以下、本発明のより具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施形態に係るIDCのシステム構成を示す概念図である。すなわち、本実施形態に係るIDC1は、ITシステム2を備えている。ITシステム2は、さらに、サービス評価システム2a、および、IT資産2b〜2eを備えている。
本実施形態に係るIDC1において、サービス運用者は、運用者端末3を用いて、ITシステム2に備えられているIT資産2b〜2eを抽出し、抽出したIT資産2b〜2eをサービス提供者に貸し出す。サービス提供者は、提供者端末4を用いて、貸し出されたIT資産2b〜2eにソフトウェアをダウンロードすることにより、サービス利用者に各種のサービスSを提供する。サービス利用者は、利用者端末5を用いて、サービス提供者から提供されたサービスSを、インターネットNを介して利用する。なお、図1では、説明の簡略化のために、IT資産2b〜2eを4台図示したが、ITシステム2を構成するIT資産2b〜2eの数は任意である。また、サービス提供者が複数存在し、これらのサービス提供者が複数の提供者端末4を用いて複数のサービスSを提供するものであっても良い。さらに、サービスSを利用する利用者端末5の台数は任意である。
図2は、サービス評価システム2aおよびIT資産2b〜2eの物理的な構成を示す図である。図2に示すように、サービス評価システム2aおよびIT資産2b〜2eは、例えば、複数のサーバブレード11aを含むブレードサーバ11と、ブレードサーバ11を管理するデプロイメントサーバ12とで構成される。ブレードサーバ11とデプロイメントサーバ12とは、例えば、LAN(Local Area Network)などにより接続されている。サービス評価システム2aは、デプロイメントサーバ12上に構築することができる。1台のブレードサーバ11内にある複数のサーバブレード11aが、例えば、IT資産2b〜2eに割り当てられる。例えば、ITシステム2において、サーバを1台追加する場合は、ブレードサーバ11内のサーバブレード11aが1台増加される。なお、IT資産2b〜2eは、それぞれ物理的に独立したブレードサーバで構成することもできる。
本実施形態においては、一例として、サービス利用者が用いる利用者端末5が、インターネットNを介して、サービス提供者から提供されたサービスSにおけるIT資産(CADサーバ)にアクセスし、サービス利用者において、CADプロジェクトを行っている場合について説明する。
(ITシステムの構成)
図3は、本実施形態に係るITシステム2の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るITシステム2は、サービス評価システム2a、IT資産2b〜2e、ログデータ記憶部2f、入力部2g、および、表示部2hを備えている。
サービス評価システム2aは、サービス利用者が利用しているサービスSを評価するためのシステムである。なお、サービス評価システム2aの詳細については後述する。
IT資産2b〜2eは、サーバ、ストレージ、ネットワーク、およびこれらを動作させるソフトウェアである。IT資産2b〜2eには、例えば、サーバ、ストレージ、ネットワークの他、ミドルウェア、各種端末(パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話など)、RFIDタグなどが含まれる。IT資産2b〜2eは、サービス運用者により運用されている。
ログデータ記憶部2fは、サービス利用者によるサービスSへのアクセス状況、およびIT資産2b〜2eの稼動状況を示すログデータを格納する。ログデータ記憶部2fは、例えば、上記のデプロイメントサーバ12上に構築され、デプロイメントサーバ12におけるハードウェアの一領域として形成される。ログデータは、例えば、Webログ、CPUログ、通信ログ、DB(データベース)ログのデータを示す。Webログ、通信ログは、サービス利用者によるサービスSへのアクセス状況を示すログである。CPUログ、DBログは、IT資産2b〜2eの稼動状況を示すログである。
Webログは、例えば、アクセスして来た利用者端末5のクライアント名、アクセス日時、リクエストされたファイル名、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)状態コード、直前にアクセスしたWebページのURL(Uniform Resource Locator)を表すリファラー、および、利用者端末5の環境を表すユーザ環境データなどの項目を含む。CPUログは、例えば、プロセッサータイム、CPU使用率、CPU待ち要求数、CPU使用時間、物理ディスクビジー率、物理ディスク待ち要求数、ディスク使用率、空きメモリ容量、ページファイルサイズなどの項目を含む。通信ログは、例えば、インターネットNの通信量などの項目を含む。DBログは、DB入出力、DB別入出力回数、コネクションプール情報、コネクション獲得待ち情報、物理コネクション確立情報などの項目を含む。なお、ログデータとしては、これら以外に、例えば、認証ログ、ファイアウォールのログが含まれていても良い。
入力部2gは、ログデータを解釈するための尺度を示す解釈条件、およびこの解釈条件に対応付けられ、サービス利用者によるサービスSの利用状況を示す解釈結果を、サービス運用者に入力させる。なお、入力部2gに代えて、運用者端末3により入力しても良い。サービス運用者が入力した解釈条件および解釈結果は、後述する解釈データ記憶部22に格納される。なお、入力部2gは、キーボード、マウス、テンキー、タブレット、タッチパネル、音声認識装置などの任意の入力デバイスから構成される。
表示部2hは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイなどから構成される。なお、入力部2gおよび表示部2hは、上記のブレードサーバ11またはデプロイメントサーバ12に接続されている図示しない入力装置および表示装置上に構築される。
(サービス評価システムの構成)
サービス評価システム2aは、図3に示すように、ログ取得部21、解釈データ記憶部22、ログ評価部23、および、ログ評価記憶部24を備えている。なお、サービス評価システム2aは、上記したデプロイメントサーバ12の他、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバなどのコンピュータ上に構築することもできる。また、サービス評価システム2aを構成するログ取得部21、解釈データ記憶部22、ログ評価部23、および、ログ評価記憶部24は、1つの装置内に纏めて構成されていても良いし、複数の装置内に分散して構成されていても良い。
ログ取得部21は、ログデータ記憶部2fに格納されているログデータを取得する。ログ取得部21は、取得したログデータをログ評価部23に出力する。なお、ログ取得部21によるログデータの取得は、Webログ、CPUログ、通信ログ、DBログ毎に逐次取得する態様であっても良いし、これらのログを纏めて取得する態様であっても良い。また、ログ取得部21は、取得したログデータを例えばハードディスクなどの記憶装置に記憶させても良い。
