JP4810555B2 - 制輪子の摩耗検出装置、それを備えた制輪子及び摩耗検出システム - Google Patents

制輪子の摩耗検出装置、それを備えた制輪子及び摩耗検出システム Download PDF

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Description

この発明は、制輪子の摩擦材が使用限界まで摩耗したことを検出する摩耗検出装置、それを備えた制輪子及び摩耗検出システムに関する。
従来、鉄道車両の制輪子の摩耗を計測する方法の一例として、制輪子をカメラで撮影し、このカメラで撮影した画像を画像処理器に入力して画像処理をした後、当該画像処理後の画像を表示装置に表示させた状態で制輪子の肉厚をスケールで計測する、或いは画像から、コンピュータにより制輪子の肉厚を自動計測するものがある。
本出願人は、鉄道車両用等の車両に用いられるディスクブレーキにおいて、特に制動時に700〜800℃の高温になるブレーキパッドの摩耗を電気的に検出するウエアインジケータを提案している(特許文献1参照)。このウエアインジケータは、耐熱性絶縁を施し電源及び指示器に接続される導線を支持する複数の支持片を、パッド裏金に幅方向に亘って分布させて取付け、上記支持片に支持させた1本の導線をパッド面に沿って張設すると共に、各支持片の支持する導線の位置をライニングの摩耗許容限度厚さの面に合致させて成っている。パッドに沿って設けた支持片は、ライニングと共に摩耗し、ライニングが許容限度厚さになるまで摩耗すると、これに通した導線がいずれかの部分で切断される。従って導線に電流が流れなくなり、ライニングが薄くなったことの指示又は警報を指示器から出すことができる。
また、IC5とアンテナ4とを有し、読書き装置と無線通信可能なICタグをブレーキシューに備え、ICタグのアンテナ又はその延長線の少なくとも一部をブレーキシューの摩耗限界位置に配置したブレーキシュー摩耗検出装置が提案されている(特許文献2参照)。このブレーキシュー摩耗検出装置によれば、ブレーキシューが摩耗限界位置まで摩耗するとアンテナ又はその延長線の少なくとも一部が切断されて無線通信が断絶するので、ブレーキシューの摩耗限界位置までの摩耗を知ることができる。
また、配線や構成が簡素で、制輪子の取り替え時に接続線の繋ぎ替えを必要としない制輪子の摩耗検知装置若しくは摩耗検知システムが提案されている(特許文献3参照)。この提案によれば、制輪子の側面にはトランスポンダが取り付けられ、トランスポンダは、地上側に設置された送受信装置から電波を受けると固有の識別信号を発信し、これを地上側の送受信装置が受信する。制輪子が摩耗限度位置まで摩耗したときにはトランスポンダが破壊されて識別信号が受信できなくなるので、これによって、制輪子の摩耗が限度位置に達したことが検知される。
更に、回転軸に装着された車輪及びブレーキディスクの少なくとも一方に摺接すると共に回転軸に対して直交し側方から視認可能な位置に摩擦点検用溝が形成された制輪子の摩耗を計測する制輪子摩耗計測装置及び方法が提案されている(特許文献4参照)。この制輪子摩耗計測装置においては、制輪子の前記摩擦点検用溝を含む広い領域の画像を撮影する画像撮影手段と、画像撮影手段により撮影された画像から摩擦点検用溝の領域のみの画像を抽出する画像処理手段と、画像処理手段で抽出された画像の摩擦点検用溝の深さに基づいて制輪子の摩耗を判定する判定手段とを具備しており、計測作業が簡単で計測時間を短くすることを図っている。
しかしながら、カメラで撮影した制輪子の画像を画像処理して制輪子の肉厚を計測しようとする場合においては、制輪子画像のコントラストが不明瞭である、制輪子の摩耗粉や砂埃等がカメラのレンズに付着している、等の原因で、画像処理による摩耗計測の正確さに難点がある。また、上記の先行する各特許文献に記載されているように、制輪子に種々の通信機能を付設して摩耗限界を検出しようとするものが提案されているが、個々の制輪子にそうした通信機能のある部品を取り付けるのは、コスト高を招くとともに、機能不良が生じるリスクを常に抱えており、必ずしも高い信頼性を確保できるものではない。
