JP4821611B2 - 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は放射線画像を処理する際の画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関し、さらに詳しくは、汎用性の高い状態で適切な画像処理を実行することが可能な画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
近年、被検体の透過X線を画像データ化するX線撮像装置の分野では、画像のデジタル化および高精細化が進んでいる。ここでは、透過X線から得られた画像データは、被検体の疾患あるいは病巣に関する情報を、豊富に含むものとなっている。
一方、これら画像データを各種表示装置に表示してオペレータ等の検査により診断がなされる際には、被検体の疾患あるいは病巣に相当する部分が、人間の視覚に捕らえ易いようにする必要がある。
ここで、画像データは、画像処理装置に備えられた階調変換処理部の階調変換特性により、特に関心領域が人間の視覚に捕らえ易いように階調変換されてから表示されるようになっている。
従来から一般的に用いられている画像処理方法を、胸部正面画像データに対して階調変換を行う方法を例にして、図6を用いて説明する。なお、図6(a)は、胸部正面画像データのうち、照射野外部を除いた部分を示し、図6(b)は、図6(a)に示した画像のx方向のプロジェクションを示し、図6(c)は、図6(a)に示した画像のy方向のプロジェクションを示す。
まず、以下に示すステップS01〜ステップS05により胸部正面における胸郭への関心領域を設定し、この設定された関心領域(以下「ROI(Region Of Interest)」という)に基づいて階調変換特性を決定して階調変換を行う。
・ステップS01:画像データのうち全体に対して影響が低い画像上下部及び照射野外部を省いた部分の縦方向(図6(a)中のy方向)のプロジェクション値(画像の濃度値や輝度値等の数値データの一方向の累積値)を求める(図6(b)参照)。
・ステップS02:求められた縦方向のプロジェクションから、中央部の1/3の範囲(図6(a)では1/3*x〜2/3*x)でプロジェクション値が最小値(Pcとする)を持つ点を正中線のコラム(Xc)とする。
・ステップS03:左右それぞれ画像全体の1/3のコラム(図6(a)の2/3*x、1/3*x)からそれぞれ画像の外側(左右方向)に向かって、プロジェクション値がしきい値(Tl,Tr)以下となる点を探し、最初にしきい値(Tl,Tr)以下となる点をそれぞれ肺野の左端・右端(Xl,Xr)とする。
なお、しきい値Tl,Trとしては、中央部の1/3の範囲でのプロジェクション値の最小値Pcと画像全体の1/3のコラムからプロジェクション値の最大値(Plx,Prx)に基づいて、以下の式により算出される。
Tl=((k1−1)*Plx+Pc)/k1
Tr=((k2−1)*Prx+Pc)/k2
ここで、k1とk2とは定数である。
・ステップS04:上のステップで決定した左端、右端で囲まれた領域での横方向(図6(a)中のx方向)のプロジェクションを求める(図6(c))。
・ステップS05:上下それぞれ画像全体の1/4倍,1/2倍のライン(図6中の1/4*y、1/2*y)からそれぞれ画像の外側(上下方向)に向かって、横方向のプロジェクション値がしきい値(Tt、Tb)以下の点を探し、最初にしきい値(Tt、Tb)以下となる点をそれぞれ右肺野の上端・下端(Yt,Yb)とする。
なお、しきい値Tt、Tbとしては、それぞれ画像全体の1/4*y〜1/2*yの範値におけるプロジェクション値の最大値Ptx、1/2*y〜4/5*yの範囲におけるプロジェクション値の最大値Pbx、その最大値のラインから画像の上方向の範囲におけるプロジェクション値の最小値Ptn、及びPbxのラインから画像の下側の範囲におけるプロジェクション値の最小値Pbnに基づいて、以下の式により算出される。
Tt=((k3−1)*Ptx+Ptn)/k3
Tb=((k4−1)*Pbx+Pbn)/k4
ここで、k3とk4とは定数である。なお、以上の式でしきい値を求めるのに用いたパラメータk1〜k4を変更可能とすることにより、認識する興味領域の範囲を調整することができる。
ROIの設定は、上述したように画像のプロファイルを解析して設定する場合に限られるものではなく、たとえば特開平5ー7578号公報で示されているように、各画素の画像データと判別分析法などにより決定したしきい値を比較して、比較結果に基づき識別符号を画素毎に付加するものとし、しきい値以上であることを示す識別符号の連続する画素群毎にラベリングを行って肺野領域を抽出し、抽出した肺野領域を基準として肺野および横隔膜下領域を含むようにROIを設定することができる。
また、特開昭62−26047号公報で示されているように、境界点追跡法を用いた肺野輪郭検出により肺野領域を認識して、認識した肺野領域を基準に肺野および横隔膜下領域を含むようにROIを設定するものとしてもよい。
さらに、診断を行う上で最も重要な部分を照射野の中央として撮影を行うことが一般的に行われていることから、照射野内領域の中央に円形あるいは矩形等の領域を設定してROIとすることもできる。
次に、設定されたROI内の画像データの累積ヒストグラムから代表値D1,D2を設定する。代表値D1、D2は累積ヒストグラムが所定の割合m1、m2となる画像データのレベルとして設定する。
代表値D1,D2が設定されると、予め設けられた正規化処理ルックアップテーブルを参照して、図8に示すように代表値D1、D2を所望の基準信号値T1、T2にレベル変換する正規化処理が行われる。ここで、特性曲線CCは、被写体に照射された放射線の放射線量に応じて出力される信号のレベルを示している。
次に、正規化処理によって得られた正規化画像データに階調変換処理が行われる。階調変換処理は、たとえば図9に示すような階調変換特性が用いられて、正規化画像データの基準信号値T1、T2のパラメータ値をレベルT1’、T2’として変換する。このレベルT1’、T2’は、出力画像における所定の輝度または写真濃度と対応するものである。
ここで、この階調変換特性は、LUT(ルックアップテーブル)の形式でメモリに保存され、撮影部位、撮影条件、撮影方法等に応じて、階調変換特性のパラメータ、例えばシフト値(S値)あるいは傾き(G値)の設定および調整がなされる。そして、階調変換特性は、最適なものとされた後に、画像データの階調変換に供される。例えば、このような技術は、特許文献1に記載されている。
また、画像処理の結果を表す指標として、階調変換特性におけるS値について、以下の特許文献2に記載されている。
また、階調変換が行われた画像データに対して周波数強調処理を行うことにより、画像の鮮鋭性を向上させる技術が、特許文献3に記載されている。
特開平09―16762号公報、(第1頁、図1) 特開2002―133410号公報、(第1頁、図1) 特開2001−120524号公報
被写体を撮影して得られる画像データは、被検体の各部位毎に特徴や条件が異なっているため、各部位毎に個別の判定処理が必要になる。また、各部位毎に適切な画像処理を施すために、オペレータによる各種設定が必要になる。

すなわち、被検体の各部位毎に特徴や条件が異なっていることや、画像処理のためにオペレータによる設定が必要になることから、画像処理の汎用性が狭いという問題を有している。
例えば、階調変換処理や周波数強調処理を行う場合、所望のコントラストを得ようとすれば、階調変換特性を変化させることで得ることも可能であるし、周波数強調特性を変化させることで得ることもできる。画像の可視範囲においても、階調変換特性を平均的な傾きより低くすることで可視範囲を広げることも可能であるし、イコライゼーション処理により可視範囲を広げることも可能である。
