JP4816579B2 - 電磁弁の異常検出装置および電磁弁の異常検出方法 - Google Patents

電磁弁の異常検出装置および電磁弁の異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁弁の異常検出装置および電磁弁の異常検出方法に関し、詳しくは、コイルと、該コイルへの通電に伴って形成される磁気回路の一部を構成する固定部および可動部と、を有し、前記磁気回路を流れる磁束により前記可動部が前記固定部に吸引されて作動する電磁弁の異常を検出する電磁弁の異常検出装置および電磁弁の異常検出方法に関する。
従来、この種の電磁弁としては、樹脂などの非金属材料により形成された円筒状の環状部材と、環状部材の内壁面に貼り付けられ磁束を発生させる位置検出コイルと、バルブに一体的に固定され位置検出コイルと対向するよう環状部材の内側に設けられ磁束を遮蔽する円筒状の遮蔽体とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電磁弁では、位置検出コイルに通電した状態でバルブの移動に伴って遮蔽体が移動すると、遮蔽体の表層に渦電流が発生し、これに伴って位置検出コイルのインピーダンスが変化することから、このインピーダンス変化を電圧信号として検出することにより、バルブの位置を検出することができるとしている。また、この電磁弁では、環状部材と位置検出コイルと遮蔽体とを用いてバルブの位置を検出することにより、バルブの固着や噛み込み、ソレノイドコイルの断線などのバルブの動作異常も検出することができるとしている。
特開2006−275235号公報
しかしながら、上述した電磁弁では、バルブの位置検出のために位置検出用のコイルの他に、遮蔽体や環状部材を配置する必要から、部品点数が多くなって装置が複雑化すると共に電磁弁の大型化を招いてしまう。
本発明の電磁弁の異常検出装置および電磁弁の異常検出方法は、簡易な構成により電磁弁の異常をより確実に検出できるようにすることを主目的とする。
本発明の電磁弁の異常検出装置および電磁弁の異常検出方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の電磁弁の異常検出装置は、
コイルと、該コイルへの通電に伴って形成される磁気回路の一部を構成する固定部および可動部と、を有し、前記磁気回路を流れる磁束により前記可動部が前記固定部に吸引されて作動する電磁弁の異常を検出する電磁弁の異常検出装置であって、
前記磁気回路上に配置され、該磁気回路を流れる磁束の磁束密度または磁束密度変化を検出する磁束密度検出手段と、
前記コイルへの通電状態と前記磁束密度検出手段により検出された磁束密度または磁束密度変化とに基づいて前記電磁弁の異常を判定する異常判定手段と
を備えることを要旨とする。
この本発明の電磁弁の異常検出装置では、コイルへの通電に伴って形成される磁気回路上に磁気回路を流れる磁束の磁束密度または磁束密度変化を検出する磁束密度検出手段を配置し、コイルへの通電状態と磁束密度検出手段により検出された磁束密度または磁束密度変化とに基づいて電磁弁の異常を判定する。したがって、簡易な構成により電磁弁の異常、例えば可動部の固着などの異常を検出することができる。
こうした本発明の電磁弁の異常検出装置において、前記磁束密度検出手段は、前記磁気回路上で前記可動部の移動に伴う磁束密度変化が最も大きく現われる部位に配置されてなるものとすることもできる。こうすれば、磁束密度検出手段による検出をより正確に行なうことができるから、電磁弁の異常をより正確に検出することができる。
また、本発明の電磁弁の異常検出装置において、前記固定部は、前記可動部が可動方向に嵌挿される溝部が形成されると共に前記可動部が近づくほど狭くなって該可動部の可動方向の磁束を増加させる空隙が形成され、前記磁束密度検出手段は、前記空隙の近傍に配置されてなるものとすることもできる。こうした空隙の近傍は、可動部の移動に伴う磁束密度変化が大きく現われる部位と考えることができるから、この部位に磁束密度検出手段を配置することにより、磁束密度検出手段による検出をより正確に行なうことができる。
