JP4810174B2 - 螺旋スペーサの製造方法および製造装置 - Google Patents

螺旋スペーサの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、螺旋スペーサの製造方法および製造装置に関し、特に、SZ螺旋溝を有するスペーサの製造方法および製造装置にするものである。
SZ溝を備えた光ファイバスペーサの製造装置において、往復反転する回転ダイスを使用する場合には、螺旋溝を形成する樹脂流路や、溝識別用のトレーサーの樹脂流路などを考慮して回転機構を設けることになると、製造装置が複雑かつ大型になり、また、このような構造の回転ダイスを回転駆動するためには、大容量の駆動モーターが必要になる。
ところが、このような構成の製造装置では、生産性を向上するためには、駆動モーターの高速回転が必須条件となるが、モーター容量の肥大と共に、モーターの内部抵抗が増加するため、実質上、生産速度を増加することに限界があった。
一方、回転ダイスの上流側の抗張力体と、下流側の製品を、回転ダイスの回転方向と逆方向に捻回させることで、回転ダイスでの捻回角度を抑え、回転時の負荷を低減させることで、より高速にスペーサを製造することが、特許文献1,2に提案されている。
しかし、これらの提案は、いずれも回転ダイスを用いた際に、副次的に生じる不具合を改善するものであり、回転ダイスそのものを使用していることに変わりはなく、生産速度の飛躍的な向上は、困難であった。
特許文献3には、抗張力線をダイスの前で回転(反転)させることで、回転ダイスを用いることなく、螺旋溝が交互に反転する螺旋溝(SZ溝)を形成するスペーサの製造方法が提案されている。
この特許文献3に提案されている製造方法によれば、回転ダイスを用いないので、生産速度の大幅な向上が期待できるものの、以下に説明する技術的な課題があった。
特開平1−303408号公報 特開平11−95077号公報 特開昭61−167522号公報 特開昭55−597号公報
すなわち、特許文献3で提案されている製造方法では、一対のベルト間に抗張力線を把持して、ベルトと共に抗張力線を捻回させて、SZ状の螺旋溝を形成するが、例えば、抗張力線を把持するベルトに、十分に摩擦係数の大きい素材、例えば、樹脂ゴムなどを使用したとしても、その把持力や摩擦力を十分に向上させることが難しく、高速生産をそのまま実行することが困難である。
また、抗張力線は、螺旋被覆部との接着力を強化するために、螺旋被覆部を形成する前に、抗張力線に予備被覆を施すことがあるが、このような被覆抗張力線を使用する際に、前述したベルトによる把持機構では、把持部分に滑りが生じ易く、十分な捻回角度が得られず、所望の高速生産が望めない。
なお、特許文献4には、回転ダイスの下流側で、製品に捻回を加える事例も提案されているが、この方法では、溶融押出しされた製品が完全に固化している必要があり、このため、製造速度に比例して、冷却区間が長くなってしまい、捻回可能な位置が離間して、捻回効果が希薄化して、高速製造が困難になる。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、所望する高速生産が可能になる螺旋スペーサの製造方法および製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、中心に配置された抗張力線と、前記抗張力線の外周に被覆形成され、外周に複数の螺旋溝が形成されたスペーサ本体部とを備えた螺旋スペーサを製造する際に、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂を前記抗張力線の外周に押出す非回転ダイスの直前に、前記抗張力線を把持して、これに捻回を付与する螺旋スペーサの製造方法において、前記抗張力線の把持は、前記抗張力線を中心に配して対向するように配置されて、当該抗張力線を挟持する一対で組となる鋼製ローラーで行い、前記鋼製ローラーの組を前記抗張力線の延長方向に沿って、少なくとも一対あるいは複数配置する螺旋スペーサの製造方法であって、前記非回転ダイスは、前記抗張力線に接する接着性樹脂を押出す第1層押出し経路と、前記接着性樹脂の外周に接する前記スペーサ本体部の形成用樹脂を押出す第2押出し経路と、前記スペーサ本体部の一部に設けられるトレーサー部の形成用樹脂を押出す第3押出し経路とを備えた3層共押出しダイスとするようにした
