JP4819485B2 - 流路形成体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体レーザー素子や半導体デバイス等の発熱体の放熱などに用いられる流路形成体の製造方法及び流路形成体に関する。
近年、様々な分野で使用される半導体レーザー素子や半導体デバイス等は、大きな発熱量を持つため、その冷却のためにヒートシンクが一般的に使用される。
ヒートシンクは、近年の半導体デバイス等の高輝度化、高出力化に伴い、更に高い冷却性能が要求され、また、長期間安定して半導体デバイス等を冷却できるように耐久性等が要求されるため、様々なヒートシンクが考案されている。
このようなヒートシンクは、その性能をさらに高めるために、ヒートシンクの大型化、板厚が増加するなどの傾向が生じ、近年ますます小型化する半導体デバイス等に適応することが望まれていた。
そこで、水冷式のヒートシンク51の構造が開示されている。
図5は、水冷式ヒートシンク51の断面図であり、図6はその分解断面図である。
このヒートシンク51は、板状をなす3枚の母材の上板材52、中間板材53、下板材54を有している。上板材52及び下板材54は、横断面形状が凹字形状であり、中間部材53は平板形状に形成されている、板材としては、熱伝導性に優れる材料であるCuが使用されている。上板材52は中間板材53の上にハンダ層55を介して接合され、これらの板材52,53の間には上流路56が形成され、下板材54は中間板材53の下部にハンダ層57を介して接合され、これらの板材53,54の間には下流路58が形成されている。中間板材53には、上下流路56,58を連通する貫通孔59が形成され、下板材54には、冷却水の出口60が形成され、上板材52には冷却水の入口61が形成されている。そして、上板材52の表面には、ヒートシンク51に冷却される半導体デバイス62がハンダ層63を介して接合されている。
こうしたヒートシンク51は、ヒートシンク51外の入口61及び出口60間に図示しない送水ポンプが接続され、冷却水が、入口61、上流路56、貫通孔59、下流路58及び出口60の順に流通してヒートシンク51が半導体デバイス62から発生する熱を吸収することができる。
このような、ヒートシンク51は、次のような手段で接合される。
先ず、母材としての板材52〜54を用意し、上下流路56,58、貫通孔59、入口61及び出口60の形成方法としては、切削等の加工方法、鋳造、鍛造等の成型方法、又はエッチング等の表面処理方法等の方法を用いて形成される。
各板材52〜54の接合前の処理として、真空中で不活性ガス等を励起させ、反応性の高いプラズマ状態にしてコーティング層に接触させるプラズマ処理により、各層の接合面を清浄することが好ましい。これにより、拡散接合を阻害する、汚染物質を除去する。なお、汚染物質の除去は、ウェット処理などの他の洗浄方法により行っても良い。
そして、プラズマ処理により清浄された各板材52〜54の表面に、図示しないNiコーティング層、さらにこのNiコーティング層の上にAuコーティング層(図示せず)を被覆する。そして、各板材52〜54の接合面に、Au−Sn合金又は純Snハンダのハンダ層55,57を介在させる。
なお、Niコーティング層は、板材52〜54とAuコーティング層との間に被覆される接着層として使用される。Auコーティングは、耐食性が高く、ヒートシンクに発生する腐食、エロージョン・コロージョン、又は電解腐食等を防止するために使用される。また、各板材52〜54のハンダ層55,57による接合は、還元性雰囲気、又は窒素ガスやアルゴンガス等の非酸化性雰囲気、若しくは真空中で接合を行うのが好ましい。
特開2000−93781号 特開2004−186212号 特開平11−346480号
