JP4821872B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Description
図15に示すように、注目画素が最大値255、周辺画素が最小値0の画素値を持つ画像の場合、最大値255の注目画素に対しレーザ光は最大出力で発光される。最大出力で発光されると、レーザ光により形成された潜像においては裾野が広がったエネルギー分布となるため、潜像として形成されるドットのサイズが拡大する。その結果、1画素分の露光をしたにも拘わらず、複数画素分の大きなドットが形成され、過度なドットゲインが生じる。ビームスポット径が制御可能な1画素のサイズを超えている以上、注目画素の画素値が中間調の128であっても同様にドットゲインが生じ、図15に示すように1画素のサイズを超えたドットが形成される。
このように、ドットゲインの発生によって元の画像の階調の再現性が低下していた。
また、ビームスポット径が制御可能な1画素のサイズ以下の場合であっても、1画素に与える光量が1画素より大きいビームスポット径の場合と同様の光量となる程度に大きなパワーでレーザ光が出力される場合、同じような問題が起こると考えられる。パワーが大きければそれだけ潜像におけるエネルギー分布に広がりが生じ、結果として形成されるドットサイズが拡大するからである。
画素の位置に応じて、第1閾値及び第2閾値(第1閾値<第2閾値)が定められたサブセルを用いてスクリーン処理するスクリーン処理手段を備え、
前記スクリーン処理手段は、画像の各画素の位置に対応する第1閾値及び第2閾値を前記サブセルから取得し、前記第1閾値より画素値が小さければ定数値Dminを出力し、前記第2閾値より画素値が大きければ定数値DMaxを出力し、画素値が第1閾値以上第2閾値以下であれば2つの定数値DminとDMaxの補間値を出力し、
前記サブセルは、1つの網点を構成する画素群からなり、画素値の全領域において、サブセル中の画素の第1閾値が、当該画素より1つ先の順にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている画像処理装置が提供される。
前記スクリーン処理手段は、露光時に用いられるレーザ光のビームスポット径が、制御可能な1画素のサイズを超える場合、前記サブセルを用いたスクリーン処理を行う請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
前記スクリーン処理手段は、露光時に用いられるレーザ光のビームスポット径が、制御可能な1画素のサイズ以下であって、当該レーザ光の露光量が、ビームスポット径が制御可能な1画素のサイズを超える場合と略同一の露光量となる場合、前記サブセルを用いたスクリーン処理を行う請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
前記スクリーン処理手段は、z(z>1)個のサブセルを組み合わせたスーパーセルを用いてスクリーン処理を行い、
前記スーパーセルは、少なくともz−1個の画素について、当該画素の第1閾値が、当該画素より先にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記サブセルは、サブセル内の少なくとも3個の画素について、当該画素の第1閾値が、当該画素より先にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記定数値DMaxと定数値Dminの補間値を出力する補間関数は、単調増加の直線又は曲線で表される請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記スクリーン処理の前に、画像のビット数を変換し、入力ビット数より出力ビット数を大きくする第1γ補正手段を備える請求項1〜6の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
前記スクリーン処理の後に、画像の画素値を変換し、高濃度領域にある画素の画素値を低減する第2γ補正手段を備える請求項1〜7の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
画素の位置に応じて、第1閾値及び第2閾値(第1閾値<第2閾値)が定められたサブセルを用いてスクリーン処理する工程を含み、
前記スクリーン処理する工程は、画像の各画素の位置に対応する第1閾値及び第2閾値を前記サブセルから取得する工程と、前記第1閾値より画素値が小さければ定数値Dminを出力し、前記第2閾値より画素値が大きければ定数値DMaxを出力し、画素値が第1閾値以上第2閾値以下であれば2つの定数値DminとDMaxの補間値を出力する工程と、を含み、
前記サブセルは、1つの網点を構成する画素群からなり、画素値の全領域において、サブセル中の画素の第1閾値が、当該画素より1つ先の順にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている画像処理方法が提供される。
