JP4817873B2 - 文字認識装置及び文字認識プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、筆者が手書きで入力した文字の特徴量を累積的に記憶する筆者適応辞書を参照することによって、筆者が手書きで入力した文字を認識する文字認識装置及び文字認識プログラムに関する。
従来、不特定多数の筆者が手書きで入力した文字の特徴量から抽出された特徴量と文字(文字カテゴリ)とを対応付けて記憶する標準認識辞書を参照することによって、筆者が手書きで入力した文字を認識する文字認識装置が広く知られている。
また、筆者が手書きで入力した文字の認識率の向上を目的として、文字認識装置を実際に使用する筆者が手書きで入力した文字の特徴量を累積的に記憶する筆者適応辞書を有する文字認識装置も提案されている(例えば、特許文献1)。
具体的には、この文字認識装置において、筆者適応辞書は、筆者が手書きで入力した文字を誤って認識した場合(誤読した場合)だけではなく、筆者が手書きで入力した文字を正しく認識した場合(正読した場合)にも、筆者が手書きで入力した文字の特徴量を記憶する。
このように、文字を誤読した場合だけではなく、文字を正読した場合にも、筆者適応辞書の内容を更新することによって、筆者が文字認識装置を使用し始めてから早い段階で筆者適応辞書の内容を充実させるとともに、文字の認識率の早期向上が図られていた。
また、筆者適応辞書に記憶可能な文字の特徴量が上限に達している場合に、文字を誤読した場合に記憶される文字の特徴量よりも、文字を正読した場合に記憶される文字の特徴量を優先して削除することによって、有効な文字の特徴量が削除されることを防止するとともに、文字の認識率の低下が抑制されていた。
特開2005−301762号公報(請求項1、〔0058〕〜〔0060〕段落、図11など)
ここで、筆者が文字認識装置を使用し始めてから認識率が十分に向上するまでには、一定量の文字数を筆者が手書きで入力する必要がある。
従って、筆者の利便性を向上させるためには、認識率が十分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数が少なければ少ないほど好ましい。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、認識率が十分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数の削減を図ることが可能な文字認識装置及び文字認識プログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴は、筆者が手書きで入力した文字である手書き入力文字を認識する文字認識装置(文字認識装置10)が、文字を特定する文字カテゴリと文字の特徴を示す特徴量とを対応付けて記憶する複数の筆者適応辞書(筆者適応辞書15)と、筆者が正解として選択した正解文字の前記文字カテゴリと前記手書き入力文字の前記特徴量とを対応付けて、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに記憶する筆者適応辞書更新部(筆者適応処理部16)と、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに記憶された前記特徴量と前記手書き入力文字の前記特徴量とを比較して、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリの候補を前記複数の筆者適応辞書毎に取得する候補文字取得部(筆者適応処理部16)と、前記候補文字取得部によって取得された前記文字カテゴリの候補に基づいて、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリを認識結果として取得する認識結果取得部(最終認識結果取得部174)とを備え、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれが、一の前記文字カテゴリに対して、互いに異なる前記特徴量を対応付けて予め記憶していることを要旨とする。
かかる特徴によれば、認識結果取得部が、複数の筆者適応辞書毎に取得された文字カテゴリの候補に基づいて、手書き入力文字に対応する文字カテゴリを認識結果として取得する。また、複数の筆者適応辞書のそれぞれが、一の文字カテゴリに対して、互いに異なる特徴量を対応付けて予め記憶している。
従って、文字認識装置は、筆者適応辞書が一つである場合に比べて、認識率が充分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数の削減を図ることができる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴において、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに対応する重付値を取得する重付値取得部(重付値算出部173)を文字認識装置がさらに備え、前記認識結果取得部が、前記重付値取得部によって取得された前記重付値で重み付けされた前記文字カテゴリの候補に基づいて前記認識結果を取得することを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴において、前記重付値取得部が、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致する度合いに基づいて、前記複数の筆者適応辞書単位で算出された値(大域的重付値)を前記重付値として取得することを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第2の特徴において、前記重付値取得部が、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致する度合いに基づいて、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれについて前記文字カテゴリ単位で算出された値(局所的重付値)を前記重付値として取得することを要旨とする。
