JP4822114B2 - 偏向式光路切替方法および光路切替装置 - Google Patents

偏向式光路切替方法および光路切替装置 Download PDF

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Description

本発明は、光通信分野および光情報処理分野で用いられる偏向式光路切替装置および光路切替方法に関する。
インターネットおよび会社内・家庭内イントラネットの普及にともなうネットワークトラフィックの爆発的増加に対応するため、電気信号を経由しない光路切替装置(光スイッチ)、すなわち、光−光直接スイッチが求められている。光ファイバー、光導波路、あるいは、空間を伝搬する光の進む道筋、すなわち、光路を切り替える装置・方法としては、例えば、光導波路内または光導波路間で光路を切り替える空間分割型、多重化された複数の波長の光を波長に応じた光路へ分割して切り替える波長分割多重型、一定時間毎に時分割多重化された光の光路を切り替える時分割多重型、空間を伝搬する光の光路を鏡やシャッターなどを用いて空間的に分割・合成するフリースペース型などの方式が知られている。これらの方式は、各々多重化することも複数を組み合わせて使用することもできる。
空間分割型光スイッチには、方向性結合器を利用するもの、光分岐器で光信号のコピーを作り、ゲート素子により光をオン・オフするもの、交差またはY分岐の交差部分で導波路の屈折率を変化させることで、導波路を伝搬してきた光を透過させたり反射させたりするものなどが提案されているが、まだ研究開発段階である。マッハツェンダー干渉計型光導波路スイッチの導波路の屈折率を変化させるために電気ヒーター加熱による熱光学効果を用いるものが実用化に近づいていると言われているが、応答速度が1ミリ秒程度と遅いだけでなく、光スイッチを動作させるために電気信号を用いなければならない、という欠点を有する。
フリースペース型光スイッチには、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(Micro Electro Mechanical System; MEMSと略記される。)、励起子吸収・反射スイッチ(Exciton Absorption Reflection Switch;EARSスイッチと略記される)、多段ビームシフタ型光スイッチ、ホログラム型光スイッチ、液晶スイッチなどが検討されている。これらは、機械的可動部分がある、偏波依存性があるなどの課題があり、まだ充分実用段階にあるとは言えない。
一方、熱レンズ形成光素子に光を照射することで引き起こされる透過率変化や屈折率変化を利用し、直接、光で光の強度や周波数を変調する、全光型熱レンズ形成光素子や光制御方式の研究が盛んに行われている。本発明者らは、全光型光素子等による新たな情報処理技術の開発を目指して、有機色素凝集体をポリマーマトリックスに分散した有機ナノパーティクル光熱レンズ形成素子(非特許文献1参照)を用いて、光制御方式の研究を行って来た。現在、制御光(660nmおよび980nm)により信号光(780nmおよび1550nm)の変調を行う方式で、制御光と信号光を同軸・同焦点入射させることを特徴とし、制御光の吸収により過渡的に形成される熱レンズにより信号光が屈折されるという動作原理の素子を開発しており、約20ナノ秒の高速応答が達成されている。光応答性組成物からなる熱レンズ形成光素子に制御光を照射し、制御光とは異なる波長帯域にある信号光の透過率および/または屈折率を可逆的に変化させることにより前記熱レンズ形成光素子を透過する前記信号光の強度変調および/または光束密度変調を行う光制御方法であって、前記制御光および前記信号光を各々収束させて前記熱レンズ形成光素子へ照射し、かつ、前記制御光および前記信号光のそれぞれの焦点の近傍(ビームウエスト)の光子密度が最も高い領域が前記熱レンズ形成光素子中において互いに重なり合うように前記制御光および前記信号光の光路を調整することを特徴とする光制御方法が開示されている(特許文献1から特許文献7参照)。光応答性組成物からなる熱レンズ形成光素子に、互いに波長の異なる制御光および信号光を照射し、前記制御光の波長は前記光応答性組成物が吸収する波長帯域から選ばれるものとし、前記光応答性組成物が前記制御光を吸収した領域およびその周辺領域に発生する温度上昇に起因する密度変化の分布に基づいた熱レンズを可逆的に形成させ、前記熱レンズを透過する信号光の強度変調および/または光束密度変調を行う光制御方法が開示されている(特許文献8参照)。そして、上記熱レンズ形成光素子として例えば色素/樹脂膜や色素溶液膜が用いられ、制御光のパワー2ないし25mWにおける制御光照射に対する信号光の応答時間は、2マイクロ秒未満と記載されている(特許文献8参照)。これらの方法は光で光を制御する点で優れ、かつ高速応答も可能であるが、制御光照射時に形成され光束形状がドーナツ型になり、そのために光ファイバーへの結合効率が小さいという問題がある。
ここで熱レンズ効果とは、光吸収の中心部分において光を吸収した分子などが光を熱に変換し、この熱が周囲に伝搬されることにより温度分布が生じ、その結果、光透過媒体の屈折率が光吸収中心から外部へ向けて球状に変化して光吸収中心の屈折率が低く外部へ向けて屈折率が高くなる分布を生じ、これが凹レンズのように機能するような光の屈折効果を示す。熱レンズ効果は分光分析の分野で古くから利用されており、現在では分子1個による光吸収をも検出するような超高感度分光分析も可能になっている(非特許文献2および非特許文献3参照)。
熱レンズ効果ないし熱による屈折率変化を用いて光路を偏向させる方式として、発熱抵抗体で媒体に熱を与え、媒体内に屈折率分布を生じさせ、光を偏向する方法が開示されている(特許文献9参照)。しかしながら、上述の手法は、発熱抵抗体で発熱させ、熱伝導で媒体を加熱することになるので、「熱の拡がり」という問題を本来的に有する。つまり、熱の拡がりにより、広い面積内で微細な熱勾配を与えることができず、所望の屈折率分布を得るのが困難である。さらに、発熱抵抗体の微細加工は半導体集積回路で用いられているフォトリソグラフィ技術を採用しても、現実には一定の限界を有し、素子が大型化せざるを得ない。素子が大型化すれば、それにともない光学系も複雑かつ大型化する。また、発熱抵抗体で発熱させ、熱伝導で媒体を加熱することになるので、応答が遅く、屈折率変化の周波数を上げることができないという不具合を本質的な問題として有している。