上述のような、水冷式のヒートシンクは、熱吸収性に優れたものであるが、流路を形成した板材を接合(張り合わせ)して形成され、形状も小さいものがあり、圧力下で使用された場合に、接合部が完全でないものなどは破損するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数の金属板などの張り合わせ技術を用いることなく、一体構造で内部に緻密かつ自由形状の流路を作成する流路形成体の製造方法提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の流路形成体の製造方法は、溶解されるべき任意の溶液に溶解する母材に流路形成部を設け、前記溶液に対して非溶解性の材料を、流路形成部が形成された母材面に、1回目の電鋳メッキによる厚膜のメッキ層を形成し、母材とメッキ層からなる重合体のうち前記流路形成部を残して前記母材をメッキ層から削除し、前記溶液に対して非溶解性の材料を、前記メッキ層の前記流路形成部を配設した面に、2回目の電鋳メッキによる厚膜のメッキ層を形成することによって、これらのメッキ層によって前記流路形成部を囲み、該メッキ層の表面に前記流路形成部の表面に連通する入口孔と出口孔を形成し、前記溶液を前記入口孔及び/又は前記出口孔に流入させることによって、前記流路形成部を前記溶液によって溶解し、メッキ層の内部に前記流路形成部に対応する形状の流体の流路を形成するようにした。
上記流路形成体の製造方法は、前記メッキ層がCuによる電鋳メッキによって形成され、流路に冷却水が流れる水冷式ヒートシンクとすることができる。
また、流路形成体の製造方法は、前記母材がAlであって、前記溶液がアルカリ溶液とした。
さらに、上記流路形成体の製造方法は、前記1回目及び前記2回目の電鋳メッキの前に前記流路形成部の表面に前記流体に対して前記メッキ層の材質よりも耐食性のある材料によってコーティング膜を形成することができる。
発明の流路形成体の製造方法は、溶解されるべき任意の溶液に溶解する母材に流路形成部を設け、前記溶液に対して非溶解性の材料を、流路形成部が形成された母材面に、1回目の電鋳メッキによる厚膜のメッキ層を形成し、母材とメッキ層からなる重合体のうち前記流路形成部を残して前記母材をメッキ層から削除し、前記溶液に対して非溶解性の材料を、前記メッキ層の前記流路形成部を配設した面に、2回目の電鋳メッキによる厚膜のメッキ層を形成することによって、これらのメッキ層によって前記流路形成部を囲み、該メッキ層の表面に前記流路形成部の表面に連通する入口孔と出口孔を形成し、前記溶液を前記入口孔及び/又は前記出口孔に流入させることによって、前記流路形成部を前記溶液によって溶解し、メッキ層の内部に前記流路形成部に対応する形状の流体の流路を形成するようにしたので、接合部のない流路形成体を得ることができる。また、流路形成部の全体が厚膜メッキで形成されているので、強度の大きいヒートシンクとなり、流体による大きな圧力に耐えることができる。
上記流路形成体の製造方法は、前記メッキ層がCuによる電鋳メッキによって形成され、流路に冷却水が流れる水冷式ヒートシンクとしたので、半導体デバイスを効率よく冷却できる。
また、流路形成体の製造方法は、前記母材がAlであって、前記溶液がアルカリ溶液としたので、ヒートシンクの製造が容易になる。すなわち、Alは柔らかく加工が容易である反面、アルカリ溶液にも容易に溶ける性質があるので、作業時間を短くする効果がある。
さらに、上記流路形成体の製造方法は、前記1回目及び前記2回目の電鋳メッキの前に前記流路形成部の表面に前記流体に対して前記メッキ層の材質よりも耐食性のある材料によってコーティング膜を形成することができる。
また、本発明の流路形成体の製造方法によって形成された流路形成体は、外側に成形体本体が設けられ、成形体本体の内部に流体が通る流路が形成されるとともに、成形体本体に前記流路に連通する流体の入口と出口を形成した流路形成体において、前記成形体本体が電鋳メッキによる厚膜のメッキ層によって、全体が一体成形によって形成したので、接合部のない成形体本体を得ることができる。また、成形体本体の全体が厚膜メッキで形成されているので、強度の大きいヒートシンクとなり、流体による大きな圧力に耐えることができる。
上記流路形成体は、前記成形体本体がCuによる電鋳メッキによって形成され、流路に冷却水が流れる水冷式ヒートシンクとしたので、半導体デバイスを効率よく冷却できる。
また、上記流路形成体は、前記成形体本体に形成した流路の内面に耐食性の被膜をコーティングしたので、成形体本体の腐食を防止し、ヒートシンクの寿命を長期間にすることができる。
上記流路形成体の耐食性の被膜は、Ti,Ni,Auのうちいずれか1種又はTi,Ni,Auのうち少なくとも2種以上の多層の被膜とすることができる。
以下、本発明の実施の形態による水冷式ヒートシンクについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係わる水冷式ヒートシンクの斜視図、図2はそのヒートシンクの内部に設けられている流路の平面図である。