このように構成したる螺旋スペーサの製造方法によれば、抗張力線の把持は、前記抗張力線を中心に配して対向するように配置されて、当該抗張力線を挟持する一対で組となる鋼製ローラーで行い、前記鋼製ローラーの組を前記抗張力線の延長方向に沿って、複数配置するので、抗張力線を滑りが生じることなく、強固に把持することができ、十分な捻回角度が得られ、所望の高速生産が達成される。この構成によれば、抗張力線の捻回だけで溝にSZ捻回角度の形成が可能であるため、回転ダイスを使用する必要がなくなり、3層共押出しとしても、回転ダイスの場合よりも、格段にその構造が簡素化できる。また、この構成によれば、スペーサ本体部とトレーサー部に加えて、抗張力線とスペーサ本体部との間の接着を補強改善するための接着性樹脂を3層押しダイスにて同時に被覆することができ、抗張力線に別途予備被覆層を設けることなく、接着性能に優れたSZ螺旋溝を有するスペーサを製造することができる。
前記鋼製ローラーの把持力は、30kgf×前記抗張力線の直径(mm)以上の応力に設定することができる。
この構成によれば、抗張力線、例えば、これを単鋼線とする場合には、把持に必要な応力は、鋼線径に比例することから、把持力を、30kgf×抗張力線の直径(mm)以上の応力に設定すると、捻回の往復反転時に滑りが生じることなく、一定の反転角を確実に与えることができる。前記鋼製ローラーの前記抗張力線に対する滑り出しトルクは、0.1N・m以上、好ましくは、0.12N・m以上になるように把持応力を設定することができる。
また、本発明は、中心に配置された抗張力線と、前記抗張力線の外周に被覆形成され、外周に複数の螺旋溝が形成されたスペーサ本体部とを備えた螺旋スペーサを製造する際に、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂を前記抗張力線の外周に押出す非回転ダイスの直前に、前記抗張力線を把持して、これに捻回を付与する捻回装置を設置する螺旋スペーサの製造装置において、前記捻回装置は、前記抗張力線の把持機構部と、前記把持機構部の捻回機構部とを備え、前記把持機構部は、前記抗張力線を中心に配して対向するように配置されて、当該抗張力線を挟持する一対で組となる複数の鋼製ローラーを有し、前記鋼製ローラーの組を前記抗張力線の延長方向に沿って、少なくとも1対あるいは複数配置する螺旋スペーサの製造装置であって、前記非回転ダイスの直後に、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂を冷却する横型冷却槽からなる温水冷却装置を備え、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂の冷却開始点を前記横型冷却槽の導入位置に固定するとともに、前記横型冷却槽は、前記冷却開始点に減圧部を備え、前記冷却槽に導入される螺旋スペーサの走行方向と対向する方向に、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂の冷却に伴う収縮の影響を低減する温水冷却水を循環供給するようにした。
このように構成したる螺旋スペーサの製造装置によれば、上記製造方法と同様に、張力線を滑りが生じることなく、強固に把持することができ、十分な捻回角度が得られるとともに、非回転ダイスの上流側に設置して捻回装置で、抗張力線に必要な捻回角度を加えることができるので、ダイス下流側に捻回機構を導入する必要がなく、ダイスから押出された螺旋スペーサを、温水冷却手段で徐冷することが容易に行え、このようにすれば、被覆樹脂の冷却に伴う収縮の影響を低減することができ、形状の安定した螺旋スペーサを得ることができる。
また、より高速で螺旋スペーサを製造する場合には、冷却手段の後流側に、アキュムレータを導入することも簡単に行える。
前記鋼製ローラーは、対向する位置に前記抗張力線の挟持用V字溝をそれぞれ備え、前記V字状溝の開放角度を60〜120°とし、かつ、前記抗張力線の半径と同等の深さに形成することができる。
この構成によれば、抗張力線とV字状溝の接点が4箇所で対称になり、応力が均等に分散されてより一層滑りにくくなる。
前記鋼製ローラーは、その材質が前記抗張力線のHRC+16以上の鋼材から選択することができる。前記温水冷却水には、泡離れを促進して、気泡の除去を行う界面活性剤を混入することができる。