解釈データ記憶部22は、ログデータを解釈するための尺度を示す解釈条件データ、およびこの解釈条件データに対応付けられ、サービス利用者によるサービスSの利用状況を示す解釈結果データを、解釈データとして格納する。図4は、解釈データ記憶部22に格納されている解釈データのデータ構造の一例を示す図である。図4に示す解釈データは、例えば、XML(Extensible Markup Language)用のスキーマ言語で記述される場合があるが、解釈データの記述形式については任意である。
図4に示すスキーマにおいて、“役割情報”は、“CADサーバ”を示すデータ、“生産計画サーバ”を示すデータ、“申請受付サーバ”を示すデータに関連付けられている。“役割情報”は、IT資産2b〜2eがどのような目的で運用されているかに関する情報である。例えば、“CADサーバ”を示すデータは、CADプロジェクトにおける設計あるいは開発用に用いられるサーバであることを示す。“生産計画サーバ”を示すデータは、CADプロジェクトにおける生産の計画用に用いられるサーバであることを示す。“申請受付サーバ” を示すデータは、各種の申請を受付可能なサーバであることを示す。
“CADサーバ”を示すデータは、“サーバID#1”、“サーバID#2”に関連付けられている。また、“生産計画サーバ”を示すデータは、“サーバID#3”、“サーバID#4”に関連付けられている。さらに、“申請受付サーバ” を示すデータは、“サーバID#5”に関連付けられている。サーバIDは、IT資産2b〜2eを物理的に識別するための情報、あるいは、IT資産2b〜2eを仮想的に識別するための情報である。
“サーバID#1”は、“解釈データ#1〜#3”に関連付けられている。“サーバID#2”は、“解釈データ#4”に関連付けられている。“サーバID#3”は、“解釈データ#5”に関連付けられている。“サーバID#4”は、“解釈データ#6”および“解釈データ#7”に関連付けられている。“サーバID#5”は、“解釈データ#8”および“解釈データ#9”に関連付けられている。解釈データは、ログデータを解釈するための尺度を示す解釈条件データ、およびこの解釈条件データに対応付けられ、サービス利用者によるサービスSの利用状況を示す解釈結果データを含む。
図5は、“サーバID#1”に関連付けられている“解釈データ#1”のデータ構造の一例を示す図である。なお、“解釈データ#2〜#9”のデータ構造も図5に示す“解釈データ#1”のデータ構造とほぼ同様である。図5に示すスキーマは、解釈条件データとしての“対象ログ”を示すデータ、解釈結果データとしての“解釈結果”を示すデータを含む。
“対象ログ”を示すデータは、“CPUログ”を示すデータ、“Webログ”を示すデータに関連付けられている。“対象ログ”を示すデータは、ログデータを解釈するための対象となるログを示す。図5に示す例では、“CPUログ”、“Webログ”が、ログデータを解釈するための対象となるログを示す。
“CPUログ”を示すデータは、“対象項目”として、“プロセッサータイム”を示すデータに関連付けられている。また、“CPUログ”を示すデータは、“対象項目”の“条件#1”として、“≧30分”を示すデータに関連付けられている。さらに、“CPUログ”を示すデータは、“対象項目”の“条件#2”として、“≧40%” を示すデータに関連付けられている。すなわち、図5に示す例では、“CPUログ”の“プロセッサータイム”が、“30分”以上に渡って“40%”を超える異常を示しているか否かという尺度を表している。
“Webログ”を示すデータは、“対象項目”として、“URL”を示すデータに関連付けられている。また、“Webログ”を示すデータは、“対象項目”の“条件#1”として、“http://cad.com/sim”を示すデータに関連付けられている。すなわち、図5に示す例では、“Webログ”の“URL”が、“http://cad.com/sim”へのアクセスを示しているか否かという尺度を表している。
“解釈結果”を示すデータは、解釈条件データとしての“対象ログ”を示すデータに対応付けられている。“解釈結果”を示すデータは、“解釈内容”、“期間情報”、“性能状況”に関連付けられている。“解釈結果”を示すデータは、ログ取得部21が取得したログデータが、解釈条件データが示す尺度を満たす場合における、サービス利用者によるサービスSの利用状況を示す。すなわち、図5に示す例では、“解釈結果”を示すデータは、“CPUログ”が示すデータに関連付けられている“条件#1”,“条件#2”、および、“Webログ”が示すデータに関連付けられている“条件#1”を満たす場合における、サービス利用者によるサービスSの利用状況を示す。
“解釈内容”は、“大規模シミュレーション”を示すデータに関連付けられている。“期間情報”は、“中期”を示すデータに関連付けられている。“性能状況”は、“台数”として、“≧3台”を示すデータに関連付けられている。すなわち、図5に示す例では、“CPUログ”の“プロセッサータイム”が、“30分”以上に渡って“40%”を超える異常を示し、かつ“Webログ”の“URL”が、“http://cad.com/sim”へのアクセスを示している場合、サービス利用者が利用しているサービスSは、“大規模シミュレーション”の実行中であるという解釈結果を表している。また、“大規模シミュレーション”の実行中であることから、CADプロジェクトの進捗状況としては、“中期”であるという解釈結果を表している。さらに、CADプロジェクトの“大規模シミュレーション”における“中期”において必要とされる性能状況としては、“3台”以上のCADサーバが必要であるという解釈結果を表している。
ログ評価部23は、ログ取得部21が取得したログデータが、解釈データ記憶部22に格納されている解釈条件データが示す尺度を満たすか否かを判定する。ログ評価部23は、ログ取得部21が取得したログデータが、解釈条件データが示す尺度を満たす場合、この解釈条件データに対応付けられている解釈結果データを解釈データ記憶部22から抽出する。ログ評価部23は、抽出した解釈結果データをログ評価記憶部24に出力する。
すなわち、図5に示す例では、“CPUログ”の“プロセッサータイム”が、“30分”以上に渡って“40%”を超える異常を示し、かつ“Webログ”の“URL”が、“http://cad.com/sim”へのアクセスを示している場合、ログ評価部23は、解釈内容“大規模シミュレーション”、期間情報“中期”、性能状況の台数“≧3台”を示す解釈結果データを抽出する。ログ評価部23は、“解釈データ#2〜#9”についても、上記と同様の処理を行う。ログ評価部23は、抽出した解釈結果データをログ評価記憶部24に書き込む。なお、本実施形態においては、ログ評価部23は、“解釈データ#1”の解釈結果データのみを抽出し、“解釈データ#2〜#9”の解釈結果データについては抽出しなかったものとする。
ログ評価記憶部24は、ログ評価部23が抽出した解釈結果データを含む評価結果データを格納する。図6は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すスキーマにおいて、“評価結果#1”は、“役割情報”、“評価時刻”、“解釈結果”に関連付けられている。
“役割情報”は、“CADサーバ”を示すデータに関連付けられている。また、“CADサーバ”を示すデータは、“サーバID#1”に関連付けられている。