水冷式のヒートシンク1は外観形状が、四角形状の成形体本体2とその内部に形成された流路3を有する。成形体本体2の一側面部には、円柱形の冷却水の出口4と入口5が形成され、ヒートシンク1の内部で冷却水の流路3と連通されている。ヒートシンク1は、電鋳メッキの厚膜の被膜層で形成され、本実施の形態では全体がCu(銅)で形成され、内部に形成された流路3の表面にはTi(チタン)からなるコーティング被膜6が緻密かつ強固に被膜されている。コーティング被膜6については、Tiの他に、Ni(ニッケル),Au(金),Pt(白金)を使用することができ、さらに、Ti,Ni,Auのうち少なくとも2種以上の多層の被膜とすることもできる。
ヒートシンク1の流路3の厚さは、ヒートシンク1の大きさなどの関係で任意に設定できるが、本実施の形態では、水冷式ヒートシンクの典型値である0.2〜0.3mmに形成している。
流路3には、コ字形状の本流3aと本流3aの間を結ぶ複数の支流3bとが形成され、さらに支流3b,3b間を結ぶ連通路3cが形成され、本流3aの流れ方向の中間部に幅広に形成された区画室3dが設けられている。流路3の形状は、内部の冷却水が円滑に流れるのであれば、その形状は特に限定されず、支流3b,3b、連通路3c及び区画室3dがなく、1本の流路が形成されたもの、区画室3dのように室状に形成されたもの、クランク状、円弧形状など他の形状であってもよい。
ヒートシンク1の出入口4,5の位置は、共に成形体本体2の一側面部に形成したが、上面部側に出口を設け、下面部側に入口を形成してもよく、一側壁から他側壁に出入口を形成してもよい。また、流路3、出口4及び入口5の各々がそれぞれ複数あってもよい。
ヒートシンク1が冷却する半導体デバイスは、いずれかの面上に接触させるようにして設置され、ハンダや接着剤(図5参照)などで取付けられる一方、ヒートシンク1は基板などに接着材で固定したり、ヒートシンク1の流路3が位置しない肉部に、貫通孔を形成してネジなどで基板に固定できる。このヒートシンク1は、上述したように、電鋳メッキにより形成されたもので、機械的な接合部を有しないで形成されている。
以下、上記ヒートシンクの冷却水の流路の製造方法について、図3及び図4を参照にして説明する。
初めに、平板形状のAl(アルミニウム)板からなる母材11の表面をエッチングによるパターン加工によって、図3のAのように、後に冷却水の流路となるべく凸部12を形成する。この凸部12の形成方法については、エッチングの他に、機械加工やフォトリソ技術などによって形成することができる。
次いで、図3のBに示すように、Tiによるコーティング被膜13を形成する。コーティング被膜13は、通常はアルミナセラミックなどの絶縁体の表面に緻密で強固な金属薄膜を形成する技術として使用されているメタライズ成膜を形成する技術をそのまま使用し、母材11のAl材の表面に薄膜を形成するようにした。コーティング被膜13の厚さは、約0.1〜10μmである。コーティング被膜13の材料として、Tiの他Cr、Ni,Auなどが用いられ、流路内壁を通る液体の用途に応じて材料を使い分ける。コーティング被膜13はスパッタリングによる成膜の形成の他、メッキによって形成してもよい。
なお、このコーティング被膜13については、冷却水の流路に、必ずしも必須作業ではなく、また、コーティング被膜13は母材11面及び凸部12を覆ってもよく、凸部12のみを覆うようにしてもよい。
そして、図3のCに示すように、凸部12を形成した側の母材11面に一回目の電鋳メッキ(以下、一次電鋳メッキとする)を行う。一次電鋳メッキは、母材11面上に厚膜のCuメッキを施すことによる。電鋳メッキは、いわゆる銅の超厚付けメッキであり、約0.1〜10mm程度を肉付けする。作業時間は、約1週間程度(条件によって異なるが)を費やすが、ほぼ放置状態であるので時間以外の手間はかからない。
図3のCに示すように、凸部12を覆う厚膜の一次メッキ層14aが形成された後は、図3のDに示すように、母材11の凸部12を残して母材11を研磨又は切削等による機械加工によって削除する。こうして、凸部12が埋没された一次メッキ層14aが形成される。したがって、一次メッキ層14aの表面には、凸部12の部分を残して、母材11が削除される。この状態にて、凸部12が埋没されている部分では、一次メッキ層14aと凸部12との間に、コーティング被膜13が形成されているが、凸部12の表面側に露出されている面では、コーティング被膜13が形成されていない。そこで、図4のAに示すように、凸部12の面にコーティング被膜13を形成し、凸部12は面全体がTiによるコーティング被膜13に被覆される。