さらに、本発明の電磁弁の異常検出装置において、前記磁束密度検出手段は、磁束密度変化を検出する手段であり、前記異常判定手段は、前記コイルの通電電流の変化量と前記検出された磁束密度変化の変化量とに基づいて前記電磁弁の異常を判定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記磁束密度検出手段は、さぐりコイルまたはホール素子を用いて磁束密度変化を検出する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の電磁弁の異常検出装置において、前記磁束密度検出手段は、磁束密度を検出する手段であり、前記異常判定手段は、前記コイルへの通電電流と前記検出された磁束密度とに基づいて前記電磁弁の異常を判定する手段であるものとすることもできる。この場合、前記磁束密度検出手段は、ホール素子を用いて磁束密度を検出する手段であるものとすることもできる。
また、本発明の電磁弁の異常検出装置において、前記電磁弁は、円筒状の内部空間が形成され入力ポートと出力ポートとドレンポートとを有するスリーブと、該スリーブの内部空間に挿入される軸状部材であって前記可動部との連動による軸方向の移動に伴って各ポートの連通と遮断とを行なうスプールとを有する弁部を備えるものとすることもできる。こうすれば、弁部の固着などの異常を判定することができる。この場合、前記可動部と前記スプールは、一体的に結合されてなるものとすることもできる。こうすれば、可動部の移動に伴ってスプールだけが固着したときでも異常を判定することができる。
また、本発明の電磁弁の異常検出装置において、前記磁束密度検出手段は、出力端子が前記コイルの端子と共通のコネクタ部に配策されてなるものとすることもできる。こうすれば、装置全体をよりコンパクトなものとすることができる。
本発明の電磁弁の異常検出方法は、
コイルと、該コイルへの通電に伴って形成される磁気回路の一部を構成する固定部および可動部と、を有し、前記磁気回路を流れる磁束により前記可動部が前記固定部に吸引されて作動する電磁弁の異常を検出する電磁弁の異常検出方法であって、
(a)前記磁気回路上に配置されたセンサを用いて該磁気回路を流れる磁束の磁束密度または磁束密度変化を検出し、
(b)前記コイルへの通電状態と前記検出された磁束密度または磁束密度変化とに基づいて前記電磁弁の異常を判定する
ことを要旨とする。
この本発明の電磁弁の異常検出方法によれば、コイルへの通電に伴って形成される磁気回路上に磁気回路を流れる磁束の磁束密度または磁束密度変化を検出する磁束密度検出手段を配置し、コイルへの通電状態と磁束密度検出手段により検出された磁束密度または磁束密度変化とに基づいて電磁弁の異常を判定する。したがって、簡易な構成により電磁弁の異常、例えば可動部の固着などの異常を検出することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての電磁弁の異常検出装置に用いられる電磁弁20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電磁弁20は、例えばオートマチックトランスミッションに組み込まれたクラッチの油圧制御に用いられるものとして構成されており、図示するように、ソレノイド部30と、このソレノイド部30により駆動され入力した油圧を調圧して出力する調圧バルブ部40とを備える。
ソレノイド部30は、底付き円筒部材としてのケース31と、ケース31の内周側に配置され絶縁性のボビン32aに絶縁導線が巻回されてなるコイル(ソレノイドコイル)32と、ケース31の開口端部にフランジ外周部が固定されたフランジ部34aとフランジ部34aからコイル32の内周面に沿って軸方向に延伸された円筒部34bとが形成された第1のコア34と、ケース31の底部に固定されると共にコイル32の内周面に沿って第1のコア34の円筒部34bと所定間隔を隔てた位置まで軸方向に延伸された円筒状の第2のコア35と、第2のコア35に挿入され第2のコア35の内周面を軸方向に摺動可能なプランジャ36と、第1のコア34の円筒部34bに挿入されプランジャ36の先端に一体的に固定されると共に円筒部34bの内周面を軸方向に摺動可能なシャフト38とを備える。また、ソレノイド部30は、コイル32からの端子がケース31の外周部に形成されたコネクタ部39に配策されており、この端子を介してコイル32に給電することができるようになっている。