このように、1つの目的に対して複数のパラメータによる調整が必要な場合は、オペレータが実際に画像を出力して比較した結果、オペレータの判断により最終的なパラメータが決定されていた。
しかし、従来の方法では、パラメータは処理を行うためのアルゴリズムあるいはプログラミング的な要素から決定されるため、直感的には非常に分かりづらい。
例えば、上記ですでに触れたように、画像のコントラストを調整する機能として階調変換処理によるLUTの平均的な傾きを表すγ値を変更する方法がある。
一方、画像の鮮鋭度を調整する機能として周波数強調処理が考えられるが、周波数強調処理は画像のコントラストへ影響を与える。とくに低周波成分からの強調を行った場合は画像の大きな成分のレスポンスを操作することになり、画像のコントラストへの影響は少なくない。
したがって、オペレータが画像のコントラストをγ値で調整した後に、鮮鋭度の調整として周波数強調処理を操作した場合、画像のコントラストにまで影響を及ぼすことになり、所望の画像処理パラメータを得るまでに幾度も両方の処理を調整しなければならないという問題が生じる。
このため、画像処理内容を詳しく知らない場合、適切な値への変更は非常に難しいものであった。また、複数のパラメータが互いに独立ではなく、お互いを適切な値に調整することで最適なパラメータが得られる場合、画像処理内容を熟知していないと適切値を得ることはほとんど不可能であった。
また、以上のパラメータの決定に関しては、撮影部位毎に異なった状況になっている。例えば、肋骨を撮影した場合、そのポジショニングは様々で肺野部を多く含む場合もあれば、画像のほとんどが横隔膜下であるような場合がある。このように同一の撮影部位でもその濃度分布は多様であるが、診断においては、その画像の構成に応じて、適切に処理される必要がある。
すなわち、撮影部位によっても画像の様子が違っているため、撮影部位毎に、上述した画像処理内容を熟知していないと適切なパラメータを得ることができず、適切な画像処理をすることはほとんど不可能であった。
このような理由から、上述した従来技術では、出力画像の階調安定性が低いという問題が生じた。すなわち、出力画像が人間の視覚に捉え易い濃度となるように階調変換特性のパラメータを設定し、この階調変換特性に基づいて画像データを階調変換する場合、代表値D1、D2あるいは基準信号値T1、T2等の階調変換処理時に用いられる値に少しでも算出誤差が生じると、出力画像が所望の濃度から大きくずれしまっていた。このような場合、表示された出力画像を確認して被検体を診断する際に、被検体の疾患あるいは病変等を見落とすという重大な問題に繋がる恐れがあった。

本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであって、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能な画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを実現することを目的とする。
すなわち、前記した課題は、以下に列記する発明により解決される。
(1)請求の範囲第1項に記載の発明は、被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理と周波数強調処理とを施す画像処理装置であって、被写体を撮影して得た画像データに対して、所定の傾きGを有する階調変換特性に基づいて階調変換処理を施す階調変換処理部と、前記階調変換処理された画像データに対して、各周波数における強調度の特性である周波数強調特性に基づいて周波数強調処理を施す周波数強調処理部と、前記階調変換特性を算出すると共に、該階調変換特性に基づいて前記周波数強調特性を算出する画像処理条件算出部と、を備え、前記画像処理条件算出部は、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性を算出し、該階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を行う周波数強調特性を算出する、ことを特徴とする画像処理装置である。
(2)請求の範囲第2項に記載の発明は、画像データから算出される特徴量に基づいて標準的画像処理条件を算出する標準的画像処理条件算出部と、前記標準的画像処理条件算出部で算出される標準的画像処理条件と前記画像処理条件算出部で算出される階調変換特性を比較することにより、該階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定する判定手段を備え、前記画像処理条件算出部は、前記判定手段により階調変換特性が適正範囲に含まれないと判定された場合に、条件を変更して前記階調変換特性を算出し直す、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置である。
(3)請求の範囲第3項に記載の発明は、照射野として放射線が被写体を透過した照射野領域、または、被写体を透過しない放射線が検出される直接照射領域の少なくとも一方を検出する領域検出部を備え、前記画像処理条件算出部は、条件を変更して階調変換特性を算出し直す際には、前記領域検出部で検出される前記照射野領域の領域外あるいは前記直接放射線領域の画素を増加させる、ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の画像処理装置である。
(4)請求の範囲第4項に記載の発明は、前記画像処理条件算出部は、傾きGをスクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さく算出する際に、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならないように設定される、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置である。
(5)請求の範囲第5項に記載の発明は、前記画像処理条件算出部は、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から強調を行う周波数強調処理において、所定領域内のコントラストの平均値、最大値、最小値のいずれかが一定となるように設定される、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置である。
(6)請求の範囲第6項に記載の発明は、被写体を撮影して得た画像データに対して、所定領域内の処理後の最低コントラスト増幅率が所定の値になるように設定されるイコライゼーション処理を施すイコライゼーション処理部を備える、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置である。
(7)請求の範囲第7項に記載の発明は、前記判定手段は、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならない状態を適正範囲と判定する、ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の画像処理装置である。
(8)請求の範囲第8項に記載の発明は、前記画像処理条件算出部は、前記階調変換特性の傾きGとして予め定められた固定の値を用いる、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置である。
(9)請求の範囲第9項に記載の発明は、前記所定領域は予め定められたヒストグラムの割合、ROIの設定、特徴量の解析結果、のいずれかに基づく所定の基準に基づいて検出される、ことを特徴とする請求の範囲第4項乃至第7項のいずれか1項に記載の画像処理装置である。
