JP4824323B2 - 移動体の速度検出装置及びこれを用いた速度制御装置 - Google Patents

移動体の速度検出装置及びこれを用いた速度制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステージ上を動く移動体の速度を検出する分野におけるものであり、特に超音波モータを用いて移動体の速度を、光学素子を利用して検出する速度検出装置及びこの速度検出装置を用いた速度制御装置に関するものである。
従来、移動体の位置や速度を検出する手段として、ステージ上に反射ミラーを設け、光源から出力された光の反射角度からステージ位置を算出する等の手段を用いた移動体の位置、速度検出装置がある。特許文献1にはその一例が示されており、移動体の移動方向と平行にレーザー光を出力できるように位置固定された光源から、レーザー光を出力して、移動体に設けられた反射ミラーに反射させる。これを光源と反射ミラーの間に設置されたハーフミラーにより透過あるいは再反射させ、これを受光素子に入射させて透過光あるいは反射光の光量を測定し、その光量により移動体の位置や速度を算出する。
特開平9−126720号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、光源から出力される光を反射させ、その反射光の光量を測定することにより移動体の動きをとらえる構造であるために、反射ミラー等の装置部品が多く複雑な構造となり、装置のメンテナンス等に時間を要するばかりか、レーザー光源の温度制御に周辺機器を要する等、装置自体が高コスト化してしまうという問題がある。
また、光を反射させて受光素子に入射させるために、反射角度の調整が不可欠かつ困難であり、装置を構成する部品の精度バラツキまで考慮すると、正確な移動体の位置、速度が把握できるような装置の調整が困難であった。
本発明の移動体の速度検出装置は、直線移動又は回転移動が可能な移動体と、前記移動体に固定され、移動体の移動方向に沿って所定の長さを有する窓部を持ったシャッターと、第1の発光素子から出力された光が第1の受光素子に入射するよう配置された第1の受発光手段と、第2の発光素子から出力された光が第2の受光素子に入射するよう配置された第2の受発光手段とを備え、前記シャッターは、前記移動体の移動とともに前記第1の発光素子と第1の受光素子との間および前記第2の発光素子と第2の受光素子との間を通過して、前記各受光素子への光を遮蔽又は透過させるものであり、前記各受光素子は、移動体の移動方向に沿って所定の長さを有する開口部を有し、前記各受光素子の受光量を信号に変換し、その信号を計測することで前記移動体の速度を算出する速度算出手段をさらに備え、前記第1および第2の受発光手段は、前記移動体の移動方向に沿って、互いに位相が90°異なる位置に配置され、
前記速度算出手段は、第1の受光素子の受光量に相当する第1の受光量信号及び第2の受光素子の受光量に相当する第2の受光量信号をそれぞれ時間微分する第1及び第2の微分部と、前記第1及び第2の微分部によってそれぞれ時間微分された第1及び第2の微分信号を反転して第1及び第2の反転信号として出力する第1及び第2の信号反転部と、前記第1の受光量信号の値が、第1のしきい値未満又は第2のしきい値(第1のしきい値<第2のしきい値とする)より大きいかどうかを判定する第1の比較部と、前記第1の受光量信号の値が第1のしきい値以上第2のしきい値以下であるかどうかを判定し、肯定である場合に、前記第2の受光量信号を第3のしきい値(第1のしきい値<第3のしきい値<第2のしきい値とする)と比較する第2の比較部と、スイッチング回路とを有し、
前記スイッチング回路は、前記第1の受光量信号の値が前記第1のしきい値以上前記第2のしきい値以下の場合において、第2の受光量信号が前記第3のしきい値以上か未満かに応じて、前記第1の微分信号又は前記第1の反転信号のうち正の値のほうを選択し、前記第1の受光量信号の値が前記第1のしきい値未満又は前記第2のしきい値より大きい場合において、前記第2の微分信号が正の値であるときは該第2の微分信号を選択し、該第2の微分信号が負の値であるときは前記第2の反転信号を選択して速度比例信号として出力することを特徴とする。
この構成によれば、前記受光素子は、移動体の移動方向に沿って所定の長さを有する開口部を有し、この開口部と、移動するシャッターの窓部との重なりに応じた光量信号を感知することができるので、この信号に基づいて前記移動体の速度を算出することができる。したがって、従来のように複雑な測定機構を設けることなく簡単な構造によって移動体の移動速度を測定することができるため、装置のメンテナンスが容易となるばかりか、移動体を含む装置全体の低コスト化を図ることが可能となる。また、光源からの光を反射させることなく、受光素子まで直線的に入射させるために、反射角度の調整や、入射する光量のバラツキ等が少なく、より高精度の測定を実施することができる。
また、前記速度算出手段は、上に述べたような構成を有することにより、前記受光素子の開口部と、移動するシャッターの窓部との重なりの変化をとらえることができ、その変化に基づいて、移動体の速度を算出することができる。
前記シャッターの窓部の長さ及び前記受光素子の開口部の長さは、前記移動体の移動方向に直角な方向に沿って一定であることとすれば、前記受光素子の開口部と、移動するシャッターの窓部との重なりの具合を、面積でなく、移動体の移動方向に沿った長さに換算することができるので望ましい。
前記受光素子へ入射する光は平行光であれば、前記受光素子の開口部と、移動するシャッターの窓部との重なりを正確にとらえることができるので、正確な速度測定のためには望ましい。
前記シャッターの窓部の内面エッジは、前記受光素子へ入射する光と略平行に形成されていれば、移動するシャッターの窓部との重なりをさらに正確にとらえることができるので、より正確な速度測定のためには望ましい。
前記シャッターは、光の受光を行う窓部と、受光素子に対する光の遮蔽を行う遮蔽部とが前記移動体の移動方向に沿って交互に形成されたものであれば、移動体の移動に伴って複数回の測定ができ、より正確な速度測定ができる。
前記窓部の移動体の移動方向に沿った長さが前記遮蔽部の移動体の移動方向に沿った長さと略同じとすれば、窓部と遮蔽部とは、規則的に交互に現れることになり、複数の受発光手段を設ける場合に、連続した速度比例信号を得ることが容易にできる