本発明の第5の特徴は、本発明の第1の特徴において、それぞれの前記筆者適応辞書が、前記文字カテゴリの前記特徴量が有効である度合いを示す有効度と前記文字カテゴリとを対応付けて記憶しており、前記筆者適応辞書更新部が、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致するか否かに応じて、前記文字カテゴリの候補に対応付けられた前記有効度を前記複数の筆者適応辞書毎に更新し、前記文字カテゴリの前記特徴量を前記有効度に応じて前記複数の筆者適応辞書毎に削除することを要旨とする。
本発明の第6の特徴は、本発明の第1の特徴において、筆者の筆記特性に対する前記複数の筆者適応辞書の適応度が所定の適応度よりも大きいか否かを判定する適応度判定部(後処理部177)を文字認識装置がさらに備え、前記候補文字取得部が、前記適応度が前記所定の適応度よりも大きいと判定された場合に、前記文字カテゴリの候補を前記複数の筆者適応辞書毎に取得する処理を終了し、前記複数の筆者適応辞書のいずれか一つの前記筆者適応辞書から前記文字カテゴリの候補を取得することを要旨とする。
本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特徴において、前記適応度判定部が、筆者が前記文字認識装置の使用を開始してから入力された前記手書き入力文字の数、又は、前記手書き入力文字に対応する前記特徴量が前記筆者適応辞書に含まれる割合に基づいて、前記適応度が前記所定の適応度よりも大きいか否かを判定することを要旨とする。
本発明の第8の特徴は、本発明の第1の特徴において、それぞれの前記筆者適応辞書が、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに対応する他の筆者が手書きで入力した文字の前記特徴量と前記文字カテゴリとを対応付けて予め記憶していることを要旨とする。
本発明の第9の特徴は、筆者が手書きで入力した文字である手書き入力文字を認識する文字認識プログラムが、文字を特定する文字カテゴリと文字の特徴を示す特徴量とを対応付けて記憶する複数の筆者適応辞書のそれぞれに、筆者が正解として選択した正解文字の前記文字カテゴリと前記手書き入力文字の前記特徴量とを対応付けて記憶するステップA(ステップ80)と、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに記憶された前記特徴量と前記手書き入力文字の前記特徴量とを比較して、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリの候補を前記複数の筆者適応辞書毎に取得するステップB(ステップ40)と、前記ステップBで取得された前記文字カテゴリの候補に基づいて、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリを認識結果として取得するステップC(ステップ60)とをコンピュータに実行させ、それぞれの前記筆者適応辞書が、一の前記文字カテゴリに対して、互いに異なる前記特徴量を対応付けて予め記憶していることを要旨とする。
本発明の第10の特徴は、本発明の第9の特徴において、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに対応する重付値を取得するステップD(ステップ50)を文字認識プログラムがコンピュータに実行させ、前記ステップCが、前記ステップDで取得された前記重付値で重み付けされた前記文字カテゴリの候補に基づいて前記認識結果を取得するステップを含むことを要旨とする。
本発明の第11の特徴は、本発明の第10の特徴において、前記ステップDが、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致する度合いに基づいて、前記複数の筆者適応辞書単位で算出された値を前記重付値として取得するステップを含むことを要旨とする。
本発明の第12の特徴は、本発明の第10の特徴において、前記ステップDが、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致する度合いに基づいて、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれについて前記文字カテゴリ単位で算出された値を前記重付値として取得するステップを含むことを要旨とする。
本発明の第13の特徴は、本発明の第9の特徴において、それぞれの前記筆者適応辞書が、前記文字カテゴリの前記特徴量が有効である度合いを示す有効度と前記文字カテゴリとを対応付けて記憶しており、前記ステップAが、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致するか否かに応じて、前記文字カテゴリの候補に対応付けられた前記有効度を前記複数の筆者適応辞書毎に更新し、前記文字カテゴリの前記特徴量を前記有効度に応じて前記複数の筆者適応辞書毎に削除するステップを含むことを要旨とする。
本発明の第14の特徴は、本発明の第9の特徴において、筆者の筆記特性に対する前記複数の筆者適応辞書の適応度が所定の適応度よりも大きいか否かを判定するステップE(ステップ84)を文字認識プログラムがコンピュータに実行させ、前記ステップCが、前記適応度が前記所定の適応度よりも大きいと判定された場合に、前記文字カテゴリの候補を前記複数の筆者適応辞書毎に取得する処理を終了し、前記複数の筆者適応辞書のいずれか一つの前記筆者適応辞書から前記文字カテゴリの候補を取得するステップを含むことを要旨とする。
本発明の第15の特徴は、本発明の第14の特徴において、前記ステップEが、筆者が前記文字認識装置の使用を開始してから入力された前記手書き入力文字の数、又は、前記手書き入力文字に対応する前記特徴量が前記筆者適応辞書に含まれる割合に基づいて、前記適応度が前記所定の適応度よりも大きいか否かを判定するステップを含むことを要旨とする。
本発明の第16の特徴は、本発明の第9の特徴において、それぞれの前記筆者適応辞書が、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに対応する他の筆者が手書きで入力した文字の前記特徴量と前記文字カテゴリとを対応付けて予め記憶していることを要旨とする。
本発明によれば、認識率が十分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数の削減を図ることが可能な文字認識装置及び文字認識プログラムを提供することができる。
以下において、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。
(文字認識装置の構成)