“評価時刻”は、“2006/7/31,10:00:00”を示すデータに関連付けられている。本実施形態においては、“評価時刻”は、ログ評価部23が、解釈結果データをログ評価記憶部24に書き込んだ時刻を示す。図6に示す例では、2006年7月31日の10時00分00秒に、ログ評価部23が、解釈結果データをログ評価記憶部24に書き込んだことを表している。なお、上記では、評価時刻として、ログ評価部23が、解釈結果データをログ評価記憶部24に書き込んだ時刻を示す例について説明したが、これに限定されない。例えば、評価時刻として、ログ評価部23が、解釈データ記憶部22から解釈結果データを抽出した時刻であっても良い。
“解釈結果”は、解釈結果データとしての“解釈内容”、“期間情報”、“性能状況”に関連付けられている。“解釈結果”は、“大規模シミュレーション”を示すデータに関連付けられている。“期間情報”は、“中期”を示すデータに関連付けられている。“性能状況”は、“台数”として、“≧3台”を示すデータに関連付けられている。すなわち、図6に示す例では、“CADサーバ”として運用されている“サーバID#1”は、2006年7月31日の10時00分00秒の評価結果によれば、“大規模シミュレーション”の実行中であると解釈される。また、“大規模シミュレーション”の実行中であることから、CADプロジェクトの進捗状況としては、“中期”であると解釈される。さらに、CADプロジェクトの“大規模シミュレーション”における“中期”において必要とされる性能状況としては、“3台”以上のCADサーバが必要であると解釈される。
ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データは、表示部2hからの指示に基づいて、表示部2hに出力される。表示部2hは、出力された評価結果データを表示する。すなわち、表示部2hには、役割情報“CADサーバ”、“サーバID#1”、評価時刻“2006/7/31,10:00:00”、解釈内容“大規模シミュレーション”、期間“中期”、台数“≧3台”が表示される。これにより、サービス運用者は、表示部2hに表示されている評価結果データに基づいて、サービスSの改善点を得ることができる。
具体的には、例えば、サービス運用者とサービス提供者との契約内容として、サービス運用者が運用するIT資産2b〜2eの貸し出し期間が、2006年7月31日までであったものとする。このような場合、表示部2hに表示された評価時刻“2006/7/31,10:00:00”および期間“中期”より、IT資産2b〜2eの貸し出し期間が終了間際になっているにも関わらず、サービス利用者が行っているCADプロジェクトの進捗は未だ“中期”であることが判る。これにより、サービス運用者は、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」というサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し期間を延長した方が良い」旨を提案することができる。
なお、CADプロジェクトの進捗が“中期”であることから、サービス運用者において、CADプロジェクトが終了するまでの期間を予測することも可能である。このような場合、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し期間を20日間延長した方が良い」旨を具体的に提案することもできる。
また、例えば、サービス運用者とサービス提供者との契約内容として、サービス運用者が運用するIT資産2b〜2eのサービス提供者への貸し出し台数が、2台であったものとする。このような場合、表示部2hに表示された台数“≧3台”より、CADプロジェクトにおける大規模シミュレーションでは3台以上のCADサーバ(IT資産)が必要であるにも関わらず、2台のCADサーバで運用されていることが判る。これにより、サービス運用者は、「IT資産の貸し出し台数を増加する必要がある」というサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し台数を増加した方が良い」旨を提案することができる。なお、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し台数を1台増加した方が良い」旨を具体的に提案することもできる。
すなわち、サービス運用者は、サービス提供者に対して、経営指標として判断可能なように定量化されたサービスSの改善点を提案することができる。サービス提供者は、提案されたサービスSの改善点に基づいて、例えば、IT資産2b〜2eの貸し出し期間を延長するのか、あるいはIT資産2b〜2eの貸し出し台数を増加するのか、経営判断を行う。サービス運用者は、サービス提供者からの要求に基づいて、例えば、IT資産2b〜2eの貸し出し期間を延長し、あるいはIT資産2b〜2eの貸し出し台数を増加する。
ところで、上記のサービス評価システム2aは、パーソナルコンピュータなどの任意のコンピュータにプログラムをインストールすることによっても実現される。すなわち、上記のログ取得部21およびログ評価部23は、コンピュータのCPUがこれらの機能を実現するプログラムに従って動作することによって具現化される。したがって、ログ取得部21およびログ評価部23の機能を実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も、本発明の一実施形態である。また、解釈データ記憶部22およびログ評価記憶部24は、コンピュータの内蔵記憶装置またはこのコンピュータからアクセス可能な記憶装置によって具現化される。
(サービス評価システムの動作)
次に、上記の構成に係るサービス評価システム2aの処理について、図7を参照しながら説明する。
図7は、サービス評価システム2aの処理の概要を示すフローチャートである。すなわち、図7に示すように、ログ取得部21は、ログデータ記憶部2fに格納されているログデータを取得する(工程Op1)。そして、ログ評価部23は、解釈データ記憶部22に格納されている解釈条件データを抽出する(工程Op2)。
工程Op1にて取得されたログデータが、工程Op2にて抽出された解釈条件データが示す尺度を満たす場合(工程Op3にてYES)、ログ評価部23は、解釈データ記憶部22に格納されている解釈結果データを抽出する(工程Op4)。ログ評価部23は、抽出した解釈結果データをログ評価記憶部24に書き込む。一方、工程Op1にて取得されたログデータが、工程Op2にて抽出された解釈条件データが示す尺度を満たさない場合(工程Op3にてNO)、終了する。
表示部2hには、ログ評価記憶部24に格納されている解釈結果データを含む評価結果データが表示される。これにより、サービス運用者は、表示部2hに表示されている評価結果データに基づいて、サービスSの改善点を得ることができる。
なお、本実施形態において、サービス利用者が用いる利用者端末5が、インターネットNを介して、サービス提供者から提供されたサービスSにおけるCADサーバにアクセスし、サービス利用者において、CADプロジェクトを行っている場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サービス提供者から提供されるサービスSの一例として、EIP(Enterprise Information Portal)、申請・手続きの受付、受発注管理、eコマース、eラーニング、文章管理などの場合についても本発明を適用できることは勿論である。