(10)請求の範囲第10項に記載の発明は、階調変換特性の設定あるいは変更に関する入力がなされる操作部を備え、前記画像処理条件算出部は、前記操作部での入力を参照して前記階調変換特性を決定する、ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の画像処理装置である。
(11)請求の範囲第11項に記載の発明は、被写体を撮影して得た画像データに対して、階調変換特性に基づく階調変換処理と周波数強調特性に基づく周波数強調処理を施す画像処理方法であって、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性に基づいて、被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理を施すステップと、前記階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を施す周波数強調特性を算出するステップと、前記算出ステップにより算出された周波数強調特性に基づいて、前記階調変換処理が施された画像データに周波数強調処理を施すステップと、を有することを特徴とする画像処理方法である。
(12)請求の範囲第12項に記載の発明は、画像データから算出される特徴量に基づいて標準的画像処理条件を算出するステップと、前記標準的画像処理条件と前記階調変換特性を比較することにより、該階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定するステップと、前記判定ステップにより階調変換特性が適正範囲に含まれないと判定した場合に、算出条件を変更して前記階調変換特性を算出し直すステップと、を有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の画像処理方法である。
(13)請求の範囲第13項に記載の発明は、被写体を撮影して得た画像データに対して、階調変換特性に基づく階調変換処理と周波数強調特性に基づく周波数強調処理を施す画像処理プログラムであって、コンピュータに、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性に基づいて、被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理を施す処理と、前記階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を施す周波数強調特性を算出する処理と、前記算出処理により算出された周波数強調特性に基づいて、前記階調変換処理が施された画像データに周波数強調処理を施す処理と、を実行させることを特徴とする画像処理プログラムである。
(14)請求の範囲第14項に記載の発明は、画像データから算出される特徴量に基づいて標準的画像処理条件を算出する処理と、前記標準的画像処理条件と前記階調変換特性を比較することにより、該階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定する処理と、前記判定処理により階調変換特性が適正範囲に含まれないと判定した場合に、算出条件を変更して前記階調変換特性を算出し直す処理と、を更に含んで実行させることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の画像処理プログラムである。
以上、説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)請求の範囲第1項に記載の発明では、被写体を撮影して得た画像データに対して、所定の傾きGを有する階調変換特性に基づいて階調変換処理を施し、前記階調変換処理された画像データに対して、各周波数における強調度の特性である周波数強調特性に基づいて周波数強調処理を施す際に、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性を算出し、さらに、該階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を行う周波数強調特性を算出するようにしている。
ここで、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性による階調変換処理により階調の変動が抑えられ、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を行う周波数強調特性のよる周波数強調処理により画像各部のコントラストが得られるようになる。
この結果、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(2)請求の範囲第2項に記載の発明は、上記(1)で算出される階調変換特性を、画像データから算出される特徴量に基づいて算出される標準的画像処理条件と比較することにより、上記(1)で算出される階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定し、適正範囲に含まれないと判定された場合に、条件を変更して上記(1)の階調変換特性を算出し直す。
なお、適正範囲についての設定は、予め設定された適正範囲を示す値、あるいは、走査入力部などから入力された適正範囲を示す値が用いられる。
この結果、適正な階調変換特性が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(3)請求の範囲第3項に記載の発明では、領域検出部を備え、領域検出部で検出される照射野領域の領域外あるいは直接放射線領域の画素を増加させるようにして、画像処理条件算出部が条件を変更して階調変換特性を算出し直す。
この結果、適正な領域に基づいた画像処理条件が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(4)請求の範囲第4項に記載の発明では、前記画像処理条件算出部にて傾きGをスクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さく算出する際に、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならないように、画像処理条件の算出がなされる。
この結果、信号値の差が小さい画素間でもコントラストを失わない状態が保たれ、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(5)請求の範囲第5項に記載の発明では、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から強調を行う周波数強調処理において、所定領域内のコントラストの平均値、最大値、最小値のいずれかが一定となるように、画像処理条件の算出がなされる。
この結果、所定領域内の画像処理後の統計的な性質を一定に保つことが可能になり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(6)請求の範囲第6項に記載の発明では、被写体を撮影して得た画像データに対して、所定領域内の処理後の最低コントラスト増幅率が所定の値になるように設定されるイコライゼーション処理が施される。
この結果、イコライゼーション処理によって所定領域内の処理後の最低コントラスト増幅率が所定の値になるため、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(7)請求の範囲第7項に記載の発明では、上記(1)で算出される階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定する場合、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならない状態を適正範囲と判定する。