上記構成の螺旋スペーサの製造方法および製造装置によれば、抗張力線を滑りが生じることなく、強固に把持することができ、十分な捻回角度が得られ、所望の高速生産が達成される。また、上記構成の螺旋スペーサの製造方法および製造装置によれば、被覆直後の冷却に温水冷却槽を用いることで、水走りを抑制し、冷却開始点を安定化させることで、表面状態が良好な螺旋スペーサを得ることができる。また、温水冷却により螺旋スペーサの外周から均等に冷却が進行し、リブ内部とリブ根本部の温度差が小さくなって、螺旋スペーサの変形量が減少する。さらに、水平方向の押出成形であり、横引き冷却水槽を用いることから、冷却距離を容易に延長することが可能であり、容易に高速製造が可能となる。
以下、本発明に係る螺旋スペーサの製造方法および製造装置の実施の形態を実施例および具体例により詳細に説明する。図2〜図10は、本発明に係る螺旋スペーサの製造方法および製造装置の一実施例を示している。
これらの図に示した実施例では、図1に示す螺旋スペーサSの製造を行うものであって、螺旋スペーサSは、中心に配置された抗張力線Aと、抗張力線Aの外周に被覆形成された接着性樹脂層Bと、外周に複数の螺旋溝Cが形成されたスペーサ本体部Dとを備えている。
抗張力線Aは、例えば、外径が3.0mm以下の単鋼線を使用することができる。接着性樹脂層Bは、抗張力線Aの外周面を隙間なく覆うように、所定厚みに形成され、抗張力線Aとスペーサ本体部Dとの間の接着構造を改善補強する。
スペーサ本体部Dの外周に設けられた螺旋溝Cは、光テープ心線などを収容するものであって、図1に示した例では、概略U字型断面のものが、5個等角度間隔に設けられているが、溝の形状や設置数は、図示した状態に限るものではなく、任意に設定することができる。
また、螺旋溝Cは、スペーサSの長手方向に沿って、所定の反転角度ごとに、反復反転する、いわゆるSZ螺旋に形成されている。この場合の反転角度も螺旋溝Cの数などに応じて任意に設定することができる。
スペーサ本体部Dは、合成樹脂の押出しにより形成され、この際に、外周の一部にトレーサー部Tが設けられる。このトレーサー部Tは、螺旋溝Dの識別用のものであって、例えば、スペーサ本体部Dと異なる着色樹脂が用いられる。
図2は、本発明の製造方法に用いる製造装置の全体配置図であり、製造装置は、捻回装置10と、非回転ダイス12と、3台の第1〜第3押出し機14,16,18と、抗張力線Aが捲回されたボビン20と、冷却装置22および螺旋スペーサSの引取機23および巻取機24とを備えている。
捻回装置10は、非回転ダイス12の直前の上流側に設置され、支持台26上に設置支持されている。捻回装置10の詳細を図3〜図7に示している。これらの図に示した捻回装置10は、抗張力線Aの把持機構部100と、この把持機構部100の捻回機構部101とを有している。
把持機構部100は、図4に示すように、支持台26上に立設された一対の支柱28に設けられベアリング30を介して、回転自在に支持されており、その詳細を図5および図6に示している。これらの図に示した把持機構部100は、一端が開口した概略凹形の枠体100aと、一対で組となる少なくとも1対あるいは複数の鋼製ローラー100bと、一対の中空軸部100cとを有している。
枠体100aは、平面形状が概略長方形に形成れさていて、長手方向の両端に一対の中空軸部100cが同軸上に固設されている。一対の中空軸部100cは、一方が他方側よりも若干長くなっているものの、これ以外は、実質的に同一構成のものであって、長手方向の中心軸が同軸状になるように、枠体100aに固設されている。
この中空軸部100c内には、抗張力線Aが中心軸上に挿通されるとともに、各中空軸部100cの中間位置の外周には、支柱28に取付けられたベアリング30が嵌着されることにより、枠体100cが中空軸部100cの中心軸上に回転自在に支持される。
鋼製ローラー100bは、抗張力線Aとして鋼線(ロックウエール硬さスケールHRCが44.7〜47)に対して、HRCで+16以上の硬度を有するもの、たとえば、高速度鋼(SKH51)=HRC60〜65、超硬(G2)=HRC74.5、超硬(SH20)=HRC80.2などから選択することができる。
鋼製ローラー100bは、一対の組で抗張力線Aを中心にして、その両側からこれを挟持するように配置され、かつ、少なくとも1組あるいは複数の組が抗張力線Aの長手方向に沿って所定の間隔を隔てて列状に配置される。
鋼製ローラー100bは、図5において、上方側の3個が固定プレート100dに回転自在に支持されており、下方側の3個が可動プレート100eに回転自在に支持されている。
固定プレート100dと可動プレート100eは、同じ長さの平板であって、枠体100aの長手方向に延設されている。これらのプレート100d,100eは、枠体100aの短手方向に延設された一対のガイドロッド100fに支持されている。
