JP4821993B2 - マイクロインプリメント及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人の皮膚表面内に治療又は健康を目的とした医薬剤を挿入する技術、すなわち経皮系投薬技術に関し、そして人の皮膚表面内に美容のために機能性材料を挿入する技術、すなわち経皮系の栄養剤及びその補助剤投与技術、並びに皮膚の美容、修飾技術に関し、さらには、人の皮膚表面内に体内情報の抽出や個体識別の信号のセンシングのために機能性チップを挿入する技術、すなわち皮膚表面内機能性チップ装着技術に関し、それら技術に供する皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント及びその製造方法に関するものである
経皮系投薬については、従来より、金属あるいはプラスティック製のマイクロニードル(以下、「微細針」と同じ意味)の表面に薬剤を塗布し、そのマイクロニードルを皮膚表面内に挿入し、塗布薬剤を皮膚内に浸透させる方法をとってきた。しかしながら、金属あるいはプラスティックのような皮膚内不可溶材からなる工業用材料を基材とする微細針では、投薬時の不注意等により、生体内に微細針が残留するという事故が少なからず発生しており、憂慮すべき問題となっていた。また、微細針に医薬剤や機能性材料を塗布する、又はそれらを混在させるにしても、物理的に微細針に搭載できる医薬剤や機能性材料には量的限界があり、それ故に皮膚内に十分な量の医薬剤や機能性材料を浸透させることも限界があった。更には、医療器具の廃棄問題に代表されるように、微細針の廃棄処理にも多大な環境負荷がかかるという問題があった。
また、美容技術については、従来、皮膚表面への美容剤(機能性材料)の塗布、その経皮投与を促進させるための超音波補助、さらには電気泳動による経皮投与等々の技術があったが、いずれにしても皮膚の保護特性のため、十分な量の美容剤の投与ができておらず、重要な課題となっていた。また、皮膚表面の修飾技術については、古来より、上腕外側や眉毛部位等における皮膚表面内への針による色材投与があったが、この施術には大きな痛みを伴い、また針を使用するので熟練した技術を要し、さらには安全上の問題もあった。そして、栄養剤や栄養補助剤の体内への投与技術では、投与は経口に限られていたので、味覚、咀嚼、胃腸での消化吸収の問題から、それらが固体状である場合には糖衣加工や細粒化するために栄養剤等の自由度が制限され、また液体状である場合には低濃度の水溶性溶解物に使用がほぼ限定され、広範囲で、かつ十分な量の栄養剤、栄養補助剤の投入ができないという問題があった。
さらには、体内情報の抽出や個体識別の信号のセンシングのために使用する、皮膚埋め込み電子チップ、いわゆる機能性チップは、従来より、メス等の医療器具を使い皮膚を開表することによって挿入していたので、皮膚開表部の治癒とともにチップが体外に押し出され、安定状態で機能性チップを皮膚内に装着させておくことが困難であり、重要な問題となっていた。
他方、人体に安全で環境にも優しい材料である糖を基材とした微細針においては、その製造方法として、樹脂加工によく利用される射出成形方法や製糸に利用される引き上げ方法を使用していたので、製造方法の特性、並びに使用する糖の結晶度や物理、化学的性質に起因して、加工精度が高く、かつ強度の大きい微細針の成形はほとんど不可能であり、これが大きな問題であった。なお、ここで言及する強度とは、微細針を人体に使用する際に必要な強度であり、それは人体に使用する金属又はプラスティック製微細針に要求される強度と同程度である。
このような開発状況下、開発事例として、マルトースのような糖質のみを主成分素材とした皮膚用微細針を集合化させたマイクロパイル及びその製造方法がある(例えば、特許文献1参照)。このマイクロパイルは、確かに廃棄処理が容易で、かつ安全性の高い微細針ではあるが、一般のマルトースのような糖質のみを主成分素材にしているため、吸湿度合いが高く、かつ結晶粒界に起因して構造体としての強度が小さく、安定性に欠け、加工精度も低いという点で問題があった。
特開2003−238347号公報
他の開発事例として、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)等の水溶性高分子を基材とした針等を含む微小穿孔器(例えば、特許文献2参照)があるが、この経皮用の微細針では高分子材料に起因して針先を直径30μm以下に収めるための微細加工を施すことはほとんど不可能であり、そのような太い先端では加圧なくしては皮膚表面内に挿入させることは困難であり、例え加圧によって痛みをこらえて挿入できても、基材が高分子材料であるために皮膚表面内での溶解に相当時間を要するという点で問題があった。
特表2006−500973号公報
以上の従来技術では、経皮系投薬技術の場合には金属、プラスティックのような皮膚内不可溶材からなる微細針では生体内に微細針が残留するという安全上重大な問題や、微細針に搭載できる医薬剤や機能性材料について量的限界があるという問題、及びその廃棄処理には多大な環境負荷がかかるという問題があった。また、美容技術の場合には、皮膚への塗布等によっても皮膚の保護特性に起因して十分な量の美容剤の皮膚への投与ができないという問題、そして皮膚表面の修飾技術の場合には、熟練した技術を要求した上でも激痛感及び安全上の問題、さらに栄養剤や栄養補助剤の体内への投与技術の場合には、投与は経口に限られていたので、それらが固体状のときには栄養剤等の自由度が制限され、液体状のときには低濃度の水溶性溶解物に使用がほぼ限定され、広範囲で、かつ十分な量の栄養剤、栄養補助剤の投入ができないという問題があった。また更には、体内情報の抽出等に使用する皮膚埋め込み機能性チップの装着技術の場合には、皮膚開表部の治癒とともにチップが体外に押し出され、安定状態で機能性チップを皮膚内に装着させておくことが困難であるという問題があった。
他方、糖を基材として使用したマイクロニードルの製造方法として射出成形方法等を使用していたが、製造方法の特性並びに使用する糖の性質等に起因して、加工精度が高く、かつ強度の大きいマイクロニードルの成形はほとんど不可能という点が問題であった。また、マルトースのような糖質のみを主成分素材とした皮膚用微細針を集合化させたマイクロパイルがあるが、これは一般のマルトースのような糖質のみを主成分素材にしているため、吸湿度合いが高く、かつ結晶粒界に起因して構造体としての強度が小さく、加工精度も低く、安定性にも欠けるという問題があった。さらには、水溶性高分子を利用した経皮用の微細針があるが、これは微細加工がほとんど不可能で、皮膚への針挿入が困難であり、加圧による痛みをこらえて挿入しても基材が高分子材料であるために皮膚表面内での溶解に相当時間を要するという点で問題があった。そして、従来の金型は、射出成形用で、針に対して反転の針穴に押し込んで成形した。また、キャスティング(流し込み方法)においても、金型の底面に成形の形状がかたどっていた。いずれにしても、成形時の流体現象による限界(細部に流れ込まない、タビュランスあるいはボーテックスの現象すなわち渦巻きの現象)から、針先の精度30μ程度に限界があり、問題であった。さらに、通常は、1個の金型であるため、射出手成形もキャスティングも離形時に機械的ブレ(あそび)によって、微細な突起を有する成形は不可能であり、これが問題点でもあった。