この結果、信号値の差が小さい画素間でもコントラストを失わない状態が適正範囲であるとして適正な画像処理条件が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(8)請求の範囲第8項に記載の発明では、階調変換特性の傾きGとして予め定められた固定の値を用いる。
この結果、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、固定の値の傾きGにより階調の変動が抑えられ、画像解析による変動も抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(9)請求の範囲第9項に記載の発明では、上記(4)〜(7)における所定領域は、予め定められたヒストグラムの割合、ROIの設定、特徴量の解析結果、のいずれかに基づく所定の基準に基づいて検出される。
この結果、診断上重要な領域に基づいて画像処理条件が決定されるようになり、各種の変動を受けにくくなり、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(10)請求の範囲第10項に記載の発明では、階調変換特性の設定あるいは変更に関する入力がなされる操作部を備えており、操作部での入力を参照して画像処理条件算出部は階調変換特性を決定している。
この結果、オペレータの意志が反映された状態で画像処理条件が決定されるようになり、各種の変動を受けにくくなり、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(11)請求の範囲第11項に記載の発明では、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性に基づいて、被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理を施し、前記階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を施す周波数強調特性を算出し、算出された周波数強調特性に基づいて、前記階調変換処理が施された画像データに周波数強調処理を施すようにしている。
この結果、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(12)請求の範囲第12項に記載の発明では、画像データから算出される特徴量に基づいて算出される標準的画像処理条件と上記(11)の階調変換特性を比較することにより、上記(11)の階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定し、適正範囲に含まれないと判定した場合に、算出条件を変更して上記(11)の階調変換特性を算出し直す。
この結果、適正な階調変換特性が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(13)請求の範囲第13項に記載の発明では、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性に基づいて、被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理を施し、前記階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を施す周波数強調特性を算出し、算出された周波数強調特性に基づいて、前記階調変換処理が施された画像データに周波数強調処理を施すようにしている。
この結果、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(14)請求の範囲第14項に記載の発明では、画像データから算出される特徴量に基づいて算出される標準的画像処理条件と上記(13)の階調変換特性を比較することにより、上記(13)の階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定し、適正範囲に含まれないと判定した場合に、算出条件を変更して上記(13)の階調変換特性を算出し直す。
この結果、適正な階調変換特性が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
本発明の実施形態の全体構成あるいは全体処理の流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態における処理例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における階調変換処理の特性と周波数強調処理の特性とを説明する特性図である。 本発明の実施形態の全体構成あるいは全体処理の流れを示すブロック図である。 本発明の実施形態の全体構成あるいは全体処理の流れを示すブロック図である。 胸部への画像処理の様子を説明するための説明図である。 本発明の実施形態におけるG値とS値とを説明する説明図である。 正規化処理を示す説明図である。 階調変換特性を示す説明図である。
符号の説明
100 画像処理装置
110 画像データ入力部
120 標準的画像処理条件算出部
130 画像処理条件算出部
140 画像処理条件判定部
160 画像処理部
180 画像出力部
以下、図面を参照して本発明の実施をするための最良の形態を詳細に説明する。
本発明の実施をするための最良の形態において、画像処理装置の好適な実施の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
〈第1の実施形態〉
この第1の実施形態の各手段は、ハードウェアやファームウェア、またはソフトウェアで構成することが可能である。このため、各ステップ,各手段,各ルーチンの処理手順に沿った機能ブロック図としての図1を示す。
全体構成:
図1に示す画像処理装置100は、被写体を撮影して得た画像データに対して、画像データに応じた指標に基づいて、イコライゼーション処理,階調変換処理,周波数強調処理などの各種の画像処理を施して出力する画像処理装置である。
ここで、イコライゼーション処理とは、非鮮鋭画像信号に基づいて画像信号のダイナミックレンジを圧縮することにより、ダイナミックレンジの広い画像でも画像全体を見やすい濃度範囲に収めるための画像処理である。
また、階調変換処理は、予め定めた階調変換特性を有するLUTに基づく階調変換を施し、所望の階調の画像(出力信号値) を生成する処理である。ここで、画像データは、画像処理装置が備える階調変換処理部の階調変換特性により、特に関心領域が人間の視覚に捕らえ易いように階調変換されてから表示されるようになっている。この階調変換特性は、LUTの形式でメモリに保存されており、必要に応じて、階調変換特性のパラメータ、例えばシフト値(S値)あるいは傾き(G値)の設定および調整がなされる。そして、階調変換特性は、最適なものとされた後に、画像データの階調変換に供される。
また、周波数強調処理とは、画像の空間周波数特性をコントロールすることにより、撮影された画像データに含まれる人体の構造物をより鮮鋭に表現するための処理である。
そして、画像処理装置100は、図1に示すように、画像データが外部から入力される画像データ入力部110、画像データから抽出した特徴量に基づいて標準的な画像処理条件を算出する標準的画像処理条件算出部120、この実施形態特有の画像処理条件を算出する画像処理条件算出部130、この実施形態特有の画像処理条件が適正な範囲であるかを標準的な画像処理条件に基づいて判定する画像処理条件判定部140(本発明の判定手段)、イコライゼーション処理や階調変換処理や周波数強調処理を実行する画像処理部160、画像処理が施された画像データを外部に出力する画像出力部180、により構成されている。