また、本発明の移動体の速度制御装置は、前記移動体を駆動するモータを有し、事前に設定された速度情報を基準に、前記速度算出装置により算出されたシャッター移動に伴う連続した速度情報を制御するために前記モータを制御するものである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の速度制御装置の一例を示す平面図である。
本発明の速度制御装置1は、ベース盤12上にクロスローラガイドの如き一対のガイド部材2を備え、これらのガイド部材2によって移動体としてのステージ3を直線的に案内するようになっている。前記移動体の移動方向を"P"、それに直角な方向を"Q"で表している。
ステージ3の一方側(図1の下方側)の側面には、ステージ3の移動方向Pに対して平行に、平面状の壁を持った駆動力伝達部材4が立設されている。この駆動力伝達部材4と対向する位置には、例えば超音波モータ20からなる駆動源が設置されている。超音波モータ20は、駆動力伝達部材4の当接面に対して垂直に接触して、その楕円運動で駆動力伝達部材4を移動方向Pに送り出すための摩擦部材23を備えている。
なお、前記駆動源としては、従来から用いられている電磁モータ等も適用可能である。しかし、前記超音波モータ20は他の駆動源に比べて精密な送りと位置決めができるとともに、小型である。したがって、速度制御装置1をコンパクトに設計することが可能で、しかも保守性に優れるという利点があり、この点から超音波モータ20を駆動源とするのが好ましい。
ステージ3の他方側(図1の上方側)には、ステージ3に固定ネジ7等の固定手段によってシャッター6が取り付けられている。またベース盤12上に受光素子、発光素子から構成される光学センサ5が備えられている。光学センサ5の出力は、速度算出回路9に接続されている。これらのシャッター6、光学センサ5、速度算出回路9は、「速度検出装置」として機能する。
そして、この速度算出回路9からの速度比例信号をもとに、指令信号を生成する制御部10が備えられている。制御部10は、指令信号を駆動部11へ出力し、超音波モータ20を駆動させることで、ステージ3をガイド部材2に沿って移動させるように、PD制御装置等のサーボ制御部を構成している。
図2は、前記速度検出装置の拡大斜視図であり、図3(a)は、発光素子5a、受光素子5bとシャッター6との位置関係を示す断面図である。
光学センサ5の発光素子5aと受光素子5bとは、互いに対向して設置され、発光素子5aからの光が受光素子5bに入射できるように構成されている。発光素子5a、受光素子5bは例えば図示のような「コ」の字形の支柱5cに取り付けられ、その位置精度を確保できるようになっている。
前記発光素子5aと受光素子5bとしては市販のものを用いればよく、発光素子5aには例えば赤外線LED等を、受光素子5bには例えばフォトダイオードやフォトトランジスタ等を用いる。
前記受光素子5bは、所定長さの開口部14を備えている。この開口部14を通して、光が検出され、その光量に比例した信号が出力される。開口部14の形状は円形、三角形等のような形状であっても良いが、略四角形に形成するのがより好適である。
受光素子5bの開口部14のステージ3の移動方向Pにおける長さをL3とする(図3(a)参照)。四角形に形成する場合、移動体の移動方向Pに沿った長さL3は、前記移動体の移動方向Pに直角な方向Qに沿って一定であることが好ましい。
さらに、前記受光素子5bへ入射する光は平行光であることが好適である。光が平行光でないと、受光素子5bの開口部14の面積全体で光を受光することができず、受光素子5bの開口部14を通して受光されなかった光の分だけ、光量が減少しステージ3の正確な速度を検出することができなくなる。このため、発光素子5aは、単一のLEDに、その波長に合わせて平行光に変換するために角度を調整されたレンズを組み合わせたものを用いることが望ましい。これにより、光源の発する光を平行光とすることができる。なお、レンズがLEDの内部に組み込まれている場合もあり、そのときは、レンズを外付けする必要はない。
前記支柱5cの材質としては、セラミックス、金属、樹脂等、発光素子5aと受光素子5bとを取り付けられればどのような材質を用いても良いが、コスト面から考慮すれば金属からなる支柱5cを用いるのが良い。
また、前記シャッター6は、図2及び図3(a)に示すようにステージ3の移動方向Pに沿って所定間隔に設けられた複数の窓部8と、それ以外の遮蔽部13とからなる。
前記窓部8は、ステージ3の移動方向Pに対して直角な端辺を有している。これらの端辺を、図2に"T"で示す。前記窓部8の移動体の移動方向Pに沿った長さは、この対向する一対の端辺T同士の距離L1で表される。この距離L1は、窓部8の移動方向Pに対して直角な方向Qに沿って一定であることが望ましい。また、遮蔽部13のステージ3の移動方向Pにおける長さをL2とする。長さL2は、隣り合う窓部8の、一番近い端辺T同士の距離となる。
前記L1とL2とは、略同じとするのがより好適である。このようにした場合、窓部8と遮蔽部13とで、一定周期の繰り返し構造を実現することができる。そして、一周期を360°とする「位相」という概念を持ち込むことが可能となる。
前記シャッター6は、前記窓部8の厚み方向の内周部Jにおいて発光素子5aからの光が反射しないために、内周部J′に傾斜を付けて遮光部を薄くするとよい(図3(b)参照)。内周部J′に傾斜を付けるのは、発光素子5aからの光が内周部J′で反射して受光素子5bに入るのを防ぐためである。または、内周部Jを、光を反射しにくい色調とするのが良い。例えば黒色や灰色等の着色剤を表面に薄く塗布したり、予め着色された材料を用いてシャッター6を形成する等、様々な方法を用いて色調を付与することができる。
また、発光素子5aからの光が平行光である場合は、前記シャッター6は、前記窓部8の厚み方向の内周面Jが前記光の方向と略平行に形成されるのが好適である(図3(a)参照)。窓部8の厚み方向の内周面Jが光の方向と略平行でないと、シャッター6の窓部8を通過して受光素子5bの開口部14へ入射する光量に、窓部8ごとにバラツキが生じてしまい、より正確なステージ3の速度を算出することができなくなるからである。