また、本実施形態において、解釈データ記憶部22に格納されている解釈結果データの性能状況として、CADサーバの台数の例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、解釈結果データの性能状況として、CADサーバにおけるストレージの容量、メモリの容量などであっても良い。
さらに、本実施形態において、サービス運用者が、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」、あるいは「IT資産の貸し出し台数を増加する必要がある」というサービスSの改善点を得ることができる例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サービス運用者は、ログ評価部23が抽出した解釈結果データから、「IT資産の貸し出し期間を短縮する必要がある」、あるいは「IT資産の貸し出し台数を減少する必要がある」というサービスSの改善点を得ることもできる。
以上のように、本実施形態に係るサービス評価システム2aによれば、ログ評価部23は、ログ取得部21が取得したログデータが、解釈条件データが示す尺度を満たす場合、解釈データ記憶部22に格納されている解釈結果データを抽出することができる。なお、解釈結果データは、サービス利用者によるサービスSの利用状況を示すデータである。また、ログ評価部23は、抽出した解釈結果データを出力するので、サービス運用者は、サービス利用者によるサービスSの利用状況から、サービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、例えば、IT資産2b〜2eを用いてサービスSを提供しているサービス提供者に対して、サービスSの改善点を提案することができる。
(第2の実施形態)
実施の形態1では、サービス運用者が、ログ評価記憶部に格納されている評価結果データに基づいて、サービスの改善点を得る例について説明した。これに対して、実施の形態2では、サービス運用者が、サービス評価部により生成された改善データに基づいて、サービスの改善点を得る例について説明する。
(ITシステムの構成)
図8は、本実施形態に係るITシステム6の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るITシステム6は、図1に示すサービス評価システム2a、入力部2g、表示部2hの代わりに、サービス評価システム6a、入力部6b、表示部6cを備えている。なお、図8において、図1と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
サービス評価システム6aは、サービス利用者が利用しているサービスSを評価するためのシステムである。なお、サービス評価システム6aの詳細については後述する。
入力部6bは、図1の入力部2gに加えて、サービス運用者とサービス提供者との契約内容を、サービス運用者に入力させる機能を備えている。なお、入力部6bに代えて、運用者端末3により入力しても良い。サービス運用者が入力した契約内容は、後述する契約データ記憶部61に格納される。
表示部6cは、図1の表示部2hと同様、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイなどから構成される。
(サービス評価システムの構成)
サービス評価システム6aは、図1に示すサービス評価システム2aに加えて、契約データ記憶部61、サービス評価部62、および、サービス評価記憶部63を備えている。なお、サービス評価システム6aは、サービス評価システム2aと同様、上記したデプロイメントサーバ12の他、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバなどのコンピュータ上に構築することもできる。また、サービス評価システム6aを構成する契約データ記憶部61、サービス評価部62、および、サービス評価記憶部63は、1つの装置内に纏めて構成されていても良いし、複数の装置内に分散して構成されていても良い。
契約データ記憶部(期間データ記憶部、性能データ記憶部)61は、サービス運用者とサービス提供者との契約の内容を示す契約データを格納する。サービス運用者とサービス提供者との契約内容として、例えば、サービス運用者が運用するIT資産2b〜2eの貸し出し期間や、IT資産2b〜2eの貸し出し台数などを含む。本実施形態において、サービス運用者とサービス提供者との契約は、SLA(Service Level Agreement)に基づいて締結されている。図9は、契約データ記憶部61に格納されている契約データのデータ構造の一例を示す図である。図9に示すスキーマにおいて、“契約データ”は、“役割情報”、“期間情報”、“性能状況”に関連付けられている。
“役割情報”は、“CADサーバ”を示すデータに関連付けられている。図9に示す例では、“役割情報”は、サービス運用者が運用するIT資産2b〜2eを、サービス提供者がCADサーバとして用いることを表している。
“期間情報”(提供期間データ)は、開始日として、“2006/6/1”を示すデータ、終了日として、“2006/7/31”を示すデータに関連付けられている。図9に示す例では、“期間情報”は、サービス運用者とサービス提供者との契約期間が、2006年6月1日から2006年7月31日までであることを示す。すなわち、図9に示す“期間情報”は、サービス利用者にサービスSが提供される期間を示す。
“性能状況”(性能データ)は、“台数”として、“2台”を示すデータに関連付けられている。図9に示す例では、“性能状況”は、2006年6月1日から2006年7月31日までの契約期間におけるIT資産2b〜2eの貸し出し台数が“2台”であることを示す。
サービス評価部62は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データと、契約データ記憶部61に格納されている契約データとを比較して、サービスSの改善点を示す改善データ(期間改善データ、性能改善データ)を生成する。サービス評価部62は、生成した改善データをサービス評価記憶部63に出力する。
具体的には、サービス評価部62は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データにおける“評価時刻”および“期間情報”を抽出する。本実施形態においては、サービス評価部62は、評価時刻“2006/7/31,10:00:00”および期間情報“中期”を抽出する。また、サービス評価部62は、契約データ記憶部61に格納されている契約データにおける“期間情報”を抽出する。本実施形態においては、サービス評価部62は、開始日“2006/6/1”および終了日“2006/7/31”を抽出する。
サービス評価部62は、評価結果データにおける評価時刻“2006/7/31,10:00:00”および期間情報“中期”と、契約データにおける開始日“2006/6/1”および終了日“2006/7/31”とを比較する。比較をした結果、サービス評価部62は、サービス利用者が利用しているサービスSが、サービス運用者とサービス提供者との契約における契約期間の終了日(最終日:2006年7月31日)であると判定する。また、サービス評価部62は、契約期間の最終日であるにも関わらず、サービス利用者が行っているCADプロジェクトの進捗は未だ中期であると判定する。この判定の結果、サービス評価部62は、例えば、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨を示す期間改善データを生成する。