この場合、固定プレート100dは、ガイドロッド100fに固定され、可動プレート100eは、固定プレート100dに近接離間できるようにガイドロッド100fに取付けられている。
可動プレート100eの側面には、3個の圧縮コイルバネ100gが当接し、各圧縮コイルバネ100gには、圧縮量を調整する調整ネジ100hが装着されている。調整ネジ100hは、枠体100aに貫通形成されたネジ孔に螺着されている。この構成により、調整ネジ100hのねじ込み量を変えると、可動プレート100eと固定プレート100dの挟持力が変化し、その結果、一対の鋼製ローラー100b間の挟持力が調整できるようになっている。
各鋼製ローラー100bは、図7に示すように、外周面に周回形成されたV字状溝100iを有している。このV字状溝100iには、抗張力線Aが挿通されるものであり、本実施例の場合、開放角度が90°に設定されている。
また、このV字状溝100iの深さは、抗張力線Aの半径と同等の深さになっている。このように構成したV字状溝100iを用いて、一対の鋼製ローラー100bで抗張力線Aを挟持すると、抗張力線AとV字状溝100iの接点が4箇所で対称になり、応力が均等に分散されてより一層滑りにくくなる。なお、V字状溝100iの開放角度は、90°に限る必要はなく、例えば、90°〜120°の範囲内で任意に設定することができる。
一方、捻回機構部101は、図3,4に示すように、駆動用モータ101aと、原動および従動プーリ101b,101cと、タイミングベルト101dとを備えている。駆動用モータ101aは、支持台26上に固定設置されている。
駆動モータ101aの回転軸に原動プーリ101bが固設され、把持装置100の一方の中空軸部100cの端部に従動プーリ101cが固設され、原動プーリ101bと従動プーリ101cとの間にタイミングベルト101dが捲回されている。
駆動用モータ101aは、所定回転毎に回転方向が反転するように駆動され、これにより、タイミングベルト101dを介して連結されている中空軸部100cが揺動回転され、その結果、抗張力線Aを鋼製ローラー100b間に挟持している把持機構部100の枠体100aが所定の周期で揺動回転させられ、これにより、抗張力線Aに所定の捻回が加えられる。
この場合、抗張力線Aに加えられる捻回トルクは、90°/10m以下にとすることが望ましく、このような捻回トルクに設定すると、抗張力線Aに内在する捻れトルクが、螺旋スペーサSの反転ピッチや反転角に影響を及ぼさないことを確認している。
捻回装置10の下流側に配置された非回転ダイス12の詳細を図8に示している。同図に示した非回転ダイス12は、口金部12aと、第1および第2ダイブロック12b,12cと、ニップル12dと、ノズルホルダー12eとを備えている。
ニップル12dの中心軸上には、挿通孔12fが貫通形成され、この挿通孔12f内には、把持機構部100を通過した抗張力線Aが挿通される。口金部12aは、ノズルホルダー12eの先端面に固設され、中心軸上に製造しようとする螺旋スペーサAと相似形断面の貫通孔が形成され、この貫通孔は、ノズルホルダー12eに設けられている孔部を介して、ニップル12dの挿通孔12fと連通している。
第1ダイブロック12bは、ニップル12dの外周に嵌着され、これらの界面には、抗張力線Aの外周に接する接着性樹脂Eを押出す第1押出し経路12gが形成されている。
第2ダイブロック12cは、第1ダイブロック12bの外周に嵌着され、これらの界面には、接着性樹脂Eの外周に接して、スペーサ本体部Dの形成用樹脂Eを押出す第2押出し経路12hが形成されている。
第1および第2押出し経路12g,12hは、図9および図10に示すように、トーナメント溝により8方向に等分され、その後スパイラル溝によって、全周にわたって流量が均一にされる。
第1押出し経路12gは、ノズルホルダー12eに設けられた樹脂溜り部12iに連通していて、樹脂溜り部12iは、調節バルブ12jにより流量調整が可能になっている。
抗張力体Aが樹脂溜り部12iを通過する際に抗張力体Aの外周にほぼ均等な厚み樹脂層を形成し、さらに第1押出し経路12gから均等な厚みの樹脂層を形成されるが、余剰な樹脂は、口金部12aにおいて製造しようとするスペーサAのリブ部の外側に突出した構造を形成する。抗張力体Aを捻回装置10でSZに捻回させた場合、突出した樹脂は捻回方向と逆方向に傾斜した状態となる。
第1ダイブロック12cの先端側には、スペーサ本体部Dの一部に設けられたるトレーサー部Tの形成用樹脂Jを押出す第3押出し経路12kが形成され、この経路12kは、ノズルホルダー12eで、第1および第2押出し経路12g,12hと合流している。