第1のコア34の円筒部34bの先端部は、外面には先端に向かうほど外径が小さくなるようテーパが形成され、内面にはシャフト38の外径よりも大きな外径のプランジャ36の先端部が嵌挿可能に環状の溝34cが形成されている。プランジャ36の先端面と対向する環状の溝34cの面には、プランジャ36が第1のコア34に当接しないよう非磁性材料により形成された環状のリング34dが設けられている。
ケース31と第1のコア34と第2のコア35とプランジャ36は、いずれも純度の高い鉄などの強磁性材料により形成されており、第1のコア34の円筒部34bの端面と第2のコア35の端面との間の空間は、非磁性体として機能するよう形成されている。なお、この空間は、非磁性体として機能させればよいから、ステンレススチールや黄銅などの非磁性金属を設けるものとしても構わない。
こうしたソレノイド部30では、コイル32に通電すると、ケース31,第2のコア35,プランジャ36,第1のコア34,ケース31の順にコイル32の周囲を周回するよう磁束が流れる磁気回路が形成され、これにより第1のコア34とプランジャ36との間に吸引力が作用してプランジャ36が吸引される。前述したように、プランジャ36の先端には第1のコア34の内周面を軸方向に摺動可能なシャフト38が一体的に固定されているから、プランジャ36の吸引に伴ってシャフト38は前方(図中左方向)に押し出される。図2に、ケース31と第2のコア35とプランジャ36と第1のコア34とにより形成される磁気回路に磁束が流れる様子を示す。
第1のコア34の円筒部34bの外周には、ケース31と第1のコア34と第2のコア35とプランジャ36とにより形成される磁気回路を流れる磁束が鎖交するようさぐりコイル80が配置されている。図3に、第1のコア34にさぐりコイル80が配置されている様子を示す。このさぐりコイル80は、鎖交する磁束が変化したときに起電力を発生し、この発生した起電力を検出することにより鎖交する磁束の磁束密度変化を検出することができる。さぐりコイル80が配置されている部位の近傍には、前述したように、第1のコア34とプランジャ36とにより空隙が形成されており、この空隙はコイル32への通電に伴ってプランジャ36が第1のコア34に近づくにつれて小さくなるため、プランジャ36の可動方向に流れる磁束が増加し、磁気回路中で磁束密度変化が最も大きく現われる。実施例では、この部位の近傍にさぐりコイル80を配置したから、磁束密度変化の検出をより正確に行なうことができる。なお、さぐりコイル80の出力端子は、コイル32の端子と共に共通のコネクタ部39に配策されている。
調圧バルブ部40は、一端がソレノイド部30のケース31および第1のコア34に取り付けられた略円筒状のスリーブ42と、スリーブ42の内部空間に挿入され一端がソレノイド部30のシャフト38の先端に連結されたスプール44と、スリーブ42の他端にネジ止めされたエンドプレート46と、エンドプレート46とスプール44の他端との間に設けられてスプール44をソレノイド部30側の方向へ付勢するコイルバネ48とを備える。なお、エンドプレート46は、そのネジ位置を調整することにより、コイルバネ48の付勢力を微調整することができるようになっている。
スリーブ42は、その内部空間の開口部として、図1中のスリーブ42における略中央位置に形成され図示しないオイルポンプから圧送された作動油を入力する入力ポート52と、図1中の左寄りの位置に形成されクラッチCL側に作動油を吐出する出力ポート54と、図1中の左端の位置に形成され作動油をドレンするドレンポート56と、図1中の右寄りの位置に形成され出力ポート54から吐出された作動油を外部に形成された油路58aを介して入力してスプール44をフィードバックするフィードバックポート58とが形成されている。また、スリーブ42の両端部には、スプール44の摺動に伴ってスリーブ42の内周面とスプール44の外周面との間の摺動面から漏れ出た作動油を排出するための排出孔59a,59bも形成されている。
スプール44は、スリーブ42の内部に挿入される軸状部材として形成されており、図1に示すように、スリーブ42の内径と略同一の外径の円柱状の三つのランド62,64,66と、図中の中央のランド62と左側のランド64との間を連結しランド62,64の外径よりも小さな外径で且つ互いのランド62,64から中央部に向かうほど小さな外径となるようテーパ状に形成され入力ポート52と出力ポート54とドレンポート56の各ポート間を連通可能な連通部68と、図中の中央のランド62と右側のランド66との間を連結しスプール44をフィードバックするための連結部69とを備える。