なお、CADプロジェクトの進捗が“中期”であることから、サービス評価部62において、CADプロジェクトが終了するまでの期間を算出することも可能である。このような場合、サービス評価部62は、例えば、「IT資産の貸し出し期間を20日間延長する必要がある」旨を示す期間改善データを生成することもできる。
また、サービス評価部62は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データにおける“性能状況”を抽出する。本実施形態においては、サービス評価部62は、性能状況“≧3台”を抽出する。また、サービス評価部62は、契約データ記憶部61に格納されている契約データにおける“性能状況”を抽出する。本実施形態においては、サービス評価部62は、性能状況“2台”を抽出する。
サービス評価部62は、評価結果データにおける性能状況“≧3台”と、契約データにおける性能状況“2台”とを比較する。比較をした結果、サービス評価部62は、CADプロジェクトにおける大規模シミュレーションでは3台以上のCADサーバ(IT資産)が必要であるにも関わらず、2台のCADサーバで運用されていると判定する。この判定の結果、サービス評価部62は、例えば、「IT資産の貸し出し台数を増加する必要がある」旨を示す性能改善データを生成する。なお、サービス評価部62は、例えば、「IT資産の貸し出し台数を1台増加する必要がある」旨を示す性能改善データを生成することもできる。
サービス評価記憶部63は、サービス評価部62が生成したサービスSの改善点を示す期間改善データおよび性能改善データを格納する。サービス評価記憶部63は、例えば、サービス評価部62が生成した「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨を示す期間改善データや、「IT資産の貸し出し台数を増加する必要がある」旨を示す性能改善データを格納する。
サービス評価記憶部63に格納されている期間改善データおよび性能改善データは、表示部6cからの指示に基づいて、表示部6cに出力される。表示部6cは、出力された期間改善データおよび性能改善データを表示する。すなわち、表示部6cには、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨や、「IT資産の貸し出し台数を増加する必要がある」旨が表示される。これにより、サービス運用者は、表示部6cに表示されている期間改善データおよび性能改善データの少なくとも1つのデータに基づいて、サービスSの改善点を得ることができる。
具体的には、例えば、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨が表示部6cに表示されている場合、サービス運用者は、表示部6cに表示されているサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し期間を延長した方が良い」旨を提案することができる。また、例えば、「IT資産の貸し出し期間を20日間延長する必要がある」旨が表示部6cに表示されている場合、サービス運用者は、表示部6cに表示されているサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し期間を20日間延長した方が良い」旨を具体的に提案することができる。
また、例えば、「IT資産の貸し出し台数を増加する必要がある」旨が表示部6cに表示されている場合、サービス運用者は、表示部6cに表示されているサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し台数を増加した方が良い」旨を提案することができる。さらに、例えば、「IT資産の貸し出し台数を1台増加する必要がある」旨が表示部6cに表示されている場合、サービス運用者は、表示部6cに表示されているサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し台数を1台増加した方が良い」旨を具体的に提案することができる。
ところで、上記のサービス評価システム6aは、パーソナルコンピュータなどの任意のコンピュータにプログラムをインストールすることによっても実現される。すなわち、上記のサービス評価部62は、コンピュータのCPUがこれらの機能を実現するプログラムに従って動作することによって具現化される。したがって、サービス評価部62の機能を実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も、本発明の一実施形態である。また、契約データ記憶部61およびサービス評価記憶部63は、コンピュータの内蔵記憶装置またはこのコンピュータからアクセス可能な記憶装置によって具現化される。
(サービス評価システムの動作)
次に、上記の構成に係るサービス評価システム6aの処理について、図10を参照しながら説明する。なお、図10において、図7と同様の処理を示す部分については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
図10は、サービス評価システム6aの処理の概要を示すフローチャートである。図10に示す処理において、工程Op1〜工程Op4は、図7に示す工程Op1〜工程Op4の処理と同様である。
工程Op4の後、サービス評価部62は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データを抽出する(工程Op5)。また、サービス評価部62は、契約データ記憶部61に格納されている契約データを抽出する(工程Op6)。そして、サービス評価部62は、工程Op5にて抽出された評価結果データと、工程Op6にて抽出された契約データとを比較する(工程Op7)。サービス評価部62は、工程Op7にて比較された結果に基づいて、期間改善データおよび性能改善データの少なくとも1つのデータを生成する(工程Op8)。サービス評価部62は、生成した期間改善データおよび性能改善データの少なくとも1つのデータをサービス評価記憶部63に書き込む。
表示部6cには、サービス評価記憶部63に格納されている期間改善データおよび性能改善データの少なくとも1つのデータが表示される。これにより、サービス運用者は、表示部6cに表示されている期間改善データおよび性能改善データの少なくとも1つのデータに基づいて、サービスSの改善点を得ることができる。
なお、本実施形態において、サービス評価部62が、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨を示す期間改善データ、あるいは「IT資産の貸し出し台数を増加する必要がある」旨を示す性能改善データを生成する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サービス評価部62は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データと、契約データ記憶部61に格納されている契約データとを比較した結果から、「IT資産の貸し出し期間を短縮する必要がある」旨を示す期間改善データ、あるいは「IT資産の貸し出し台数を減少する必要がある」旨を示す性能改善データを生成することもできる。