以下において、本発明の一実施形態に係る文字認識装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る文字認識装置10の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、文字認識装置10は、入力文字パターン取得部11と、特徴量抽出部12と、標準認識辞書13と、標準文字認識処理部14と、複数の筆者適応辞書15(筆者適応辞書15a〜筆者適応辞書15k)と、複数の筆者適応処理部16(筆者適応処理部16a〜筆者適応処理部16k)と、文字認識結果統合処理部17と、正解文字取得部18とを有する。
なお、筆者適応辞書15a〜筆者適応辞書15kの構成は同様であるため、必要に応じてこれらを筆者適応辞書15と称する。また、筆者適応処理部16a〜筆者適応処理部16kの構成は同様であるため、必要に応じてこれらを筆者適応処理部16と称する。
入力文字パターン取得部11は、筆者が手書きで入力した文字の入力文字パターン(筆跡情報)を取得する。例えば、入力文字パターン取得部11は、タッチペンによってタッチされた領域やマウス操作によって動かされるポインタなどの座標や移動量を入力文字パターン(筆跡情報)として取得する。また、入力文字パターン取得部11は、取得した入力文字パターンを特徴量抽出部12に入力する。
特徴量抽出部12は、入力文字パターン取得部11から取得した入力文字パターンから、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字(手書き入力文字)の特徴量(例えば、座標やベクトル)を抽出する。また、特徴量抽出部12は、抽出した手書き入力文字の特徴量を標準文字認識処理部14及び筆者適応処理部16に入力する。
標準認識辞書13は、不特定多数の筆者が手書きで入力した文字の特徴量から抽出された特徴量と文字を特定する文字カテゴリとを対応付けて記憶するデータベースである。なお、標準認識辞書13は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字(手書き入力文字)によって更新されないデータベースである。
標準文字認識処理部14は、特徴量抽出部12から取得した手書き入力文字の特徴量と標準認識辞書13に記憶された特徴量とを比較して、手書き入力文字に対応する文字カテゴリの候補及び認識スコアを取得する。なお、認識スコアとは、手書き入力文字の特徴量と標準認識辞書13に記憶された特徴量との一致度を示す値である。また、標準文字認識処理部14は、取得した文字カテゴリの候補を複数の筆者適応処理部16のそれぞれに入力する。
各筆者適応辞書15は、文字カテゴリと特徴量とを対応付けて記憶するデータベースである。また、各筆者適応辞書15は、一の文字カテゴリに対して、互いに異なる特徴量を対応付けて記憶している。具体的には、各筆者適応辞書15は、複数の筆者適応辞書15のそれぞれに対応する他の筆者が手書きで入力した文字の特徴量と文字カテゴリとを対応付けて予め記憶している。
例えば、初期状態における筆者適応辞書15aは、筆者aが手書きで入力した文字の特徴量と文字カテゴリとを対応付けて予め記憶している。同様に、初期状態における筆者適応辞書15b〜筆者適応辞書15kは、筆者b〜筆者kが手書きで入力した文字の特徴量と文字カテゴリとを対応付けて予め記憶している。
なお、筆者適応辞書15は、後述するように、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字(手書き入力文字)によって更新されるデータベースである。
具体的には、各筆者適応辞書15は、図2に示すように、文字カテゴリと、パターンNo.と、特徴量と、有効度と、筆者適応フラグとを対応付けて記憶している。
ここで、文字カテゴリは、文字を特定する識別子などである。なお、図2では、文字カテゴリは、説明を明確にするために「あ」や「ぁ」などによって表記されているが、実際にはbit列などによって表記されてもよい。パターンNo.は、文字カテゴリに対応付けられた特徴量を特定する識別子などである。特徴量は、手書き入力文字の特徴を示す座標やベクトルなどである。
有効度は、筆者適応辞書15から特徴量を削除する際に参照される値であり、筆者適応辞書15内に優先的に残す度合いを示している。具体的には、筆者適応辞書15から特徴量を削除する場合には、有効度が低い特徴量から順に削除される。筆者適応フラグは、文字カテゴリの特徴量が筆者適応辞書15に予め記憶されていたものであるか否かを示すフラグである。具体的には、筆者適応フラグが“0”である文字カテゴリの特徴量は、筆者適応辞書15に予め記憶されていたものであり、筆者適応フラグが“1”である文字カテゴリの特徴量は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで文字を入力することによって筆者適応辞書15に追加されたものである。
各筆者適応処理部16は、特徴量抽出部12から取得した手書き入力文字の特徴量と各筆者適応辞書15に記憶された特徴量とを比較して、手書き入力文字に対応する文字カテゴリの候補及び認識スコアを取得する。なお、各筆者適応処理部16が取得する文字カテゴリの候補は、文字カテゴリだけではなく、上述したパターンNo.も含まれている。
また、各筆者適応処理部16は、筆者適応辞書15を参照して取得した文字カテゴリの候補の認識スコアと標準文字認識処理部14から取得した文字カテゴリの候補の認識スコアとに基づいて、各筆者適応処理部16の認識結果とする文字カテゴリの候補を抽出する。例えば、各筆者適応処理部16は、認識スコアが高い順に所定数の文字カテゴリの候補を抽出する。
さらに、各筆者適応処理部16は、認識スコアに従って文字カテゴリの候補を順位付けする。具体的には、各筆者適応処理部16は、認識スコアが高い順に文字カテゴリの候補に高い順位を付ける。
また、各筆者適応処理部16は、抽出された文字カテゴリの候補、この文字カテゴリの候補の認識スコア及びこの文字カテゴリの候補の順位を、各筆者適応処理部16の認識結果として文字認識結果統合処理部17に入力する。
また、各筆者適応処理部16は、文字認識装置10を使用する筆者が正解として選択した文字のパターンNo.(正解文字パターンNo.)に基づいて筆者適応辞書15を更新する。