このシャッター6が、光学センサ5の発光素子5a、受光素子5bの間を、ステージ3の移動に合わせて移動・通過し、発光素子5aから受光素子5bへ照射された光を、窓部8を通して受光させたり、遮蔽部13により遮蔽したりする。
この移動により、受光素子5bの開口部14へ入射する光量が時間的に変化し、受光素子5bから、開口部14へ入射する光量に比例して出力される信号が変動する。なお、前記信号は、受光素子から出力される電圧、電流、抵抗値に換算され、受光量によってこれらの値は変動する。
速度算出回路9により、この信号を増幅して計測することで、シャッター6の速度を算出することが可能となる。シャッター6はステージ3に固定されているため、前記速度を求めれば、これがステージ3の速度と同じになる。このように、従来と比較して複雑な測定機構を設けることなく簡単な構成によりステージ3の速度を算出できるようになる。
なお、前記シャッター6は複数の窓部8を形成しているが、ステージ3の移動距離が例えば数mmなどと極端に短い場合には、窓部8は1つ形成すれば良く、シャッター6の窓部8の数は、ステージ3の移動距離によって様々な設置数とできる。
次に、前記速度検出装置が行う速度測定方法について詳細を説明する。
発光素子5aより発せられた光は、シャッター6の遮蔽部13に遮られた分を除き、窓部8を通して受光素子5bに入る。この場合、受光素子5bの光量は、受光素子5bの開口部14と窓部8の重複部分の面積に比例する。そしてステージ3が移動するに伴いシャッター6が動き、遮蔽移動、受光移動を行うため、開口部14と窓部8の重複部分の面積が変化することになり、受光素子5bの光量もこれに応じて変化する。この光量の単位時間当たりの変化はステージ3の速度に相当し、これによりステージ3の速度を判明できることになる。当然更にこれを微分すれば、ステージ3の加速度をも求めることが可能となる。
図4は、速度算出回路9の回路ブロック図であり、図5は速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。
この回路に基づき、信号の流れを説明する。受光素子5bの光検出信号は、増幅部31により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部32を通ることにより、信号波形のノイズなど細かな変化分が除去される。もちろん、ノイズが少ない場合は、ローパスフィルタを省略しても良い。この信号を"Va"と表記する。信号Vaは、その後、微分部33により、微分演算が行われる。この微分後の信号を"Vb"と表記する。さらに、絶対値化部34により信号の負の部分が正に反転させられる。
以上の速度算出回路9の機能は、図5に示したように演算増幅素子によって実現してもよいが、マイクロコンピュータでソフトウェア演算をすることにより実現してもよいことはもちろんである。
この速度算出回路9の出力信号Vcを制御部10へ送る。そして制御部10から、駆動部11へ、ステージ3の速度変化に応じた指令信号を出力することで、ステージ3の制御を実施している。
次に、図6(a)に、受光素子5bより検出された信号Vaの波形をプロットしたグラフを示す。図中縦軸は受光素子5bにより検出される電圧値、横軸は時間を表している。
受光素子5bはその開口部14に光が入射していない状態では、出力電圧は0であり、図6(a)ではAの位置で表される。すなわち、発光素子5aからの光は、前記シャッター6の遮蔽部13に完全に遮られた状態である。そしてステージ3が移動開始するとシャッター6が移動し、遮蔽部13に完全に遮られていた発光素子5aからの光は、窓部8を通して受光素子5bに入射しはじめ、図6(a)のBの位置では、受光素子5bの開口部14の長さL1と窓部8の長さL2とが半分重複した状態となる。このとき、受光素子5bからは、開口部14の面積全体に光を受けた場合の出力電圧値(例えば10V)半分の出力電圧値(5V)を示す。また、図6(a)のCの位置では、シャッター6の窓部8と受光素子5bの開口部14とが一致し、開口部14全体に光が入射されている状態となり、受光素子5bからは最大出力の電圧値(10V)が検出される。以降、シャッター6は遮蔽移動に入り、窓部8から受光素子5bへ入射する光量は減少していく。
図6(b)に、前記電圧波形を微分部33により微分した微分信号Vbの時間的変化をプロットしたグラフを示す。また図6(c)には、絶対値化部34によりその微分信号を絶対値信号Vcに変換してプロットしたグラフを示す。
この絶対値信号Vcが「速度比例信号」に相当する。なお、速度比例信号の値と、ステージ3の実際の速度との関係は、ステージ3をいろいろな既知の速度で動かして、速度比例信号の値を求めてプロットし、この関係を最小自乗法などで統計的に処理することにより、求めることができる。また、概略値でよい場合は、開口部14の長さL1と電圧Vcの関係から計算により求めることも可能である。
前記微分信号Vbは正負の値をとるので、微分信号Vbに基づいてステージ3の速度を求めることはできない。そこで、その微分信号の絶対値をとり、正負に反転しない連続した速度比例信号を得ることとした。この絶対値信号Vcの値を計ることにより、ステージ3の速度を知ることができる。なお、絶対値信号Vcの値がゼロにまで低下する部分Zが存在している。これは、微分信号Vbの値が正から負、負から正に変化する(ゼロクロスという)部分に対応している。この部分Zの存在時間が長いと、ステージ3の速度の検出誤差が多くなるが、この部分Zの存在時間は、全体時間に対して無視できるほど短いので、ステージ3の速度の検出誤差要因にはならないと考えている。
以上のように、絶対値信号Vcの値に基づき、ステージ3の速度を検出することができる。
なお、後述の実施例では、光学センサ5の数を複数にすることにより、この部分Zの存在をなくすようにしている。
ここで、前記駆動部を構成する超音波モータ20の構造を説明する。図1に一例を示すように、超音波モータ20は、圧電セラミック板21の一方の主面に4分割された電極膜22a、22b、22c、22dを有し、対角に位置する電極膜22aと電極膜22dを結線するとともに、対角に位置する電極膜22bと電極膜22cを結線し、かつ他方の主面には、ほぼ全面に電極膜(不図示)を形成している。前記圧電セラミック板21の端面に、セラミックスやガラスからなる摩擦部材23を設けている。圧電セラミックス板21はケース26にバネ24により固定されている。駆動力伝達部材4と垂直方向に設置されたバネ25により、摩擦部材23を介して駆動力伝達部材4に押圧している。