本発明は、このような従来技術が抱えていた様々な問題を、基板側面の上端部又は基板シート表面に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを有した構造である皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、また機能性チップを微細カンチレバーに搭載させた皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、さらには医薬剤、栄養剤及びその補助剤、化粧材、色素材等の機能性材料を含有させた皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、により解決を図るものであり、かかる皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント及びその製造方法を提供することを目的とする
本発明は、上記の目的を達成すべく、課題を解決するための手段として、
(1)基板側面の上端部に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーの表面又は内部に機能性チップを搭載した構造であり、前記機能性チップが、半導体チップ、集積回路チップ、温度センサーチップ、蛋白質チップ、DNA含有チップ、医薬剤含有チップ、栄養剤含有チップ、栄養補助剤含有チップ、化粧材含有チップ、色素材含有チップ、金属含有チップ、マイクロカプセル含有チップ、から選ばれる1又は2以上であり、前記機能性チップの表面が、マルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン、ポリプロピレン、から選ばれる一材料により被覆されていることを特徴とする皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、並びに、
(2)基板シート表面に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーの表面又は内部に機能性チップを搭載した構造であり、前記機能性チップが、半導体チップ、集積回路チップ、温度センサーチップ、蛋白質チップ、DNA含有チップ、医薬剤含有チップ、栄養剤含有チップ、栄養補助剤含有チップ、化粧材含有チップ、色素材含有チップ、金属含有チップ、マイクロカプセル含有チップ、から選ばれる1又は2以上であり、前記機能性チップの表面が、マルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン、ポリプロピレン、から選ばれる一材料により被覆されていることを特徴とする皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、並びに、
(3)前記カンチレバーがくびれ形状部を有することを特徴とする前記(1)又は(2)の皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、並びに、
(4)前記皮膚内可溶材が、無水非結晶マルトース、又は無水非結晶マルトース及びプルランの複合糖材であることを特徴とする前記(1)から(3)いずれかの皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、並びに、
(5)前記カンチレバーが、蛋白質、DNA、医薬剤、栄養剤、栄養補助剤、化粧材、色素材、金属、金属酸化物、マイクロカプセル、から選ばれる1又は2以上を含有することを特徴とする前記(1)から(4)いずれかの皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、並びに、
(6)基板側面の上端部に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーがくびれ形状部を有する皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法において、1又は2以上の微細カンチレバーの反転形状の凹部を上面端部に有するカンチレバー用マイク ロ金型ヘッドと、基板の反転形状の凹部を有する基板用金型より構成されるマイクロインプリメント用金型において、前記マイクロインプリメント用金型は温度制御機構を有し、かつ前記カンチレバー用マイクロ金型ヘッド及び前記基板用金型が独立に可動できる機構を有するマイクロインプリメント用金型を用いて作製することを特徴とする前記皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法、並びに、
(7)基板側面の上端部又は基板シート表面に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーがくびれ形状部を有する皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法において、1又は2以上の微細カンチレバーの反転形状の凹部を上面端部に有するカンチレバー用マイクロ金型ヘッドにおいて、前記マイクロ金型ヘッドは温度制御機構を有し、かつ基板シート表面に対して垂直に可動できる機構を有するマイクロ金型ヘッドを用いて作製することを特徴とする前記皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法、としたものである。
本発明の皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントでは、皮膚表面内に挿入される微細カンチレバーが皮膚内可溶材を基材とするために、皮膚表面内で速やかに溶解するので安全性が高く、無痛であり、使用方法が簡便であり、そして微細カンチレバーに医薬剤、美容剤、栄養剤及びその補助剤、色素材等の機能性材料を自由に含有させることができるために、それらの剤及び材における種類制約や量的限界が少なく、またカンチレバーがくびれ形状部を有することにより、マイクロインプリメントの皮膚表面内挿入時に、そのくびれ形状部においてカンチレバーが容易に折れ易くなり、簡便にかつ安全にマイクロインプリメントの皮膚表面内挿入を行うことが可能であるという特徴的効果を有する。そして、機能性チップを搭載したカンチレバーを使用すれば、安定状態にて皮膚表面内に機能性チップを簡便に無痛で装着可能であり、またカンチレバーの基材である皮膚内可溶剤を無水非結晶マルトース、又は無水非結晶マルトース及びプルランの複合糖材とすることにより、人体への安全性が高く、結晶粒界がなく、構造体としての強度が大きく、加工精度が高い、安定性の高いカンチレバーが得られ、更には、基板又は基板シートの基材をも糖類とすることで、基材の水溶性を利用して、廃棄処理において環境負荷が極めて少ないという効果を有する。
上記効果に加えて、本発明のマイクロインプリメントでは、カンチレバーが略錐体の片割れ形状をしているために、常温にて、水平面をなす片割れ面に機能性チップの搭載が容易であり、また、常温搭載のために機能性チップの耐熱性はそれほど要求されず、さらには、機能性チップの表面をマルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン等で被覆することにより、機能性チップとカンチレバーの片割れ面(機能性チップの搭載面)との接着が強くなるという効果を有する。また、本発明のマイクロインプリメントでは、カンチレバー内に機能性チップを内包させることにより、カンチレバーの皮膚表面内への挿入抵抗を減らすことが可能であり、この場合には機能性チップの耐熱性が要求されるものの、先述の機能性チップの表面をマルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン等で被覆することにより熱対策が可能であり、さらには、機能性チップがカンチレバーに内包されているので物理的損傷を受けにくいという特徴的効果をも有する。
