JP4810386B2 - ガラス製壜機の金型開閉装置 - Google Patents

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この発明は、ガラス製壜機の金型開閉装置に関する。
ガラス製壜機においては各セクションに、パリソンを粗成形する粗型や最終製品に成形する仕上型が備えられ、これらの成形型には金型を開閉するための装置が設けられる。このような金型開閉装置として、金型支持機構が一対の軸体に取り付けられ、該一対の軸体はセクションフレーム上に支持されたハウジング内にて水平方向に分離した軸受内に摺動可能に支持された装置等がある(例えば、特許文献1参照)。しかるに、このような金型開閉装置は、金型支持機構に取り付けられた軸体が軸受内で摺動可能に構成されているものの、前記軸体が熱膨張によって変形すると、軸受内で円滑に摺動することが非常に困難になる。
そこで、図に示すような金型開閉装置80が提案されている。この金型開閉装置80において、一対の割型M1、M2を保持する金型ホルダー81,82にそれぞれ一体に形成されたスライドガイド部材85,85が固定ブロック86,86の移動溝87,87を水平方向に摺動可能に構成されている。符号bは移動溝87内をスライドガイド部材85が摺動するための間隙(説明用に拡大)である。
しかしながら、成形に際して、図の金型ホルダー81,82が離間した状態から、各スライドガイド部材85,85が移動溝87,87を矢印a方向にそれぞれ摺動して金型ホルダー81,82が接近して割型M1,M2が合着される場合に、図から理解されるように、各スライドガイド部材85,85の先端に位置する割型M1,M2に金型ホルダー81,82および割型M1,M2自体の重みが加わり下方向の力fが作用して、スライドガイド部材85、85が移動溝87、87内の摺動用間隙bをズレ落ちる(説明用に拡大強調)という問題が発生する。このようなスライドガイド部材85のズレ落ちが生じると、それがわずかなズレであっても、割型M1,M2の合着の妨げとなり、最終成形品に不良が発生してしまうという製品管理上極めて深刻な問題となる。
特開平11−199243号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、スライドガイド部材が固定ブロックに設けられた移動溝を極めてスムーズに進退でき、ズレが生じることなく確実に割型の合着及び分離ができるガラス製壜機の金型開閉装置を提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、一対の割型をそれぞれ保持する金型ホルダー(21,22)と、前記各金型ホルダーの左右両端にそれぞれ一体に形成されたスライドガイド部材(31,32,33,34)と、前記各スライドガイド部材が移動するための移動溝(45,46,47,48)が形成された固定ブロック(41,42,43,44)を有し、駆動装置によって前記各金型ホルダーが進退して前記各割型が互いに合着し又は分離するように構成された金型開閉装置において、前記移動溝は、上下の内壁部(51,52)と該内壁部に囲まれた内底部(53)を有し、前記スライドガイド部材は、前記移動溝の上下の内壁部との間において転動部材(60)を介して密接支持されているとともに、前記移動溝の内底部との間に間隙(C)を有していて溝の内底部方向にも移動自在に構成されていて、前記固定ブロックの上下の内壁部のいずれか一方が溝幅調整可能なように可動ブロック(55)によって構成されていることを特徴とするガラス製壜機の金型開閉装置に係る。
請求項の発明は、前記転動部材が、前記スライドガイド部材の上下の摺接面と移動溝の内壁部との間に、溝方向に多数並置されたニードルベアリング(61)である請求項に記載のガラス製壜機の金型開閉装置に係る。
請求項1の発明に係るガラス製壜機の金型開閉装置によれば、一対の割型をそれぞれ保持する金型ホルダーと、前記各金型ホルダーの左右両端にそれぞれ一体に形成されたスライドガイド部材と、前記各スライドガイド部材が移動するための移動溝が形成された固定ブロックを有し、駆動装置によって前記各金型ホルダーが進退して前記各割型が互いに合着し又は分離するように構成された金型開閉装置において、前記移動溝は、上下の内壁部と該内壁部に囲まれた内底部を有し、前記スライドガイド部材は、前記移動溝の上下の内壁部との間において転動部材を介して密接支持されており、従来技術のような摺動のための間隙がないので、割型の合着時にズレ落ちが生じることがない。とともに、前記移動溝の内底部との間に間隙を有していて溝の内底部方向にも移動自在に構成されているため、金型ホルダーが熱により膨張しても、前記部材は移動溝を極めてスムーズに進退することが可能となる。さらに、前記固定ブロックの上下の内壁部のいずれか一方が溝幅調整可能なように可動ブロックによって構成されているため、スライドガイド部材を移動溝内に容易に密接支持させることができ、かつ、その調整も簡単に行うことができる。