第1押出し経路12gには、図2に示した第1押出し機14が連通され、第1押出し機14から接着性樹脂Eが供給される。第2押出し経路12hには、図2に示した第2押出し機16が連通され、第2押出し機16からスペーサ本体部Dの形成用樹脂Fが供給される。第3押出し経路12kには、図2に示した第3押出し機18が連通され、第3押出し機18からトレーサー部Tの形成用樹脂Gが供給される(第2押出し機16からの樹脂経路については図2では省略した)。
この場合、捻回装置10の抗張力線Aの把持位置と非回転ダイス12との設置間隔は、大き過ぎると、撚戻り等が影響し、本体樹脂が捻回装置10で付与した捻回に追随しにくくなるため、1000mm以下とするのが望ましく、より好ましくは500mm以下とすることで、抗張力線A(鋼線に)加えられた捻回角が一様に溝軌跡に反映される。また、抗張力線Aの把持位置から引取機23までの距離を3000mm以上とすることが望ましく、より好ましくは10000mm以上とすることでSZ溝を付与するダイス12で捻回角が一様に溝軌跡に反映される。
抗張力線Aそのものを強く把持して捻回し、且つ接着性樹脂層Bを設けるためにはスペーサ本体部Dを被覆する前に接着性樹脂で被覆する必要があるが、上記の理由により、捻回装置10から非回転ダイス12までの距離は長くすることができないため、接着性樹脂層Bとスペーサ本体部Dの被覆を一括に行うために同一のダイス12で両方を被覆(2層被覆)できるようにした。
この結果、抗張力線Aとスペーサ本体部Dとのそれぞれの界面に、両方に親和性の良い接着性樹脂層Bが存在し、かつ捻回点から樹脂被覆までの距離を上記所定の範囲内にすることができるようになることから、抗張力線Aを高速で捻回させてもラセン被覆樹脂はダイス12を出た後速やかに固化し、高速捻回による追随性は格段に高くなった。また、同時にトレーサー樹脂Fの付与も同一ダイス12に組み込むことにより、3種の樹脂全てを1つのダイスで全て行うことができるようになる。
製造速度を高速化する場合、樹脂吐出量を相対的に増加するため、ダイ内圧力が高くなる傾向にあり、圧力の変動により捻回角度が影響を受ける。そのため、ダイ直前にギアポンプを導入する、ダイ内流路にブレーカーを設置するなどして吐出量を安定化させることが好ましい。
高速製造時には、ダイス12でメルトフラクチャー現象が発生しやすくなるため、被覆樹脂としてMI=0.01〜2.00g/minのポリエチレンを使用することが好ましい。
第1〜第3押出し機14,16,18は、公知の構造を備え、ホッパや押出し用のモータなどを備えている。ボビン20には、抗張力線Aが巻き付けられていて、これを順次繰り出す。冷却装置22は、非回転ダイス12から押出された溶融樹脂を固化させるものであって、風冷,温水冷,水冷といった徐冷を採用することができる。引取機23により引き取った後、巻取機24は、所定の速度で製造された螺旋スペーサSを巻き取る。
以上のように構成された製造装置で、中心に配置された抗張力線Aと、抗張力線Aの外周に被覆形成され、外周に複数の螺旋溝Cが形成されたスペーサ本体部Dとを備えた螺旋スペーサSを製造する際に、スペーサ本体部Dの形成用溶融樹脂Eを抗張力線Aの外周に押出す非回転ダイス12の直前に、抗張力線Aを把持して、これに捻回を付与する捻回装置10を設置するが、捻回装置10は、抗張力線Aの把持機構部100と、把持機構部100の捻回機構部101とを備え、把持機構部100は、抗張力線Aを中心に配して対向するように配置されて、当該抗張力線Aを挟持する一対で組となる複数の鋼製ローラー100bを有し、鋼製ローラー100bの組を抗張力線Aの延長方向に沿って、複数配置している。
このように構成した螺旋スペーサSの製造装置によれば、抗張力線Aを滑りが生じることなく、強固に把持することができ、十分な捻回角度が得られるとともに、非回転ダイス12の上流側に設置して捻回装置10で、抗張力線Aに必要な捻回角度を加えることができるので、ダイス12の下流側に捻回機構を導入する必要がなく、ダイス12から押出された螺旋スペーサを、温水冷といった冷却手段で徐冷することが容易に行え、このようにすれば、被覆樹脂の冷却に伴う収縮の影響を低減することができ、形状の安定した螺旋スペーサSを得ることができる。

図12は、本発明に係る螺旋スペーサの製造方法および製造装置の他の実施例を示しており、同一もしくは相当する部分には、関連符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ詳述する。