本発明のマイクロインプリメントの製造方法では、カンチレバー用マイクロ金型ヘッドと基板の反転形状の凹部を有する基板用金型より構成されるマイクロインプリメント用金型において、このマイクロインプリメント用金型が温度制御機構を有し、かつこのカンチレバー用マイクロ金型ヘッド及び基板用金型が独立に可動できる機構を有するので、加工精度が高く、構造上強度が大きい基板型のマイクロインプリメントを簡便に製造することが可能である。また、本製造方法では、温度制御機構を有するカンチレバー用マイクロ金型ヘッドが、基板シート表面に対して垂直に可動できる機構を有するので、加工精度が高く、構造上強度が大きい基板シート型のマイクロインプリメントを簡便に製造することが可能であるという効果を有する。さらに、本発明においては、キャスティングの金型の底面を使わず、流体の限界を避け、金型の端(表面部)を利用して突起部を開放し、流体が流れ込みが可能にした。また、突起部(針部)と基盤部を分け、機械的ブレをなくして微細な部分を先行して成形(離形)し、その基盤部を離形する方法である分離金型を採用することで、従来の金型の問題を克服するという特徴的効果を有する。
本発明では、2体の糖材部品のうちの少なくとも一方が、プルラン、又はプルラン及びマルトースの複合糖材で構成される基板又は基板シートとすることにより、基板側面の上端部又は基板シート表面に他方の糖材部品を接触させ、溶着させることが可能であり、構造上強度が大きい糖材部品を簡便に組立てることができるという効果を有する。さらに、他方の糖材部品をカンチレバーとし、このカンチレバーにおける皮膚内可溶材が無水非結晶マルトース、又は無水非結晶マルトース及びプルランの複合糖材とすれば、構造上強度が大きく、加工精度の高い、皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントを簡便に組立てることができるという特徴的効果をも有する。
以下に、本発明における皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント及びその製造方法の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
本発明において、カンチレバーとは、構造的には片持ち梁を意味し、カンチレバーの先端部が自由端で、カンチレバーが基板又は基板シートと接している末端部が固定端である。カンチレバーの形状は、四角錐体、多角錐体、円錐体等に近いほぼ錐体(すなわち、略錐体という)を、錐の頂点から錐底面へ下ろした垂線を通る平面で切り取った半分、すなわち片割れ形状をしており、これを本発明では略錐体の片割れ形状と称する。但し、上記の平面での略錐体の切り取りは、その体積がほぼ半分になるように切り取る、換言すれば、略錐体の底面をその底面積のほぼ半分に分けるように上記平面を錐底面へ下ろせばよい。例えば、略錐体がほぼ円錐体の場合、その錐底面はほぼ円形であり、上記の平面がその円形の直径を示す線を通れば、その片割れ形状(このときのカンチレバー形状を図3に示す)はその円錐体のほぼ半分の体積となるのである。また例えば、略錐体がほぼ四角錐体の場合、その錐底面はほぼ四角形であり、上記の平面がその四角形の対角線を通れば、その片割れ形状(このときのカンチレバー形状を図4に示す)はその四角錐体のほぼ半分の体積となるが、その錐底面積及びその錐体積を半分にするのであれば上記の平面は錐底面の対角線以外の任意の線を通ってもよい。従って、略錐体の片割れ形状における片割れ面は水平なために、その片割れ面に機能性チップを容易に搭載することが可能である。
本発明におけるカンチレバーの大きさは、カンチレバーの微細先端部の長幅、すなわち略錐体の頂点部を真正面にみたときの形(略多角形又は略円形)における最長の径、が0.1μm〜100μmの範囲が好ましいが、これは0.1μm以下ではその製造が物理的に不可能であり、100μm以上では皮膚表面内への物理的抵抗が大きく、さらには刺痛を感じるからである。また、カンチレバーの先端から末端までの長さ(すなわち、上記の垂線の長さ)は50μm〜5mmの範囲が好ましいが、これは50μm以下ではカンチレバーの皮膚表面内の深部への到達が不可能であり、5mm以上ではカンチレバーが長すぎて構造上の強度を確保できないからである。尚、本発明におけるマイクロインプリメントの皮膚表面内挿入とは、実質的には、皮膚表面からその内部へカンチレバーを挿入するという意味であり、皮膚にはその表面に位置する表皮(角質層を含む)、その下に在る真皮、さらに下に在る皮下組織があるが、その挿入目的に応じて皮膚内の挿入部位を特定し、それに合わせてカンチレバーの先端から末端までの長さを決めればよい。
本発明における基板、基板シートとは、上記のカンチレバーがその末端部を固定するのに必要な支持体を指すものであるが、カンチレバーが、基板側面の上端部にその末端部を固定する場合(図1に示す)と、カンチレバーが基板シート表面にその末端部を固定する場合(図2に示す)とがあり、各々、基板型の皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント、基板シート型の皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントと称する。また、図3には、図1で示された基板型マイクロインプリメントにおける一部カンチレバーの拡大透視図を示すが、これはカンチレバーがほぼ円錐体の片割れ形状である場合であり、その底面はほぼ半円を示している。そして、図4には、図2で示された基板シート型マイクロインプリメントにおける一部カンチレバーの拡大透視図を示すが、これはカンチレバーがほぼ四角錐体の片割れ形状である場合であり、その底面は三角形を示している。図3で示されたカンチレバーの断面を図5に示すが、特に基板型マイクロインプリメントではカンチレバーの片割れ面7と基板上面8は図5に示されるようにほぼ段差なく連なっている。また、基板シート型マイクロインプリメントでは、カンチレバーの片割れ面は基板シート表面に対して垂直に立てることが好適であるが、さらにはカンチレバー用金型ヘッドにおける基板シートとの接触面と基板シート面は通常は平行であるが、この平行な接触面を基板シート面に対して傾けることにより、カンチレバーの片割れ面を基板シート表面に対して垂直以外の角度で立てることも可能である。尚、基板及び基板シートの形状、大きさは特に限定されるものではなく、皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの使用目的に応じて形状、大きさを特定すればよい。さらに、本発明のマイクロインプリメントは、使用目的に応じて、カンチレバーを基板又は基板シートに1又は2以上有する構造であればよい。ここでインプリメントとは、半導体集積回路の設計分野においては装着、実装という意味に使われるが、本発明においては、カンチレバーを皮膚表面内に装着するための装着に供するツール(すなわち、装着具)という意味である。