以上のように、本実施形態に係るサービス評価システム6aによれば、サービス評価部62は、サービス利用者に対する進捗状況を示す解釈結果データと、サービス利用者にサービスSが提供される期間を示す提供期間データとを比較する。サービス評価部62は、サービス利用者が利用しているサービスSの期間に関する改善点を示す期間改善データを生成する。これにより、サービス運用者は、サービス評価部62が生成した期間改善データから、サービスSの期間に関する改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、例えば、IT資産2b〜2eを用いてサービスSを提供しているサービス提供者に対して、サービスSの期間に関する改善点を提案することができる。
また、本実施形態に係るサービス評価システム6aによれば、サービス評価部62は、サービス利用者に対する進捗状況において必要とされるIT資産2b〜2eの性能状況を示す解釈結果データと、サービス利用者にサービスSが提供される期間におけるIT資産2b〜2eの性能状況を示す性能データとを比較する。サービス評価部62は、サービス利用者が利用しているサービスSの性能に関する改善点を示す性能改善データを生成する。これにより、サービス運用者は、サービス評価部62が生成した性能改善データから、サービスSの性能に関する改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、例えば、IT資産2b〜2eを用いてサービスSを提供しているサービス提供者に対して、サービスSの性能に関する改善点を提案することができる。
(第3の実施形態)
実施の形態2では、サービス運用者とサービス提供者との契約の内容を示す契約データに基づいて、サービス評価部が改善データを生成する例について説明した。これに対して、実施の形態3では、サービス利用者のスケジュール期間を示すスケジュール期間データに基づいて、サービス評価部が改善データを生成する例について説明する。
(ITシステムの構成)
図11は、本実施形態に係るITシステム7の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るITシステム7は、図8に示すサービス評価システム6a、入力部6b、表示部6cの代わりに、サービス評価システム7a、入力部7b、表示部7cを備えている。なお、図11において、図8と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
サービス評価システム7aは、サービス利用者が利用しているサービスSを評価するためのシステムである。なお、サービス評価システム7aの詳細については後述する。
入力部7bは、図8の入力部6bに代えて、サービス利用者のスケジュールを、サービス運用者に入力させる機能を備えている。なお、入力部7bに代えて、運用者端末3により入力しても良い。サービス運用者が入力したスケジュールは、後述するスケジュールデータ記憶部71に格納される。
表示部7cは、図8の表示部6cと同様、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイなどから構成される。
(サービス評価システムの構成)
サービス評価システム7aは、図8に示す契約データ記憶部61の代わりに、スケジュールデータ記憶部71を備えている。また、サービス評価システム7aは、図8に示すサービス評価部62、サービス評価記憶部63の代わりに、サービス評価部72、サービス評価記憶部73を備えている。なお、サービス評価システム7aは、サービス評価システム6aと同様、上記したデプロイメントサーバ12の他、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバなどのコンピュータ上に構築することもできる。また、サービス評価システム7aを構成するスケジュールデータ記憶部71、サービス評価部72、および、サービス評価記憶部73は、1つの装置内に纏めて構成されていても良いし、複数の装置内に分散して構成されていても良い。
スケジュールデータ記憶部(期間データ記憶部)71は、サービス利用者のスケジュール期間を示すスケジュール期間データを含むスケジュールデータを格納する。図12は、スケジュールデータ記憶部71に格納されているスケジュールデータのデータ構造の一例を示す図である。図12に示すスキーマにおいて、“スケジュールデータ”は、“期間情報”、“内容情報”に関連付けられている。
“期間情報”(スケジュール期間データ)は、“開始日”として、“2006/6/1”を示すデータ、“終了日”として、“2006/7/31”を示すデータに関連付けられている。“内容情報”は、“配線シミュレーション”を示すデータに関連付けられている。すなわち、図12に示す例では、2006年6月1日から2006年7月31日までの期間におけるサービス利用者のスケジュールは、“配線シミュレーション”であることを示す。なお、本実施形態において、“配線シミュレーション”は、CADプロジェクトにおける“大規模シミュレーション”の後の工程(後期)に行われるシミュレーションであるものとする。
サービス評価部72は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データと、スケジュールデータ記憶部71に格納されているスケジュールデータとを比較して、サービスSの改善点を示す改善データ(期間改善データ)を生成する。サービス評価部72は、生成した期間改善データをサービス評価記憶部73に出力する。
具体的には、サービス評価部72は、ログ評価記憶部24に格納されている評価結果データにおける“評価時刻”および“期間情報”を抽出する。本実施形態においては、サービス評価部72は、評価時刻“2006/7/31,10:00:00”および期間情報“中期”を抽出する。また、サービス評価部72は、スケジュールデータ記憶部71に格納されているスケジュール期間データにおける“期間情報”を抽出する。本実施形態においては、サービス評価部72は、開始日“2006/6/1”および終了日“2006/7/31”を抽出する。
サービス評価部72は、評価結果データにおける評価時刻“2006/7/31,10:00:00”および期間情報“中期”と、スケジュール期間データにおける開始日“2006/6/1”および終了日“2006/7/31”とを比較する。比較をした結果、サービス評価部72は、サービス利用者の“配線シミュレーション”のスケジュール期間の終了日(最終日:2006年7月31日)であるにも関わらず、サービス利用者が行っているCADプロジェクトの進捗は未だ“大規模シミュレーション”であると判定する。すなわち、サービス評価部72は、サービス利用者が行っているCADプロジェクトのスケジュール期間が遅延していると判定する。この判定の結果、サービス評価部72は、例えば、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨を示す期間改善データを生成する。
サービス評価記憶部73は、サービス評価部72が生成したサービスSの改善点を示す期間改善データを格納する。サービス評価記憶部73は、例えば、サービス評価部72が生成した「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨を示す期間改善データを格納する。