また、光応答組成物からなる熱レンズ形成光素子と、該熱レンズ形成光素子にくさび形の光強度分布で光を照射するための強度分布調整手段とから少なくとも構成され、制御光により前記熱レンズ形成光素子中に屈折率分布を形成し、該屈折率分布により前記制御光とは異なる波長の信号光の偏向を行うことを特徴とする熱レンズ形成光素子を用いた偏向素子が開示されている(特許文献10参照)。この方式は、光で光を制御する点では優れたものであるが、該熱レンズ形成光素子にくさび形の光強度分布で光を照射するための強度分布調整手段で制御光のロスが大きく、また、くさび形の光強度分布を自由に形成することが難しく、光路切替方向を自由に設定することができないという問題がある。
また、レーザ光を照射して物質を加熱することによりレーザ光の照射された物質の屈折率を変え、レーザ光を偏向する方法が提案されている(特許文献11および特許文献12参照)。どちらの方法も、ビーム径が太く、大パワーを入力させないとレーザ光の偏向はほんのわずかである。特許文献11の方法は、照射光の加熱で照射光自身が偏向する方法である。この方法を光偏向に用いる場合は、加熱して屈折率を変えるために照射光は吸収されるので、物質を透過する光は原理的に大きく減少してしまうことになる。
特許文献12の方法は、電気的または機械的手段を取らず、制御ビームの照射でスイッチ物質の屈折率を変え、信号ビームの光路を変える光学的スイッチである。しかしながら、この場合のも、制御ビームも信号ビームもレンズを用いて集光する方法を取っておらず、屈折率変化を起こさせるレーザ光は大パワーが必要である。また、装置も大がかりになってしまう。また、本提案の様に屈折変化領域がビームの進行に従って拡がる様な手段を取り得ないので、偏向角を余り大きくできない。
特許文献11および特許文献12のどちらにも、本提案のように非偏向光と偏向光とを分離し集光する手段、および光検出手段に光ファイバーを用い非偏向光と偏向光の光ファイバーへの入射角の違いを利用し非偏向光と偏向光との高精度の分別を行う手段等は記載されていない。
平賀隆、田中教雄、早水紀久子、守谷哲郎著、色素会合体・凝集体の作成・構造評価・光物性、「電子技術総合研究所彙報」、通商産業省工業技術院電子技術総合研究所発行、第59巻、第2号、29−49頁(1994年) 藤原祺多夫、不破敬一郎、小林孝嘉著、レーザ誘起熱レンズ効果とその比色法への応用、「化学」、化学同人発行、第36巻、第6号、432−438頁(1981年) 北森武彦、澤田嗣郎著、光熱変換分光分析法、「ぶんせき」、日本分析化学会発行、1994年3月号、178−187頁 特開平8−286220号公報 特開平8−320535号公報 特開平8−320536号公報 特開平9−329816号公報 特開平10−90733号公報 特開平10−90734号公報 特開平10−148852号公報 特開平10−148853号公報 特開昭60−14221号公報 特開平11−194373号公報 米国特許4,776,677号 米国特許4,585,301号
本発明は、複雑で高価な電気回路や機械的可動部品を用いずに光偏向を可能とすることにより、故障が極めて少なく、耐久性の高い、偏波依存性の極めて少ない、信号光の光強度減衰が少なく、信号光断面におけるエネルギー分布が回析光学的に収束の容易な状態(例えばガウス分布)を保ちつつ光路切替が可能で後段の光ファイバーへの光結合を高効率に行うことができ、消光比の高い1入力複数出力が可能な偏向式光路切替装置および光路切替方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の特徴を有する。
(1)少なくとも光吸収層を含む熱レンズ形成光素子中の光吸収層に、制御光と信号光とを入射させ、所望の情報に応じて前記制御光の照射の有無を選択し、前記制御光および前記信号光は、前記光吸収層にて収束するように照射されかつ前記制御光および前記信号光の各々の収束点の位置が光軸に対して垂直方向で相異なるように照射され、前記制御光の波長と前記信号光の波長を異ならせ、前記制御光の波長は前記光吸収層が吸収する波長帯域から選ばれ、前記信号光の波長は前記光吸収層が吸収しない波長帯域から選ばれ、前記制御光と前記信号光は、光の進行方向で前記光吸収層の入射面またはその近辺において収束したのち拡散することによって、前記光吸収層内における前記制御光を吸収した領域およびその周辺領域に起こる温度上昇に起因し可逆的に形成される熱レンズにより、屈折率が変化して、前記信号光の進行方向を変え、前記制御光照射が選択されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光照射が選択され進行方向が変えられた信号光とは、各々の進行方向に応じてそれぞれ分別されて取り出される光路切替方法である。
(2)前記制御光と前記信号光は、光の進行方向で前記光吸収層の入射面または前記光吸収層内にて収束または集光するようにした上記(1)に記載の光路切替方法である。
(3)前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とは、ミラーによって分離することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の光路切替方法である。
(4)前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とは、レンズによって集光し検出手段に入射させる上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の光路切替方法である。
(5)前記検出手段は、レンズによって集光した信号光を受光する光ファイバーである上記(4)に記載の光路切替方法である。
(6)前記レンズによって集光された前記光ファイバーに入射する信号光の光軸は、互いに前記光ファイバーの伝搬可能最大入射角の2倍以上の角度を有する上記(5)に記載の光路切替方法である。
(7)光路切替数に応じて複数の制御光を前記光吸収層に照射し、前記複数の制御光の組み合わせによって、前記信号光の進行方向を変え、前記光路切替数に応じた複数の信号光を取り出す上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の光路切替方法である。