本発明におけるカンチレバーは、図6に示したように、その先端部から末端部までの間にくびれ形状部を有するものであることが好適であるが、これは皮膚表面内へマイクロインプリメントを挿入した際、皮膚表面内に挿入されているカンチレバーをより容易に、より安定して、皮膚内に残すために、カンチレバーの先端部から末端部までの間にくびれ形状部をつくり、この形状部分においてカンチレバーを折れ易くするためである。これにより、簡便にかつ安全にマイクロインプリメントの皮膚表面内挿入を行うことが可能であり、その後、皮膚内可溶剤であるカンチレバーは速やかに皮膚表面内で溶解する。尚、このくびれ形状には、階段状のくびれや曲線をなすくびれ等があるが、そのくびれの形状は特に限定されない。
本発明における基板シートは、基板をシート状にしたものを指し、従ってその材質である基材は基板と同じものである。本発明における基板、及び基板シートにおける基板は、糖類、セルロース、固形でんぷん、紙、木、プラスティック、金属、から選ばれる1又は2以上であることが好適である。上記の糖類としては、単糖類ではグルコース、フルクトース、ガラクトース、二糖類では、マルトース、スクロース、ラクトース、セロビオース、トレハロースなどがあげられ、その他には三糖類、四糖類などのオリゴ糖、さらにはキシリトール、マルチトール、還元水飴などの糖アルコール、またプルランなどの多糖類等があげられ特に限定されないが、廃棄容易性の観点からは水溶性糖類が好ましい。このうち、基板シートとしては、糖類の中でも、プルラン、又はプルラン及びマルトースの複合糖材で構成されていることが好ましいが、これはプルランの粘着性を利用して、カンチレバーを強く固定できるからである。また、マルトースを用いる理由は、プルランとの混合による複合糖材化が容易であり、安価で入手しやすいからでもある。この場合、プルラン及びマルトースの混合割合は特に限定されない。
本発明における皮膚内可溶材とは、文字通り、皮膚内で溶解可能な材料を意味しており、例えば、糖類、キチン、キトサン等の生体親和性材料、ポリ乳酸等の生分解性材料、等が挙げられるが、そのうちでは生体内での溶解速度が最も大きい糖類が好ましい。また、糖類の中でも、無水非結晶マルトース、又は無水非結晶マルトース及びプルランの複合糖材であることが、人体への安全性、皮膚内即溶解性の面で好ましく、そして結晶粒界がないために加工精度の高いカンチレバーを得ることができるので好ましい。ここで無水非結晶マルトースとは、結晶水を除去したマルトースであり、かつそれが非結晶質(アモルファス)であるものをいうが、この無水非結晶マルトースは低分子量かつ無水物であるのでプルランのような多糖類水溶物との混合がし易く、すなわち無水非結晶マルトースとプルラン水溶物を混合するとプルラン水和分子が容易にマルトース内に取り込まれ、混合状態の良い複合糖材が得られ易い。これをカンチレバーの基材に使用した場合、無水非結晶マルトース単独使用の場合と同様に、結晶粒界がないために加工精度の高いカンチレバーを得ることができるだけでなく、皮膚表面内での溶解性も向上し、さらにはプルランの粘着性により、カンチレバーの錐底面と基板側面や基板シート表面との接着が極めて容易となる。この場合、無水非結晶マルトース及びプルランの混合割合は特に限定されない。尚、上記の皮膚内即溶解性とは、皮膚内における溶解が極めて早いという意味であり、皮膚内可溶材からなるカンチレバーを皮膚表面内に挿入後、安全性及び簡便性の観点からは、そのカンチレバーが遅くとも60秒程度で溶解することが好ましく、さらには遅くとも30秒程度で溶解することが好ましい。
本発明におけるカンチレバーは、蛋白質、DNA、医薬剤、栄養剤、栄養補助剤、化粧材、色素材、金属、金属酸化物、マイクロカプセル、から選ばれる1又は2以上を含有することが好適である。ここで、蛋白質の場合にはアルブミン、アクチン、ミオシンなどの一般の蛋白質、治療用の医薬系蛋白質などがあり、DNAの場合には細胞に包まない純粋なDNAなどがあり、医薬剤の場合には経皮投与において効果的な鎮痛剤、糖尿病治療に効果的なインスリン、局部麻酔剤であるリドカイン、歯周膿漏症に効果的なグルコン酸クロルヘキシンなどがあるが、これらは特に限定されない。また、栄養剤の場合にはブドウ糖、デキストリンのような各種糖類などがあり、栄養補助剤の場合にはビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンEのようなビタミン類、カルシウムを吸収促進効果のあるカゼインなどがあり、化粧材の場合にはヒアルロン酸のような保湿剤、αアルブチンのようなシミ防止剤、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、エラグ酸、メラニン色素除去能を有するハイドロキノンのような美白効果剤などがあり、色素材の場合には体内仕様の色素、タータルジン、化粧品用色素、クチナシ赤色素、クチナシ黄色素などの各種天然系色素などがあり、金属の場合には磁性体などがあり、金属酸化物の場合には、酸化チタン、酸化鉄、硫酸バリウムなどがあり、マイクロカプセルの場合には各種医薬剤、各種栄養剤、各種色素材などを封入したマイクロカプセルなどがあるが、これらは特に限定されない。尚、図10は、機能性材料を含有した場合の基板型マイクロインプリメントについて、通常のカンチレバー18とくびれ形状部を有するカンチレバー19が皮膚表面内に挿入したときの様子を示す概略模式図であるが、くびれ形状部を有するカンチレバー19の方が、くびれ形状部の抵抗が少ない分だけ、通常のカンチレバー18よりも深く皮膚表面内に入り込み易い。また、図11は、上記の両カンチレバー挿入後の様子を示す概略模式図であるが、両カンチレバーは皮膚内で溶解する前は、くびれ形状部を有するカンチレバーを使用した場合が、当然、通常のカンチレバーを使用した場合よりもカンチレバーは皮膚表面内の深い位置で残留している、すなわちカンチレバー21はカンチレバー20よりも皮膚表面内の深い位置で残留している。さらに、それらのカンチレバーが溶解して消失した後は、機能性材料は拡散浸透していくが、その領域は当然カンチレバーの挿入位置に比例し、拡散浸透領域23の方が拡散浸透領域22よりも深い位置にある。
本発明におけるカンチレバーには、その表面に機能性チップを搭載した構造のもの(図7参照)と、その内部に機能性チップを搭載した構造のものとがあり、前者の場合、常温にて、水平面をなす片割れ面に機能性チップの搭載が容易であり、また、常温搭載のために機能性チップの耐熱性はそれほど要求されず、さらには、機能性チップの表面をマルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン等で被覆することにより、機能性チップとカンチレバーとの接着が強固となるという特徴を有する。また、後者の場合、カンチレバー内に機能性チップを内包させることにより、カンチレバーの皮膚表面内への挿入抵抗を減らすことが可能であり、この場合には機能性チップの耐熱性が要求されるものの、先述の機能性チップの表面をマルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン等で被覆することにより熱対策が可能であり、さらには、機能性チップがカンチレバーに内包されているので物理的損傷を受けにくいという特徴的効果を有する。本発明における機能性チップは、半導体チップ、集積回路チップ、温度センサーチップ、蛋白質チップ、DNA含有チップ、医薬剤含有チップ、栄養剤含有チップ、栄養補助剤含有チップ、化粧材含有チップ、色素材含有チップ、金属含有チップ、マイクロカプセル含有チップ、から選ばれる1又は2以上の機能性チップであることが好適である。