具体的には、各筆者適応処理部16は、各筆者適応処理部16が抽出した文字カテゴリの候補に含まれるパターンNo.のうち、文字認識結果統合処理部17を介して正解文字取得部18から取得した正解文字パターンNo.と一致したパターンNo.の有効度を上げる。一方、各筆者適応処理部16は、各筆者適応処理部16が抽出した文字カテゴリの候補に含まれるパターンNo.のうち、正解文字取得部18から取得した正解文字パターンNo.と一致しなかったパターンNo.の有効度を下げる。
また、各筆者適応処理部16は、各筆者適応辞書15に記憶された特徴量が所定の閾値以上となった場合には、上述した有効度が低い特徴量から順に、各筆者適応辞書15に記憶された特徴量を削除する。なお、所定の閾値は、文字カテゴリ毎に定められた値であってもよく、筆者適応辞書15の全体として定められた一つの値であってもよい。
文字認識結果統合処理部17は、各筆者適応処理部16から取得した認識結果に基づいて、最終的な認識結果とする文字カテゴリの候補を取得する。なお、文字認識結果統合処理部17の詳細については後述する(図3を参照)。
正解文字取得部18は、文字認識装置10を使用する筆者が正解として選択した文字に対応する文字カテゴリ(正解文字カテゴリ)及びパターンNo.(正解文字パターンNo.)を取得する。
以下において、上述した文字認識結果統合処理部17の詳細について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る文字認識結果統合処理部17を示すブロック図である。
図3に示すように、文字認識結果統合処理部17は、認識結果取得部171と、履歴記憶部172と、重付値算出部173と、最終認識結果取得部174と、最終認識結果記憶部175と、正解文字入力部176と、後処理部177とを有する。
認識結果取得部171は、複数の筆者適応処理部16のそれぞれから、文字カテゴリの候補及び認識スコアを含む認識結果(認識結果a〜認識結果k)を取得する。
履歴記憶部172は、図4に示すように、文字カテゴリと、各筆者適応処理部16から取得した文字カテゴリの候補と正解文字カテゴリとが一致した回数(正読回数)と、各筆者適応処理部16から取得した文字カテゴリの候補と正解文字カテゴリとが一致しなかった回数(誤読回数)とを対応付けて記憶している。なお、履歴記憶部172は、文字カテゴリ、正読回数及び誤読回数を、各筆者適応処理部16単位(すなわち、各筆者適応辞書15単位)で記憶している。
なお、本実施形態では、履歴記憶部172は、各筆者適応処理部16が1位候補の文字カテゴリについてのみ、正読回数及び誤読回数を記憶するが、これに限定されるものではなく、所定の順位までの候補(例えば、1位候補〜5位候補)の文字カテゴリについて、正読回数及び誤読回数を記憶してもよい。
重付値算出部173は、履歴記憶部172に記憶された情報に基づいて、各筆者適応処理部16から取得した認識結果に対する重付値を算出する。具体的には、重付値算出部173は、(i+1)番目の手書き入力文字の特徴量がXi+1に対して、k番目の筆者適応処理部16が1位候補として候補文字カテゴリω を出力したとすると、以下の式(1)に従って重付値(W(ω |Xi+1))を算出する。
Figure 0004817873
ここで、W (i)は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字数がi個である場合において、k番目の筆者適応処理部16の全体について算出される重付値(大域的重付値)である。
なお、重付値算出部173は、以下の式(2)に従って大域的重付値(W (i))を算出する。
Figure 0004817873
ここで、C(i)は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字数がi個である場合において、k番目の筆者適応処理部16が1位候補として取得した文字カテゴリが正解文字カテゴリと一致した回数(正読回数)の総数である。一方、E(i)は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字数がi個である場合において、k番目の筆者適応処理部16が1位候補として取得した文字カテゴリが正解文字カテゴリと一致しなかった回数(誤読回数)の総数である。
また、W (i,ω )は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字数がi個である場合において、k番目の筆者適応処理部16が1位候補として取得したω について算出される重付値(局所的重付値)である。
なお、重付値算出部173は、以下の式(3)に従って局所的重付値(W (i,ω ))を算出する。
Figure 0004817873
ここで、c(i,ω )は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字数がi個である場合において、k番目の筆者適応処理部16が1位候補として取得したω が正解文字カテゴリと一致した回数(正読回数)である。一方、e(i,ω )は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字数がi個である場合において、k番目の筆者適応処理部16が1位候補として取得したω が正解文字カテゴリと一致しなかった回数(誤読回数)である。
最終認識結果取得部174は、最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得する。具体的には、最終認識結果取得部174は、重付値算出部173によって算出された重付値(W(ω |Xi+1))で、各筆者適応処理部16から取得した認識スコアを重み付けする。続いて、最終認識結果取得部174は、重み付けされた認識スコア(以下、最終認識スコア)に基づいて、最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得する。
最終認識結果取得部174は、(i+1)番目の手書き入力文字の特徴量がXi+1であるとすると、以下の式(4)に従って重付値(W(ω |Xi+1))で重み付けされた最終認識スコア(S(ω|Xi+1))を算出する。
Figure 0004817873
ここで、s(ω|Xi+1)は、手書き入力文字の特徴量(Xi+1)に対して、k番目の筆者適応処理部16が取得した文字カテゴリの候補(ω)の認識スコアである。
続いて、最終認識結果取得部174は、算出された最終認識スコア(S(ω|Xi+1))が大きい順に所定数の文字カテゴリの候補を取得する。また、最終認識結果取得部174は、算出された最終認識スコア(S(ω|Xi+1))に従って文字カテゴリの候補を順位付けする。さらに、最終認識結果取得部174は、文字カテゴリの候補、この文字カテゴリの候補に対応する最終認識スコア及びこの文字カテゴリの候補に対応する順位を最終認識結果とする。