次に、図4のBに示すように、一次メッキ層14aの凸部12を有する側の面に二回目の電鋳メッキ(以下、二次電鋳メッキとする)を行う。二次電鋳メッキは、一次電鋳メッキと同様に一次メッキ層14aの表面、又はコーティング被膜13を介在させて凸部12の表面にCuの超厚付けの二次メッキ層14bが形成される。以下、図4のBに示す一次メッキ層14a及び二次メッキ層14bを合わせてヒートシンクの成形体本体14と呼ぶ。
この状態では、Cuメッキ層からなる成形体本体14は、Alからなる凸部12とこの周囲に形成されるコーティング被膜13を包むように形成されている。
図4のCは、成形体本体14の表面から凸部12まで貫通する孔15,16を、機械加工により形成した状態を示す。この孔15,16がヒートシンクの完成体の出入口となる。この際、孔15,16に腐食防止のためのコーティングを施すとよい。
最後に、成形体本体14をそのままアルカリ性の溶液を溜めた溶解槽に浸漬する。Alは、アルカリ性溶液によって溶解する性質があるので、アルカリ性溶液が孔15,16を通って、徐々にAl製の凸部12を溶解していく。これに対して、コーティング被膜13のTi及び成形体本体14のCuは、アルカリ溶液に溶けない。よって、図4のDに示すように、凸部12のみが溶解されて、成形体本体14の内部に流路となる空間が形成される。こうして、ヒートシンクが完成される。
母材としてAl(または、Al合金)を用いたのは、成形が容易だからである。成形体本体としてCuを用いたのは、CuとAlの熱膨張率の差が小さいからである。熱膨張率の差が小さいとメッキのストレスの低減のために好ましく、母材と成形体本体との界面で剥離の問題が解消されるからである。なお、Alの熱膨張率は23ppm/kであり、Cuの熱膨張率は16ppm/kであり、熱膨張率差が7ppm/kと小さい。
なお、各材質の熱膨張率は、Siが13ppm/k、Niが13ppm/k、Crが6ppm/k、Auが14ppm/k、ガラス3−4ppm/kである。したがって、Siを母材としてCuを成形体本体とすれば、熱膨張率差が3ppm/kであり、熱膨張率の観点からは好ましい。ただし、加工性はSiよりもAlが優っている。なお、SiはAlと同様にアルカリ溶液に溶ける。
上述した凸部12は鋳型の中子のような役割を果たす。したがって、成形体本体14、凸部12及び凸部12を溶解する溶解液の関係は、成形体本体14が溶解液に溶けない性質であって、凸部12が溶解液に溶ける性質であればよい。
母材が酸性溶液に溶けるものとして、ガラスと沸酸(フッ化水素酸)の例をあげる。現在のところ実用性に乏しいが、母材のガラス型の周りにCuの厚膜メッキを形成することができる。ガラスを溶かすには沸酸を使用し、スッパタリング(無電解メッキでも可能)によって、沸酸に溶けないAu,Ptなどのコーティング被膜を、Cuを溶解させないために、ガラスの表面に形成して行う。そして、沸酸によりガラスを溶解させて成形体本体を形成する。
その他、場合によっては、一次メッキ層14aと二次メッキ層14bの材質を変えることも可能である。
完成したヒートシンクは、ヒートシンクの表面に半導体デバイスが取付けられ、電子基板に装着される際には、出入口に送水配管が接続され、図示しないポンプと接続される。ヒートシンク自体には、機械的な接合部がないので強度的にも大きく、高圧下のもとで使用できる。また、接合部がないので接合部の欠陥による冷却液の漏れの心配がない。そして、水冷式ヒートシンクの本来の冷却能力を有し、半導体デバイスなどを効率よく冷却できる。特に、流路として微細通路を形成するときには、凸部12の突出量及び幅を微細に形成すればよく効果的である。また、母材11に形成する凸部12に応じた形状で流路が形成できる利点がある。
ヒートシンクは、熱伝導を良くすることが最重要であり、材料としては本実施の形態のように熱伝導率の良いCu(熱伝導率400W/mK)などが適している。これに対してNi(純度によっては、熱伝導率が70W/mK程度)は熱伝導率がCuに劣るが、強度が大きいので、高圧力の使用状態で使用できる利点がある。