それゆえ、制輪子摩擦材の摩耗限界を知る手法としては、人の目視による検査が主流となっている。人の目視による検査では、摩耗限界の見誤りや判断のばらつきは避けられず、且つ貨物編成の車両のような場合には検査対象となる制輪子の数が非常に多くなり、作業員への作業負担が避けられない。
特許第3554378号公報 実用新案登録第3095035号公報 特開2002−250383号公報 特開2000−161926号公報
そこで、各制輪子に取り付けて摩擦材の摩耗限界を検出する検出装置として、簡単な構造で構成するとともに、摩耗限界の検出状態を容易に且つ確実に視認可能にする点で解決すべき課題がある。
この発明の目的は、簡単な構造で構成して低コストで製造可能とするとともに、摩耗限界の検出状態を容易に且つ確実に視認可能にして見間違いや判断間違いをなくすことができる制輪子の摩耗検出装置及び摩耗検出システムを提供することである。
上記の課題を解決するため、この発明による制輪子の摩耗検出装置は、バックプレートに取り付けられた摩擦材の摩耗限界位置に埋設される埋設子と、前記バックプレート又は前記摩擦材に対して前記埋設子と接続状態に取り付けられており前記摩擦材の前記摩耗限界位置に至る摩耗に起因して当該埋設子との前記接続が切断されることにより姿勢変更をする検出タグとを備えていることを特徴としている。
この制輪子の摩耗検出装置によれば、制輪子の摩擦材の摩耗がその摩耗限界に達すると、制動時に回転する車輪との擦れにより、埋設子と検出タグとの接続が切断され、検出タグが姿勢変更をする。この姿勢変更は、外観上の大きな変更になるので、間違えることなく容易に且つ確実に視認することができる。
この制輪子の摩耗検出装置において、前記埋設子は、前記摩擦材を横方向に貫通する埋設ピンと、前記埋設ピンの前記摩擦材から突出している両端部に係止され前記埋設ピンの前記摩擦材からの抜出しを防止する抜止め部材とを備えることができる。埋設ピンの両端部に係止される抜止め部材が摩擦材の両側面に当接することで、埋設子の摩擦材からの抜出しを簡単で且つ安価な構造で防止することができる。
この制輪子の摩耗検出装置において、前記検出タグを、前記バックプレート又は前記摩擦材に対して横軸ピンによって取り付け、前記検出タグは前記埋設子との前記接続が切断されることにより自重によって前記横軸ピンの回りに回動することにより前記姿勢変更をすることができる。検出タグは埋設子と接続されている状態では、横軸ピンと埋設子とで当初の姿勢が維持される。検出タグは、摩擦材の摩耗が摩耗限界位置にまで進み、車輪との擦れによって埋設子との接続が切断されると、自重によって横軸ピンの回りに回動することにより姿勢変更をする。
この制輪子の摩耗検出装置において、前記検出タグは、前記埋設ピンが車輪の踏面と接触して回転することにより破断される易破断部を備えるものとし、当該易破断部の破断によって前記検出タグの前記埋設ピンとの前記接続を切断することができる。
上記の制輪子の摩耗検出装置において、前記埋設子との前記接続状態にある前記検出タグを外側から覆うタグカバーを前記バックプレートに取り付け、前記姿勢変更をした前記検出タグの少なくとも一部を前記タグカバーの外に露出させる構造とすることができる。検出タグは埋設子と接続されている状態では、検出タグは外側からタグカバーによって覆われる。摩擦材の摩耗が摩耗限界位置にまで進んで埋設子との接続が切断されて検出タグが姿勢変更をすると、検出タグの少なくとも一部がタグカバーの外に露出するので、姿勢変更をした検出タグを外部から認めることができる。
上記の制輪子の摩耗検出装置において、前記検出タグは、表側面に光を反射する反射板を備えた光反射タグとすることができる。検出タグの表側面に光反射板を備えることで、光反射を捉えて検出タグの状態を確認し易くすることができる。