最終認識結果記憶部175は、最終認識結果取得部174によって取得された最終認識結果を記憶する。
正解文字入力部176には、正解文字取得部18によって取得された正解文字カテゴリ及び正解文字パターンNo.が入力される。また、正解文字入力部176は、正解文字カテゴリ及び正解文字パターンNo.を後処理部177に入力する。
後処理部177は、後処理部177から取得した正解文字カテゴリに基づいて履歴記憶部172を更新する。具体的には、後処理部177は、筆者適応処理部16から1位候補として取得した文字カテゴリと正解文字カテゴリとが一致する場合には、その筆者適応処理部16について文字カテゴリの正読回数を“1”増加する。一方、後処理部177は、筆者適応処理部16から1位候補として取得した文字カテゴリと正解文字カテゴリとが一致しなかった場合には、その筆者適応処理部16について文字カテゴリの誤読回数を“1”増加する。
また、後処理部177は、正解文字カテゴリ及び正解文字パターンNo.を各筆者適応処理部16に通知し、各筆者適応処理部16に対して筆者適応辞書15の更新を指示する。
なお、各筆者適応処理部16は、上述したように、正解文字カテゴリ及び正解文字パターンNo.に基づいて有効度を更新する。また、各筆者適応処理部16は、筆者適応辞書15に記憶された特徴量が所定の閾値以上である場合には、有効度が低い順に特徴量を削除して、新たな手書き入力文字の特徴量と正解文字カテゴリとを対応付けて筆者適応辞書15に格納する。
さらに、後処理部177は、文字認識装置10が筆者(ユーザ)に適応しているか否かを示す度合いである適応度(筆者の筆記特性に対する文字認識装置10の適応度)が所定の適応度よりも大きいか否かを判定する。具体的には、後処理部177は、文字認識装置10の使用を筆者(ユーザ)が開始してから入力された手書き入力文字の数、又は、ユーザが入力した手書き入力文字が筆者適応辞書15に含まれる割合に基づいて、適応度が所定の適応度よりも大きいか否かを判定する。なお、ユーザが入力した手書き入力文字が筆者適応辞書15に含まれる割合は、上述した筆者適応フラグによって算出可能である。
また、後処理部177は、適応度が所定の適応度よりも大きい場合には、複数の筆者適応辞書15毎に文字カテゴリの候補を取得する処理を終了し、いずれか一つの筆者適応辞書15のみを参照して文字カテゴリの候補を取得する処理に切り替える。
具体的には、後処理部177は、複数の筆者適応処理部16の中からいずれかの筆者適応処理部16を選択し、選択されなかった筆者適応処理部16に対して、筆者適応処理の終了を指示する。
以下において、図5に示す手書き入力文字が入力された場合において、文字認識装置10が文字を認識する一例について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る手書き入力文字の一例を示す図である。図6及び図7は、本発明の一実施形態に係る認識結果の一例を示す図である。なお、図6では、筆者適応処理部16の一例として、筆者適応処理部16aを挙げて説明する。
図5に示す手書き入力文字が入力されると、特徴量抽出部12は、手書き入力文字の特徴量を抽出し、抽出された特徴量を標準文字認識処理部14及び筆者適応処理部16に入力する。
次に、標準文字認識処理部14は、図6(a)に示すように、標準認識辞書13を参照して、図5に示す手書き入力文字に対応する文字カテゴリの候補及びこの文字カテゴリの候補の認識スコアを取得する。
一方、筆者適応処理部16aは、図6(b)に示すように、筆者適応辞書15aを参照して、図5に示す手書き入力文字に対応する文字カテゴリの候補及びこの文字カテゴリの候補の認識スコアを取得する。また、筆者適応処理部16aは、文字カテゴリの候補及び認識スコアに加えてパターンNo.も取得する。
続いて、筆者適応処理部16aは、標準認識辞書13を参照して取得された文字カテゴリの候補(図6(a))及び筆者適応辞書15aを参照して取得された文字カテゴリの候補(図6(b))の中から、認識スコアが高い順に所定数(本実施形態では、5つ)の文字カテゴリの候補を抽出する。また、筆者適応処理部16aは、抽出された文字カテゴリの候補を筆者適応処理部16aの認識結果(認識結果a)とする。
なお、筆者適応処理部16aは、標準認識辞書13を参照して取得された文字カテゴリの候補と筆者適応辞書15aを参照して取得された文字カテゴリの候補とが重複している場合には、認識スコアが高い文字カテゴリの候補のみを抽出する。
従って、筆者適応処理部16aは、図6(c)に示すように、標準認識辞書13を参照して取得された文字カテゴリの候補(「め(0.90)」及び「お(0.85)」)及び筆者適応辞書15aを参照して取得された文字カテゴリの候補(「あ(0.94)」、「ぁ(0.93)」及び「友(0.83)」)を認識結果aとして取得する。
同様に、筆者適応処理部16b〜筆者適応処理部16kも、認識結果b〜認識結果kをそれぞれ取得する。
続いて、文字認識結果統合処理部17は、図7に示すように、認識結果a〜認識結果kを取得する。また、文字認識結果統合処理部17は、認識結果a〜認識結果kに含まれる認識スコアを上述した重付値(W(ω |Xi+1))で重み付けし、重み付けされた最終認識スコア(S(ω|Xi+1))を算出する。さらに、文字認識結果統合処理部17は、最終認識スコア(S(ω|Xi+1))が高い順に所定数(本実施形態では、5つ)の文字カテゴリの候補を抽出し、抽出された文字カテゴリの候補を文字認識装置10の最終認識結果とする。
(文字認識方法)
以下において、本発明の一実施形態に係る文字認識方法について、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る文字認識方法を示すフロー図である。
図8に示すように、ステップ10において、文字認識装置10は、文字認識装置10を使用する筆者が手書きで入力した文字(手書き入力文字)の入力文字パターンを取得する。
ステップ20において、文字認識装置10は、ステップ10で取得された入力文字パターンから、手書き入力文字の特徴量(例えば、座標やベクトル)を取得する。
ステップ30において、文字認識装置10は、標準認識辞書13を参照して、手書き入力文字に対応する文字カテゴリの候補及びこの文字カテゴリの候補の認識スコアを取得する。