サービス評価記憶部73に格納されている期間改善データは、表示部7cからの指示に基づいて、表示部7cに出力される。表示部7cは、出力された期間改善データを表示する。すなわち、表示部7cには、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨が表示される。これにより、サービス運用者は、表示部7cに表示されている期間改善データに基づいて、サービスSの改善点を得ることができる。
具体的には、例えば、「IT資産の貸し出し期間を延長する必要がある」旨が表示部7cに表示されている場合、サービス運用者は、表示部7cに表示されているサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し期間を延長した方が良い」旨を提案することができる。また、例えば、「IT資産の貸し出し期間を20日間延長する必要がある」旨が表示部7cに表示されている場合、サービス運用者は、表示部7cに表示されているサービスSの改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、サービス提供者に対して、例えば、「IT資産の貸し出し期間を20日間延長した方が良い」旨を具体的に提案することができる。
ところで、上記のサービス評価システム7aは、パーソナルコンピュータなどの任意のコンピュータにプログラムをインストールすることによっても実現される。すなわち、上記のサービス評価部72は、コンピュータのCPUがこれらの機能を実現するプログラムに従って動作することによって具現化される。したがって、サービス評価部72の機能を実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も、本発明の一実施形態である。また、契約データ記憶部71およびサービス評価記憶部73は、コンピュータの内蔵記憶装置またはこのコンピュータからアクセス可能な記憶装置によって具現化される。
なお、本実施形態において、スケジュールデータ記憶部71に格納されているスケジュールデータが、CADプロジェクトにおけるスケジュールデータである例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、販売管理、生産管理、学習管理におけるスケジュールデータなどの場合についても本発明を適用できることは勿論である。
以上のように、本実施形態に係るサービス評価システム7aによれば、サービス評価部72は、サービス利用者に対する進捗状況を示す解釈結果データと、サービス利用者のスケジュール期間を示すスケジュール期間データとを比較する。サービス評価部72は、サービス利用者が利用しているサービスSの期間に関する改善点を示す期間改善データを生成する。これにより、サービス運用者は、サービス評価部72が生成した期間改善データから、サービスSの期間に関する改善点を得ることができる。それゆえ、サービス運用者は、例えば、IT資産2b〜2eを用いてサービスSを提供しているサービス提供者に対して、サービスSの期間に関する改善点を提案することができる。
(第4の実施形態)
実施の形態3では、解釈データ記憶部に格納されている解釈条件データを入力部より入力する例について説明した。これに対して、実施の形態4では、解釈データ記憶部に格納されている解釈条件データを解釈条件データ生成部により生成する例について説明する。
図13は、本実施形態に係るITシステム8の概略構成を示すブロック図である。すなわち、本実施形態に係るITシステム8は、図11に示すサービス評価システム7aの代わりに、サービス評価システム8aを備えている。なお、図13において、図11と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態においては、一例として、サービス利用者が、サービス提供者から提供されたサービスSにおけるIT資産(CADサーバ)を利用して行ったCADプロジェクトが終了した場合について説明する。
サービス評価システム8aは、図11に示すサービス評価システム7aに加えて、解釈条件データ生成部81を備えている。なお、サービス評価システム8aは、サービス評価システム7aと同様、上記したデプロイメントサーバ12の他、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバなどのコンピュータ上に構築することもできる。また、サービス評価システム8aを構成する解釈条件データ生成部81は、1つの装置内に構成されていても良いし、複数の装置内に分散して構成されていても良い。
解釈条件データ生成部81は、スケジュールデータ記憶部71に格納されているスケジュール期間データと、ログ取得部21が取得したログデータとに基づいて、解釈条件データを生成する。解釈条件データ生成部81は、生成した解釈条件データを解釈データ記憶部22に出力する。
解釈条件データ生成部81は、ログ取得部21が取得したログデータが、例えば、WebログやDBログのような、いわゆる文字列系のログデータである場合、TFIDF(Term Frequency Inverse Document Frequency)法を用いて、解釈条件データを生成する。なお、TFIDF法とは、語の出現頻度に基づいてキーワードを重み付ける方法である。
具体的には、解釈条件データ生成部81は、スケジュールデータ記憶部71に格納されているスケジュール期間データを抽出する。図12に示す例では、解釈条件データ生成部81は、開始日“2006/6/1”および終了日“2006/7/31”を抽出する。解釈条件データ生成部81は、ログ取得部21が取得したWebログおよびDBログのログデータを、スケジュール期間データが示す期間に分割する。図12に示す例では、スケジュール期間データが、開始日“2006/6/1”および終了日“2006/7/31”を示しているので、WebログおよびDBログのログデータを、2006年6月1日から2006年7月31日までの期間におけるログデータに分割する。解釈条件データ生成部81は、TFIDF法を用いて、分割したログデータの中から特徴となる語を抽出する。解釈条件データ生成部81は、抽出した語を解釈条件データとする。本実施形態においては、解釈条件データ生成部81は、Webログのログデータの中から、URLを示す“http://cad.com/sim”を抽出したものとする。
なお、上記では、解釈条件データ生成部81は、TFIDF法を用いて、WebログおよびDBログのログデータの中から特徴となる語を抽出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、形態素解析、N−gram解析、キーワード解析などの公知のテキスト・マイニング技法を利用し、WebログおよびDBログのログデータの中から特徴となる語を抽出しても良い。
また、解釈条件データ生成部81は、ログ取得部21が取得したログデータが、例えば、CPUログや通信ログのような、いわゆる数値系のログデータである場合、この数値系のログデータの各項目について、全期間にわたる平均変動を算出する。解釈条件データ生成部81は、算出した平均変動と時系列データとの差が最も大きい項目を、解釈条件データとする。