この発明による制輪子の摩耗検出システムは、上記の制輪子の摩耗検出装置における前記検出タグが前記姿勢変更をした状態を検出することにより、前記摩擦材の前記摩耗限界に至る摩耗を判定することから成っている。摩擦材の摩耗が摩耗限界位置にまで進んで埋設子との接続が切断されて検出タグが姿勢変更をした状態を検出することで、システムとして、制輪子の摩擦材が摩耗限界まで摩耗したことを判定することができる。
この制輪子の摩耗検出システムにおいて、地上側には、前方を通過する前記制輪子について前記姿勢変更をした状態の前記検出タグの有無に応じた出力信号を出力する検出手段と、前記検出手段からの前記出力信号に基づいて当該制輪子における前記摩擦材の摩耗が前記摩耗限界に至ったことを判定する判定手段とを備えることができる。システムの地上側に、上記の検出手段と判定手段とを備えることで、検出手段の前を通過する車両の台車の車輪に付設される制輪子について、検出手段は、姿勢変更をした状態の検出タグの有無に応じた出力信号を出力する。判定手段は、検出手段からの出力信号に基づいて当該検出手段の前を通過した制輪子における摩擦材の摩耗が摩耗限界に至った否かを判定することができる。
この発明による制輪子の摩耗検出システムは、上記の制輪子の摩耗検出装置における前記検出タグは、電子タグであり、前記電子タグが前記姿勢変更をすることにより外部との交信が可能になることを利用して、前記摩擦材の前記摩耗限界に至る摩耗を判定することから成っている。電子タグには、当該制輪子が取り付けられる車両や台車、車輪の特定、及び交換履歴等の情報を乗せることができ、摩耗等について制輪子の管理を容易にすることができる。
この制輪子の摩耗検出システムにおいて、地上側には、前記姿勢変更をした状態の前記検出タグとの間で交信可能な交信手段と、前記交信手段からの情報に基づいて制輪子における前記摩擦材の摩耗が前記摩耗限界に至ったことを判定する判定手段とを備えることができる。摩擦材の摩耗が摩耗限界位置にまで進んで埋設子との接続が切断されて検出タグが姿勢変更をした状態になることで、システムとして、交信手段が検出タグとの間で交信可能となり、交信手段からの情報に基づいて制輪子の摩擦材が摩耗限界まで摩耗したことを判定することができる。また、本システムは、前方を通過する車両について適用されており、前記車両の走行速度と前記検出手段からの前記出力信号とに基づいて、前記車両に備わる前記制輪子のうち前記摩擦材の摩耗が前記摩耗限界に至った制輪子を特定するシステムとすることができる。
この発明である制輪子の摩耗検出装置によれば、制輪子の摩擦材の摩耗がその摩耗限界に達すると、制動時に回転する車輪との擦れにより埋設子と検出タグとの接続が切断されて検出タグが姿勢変更をし、その姿勢変更を容易に且つ間違えることなく確実に視認することができる。したがって、既存の制輪子の構造を大きく変更することなく、簡単な構造で且つ安価に、制輪子の摩擦材の摩耗限界を知ることができる。また、制輪子の摩耗検出システムによれば、摩擦材の摩耗が摩耗限界位置にまで進んで埋設子との接続が切断されて検出タグが姿勢変更をした状態を検出することで、システムとして制輪子の摩擦材が摩耗限界まで摩耗したことを簡素な構成で且つ安価に構築することができるとともに、車両に備わる複数の制輪子のうち摩耗した制輪子を特定することにも用いることができ、制輪子について摩耗検査、整備の省人化を図ることができる。
また、この制輪子の摩耗検出装置においては、埋設子や検出タグ等の簡単な部品を組み付けるのみであるので、既存の制輪子であっても、孔加工やネジ加工等の簡単な追加的な加工のみで摩耗検知機構を組み込むことができる。更に、例えば、検出タグが電子タグである場合、電子タグを摩擦材内に埋め込むのは熱による機能への影響が大きいが、この摩耗検出装置においては、摩擦材の成型工程内に動作をする機構を入れずに済むため、熱成型の熱の影響を考慮しなくて済む。また、電子タグであれば、当該制輪子が使用されている車両や台車、或いは車輪までの情報を書き込むことができ、その情報を用いて、摩耗限界まで摩耗が進んだ制輪子を特定することができる。