前記一方の主面に形成された電極膜(不図示)をアースするとともに、他方の主面に形成された電極膜22aと電極膜22bにそれぞれ位相を異ならせた電圧を印加することにより、圧電セラミック板21に縦振動と横振動を発生させ、これらの振動の合成によって摩擦部材23を楕円運動させるようになっている。
前記超音波モータ20の摩擦部材23としては、セラミックスやガラス等を用いるが、アルミナ等の一般的なセラミックスを用いれば良好な駆動特性を示す。特にアルミナとチタンカーバイドの複合材料を用いれば、従来用いられてきたアルミナ等の摩擦部材23と比較して、良好な駆動特性を示し、更にはステージ3に設置された駆動力伝達部材4もセラミックス材料とすればより良好な駆動特性が得られる。
以上、本発明の速度検出装置について説明を行ったが、上述したのは一対の発光素子5a、受光素子5bからなる光学センサ5を取り付けた場合である。ステージ3の移動距離が長くなる場合には、2つ以上のセンサを用いた方が、ステージ3の速度を検出するためには好ましい。
以下2つ以上のセンサを用いた本発明の速度検出装置及び速度制御装置について説明する。
図7に、光学センサ51,52が設置された本発明の速度制御装置の概略図を示す。光学センサ51,52の配置と、速度算出手回路9の構成を除く各部については、既に上述した1つの光学センサ5が設置された場合と同様であり説明を省略する。
センサを2つ設ける場合には、図8に示すように、受光素子51bを含む光学センサ51の設置位置に対して、受光素子52bから検出される電圧値が90度位相をずらした状態で検出される位置にもう一つの光学センサ52を設置する。このようにすれば、1つの光学センサ51のみを設置した速度検出装置では、シャッター6の窓部8と受光素子5bの開口部14が完全に一致する位置と、受光素子5bの開口部14が遮蔽部13により完全に遮蔽される位置で、速度比例信号が0となる場合があったが、これを他の光学センサ52を用いて、補うことができる。すなわち、1つの光学センサ51に基づき得られる速度比例信号が0となる時刻に、他の光学センサ52から得られる速度比例信号が0とならないので、これらの2種類の信号を選択することが可能となり、より緻密な制御を実施することができる。
図9は、速度算出回路9の回路ブロック図であり、図10は速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。
この回路に基づき、信号の流れを説明する。受光素子51bの光検出信号は、増幅部41により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部42を通ることにより、信号波形のノイズなど細かな変化分が除去される。この信号を"Va1"と表記する。信号Va1は、その後、微分部43を通ることにより時間微分が行われる。この微分後の信号を"Vb1"と表記する。さらに、微分出力反転部46により信号波形が正負反転させられる。微分出力反転部46の出力信号を"Vc1"と表記する。前記信号Va1は、比較部44によってしきい値7.5Vと比較され、比較部45によってしきい値2.5Vと比較される。
ここで、2つのしきい値の意味を説明する。受光素子5bにより検出される電圧値はフルスケールが10Vである。7.5Vは上四半分の値であり、2.5Vは下四半分の値である。この上四半分の値と下四半分の値との間の領域の部分においては、受光量と速度とが比例する範囲にあるとみなすことができる。したがって、信号Va1と信号Va2とを切り替えて使用するために、2つのしきい値を設定しているのである。
一方、受光素子52bの光検出信号は、増幅部61により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部62を通る。この信号を"Va2"と表記する。信号Va2は、その後、微分部63により、微分演算が行われる。この微分後の信号を"Vb2"と表記する。さらに、微分出力反転部66により信号波形が正負反転させられる。微分出力反転部46の出力信号を"Vc2"と表記する。比較部64は、前記信号Va1をしきい値2.5V及びしきい値7.5Vと比較し、前記信号Va2をしきい値5Vと比較する。比較部65は、前記信号Va1をしきい値2.5V及びしきい値7.5Vと比較し、前記信号Va2をしきい値5Vと比較する。
さらに、前記微分出力反転部46の出力信号Vc1、微分部43の微分信号Vb1、微分出力反転部66の出力信号Vc2、微分部63の微分信号Vb2のいずれかを選択して出力するスイッチング回路60を備えている。
図11(a)に受光素子51b、52bの検出信号の電圧波形Va1,Va2をプロットしたグラフを示す。電圧波形Va1は、電圧波形Va2よりも位相が90°だけ遅れた状態で変化していることがわかる。
図11のD,E,F,G,Hの位置は、それぞれしきい値2.5V、7.5Vでの信号切換点を示している。
この電圧波形Va1を微分することにより、図11(b)の微分信号Vb1を得る。電圧波形Va2を微分することにより、図11(c)の微分信号Vb2を得る。
ここで、比較部44,45,64,65の動作を説明する。
比較部44は、受光素子51bの検出信号Va1がしきい値7.5Vを超えている期間、つまり信号切換点EからFまでの期間に、微分出力反転部66の出力信号Vc2、つまり、微分部63の微分信号Vb2の反転信号が出力されるように、スイッチング回路60のスイッチを操作する。これにより、図11(d)に示すように、信号切換点EからFまでの期間に、速度比例信号が現れる。
比較部45は、受光素子51bの検出信号Va1がしきい値2.5Vを下回っている期間、つまり信号切換点GからHまでの期間に、微分部63の微分信号Vb2が出力されるように、スイッチング回路60のスイッチを操作する。これにより、図11(d)に示すように、信号切換点GからHまでの期間に、速度比例信号が現れる。