こうして構成された実施例の電磁弁20の動作について説明する。いま、コイル32に通電されていない場合を考える。この場合、スプール44はコイルバネ48の付勢力によりソレノイド部30側へ移動しているから(図1の状態)、連通部68により入力ポート52と出力ポート54とが連通する。したがって、入力ポート52に入力された作動油は出力ポート54から出力されて、クラッチCLに作用する油圧が上昇する。一方、コイル32に通電されると、コイル32に印加される電流の大きさに応じた吸引力で第1のコア34にプランジャ36が吸引され、これに伴って先端にスプール44が連結されたシャフト38が前方(図1中の左方向)に押し出されることによりスプール44がコイルバネ48側へ移動する。この際、スプール44は、プランジャ36の推力(吸引力)とコイルバネ48の付勢力と出力ポート54からフィードバックポート58へ入力される作動油の圧力によりスプール44に作用するフィードバック力とが丁度釣り合う位置で停止し、スプール44がコイルバネ48側に移動するほど入力ポート52の開口面積を狭めると共にドレンポート56の開口面積を広げ、スプール44が最もコイルバネ48側に移動したときにランド62により入力ポート52が完全に塞がれると共に出力ポート54とドレンポート56とが連通する。これにより、クラッチCLに作用している油圧は下降する。
図4は、コントローラ70を中心として信号の入出力関係を示すブロック図である。コントローラ70は、実施例の電磁弁20の制御を含めてオートマチックトランスミッションに組み込まれるクラッチの油圧制御の制御装置として機能すると共に実施例の電磁弁20の異常検出装置の一部としても機能するようになっている。コントローラ70は、CPU72を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に、処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、入力処理回路78と、出力処理回路79とを備え、これらはバス71を介して電気的に接続されている。このコントローラ70には、さぐりコイル70の出力電圧を検出する電圧計82からの出力電圧V1やコイル32への通電電流を検出する電流計84からの通電電流Iなどが入力処理回路78を介して入力されており、コントローラ70からは、コイル32への通電電流を制御する駆動回路32aへの駆動信号や警告灯86への点灯信号などが出力処理回路79を介して出力されている。
実施例の電磁弁20の異常検出装置としては、電磁弁20の異常、特に、スプール44やプランジャ36のスティック(固着)を検出するための装置として構成されており、具体的には、さぐりコイル80と、電圧計82と、電流計84と、警告灯86と、コントローラ70とにより構成されている。
次に、こうして構成された実施例の電磁弁20の異常検出装置の動作について説明する。図5は、コントローラ70により実行される異常判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数十〜数百msec毎)に繰り返し実行される。
異常判定処理ルーチンが実行されると、コントローラ70のCPU72は、まず、電圧計82により検出されるさぐりコイル80の出力電圧V1や電流計84により検出されるコイル(ソレノイドコイル)32への通電電流Iなどの処理に必要なデータを入力し(ステップS100)、入力した通電電流Iとn回前にこのルーチンが実行されたときに入力した通電電流(前回I)との偏差により電流変化量ΔI(=I−n回前のI)を計算し(ステップS110)、計算した電流変化量ΔIに基づいてさぐりコイル80を鎖交する磁束の磁束密度変化量の推定値としての推定磁束密度変化量ΔBestを導出する(ステップS120)。ここで、推定磁束密度変化量ΔBestは、実施例では、電流変化量ΔIと推定磁束密度変化量ΔBestとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、電流変化量ΔIが与えられると、マップから対応する推定磁束密度変化量ΔBestを導出するものとした。