(8)1種類以上の波長の信号光を照射する信号光光源と、前記信号光とは異なる波長の制御光を照射する制御光光源と、前記信号光は透過し、前記制御光を選択的に吸収する光吸収層を含む熱レンズ形成光素子と、前記光吸収層に前記制御光と前記信号光とを各々収束点を光軸に対して垂直方向で異ならせて集光させる集光手段と、を有し、前記熱レンズ形成光素子は、前記制御光と前記信号光が、光の進行方向で前記光吸収層の入射面またはその近辺において収束したのち拡散することによって、前記光吸収層内における前記制御光を吸収した領域およびその周辺領域に起こる温度上昇に起因し可逆的に形成される熱レンズにより、屈折率が変化して、前記信号光の進行方向を変え、さらに、前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とを、各々の進行方向に応じてそれぞれ分別して取り出す取出手段を備えた光路切替装置である。
(9)前記集光手段は、光の進行方向で前記光吸収層の入射面または前記光吸収層内にて収束または集光する上記(8)に記載の光路切替装置である。
(10)前記取出手段は、ミラーであることを特徴とする上記(8)または(9)に記載の光路切替装置である。
(11)さらに、前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とが、レンズによって集光され入射される検出手段を有する上記(8)から(10)のいずれか1つに記載の光路切替装置である。
(12)前記検出手段が、光ファイバーである上記(11)に記載の光路切替装置である。
(13)前記レンズによって集光された前記光ファイバーに入射する信号光の光軸は、互いに前記光ファイバーの伝搬可能最大入射角の2倍以上の角度を有する上記(12)に記載の光路切替装置である。
(14)前記制御光光源は、光路切替数に応じて2つ以上の複数の制御光を照射し、前記集光手段は、前記複数の制御光の収束点を光軸に対して垂直方向で異ならせて前記光吸収層に収束または集光させる上記(8)から(13)のいずれか1つに記載の光路切替装置である。
本発明によれば、制御光を集光して光吸収層に照射することにより局部的に光パワー密度を高めることができ、低パワーで光吸収層の局所の温度を高めることができ、その部分および近辺の屈折率を変えることができる。また信号光も集光して制御光の照射位置近辺の光吸収層に入射させることにより、制御光による屈折率の変化を効率よく利用でき、信号光の光路切替が可能となる。
さらに、制御光を光吸収層の入射面近辺に集光して入射させることにより、光吸収層内で制御光が集光点から拡散するので、屈折率の変化領域も拡がり信号光の偏向を大きくすることが可能となる。また、光路切替された信号光は、集光前のビーム断面と同じ形状で熱レンズ形成光素子より出力されるため、光路切替された信号光をのちに集光させて用いる際にも実用性が高い。
さらに、複数の制御光を同一の光吸収層に入射させ、1つの入力を複数の異なった光路に切り替えることができる。
本発明では、制御光および信号光を集光し、かつ集光点を近接できるので、高速の光路切替が可能となる。
また、低パワーの半導体レーザを用いることができるので、小型で安価な光路切替装置を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る偏向式光路切替装置の概略構成例である。本発明の第1の実施の形態に係る偏向式光路切替装置は、図1に概要を例示するように信号光光源である信号光入射端子1と、信号光をほぼ平行光にする第1のコリメートレンズ2と、制御光光源である制御光入射端子3と、制御光をほぼ平行光にする第2のコリメートレンズ4と、信号光と制御光とを合わせる光混合器5と、信号光と制御光とを熱レンズ形成光素子7の光吸収層に集光する集光手段である集光レンズ6と、熱レンズ形成光素子7と、熱レンズ形成光素子7を透過した光をほぼ平行光にする第3のコリメートレンズ8と、波長選択透過フィルター9と、非偏向光と偏向光とを分岐する第1の分岐ミラー10と、非偏向光を第1の検出器12に集光する第2の集光レンズ11と、非偏向光を検出する第1の検出器12と、偏向光を第2の検出器14に集光する第3の集光レンズ13と、偏向光を検出する第2の検出器14とを有する。
図示されていないが、信号光入射端子1には、光ファイバーにより信号光を入射させた。信号光波長は、本実施例では1550nmを用いた。信号光はこれ以外でも熱レンズ形成光素子7の光吸収層を透過する波長であれば何でも良い。本実施例では、信号光は光ファイバーで入射させているが、信号光入射端子1には、信号光を発光するレーザを直接設置しても良い。
本発明の偏向式光路切替方法および光路切替装置で使用される熱レンズ形成光素子中の光吸収層の材料、信号光の波長帯域、および制御光の波長帯域は、これらの組み合わせとして、使用目的に応じて適切な組み合わせを選定し用いることができる。具体的な設定手順としては、例えば、まず、使用目的に応じて信号光の波長ないし波長帯域を決定し、これを制御するのに最適な光吸収層膜の材料と制御光の波長の組み合わせを選定すれば良い。または、使用目的に応じて信号光と制御光の波長の組み合わせを決定してから、この組み合わせに適した光吸収層膜の材料を選定すれば良い。例えば、信号光によって画像や文字を直接表示しようとする場合は、信号光としては波長400〜800nmの可視光線を用い、制御光としては波長980nmの赤外線を用い、光吸収層の材料としては前記波長の可視光線を透過し前記波長の赤外線を吸収するものが用いられる。また、例えば、使用する光吸収層の材料の光吸収スペクトルにおける吸収極大の最長波長λ1に相当する波長の光を制御光として用いる場合、λ1よりも長波長の光を信号光として好適に用いることができる。具体的には、光吸収層の材料としてペリレンを用いる場合、制御光を例えば405nm、信号光を例えば540nm、660nm、780nm、830nm、980nm、1310nm、または,1550nmとすることができる。また、光吸収層の材料として銅フタロシアニン誘導体を用いる場合、制御光を例えば650nm、信号光を例えば690nm、780nm、830nm、980nm、1310nm、または,1550nmとすることができる。