比較部64は、受光素子51bの検出信号Va1がしきい値2.5Vと7.5Vの間にあり、かつ受光素子52bの検出信号Va2がしきい値5V未満の期間、例えば信号切換点FからGまでの期間に、微分出力反転部46の出力信号Vc1、つまり、微分部43の微分信号Vb1の反転信号が出力されるように、スイッチング回路60のスイッチを操作する。これにより、図11(d)に示すように、信号切換点FからGまでの期間に、速度比例信号が現れる。
比較部65は、受光素子51bの検出信号Va1がしきい値2.5Vと7.5Vの間にあり、かつ受光素子52bの検出信号Va2がしきい値5V以上の期間、例えば信号切換点DからEまでの期間に、微分部43の微分信号Vb1が出力されるように、スイッチング回路60のスイッチを操作する。これにより、図11(d)に示すように、信号切換点DからEまでの期間に、速度比例信号が現れる。
以上の動作によって、微分部43の微分信号Vb1がゼロをクロスする期間を除いたその値が安定している期間だけ微分信号Vb1又はその反転信号Vc1を取り出すことができ、微分部63の微分信号Vb2がゼロをクロスする期間を除いたその値が安定している期間だけ微分信号Vb2又はその反転信号Vc2を取り出すことができる。
そして、制御部10へ送られる速度比例信号を連続したものとすることができ、より緻密に駆動部11を制御することが可能となる。さらに、微分出力反転部を持つことにより、受発光素子の数が半減するという効果もある。
なお、以上の例では、光学センサの数を2つとしたが、これより多くの光学センサを配置してもよい。一般に光学センサをn個配置する場合は、各光学センサを360°/2nごとに配置する。そして速度算出回路のブロック数も光学センサの数に応じた数とする。
次に、図12に示すように、受光素子51bを含む光学センサ51の設置位置に対して、もう一つの受光素子52bから出される電圧値が180°位相をずらした状態で検出される位置にもう一つの光学センサ52を設置する例を説明する。
図13は、速度算出回路9の回路ブロック図であり、図14は速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。
この回路に基づき、信号の流れを説明する。受光素子51bの光検出信号は、増幅部71により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部72を通ることにより、信号波形のノイズなど細かな変化分が除去される。この信号を"Va1"と表記する。信号Va1は、その後、微分部73により、微分処理が行われる。この微分後の信号を"Vb1"と表記する。前記信号Vb1は、比較部74によってしきい値0Vと比較され、正負が確認される。
一方、受光素子52bの光検出信号は、増幅部81により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部82を通ることにより、信号波形のノイズなど細かな変化分が除去される。この信号を"Va2"と表記する。信号Va2は、その後、微分部83により、微分演算が行われる。この微分後の信号を"Vb2"と表記する。比較部84は、前記信号Vb2をしきい値0Vと比較し、その正負を確認する。
さらに、微分部73の微分信号Vb1、微分部83の微分信号Vb2のいずれかを選択するスイッチング回路80を備えている。
図15(a)に受光素子51b、52bの検出信号の電圧波形Va1,Va2をプロットしたグラフを示す。電圧波形Va1は、電圧波形Va2よりも位相が180°だけ遅れた状態(つまり反転した状態)で変化している。
この電圧波形Va1を微分することにより、微分信号Vb1を得、電圧波形Va2を微分することにより、微分信号Vb2を得る。
ここで、比較部74,84の動作を説明する。
比較部74は、受光素子51bの検出信号Va1の微分信号Vb1が正の期間に、スイッチング回路60から、微分信号Vb1が出力されるように、スイッチを操作する。これにより、図15(b)に示すように、信号切換点AからBまでの期間に、速度比例信号が現れる。
比較部84は、受光素子52bの検出信号Va2の微分信号Vb2が正の期間に、スイッチング回路60から、微分信号Vb2が出力されるように、スイッチを操作する。これにより、図15(b)に示すように、信号切換点BからCまでの期間に、速度比例信号が現れる。
以上の動作によって、受光素子51bの検出信号Va1の傾きが正の期間だけ微分信号Vb1を取り出すことができ、受光素子52bの検出信号Va2の傾きが正の期間だけ微分信号Vb2を取り出すことができる。したがって、図6(b)のように、微分信号Vbの傾きが正から負になる過渡的な期間、負から正になる過渡的な期間の信号を取り出すことはないので、速度比例信号は、それだけ安定したものとなる。また、速度の絶対値だけでなく、速度の符号(移動体の移動方向)の検出も可能になる。
この安定した速度比例信号を制御部10へ送ることができ、より緻密に駆動部11を制御することが可能となる。
次に、図16に示すように、受光素子51bを含む光学センサ51の設置位置に対して、120度位相をずらした位置にもう一つの光学センサ52を設置し、さらに120度位相をずらした位置にもう一つの光学センサ53を設置する例を説明する。
図17は、速度算出回路9の回路ブロック図であり、図18は速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。
この回路に基づき、信号の流れを説明する。受光素子51bの光検出信号は、増幅部91により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部92を通ることにより、信号波形のノイズなど細かな変化分が除去される。この信号を"Va1"と表記する。信号Va1は、その後、微分部93により、微分演算が行われる。この微分後の信号を"Vb1"と表記する。さらに、比較部94によって前記信号Va1は、しきい値10/6V,50/6Vと比較され、前記信号Va2はしきい値5Vと比較される。しきい値10/6V,50/6Vは、信号のフルスケールを10Vとし、それを6等分した場合に上から2番目、及び下から2番目の値である(上から1番目の値は10V、下から1番目の値は0Vである)。しきい値5Vは中央の値である。