さらには、機能性チップの表面が、マルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン、ポリプロピレン、から選ばれる一材料により被覆されていることが好ましい。尚、上記のチップの基材は特に限定されないが、本発明で使用する基材の親和性の観点からは、糖類をベースとして、それに医薬剤、機能性材料等を含有させたものを使用してもよく、糖類には、例えば、マルトース、無水非結晶マルトース、及びそれらのプルランとの複合糖材を使用することができる。また、図8は、基板型マイクロインプリメントについて、通常のカンチレバー12及びくびれ形状部を有するカンチレバー13が皮膚表面内に挿入したときの様子を示す概略模式図であるが、くびれ形状部を有するカンチレバー13の方が、くびれ形状部の抵抗が少ない分だけ、通常のカンチレバー12よりも深く皮膚表面内に入り込み易い。また、図9は、上記の両カンチレバー挿入後の様子を示す概略模式図であるが、両カンチレバーは皮膚内で溶解して消失した後、各々チップを残すことになる。これらチップのうち、くびれ形状部を有するカンチレバーを使用した場合が、当然、通常のカンチレバーを使用した場合よりもチップは皮膚表面内の深い位置で残留している、すなわちチップ15はチップ14よりも皮膚表面内の深い位置で残留している。
本発明のマイクロインプリメントの製造方法における微細カンチレバーの反転形状の凹部を上面端部に有するカンチレバー用マイクロ金型ヘッドとは、カンチレバーの基材を無水非結晶マルトース、又は無水非結晶マルトース及びプルランの複合糖材としてカンチレバーを成形するための微細金型であり、カンチレバーを離形させるために微細駆動ができる機構をもつカンチレバーの微細形状の成形に適用できる金型の機能をもつヘッドであり、基板の反転形状の凹部を有する基板用金型とは、カンチレバーの支持体である基板が成形でき、マイクロ金型ヘッドに組み込むことができる形状の基板用金型であり、図13にカンチレバー用金型ヘッドと基板用金型の概略模式図を示す。また、マイクロインプリメント用金型の温度制御機構とは、マイクロ金型ヘッドによって成形する上記の基材を急速に昇温溶解し冷却凝固ができる温度制御機構であり、カンチレバー用マイクロ金型ヘッド及び基板用金型が独立に可動できる機構とは、微細なカンチレバー形状の成形を優先し先行してマイクロ金型ヘッドのみを駆動でき、カンチレバーを離形し成形後、基板のみ別駆動で離形ができるような機構である。これにより、基板型マイクロインプリメントが製造可能となる。さらには、カンチレバー用マイクロ金型ヘッドが有する、基板シート表面に対して垂直に可動できる機構とは、基板シート表面に対して垂直に1又は2以上のカンチレバーを設けるために、一個のカンチレバーを成形した後、次のカンチレバーの成形に移る方法として、マイクロ金型ヘッドを一旦、シートに対して垂直方向に後退させてから次のカンチレバーの位置に移動させる機構のことである。図14にマイクロ金型ヘッドと基板シートの概略模式図を示すが、図では、温度制御機構として温度制御用ヒーターを、前記の可動機構として駆動ステージを使用した場合を示している。これにより、基板シート型マイクロインプリメントが製造可能となる。尚、本発明における温度制御機構は特に限定されないが、50℃から200℃程度まで温度制御でき、一定温度を保持できるものであればよく、例えば温度制御が可能なヒーターを使用することができる。
本発明は、2体の糖材部品のうちの少なくとも一方が、プルラン、又はプルラン及びマルトースの複合糖材で構成されている基板又は基板シートであり、基板側面の上端部又は基板シート表面に他方の糖材部品を接触させ、溶着させることが好適である。さらには、皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントにおいて、前記他方の糖材部品が微細カンチレバーであり、前記カンチレバーにおける皮膚内可溶材が無水非結晶マルトース、又は無水非結晶マルトース及びプルランの複合糖材であることが好適である。
以下に本発明について実施例により具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
図1に示した形状の基板型マイクロインプリメントを製造するにつき、先ず、底面の直径が200μmである円形で、かつ頂点から底面までの垂線の長さが550μmである略円錐体の片割れ形状(その底面は直径200μmの半円形)を有したカンチレバーを作製するべく、ステンレス板(縦の長さ15mm、横の長さ5mm、厚さ1mm)の縦辺に沿う上端部に、上記の略円錐体の片割れ形状の反転形状の凹部4個分を機械加工によって掘り込み、カンチレバーの微細先端部の形状が略円形(直径0.3μm)となるように、掘り込み部分の最奥端を収束イオンビームを使って微細加工し、カンチレバー用金型ヘッドを作製した。次に、縦10mm、横50mm、厚さ1mmである直方体形状の基板を作製するべく、所定のステンレス板をもとに上記の基板の反転形状の凹部を有する基板用金型を作製し、図13に示す形状のカンチレバー用金型ヘッド及び基板用金型の組合せを作製した。その金型ヘッドを外した基板用金型を真上から見ると、コの字型をしていることになる。次に、このコの字型の金型基板に、上記カンチレバー用金型ヘッドで凹部のないものを組合せて、ロの字型の基板用金型とした。基板原料には糖類であるマルトース及びプルランの混合物(マルトース50重量%、プルラン50重量%の混合物を105℃で溶解させたもの)を用いて、105℃に保った上記のロの字型の基板用金型にこの基板原料を基板の厚さが1mmになるまで流し込み、80℃まで徐冷して基板を作製した。次に、上記の基板用金型から凹部のない金型ヘッドを取り払い、上記のカンチレバー用金型ヘッドと基板を含む基板用金型を組合せ、金型ヘッドのみを105℃に保持し、この金型ヘッドの凹部に105℃で溶解させた無水非結晶マルトースを流し込みカンチレバーを作製し、その後室温まで徐冷して図1に示すマイクロインプリメントを作製した。以上により、縦10mm、横50mm、厚さ1mmの直方体形状である基板側面の上端部に、底面の直径が200μmである円形で、かつ頂点から底面までの垂線の長さは550μmである略円錐体の片割れ形状(その底面は直径200μmの半円)を有したカンチレバーで、その微細先端部の形状が略円形(直径0.3μm)であるカンチレバーが、基板の縦辺方向に4個並んだ基板型マイクロインプリメントを組立てて、製造した。但し、図1は概略模式図であるので、カンチレバー及び基板の大きさは相対的に合っていない。尚、本製造においては、基板及びカンチレバー原料を105℃で溶解させて使用したが、それら原料を粒子状態のままで上記の105℃に保持した金型及び金型ヘッドに投入してもよい。また、最初から、図13に示す形状のカンチレバー用金型ヘッド及び基板用金型を用いて、これらを105℃に保持して、そこへ原料を流し込み、一度でカンチレバー及び基板からなるマイクロインプリメントを作製してもよいが、この場合はカンチレバーと基板が同一材料となる。