以下、添付した図面に基づいて、この発明による制輪子の摩耗検出装置及びそれを用いた摩耗検出システムの実施例を説明する。
まず、この発明による摩耗検出装置及びそれを備えた制輪子の実施例について図1〜図4を参照して説明する。図1はこの発明による摩耗検出装置を備えた制輪子の一実施例を示す斜視図、図2は図1に示す摩耗検出装置の制輪子への組立図である。図3は図1に示す制輪子の摩擦材が摩耗限界まで摩耗した状態を示す斜視図である。図4は摩耗検出装置の詳細を示す説明図である。
図1に示す制輪子1は、基本的な構造として、金属製の湾曲板から成るバックプレート2と、バックプレート2の湾曲内面側に取り付けられた焼結金属、複合樹脂材から成型された摩擦材3とを備えている。バックプレート2は、車両の台車に備わる作動機構に取り付けられる取付け部4を備えている。
制輪子1には、摩耗検出装置10が組み付けられている。摩耗検出装置10は、摩擦材3の摩耗限界位置(破線で示す)5で定められる摩耗警告残り代6に接するように埋設される埋設子としての埋設ピン11と、摩擦材3に対して埋設ピン11と接続状態に取り付けられている検出タグ12とを備えている。検出タグ12は、摩耗限界まで摩耗していない使用可能状態では、制輪子1のバックプレート2に取り付けられるタグカバー13によって覆われているので、外部から直ちに見ることはできない。
図2である組立図に示すように、摩擦材3には、制輪子1の摩耗警告残り代6に接する態様で横方向(制輪子1が適用される車輪の軸線と平行な方向)に貫通する孔20を開ける。この孔20の孔径は検出タグ12と一体になった埋設ピン11の外径よりも若干大きい径に設定されている。それゆえ、埋設ピン11は、孔20内で殆ど抵抗無しに回転することができる。摩耗検出装置10を制輪子1に組み付ける際にも、埋設ピン11を孔20内に挿入後、検出タグ12の向きを取付け向きに簡単に変更することができる。
埋設ピン11を孔20内に挿入後、埋設ピン11を制輪子1から抜けないようにするため、抜止め部材としてのCクリップ14a,14bが埋設ピン11に係止される。即ち、孔20に挿入した埋設ピン11は両端部11a,11bにおいて摩擦材3の側面3a,3bから突出するが、両端部11a,11bには抜止め部材としてのCクリップ14a,14bを係止溝内に嵌めることで係止される。Cクリップ14a,14bが摩擦材3の摩耗警告残り代6の両側面3a、3bに当接することで、埋設ピン11は制輪子1からの抜出しを簡単で且つ安価な構造で防止することができる。
検出タグ12の一端側は、埋設ピン11の端部11aが接続される接続端部15とされている。検出タグ12の接続端部15の近傍には、後述するように埋設ピン11が車輪によって強制的に回転されるときに検出タグ12と埋設ピン11との接続が容易に切断されるように、強度の弱い易破断部が形成される。易破断部としては、例えば、断面積を小さくして破断され易くした括れ部分16が形成されている。検出タグ12の他端側には、横軸ピン18の径より若干大きい径を持つ孔17が形成されている。
横軸ピン18を孔17に貫通させ、横軸ピン18を摩擦材3の摩耗警告残り代6に打込むことによって、検出タグ12は制輪子1に固定される。検出タグ12は埋設ピン11と接続されている状態では、横軸ピン18と埋設ピン11とで略摩耗警告残り代6に沿った当初の姿勢が維持される。検出タグ12については、摩擦材3にピン止めした例として示したが、これに限らず、バックプレート2に取り付けてもよい。このとき、後述するタグカバーと干渉しないような配置とする。
埋設ピン11と接続状態にある検出タグ12を外側から覆い被さるように、タグカバー13が、制輪子1のバックプレート2にネジ19,19によって取り付けられている。検出タグ12は埋設ピン11と接続状態にあるときには、検出タグ12は外側からタグカバー13によって覆われているので、一見しただけでは、外側から目視する或いはアクセスを取ることができない。
