる塩橋に関するものである。
現在最も広く用いられているpH測定法は、ガラス膜を反応膜とするガラス電極を用いた方法であり、ガラス膜が試料溶液と接触すると、ガラス膜の表面が試料溶液のpHに応じた電位(電位差)を発生することによる。この電位差を測定するためには基準となる電位が必要であり、このため、ガラス電極以外に一定の基準電位を提示しうる参照電極が必要である。
この参照電極の基準電位は、その内部液と試料溶液とが接触することによって生じる液間電位差が変動すると変動してしまう。このため、従来内部液と試料溶液との液間電位差の変動を最小限に抑えるために、Ag/AgCl又はHg/HgCl等からなる内部電極を高濃度(3.3mol/L〜飽和)のKCl溶液からなる内部液に浸漬し、この内部液がセラミックスやガラス等の多孔質からなる液絡部を介して試料溶液に接触するように構成してある参照電極が一般的に使用されている(特許文献1)。
KClは溶液中でカリウムイオン(K)と塩化物イオン(Cl)とに分離して存在しており、それらのイオンの半径がほぼ等しいため、カリウムイオン(K)と塩化物イオン(Cl)の拡散速度はほぼ等しい。したがって、塩化カリウム溶液の液間電位が非常に小さいという利点がある。
しかしながら、高濃度(3.3mol/L〜飽和)のKCl溶液は、塩効果(塩の周りに水が集まる)及び二酸化炭素の溶解によって、そのpHが約5.3を示す。その結果、内部液であるKCl溶液が酸性であることにより液絡部において、水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが失われてしまい、それによって液間電位が大きくなってしまうという問題がある。
また、内部液の流出量が多いスリーブ型と呼ばれる参照電極では、弱酸性を示す内部液が測定試料又はpH標準溶液(校正液)に流出し、測定誤差又はpH変化に対する測定電位の直線性が悪化するという問題もある。
特開平11−258197号公報
そこで、本発明は、内部液中のイオンの拡散速度のみに着目するという従来の発想に囚われず、水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスを維持するという(内部液のpHを調節するという)全く新しい発想を取り入れてなされたものである。つまり、本発明は、内部液のpHを中性にして液絡部における水素イオンと水酸化物イオンとのバランスを維持することにより、液間電位を低減すること、また、内部液が測定試料に流出することによる測定誤差又はpH変化に対する測定電位の直線性を改善することをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る参照電極は、内部電極と、その内部電極に接触する内部液と、その内部液を試料溶液に接液させるための液絡部と、を備え、前記内部液が、塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とするものである。ここで、「略中性」とはpHが概ね6.0〜9.0までのことをいい、また、「参照電極」とは参照極、照合電極、基準電極、比較電極と同義である。
このようなものであれば、内部液が略中性に調節されているので、液絡部における水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが保たれ、液間電位を減少させることができる。また酸やアルカリ等の液間電位が生じやすい試料溶液でも安定した電位が得られるようになる。したがって、測定誤差を低減することができる。また、pH変化に対する測定電位の直線性を改善することができる。
具体的な内部液の実施の態様としては、前記内部液が、塩と、アルカリ剤又は中性若しくはアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなることが望ましい。
アルカリ剤としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が考えられ、緩衝剤としては、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液又はトリス緩衝液等を用いることができるが、特にpH標準試薬が好ましく、より好適には中性リン酸塩又はホウ酸塩が好ましい。
また、塩としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム又は塩化リチウムが考えられる。ここで、塩は水などの溶媒に溶かした溶液で用いられる。特に高濃度(3.3mol/L〜飽和)の塩化カリウム溶液が好ましい。高濃度の塩化カリウム溶液はpHが約5.3であるが、これにアルカリ性溶液を構成する水酸化物イオン(OH)を添加することにより、液絡部における水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが保たれ、液間電位を減少させることができる。