また、画像処理部160には、少なくとも、イコライゼーション処理を実行するイコライゼーション処理部161と、階調変換処理を実行する階調変換処理部162と、周波数強調処理を実行する周波数強調処理部163とが含まれている。
なお、以上の図1における各部(各手段)は、画像処理装置100を構成する構成要素であるが、画像処理方法の各ステップ、画像処理プログラムの各ルーチンを構成するものでもある。また、以上の画像処理装置100は、CPUやメモリなどと処理プログラムを組み合わせて構成することも可能であるが、プログラマブルなゲートアレイなどを用いて構成することも可能である。
処理の流れ:
以下、本実施形態の画像処理装置100の動作(処理)状態について、図2のフローチャートも参照して説明を行う。
(a)画像データ取得:
画像データ入力部110では、放射線撮影などによって得られた各種の医用画像について、放射線画像撮影装置や放射線画像読み取り装置などから送られてきた画像データが取得される(図2S1)。
すなわち、画像データ入力ステップに用いられる画像データ入力部110では、例えば、被写体を透過した放射線を検知して、画像データを生成する。あるいは、被写体を透過した放射線から生成された画像データを、外部機器より受信する。
具体的な構成例としては、輝尽性蛍光体プレートを用いたものとして、特開平11-142998号公報や特開2002-156716号公報に記載されたものがある。また、フラットパネルディテクタ(FPD)を入力装置として用いるものには、特開平6-342098号公報に記載された、検出したX線を直接電荷に変換し、画像データとして取得するものや、特開平9-90048号公報に記載された、検出したX線を一旦光に変換した後、その光を受光して電荷に変換する、間接方式のものがある。
(b)画像処理条件算出:
画像処理条件の算出として、階調変換特性の算出と周波数強調特性の算出とが存在している。
(b−1)階調変換特性算出:
画像データ入力部110で取得された画像データは、画像処理のために画像処理部160に送信されるほか、画像処理条件の算出のために標準的画像処理条件算出部120と画像処理条件算出部130とに送信される。
この画像処理条件算出部130では、まず、内蔵する関心領域検出部(図示せず)によって関心領域(ROI)を認識し決定する(図2S2)。そして、画像処理条件算出部130は、この認識された関心領域内の画像データの分布などを解析することによって、階調変換特性の算出を行う(図2S3)。
ここでは、画像処理条件算出部130は、後述する周波数強調特性に基づいて周波数強調処理部163で周波数強調処理を施す際に、低周波領域から強調を行う周波数強調処理を実行することが可能なように、階調変換処理における傾きGを小さくした状態の階調変換特性を算出する。
図3(a)は従来の階調変換特性の傾き(破線)と本実施形態の階調変換特性の傾き(実線)とを対比して示す特性図である。なお、この特性図において、横軸は照射線量の対数、縦軸は濃度である。
この階調変換処理における階調変換特性の傾きGが大きいほど、階調変換処理後の画像データは高いコントラストを有することになる。したがって、従来は、診断上重要な領域に対して高いコントラストが得られるように、傾きGの大きい階調変換特性により階調変換処理を施すようにしていた。しかし、このような方法であると、高いコントラストを得る代償として、画像処理条件のぶれによる階調変換処理の変動が大きくなるという問題が生じていた。
そこで、この実施形態では、階調変換処理においては階調変換特性の傾きGを小さくしておいて、画像データ全体に濃淡をある程度つけるようにしておき、その後の周波数強調処理で低周波領域から強い周波数強調処理を施すことで、人体構造に高いコントラストを与える手法を採用する。
このように傾きG値を低く設定することで、画像処理条件の算出精度に許容巾を持つことが可能となり、高い階調安定性を有するものとなる。したがって、画像処理条件の算出精度が緩和されるため、従来から用いられていたコンソール上での部位設定キー操作に基づくROI算出の分類を少なく、あるいは不要とすることが可能となる。これにより、コンソール上のキー操作を大幅に低減、あるいは不要とすることができる。
なお、このように求めた小さい傾きGの階調変換特性について、階調変換特性曲線をシフトさせることでも変換特性を所望の状態にすることができ、このシフト量をS値とする。なお、たとえば、通常の階調変換特性としてのG値は3.0前後であるのに対し、本実施形態ではG値を1.5〜2.0程度に設定する。すなわち、傾きGを、通常スクリーンフィルム(S/F)系の撮影で得られる傾きの1/2〜2/3程度に設定する。
(b−2)画像処理条件適正判定:
また、以上のようなROI決定とROIに基づく階調変換特性のS値とG値の算出((S,G)の算出)と並行して、標準的画像処理条件算出部120は、画像データから特徴量Aを抽出し(図2S4)、その特徴量Aに基づいて同様にS値とG値を算出し、これを(S,G)′とする(図2S5)。
そして、標準的画像処理条件算出部120により求められた(S,G)′と、画像処理条件算出部120により求められた本実施形態の(S,G)を画像処理条件判定部140が比較し(図2S6)、上記(S,G)′から所定の範囲内に上記(S,G)が収まるかを調べる(図2S7)。
そして、上記(S,G)′から所定の範囲内に上記(S,G)が収まらない場合には(図2S7でN)、画像処理条件判定部140は画像処理条件算出部130に対して判定エラーを通知する。
この判定エラーの通知を受けた画像処理条件算出部130では、関心領域(ROI)の認識をやり直す(図2S8)。この場合、画像処理条件算出部130が領域検出部(図示せず)で検出される照射野領域の領域外あるいは直接放射線領域の画素を増加させるようにして関心領域を変更し、画像処理条件算出部130が条件を変更して画像処理条件を算出し直す(図2S3)。
そして、上記(S,G)′から所定の範囲内に上記(S,G)が収まる場合には(図2S7でY)、画像処理条件判定部140は画像処理条件算出部130に対して判定良好を通知する。この判定良好の通知を受けた画像処理条件算出部130は、階調変換処理部162で実行する階調変換処理の特性として、その時点での(S,G)を階調変換特性に決定する(図2S9)。
ここで、階調変換特性のS値とG値に関しては、図7(a)に示す特性図を用いて説明する。
図7(a)にはそれぞれ異なる階調変換特性L1、L2が示されている。なお、L1及びL2の示された象限において、縦軸は入力される信号値を示しており、横軸は出力される画像データの信号値を示している。G値(階調変換特性の傾き)を変化させると、画像データの信号値の範囲が変化し、画像のコントラストを変化させることができる。これを「LUTを回転させる」と言う。
また、S値(階調変換特性のy切片) を変化させると、画像データの信号値が増減する。これを「LUTをシフトさせる」と言う。
すなわち、上記したG値とS値を変化させることにより、例えば、図7(b)に示したヒストグラム(濃度値の頻度分布を示すグラフ)を有する画像データを、図7(c)に示したヒストグラムを有する画像データのように変換させることが可能となり、入力された信号値を所望の濃度(信号値)に変化させて出力することができる。
特徴量Aに基づいたS値とG値(S,G)′について説明する。
特徴量Aは、例えは画像に微分フィルタあるいはラプラシアンフィルタなどの高周波領域を抽出するフィルタ処理を行うことによって得られるエッジ成分の絶対値を算出することで得られる。この他にも、画像平均濃や、画像内の画素信号値の分散値や代表値等又はこれらの組み合わせを用いることができる。
特徴量Aに基づいたS値とG値(S,G)′の算出は、特徴量評価関数により評価された結果であるE(S′,G′)が特徴量AとなるようなS値、G値を求める。