図2に示した形状の基板シート型マイクロインプリメントを製造するにつき、先ず、プルラン30重量%とマルトース30重量%を一様に混在した後、水を40%だけ加えて粘性状態を作成し、さらにシート状に延ばして乾燥させ、縦10mm、横10mm、厚さ0.5mmの基板シート(プルラン50重量%、マルトース50重量%の組成比で、基板シートを真上から見ると正方形状である)を作製した。次に、底面が一辺150μmである正三角形を二つ組合せた菱形で、かつ頂点から底面までの垂線の長さは500μmである略四角錐体の片割れ形状(その底面は一辺150μmの正三角形)を有したカンチレバーを作製するべく、ステンレス板(縦の長さ5mm、横の長さ5mm、厚さ1mm)の縦辺に沿う上端部に、上記の略四角錐体の片割れ形状の反転形状の凹部1個分を機械加工によって掘り込み、カンチレバーの微細先端部の形状が半円形(直径0.4μm)となるように、掘り込み部分の最奥端を収束イオンビームを使って微細加工し、カンチレバー用金型ヘッドを作製した。この金型ヘッドに所定の温度制御機構及び可動機構を取付けて後、上記の基板シート面に80℃に保持した金型ヘッドを接触させ、105℃で溶解させた無水非結晶マルトース及びプルランとの複合糖材(無水非結晶50重量%、プルラン50重量%の組成比)をその金型ヘッドに流し込み、カンチレバー形成後速やかに基板シート表面に対して垂直方向に金型ヘッドを後退させ、図14に示すようにしてカンチレバーを基板シート表面に作製した。次に、この金型ヘッドを250μmのピッチ間隔で横方向に移動させ、上記の基板シート表面にこの金型ヘッドを前進させて接触させ、105℃で溶解させた上記の複合糖材を金型ヘッドに流し込み、カンチレバー形成後速やかに基板シート表面に対して垂直方向に金型ヘッドを後退させて、2個目のカンチレバーを基板シート表面に作製した。以上の一連の動作を繰り返して、最終的に基板シート表面上にピッチ間隔250μmの縦5個、横6個、合計30個分のカンチレバー(上記の略四角錐体の片割れ形状を有したカンチレバー)が並んだ構造を有した、図2に示した形状の基板シート型マイクロインプリメントを組立てて、作製した。但し、図2は概略模式図であるので、カンチレバー及び基板シートの大きさは相対的に合っていない。尚、本製造例では、1個分のカンチレバー作製用の金型ヘッドを使用して上記の繰り返し動作が30回必要であったが、金型ヘッドに縦方向に6個分のカンチレバーの反転形状の凹部を有したものを使用した場合、繰り返し動作は5回で済み、極めて効率よくマイクロインプリメントを作製することも可能である。
実施例1の基板型マイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入したところ、無痛であり、マイクロスコープによる観察により、1分程度でカンチレバーは溶けて消失したことを確認した。さらに、マイクロスコープにより皮膚表面を観察すると、その皮膚表面に直径150μm程度のほぼ半円形状の穴が4箇所で開いていることを確認した。その穴の付近を指で押すと、その穴から血液がわずかに出てきたことから、その血液を数mgだけ採取して血糖値を測定することができた。
実施例2の基板シート型マイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入したところ、無痛であり、マイクロスコープによる観察により、1分程度でカンチレバーは溶けて消失したことを確認した。さらに、マイクロスコープにより皮膚表面を観察すると、その皮膚表面に直径100μm程度のほぼ楕円形状の穴が30箇所で開いていることを確認した。それらの箇所を指で押し、出てきた血液を脱脂綿で拭き取った後、それらの箇所の皮膚表面にアスコルビン酸リン酸ナトリウム1%を溶解させた水溶液を塗布すると、その水溶液が速やかにそれらの穴の中に取り込まれ、すなわち皮膚表面内にその水溶液を浸透させることができた。このように、カンチレバーを皮膚表面の穴開け用に使用したが、これはアスコルビン酸リン酸ナトリウムのような加熱分解しやすい特性のあるビタミンCは、過熱溶解して形成するカンチレバーに含ませることができないからであり、この穴開け方法により効果的にビタミンCを皮膚内に浸透させることができた。
局部麻酔剤の一種であるリドカインを1重量%含む無水非結晶マルトースをカンチレバーの基材原料として、実施例1と同様にして、基板型マイクロインプリメントを作製した。このマイクロインプリメントをラットの腹部の皮膚表面内への挿入実験を行い、血漿分析の結果、血漿中にリドカインが存在することがわかり、これによりラット全身へのリドカインの浸透が確認できた。
歯周膿漏症の治癒効果を有するグルコン酸クロルヘキシンを0.03重量%含む無水非結晶マルトースをカンチレバーの基材原料として、実施例1と同様にして、基板型マイクロインプリメントを2個作製した。これらのマイクロインプリメントを歯周膿漏症にかかっている歯茎付近の皮膚表面内、及び歯茎と歯の間に各々差し込み挿入実験を行った結果、その歯周全域にグルコン酸クロルヘキシンを浸透させることができ、実験から24時間後に歯周膿漏症の改善が見られた。
美白用化粧材であるαアルブチンを0.3重量%含む無水非結晶マルトース及びプルランとの複合糖材を基材原料として、実施例2と同様にして、基板シート型マイクロインプリメントを作製した。但し、30個の各カンチレバーには、同様に、微細先端部から150μmの箇所にくびれ形状部を有するようにしており、このくびれ形状部でカンチレバーが折れ易い構造とした。このマイクロインプリメントを顔面の褐色しみが存在する皮膚表面内(皮膚表面より200μm以内)に挿入した実験を毎日1回、連続して行った結果、1ヶ月ほど経過して、顔面の褐色しみが薄まっていることが目視により確認できた。
美白用化粧材であるビタミンCの一種アスコルビン酸リン酸マグネシウムを1重量%含む無水非結晶マルトース及びプルランとの複合糖材を基材原料として、実施例2と同様にして、基板シート型マイクロインプリメントを作製した。但し、30個の各カンチレバーには、同様に、微細先端部から150μmの箇所にくびれ形状部を有するようにしており、このくびれ形状部でカンチレバーが折れ易い構造とした。このマイクロインプリメントを顔面の褐色しみが存在する皮膚表面内(皮膚表面より200μm以内)に挿入した実験を毎日1回、連続して行った結果、実施例7と同様に1ヶ月ほど経過して、顔面の褐色しみが薄まっていることが目視により確認できた。
実施例2の基板シート型マイクロインプイリメントを手の甲の皮膚表面に軽く5回あてた結果、マイクロスコープの観察により、その皮膚表面に多数の穴が開いていることが確認できた。これらの穴の開いた箇所に、比較的不安定な、メラニン色素除去能を有する美白効果剤であるハイドロキノンを1重量%含む水溶液をガラス棒により塗布し、このガラス棒を用いて、その液を皮膚に刷り込むことによりハイドロキノンを角質層内に浸透させることができた。
実施例2の基板シート型マイクロインプイリメントを手の甲の皮膚表面に軽く5回あてた結果、マイクロスコープの観察により、その皮膚表面に多数の穴が開いていることが確認できた。これらの穴の開いた箇所に、美白効果を有する、比較的不安定な化学物質であるアスコルビン酸リン酸マグネシウムを1重量%含む水溶液をガラス棒により塗布し、このガラス棒を用いて、その液を皮膚に刷り込むことにより、実施例9と同様に、アスコルビン酸リン酸マグネシウンを角質層内に浸透させることができた。
肌色基調の化粧材である酸化チタンと酸化的鉄の混合材(1:1の組成比)を5重量%含む無水非結晶マルトースを基材原料として、実施例2と同様にして、基板シート型マイクロインプリメントを作製した。但し、30個の各カンチレバーには、同様に、微細先端部から150μmの箇所にくびれ形状部を有するようにしており、このくびれ形状部でカンチレバーが折れ易い構造とした。このマイクロインプリメントを顔面の褐色しみが存在する皮膚表面内(皮膚表面より200μm以内)に挿入した実験を行った結果、顔面の褐色しみが薄まり、肌色感が強まっていることが目視により確認できた。