一方、受光素子52bの光検出信号は、増幅部101により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部102を通ることにより、信号波形のノイズなど細かな変化分が除去される。この信号を"Va2"と表記する。信号Va2は、その後、微分部103により、微分される。この微分後の信号を"Vb2"と表記する。比較部104は、前記信号Va2をしきい値10/6V及びしきい値50/6Vと比較し、前記信号Va3をしきい値5Vと比較する。
さらに、受光素子53bの光検出信号は、増幅部111により所定の倍率で増幅され、ローパスフィルタ部112を通ることにより、信号波形のノイズなど細かな変化分が除去される。この信号を"Va3"と表記する。信号Va3は、その後、微分部113により、微分演算が行われる。この微分後の信号を"Vb3"と表記する。比較部114は、前記信号Va3をしきい値10/6V及びしきい値50/6Vと比較し、前記信号Va1をしきい値5Vと比較する。
そして、前記微分部93の微分信号Vb1、微分部106の微分信号Vb2、微分部113の微分信号Vb3のいずれかを選択するスイッチング回路60を備えている。
図19(a)に、ステージ3が一方向に移動する場合の受光素子51b、52b,53bの検出信号の電圧波形Va1,Va2,Va3をプロットしたグラフを示す。電圧波形Va2は、電圧波形Va1よりも位相が120°だけ遅れ、電圧波形Va3は、電圧波形Va2よりも位相が120°だけ遅れた状態で変化している。
図19(b)は、ステージ3が逆方向に移動する場合の受光素子51b、52b,53bの検出信号の電圧波形Va1,Va2,Va3をプロットしたグラフを示す。電圧波形Va2は、電圧波形Va1よりも位相が120°だけ進み、電圧波形Va3は、電圧波形Va2よりも位相が120°だけ進んだ状態で変化している。
ここで、比較部94,104,114の動作を説明する。
まず図19(a)の、ステージ3が一方向に移動する場合、比較部94は、受光素子51bの検出信号Va1がしきい値10/6Vとしきい値50/6Vとの間にあり、かつ電圧波形Va2が5V未満の期間、つまり信号切換点AからBまでの期間に、微分部93の微分信号Vb1が出力されるように、スイッチング回路100のスイッチを操作する。
比較部104は、受光素子52bの検出信号Va2がしきい値10/6Vとしきい値50/6Vとの間にあり、かつ電圧波形Va3が5V未満の期間、つまり信号切換点CからDまでの期間に、微分部103の微分信号Vb2が出力されるように、スイッチング回路100のスイッチを操作する。
さらに比較部114は、受光素子53bの検出信号Va3がしきい値10/6Vとしきい値50/6Vとの間にあり、かつ電圧波形Va1が5V未満の期間、つまり信号切換点EからFまでの期間に、微分部113の微分信号Vb3が出力されるように、スイッチング回路100のスイッチを操作する。
なお、前記の各しきい値は、受光量と速度とが比例する範囲を抽出するために設定する値であり、前記数値に限定されるものではない。
これにより、図19(c)に示すように、連続した速度比例信号Vが現れる。
図19(b)の、ステージ3が他方向に移動する場合、比較部94は、受光素子51bの検出信号Va1がしきい値10/6Vとしきい値50/6Vとの間にあり、かつ電圧波形Va2が5V未満の期間、つまり信号切換点GからHまでの期間に、微分部93の微分信号Vb1が出力されるように、スイッチング回路100のスイッチを操作する。
比較部104は、受光素子52bの検出信号Va2がしきい値10/6Vとしきい値50/6Vとの間にあり、かつ電圧波形Va3が5V未満の期間、つまり信号切換点KからLまでの期間に、微分部103の微分信号Vb2が出力されるように、スイッチング回路100のスイッチを操作する。
さらに比較部114は、受光素子53bの検出信号Va3がしきい値10/6Vとしきい値50/6Vとの間にあり、かつ電圧波形Va1が5V未満の期間、つまり信号切換点IからJまでの期間に、微分部113の微分信号Vb3が出力されるように、スイッチング回路100のスイッチを操作する。
これにより、図19(c)に示すように、連続した速度比例信号−Vが現れる。
以上の動作によって、図19(c)のように、微分部93,103,113の微分信号Vb1,Vb2,Vb3がゼロをクロスする期間を除いたその値が安定している期間だけ速度比例信号Vまたは−Vを取り出すことができる。
これにより、制御部10へ送られる速度比例信号を連続したものとすることができ、より緻密に駆動部11を制御することが可能となる。また、速度比例信号Vまたは−Vの符号を検出することにより、ステージ3の移動方向がわかるという利点もある。
以上の例では、光学センサの数を3つとしたが、これより多くの光学センサを配置してもよい。一般に、光学センサをn個配置する場合は、各光学センサを360°/nごとに配置する。そして速度算出回路のブロック数も光学センサの数に応じた数とする。
次に、図20に、本発明の一例として、上述した駆動源として超音波モータ20を用いた場合の速度制御装置のブロック線図を示す。
制御部10は、フィードバック制御部130、目標値発生部131からなる。ステージ3への要求位置は、予め設定されたステージ3の移動プロファイルが格納されている目標値発生部131より、時間の関数として与えられ、フィードバック制御部130へ送られる。それとともに、ステージ3の現在速度は、上述した速度検出回路9にて検出され、速度算出回路9にて検出された速度を速度比例信号としてフィードバック制御部130へ送るようになっている。
このフィードバック制御部130では、目標値発生部131からの要求速度比例信号121と速度算出回路9からの実際の速度比例信号123の2つの信号から速度偏差を計算し、所定のパラメータを用いたPID演算処理を実行することで、ステージ3の移動速度を決定する指令信号122を出力するようになっている。
そして、指令信号122が最終の指令信号として駆動部11へ送られ、指令電圧として超音波モータ20へ出力するようになっている。
このような制御系とすれば、ステージ3が定速状態から再加速したり、減速するような複雑な動きをする場合であっても制御系の安定性が高く、要求された移動プロファイルをより忠実に実行させることができる。