特徴量評価関数Eは、例えば下記式で示される。
E(S,G)=EDGE(S,G)/ORG_E(S,G)
ここで、EDGE(S,G)はルックアップテーブル変換後の画像の平均コントラスト、ORG_E(S,G)はオリジナルの画像の平均コントラストである。
なお、特徴量Aに基づいたS値とG値の算出の詳細については、特開2005−109867号公報に記載のものを参照できる。
(b−3)周波数強調特性算出:
そして、画像処理条件算出部130では、決定された階調変換特性の(S,G)に基づいて、周波数強調処理部163が実行する周波数強調特性を決定する(図2S10)。なお、この実施形態では、階調変換処理においては階調変換特性の傾きGを小さくしておいて、画像データ全体に濃淡をある程度つけるようにしておき、その後の周波数強調処理により低周波領域から強い周波数強調処理を施すようにする。
この周波数強調特性の決定は、例えば次のようにして決定することができる。基本強調度としてβを与える。この基本強調度βはステップ差10のステップエッジのエッジ部のコントラストを表すもので、例えば、周波数強調処理や階調変換処理によりステップ差が20になればβ=2.0となる。一般に、変換後のステップ差をXとした場合、β=X/10で与えられるものとする。
さて、階調変換特性の平均的な傾きG値がG1であり、基本強調度がβ1のとき、周波数強調度fをf=β1−G1(β1>G1)とする。G1>β1の場合はf=0とする。このようにすることにより、傾きG値の変化に依存して、周波数強調度fも変わり、ステップの増加率をつねに基本強調度β1に保つことができる。
更に、この際平均的な傾きGが小さいほど、強調周波数帯域を低周波からの強調にシフトすることで、画像全体のコントラストを補うことができる。この他、階調変換特性のシフトS値の量によって線量をある程度推定できるので、線量が少ない場合は、基本強調度を低くして粒状の良い画像を作成しても良い。
図3(b)は従来技術に係る周波数強調特性(破線)と本実施形態の周波数強調特性(実線)とを対比して示す特性図である。なお、この特性図において、横軸は空間周波数、縦軸は強調度である。
ここで、従来は、空間周波数の高周波領域(0.5cycle/mmで最高強調度Emaxの約半分0.5×Emaxに達するような周波数特性)で強調を施すようにしていたが、本実施形態では、低周波領域(上記高周波の周波数特性の約1/10で最高強調度Emaxの約半分0.5×Emaxに達するような周波数特性)から強い強調を施すようにしている。なお、この実施形態として、(S,G)のうちGは固定としておいて階調の変動を防止する場合には、S値に基づいて周波数強調特性を決定することになる。
(c)画像処理実行:
以上のようにして、画像処理条件算出部130によって決定された階調変換特性は階調変換処理部162に伝えられ、イコライゼーション処理部161によりイコライゼーション処理が施された画像データに対して、階調変換処理部162にて階調変換処理が実行される。そして、画像処理条件算出部130によって決定された周波数強調特性は周波数強調処理部163に伝えられ、階調変換処理が施された画像データに対して、周波数強調処理部163で周波数強調処理が実行される(図2S11)。このようにして、イコライゼーション処理と階調変換処理と周波数強調処理が施された画像データは、画像出力部180から外部の機器に対して出力される。
なお、イコライゼーション処理部161では、従来からの通常のイコライゼーション処理よりも強いイコライゼーション処理を施すようにしてもよい。この結果、イコライゼーション処理によって所定領域内の処理後の最低コントラスト増幅率が所定の値になるため、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られる状態の汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
その他の実施形態(1):
階調変換特性の判定(図2S4〜S7)の代わりに、階調変換処理結果から適正・不適正を判定することも可能である。すなわち、階調変換処理部162にてG値を標準的な傾きより小さく算出する際に、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならない状態を、画像処理条件判定部140で適正と判定してもよい。
この場合、図4に示すように、画像処理条件算出部130により算出された階調変換特性により階調変換処理部162で階調変換処理を実行する。そして、その階調変換処理結果を画像処理条件判定部140が判定する。不適である場合には、画像処理条件判定部140からのエラー通知により、画像処理条件算出部130が階調変換特性を算出し直す。
また、この場合、診断上重要な領域を抽出し、階調変換処理後のその領域のコントラスト増幅率の平均値、最大値、最小値のいずれかの統計量がしきい値を越えた場合に、画像処理条件判定部140が不適だと判断してエラー通知を発するようにしてもよい。
この結果、信号値の差が小さい画素間でもコントラストを失わない状態が適正範囲であるとして適正な画像処理条件が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られる状態の汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
また、このように診断上重要な領域を抽出する際の特徴量による領域認識手法としては、例えば、画像エッジのコントラスト(画素値の絶対値)を用いることができる。このようにすることで、診断上重要となる被写体の構造を構成するエッジ部に高い重みを付すことが可能になる。ここで、エッジ領域の抽出にはラプラシアンフィルタなどの微分フィルタを用いることもできるし、ウェーブレット変換のような多重解像度処理を用いることもできる。
このほか、診断上重要な領域は画像データの中央部分に配置されていることが多いため、画像データの中央部分に高い重みを付けることも有効である。ほかにも、画像の濃度が著しく高いあるいは低い場合には低い重みを付けるようにしたり、近傍エッジとの連結度が高いほど高い重みを付けることも有効である。さらに、画素近傍の統計量、例えば分散値などを調べることで画素近傍の粒状性を調べ、この分散値がある一定の範囲にある場合には粒状性が悪いと判断して重みを下げることも有効である。
その他の実施形態(2):
図5に示すように、画像処理装置100内部には、オペレータからの操作入力を受け付ける操作部115を備えている場合がある。このような構成の画像処理装置100において、操作入力部115を介して画像処理条件に関するパラメータが入力される場合、画像処理条件算出部130は、操作部115からの入力されたパラメータも参照しつつ、階調変換処理においては階調変換特性の傾きGを小さくしておいて、画像データ全体に濃淡をある程度つけるようにしておき、その後の周波数強調処理で低周波領域から強い周波数強調処理を施すように画像処理条件を算出する。但し、操作部115から入力されたパラメータによって、画像処理条件判定部140の判定で不適となる場合には、入力されたパラメータよりも画像処理条件算出部130が算出する画像処理条件を優先させる。
ここで、腰椎側面を診断する場合を例にあげて、以下説明する。
一般に、腰椎側面を診断する場合において、出力画像を人間の視覚に捕らえ易い画像とするには、第3腰椎周辺が濃度1.0前後に設定されたものであるといわれている。例えば、傾きG値=2.5と設定して第3腰椎を濃度1.0で出力する場合を考えると、ヒストグラム解析あるいはROI認識などにより第三腰椎の信号値を決定(推定)し、この信号値が濃度1.0で出力されるようにシフトS値を算出する。
今、第3腰椎の信号値において基準となる値(基準信号値)を決定するにあたり、実際の第3腰椎の信号値からΔsずれたとし、これにより画像の濃度が1.0からΔdずれて出力されたとする。