制輪子1の摩擦材3が摩耗警告残り代6より多く残っている場合には、検出タグ12は取付状態の姿勢を維持したままである。しかしながら、摩擦材3が車輪との制動を繰り返すうちに摩耗限界位置5に至るまで摩耗して摩耗警告残り代6より少なくなった場合は、孔20の径方向部分(車輪の踏面と接触する向きの側)が開き、埋設ピン11が車輪の踏面と接触し、車輪の回転により埋設ピン11が右或いは左に回転しようとする。
検出タグ12は、一端側においては、図4に拡大して示すように、接続端部15の直下の部分が切断し易い様に細くなった括れ部分16とする(図4(a))、切断孔16aが設ける(図4(b))等の易破断部を形成する対策が施してあり、他端側においては、横軸ピン18で固定されている。そのため、車輪と接触する埋設ピン11が回転すると検出タグ12は最も強度の低い易破断部において破断され、埋設ピン11との接続が切断される。切断された検出タグ12は、自身の重みで横軸ピン18の回りに回転し、横軸ピン18を上部にしてぶら下がり、当初の姿勢から変更された姿勢変更状態となる(図4(c))。このとき、図3に示すように、検出タグ12の大部分はタグカバー13に覆われない露出状態になり、タグ12は外部から認識可能となる。即ち、制輪子1の摩擦材3が摩耗限界まで摩耗すると、自動的に摩耗限界を示す検出タグ12が外側に現れる。検出タグ12のこの姿勢変更は、外観上の大きな変更であり外部から間違えることなく容易に且つ確実に視認することができる。
次に、この摩耗検出装置を利用した自動的な摩耗検出システムの実施例を説明する。図5はこの発明による制輪子の摩耗検出システムの一実施例を示すシステム概略図である。図5に示す摩耗検出システム21においては、摩擦材3の摩耗が摩耗限界位置にまで進んで摩耗検出装置10における検出タグが姿勢変更をした状態を外部から光学的に検出することにより、摩擦材3が摩耗限界にまで摩耗したことを判定する。
この例における検出タグは表側面に光を反射する反射板(リフレクター)23を備えた光反射タグ22である。制輪子1の摩擦材3の摩耗が摩耗警告残り代6にまで達すると、前述したように、タグカバー13に覆われていた光反射タグ22が現れる。光反射タグ22の反射板23で反射した光によって外部から検出タグ22の姿勢変更を明確に視認することができる。
自動摩耗検査システム21においては、車両の検査車庫の入口などに、制輪子1の検出タグ22を検出するように、地上側である道床40上に、発光器42と受光器43とを備えた光学機器から成る検出手段41が設置されている。検出手段41の前方近傍は、検査車庫に入出庫するため道床40上の枕木46の上に敷設されたレール47上を走行する車両の車輪48が通過する位置に設定されている。検出手段41は、前方を通過する車輪48について配設されている制輪子1について、姿勢変更をした状態の光反射タグ22の有無に応じた出力信号を出力する。システムとしては、更に、検出手段41が受光した内容を電気信号に変換するECU( Electronic Control Unit )44、及びECU44の出力信号から制輪子1の摩擦材3が摩耗限界まで摩耗したことを判定するパーソナルコンピュータ(PC)のような演算を兼ねた判定手段45を備えているが、これらは検出手段41とは別の場所に設置しても構わない。
制輪子1の摩擦材3が摩耗限界にまで磨耗して、埋設ピンとの接続が切断されて光反射タグ22が姿勢変更をして外部から認識可能な状態で現れると、発光器42から発光された光が光反射板23で反射され、受光器43が受光してECU44が信号に変換する。検出手段41は、反射板23からの光反射を捉えて、光反射タグ22の状態(姿勢変更状態か否か)を容易に確認することができる。例えば、予め車両や台車(車軸間距離等)の寸法を入力しておき、車両が一定速度で車庫に進入するときに光の反射を検出する。