ステップ40において、文字認識装置10は、筆者適応辞書15a〜筆者適応辞書15kを参照して、手書き入力文字に対応する文字カテゴリの候補及びこの文字カテゴリの候補の認識スコアを筆者適応辞書15毎に取得する。また、文字認識装置10は、標準認識辞書13を参照して取得された文字カテゴリの候補及び各筆者適応辞書15を参照して取得された文字カテゴリの候補の中から、認識スコアが高い順に所定数の文字カテゴリの候補を抽出する。
このようにして、文字認識装置10は、筆者適応辞書15a〜筆者適応辞書15kのそれぞれに対応する認識結果a〜認識結果kを取得する。
ステップ50において、文字認識装置10は、履歴記憶部172を参照して、重付値(W(ω |Xi+1))を算出する。具体的には、文字認識装置10は、上述したように、以下の式(1)に従って、重付値(W(ω |Xi+1))を算出する。
Figure 0004817873
ステップ60において、文字認識装置10は、認識結果a〜認識結果kに含まれる認識スコアをステップ50で算出された重付値(W(ω |Xi+1))で重み付けし、最終認識スコア(S(ω|Xi+1))を算出する。具体的には、文字認識装置10は、上述したように、以下の式(4)に従って最終認識スコア(S(ω|Xi+1))を算出する。
Figure 0004817873
また、文字認識装置10は、最終認識スコア(S(ω|Xi+1))が高い順に所定数の文字カテゴリの候補を抽出し、抽出された文字カテゴリの候補及びこの文字カテゴリの候補の最終認識スコアを認識結果として取得する。
ステップ70において、文字認識装置10は、文字認識装置10を使用する筆者が正解として選択した文字を特定する正解文字カテゴリ及び正解文字パターンNo.を取得する。
ステップ80において、文字認識装置10は、ステップ70で取得された正解文字カテゴリ及び正解文字パターンNo.に基づいて、筆者適応辞書15や履歴記憶部172などを更新する。
以下において、この後処理の詳細について、図面を参照しながら説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る後処理を示すフロー図である。
図9に示すように、ステップ81において、文字認識装置10は、ステップ70で取得された正解文字カテゴリに基づいて履歴記憶部172を更新する。具体的には、文字認識装置10は、各筆者適応処理部16が1位候補として取得した文字カテゴリが正解文字カテゴリと一致した場合には、各筆者適応処理部16が1位候補として取得した文字カテゴリの正読回数を“1”増加する。一方、文字認識装置10は、各筆者適応処理部16が1位候補として取得した文字カテゴリが正解文字カテゴリと一致しなかった場合には、各筆者適応処理部16が1位候補として取得した文字カテゴリの誤読回数を“1”増加する。
ステップ82において、文字認識装置10は、ステップ70で取得された正解文字カテゴリに基づいて筆者適応辞書15を更新する。具体的には、文字認識装置10は、ステップ20で抽出された手書き入力文字の特徴量と正解文字カテゴリとを対応付けて各筆者適応辞書15に格納する。また、文字認識装置10は、各筆者適応辞書15に記憶されている特徴量が所定の閾値以上である場合には、有効度が低い順に特徴量を削除して、新たな手書き入力文字の特徴量と正解文字カテゴリとを対応付けて各筆者適応辞書15に格納する。
このとき、文字認識装置10は、新たなパターンNo.を生成し、生成されたパターンNo.を手書き入力文字の特徴量及び正解文字カテゴリに対応付けて各筆者適応辞書15に格納する。
ステップ83において、文字認識装置10は、ステップ70で取得された正解文字パターンNo.に基づいて有効度を更新する。具体的には、文字認識装置10は、ステップ40で筆者適応辞書15毎に取得された認識結果a〜認識結果kのうち、正解文字パターンNo.と一致したパターンNo.の有効度を上げる。一方、文字認識装置10は、ステップ40で筆者適応辞書15毎に取得された認識結果a〜認識結果kのうち、正解文字パターンNo.と一致しなかったパターンNo.の有効度を下げる。
ステップ84において、文字認識装置10は、文字認識装置10が筆者(ユーザ)に適応したか否かを示す度合いである適応度が所定の適応度よりも大きいか否かを判定する。具体的には、文字認識装置10は、文字認識装置10の使用をユーザが開始してから入力された手書き入力文字の数、又は、ユーザが入力した手書き入力文字が筆者適応辞書15に含まれる割合に基づいて、適応度が所定の適応度よりも大きいか否かを判定する。
また、文字認識装置10は、適応度が所定の適応度よりも大きい場合には、複数の筆者適応辞書15毎に文字カテゴリの候補を取得する処理を終了し、いずれか一つの筆者適応辞書15のみを参照して文字カテゴリの候補を取得する処理に切り替える。
(作用及び効果)
本発明の一実施形態に係る文字認識装置10によれば、最終認識結果取得部174が、複数の筆者適応辞書15毎に取得された文字カテゴリの候補(認識結果a〜認識結果k)に基づいて、手書き入力文字に対応する文字カテゴリを認識結果として取得する。また、複数の筆者適応辞書15のそれぞれが、一の文字カテゴリに対して、互いに異なる特徴量を対応付けて予め記憶している。
従って、文字認識装置10は、筆者適応辞書15が一つである場合に比べて、認識率が十分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数の削減を図ることができる。
また、本発明の一実施形態に係る文字認識装置10によれば、最終認識結果取得部174が、重付値算出部173によって算出された大域的重付値(W (i))を用いて、複数の筆者適応辞書15毎に取得された文字カテゴリの候補の認識スコアを重み付けする。
従って、文字認識装置10は、大域的重付値(W (i))を用いない場合に比べて、認識率が十分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数の削減を図ることができる。
同様に、本発明の一実施形態に係る文字認識装置10によれば、最終認識結果取得部174が、重付値算出部173によって算出された局所的重付値(W (i,ω ))を用いて、複数の筆者適応辞書15毎に取得された文字カテゴリの候補の認識スコアを重み付けする。