一方、本発明で示すように、傾きG値をスクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾き(ここでは、傾きG値=1.8とする)とし、低周波領域からの強調により画像にコントラストを与える処理を行う場合を考えると、強調度を調整することにより(経験的に強調度0.5、傾きG値=2.5に対して強調度1.5、傾きG値=1.8程度で同等な濃度の出力画像が得られる)、画像内の構造物や細部の描写については同様に観察することができる画像が得られる。この場合、G値は1.8/2.5=0.72倍となっているので、出力画像の濃度差は0.72Δdとなる。したがって、本発明では濃度の変動を72%に抑えることが可能となる。言い換えると、シフトS値の算出(調整)を厳密に行う必要がなくなり、多少の算出誤差が生じていても出力画像の濃度を濃度1.0にすることができる。
実施形態の効果:
以上のような本実施形態における各部の動作態様とそれにより得られる効果を列記すると以下の(a)〜(j)のようになる。
(a)この実施形態では、被写体を撮影して得た画像データに対して、所定の傾きGを有する階調変換特性に基づいて階調変換処理を施し、前記階調変換処理された画像データに対して、各周波数における強調度の特性である周波数強調特性に基づいて周波数強調処理を施す際に、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性を算出し、さらに、該階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を行う周波数強調特性を算出するようにしている。
ここで、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性による階調変換処理により階調の変動が抑えられ、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を行う周波数強調特性による周波数強調処理により画像各部のコントラストが得られるようになる。
この結果、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
なお、例えば、肋骨を撮影した場合、そのポジショニングは様々で肺野部を多く含む場合もあれば、画像のほとんどが横隔膜下であるような場合がある。このように同一の撮影部位でもその濃度分布は多様であるが、診断においては、その画像の構成に応じて、適切に処理される必要があり、従来はオペレータによる画像処理条件の設定が困難であった。このため、撮影部位毎に、画像処理内容を熟知していないと適切なパラメータを得ることができず、適切な画像処理をすることはほとんど不可能であった。しかし、本実施形態によれば、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能となる。そのため、診断情報を得るためのダイナミックレンジが広いにも関わらず、すべての濃度レンジで十分なコントラストとなっており、診断に適した画像を得ることができる。
(b)この実施形態は、上記(a)で算出される階調変換特性を、画像データから算出される特徴量に基づいて算出される標準的画像処理条件と比較することにより、上記(1)で算出される階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定し、適正範囲に含まれないと判定された場合に、条件を変更して、上記(a)の階調変換特性を算出し直す。なお、適正範囲についての設定は、予め設定された適正範囲を示す値、あるいは、走査入力部などから入力された適正範囲を示す値が用いられる。
この結果、適正な階調変換特性が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(c)この実施形態では、領域検出部を備え、領域検出部で検出される照射野領域の領域外あるいは直接放射線領域の画素を増加させるようにして、画像処理条件算出部が条件を変更して階調変換特性を算出し直す。
この結果、適正な領域に基づいた画像処理条件が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(d)この実施形態では、前記画像処理条件算出部にて傾きGをスクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さく算出する際に、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならないように、画像処理条件の算出がなされる。
この結果、信号値の差が小さい画素間でもコントラストを失わない状態が保たれ、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(e)この実施形態では、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から強調を行う周波数強調処理において、所定領域内のコントラストの平均値、最大値、最小値のいずれかが一定となるように、画像処理条件の算出がなされる。
この結果、所定領域内の画像処理後の統計的な性質を一定に保つことが可能になり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(f)この実施形態では、被写体を撮影して得た画像データに対して、所定領域内の処理後の最低コントラスト増幅率が所定の値になるように設定されるイコライゼーション処理が施される。
この結果、イコライゼーション処理によって所定領域内の処理後の最低コントラスト増幅率が所定の値になるため、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(g)この実施形態では、上記(a)で算出される階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定する場合、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならない状態を適正範囲と判定する。
この結果、信号値の差が小さい画素間でもコントラストを失わない状態が適正範囲であるとして適正な画像処理条件が算出されるようになり、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、階調の変動が抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(h)この実施形態では、階調変換特性の傾きGとして予め定められた固定の値を用いる。この結果、被検体の部位やオペレータの設定にかかわらず、固定の値の傾きGにより階調の変動が抑えられ、画像解析による変動も抑えられ、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(i)この実施形態では、上記(d)〜(g)における所定領域は、予め定められたヒストグラムの割合、ROIの設定、特徴量の解析結果、のいずれかに基づく所定の基準に基づいて検出される。この結果、診断上重要な領域に基づいて画像処理条件が決定されるようになり、各種の変動を受けにくくなり、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。
(j)この実施形態では、階調変換特性の設定あるいは変更に関する入力がなされる操作部を備えており、操作部での入力を参照して画像処理条件算出部は階調変換特性を決定している。この結果、オペレータの意志が反映されつつ、本実施形態の特徴的な画像処理条件が決定されるようになり、各種の変動を受けにくくなり、画像各部で十分なコントラストが得られるので、汎用性の高い状態で適切な画像処理をすることが可能になる。