請求項の発明によれば、請求項において、前記転動部材が、前記スライドガイド部材の上下の摺接面と移動溝の内壁部との間に、溝方向に多数並置されたニードルベアリングであるため、簡単な構成でスライドガイド部材が非常にスムーズに摺動することができる。また、より確実にスライドガイド部材を支持することができるので、割型の合着時のズレを防止することができる。
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明のガラス製壜機の金型開閉装置の一実施例の要部を示す全体斜視図、図2は図1の実施例の固定ブロックとスライドガイド部材の要部を表す正面図、図3は図2の3−3線で切断した状態の断面図、図4は図3の部分を拡大した断面図は転動部材と固定ブロックの移動溝との関係を模式的に表した断面図6は別の実施例に係る転動部材と固定ブロックの移動溝との関係を模式的に表した断面図である。
図1に図示したように、この発明のガラス製壜機の金型開閉装置10は、一対の割型(図示省略)をそれぞれ保持する金型ホルダー21,22と、前記各金型ホルダーの左右両端にそれぞれ一体に形成されたスライドガイド部材31,32,33,34と、前記各スライドガイド部材が移動するための移動溝45,46,47,48が形成された固定ブロック41,42,43,44を有し、図示しない駆動装置によって前記各金型ホルダーが進退して前記各割型が互いに合着し又は分離するように構成されている。そして、この金型開閉装置10において、図2及びその拡大図である図3からよく解るように、前記移動溝45(46,47,48も同様)は、上下の内壁部51,52と該内壁部に囲まれた内底部53を有し、前記スライドガイド部材31(32,33,34も同様)は、前記移動溝45(46,47,48)の上下の内壁部51,52との間において転動部材60を介して密接支持されているとともに、前記移動溝45(46,47,48)の内底部53との間に間隙Cを有していて溝の内底部方向にも移動自在に構成されている。以下、各部を説明する。
金型ホルダー21,22は、図示しない公知の一対の製壜用割型(粗型又は仕上型)をそれぞれ保持するものである。割型は金型ホルダー21,22に保持されて図示しない公知の駆動装置により進退し、互いに合着、分離される。
スライドガイド部材31,32,33,34は、前記各金型ホルダー21,22の左右両端にそれぞれ一体に形成される。実施例では図1の如く、金型ホルダー21の左右両端にスライドガイド部材31,32が、また、金型ホルダー22の左右両端にスライドガイド部材33,34が取付部材により固定されて一体に形成されている。
固定ブロック41,42,43,44は、前記スライドガイド部材31,32,33,34が移動するための移動溝45,46,47,48を有する。実施例では、移動溝45,46,47,48が図1のように断面コ字状に形成され、断面矩形状のスライド部材31,32,33,34が後述の転動部材を介して密接支持されて水平方向に進退可能なように形成されている。そして、駆動装置によって前記各金型ホルダー21,22が進退して割型が互いに合着し又は分離するように構成されている。駆動装置は図示しないが、本発明のガラス製壜機の金型開閉装置の駆動源となるもので、従来公知のサーボモータ等が用いられる。
移動溝45(46,47,48も同一構成)は、図2及び図3から理解されるように、上下の内壁部51,52と該内壁部に囲まれた内底部53を有している。また、スライドガイド部材31(32,33,34も同一構成)は、前記移動溝45の上下の内壁部51,52との間において転動部材60を介して密接支持されているとともに、前記移動溝45の内底部53との間に、図3及び図4に示すような間隙Cを有していて溝の内底部方向(図4の矢印d方向)にも移動自在に構成されている。
転動部材60は、この例では従来公知のニードルベアリング61が用いられる。この転動部材60(61)により、スライドガイド部材31(32,33,34)が移動溝45(46,47,48)内を移動する際に、スライドガイド部材31(32,33,34)は上下方向から確実に密接支持されるように構成されている。そのため、従来技術の摺動溝のような間隙をなくすることができ、この間隙に起因するスライドガイド部材のズレ落ちの発生を防止することができる。
また、スライドガイド部材31(32,33,34)には、ガラス製壜工程において、バッフルメカニズムのバッフルによる押圧力やブローヘッドメカニズムのブローヘッドによる押圧力、あるいはプランジャー装置による上方向へ力など各種の負荷が加わるのであるが、この転動部材60(61)によるスライドガイド部材31(32,33,34)の移動溝45(46,47,48)の上下の内壁部に対する密接支持によって、これらの負荷によって生ずることのあるガタやズレが防止でき、割型合着のズレによる最終ガラス製品のスジやシワの発生を防ぐことができる。
さらに、スライドガイド部材31(32,33,34)と移動溝45(46,47,48)の内底部53の間には、図示の間隙Cが設けられている。このように構成することによって、金型ホルダーが熱により膨張しても、図3のように、間隙Cが形成されているため、移動溝45内におけるスライドガイド部材31(32,33,34)が溝の内底部53方向(矢印d方向)へ自在に移動でき、その結果としてスライドガイド部材31(32,33,34)の移動溝45(46,47,48)内での移動(図2の矢印L方向)をスムーズに継続することが可能となる。