図7及び図8は、その検出例を示す説明図とグラフである。図7に示すように、編成車両が、例えば整備車庫へ進入する際に、一定速度Vで走行しながら検出手段(例えば、図5に示す手段41)の前を通過するとする。当該編成車両の先頭が検出手段41の前を通過するとき、時刻tにトリガ信号が発せられる。各車両に備わる制輪子の位置は、編成車両の先頭からの距離S1,S2,…,S6,…,Snで決められており、システムに予め入力されている。図8に示すように、検出タグ12からの信号を検出する場合には、PC45は、その検出時刻に基づいて、前記トリガ信号の発生時刻tから経過した時間間隔T1,T2,…Tnを計算し、これらの時間間隔に基づいて、摩耗した制輪子を特定することができる。例えば、距離S1が0.5mであり、車両の速度V=0.5m/secとしたとき、T1=0.5/0.5=1secである。したがって、時刻tから1秒後に検出タグ12からの信号を検出すれば、PC45は、1番目の制輪子を摩耗が限界を超えた制輪子として特定することができる。
検出手段41の前を通過する車両の車輪48に付設される制輪子1について、検出手段41は、姿勢変更をした状態の光反射タグ22が有るか否かに応じて、その内容情報を備えた出力信号を出力する。判定手段45は、検出手段41からの出力信号に基づいて検出手段41の前を通過した制輪子1における摩擦材3の摩耗が摩耗限界に至った否かを判定することができる。
図6はこの発明による制輪子の摩耗検出システムの別の実施例を示すシステム概略図である。図6に示す摩耗検出システム31においては、図5に示すシステムの構成要素と同等のものには同じ符号を付すことで再度の説明を省略する。摩耗検出システム31においては、制輪子1の摩耗検出装置における検出タグは電子タグ32である。電子タグ32には、制輪子1の車両における位置(台車や車輪の特定)、交換日等の情報が入っている。この情報は、後述するPCのような判定手段55に渡されて管理されている。電子タグ32は、RFID等のアンテナを介して非接触でデータの読出し・書込みが可能な情報媒体である。
この摩耗検出システムにおいて、地上側には、前方を通過する制輪子1について姿勢変更をした状態の電子タグ32との間で交信可能な交信手段51を備えている。交信手段51は、例えばアンテナ52を備えている。制輪子1の摩擦材3が摩耗限界まで摩耗してない場合は、電子タグ32は金属製のタグカバー13で覆われているため、電波が遮断されて無線の送受信ができない。摩擦材3の摩耗が摩耗限界位置にまで進んで摩耗警告残り代6に達すると、埋設ピンとの接続が切断されて電子タグ32が姿勢変更をして、電子タグ32がタグカバー13の外現れる。交信手段51が外に現れた電子タグ32との間で交信可能となり、交信手段51からリーダライタ制御装置(ECU)54が情報を受信する。判定手段55は、交信手段51からの情報に基づいて、車両の台車、車輪及び制輪子を特定しつつ、当該制輪子1の摩擦材3の摩耗が摩耗限界まで達したことを判定することができる。
この発明による摩耗検出装置を備えた制輪子の一実施例を示す斜視図である。 図1に示す摩耗検出装置の制輪子への組立図である。 図1に示す制輪子の摩擦材が摩耗限界まで摩耗した状態を示す斜視図である。 図1〜図3に示す摩耗検出装置の詳細を示す説明図である。 この発明による制輪子の摩耗検出システムの一実施例を示すシステム概略図である。 この発明による制輪子の摩耗検出システムの別の実施例を示すシステム概略図である。 制輪子の位置を説明する編成車両の説明図である。 一定速度で車両走行するときの検出タグの検出信号を示すグラフである。
符号の説明
1 制輪子 2 バックプレート
3 摩擦材 3a,3b 側面
4 取付け部 5 摩耗限界位置
6 摩耗警告残り代
10 摩耗検出装置 11 埋設ピン
11a,11b 端部 12 検出タグ
13 タグカバー 14a,14b Cクリップ
15 接続端部 16 括れ部分
16a 切断孔 17 孔1
18 横軸ピン 19 ネジ
20 孔
21 摩耗検出システム 22 検出タグ
23 反射板