具体的な実施の態様としては、参照電極が、内部電極と、その内部電極に接触する内部液と、その内部液を試料溶液に接液させるための液絡部と、を備え、前記内部液が、高濃度(3.3mol/L〜飽和)の塩化カリウム溶液とその塩化カリウム溶液に添加されるアルカリ剤又は中性からアルカリ性に緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とするものである。
アルカリ性試料溶液に好適に用いられる参照電極としては、内部電極と、その内部電極に接触する内部液と、その内部液を試料溶液に接液させるための液絡部と、を備え、前記内部液が、塩化カリウム溶液とその塩化カリウム溶液に添加されるアルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とするものである。
本発明に係る参照電極は、ガラス電極等のイオン選択性電極と組み合わせて複合電極を構成してもよい。
本発明に係るイオン濃度測定装置は、測定用電極と、参照電極と、前記測定用電極及び前記参照電極を試料溶液中に浸漬したときに生じる電位差に基づいて、その試料溶液中の測定対象イオンの濃度を算出する演算装置とを備えたイオン濃度測定装置であって、前記参照電極が、内部電極と、その内部電極に接触する内部液と、その内部液を試料溶液に接液させるための液絡部とを備え、前記内部液が、塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とするものである。
このようなものであれば、内部液が略中性に調節されているので、液絡部における水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが保たれ、液間電位を減少させることができる。したがって、測定誤差を低減することができる。また、pH変化に対する測定電位の直線性を改善することができる。
さらに本発明に係る参照電極用内部液は、塩とアルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とするものである。また、参照電極用内部液は、塩を溶媒に溶解させた溶液と、その溶液に添加されるアルカリ剤又は緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とする。つまり、例えば高濃度(3.3mol/L〜飽和)の塩化カリウム溶液の場合には、塩効果等によりpHが約5.3であり、内部液中には、水酸化物イオン(OH)よりも水素イオン(H)の方が多く存在している。このような内部液を用いると、参照電極の液絡部において試料溶液中の水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが崩れる。これによって液間電位が大きくなってしまう。しかしながら、内部液中に、水酸化物イオン(OH)を添加することにより、内部液中での水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスを維持しているので、液絡部において試料溶液中の水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが崩れることがなく、その結果液間電位を小さくすることができる。
また、本発明に係る参照電極用内部液のpH調節方法は、塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなる参照電極用内部液のpH調節方法であって、前記塩を溶媒に溶解させた溶液に前記アルカリ剤又は緩衝剤を添加することにより、略中性に調節することを特徴とするものである。
加えて、本発明に係る塩橋は、塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とするものである。
このように本発明によれば、内部液が略中性に調節されているので、液絡部における水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが保たれるので、液間電位を低減させることができる。また酸やアルカリ等の液間電位が生じやすい試料溶液でも安定した電位が得られるようになる。さらに、内部液が試料溶液中に流出しても、試料溶液又はpH標準溶液(校正液)への影響を小さくすることができる。その結果、測定誤差の抑制又は直線性の改善を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る参照電極を用いたイオン濃度測定装置について図面を参照して説明する。