Claims (14)

  1. 被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理と周波数強調処理とを施す画像処理装置であって、
    被写体を撮影して得た画像データに対して、所定の傾きGを有する階調変換特性に基づいて階調変換処理を施す階調変換処理部と、
    前記階調変換処理された画像データに対して、各周波数における強調度の特性である周波数強調特性に基づいて周波数強調処理を施す周波数強調処理部と、
    前記階調変換特性を算出すると共に、該階調変換特性に基づいて前記周波数強調特性を算出する画像処理条件算出部と、を備え、
    前記画像処理条件算出部は、スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性を算出し、該階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を行う周波数強調特性を算出する、ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 画像データから算出される特徴量に基づいて標準的画像処理条件を算出する標準的画像処理条件算出部と、前記標準的画像処理条件算出部で算出される標準的画像処理条件と前記画像処理条件算出部で算出される階調変換特性を比較することにより、該階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定する判定手段を備え、
    前記画像処理条件算出部は、前記判定手段により階調変換特性が適正範囲に含まれないと判定された場合に、条件を変更して前記階調変換特性を算出し直す、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置。
  3. 照射野として放射線が被写体を透過した照射野領域、または、被写体を透過しない放射線が検出される直接照射領域の少なくとも一方を検出する領域検出部を備え、
    前記画像処理条件算出部は、条件を変更して階調変換特性を算出し直す際には、前記領域検出部で検出される前記照射野領域の領域外あるいは前記直接放射線領域の画素を増加させる、ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像処理条件算出部は、傾きGをスクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さく算出する際に、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならないように設定される、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像処理条件算出部は、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から強調を行う周波数強調処理において、所定領域内のコントラストの平均値、最大値、最小値のいずれかが一定となるように設定される、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置。
  6. 被写体を撮影して得た画像データに対して、所定領域内の処理後の最低コントラスト増幅率が所定の値になるように設定されるイコライゼーション処理を施すイコライゼーション処理部を備える、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記判定手段は、所定領域内の画素に関して、階調変換処理前に信号値の差が1以上である画素間で、階調変換処理後に信号値の差が0にならない状態を適正範囲と判定する、ことを特徴とする請求の範囲第2項に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像処理条件算出部は、前記階調変換特性の傾きGとして予め定められた固定の値を用いる、ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記所定領域は予め定められたヒストグラムの割合、ROIの設定、特徴量の解析結果、のいずれかに基づく所定の基準に基づいて検出される、ことを特徴とする請求の範囲第4項乃至第7項のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 階調変換特性の設定あるいは変更に関する入力がなされる操作部を備え、
    前記画像処理条件算出部は、前記操作部での入力を参照して前記階調変換特性を決定する、ことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 被写体を撮影して得た画像データに対して、階調変換特性に基づく階調変換処理と周波数強調特性に基づく周波数強調処理を施す画像処理方法であって、
    スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性に基づいて、被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理を施すステップと、
    前記階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を施す周波数強調特性を算出するステップと、
    前記算出ステップにより算出された周波数強調特性に基づいて、前記階調変換処理が施された画像データに周波数強調処理を施すステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  12. 画像データから算出される特徴量に基づいて標準的画像処理条件を算出するステップと、
    前記標準的画像処理条件と前記階調変換特性を比較することにより、該階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定するステップと、
    前記判定ステップにより階調変換特性が適正範囲に含まれないと判定した場合に、算出条件を変更して前記階調変換特性を算出し直すステップと、
    を有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の画像処理方法。
  13. 被写体を撮影して得た画像データに対して、階調変換特性に基づく階調変換処理と周波数強調特性に基づく周波数強調処理を施す画像処理プログラムであって、
    コンピュータに、
    スクリーンフィルム系の撮影で得られる傾きより小さい傾きGを有する階調変換特性に基づいて、被写体を撮影して得た画像データに対して階調変換処理を施す処理と、
    前記階調変換特性に基づいて、空間周波数が0.5cycle/mm未満の低周波領域から周波数強調を施す周波数強調特性を算出する処理と、
    前記算出処理により算出された周波数強調特性に基づいて、前記階調変換処理が施された画像データに周波数強調処理を施す処理と、
    を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
  14. 画像データから算出される特徴量に基づいて標準的画像処理条件を算出する処理と、
    前記標準的画像処理条件と前記階調変換特性を比較することにより、該階調変換特性が適正範囲に含まれるか否かを判定する処理と、
    前記判定処理により階調変換特性が適正範囲に含まれないと判定した場合に、算出条件を変更して前記階調変換特性を算出し直す処理と、
    を更に含んで実行させることを特徴とする請求の範囲第13項に記載の画像処理プログラム。
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