31 摩耗検出システム31 32 電子タグ
40 道床 41 検出手段
42 発光器 43 受光器
44 ECU 45 判定手段
46 枕木 47 レール
48 車輪 51 交信手段
52 アンテナ 54 リーダライタ制御装置(ECU)
55 判定手段

Claims (12)

  1. バックプレートに取り付けられた摩擦材の摩耗限界位置に埋設される埋設子と、前記バックプレート又は前記摩擦材に対して前記埋設子と接続状態に取り付けられており前記摩擦材の前記摩耗限界位置に至る摩耗に起因して当該埋設子との前記接続が切断されることにより姿勢変更をする検出タグとを備えていることから成る制輪子の摩耗検出装置。
  2. 前記埋設子は、前記摩擦材を横方向に貫通する埋設ピンと、前記埋設ピンの前記摩擦材から突出している両端部に係止され前記埋設ピンの前記摩擦材からの抜出しを防止する抜止め部材とを備えていることから成る請求項1に記載の制輪子の摩耗検出装置。
  3. 前記検出タグは、前記バックプレート又は前記摩擦材に対して横軸ピンによって取り付けられており、前記埋設子との前記接続が切断されることにより自重によって前記横軸ピンの回りに回動することにより前記姿勢変更をすることから成る請求項1又は2に記載の制輪子の摩耗検出装置。
  4. 前記検出タグは、前記埋設ピンが車輪の踏面と接触して回転することにより破断される易破断部を備えており、当該易破断部の破断によって前記検出タグの前記埋設ピンとの前記接続が切断されることから成る請求項1〜3のいずれか1項に記載の制輪子の摩耗検出装置。
  5. 前記埋設子との前記接続状態にある前記検出タグを外側から覆うタグカバーが前記バックプレートに取り付けられており、前記姿勢変更をした前記検出タグの少なくとも一部は前記タグカバーの外に露出することから成る請求項1〜4のいずれか1項に記載の制輪子の摩耗検出装置。
  6. 前記検出タグは、表側面に光を反射する反射板を備えた光反射タグであることから成る請求項1〜5のいずれか1項に記載の制輪子の摩耗検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制輪子の摩耗検出装置における前記検出タグが前記姿勢変更をした状態を検出することにより、前記摩擦材の前記摩耗限界に至る摩耗を判定することから成る制輪子の摩耗検出システム。
  8. 地上側には、前記姿勢変更をした状態の前記検出タグの有無に応じた出力信号を出力する検出手段と、前記検出手段からの前記出力信号に基づいて制輪子における前記摩擦材の摩耗が前記摩耗限界に至ったことを判定する判定手段とを備えることから成る請求項7に記載の制輪子の摩耗検出システム。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制輪子の摩耗検出装置における前記検出タグは電子タグであり、前記電子タグが前記姿勢変更をすることにより外部との交信が可能になることを利用して、前記摩擦材の前記摩耗限界に至る摩耗を判定することから成る制輪子の摩耗検出システム。
  10. 地上側には、前記姿勢変更をした状態の前記検出タグとの間で交信可能な交信手段と、前記交信手段からの情報に基づいて制輪子における前記摩擦材の摩耗が前記摩耗限界に至ったことを判定する判定手段とを備えることから成る請求項9に記載の制輪子の摩耗検出システム。
  11. 前方を通過する車両について適用されており、前記車両の走行速度と前記検出手段からの前記出力信号とに基づいて、前記車両に備わる前記制輪子のうち前記摩擦材の摩耗が前記摩耗限界に至った制輪子を特定することから成る請求項8又は10に記載の制輪子の摩耗検出システム。
  12. バックプレートと当該バックプレートに取り付けられた摩擦材とを備え、更に請求項1〜6のいずれか1項に記載の制輪子の摩耗検出装置を備えていることから成る制輪子。
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