体内仕様の色素である、天然系のクチナシ赤色素を5重量%含む無水非結晶マルトースを基材原料として、実施例1と同様にして、基板型マイクロインプリメントを作製した。但し、4個の各カンチレバーには、同様に、微細先端部から100μmの箇所にくびれ形状部を有するようにしており、このくびれ形状部でカンチレバーが折れ易い構造とした。このマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入したところ、目視により皮膚角質層内に色素を残すことが確認され、このマイクロインプリメントの使用により、簡易で安全な刺青が可能となり、種々の色素により皮膚角質層内の任意の表記が可能となった。
浸透性の強いオレンジ色素タータルジンを1重量%含む無水非結晶マルトースを基材原料として、実施例1と同様にして、基板型マイクロインプリメントを作製した。このマイクロインプリメントをラットの腹部の皮膚表面内に挿入して後、その皮膚断面をマイクロスコープにより観察したところ、タータルジン色素が皮膚深く浸透していることが確認できた。
蛋白質に付着性の強い青色素であるクーマシーブリリアンブルー(CBB)を1重量%含む無水非結晶マルトースを基材原料として、実施例1と同様にして、基板型マイクロインプリメントを作製した。このマイクロインプリメントをラットの腹部の皮膚表面内に挿入して後、その皮膚断面をマイクロスコープにより観察したところ、CBB色がマイクロカンチレバーの挿入部の断面形状を映し出していることが確認できた。
蛋白質の一種であるアルブミンを、プルランと無水非結晶マルトース(1:1の組成比)の円板状チップ(直径50μm、厚さ5μm)に3重量%含有させ、そのチップを実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、機能性チップ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入すると、マイクロスコープによる観察の結果、アルブミンが角質層内に留まっていることが確認できた。
糖尿病治療に効果的なインスリンを、プルランと無水非結晶マルトース(1:1の組成比)の円板状チップ(直径50μm、厚さ5μm)に1重量%含有させ、そのチップを実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、機能性チップ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入すると、マイクロスコープによる観察の結果、インスリンが角質層内に留まっていることが確認できた。
栄養補助剤であるビタミンAの一種であるカロテノイドを、プルランと無水非結晶マルトース(1:1の組成比)の円板状チップ(直径50μm、厚さ5μm)に1重量%含有させ、そのチップを実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、機能性チップ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入すると、マイクロスコープによる観察の結果、カルテノイドが角質層内に留まっていることが確認できた。
保湿剤であるヒアルロン酸を、プルランと無水非結晶マルトース(1:1の組成比)の円板状チップ(直径50μm、厚さ5μm)に3重量%含有させ、そのチップを実施例1のカンチレバー用金型ヘッドの凹部1箇所に投入しておき、それ以外は実施例1と同様の方法により、カンチレバー内部に上記チップを搭載した機能性チップ搭載型のマイクロインプリメント(但し、カンチレバーは1個分のみ)を作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入すると、マイクロスコープによる観察の結果、加熱による分解もなく、ヒアルロン酸が角質層内に留まっていることが確認され、皮膚表面内に簡便にヒアルロン酸を投与できた。
設計ルール2μmの微細磁気コイル回路を内蔵したICチップを、実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、ICチップ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入したところ、マイクロスコープによる観察の結果、そのICチップが皮膚表面下50μmのところに残留していることが確認できた。
1辺200μmの正方形で厚さ10μmのICチップ、いわゆるICタグの裏面に、プルラン及び無水非結晶マルトースの複合糖材(1:1の組成比)からなる接着剤を塗布し、実施例1の基板型マイクロインプリメントの片割れ面上に常温にてその裏面を接着させて、ICタグ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入したところ、マイクロスコープによる観察の結果、そのICチップが皮膚表面下100μmの角質層に残留していることが確認できた。
1辺150μmの正方形で厚さ10μmの微小シリコン基板温度センサーチップをポリエチレンで被覆し、リード線をつけたまま、実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、微小シリコン基板温度センサーチップ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入したところ、マイクロスコープによる観察の結果、皮膚表面下50μmのところの角質層内に残留していることが確認でき、またリード線を外部に導くこともでき、さらにリード線を通して信号を抽出することができたので、体内の温度を正確に測ることが可能となった。
人IgG抗体を、プルランと無水非結晶マルトース(1:1の組成比)の円板状チップ(直径50μm、厚さ5μm)に0.25重量%含有させ、そのチップを実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、人IgG抗体含有チップ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントをラットの腹部の皮膚に投与するIn−Vivo実験を行って後、ラット皮膚断面をマイウクロスコープにより観察した結果、ラット皮膚内に人IgGの存在が確認できた。
DNA一部を、プルランと無水非結晶マルトース(1:1の組成比)の円板状チップ(直径50μm、厚さ5μm)に含有させ、そのチップを実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、DNA一部含有チップ搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入すると、マイクロスコープによる観察の結果、そのDNA一部が角質層内に留まっていることを確認できた。
直径25μm以下の鉄粒子を2重量%含む無水非結晶マルトースをカンチレバーの基材原料として、実施例1と同様にして、基板型マイクロインプリメントを作製した。このマイクロインプリメントを手の甲の皮膚表面内に挿入した後、高感度時期センサーにより、その皮膚表面内にあある鉄粒子を数えることができ、番号対応がとることができた。この方法を応用すると、入院患者の番号付けに簡便に使用される可能性が示唆された。