図示されていないが、制御光入射端子3には光ファイバーにより制御光を入射させた。制御光波長は、本実施例では980nmを用いた。制御光はこれ以外でも熱レンズ形成光素子7の光吸収層で吸収される波長であれば何でも良い。本実施例では、制御光は光ファイバーで入射させているが、制御光入射端子3には、制御光を発光するレーザを直接設置しても良い。
第1のコリメートレンズ2および第2のコリメートレンズ4、第3のコリメートレンズ8は、焦点距離8mmの非球面レンズを用いた。焦点距離は8mmである必要はなく、より小型の偏向式光路切替装置にするためにさらに短い焦点距離を用いても良いことは言うまでもない。また、非球面レンズである必要はないが、小型軽量にするために非球面レンズを用いた。
光混合器5は、信号光は透過し、制御光は反射するダイクロイックミラーを用いた。もちろん、信号光入射端子と制御光入射端子との位置を入れ替えて、信号光が反射し、制御光が透過する様にしたダイクロイックミラーを用いても良いことは言うまでもない。
集光レンズ6は、焦点距離8mmの非球面レンズを用いた。焦点距離は8mmである必要はなく、より小型の偏向式光路切替装置にするためにさらに短い焦点距離を用いても良いことは言うまでもない。また、非球面レンズである必要はないが、小型軽量にするために非球面レンズを用いた。
信号光と制御光は、集光レンズ6により、光の進行方向で光吸収層の入射面またはその近辺において収束する様にした。信号光と制御光とを光吸収層の入射面近辺の同一のところに収束(集光)すると信号光はドーナツ状に拡がる。この状況を図14に示す。制御光がない場合には図14(a)の写真1aの様に丸ビームであった信号光が、制御光が同時に同一のところに照射されると、図14(b)の写真1bの様になる。このドーナツ形状が鮮明で大きく形成されるのが、光吸収層の入射面であると思われる。よって、本実施の形態で光吸収層の入射面という場合は、このドーナツ形状が鮮明で大きく形成される位置とする。もちろん、本実施の形態では信号光と制御光とは収束(集光)点の位置では25〜50μmほど離れているので、ドーナツ形状は形成されないが、調整時には信号光と制御光とを同一点に入射させ、ドーナツ形状を形成させ、その後信号光と制御光との収束(集光)点分離させている。なお、信号光と制御光との収束点間の距離が25μm未満の場合には、図14に示すような丸ビームにならず、三日月型ビームになってしまう。この三日月型ビームの信号光ではのちに集光させ光ファイバーに入射させた場合には入射効率が減少してしまい、実用性にかけるおそれがある。
熱レンズ形成光素子7は、図6に示した様な構成であるが、本実施例では説明を容易にするため、光吸収層のみを図示した。図6において、熱レンズ形成光素子35の光吸収層34は、色素を溶剤に溶解したものをガラス容器36に封じて用いた。溶剤に可溶性の色素としては、使用する制御光の波長領域に吸収があり、使用する信号光の波長領域に吸収のない公知の色素を使用することができる。レーザ光25が透過するガラス容器36のガラスの厚みは約500μm、光吸収層34の厚みは200〜1000μmであった。色素の具体例としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、エオシン、フロキシンBなどのキサンテン系色素、アクリジンオレンジ、アクリジンレッドなどのアクリジン系色素、エチルレッド、メチルレッドなどのアゾ色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、3,3’−ジエチルチアカルボシアニンヨージド、3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニンヨージドなどのシアニン色素、エチル・バイオレット、ビクトリア・ブルーRなどのトリアリールメタン系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド系色素、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド系色素などを好適に使用することができる。また、これらの色素を単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。溶剤としては、少なくとも使用する色素を溶解するものを用いることができるが、熱レンズ形成時の温度上昇に際し、熱分解することなく、かつ、沸騰する温度(沸点)が100℃以上、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは300℃以上のものを好適に用いることができる。具体的には、硫酸などの無機系溶剤、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素系、1−フェニル−1−キシリルエタンまたは1−フェニル−1−エチルフェニルエタンなどの芳香族置換脂肪族炭化水素系、ニトロベンゼンなどのニトロベンゼン誘導体系、などの有機溶剤を好適に用いることができる。
波長選択透過フィルター9は、熱レンズ形成光素子7をわずかに透過する制御光を遮光し、信号光は透過する誘電体フィルターである。熱レンズ形成光素子7で実用上問題ない程度に制御光が吸収されれば、波長選択透過フィルター8を用いる必要はない。
熱レンズ形成光素子7の光吸収層で制御光が吸収されると、光吸収層の温度が上昇し、屈折率が変わる。温度が上昇するので、一般に屈折率は下がる方向に変化する。通常のレーザ光源から出射するレーザ光、および、通常のレーザ光源から出射し光ファイバーを透過してきたレーザ光の強度分布はガウス分布である。また、前記レーザ光をレンズ等で集光した光もガウス分布をしている。よって、制御光が照射された光吸収層での屈折率分布は、制御光の光軸で屈折率が一番低下し、制御光の周辺では屈折率の低下が少なくなる。また、熱伝導があるので、光の照射されていない部分でも屈折率が変化する。
図5は、信号光が偏向する状況を説明した図である。なお、説明を簡単にするため、図5では光吸収層と光吸収層の周りの媒質との屈折率の違いによる光の屈折は無視している。図5において、熱レンズ形成光素子の光吸収層34に、信号光28と制御光29が照射され、制御光が照射されなかった場合の熱レンズ形成光素子を透過した信号光30と、制御光が照射された場合の熱レンズ形成光素子を透過した信号光31が示されている。さらに、熱レンズ形成光素子の光吸収層34の入射面近辺での制御光の光強度分布32、および、熱レンズ形成光素子の光吸収層34の出射面近辺での光強度分布33が示されている。