本実施形態では、原稿から画像を読み取ってプリントするコピー機能を有する画像処理装置を一例として、以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、画像処理装置1は、画像読取部11、操作部12、表示部13、タッチパネル14、制御部15、記憶部16、メモリ制御部17、画像メモリ18、画像処理部2、プリンタ部3を備えて構成されている。図中、各部を接続する実線はシステムバスを示し、点線はシリアルバスを示す。
画像メモリ18は画像を記憶する。画像メモリ18としては、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)を用いることができる。
画像読取部11により読み取られた画像は、画像処理部2により色変換や解像度変換等の必要な画像処理が施された後、一旦画像メモリ18に保存される。制御部15によりプリントの指示があると、画像メモリ18から読み出されたプリント対象の画像が画像処理部2に入力されるので、画像処理部2はスクリーン処理等の画像処理を施してプリンタ部3に画像を出力する。
第1γ補正部21は、入力された画像の濃度を変更する第1γ補正処理を施す。第1γ補正処理には予め準備されたLUT(ルックアップテーブル)が用いられる。当該LUTは、プリンタ特性を考慮して、元の入力画像の濃度に対するプリント後の出力画像の濃度の比(つまりγ値)が1となるように入出力特性が定められている。
図3(a)は通常用いられるサブセルAの一例を示し、図3(b)はサブセルAに設定された閾値テーブルAtの一例を示している。サブセルAはm×n個のセルの集合であり、1つのセルは1つの画素に対応する。閾値テーブルAtにはサブセルAの各セルの位置に応じて閾値が定められている。サブセルAを用いたスクリーン処理により各画素にドットが形成され、ドットの集合により1つの網点が形成される。すなわち、サブセルAは1つの網点を構成する画素群である。
図5に示すように、スクリーン処理部22は入力された画像を走査し、注目画素の位置座標と画素値を取得する(ステップS1)。閾値選択部22bは、取得された画素の位置座標に対応する閾値T1(k)、T2(k)を、サブセルAの閾値テーブルAtから取得する(ステップS2)。
i=x%m
j=y%n
例えば、位置座標が(3,2)の画素が対応するセルは、(i,j)=(3%4,2%4)=(3,2)の位置にある、1番のセルである。よって、1番のセルに対応する第1閾値T1(1)、第2閾値T2(1)が、図3(b)に示す閾値テーブルAtから取得される。
閾値処理部22aは、注目画素の画素値(これを入力画素値という)と、取得した閾値T1(k)、T2(k)とを比較し、入力画素値に対する出力画素値を出力する。すなわち、入力画素値が第2閾値T2(k)より大きければ(ステップS3;Y)、出力画素値として定数値DMax=1024が出力される(ステップ4)。入力画素値が第1閾値T1(k)より小さければ(ステップS3;N、S5;Y)、出力画素値として定数値Dmin=0が出力される(ステップS6)。入力画素値が第1閾値T1(k)以上第2閾値T2(k)以下であれば(ステップS3;N、S5;N)、定数値DMaxと定数値Dminの補間値が算出されて出力画素値として出力される(ステップS7)。
一方、サブセルBの閾値テーブルBtにより、最大値に達する画素をできるだけ中間調の画素に代えることにより、図9に示すように出力されるレーザ光を低減して形成されるドットのサイズ拡大を抑えることができる。ビームスポット径が制御可能な1画素のサイズより大きくなる場合でも、できるだけ潜像におけるエネルギー分布の広がりを小さくすることにより、ドットゲインを低減することができる。ドットゲインの低減により、網点も過度に大きくならず、元の画像の階調の再現を図ることができる。
スーパーセル方式を採用した場合でも、閾値テーブルCtによれば、k番のセルの画素にドットが形成される画像濃度であったとしても、k−1番のセルの先画素は最大値に達しない。よって、単数のサブセルBを用いた場合と同様に、最大値に達する画素数の減少を図ることができる。
図2に示すように、プリンタ部3はPWM変換部31とLD(Laser Driver)32を備えている。
PWM変換部31は、スクリーン処理部22から入力された画像の画像信号をPWM信号に変換する。変換には予め準備されたLUTが用いられる。LUTは入力された画像信号に対し出力するPWM信号(%)が定められている。
図12は、第2γ補正処理時に用いられるLUTの入出力特性を示す図である。通常は、図12の特性曲線P2に示すように、入力される画像信号と出力されるPWM信号の比が1となる入出力特性のLUTを用いてPWM変換が行われる。しかし、レーザ光のビームスポット径が制御可能な1画素のサイズよりも小さい場合、PWM変換部31は、図12の特性曲線P1に示すように、入力された画像の高濃度領域にある画素値を低減するように入出力特性が定められたLUTを用いる。特性曲線P1に係るLUTは高濃度領域付近のPWM信号の出力値が小さくなるように設計されている。ドットゲインが生じやすい高濃度領域(最大値1024付近の濃度領域)のPWM信号値を小さくすることにより、レーザ光の光量をできるだけ低減し、ドットゲインの低減を図る。