同図に示した実施例では、上記実施例と同様に、図1に示す螺旋スペーサSの製造を行うものであって、螺旋スペーサSは、中心に配置された抗張力線Aと、抗張力線Aの外周に被覆形成された接着性樹脂層Bと、外周に複数の螺旋溝Cが形成されたスペーサ本体部Dとを備えている。抗張力線Aには、例えば、外径が3.0mm以下の単鋼線を使用することができる。
図12は、本実施例に係る製造方法に用いる製造装置の全体配置図であり、製造装置は、次容器実施例と同様に、捻回装置50と、非回転ダイス52と、3台の第1〜第3押出し機54,56,58と、抗張力線Aが捲回されたボビン(図示省略)と、冷却装置60および螺旋スペーサSの引取機および巻取機(図示省略)とを備えている。
捻回装置50は、非回転ダイス52の直前の上流側に設置され、支持台62上に設置支持されており、上記実施例同様に、抗張力線Aの把持機構部と、この把持機構部の捻回機構部とを有しており、把持機構部は、一対で組となる少なくとも1対あるいは複数の鋼製ローラーを有している。
この鋼製ローラーは、抗張力線Aを把持するものであるが、この際に、記抗張力線Aに対する滑り出しトルクは、0.1N・m以上、好ましくは、0.12N・m以上になるように把持応力を設定することができる。この場合の滑り出しトルクの測定は以下の方法による。
所定サイズの単鋼線(抗張力線A)を図12に示した製造装置にセットし、非回転ダイス52の上流側550mmの個所に配置した捻回装置50の鋼製ローラーで、これを把持して、非回転ダイス52の出口のところで、トルクメーターを単鋼線に装着して、捩じりトルクを読み取った。このとき、鋼製ローラーに所定の把持応力(kgf)を負荷して、単鋼線が滑り出し始める時の捩じりトルクを測定した。
以下の表1に、そのときの測定結果を示している。
Figure 0004810174
なお、実際の製造においては、例えば、1.6BL(長径が1.6mmの単鋼線)が65°と記載しているように、反転角295°の螺旋スペーサを得るためには、単鋼線を360°捩じらなければならない。すなわち、鋼製ローラーの把持部から螺旋樹脂被覆部までの距離(550mm)で、角度が65°減衰しており、このねじり角度を維持させるために必要な捩じりトルクが、0.0970N・mとなる。以上のことから明らかなように、反転角度が295°のSZ螺旋スペーサを得るために必要な捩じりトルク(滑り出しトルク)は、0.1N・m以上、より安全サイドを考慮すると、0.12N・m以上になる。非回転ダイス52は、上記実施例と同様な鋼製を備えている。
第1〜第3押出し機54,56,58は、上記実施例と同様に、公知の構造を備えている。冷却装置62は、非回転ダイス52から押出された溶融樹脂を固化させるものであって、本実施例の場合、冷却装置60は、横型構造であって、非回転ダイス52の直後に設置されていて、非回転ダイス52で抗張力線Aの外周に押出されたスペーサ本体部Dの形成用溶融樹脂Eを冷却固化させる。
本実施例の冷却装置60は、冷却槽本体60aと、本体60aが載置される移動可能な支持台60bと、温水冷却液の貯槽60cと、循環ポンプ60dおよび真空ポンプ60eを有している。
冷却槽本体60a内には、所定直径の中空導管60fが水平に支持されていて、その先端には、減圧部60gが設けられている。導管60fは、螺旋スペーサSの仮想外径より一回り大きい(+3mm)内径を持つ中空管であって、この導管60fの先端部の内周一箇所に減圧部60gを設けて、この部分を真空ポンプ60eで吸引して、減圧することで、冷却槽に循環供給された温水冷却水を排水し、螺旋スペーサSの冷却開始点を均一かつ固定するようにした。
温水冷却水は、循環ポンプ60dにより貯槽60cから導管60f内に送り込まれて、貯槽60c内に還流する。この際に、螺旋スペーサSと導管60fの隙間に温水冷却水を通水させ、螺旋スペーサSの進行方向に対して対向流を生じさせる。温水冷却水中には、泡離れ性を向上させ、気泡の除去を容易に行うために、界面活性剤を混入させる。この場合、界面活性剤を含有する温水冷却水を用いることで、冷却水の沸騰・冷却開始点での巻き込みによって螺旋スペーサSの表面に付着する気泡の泡離れを促進させ、また、螺旋スペーサSと温水冷却水の濡れ性を向上させることで、減圧部60gでの水離れ位置を安定化させた。