本実施形態に係るイオン濃度測定装置1は、図1に模式的に示すように、試料溶液中の水素イオン濃度(pH)を測定するものであり、測定用電極2と、参照電極3と、その測定用電極2及び参照電極3を試料溶液に浸漬したときに生じる電位差を検出する電位差計4と、電位差計4によって検出された電位差からイオン濃度を算出して表示する演算装置5とを備えている。
測定用電極2は、本実施形態ではpH電極を用いているが、その他にもイオン選択性電極を用いることができる。測定用電極2の内部電極21は、後述する参照電極3の内部電極31と同じAg/AgClを用いている。その内部電極21には、リード線51が接続してあり、このリード線51は外部に延出し電位差計4に電気的に接続される。
参照電極3はプラグ型(セラミックス型)のものであり、図2に示すように、円筒状のガラス製の支持管34と、その支持管34の先端部に接合した液絡部33とを備えている。支持管34には、内部電極31が収容してあり、かつ、内部液32が充填してある。内部電極31には、リード線52が接続してあり、リード線52はこの支持管34の基端部から外部に延出し電位差計4に接続されるようにしてある。液絡部は、多孔質セラミックスから構成され、当該セラミックスはAl−Si系である。
内部電極31は、例えばAg/AgCl、Hg/HgCl、Hg/HgSO等の電極を用いることが考えられるが、本実施形態ではAg/AgClを用いている。その上端部にはリード線52が接続されている。このリード線52は外部に延出し電位差計4に電気的に接続される。
内部液32は、塩を水などの溶媒に溶かした塩類溶液とアルカリ剤とからなるものであり、その塩類溶液にアルカリ剤を添加することにより、内部液32のpHを略中性にしている。略中性とは、本実施形態において、塩類溶液自体の元々のpHから中性側のpHをいい、概ね6.0〜9.0をいうものとする。試料溶液との関係で言うと、所定の試料溶液に対して液間電位が最小となるpHである。
塩類溶液としては、内部電極31にAg/AgClを用いた場合には高濃度(3.3mol/L)の塩化カリウム(KCl)溶液を用いている。この高濃度KCl溶液は、本来中性であるが、実際には塩効果及び二酸化炭素の溶解によってpHが約5.3に低下している。つまり、内部液32に高濃度KCl溶液のみを用いた場合には、その内部液32中の水素イオン(H)は水酸化物イオン(OH)よりも多く存在することになる。このような内部液32を用いると、液絡部33において内部液32中の水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)が試料溶液中に拡散し、試料溶液中の水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが崩れてしまい、それによって液間電位が生じてしまう。そこで本実施形態では、高濃度KCl溶液にアルカリ剤である水酸化物イオン(OH)を添加して、内部液32を高濃度KCl溶液とNaOH溶液とからなるものにすることで、内部液32中の水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とをほぼ同量としてバランスを取り、液間電位が生じないようにしている。
内部液32のpH調節方法は、所定量の高濃度KCl溶液に、そのpHが7付近になるようにNaOH溶液を徐々に添加するというものである。つまり、所定の試料溶液に対して液間電位が最小となるように、内部液32中の水素イオン(H)及び水酸化物イオン(OH)のバランスを取るようにNaOH溶液を添加する。なお、試料溶液を測定する前に、試料溶液のpHに応じて、液間電位が最小となる内部液のpH及びその時に添加したNaOH溶液の量は予め測定しておくことが好ましい。
例えば、試料溶液がpH13である場合には、図3に示すように、3.3mol/Lの塩化カリウム溶液に、0.05mMの水酸化ナトリウム溶液を添加して、内部液32のpHを約7.68に調節する。
このように構成した本実施形態に係るイオン濃度測定装置1によれば、内部液32が略中性に調節されているので、液絡部33における試料溶液中の水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが保たれるので、液間電位を低減することができる。さらに、液間電位が小さい高濃度KCl溶液を用いているので一層液間電位を低減することができる。したがって、例えば酸やアルカリ等の液間電位が生じやすい試料溶液であっても安定した電位が得られるようになり、測定誤差を抑制することができる。また、pH9標準試薬等のアルカリ性標準試薬を用いた場合には、校正時において内部液流出による酸性側へのシフトを防ぐことができ、pH変化に対する測定電位の直線性を向上させることができる。