このように、本発明の速度検出装置及び速度制御装置を用いれば、従来と比較して、構成部品も少なく安価で、装置のメンテナンスが容易であり、ステージ3の位置精度もこれまでと同等以上の性能が発揮できる。さらにこの速度制御装置をステージ等の移動を伴う装置全般に取り付けることにより装置の低コスト化が実現可能である。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。
例えば、以上の速度算出回路9の機能は、演算増幅素子によって実現してもよいが、マイクロコンピュータでソフトウェア演算をすることにより実現してもよいことはもちろんである。
また、ステージの直線移動速度を検出する場合を説明してきたが、ステージが回転移動する場合もその回転速度を検出することができる。
図21は、支軸Oを中心にして回転運動する回転ステージ3′を示す部分的な斜視図である。回転ステージ3′の外周には円板状のシャッター6′が取り付けられており、シャッター6′には、その円周上に、複数の窓部8′と、それ以外の遮蔽部13′とが設けられている。窓部8′を規定する角度をθ1、遮蔽部13′を規定する角度をθ2とする。シャッター6′の上下に発光素子と、開口部を有する受光素子とが設置されている。このようなステージ3′が回転移動する構成では、前記距離L1,L2を、角度θ1、θ2と読み替えて、前記速度検出処理を適用することができる。これにより、簡単な構成でステージ3′の回転速度を検出することができ、ステージ3′の回転速度制御を行うことができる。
また、前記受光素子5bの開口部14と、前記シャッター6の窓部8との、移動体の移動方向Pに直角な方向Qに沿った長さは、必ずしも一致していなくてもよい。図22(a)は、開口部14と窓部8の方向Qに沿った長さが一致している例を示し、図22(b)は、開口部14と窓部8の方向Qに沿った長さが一致していない例を示している。いずれであっても、受光素子5bの感度を上回る光量の光が受光できればよい。
また、本明細書では、光学センサを複数設ける場合には、1つの光学センサの設置位置に対して、他方の光学センサの設置位置を、位相差で規定している。この一定位相差を実現する距離は、複数存在することに注意すべきである。例えば図23に、1つの受光素子の開口部14aと、それと90°位相差のある受光素子の開口部14bとの位置関係を示しているが、90°位相差のある開口部の位置は、同図の14′bで示したように、他にも存在する。一般には、360°の整数倍の位相差をもって複数存在する。
以下本発明の実施例を示す。
図1に示す本発明の一例である速度制御装置を駆動させる試験を実施した。
本実験において、速度制御装置を構成するステージ3は、300mm×300mm×20mmの板状体をしたもので、純度99.5%のアルミナセラミックスにより形成した。また、駆動力伝達部材4は、30mm×30mm×300mmの柱状体をしたもので、アルミナセラミックスとチタンカーバイドの複合材料を用いて形成した。なお、ステージ13及び駆動力伝達部材4の総荷重を測定したところ、10kgであった。
また、ステージ3を案内する一対のガイド部材2として、長さが300mmのクロスロ−ラガイドを用いるとともに、ステージ3の駆動源をなす超音波モータ20として、イスラエル・ナノモーション社製の超音波モータ(形式SP−8)を用いた。そして、その摩擦部材23には、駆動力伝達部材4と同様にアルミナとチタンカーバイドの複合材料を使用した。
さらに、本発明の速度検出装置としては、発光素子にLEDを、受光素子にフォトダイオードを用い、これを金属製の支柱に発光素子からの光が受光素子の開口部に入射可能なように固定し、ベース盤12上にネジ止めすることで光学センサ5を構成した。また、長さ70mm、幅15mmの金属製のシャッター6に光学センサ5の受発光素子間を通過し、受光移動、遮蔽移動が可能なように、シャッター6の幅方向5mmの位置に、幅5mm、長さ1mmの窓部8を1mmの等間隔に設け(遮蔽部長さ1mm)、これをステージ3に受発光素子間を通過する位置に移動方向と平行にネジ止めにより固定し、速度検出装置を構成した。
しかる後、前記のような速度検出装置を搭載させた本発明の速度制御装置を駆動させ、その駆動精度を確認した。
なお、速度制御装置の制御は図20に示すブロック線図に基づいて実施した。
以上のような装置構成、制御方法により、本発明の速度制御装置を駆動させたところ、目標値とした速度情報に対し、±1%以内の速度誤差でステージ移動が可能であって、従来技術に掲げた特許文献1の速度センサを使用した場合と同等の速度誤差にてステージを速度制御できることが確認できた。
本発明の速度検出装置を備えた速度制御装置を示す平面図である。 前記速度検出装置の拡大斜視図である。 (a)は、発光素子5a、受光素子5bとシャッター6との位置関係を示す断面図である。(b)は、内周部Jの他の形状を示す断面図である。 速度算出回路9の回路ブロック図である。 速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。 (a)に、受光素子5bより検出された信号Vaの波形をプロットしたグラフを示す。(b)は、前記電圧波形を微分した微分信号Vbの時間的変化をプロットしたグラフを示す。(c)は、その微分信号を絶対値信号Vcに変換してプロットしたグラフを示す。 90度位相をずらした位置に2つの光学センサ51,52が設置された本発明の速度制御装置の概略平面図である。 光学センサ51の設置位置に対して、90度位相をずらした位置にもう一つの光学センサ52を設置した状態を示す断面図である。 速度算出回路9の回路ブロック図である。 速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。 (a)は受光素子51b、52bの検出信号の電圧波形Va1,Va2をプロットしたグラフである。(b)は電圧波形Va1を微分した微分信号Vb1のグラフである。(c)は、電圧波形Va2を微分した微分信号Vb2のグラフである。(d)は連続して現れる速度比例信号Vを示すグラフである。 光学センサを180°位相をずらした状態で2つ設けた場合の、光学センサ51,52とシャッター6との位置関係を示す断面図である。 速度算出回路9の回路ブロック図である。 速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。 (a)は受光素子51b、52bの検出信号の電圧波形Va1,Va2をプロットしたグラフである。