なお、目的物の形状と同じ型をワックスで作り,その周囲を耐火物で固め、加熱してワックスを消失させて、そこに形成された空間に溶湯を注いで鋳物を成形するロストワックス法がある。本願発明で成形した形成体は、ロストワックス法で形成したものよりも10倍(ロストワックス法約0.1μm程度の精度、本案は0.01μmの精度)程度の精度向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、微細な複雑な流路を形成するために、Al製の母材11上に微細流路の前成形体となる凸部12を形成し、その後2回に分けて電鋳メッキを施したが、複雑な流路を形成しないような場合、例えば、流路が単純な空間(図1の区画室3dのような)であるような場合は、薄板状のAl母材の表裏両面に、直接電鋳メッキを施して、一回の電鋳メッキでAlの周囲全体にCu等の厚膜メッキを施して、その後母材11を溶解させて、流通路を形成しても良い。
また、上記実施の形態では、流路をヒートシンクなどの冷却水の流路として説明したが、液体の他、ガスなどの流路としても使用でき、微細流路を利用することによって、微少量のガスを混合することができる。その他、液体とガスの混合体の流路としても使用できる。
本発明は、流路に対して腐食性があり、微少量の液体を流す分析機器装置の分野にも適用が可能である。例えば、分析用の溶液などをできるだけ少ない量を順次、流出させる必要があり、可能な限り狭い流路が求められるような分析機器にも適用がある。例えば、ナノフローポンプによって、微小流路で溶液を圧送して、バルブの開閉によってμ単位の溶液を回収することもできる。この場合、流路は0.01〜1mm(通常使用されるものは、0.02〜0.1mm)のものが使用され、本願発明によって、これらの微細流路の適用が可能である。
本発明の実施の形態による水冷式ヒートシンクの斜視図である。 図1のヒートシンクの流路の拡大平面図である。 Aは、Al母材をエッチングによって、リブ状の凸部を形成した状態(なお、母材と凸部は同一物であるが別ハッチングしている)を示す断面図、Bは凸部の表面にメタライズ成膜を形成した状態を示す断面図、Cは凸部の表面にメタライズ成膜を介して一次電鋳メッキを施して一次メッキ層を形成した状態の断面図、Dは、一次メッキ層からAl母材を切削した状態の断面図である。 Aは、図3のDの後工程であり、凸部の表面にメタライズ成膜を形成した状態の断面図、Bは一次メッキ層に二次メッキ層を施した状態の断面図、Cは外部と凸部を連通する孔を形成した状態の断面図、Dはヒートシンク本体内の凸部を溶融させて流路を形成した状態の断面図である。 従来の張り合わせ方式の水冷式ヒートシンクの断面図である。 図5の分解断面図である。
符号の説明
1 ヒートシンク(流路形成体)
2,14 成形体本体
3 流路
3a 本流
3b 支流
3c 連通路
3d 区画室
4 出口
5 入口
6,13 コーティング被膜
11 母材
12 凸部
15,16 孔

Claims (4)

  1. 溶解されるべき任意の溶液に溶解する母材に流路形成部を設け、
    前記溶液に対して非溶解性の材料を、流路形成部が形成された母材面に、1回目の電鋳メッキによる厚膜のメッキ層を形成し、
    母材とメッキ層からなる重合体のうち前記流路形成部を残して前記母材をメッキ層から削除し、
    前記溶液に対して非溶解性の材料を、前記メッキ層の前記流路形成部を配設した面に、2回目の電鋳メッキによる厚膜のメッキ層を形成することによって、これらのメッキ層によって前記流路形成部を囲み、
    該メッキ層の表面に前記流路形成部の表面に連通する入口孔と出口孔を形成し、
    前記溶液を前記入口孔及び/又は前記出口孔に流入させることによって、前記流路形成部を前記溶液によって溶解し、メッキ層の内部に前記流路形成部に対応する形状の流体の流路を形成するようにした流路形成体の製造方法。
  2. 前記メッキ層がCuによる電鋳メッキによって形成され、流路に冷却水が流れる水冷式ヒートシンクであることを特徴とする請求項に記載の流路形成体の製造方法。
  3. 前記母材がAlであって、前記溶液がアルカリ溶液である請求項1又は2に記載の流路形成体の製造方法。
  4. 前記1回目及び前記2回目の電鋳メッキの前に前記流路形成部の表面に前記流体に対して前記メッキ層の材質よりも耐食性のある材料によってコーティング膜を形成した請求項1〜のいずれか1項に記載の流路形成体の製造方法。
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