そして、入力したさぐりコイル80の出力電圧V1に基づいてさぐりコイル80を鎖交する磁束の磁束密度変化量の実際値としての実磁束密度変化量ΔBを導出し(ステップS130)、導出した実磁束密度変化量ΔBと導出した推定磁束密度変化量ΔBestとの偏差α(=ΔB−ΔBest)を計算する(ステップS140)。ここで、実磁束密度変化量ΔBは、実施例では、出力電圧V1と実磁束密度変化量ΔBとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、出力電圧V1が与えられるとマップから対応する実磁束密度変化量ΔBを導出するものとした。
実磁束密度変化量ΔBと推定磁束密度変化量ΔBestとの偏差αを計算すると、計算した偏差αが値0を中心とした許容範囲内にあるか否かを判定する(ステップS150)。この許容範囲は、実施例では、電圧計82や電流計84の検出誤差や検出タイミングのズレなどを考慮して偏差αが値0とみなせる程度に若干のマージンを設けた範囲として予め定められている。偏差αが許容範囲内にあると判定されたときには、電磁弁20は正常に機能していると判断し、そのまま本ルーチンを終了し、偏差αが許容範囲内にないと判定すなわち許容範囲外にあると判定されたときには、電磁弁20に異常が発生していると判定し(ステップS160)、警告灯86を点灯して(ステップS170)、本ルーチンを終了する。
いま、電磁弁20が正常に機能している正常時の場合を考える。この場合、プランジャ36(スプール44)のストローク量は、ヒステリシスを考えなければコイル32への通電電流Iに比例し、ケース31と第1のコア34と第2のコア35とプランジャ36とにより形成される磁気回路を流れる磁束の磁束密度と対応した量となる。このため、コイル32への通電電流Iの変化量ΔIに基づいて導出される推定磁束密度変化量ΔBestとさぐりコイル80からの出力電圧V1に基づいて導出される実磁束密度変化量ΔBとは一致する。次に、異物が噛み込んだりしてスプール44やプランジャ36,シャフト38がスティック(固着)している異常時の場合を考える。異常時としては、コイル32に通電してスプール44やプランジャ36,シャフト38が図1中左側に移動した状態でスティックした場合やコイル32への通電を行なっておらずスプール44やプランジャ36,シャフト38がバネ48により図1中右側に押された状態でスティックした場合を考えることができる。何れの場合でも、コイル32への通電電流Iに対するプランジャ36(スプール44)のストローク量は、正常時のストローク量とは異なるものとなるから、第1のコア34とプランジャ36との間の空隙も正常時とは異なったものとなる。前述したように、第1のコア34とプランジャ36との間の空隙の変化は、磁束回路の変化を招くから、プランジャ36のストローク量が正常時とは異なるものとなると、コイル32への通電電流Iの変化量ΔIに基づいて導出される推定磁束密度変化量ΔBestとさぐりコイル80からの出力電圧V1に基づいて導出される実磁束密度変化量ΔBとは一致しなくなる。図5の異常判定処理ルーチンでは、こうした現象を利用することにより、電磁弁20に異常が生じていないかを判定しているのである。
以上説明した実施例の電磁弁20の異常検出装置によれば、コイル32への通電を伴って磁気回路を流れる磁束が鎖交するようさぐりコイル80を配置し、コイル32への通電電流Iの変化量ΔIとさぐりコイル80からの出力電圧V1に基づく磁束密度変化量ΔBとに基づいて電磁弁20に異常が生じていないかを判定(例えば、スプール44やプランジャ36,シャフト38がスティック(固着)していないかを判定)するから、より簡易な構成により電磁弁20の異常をより正確に判定することができる。しかも、さぐりコイル80を、磁気回路中で磁束密度変化が最も大きく現われる部位に配置したから、磁束密度の微妙な変化もより正確に検出することが可能となる。
実施例の電磁弁20の異常検出装置では、さぐりコイル80を第1のコア34に配置するものとしたが、ケース31と第1のコア34と第2のコア35とプランジャ36とにより形成される磁気回路を流れる磁束が鎖交するよう配置するものであれば、第1のコア34に限られず、ケース31や第2のコア35に配置するものとしてもよい。