従って、文字認識装置10は、局所的重付値(W (i,ω ))を用いない場合に比べて、認識率が十分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数の削減を図ることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る文字認識装置10によれば、後処理部177が、文字認識装置10がユーザに適応しているか否かを示す度合いである適応度が所定の適応度以上である場合に、複数の筆者適応辞書15を参照して文字カテゴリの候補を取得する処理の終了を指示する。
すなわち、文字認識装置10は、筆者適応処理を繰り返すことによって、複数の筆者適応辞書15の内容が似通ったものとなった場合に、複数の筆者適応辞書15を参照して文字カテゴリの候補を取得する処理を終了する。
従って、文字認識装置10は、内容が似通った複数の筆者適応辞書15が参照されるという不要な処理を回避して、処理負荷の軽減を図ることができる。
(実施例)
以下において、本発明の一実施形態に係る文字認識装置10と比較例に係る文字認識装置とを比較した結果について、図面を参照しながら説明する。図10及び図11は、本発明の一実施形態に係る文字認識装置10と比較例に係る文字認識装置とを比較した結果を示す図である。
なお、図10及び図11において、比較例1は、筆者適応処理を行わなかった場合(すなわち、標準認識辞書のみを用いた場合)の認識率の変化を示しており、比較例2は、誤読時にのみ筆者適応辞書を更新した場合の認識率の変化を示している。また、比較例3は、正読時及び誤読字に筆者適応辞書を更新した場合の認識率の変化を示している。
一方、実施例1は、複数の筆者適応辞書15を用い、上述した重付値(W(ω |Xi+1))を用いなかった場合の認識率の変化を示しており、実施例2は、複数の筆者適応辞書15を用い、上述した重付値(W(ω |Xi+1))を用いた場合の認識率の変化を示している。
また、実施例1及び実施例2では、筆者適応辞書15の数が19個、各筆者適応辞書15に初期値として格納された特徴量の数が10,000個であるという条件で測定した。
図10に示すように、手書きで入力された文字数(入力文字数)が同数であれば、複数の筆者適応辞書15を用いない場合(比較例1〜比較例3)の認識率よりも、複数の筆者適応辞書15を用いた場合(実施例1及び実施例2)の認識率の方が高いことが確認された。また、手書きで入力された文字数(入力文字数)が同数であれば、重付値(W(ω |Xi+1))を用いない場合(実施例1)の認識率よりも重付値(W(ω |Xi+1))を用いた場合(実施例2)の認識率の方が高いことが確認された。
また、図11に示すように、一定の認識率に達するまでに入力しなければならない入力文字数は、複数の筆者適応辞書15を用いない場合(比較例2及び比較例3)よりも、複数の筆者適応辞書15を用いた場合(実施例1及び実施例2)の方が少ないことが確認された。また、一定の認識率に達するまでに入力しなければならない入力文字数は、重付値(W(ω |Xi+1))を用いない場合(実施例1)よりも重付値(W(ω |Xi+1))を用いた場合(実施例2)の方が少ないことが確認された。
すなわち、実施例1及び実施例2によれば、従来技術(比較例1〜比較例3)に比べて、認識率が十分に向上するまでに筆者が手書きで入力しなければならない文字数の削減を図ることができることが確認された。
(その他の実施形態)
本発明は、上記した実施形態によって記載されているが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
具体的には、上述した実施形態では、最終認識結果取得部174は、重付値(W(ω |Xi+1))を用いて最終認識スコアを算出し、算出された最終認識スコアに基づいて、最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得するが、これに限定されるものではない。
例えば、最終認識結果取得部174は、重付値(W(ω |Xi+1))を用いずに、認識結果a〜認識結果kに含まれる認識スコアに基づいて、最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得してもよい。
また、最終認識結果取得部174は、認識結果a〜認識結果kに含まれる認識スコアを用いずに、認識結果a〜認識結果kに重複して含まれる文字カテゴリの数に基づいて、最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得してもよい。
さらに、最終認識結果取得部174は、認識結果a〜認識結果kに含まれる1位候補のみを用いて、最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得してもよい。
また、最終認識結果取得部174は、局所的重付値(W (i,ω ))のみを用いて最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得してもよい。
同様に、最終認識結果取得部174は、大域的重付値(W (i))のみを用いて最終認識結果とする文字カテゴリの候補を取得してもよい。
また、上述した実施形態では、筆者適応辞書15と筆者適応処理部16とは、一対一の関係であるが、これに限定されるものではなく、一の筆者適応処理部16が複数の筆者適応辞書15を参照してもよい。
さらに、上述した実施形態では、本発明の一実施形態として文字認識装置10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、上述した文字認識装置10の動作をコンピュータに実行させるプログラムに関するものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る文字認識装置10を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る筆者適応辞書15に記憶された情報の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る文字認識結果統合処理部17を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る履歴記憶部172に記憶された情報を示す図である。 本発明の一実施形態に係る文字入力パターンの一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る認識結果の一例を示す図である(その1)。 本発明の一実施形態に係る認識結果の一例を示す図である(その2)。 本発明の一実施形態に係る文字認識方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係る後処理を示すフロー図である。 本発明と比較例とを比較した結果を示す図である(その1)。 本発明と比較例とを比較した結果を示す図である(その2)。