転動部材60としては図2ないし4に図示したような、ニードルベアリング61が好ましく用いられる。このニードルベアリング61は、図4のように、スライドガイド部材31(32,33,34)の上下の摺接面35a,35bと移動溝45(46,47,48)の内壁部51,52との間に、溝方向(図2の矢印L方向)に多数並置される。このニードルベアリング61は従来公知のもので、多数のローラー62と前記ローラーを回動自在に保持するための保持部63より構成される。
ここで、図5,6の模式図を用いて、固定ブロックの移動溝とスライドガイド部材と転動部材との関係について説明する。ここでは、固定ブロック41と移動溝45とスライドガイド部材31と転動部材60について述べ、他の同一構成部材についても同様であるので説明を省略する。この発明装置では、スライドガイド部材31が移動溝45の内底部53方向(矢印d方向)へ移動自在に構成される。そのためには、図のように、スライドガイド部材31に転動部材60が取付けられた場合には、該転動部材60と移動溝45の上下の内壁部51,52との間において、図でクロスハッチ部分として表したように、摺接面37a,37bが形成される。この摺接面37a,37bによって、スライドガイド部材31は移動溝45の内底部53方向(矢印d方向)へ移動することができる。これは、図2ないし4に示したニードルベアリング61の実施例である。
さらに、図は、転動部材60は移動溝の上下の内壁部51,52にも、スライドガイド部材31にも取付けられていない場合である。この例は実施例に示されていないが、この場合には、図のハッチ部分のように、スライドガイド部材31と移動溝の上下の内壁部51,52の両方に摺接面39a,39b、39c、39cが形成される。
次に、図2ないし図4に示たように、前記固定ブロック41(42,43,44も同様)の上下の内壁部51,52のいずれか一方が溝幅調整可能なように可動ブロック55によって構成されてもよい。実施例では、固定ブロック41(42,43,44)の上側の内壁部51が、可動ブロック55によって溝幅調整可能なように構成されている。符号eは調整用の間隙を表す。図2の符号68は調節ねじ部材、69は押圧部材、図4の符号hは溝幅である。なお、固定ブロック41(42,43,44)の移動溝45(46,47,48)にスライドガイド部材31(32,33,34)を装着する際には、あらかじめ可動ブロック55を後退させて溝幅を広くしてスライドガイド部材31(32,33,34)を挿入し、その後可動ブロック55を前進させれば、転動部材との密接支持も確実にかつ簡単に行うことができる。
本発明のガラス製壜機の金型開閉装置は、上記実施例で述べた構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を付加して実施することができる。
この発明のガラス製壜機の金型開閉装置の一実施例の要部を示す全体斜視図である。 図1の実施例の固定ブロックとスライドガイド部材の要部を表す正面図である。 図2の3−3線で切断した状態の断面図である。 図3の部分を拡大した断面図である。 転動部材と固定ブロックの移動溝との関係を模式的に表した断面図である。 の実施例に係る転動部材と固定ブロックの移動溝との関係を模式的に表した断面図である。 従来のガラス製壜機の金型開閉装置を示す正面模式図である。 の割型の合着状態を示す正面拡大模式図である。
10 ガラス製壜機の金型開閉装置
21,22 金型ホルダー
31,32,33,34 スライドガイド部材
41,42,43,44 固定ブロック
45,46,47,48 移動溝
51,52 内壁部
53 内底部
55 可動ブロック
60 転動部材
61 ニードルベアリング

Claims (2)

  1. 一対の割型をそれぞれ保持する金型ホルダー(21,22)と、前記各金型ホルダーの左右両端にそれぞれ一体に形成されたスライドガイド部材(31,32,33,34)と、前記各スライドガイド部材が移動するための移動溝(45,46,47,48)が形成された固定ブロック(41,42,43,44)を有し、駆動装置によって前記各金型ホルダーが進退して前記各割型が互いに合着し又は分離するように構成された金型開閉装置において、
    前記移動溝は、上下の内壁部(51,52)と該内壁部に囲まれた内底部(53)を有し、
    前記スライドガイド部材は、前記移動溝の上下の内壁部との間において転動部材(60)を介して密接支持されているとともに、前記移動溝の内底部との間に間隙(C)を有していて溝の内底部方向にも移動自在に構成されていて、
    前記固定ブロックの上下の内壁部のいずれか一方が溝幅調整可能なように可動ブロック(55)によって構成されていることを特徴とするガラス製壜機の金型開閉装置。
  2. 前記転動部材が、前記スライドガイド部材の上下の摺接面と移動溝の内壁部との間に、溝方向に多数並置されたニードルベアリング(61)である請求項に記載のガラス製壜機の金型開閉装置。
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