図5aはレーザ光を集光しない場合、図5bは本実施例の様にレーザ光を集光した場合のレーザ光の光路を模式的に示したものである。レーザ光を集光しない場合のレーザ光の強度分布領域は、光吸収層の入射面近辺と出射面近辺では変わらない。このことは、信号光が光吸収層22を進むに従って、屈折率の変化の少ない領域を通過することを意味する。一方、レーザ光を集光した場合はレーザ光の強度分布領域は、光吸収層の入射面近辺と出射面近辺では大きく変わり、出射面近辺では領域が拡がっている。このことは、屈折率も徐々に拡がっていることになり、信号光が光吸収層を進むに従ってより偏向させる作用を及ぼすことになる。なお、屈折率変化は制御光パワーにほぼ比例して変化するので、光吸収層を進むに従って屈折率変化は小さくなる。
図5bでは、信号光も熱レンズ形成光素子の光吸収層34の入射面に収束(集光)する様にしているが、入射面近辺であれば良い。特に信号光は、光吸収層のもう少し出射面側に収束(集光)する様にしても良い。また、信号光と制御光とは光の進行方向で同一面に入射するようにしているが、全く同一面である必要はなく、多少ずれていても構わない。
偏向角は、次の条件が変わると変化する。
1.熱レンズ形成光素子の光吸収層の、信号光と制御光の第1の集光レンズ6の収束(集光)点に対する位置
2.制御光パワー
3.制御光位置(第1の集光レンズ6の集光点での信号光と制御光の光軸に直角方向の距離)
4.熱レンズ形成光素子の光吸収層の厚み
5.制御光波長および信号光波長。
6.光吸収層の色素濃度
これ以外にも、光吸収層の材質、光吸収層への制御光および信号光の収束(集光)角等によっても変化する。
本実施の形態では、信号光1550nmをコア径9.5μmのシングルモード石英光ファイバーで信号光入射端子に入射させ、制御光980nmをコア径9.5μmのシングルモード石英光ファイバーで制御光入射端子に入射させ、焦点距離8mmの第1のコリメートレンズおよび第2のコリメートレンズで信号光および制御光をほぼ平行光にし、光吸収層の厚み500μmであって光吸収層の波長1550nmにおける透過率95%および980nmにおける透過率0.2%の熱レンズ形成光素子に、焦点距離8mmのレンズで収束(集光)して入射させた。
図7に、図1の分岐ミラー10の直前で、光軸に直角に紙面内方向に、スリット開口を持った光検出器を動かして測定した信号光の光強度分布を示す。図7において、線38(丸点を結ぶ実線)は制御光が照射されなかった場合の非偏向光、線39(四角点を結ぶ実線)は制御光パワー7.8mWが照射された場合の偏向光、線40(×点を結ぶ実線)は制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光の光強度分布を示す。制御光パワー7.8mWが照射された場合の偏向光39の場合は、非偏向光38と強度分布の裾のところで重なり合っておりお互いの分離が不充分であるが、制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光40の場合は、非偏向光38と分離している。よって、分岐ミラー10で非偏向光と制御光パワー12.9mWが照射された場合の偏向光40とは分離できる。なお、図7において、制御光位置(第1の集光レンズ6の集光点での信号光と制御光の光軸に直角方向の距離)は35μmであり、制御光と信号光は光吸収層の光入射面から約30μm進んだところに収束(集光)し、光吸収層の厚みは500μmであった。
制御光が照射されなかった場合は、分岐ミラー10で反射されることなく通過した非偏向光は、焦点距離8mmの集光レンズ11で光検出器12に収束(集光)し、非偏向光を検出する。制御光パワーと偏向角との関係を図8に示す。制御光パワーが大きくなると偏向角が大きくなる。なお、図8において、制御光位置(第1の集光レンズ6の集光点での信号光と制御光の光軸に直角方向の距離)は35μm、制御光と信号光は光吸収層の光入射面から約60μm進んだところに収束(集光)させた。充分な強度(図8の例の場合は、12.9mW以上)の制御光パワーが照射された場合の偏向光は、図1に示す分岐ミラー10で反射し、焦点距離8mmの集光レンズ13で光検出器14に収束(集光)し、偏向光を検出する。集光レンズ11および集光レンズ13の焦点距離は8mmのものを用いたが、焦点距離は8mmに拘る必要はない。なお、本実施の形態では光検出器12,14のところには、9.5μmのシングルモード石英光ファイバーを設置し、光ファイバーに信号光を収束(集光)し、光ファイバーで伝送してから検出した。もちろん、直接光検出器を設置しても良いことは言うまでもない。また、分岐ミラー10では偏向光を反射するようにしたが、非偏向光が反射し、偏向光が通過するように設置しても良い。
9.5μmのシングルモード石英光ファイバーの開口数(以下NAと記す)は、一般的に0.1である。NA=0.1の光ファイバーを伝搬可能な最大入射角θcは次式で与えられ、約5.7度である。
(式1)
θc=Sin−1(0.1)≒5.7度
本実施の形態では、図1に示す第3のコリメートレンズ8と集光レンズ11および集光レンズ13の焦点距離は同じ8mmのものを用いたので、偏向角が分岐ミラー10で分岐しなかった場合に光ファイバーに入射する偏向光の光軸と非偏向光の光軸とのなす角度になる。すなわち、制御光パワー7.8mWの場合は約6.7度、制御光パワー12.9mWの場合は約10.1度、制御光パワー18mWの場合は約13.2度となる。分岐ミラー10で偏向光と非偏向光とが充分分岐できなかった場合には、偏向光検出光ファイバーに非偏向光が、非偏向光検出光ファイバーに偏向光がこの角度を中心として入射することになる。信号光もコア径9.5μmのシングルモード石英光ファイバーで入射させているのでNAは0.1であり、信号光そのものの収束(集光)角が約5.7度ある。よって、第1の光検出器12および第2の光検出器14の光ファイバーへの入射効率は、制御光パワー7.8mWの場合は多少悪化するが信号光の入射が可能である。しかし、第1の検出器12および第2の検出器14の光ファイバーへの信号光の入射は、制御光パワー12.9mWの場合はほんのわずかであり、制御光パワー18mWの場合は入射しないことになる。よって、仮に分岐ミラー10での非偏向光と偏向光との分離度合いが多少悪くても、制御光パワーが大きくて偏向角が大きい場合は、第1の光検出器12の光ファイバーへの偏向光の入射および第2の光検出器14の光ファイバーへの非偏向光の入射はないことになり、消光比の大きい光路切替が可能となる。