符号の説明
10・・・文字認識装置、11・・・入力文字パターン取得部、12・・・特徴量抽出部、13・・・標準認識辞書、14・・・標準文字認識処理部、15・・・筆者適応辞書、16・・・筆者適応処理部、17・・・文字認識結果統合処理部、18・・・正解文字取得部、171・・・認識結果取得部、172・・・履歴記憶部、173・・・重付値算出部、174・・・最終認識結果取得部、175・・・最終認識結果記憶部、176・・・正解文字入力部、177・・・後処理部

Claims (9)

  1. 筆者が手書きで入力した文字である手書き入力文字を認識する文字認識装置であって、
    文字を特定する文字カテゴリと文字の特徴を示す特徴量とを対応付けて記憶する複数の筆者適応辞書と、
    筆者が正解として選択した正解文字の前記文字カテゴリと前記手書き入力文字の前記特徴量とを対応付けて、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに記憶する筆者適応辞書更新部と、
    前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに記憶された前記特徴量と前記手書き入力文字の前記特徴量とを比較して、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリの候補を前記複数の筆者適応辞書毎に取得する候補文字取得部と、
    前記候補文字取得部によって取得された前記文字カテゴリの候補に基づいて、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリを認識結果として取得する認識結果取得部とを備え、
    前記複数の筆者適応辞書のそれぞれは、一の前記文字カテゴリに対して、互いに異なる前記特徴量を対応付けて予め記憶していることを特徴とする文字認識装置。
  2. 前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに対応する重付値を取得する重付値取得部をさらに備え、
    前記認識結果取得部は、前記重付値取得部によって取得された前記重付値で重み付けされた前記文字カテゴリの候補に基づいて前記認識結果を取得することを特徴とする請求項1に記載の文字認識装置。
  3. 前記重付値取得部は、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致する度合いに基づいて、前記複数の筆者適応辞書単位で算出された値を前記重付値として取得することを特徴とする請求項2に記載の文字認識装置。
  4. 前記重付値取得部は、前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致する度合いに基づいて、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれについて前記文字カテゴリ単位で算出された値を前記重付値として取得することを特徴とする請求項2に記載の文字認識装置。
  5. それぞれの前記筆者適応辞書は、前記文字カテゴリの前記特徴量が有効である度合いを示す有効度と前記文字カテゴリとを対応付けて記憶しており、
    前記筆者適応辞書更新部は、
    前記複数の筆者適応辞書毎に取得された前記文字カテゴリの候補と前記正解文字の前記文字カテゴリとが一致するか否かに応じて、前記文字カテゴリの候補に対応付けられた前記有効度を前記複数の筆者適応辞書毎に更新し、
    前記文字カテゴリの前記特徴量を前記有効度に応じて前記複数の筆者適応辞書毎に削除することを特徴とする請求項1に記載の文字認識装置。
  6. 筆者の筆記特性に対する前記文字認識装置の適応度が所定の適応度よりも大きいか否かを判定する適応度判定部をさらに備え、
    前記候補文字取得部は、前記適応度が前記所定の適応度よりも大きいと判定された場合に、前記文字カテゴリの候補を前記複数の筆者適応辞書毎に取得する処理を終了し、前記複数の筆者適応辞書のいずれか一つの前記筆者適応辞書から前記文字カテゴリの候補を取得することを特徴とする請求項1に記載の文字認識装置。
  7. 前記適応度判定部は、筆者が前記文字認識装置の使用を開始してから入力された前記手書き入力文字の数、又は、前記手書き入力文字に対応する前記特徴量が前記筆者適応辞書に含まれる割合に基づいて、前記適応度が前記所定の適応度よりも大きいか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載の文字認識装置。
  8. それぞれの前記筆者適応辞書は、前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに対応する他の筆者が手書きで入力した文字の前記特徴量と前記文字カテゴリとを対応付けて予め記憶していることを特徴とする請求項1に記載の文字認識装置。
  9. 筆者が手書きで入力した文字である手書き入力文字を認識する文字認識プログラムであって、コンピュータに、
    文字を特定する文字カテゴリと文字の特徴を示す特徴量とを対応付けて記憶する複数の筆者適応辞書のそれぞれに、筆者が正解として選択した正解文字の前記文字カテゴリと前記手書き入力文字の前記特徴量とを対応付けて記憶するステップAと、
    前記複数の筆者適応辞書のそれぞれに記憶された前記特徴量と前記手書き入力文字の前記特徴量とを比較して、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリの候補を前記複数の筆者適応辞書毎に取得するステップBと、
    前記ステップBで取得された前記文字カテゴリの候補に基づいて、前記手書き入力文字に対応する前記文字カテゴリを認識結果として取得するステップCとを実行させ、
    それぞれの前記筆者適応辞書は、一の前記文字カテゴリに対して、互いに異なる前記特徴量を対応付けて予め記憶していることを特徴とする文字認識プログラム。
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