実施例の電磁弁20の異常検出装置では、さぐりコイル80を用いて磁気回路を流れる磁束の磁束密度変化量ΔBを検出し、検出した磁束密度変化量ΔBに基づいて電磁弁20に異常が生じていないかを判定するものとしたが、さぐりコイル80に代えてホール素子を配置するものとし、このホール素子を用いて磁気回路を流れる磁束の磁束密度を検出し、検出した磁束密度Bに基づいて電磁弁20に異常が生じていないかを判定するものとしてもよい。この場合、図5の異常判定ルーチンに代えて図6に例示する異常判定処理ルーチンを実行するものとすればよい。なお、この変形例では、図1や図4で示した構成のうちさぐりコイル80をホール素子に置き換えた点以外は実施例と同一であるから、その構成の説明については省略する。図6の異常判定処理ルーチンでは、まず、コイル32への通電電流Iやホール素子からの出力電圧V2を入力し(ステップS200)、入力した通電電流Iに基づいてホール素子を通過する磁束の磁束密度の推定値としての推定磁束密度Bestを導出する(ステップS210)。ここで、推定磁束密度Bestは、実施例では、通電電流Iと推定磁束密度Bestとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、通電電流Iが与えられるとマップから対応する推定磁束密度Bestを導出するものとした。続いて、入力したホール素子の出力電圧V2に基づいてホール素子を通過する磁束の磁束密度の実際値としての実磁束密度Bを導出し(ステップS220)、導出した実磁束密度Bと導出した推定磁束密度Bestとの偏差β(=B−Best)を計算する(ステップS230)。ここで、実磁束密度Bは、出力電圧V2と実磁束密度Bとの関係を予め求めてマップとしてROM74に記憶しておき、出力電圧V2が与えられるとマップから対応する実磁束密度Bを導出するものとした。そして、実磁束密度Bと推定磁束密度Bestとの偏差βが値0を中心とした許容範囲内にあるか否かを判定し(ステップS240)、偏差βが許容範囲内にあると判定されたときには、電磁弁20は正常に機能していると判断し、そのまま本ルーチンを終了し、偏差βが許容範囲内にないと判定すなわち許容範囲外にあると判定されたときには、電磁弁20に異常が発生していると判定し(ステップS250)、警告灯86を点灯して(ステップS260)、本ルーチンを終了する。なお、この許容範囲は、実施例では、電圧計82や電流計84の検出誤差や検出タイミングのズレなどを考慮して偏差βが値0とみなせる程度に若干のマージンを設けた範囲として予め定められている。したがって、この変形例の電磁弁の異常検出装置によっても実施例と同様の効果を奏することができる。
この変形例の電磁弁の異常検出装置では、コイル32への通電電流Iとホール素子の出力電圧V2とに基づいて推定磁束密度Bestと実磁束密度Bとを導出して電磁弁20に異常が生じていないかを判定するものとしたが、コイル32への通電電流Iの変化量ΔIとホール素子の出力電圧V2の変化量(V2−n前回に異常判定処理ルーチンで入力した出力電圧V2)とに基づいて推定磁束密度変化量ΔBestと実磁束密度変化量ΔBとを導出して電磁弁20に異常が生じていないかを判定するものとしてもよい。
実施例では、電磁弁の異常を検出する本発明をプランジャ36とシャフト38とが一体的に固定されたソレノイド部30を有する電磁弁20に適用して説明したが、図7の変形例の電磁弁120に示すように、プランジャ136の先端がシャフト138と当接しているだけのソレノイド部130を有する構成に適用するものとしても構わない。この場合、スプール44がスティック(固着)したときには、プランジャ36は、固着したシャフト38を押し出す方向には動作することができないが、シャフト38から遠ざかる方向には動作することができる。このことから、図6に例示する異常判定ルーチンにより電磁弁に異常が生じていないかを判定することが望ましい。
実施例では、電磁弁の異常を検出する本発明をシャフト38とスプール44とが連結された電磁弁20に適用して説明したが、シャフト38とスプール44とが当接しているだけの構成に適用するものとしても構わない。この場合、コイル32に通電してスプール44やプランジャ36,シャフト38が図1中左側に移動した状態でスティックした場合の異常については検出することが困難とあるが、コイル32への通電を行なっておらずスプール44やプランジャ36,シャフト38がバネ48により図1中右側に押された状態でスティックした場合の異常については検出することができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、電磁弁の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としての電磁弁の異常検出装置に用いられる電磁弁20の構成の概略を示す構成図である。 