図9に、図5に示した熱レンズ形成光素子7の光吸収層34への信号光と制御光の収束(集光)点の入射位置(「光吸収層位置」と記す)と偏向角との関係を示す。図9において、横軸の光吸収層位置は熱レンズ形成光素子7の光吸収層34への光の入射面の位置(制御光と信号光の収束(集光)点に対する位置)である。0点は制御光と信号光の収束(集光)点の位置であり、図5bの状態である。マイナス方向が光の進行方向であり、プラスの位置では信号光と制御光が熱レンズ形成光素子7の光吸収層34内で収束(集光)する。縦軸は偏向角である。なお、図9において、制御光パワーは約12.9mWであり、制御光位置(第1の集光レンズ6の集光点での信号光と制御光の光軸に対して垂直方向の距離)は35μm、光吸収層の厚みは500μmである。図9の条件の場合には、光吸収層位置が約40μm以下の場合は偏向角が大きく、第1の光検出器12の光ファイバーへの偏向光の入射および第2の光検出器14の光ファイバーへの非偏向光の入射はないことになる。もちろん、図8からも明らかなように、制御光パワーを上げれば光吸収層位置を40μmよりももっと大きくしても良く、約100μmにしても良い。
さらに、仮に分岐ミラー10で非偏向光と偏向光とを分離しなかった場合でも、光検出器の位置では非偏向光と偏向光とを分離させることが可能である。図10に、図5bに示す熱レンズ形成光素子の光吸収層34への信号光と制御光の収束(集光)点の入射位置(すなわち、光吸収層位置)と非偏向光と偏向光との分離距離の測定データの例を示す。光吸収層への入射位置が約60μmの場合は分離距離が0に近いが、これからずれると離距離が大きくなる。図10で分離距離の正負の符号は、信号光の入射点を原点(すなわち0点)とし、偏向する方向を正とした。分離距離が大きいことは、仮に分岐ミラー10での非偏向光と偏向光との分岐が充分なかったとしても、図1に示す第1の光検出器12の光ファイバーへの偏向光の入射および第2の光検出器14の光ファイバーへの非偏向光の入射はないことになる。この測定は、第1の検出器12の位置で、スリット開口を持った検出器を移動させて測定したものである。図10において、制御光パワーは15.4mW、光吸収層の厚みは1000μmであり、制御光位置(第1の集光レンズ6の集光点での信号光と制御光の光軸に直角方向の距離)は25μmある。
本実施の形態では、非偏向光と偏向光の光検出器でのそれぞれの検出は、以上述べてきたように、分岐ミラー10による分岐、非検出光の光ファイバー伝搬可能最大入射角以上での入射、光検出器位置での分離等により、充分に分離して検出でき、精度の高い光路切替が可能である。
図11に、本実施の形態での光路切替データの例を示す。図11において、測定に用いた測定器の0.1μW以下の値の信頼度がなかったので、0.1μW以下の値の場合は0μWの場合も含めてすべて0.1μW以下とし、消光比の計算では0.1μW以下の場合はすべて0.1μWとして計算してある。No.7の場合以外は、非偏向光も偏向光も40dB以上の消光比があった。
偏向角は、制御光波長および信号光波長によっても異なる。波長が短いほど偏向角が大きくなる。
(比較例1)
第1の実施の形態において、集光レンズ6を用いず、各々コリメートされた信号光および制御光を収束することなく熱レンズ形成光素子7に照射する点および第3のコリメートレンズ8を用いない点を除いては、第1の実施形態と同様の実験を行ったが、制御光パワー18mW程度では、制御光を照射しても信号光の偏向は全く観察されなかった。そこで、制御光光源をTi:サイファイアレーザに変えて、さらにハイパワーの制御光(980nm)を照射したところ、信号光の偏向が検知される前に熱レンズ形成光素子中の色素溶液の溶剤が沸騰を開始し、信号光の偏向を行うことが困難であることが確認された。さらに、制御光のパワーを前記沸騰が始まる寸前まで下げて、熱レンズ形成光素子に入射するまでの信号光と制御光の配置およびビーム間距離を微調整したが、信号光の光路偏向は観察されなかった。さらにまた、熱レンズ形成光素子中の光吸収層における信号光と制御光の配置およびビーム間距離を微調整したが、信号光の光路偏向は観察されなかった。すなわち、制御光を収束させて熱レンズ形成光素子中の光吸収層において拡散しながら光吸収が起こるようにしないで、コリメートされた平行ビームとして照射した場合、信号光の光路を偏向するに足る大きさの熱レンズが形成されないことが判った。
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態に係る偏向式光路切替装置の概略構成例である。本発明の第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同じ光学部材については、同一の番号を付けた。
図2において、第2の信号光入射端子15、第2の制御光入射端子16、焦点距離8mmの第4の結像レンズ17とを有する偏向式光路切替装置が示されている。これ以外の光学部材は、図1と同じである。また、用いた信号光の波長は1550nm、制御光の波長は980nmであった。しかし、信号光の波長も制御光の波長もこれ以外の波長でも良いことは第1の実施例と同様言うまでもない。制御光のパワーを変えると偏向量(偏向角)が変わることは、第1の実施の形態と同じである。
第2の信号光入射端子15と第2の制御光入射端子16には、図12に示した2芯光ファイバーフェルールを設置した。
図12の2芯光ファイバーフェルールの信号光出射ファイバー46と制御光出射ファイバー45はコア9.5μmのシングルモード石英光ファイバーのクラット層をフッ酸で所望の太さにエッチングして用いた。エッチングする部分は、光ファイバーの先端数mmだけであった。エッチングした後の光ファイバーの太さ「ω」は、光吸収層に収束(集光)した信号光と制御光の収束(集光)点の光軸に直角方向の距離「χ」と次の関係にした。
(式2)
ω=χ/m
ここでmは、第4の集光レンズ17の結像倍率である。本実施例では、mは1であった。mを小さくすればエッチング後の光ファイバーの太さは太くでき、mを大きくすればエッチング後の光ファイバーの太さは細くしなければならない。