リドカインを1重量%含有する、基材原料が無水非結晶マルトースであるマイクロカプセル(粒子径1μm)を、プルランと無水非結晶マルトース(1:1の組成比)の円板状チップ(直径50μm、厚さ5μm)に5重量%含有させ、そのチップを実施例1の基板型マイクロインプリメント(但し、4個のカンチレバーのうち3個は取り外している)の片割れ面上に常温にて接着させて、マイクロカプセル搭載型のマイクロインプリメントを作製した。そのマイクロインプリメントをラットの腹部の皮膚表面内に挿入した後、マイクロスコープによる皮膚断面の観察の結果、皮膚表面内にリドカインが存在することを確認できた。
本発明の皮膚表面内マイクロインプリメント及びその製造方法は前述の様々な特徴的効果を有するが、これらにより、医療分野、栄養剤やサプリメントの分野、美容分野、化粧分野、各種機能性材料の応用分野、マイクロカプセルの応用分野、機能性チップの応用分野等において利用できる
本発明の基板型マイクロインプリメントを示す外形図である。 本発明の基板シート型マイクロインプリメントを示す外形図である。 本発明における円錐体の片割れ形状を有するカンチレバーの拡大透視図である。 本発明における四角錐体の片割れ形状を有するカンチレバーの拡大透視図である。 基板型マイクロインプリメントの断面を示す概略図である。 くびれ形状部を有する基板型マイクロインプリメントの断面を示す概略図である。 機能性チップを搭載した基板型マイクロインプリメントの断面を示す概略図である。 機能性チップ搭載型マイクロインプリメントの皮膚表面内挿入時の概略模式図である。 機能性チップ搭載型マイクロインプリメントの皮膚表面内挿入後の概略模式図である。 機能性材料混合型マイクロインプリメントの皮膚表面内挿入時の概略模式図である。 機能性材料混合型マイクロインプリメントの皮膚表面内挿入後の概略模式図である。 機能性材料の皮膚内拡散浸透の様子を示す概略模式図である。 カンチレバー用マイクロ金型ヘッドと基板用金型の組合せを示す概略模式図である。 駆動式マイクロ金型ヘッドと基板シート上のカンチレバーを示す概略模式図である。
符号の説明
1 カンチレバー
2 基板
3 基板側面
4 基板シート
5 円錐体の片割れ形状のカンチレバー
6 四角錐体の片割れ形状のカンチレバー
7 カンチレバーの片割れ面
8 基板上面
9 くびれ形状部を有するカンチレバー
10 機能性チップ
11 皮膚表面
12 機能性チップを搭載した基板型マイクロインプリメント
13 機能性チップを搭載したくびれ形状部を有する基板型マイクロインプリメント
14 皮膚表面内に残留した機能性チップ
15 皮膚表面内に残留した機能性チップ(くびれ形状部を有したカンチレバー使用の場合)
16 機能性材料含有カンチレバーの基板型マイクロインプリメント
17 機能性材料含有でくびれ形状部を有したカンチレバーの基板型マイクロインプリメント
18 機能性材料含有のカンチレバー
19 機能性材料含有のくびれ形状部を有したカンチレバー
20 皮膚内に残留した機能性材料含有のカンチレバー
21 皮膚内に残留した機能性材料含有のくびれ形状部を有したカンチレバー
22 機能性材料の拡散浸透領域
23 機能性材料の拡散浸透領域(くびれ形状部を有したカンチレバー使用の場合)
24 マイクロ金型ヘッド
25 基板用金型
26 温度制御用ヒーター
27 駆動ステージ

Claims (7)

  1. 基板側面の上端部に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーの表面又は内部に機能性チップを搭載した構造であり、前記機能性チップが、半導体チップ、集積回路チップ、温度センサーチップ、蛋白質チップ、DNA含有チップ、医薬剤含有チップ、栄養剤含有チップ、栄養補助剤含有チップ、化粧材含有チップ、色素材含有チップ、金属含有チップ、マイクロカプセル含有チップ、から選ばれる1又は2以上であり、前記機能性チップの表面が、マルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン、ポリプロピレン、から選ばれる一材料により被覆されていることを特徴とする皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント。
  2. 基板シート表面に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーの表面又は内部に機能性チップを搭載した構造であり、前記機能性チップが、半導体チップ、集積回路チップ、温度センサーチップ、蛋白質チップ、DNA含有チップ、医薬剤含有チップ、栄養剤含有チップ、栄養補助剤含有チップ、化粧材含有チップ、色素材含有チップ、金属含有チップ、マイクロカプセル含有チップ、から選ばれる1又は2以上であり、前記機能性チップの表面が、マルトース、マルトース及びプルランの複合糖材、ポリエチレン、ポリプロピレン、から選ばれる一材料により被覆されていることを特徴とする皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント。
  3. 前記カンチレバーがくびれ形状部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント。
  4. 前記皮膚内可溶材が、無水非結晶マルトース、又は無水非結晶マルトース及びプルランの複合糖材であることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント。
  5. 前記カンチレバーが、蛋白質、DNA、医薬剤、栄養剤、栄養補助剤、化粧材、色素材、 金属、金属酸化物、マイクロカプセル、から選ばれる1又は2以上を含有することを特徴とする請求項1から4いずれか一項記載の皮膚表面内挿入用マイクロインプリメント。
  6. 基板側面の上端部に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーがくびれ形状部を有する皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法において、1又は2以上の微細カンチレバーの反転形状の凹部を上面端部に有するカンチレバー用マイクロ金型ヘッドと、基板の反転形状の凹部を有する基板用金型より構成されるマイクロインプリメント用金型において、前記マイクロインプリメント用金型は温度制御機構を有し、かつ前記カンチレバー用マイクロ金型ヘッド及び前記基板用金型が独立に可動できる機構を有するマイクロインプリメント用金型を用いて作製することを特徴とする前記皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法。
  7. 基板側面の上端部又は基板シート表面に、皮膚内可溶材からなる微細カンチレバーを1又は2以上有した構造であるマイクロインプリメントにおいて、前記カンチレバーが略錐体の片割れ形状であり、前記カンチレバーの微細先端部の長幅が0.1μm〜100μmであり、前記カンチレバーの先端から末端までの長さが50μm〜5mmであり、前記カンチレバーがくびれ形状部を有する皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法において、1又は2以上の微細カンチレバーの反転形状の凹部を上面端部に有するカンチレバー用マイクロ金型ヘッドにおいて、前記マイクロ金型ヘッドは温度制御機構を有し、かつ基板シート表面に対して垂直に可動できる機構を有するマイクロ金型ヘッドを用いて作製することを特徴とする前記皮膚表面内挿入用マイクロインプリメントの製造方法。
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