(b)は連続して現れる速度比例信号V,−Vを示すグラフである。 光学センサを3つ設けた場合の、光学センサ51,52,53とシャッター6との位置関係を示す断面図である。 受発光素子が3対ある場合の速度算出回路9の回路ブロック図である。 速度算出回路9を演算増幅素子により実現した具体的な回路図である。 (a)は、ステージ3が一方向に移動する場合の受光素子51b、52b,53bの検出信号の電圧波形Va1,Va2,Va3をプロットしたグラフである。(b)は、ステージ3が逆方向に移動する場合の受光素子51b、52b,53bの検出信号の電圧波形Va1,Va2,Va3をプロットしたグラフである。(c)は連続して現れる速度比例信号V,−Vを示すグラフである。 本発明の速度制御装置のブロック線図である。 支軸Oを中心にして回転運動する回転ステージ3′を示す部分的な斜視図である。 開口部14と窓部8の方向Qに沿った長さの関係を示す平面図である。 1つの受光素子の開口部14aと、それと90°位相差のある受光素子の開口部14bとの位置関係を示す平面図である。
符号の説明
1:速度制御装置
2:ガイド部材
3:ステージ
4:駆動力伝達部材
5:光学センサ
5a 発光素子
5b 受光素子
6:シャッター
7:固定ネジ
8:窓部
9:速度算出回路
10:制御部
11:駆動部
12:ベース盤
13:遮蔽部
14:開口部
20:超音波モータ
21:圧電セラミック板
22a、22b、22c、22d:電極膜
23:摩擦部材
24、25:バネ
26:ケース
30:フィードバック制御部
31:目標値発生部
31,41,61,71,81,91,101,111 増幅部
32,42,62,72,82,92,102,112 ローパスフィルタ
33,43,63,73,83,93,103,113 微分部
44,45,64,65,74,75,84,94,104,114 比較部
34 絶対値化部
46,66 微分出力反転部
51,52,53 光学センサ
51a,52a,53a 発光素子
51b,51b,53b 受光素子
60,80,100 スイッチング回路
111:要求速度比例信号
112:指令信号
113:速度比例信号
130 フィードバック制御部
131 目標値発生部

Claims (8)

  1. 直線移動又は回転移動が可能な移動体と、
    前記移動体に固定され、移動体の移動方向に沿って所定の長さを有する窓部を持ったシャッターと、
    第1の発光素子から出力された光が第1の受光素子に入射するよう配置された第1の受発光手段と、
    第2の発光素子から出力された光が第2の受光素子に入射するよう配置された第2の受発光手段とを備え、
    前記シャッターは、前記移動体の移動とともに前記第1の発光素子と第1の受光素子との間および前記第2の発光素子と第2の受光素子との間を通過して、前記各受光素子への光を遮蔽又は透過させるものであり、
    前記各受光素子は、移動体の移動方向に沿って所定の長さを有する開口部を有し、
    前記各受光素子の受光量を信号に変換し、その信号を計測することで前記移動体の速度を算出する速度算出手段をさらに備え、
    前記第1および第2の受発光手段は、前記移動体の移動方向に沿って、互いに位相が90°異なる位置に配置され、
    前記速度算出手段は、第1の受光素子の受光量に相当する第1の受光量信号及び第2の受光素子の受光量に相当する第2の受光量信号をそれぞれ時間微分する第1及び第2の微分部と、前記第1及び第2の微分部によってそれぞれ時間微分された第1及び第2の微分信号を反転して第1及び第2の反転信号として出力する第1及び第2の信号反転部と、前記第1の受光量信号の値が、第1のしきい値未満又は第2のしきい値(第1のしきい値<第2のしきい値とする)より大きいかどうかを判定する第1の比較部と、前記第1の受光量信号の値が第1のしきい値以上第2のしきい値以下であるかどうかを判定し、肯定である場合に、前記第2の受光量信号を第3のしきい値(第1のしきい値<第3のしきい値<第2のしきい値とする)と比較する第2の比較部と、スイッチング回路とを有し、
    前記スイッチング回路は、前記第1の受光量信号の値が前記第1のしきい値以上前記第2のしきい値以下の場合において、第2の受光量信号が前記第3のしきい値以上か未満かに応じて、前記第1の微分信号又は前記第1の反転信号のうち正の値のほうを選択し、前記第1の受光量信号の値が前記第1のしきい値未満又は前記第2のしきい値より大きい場合において、前記第2の微分信号が正の値であるときは該第2の微分信号を選択し、該第2の微分信号が負の値であるときは前記第2の反転信号を選択して速度比例信号として出力することを特徴とする移動体の速度検出装置。
  2. 前記シャッターの窓部の長さ及び前記受光素子の開口部の長さは、前記移動体の移動方向に直角な方向に沿って一定であることを特徴とする請求項1記載の移動体の速度検出装置。
  3. 前記受光素子へ入射する光は平行光であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の移動体の速度検出装置。
  4. 前記シャッターの窓部の内面エッジは、前記受光素子へ入射する光と略平行に形成されていることを特徴とする請求項記載の移動体の速度検出装置。
  5. 前記シャッターは、光の受光を行う窓部と、受光素子に対する光の遮蔽を行う遮蔽部とが前記移動体の移動方向に沿って交互に形成されたものであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の移動体の速度検出装置。
  6. 前記窓部の移動体の移動方向に沿った長さが前記遮蔽部の移動体の移動方向に沿った長さと略同じとしたことを特徴とする請求項記載の移動体の速度検出装置。
  7. 前記シャッターの窓部が2つ形成されていることを特徴とする請求項又は請求項記載の移動体の速度検出装置。
  8. 請求項1から請求項のいずれかに記載の速度検出装置と、前記移動体を駆動するモータとを有し、
    前記速度算出手段により算出されたシャッター移動に伴う連続した速度情報を前記モータ用制御部に出力することで前記移動体の速度を制御する移動体の速度制御装置。
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