本実施の形態では、mは1,ωは35μmにした。第1の実施例からも明らかである様に、ωを大きくすると偏向角は小さくなるので、ωは25〜50ミクロンが相応しい。25μm以下にすると、レーザ光の透過率が悪くなった。特に、980nmのレーザ光の透過が悪くなり、1mのファイバーでの透過率が20%〜80%となった。
制御光用の光ファイバーと信号光用の光ファイバーは、太さ2ω+数μmにあけられたフェルールの穴に接着剤で固定した後、先端を研磨して用いた。
本実施の形態では、光ファイバーのコア径は9.5μmのシングルモード光ファイバーを用いたが、レーザ光の波長を変える場合は、それに相応しいコア径の光ファイバーにする必要がある。例えば、制御光を660nmにする場合は、コア径4.5μmにした方が良い。
本実施の形態で得られた光路切替データは、第1の実施の形態とほぼ同じであった。
(第3の実施の形態)
図3は本発明の第3の実施の形態に係る偏向式光路切替装置の概略構成例である。本発明の第3の実施の形態において、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同じ光学部材については、同一の番号を付けた。第3の実施の形態は、第2の実施の形態より制御光の数を1つ増やし、切り替える光路を3にした例である。図3において、第3の信号光入射端子18、第3の制御光入射端子19、第4の制御光入射端子20、第2の分岐ミラー21,第5の集光レンズ、第3の検出器23以外は、図1および図2と同じである。また、用いた信号光の波長は1550nm、制御光の波長は980nmであった。しかし、信号光の波長も制御光の波長もこれ以外の波長でも良いことは第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様言うまでもない。制御光のパワーを変えると偏向量(偏向角)が変わることは、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同じである。
第3の信号光入射端子18と第3の制御光入射端子19および第4の制御光入射端子20には、図13(a)に示した3芯光ファイバーフェルールを設置した。
図13(b)の3芯光ファイバーは、光路切替を2次元に行う場合の例である。図13bの3芯光ファイバーを用いる実施例は記載していないが、例えば図3の第2の分岐ミラーを移動して紙面に直角の方向に反射するように構成すれば良い。
図13の3芯光ファイバーフェルールの信号光出射ファイバー48と制御光出射ファイバー47はコア9.5μmのシングルモード石英光ファイバーのクラット層をフッ酸で所望の太さにエッチングして用いた。エッチングする部分は、光ファイバーの先端数mmだけであった。エッチングした後の光ファイバーの太さ「ω」は、光吸収層に収束(集光)した信号光と制御光の収束(集光)点の光軸に直角方向の距離「χ」と次の関係にした。
(式3)
ω=χ/m
ここでmは、第2の集光レンズ12の結像倍率である。本実施例では、mは1であった。mを小さくすればエッチング後の光ファイバーの太さは太くでき、mを大きくすればエッチング後の光ファイバーの太さは細くしなければならない。
本実施の形態では、mは1,ωは35μmにした。第1の実施例からも明らかである様に、ωを大きくすると偏向角は小さくなるので、ωは25〜50ミクロンが相応しい。25μm以下にすると、レーザ光の透過率が悪くなった。特に、980nmのレーザ光の透過が悪くなり、1mのファイバーでの透過率が20%〜80%となった。
図13(a)の場合の制御光用の光ファイバーと信号光用の光ファイバーは、太さ3ω+数μmにあけられたフェルールの穴に接着剤で固定した後、先端を研磨して用いた。また、図13(b)の場合の制御光用の光ファイバーと信号光用の光ファイバーは、太さ(1+√2)ω+数μmにあけられたフェルールの穴に接着剤で固定した後、先端を研磨して用いた。
本実施の形態では、光ファイバーのコア径は9.5μmのシングルモード光ファイバーを用いたが、レーザ光の波長を変える場合は、それに相応しいコア径の光ファイバーにする必要がある。例えば、制御光を660nmにする場合は、コア径4.5μmにした方が良い。
本実施の形態で得られた光路切替データは、第1の実施の形態および第2の実施の形態とほぼ同じであった。
(第4の実施の形態)
図4は本発明の第4の実施の形態に係る光路切替装置の概略構成例である。本発明の第4の実施の形態において、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態と同じ光学部材については、同一の番号を付けた。第4の実施の形態は、第1の実施の形態と検出手段を変えた例である。分岐ミラーを用いず、進行方向が異なる非偏向光および偏向光をレンズ24,26で収束(集光)し、光検出器で検出するようにした。図4において、焦点距離8mmの第6の集光レンズ24で第4の検出器25に収束(集光)し、非偏向光を検出する。また、焦点距離8mmの第7の集光レンズ26で第5の検出器27に収束(集光)し、偏向光を検出する。
集光レンズ24,26の焦点距離は8mmのものを用いたが、焦点距離は8mmに拘る必要はない。なお、本実施の形態では光検出器25,27には、9.5μmのシングルモード石英光ファイバーを設置し、光ファイバーに信号光を収束(集光)し、光ファイバーで伝送してから検出した。もちろん、直接光検出器を設置しても良いことは言うまでもない。
用いた信号光の波長は1550nm、制御光の波長は980nmであった。しかし、信号光の波長も制御光の波長もこれ以外の波長でも良いことは第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態と同様言うまでもない。
本実施の形態で得られた光路切替データは、第1の実施の形態、第2の実施の形態および第3の実施の形態とほぼ同じであった。
本発明の偏向光路切替方法および光路切替装置は、光通信分野および光情報処理分野において有効に用いることができる。