本実施例の場合、製造速度が15〜30m/minと高速であるため、冷却水槽長さ(導管60fの長さ)を3m以上とする必要がある。この場合、縦型冷却筒を用いると、装置が大型化し操作性・冷却筒出口のシール性で問題があるが、横引き冷却水槽を用いると作業性が良好で冷却距離を容易に延長することができる。また、本実施例の場合、前後動自在な冷却装置60となっているので、水平方向に押出される螺旋スペーサSの往復反転ピッチの整数倍離れた位置(被覆ダイス12出口から温水槽減圧部60gまでの距離)に減圧点(減圧部60g)を調整するようにした。この場合、好ましくは0及び1倍の位置とする。
以上のように構成された製造装置では、中心に配置された抗張力線Aと、抗張力線Aの外周に被覆形成され、外周に複数の螺旋溝Cが形成されたスペーサ本体部Dとを備えた螺旋スペーサSを製造する際に、スペーサ本体部Dの形成用溶融樹脂Eを抗張力線Aの外周に押出す非回転ダイス12の直前に、抗張力線Aを把持して、これに捻回を付与する捻回装置50を設置するが、このときに、鋼製ローラーの抗張力線Aに対する滑り出しトルクは、0.1N・m以上、好ましくは、0.12N・m以上になるように把持応力を設定する。
また、本実施例の螺旋スペーサの製造装置は、非回転ダイス52の直後にスペーサ本体部Dの形成用溶融樹脂を冷却する横型冷却槽からなる温水冷却装置60を備え、スペーサ本体部Dの形成用溶融樹脂の冷却開始点を横型冷却槽の導入位置に固定するので、被覆直後の冷却に温水冷却槽を用いることで、水走りを抑制し、冷却開始点を安定化させることで、表面状態が良好な螺旋スペーサSを得ることができ、また、温水冷却により螺旋スペーサSの外周から均等に冷却が進行し、リブ内部とリブ根本部の温度差が小さくなって、螺旋スペーサSの変形量が減少するとともに、水平方向の押出成形であり、横引き冷却水槽を用いることから、冷却距離を容易に延長することが可能であり、容易に高速製造が可能となる。
以下に、本発明の製造方法について、より具体的な製法実施例について、比較例とともに説明する。
製法実施例1
図1に示した形状の螺旋スペーサSを以下の方法により製造した。なお、本製法実施例では、螺旋溝Cの数は、3個とした。抗張力線Aとして外径1.6mmの単鋼線(HRC44.7)を使用し、これにスペーサ本体部Dの形成用樹脂Fとして、MI=0.07g/10minの高密度ポリエチレン(プライムポリマー社製:HI−ZEX6600MA)、接着性樹脂EとしてMI=1.8g/10minの無水マレイン酸変成ポリエチレン(日本ユニカー社製:GA006)、トレーサー部Tの形成用樹脂JとしてMI=0.8g/10minの着色高密度ポリエチレン(住化カラー社製:PE−8Y1760)を非回転ダイス12を用いて、これらを共押出して製造する。
抗張力線Aは、ダイス12の下流側12mの位置に設置した引取機23にて、線速30m/minで引き取られており、ダイス12の直前で表面温度が60℃になるように予備加熱された後、ダイス12の上流側450mmの位置に抗張力線Aの把持機構部100を設置した捻回装置10に導入され、90°のV字状溝100iを備えた1対の鋼製ローラー100b(高速度工具鋼SKH51:HRC63.1)で54kgfの圧力を加えて挟持する。
捻回装置100の捻回機構部101を、捻回角度360°、86サイクル/minの反転速度で回転運転させ、ダイス12でSZ溝軌跡を有する光ファイバ用螺旋スペーサSを得た。
光ファイバ用螺旋スペーサSは、検査装置を通過した後に、アキュームに導入され、巻取り機24でドラムに巻き取られる。得られた螺旋スペーサSの寸法形状は、リブ部の外径が6.5mm、溝幅1.6mm、溝深さ1.5mmの3条のコの字形断面の螺旋状溝を有し、一往復するピッチは350mm、反転角は290°であった。このようにして得られた、スペーサ溝底の中心線平均粗さRaを測定したところ、1.00μmであった。
図11は、上記製法実施例1で得られた螺旋スペーサSの断面の拡大図である。製法実施例1で得られた螺旋スペーサSは、鋼線(抗張力線A)に接触している接着性樹脂層Bは、ほぼ同じ厚みの環状になっているが、特に、スペーサ本体部Dのリブ部で、外方に向けて突出しいて、かつ、抗張力線Aの捻回方向に沿って、先端側が傾斜した状態になっていることが判った。このような形状の接着性樹脂層Bが形成されると、その一部がスペーサ本体部D側に突出して、かつ、先端側が側方に傾斜しているので、接着性樹脂との親和性に加えて、両者間の機械的な結合も強化されるので、より一層両者間の結合力の強化が期待できる。また接着性樹脂層Bの突出部は、鋼線(抗張力体A)の捻回方向とは逆方向に傾斜しており、さらにリブ内部が特性の異なる2種類の樹脂で構成されているため、冷却時の樹脂収縮によるリブの傾斜を緩和する効果が期待できる。