図14は、CPUログのプロセッサータイムの項目における平均変動データACおよび時系列データPTの一例を示す概念図である。解釈条件データ生成部81は、図14に示すように、CPUログのプロセッサータイムにおける全期間にわたる24時間平均変動を示す平均変動データACを算出する。なお、時系列データPTは、CPUログのプロセッサータイムにおける時系列の実測値を示す。時系列データPTは、解釈条件データ生成部81により、平均0、分散1となるように正規化処理が行われたデータである。
ここで、図14に示すように、時系列データPTの描く曲線と、平均変動データACの描く曲線との間の面積(以降、「差分の面積」と称する)をS1とする。また、平均変動データACの描く曲線と、X軸との間の面積(以降、「平均変動面積」と称する)をS2とする。解釈条件データ生成部81は、差分の面積S1と平均変動面積S2との面積比を算出する。すなわち、解釈条件データ生成部81は、面積比として、S1÷S2を算出する。なお、面積比は0以上である。面積比が小さい程、時系列データPTの描く曲線と、平均変動データACの描く曲線とが一致するようになる。
解釈条件データ生成部81は、上記の面積比の算出を、CPUログの項目毎に行う。解釈条件データ生成部81は、全ての項目の中で面積比が最も大きくなる項目を、解釈条件データとして抽出する。すなわち、面積比が大きい程、平均変動との差が大きい。本実施形態においては、解釈条件データ生成部81は、CPUログの各項目の中から、“プロセッサータイム”の項目を抽出したものとする。
なお、上記では、解釈条件データ生成部81は、ログデータの各項目について、全期間にわたる平均変動を算出し、算出した平均変動と時系列データとの差が最も大きい項目を、解釈条件データとする例について説明したが、これに限定されない。例えば、ログデータを周波数解析することにより、平均的な周波数分布を算出し、算出した周波数分布と時系列データとの差が最も大きい項目を解釈条件データとしても良い。すなわち、ログデータから取得できる様々な数値的な特徴量が、平均的に示す値との差(乖離)を調べることが可能な公知技術を用いれば、上記の方法以外に、任意の方法にて解釈条件データを生成することができる。
図15は、解釈条件データ生成部81が生成した解釈条件データの一例を示す図である。図15に示すスキーマは、解釈条件データとしての“対象ログ”を示すデータ、解釈結果データとしての“解釈結果”を示すデータを含む。
“対象ログ”を示すデータは、“CPUログ”を示すデータ、“Webログ”を示すデータに関連付けられている。“CPUログ”を示すデータは、“対象項目”として、“プロセッサータイム”を示すデータに関連付けられている。また、“CPUログ”を示すデータは、“対象項目”の“条件#1”として、“PTとの誤差±5%”を示すデータに関連付けられている。すなわち、時系列データPTが“30分”を示している場合、“PTとの誤差±5%”より、“28.5分〜31.5分”となる。なお、誤差範囲については、サービス運用者が入力部7bを用いて入力する。“Webログ”を示すデータは、“対象項目”として、“URL”を示すデータに関連付けられている。また、“Webログ”を示すデータは、“対象項目”の“条件#1”として、“http://cad.com/sim”を示すデータに関連付けられている。
“解釈結果”は、解釈条件データとしての“対象ログ”を示すデータに対応付けられている。“解釈結果”は、“解釈内容”、“期間情報”、“性能状況”に関連付けられている。“解釈内容”は、“配線シミュレーション”を示すデータに関連付けられている。“期間情報”および“性能状況”は、空白となっている。このため、“期間情報”および“性能状況”については、実施の形態3と同様、サービス運用者が入力部7bを介して入力する。
ところで、上記のサービス評価システム8aは、パーソナルコンピュータなどの任意のコンピュータにプログラムをインストールすることによっても実現される。すなわち、上記の解釈条件データ生成部81は、コンピュータのCPUがこれらの機能を実現するプログラムに従って動作することによって具現化される。したがって、解釈条件データ生成部81の機能を実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も、本発明の一実施形態である。
次に、上記の構成に係るサービス評価システム8aにおける解釈条件データ生成部81の処理について、図16を参照しながら説明する。
図16は、解釈条件データ生成部81の処理の概要を示すフローチャートである。すなわち、図16に示すように、解釈条件データ生成部81は、ログ取得部21がログデータ記憶部2fから取得したログデータを取得する(工程Op11)。そして、解釈条件データ生成部81は、スケジュールデータ記憶部71に格納されているスケジュール期間データを抽出する(工程Op12)。
解釈条件データ生成部81は、工程Op11にて取得されたログデータが、例えば、WebログやDBログのような、いわゆる文字列系のログデータであると判定すれば(工程Op13にてYES)、工程Op11にて取得されたログデータを、スケジュール期間データが示す期間に分割する(工程Op14)。そして、解釈条件データ生成部81は、TFIDF法を用いて、分割されたログデータの中から特徴となる語を抽出する(工程Op15)。解釈条件データ生成部81は、抽出した語を解釈条件データとする。
一方、解釈条件データ生成部81は、工程Op11にて取得されたログデータが、いわゆる文字列系のログデータでないと判定すれば(工程Op13にてNO)、工程Op16に進み、例えば、CPUログや通信ログのような、いわゆる数値系のログデータであるか否かを判定する。
解釈条件データ生成部81は、工程Op11にて取得されたログデータが、いわゆる数値系のログデータであると判定すれば(工程Op16にてYES)、ログデータの各項目について、全期間にわたる平均変動を算出する(工程Op17)。解釈条件データ生成部81は、ログデータの各項目について、差分の面積S1と平均変動面積S2との面積比を算出する(工程Op18)。そして、解釈条件データ生成部81は、全ての項目の中で面積比が最も大きくなる項目を、解釈条件データとして抽出する(工程Op19)。
一方、解釈条件データ生成部81は、工程Op11にて取得されたログデータが、いわゆる数値系のログデータでないと判定すれば(工程Op16にてNO)、終了する。
以上のように、本実施形態に係るサービス評価システム8aによれば、解釈条件データ生成部81は、スケジュール期間データとログデータとに基づいて、解釈条件データを生成する。解釈条件データ生成部81が解釈条件データを生成するので、実施の形態1〜3のように、サービス運用者が入力部を用いて解釈条件データを生成する態様と比較して、サービス運用者の手間を削減することができる。
なお、第1〜第4の実施形態において、IDCのITシステムにおけるサービス評価システムについて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、IDCに限らず、サービス運用者が運用するIT資産を用いて、サービス利用者にサービスを提供するシステム全般に適用することができる。
すなわち、本発明は上述した第1〜第4の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。