本発明の第1の実施の形態の偏向式光路切替装置の概念図である。 本発明の第2の実施の形態の偏向式光路切替装置の概念図である。 本発明の第3の実施の形態の偏向式光路切替装置の概念図である。 本発明の第4の実施の形態の偏向式光路切替装置の概念図である。 信号光の偏向を説明する図である。 信号光の偏向を説明する図である。 熱レンズ形成光素子の構成の一例を示す図である。 偏向光強度分布を示す図である。 制御光パワーと偏向角との関係を示すグラフである。 光吸収層の位置と偏向角との関係を示すグラフである。 非偏向光と偏向光の分離距離の関係を示すグラフである。 光路切替測定データを示す図である。 2芯光ファイバーフェルールの概念図である。 3芯光ファイバーフェルールの概念図である。 出力された信号光の断面を示す図である。
符号の説明
1 信号光入力端子、2 第1のコリメートレンズ、3 制御光入力端子、4 第2のコリメートレンズ、5 光混合器、6 集光レンズ、7 熱レンズ形成光素子、8 第3のコリメートレンズ、9 波長選択透過フィルター、10 第1の分岐ミラー、11 第2の集光レンズ、12 第1の検出器、13 第3の集光レンズ、14 第2の検出器。

Claims (14)

  1. 少なくとも光吸収層を含む熱レンズ形成光素子中の光吸収層に、制御光と信号光とを入射させ、
    所望の情報に応じて前記制御光の照射の有無を選択し、
    前記制御光および前記信号光は、前記光吸収層にて収束するように照射されかつ前記制御光および前記信号光の各々の収束点の位置が光軸に対して垂直方向で相異なるように照射され、
    前記制御光の波長と前記信号光の波長を異ならせ、前記制御光の波長は前記光吸収層が吸収する波長帯域から選ばれ、前記信号光の波長は前記光吸収層が吸収しない波長帯域から選ばれ、
    前記制御光と前記信号光は、光の進行方向で前記光吸収層の入射面またはその近辺において収束したのち拡散することによって、前記光吸収層内における前記制御光を吸収した領域およびその周辺領域に起こる温度上昇に起因し可逆的に形成される熱レンズにより、屈折率が変化して、前記信号光の進行方向を変え、
    前記制御光照射が選択されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光照射が選択され進行方向が変えられた信号光とは、各々の進行方向に応じてそれぞれ分別されて取り出されることを特徴とする光路切替方法。
  2. 前記制御光と前記信号光は、光の進行方向で前記光吸収層の入射面または前記光吸収層内にて収束または集光するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の光路切替方法。
  3. 前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とは、ミラーによって分離することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光路切替方法。
  4. 前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とは、レンズによって集光し検出手段に入射させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光路切替方法。
  5. 前記検出手段は、レンズによって集光した信号光を受光する光ファイバーであることを特徴とする請求項4に記載の光路切替方法。
  6. 前記レンズによって集光された前記光ファイバーに入射する信号光の光軸は、互いに前記光ファイバーの伝搬可能最大入射角の2倍以上の角度を有することを特徴とする請求項5に記載の光路切替方法。
  7. 光路切替数に応じて複数の制御光を前記光吸収層に照射し、前記複数の制御光の組み合わせによって、前記信号光の進行方向を変え、前記光路切替数に応じた複数の信号光を取り出すことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光路切替方法。
  8. 1種類以上の波長の信号光を照射する信号光光源と、
    前記信号光とは異なる波長の制御光を照射する制御光光源と、
    前記信号光は透過し、前記制御光を選択的に吸収する光吸収層を含む熱レンズ形成光素子と、
    前記光吸収層に前記制御光と前記信号光とを各々収束点を光軸に対して垂直方向で異ならせて集光させる集光手段と、を有し、
    前記熱レンズ形成光素子は、前記制御光と前記信号光が、光の進行方向で前記光吸収層の入射面またはその近辺において収束したのち拡散することによって、前記光吸収層内における前記制御光を吸収した領域およびその周辺領域に起こる温度上昇に起因し可逆的に形成される熱レンズにより、屈折率が変化して、前記信号光の進行方向を変え、
    さらに、前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とを、各々の進行方向に応じてそれぞれ分別して取り出す取出手段を備えたことを特徴とする光路切替装置。
  9. 前記集光手段は、光の進行方向で前記光吸収層の入射面または前記光吸収層内にて収束または集光することを特徴とする請求項8に記載の光路切替装置。
  10. 前記取出手段は、ミラーであることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の光路切替装置。
  11. さらに、前記制御光が照射されず進行方向が変わらなかった信号光と、前記制御光が照射され進行方向が変えられた信号光とが、レンズによって集光され入射される検出手段を有することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の光路切替装置。
  12. 前記検出手段が、光ファイバーであることを特徴とする請求項11に記載の光路切替装置。
  13. 前記レンズによって集光された前記光ファイバーに入射する信号光の光軸は、互いに前記光ファイバーの伝搬可能最大入射角の2倍以上の角度を有することを特徴とする請求項12に記載の光路切替装置。
  14. 前記制御光光源は、光路切替数に応じて2つ以上の複数の制御光を照射し、
    前記集光手段は、前記複数の制御光の収束点を光軸に対して垂直方向で異ならせて前記光吸収層に収束または集光させることを特徴とする請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の光路切替装置。
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