上記実施形態では、レーザ光のビームスポット径が制御可能な1画素のサイズを超える場合、閾値テーブルBt、Ctを用いる例を説明した。しかし、レーザ光のビームスポット径が制御可能な1画素のサイズ以下であっても、レーザ光の出力パワーが大きく、結果として得られる光量が、ビームスポット径が制御可能な1画素のサイズを超える場合と略同一であれば、やはりドットゲインが生じる可能性がある。よって、このような場合にも閾値テーブルBtが設定されたサブセルBによるスクリーン処理を行う。
また、このようなプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
11 画像読取部
12 操作部
13 表示部
15 制御部
18 画像メモリ
2 画像処理部
21 第1γ補正部
22 スクリーン処理部
22a 閾値処理部
22b 閾値選択部
3 プリンタ部
31 PWM変換部
Claims (9)
- 画素の位置に応じて、第1閾値及び第2閾値(第1閾値<第2閾値)が定められたサブセルを用いてスクリーン処理するスクリーン処理手段を備え、
前記スクリーン処理手段は、画像の各画素の位置に対応する第1閾値及び第2閾値を前記サブセルから取得し、前記第1閾値より画素値が小さければ定数値Dminを出力し、前記第2閾値より画素値が大きければ定数値DMaxを出力し、画素値が第1閾値以上第2閾値以下であれば2つの定数値DminとDMaxの補間値を出力し、
前記サブセルは、1つの網点を構成する画素群からなり、画素値の全領域において、サブセル中の画素の第1閾値が、当該画素より1つ先の順にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている画像処理装置。 - 前記スクリーン処理手段は、露光時に用いられるレーザ光のビームスポット径が、制御可能な1画素のサイズを超える場合、前記サブセルを用いたスクリーン処理を行う請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記スクリーン処理手段は、露光時に用いられるレーザ光のビームスポット径が、制御可能な1画素のサイズ以下であって、当該レーザ光の露光量が、ビームスポット径が制御可能な1画素のサイズを超える場合と略同一の露光量となる場合、前記サブセルを用いたスクリーン処理を行う請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記スクリーン処理手段は、z(z>1)個のサブセルを組み合わせたスーパーセルを用いてスクリーン処理を行い、
前記スーパーセルは、少なくともz−1個の画素について、当該画素の第1閾値が、当該画素より先にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置。 - 前記サブセルは、サブセル内の少なくとも3個の画素について、当該画素の第1閾値が、当該画素より先にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている請求項1〜4の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記定数値DMaxと定数値Dminの補間値を出力する補間関数は、単調増加の直線又は曲線で表される請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記スクリーン処理の前に、画像のビット数を変換し、入力ビット数より出力ビット数を大きくする第1γ補正手段を備える請求項1〜6の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記スクリーン処理の後に、画像の画素値を変換し、高濃度領域にある画素の画素値を低減する第2γ補正手段を備える請求項1〜7の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 画素の位置に応じて、第1閾値及び第2閾値(第1閾値<第2閾値)が定められたサブセルを用いてスクリーン処理する工程を含み、
前記スクリーン処理する工程は、画像の各画素の位置に対応する第1閾値及び第2閾値を前記サブセルから取得する工程と、前記第1閾値より画素値が小さければ定数値Dminを出力し、前記第2閾値より画素値が大きければ定数値DMaxを出力し、画素値が第1閾値以上第2閾値以下であれば2つの定数値DminとDMaxの補間値を出力する工程と、を含み、
前記サブセルは、1つの網点を構成する画素群からなり、画素値の全領域において、サブセル中の画素の第1閾値が、当該画素より1つ先の順にドットを形成するように第1閾値及び第2閾値が定められた先画素の第1閾値より大きく、かつ当該先画素の第2閾値より小さく定められている画像処理方法。
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