ケース31と第2のコア35とプランジャ36と第1のコア34とにより形成される磁気回路に磁束が流れる様子を示す説明図である。 第1のコア34にさぐりコイル80が巻回されている様子を示す説明図である。 コントローラ70を中心として信号の入出力関係を示すブロック図である。 コントローラ70により実行される異常判定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例の異常判定ルーチンを示すフローチャートである。 変形例の電磁弁120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 電磁弁、30,130 ソレノイド部、31 ケース、32 コイル、32a ボビン、34 第1のコア、34a フランジ部、34b 円筒部、34c 溝、34d リング、35 第2のコア、36,136 プランジャ、38,138 シャフト、39 コネクタ部、40 調圧バルブ部、42 スリーブ、44 スプール、46 エンドプレート、48 コイルバネ、52 入力ポート、54 出力ポート、56 ドレンポート、58 フィードバックポート、58a 油路、59a,59b 排出孔、62,64,66 ランド、68 連通部、69 連結部、70 コントローラ、71 バス、72 CPU、74 ROM、76 RAM、78 入力処理回路、79 出力処理回路、80 さぐりコイル、82 電圧計、84 電流計、86 警告灯。

Claims (6)

  1. コイルと、該コイルへの通電に伴って形成される磁気回路の一部を構成する固定部および可動部と、を有し、前記磁気回路を流れる磁束により前記可動部が前記固定部に吸引されて作動する電磁弁の異常を検出する電磁弁の異常検出装置であって、
    前記磁気回路上に配置され、該磁気回路を流れる磁束の磁束密度変化を検出するさぐりコイルと、
    前記コイルへの通電状態と前記さぐりコイルにより検出された磁束密度変化とに基づいて前記電磁弁の異常を判定する異常判定手段と
    を備え
    前記固定部は、内周面に前記可動部が可動方向に嵌挿可能な溝部が形成されると共に、該可動部が近づくほど狭くなって該可動部の可動方向の磁束を増加させる空隙が形成される円筒部を有し、
    前記さぐりコイルは、前記円筒部の外周面に巻き付けられてなる
    電磁弁の異常検出装置。
  2. 請求項記載の電磁弁の異常検出装置であって、
    記異常判定手段は、前記コイルの通電電流の変化量と前記検出された磁束密度変化の変化量とに基づいて前記電磁弁の異常を判定する手段である
    電磁弁の異常検出装置。
  3. 前記電磁弁は、円筒状の内部空間が形成され入力ポートと出力ポートとドレンポートとを有するスリーブと、該スリーブの内部空間に挿入される軸状部材であって前記可動部との連動による軸方向の移動に伴って各ポートの連通と遮断とを行なうスプールとを有する弁部を備える請求項1または2記載の電磁弁の異常検出装置。
  4. 前記可動部と前記スプールは、一体的に結合されてなる請求項記載の電磁弁の異常検出装置。
  5. 前記さぐりコイルは、出力端子が前記コイルの端子と共通のコネクタ部に配策されてなる請求項1ないしいずれか記載の電磁弁の異常検出装置。
  6. コイルと、該コイルへの通電に伴って形成される磁気回路の一部を構成する固定部および可動部と、を有し、前記固定部は、内周面に前記可動部が可動方向に嵌挿可能な溝部が形成されると共に該可動部が近づくほど狭くなって該可動部の可動方向の磁束を増加させる空隙が形成される円筒部を有し、前記磁気回路を流れる磁束により前記可動部が前記固定部に吸引されて作動する電磁弁の異常を検出する電磁弁の異常検出方法であって、
    (a)さぐりコイルを前記円筒部の外周面に巻き付け、
    (b)前記さぐりコイルを用いて該磁気回路を流れる磁束の磁束密度変化を検出し、
    (c)前記コイルへの通電状態と前記検出された磁束密度変化とに基づいて前記電磁弁の異常を判定する
    電磁弁の異常検出方法。
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