次に、参照電極3の内部液32のpHを変化させた場合の液間電位の変化について説明する。
<実施例1>
まず、内部液32を高濃度KCl溶液とNaOHとから構成した場合について説明する。本実施例では、内部液32中におけるNaOHの濃度を徐々に大きくして、内部液32のpHを徐々に大きくしていったときに、試料溶液のそれぞれのpHに応じて生じる液間電位[mV]を測定した。
その結果は図3に示す通りである。pH4、pH7、pH9、pH0、pH13全てにおいて高濃度KCl溶液に水酸化物イオン(OH)を添加することにより液間電位が減少していることがわかる。特に、pH13においては液間電位が0.2[mV]となり、高濃度KCl溶液のみで内部液32を構成した場合に比べて大幅に液間電位が減少していることが分かる。
このようなことから、KCl溶液とNaOHとからなる内部液32は、アルカリ性を示す試料溶液を測定するときには、液間電位を低減することができ、酸性を示す試料溶液を測定する場合にも、液間電位を増大させることはなく、アルカリ性を示す試料溶液を測定する場合に比べて液間電位差の低減度は小さいが、液間電位差を低減させることができることが分かる。
<実施例2>
次に、内部液32を高濃度KCl溶液とKOHとから構成した場合について説明する。本実施例では、内部液32中におけるKOHの濃度を徐々に大きくして、内部液32のpHを徐々に大きくしていったときに、試料溶液のそれぞれのpHに応じて生じる液間電位[mV]を測定した。
その結果は図4に示す通りである。pH4、pH7、pH0においてはKOH溶液を添加することにより液間電位が増加していることが分かる。これは、水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスによる効果よりも、高濃度KCl溶液中に不純物イオンであるカリウムイオン(K)を添加することによるイオン拡散の変動の影響の方が大きいことを示しているものと考えられる。
一方、pH9及びpH13においては、不純物イオンを添加したことによる影響よりも、水素イオン(H)及び水酸化物イオン(OH)とのバランスを維持したことによる効果の方が大きいことを示しているものと考えられる。
このようなことから、内部液を高濃度KCl溶液とその高濃度KCl溶液に添加されるKOH溶液とから構成して、その内部液のpHを略中性にした参照電極は、アルカリ性試料溶液により好適に用いることができる。
<実施例3>
次に、内部液32と高濃度KCl溶液と緩衝剤とから構成した場合について説明する。本実施例では、緩衝剤としてpH標準試薬を用い、内部液32中におけるpH標準試薬(粉末)の添加量を徐々に大きくして、内部液32のpHを徐々に大きくしていったときに、試料溶液のそれぞれのpHに応じて生じる液間電位[mV]を測定した。pH標準試薬(粉末)は中性リン酸塩であり、リン酸二水素カリウムとリン酸水素二ナトリウムとの混合物である。なお、pH標準試薬(粉末)としてホウ酸塩を用いても良い。
その結果は図5に示す通りである。pH4、pH7、pH9、pH13のいずれの場合も内部液のpHが中性に近づくに伴って液間電位が減少していることが分かる。また、試薬の添加形態は液体であっても良い。
なお、本発明は前記実施形態及び前記実施例に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では内部液を構成する塩類溶液として高濃度KCl溶液を用いたがその他にも塩化ナトリウム(NaCl)溶液又は塩化リチウム(LiCl)溶液等を用いても良い。
また、前記実施形態の参照電極はプラグ型(セラミックス型)のものであったが、その他にもスリーブ型又はダブルジャンクションスリーブ型のものであっても良い。特にスリーブ型参照電極は、その構造上内部液の流出量が多く、試料溶液が内部液によって汚染されやすく、水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが崩れ、液間電位が大きくなりやすいが、本発明の内部液は略中性に調整されているので、試料溶液中において水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)とのバランスが崩れないので測定誤差を小さくすることができる。
本発明に係る参照電極3は、図6に示すように、ガラス電極2の周囲を取り巻くように設けられて、ガラス電極2とともに複合電極6を構成していてもよい。図6に示す実施形態において、参照電極3とガラス電極2とは、参照電極3がガラス電極2の支持管24を取り囲むように一体に形成されており、ガラス電極2は、円筒状のガラス製の支持管24と、その支持管24の先端部に接合したガラス応答膜23とを備えている。このガラス電極支持管24は前記参照電極支持管34よりも若干先端部を突出させてあり、その先端部に前記ガラス応答膜23が接合されている。
前記ガラス電極支持管24には、内部電極21が収容してあり、ガラス電極内部液22として例えばpH7に調整された内部液が充填してある。参照電極3は、液絡部33が参照電極支持管34の外周壁の適宣箇所に設けてあること以外は、前記実施形態と同様に構成してある。参照電極3の内部電極31及びガラス電極2の内部電極21には、それぞれリード線51、52が接続してあり、それらのリード線51、52は、支持管24、34の基端部から外部に延出し電位差計4に接続されるようにしてある。
このように本発明の参照電極3がガラス電極2とともに複合電極を構成していると、取り扱いがより簡便なものとなる。
なお、本発明に係る参照電極を用いて複合電極を構成する場合、参照電極と組み合わせるイオン選択性電極としてはガラス電極に限定されず、難溶性の多結晶を加圧成型した沈殿膜電極、難溶性の多結晶をポリ塩化ビニルやシリコーンゴム等からなるマトリックスに含浸させた沈殿含浸膜電極、フッ化ランタン等の単結晶を感応膜とした結晶膜電極、液膜電極等と組み合わせて複合電極を構成してもよい。
また、高濃度KCl溶液と、その高濃度KCl溶液に添加されるNaOHとからなり、略中性に調節されている溶液を、電気化学的セルや化学電池において2種の電解質溶液間に設けて塩橋(寒天橋)として用いてもよい。前記塩橋の形状としては特に限定されず、用いる容器に合わせて、逆U字形、H形等の形状をとり得る。また、前記塩橋と電解質溶液との液絡部分には多孔性隔膜を設けてもよく、設けなくてもよい。
その他、前記実施形態を含む前記した各構成を適宜組み合わせるようにしてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係るイオン濃度測定装置の模式的構成図。 同実施形態における参照電極の内部構造を一部示す部分破断図。 高濃度KCl溶液にNaOHを添加した場合の液間電位を示す図。 高濃度KCl溶液にKOHを添加した場合の液間電位を示す図。 高濃度KCl溶液にpH標準試薬を添加した場合の液間電位を示す図。 他の実施形態に係る参照電極の内部構造を一部示す部分破断図。
符号の説明
1 ・・・イオン濃度測定装置
2 ・・・測定用電極
3 ・・・参照電極
31・・・内部電極
32・・・内部液
33・・・液絡部

Claims (9)

  1. 内部電極と、その内部電極に接触する内部液と、その内部液を試料溶液に接液させるための液絡部と、を備え、
    前記内部液が、塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とする参照電極。
  2. 前記緩衝剤が、pH標準試薬であることを特徴とする請求項記載の参照電極。
  3. 前記pH標準試薬が、ホウ酸塩であることを特徴とする請求項記載の参照電極。
  4. 前記塩が、塩化カリウム、塩化ナトリウム又は塩化リチウムであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の参照電極。
  5. 内部電極と、その内部電極に接触する内部液と、その内部液を試料溶液に接液させるための液絡部と、を備え、
    前記内部液が、塩化カリウム溶液とその塩化カリウム溶液に添加されるアルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とする参照電極。
  6. 測定用電極と、参照電極と、前記測定用電極及び前記参照電極を試料溶液中に浸漬したときに生じる電位差に基づいて、その試料溶液中の測定対象イオンの濃度を算出する演算装置とを備えたイオン濃度測定装置であって、
    前記参照電極が、内部電極と、その内部電極に接触する内部液と、その内部液を試料溶液に接液させるための液絡部とを備え、
    前記内部液が、塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とするイオン濃度測定装置。
  7. 塩とアルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とする参照電極用内部液。
  8. 塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなる参照電極用内部液のpH調節方法であって、
    前記塩を溶媒に溶解させた溶液に前記アルカリ剤又は緩衝剤を添加することにより、略中性に調節することを特徴とする参照電極用内部液のpH調節方法。
  9. 塩と、アルカリ剤又はアルカリ性の緩衝能を有する緩衝剤とからなり、略中性に調節されていることを特徴とする塩橋。
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