比較例1(鋼製ローラー材質の比較)
捻回装置10における抗張力線Aを把持する鋼製ローラー100bの材質として、炭素工具鋼(S45C:HRC45.0)及び合金工具鋼(SKD11:HRC60.1)を使用したこと以外は、製法実施例1と同様に構成して螺旋スペーサを製造した。
この場合、螺旋スペーサの目標とする反転角は、290°であったが、鋼製ローラーに施したV字状溝が抗張力線Aの接触より摩耗して、十分な把持力が得られなったことから、得られたら螺旋スペーサの反転角は、生産初期では290°であったが10km生産時に200゜まで減少していた。この様な材質で構成される鋼製ローラーは、抗張力線Aの接地面が摩耗する危惧があり、螺旋スペーサを製造する際に適さないことが判明した。
比較例2(抗張力線Aの把持力の比較)
抗張力線Aを把持する応力を、外径1.6mmの単鋼線に対して24kgf(15kgf×鋼線径(mm))の応力で把持したこと以外は、製法実施例1と同様に構成して螺旋スペーサを製造したところ、得られた螺旋スペーサの寸法形状は、リブ部の外径が6.5mm、溝幅1.6mm、溝深さ1.5mmの5条のコの字形断面の螺旋状溝を有し、一往復するピッチは350mm、反転角は275〜290°であった。この様に抗張力線Aの把持力の不足から得られた螺旋スペーサの反転角には、最大で15゜の差があり、また鋼線把持部での滑りは鋼製ローラーの摩耗の原因となる可能性がある。
比較例3
抗張力線Aとして外径1.6mmの単鋼線を使用し、これに接着層として無水マレイン酸変性ポリエチレン(GA006)、予備被覆層としてMI=1.2g/10minの中密度ポリエチレン(プライムポリマー社製:NEO−ZEX2015M)を共押出して外径2.4mmの予備被覆中芯を得た。
予備被覆中芯は、線速30m/minで引き取られており、回転ダイスの直前で表面温度が60℃になるように予備加熱された後、捻回装置10に導入され、鋼製ローラー100bで25kgfの圧力を加えて保持する。
回転ダイスを最大回転速度である54サイクル/minにて反転角290°で運転させ、それに連動して捻回装置10を、捻回角度120°で回転ダイスとは、逆の方向に運転させ、ダイス部でSZ溝軌跡を有する螺旋スペーサを得た。
回転ダイスを54サイクル/minで運転させようとするとサーボモーターがその運転負荷により停止してしまう恐れがある。捻回装置10における抗張力線Aの把持部の位置は、回転ダイスの上流側600mmの位置であった。光ファイバ用スペーサは検査装置を通過した後に、アキュームに導入され、巻き取り機でドラムに巻き取られる。
得られた螺旋スペーサの寸法形状は、リブ部の外径が6.5mm、溝幅1.6mm、溝深さ1.5mmの5条のコの字形断面の螺旋状溝を有し、一往復するピッチは556mm、反転角は290°であった。以上の様な製造条件で製法実施例1と同様に一往復するピッチを350mmとするためには、製造速度を19m/min以下にする必要があり、製造速度を高速化するには、問題がある。
製法実施例2
抗張力体Aとして外径1.6mmの単鋼線を使用し、これに螺旋被覆樹脂として6600MA、接着性樹脂としてGA006、トレーサー樹脂としてPE−8Y1760を共押出してスペーサ本体部Dを構成した。抗張力体Aは、非回転ダイス52の下流側に設置した引取機にて線速15m/minで引き取られており、ダイス直前で表面温度が60℃になるように予備加熱槽62で予備加熱されている。
抗張力体Aは、非回転ダイス52の上流側550mmの位置で、鋼線把持ローラーによって滑り出しトルク0.12N・mとなるように把持し、捻回装置50により50サイクル/minの速度で360°の往復回転運転され、非回転ダイス52で抗張力体AにSZ溝軌跡を有した仮想外径6mmの樹脂被覆を施して被覆鋼線を得る。
被覆鋼線は、内径9mmの導管60fを入口部に備え、60℃に温調された減圧循環温水冷却水槽60に導入され、断面内部まで均等に冷却され、ピッチ150mm、反転角295°の安定したSZ溝軌跡を有した螺旋スペーサSを得た。
得られた螺旋スペーサSのリブ根本の樹脂密度を測定したところ、0.9446g/cmであり、標準偏差は0.0010であった。リブ傾斜は5.5°であった。
比較例4(冷却比較:エアスプレー冷却)
製法実施例2と同様にして、非回転ダイス52で抗張力体AにSZ溝軌跡を有した仮想外径6mmの樹脂被覆を施して得た被覆鋼線を、3m区間に24対のエアスプレー(エアー圧力0.1MPa)を交互に配置した冷却装置に通過させ寺銭スペーサを得た。その結果、リブ内部からの冷却効果が見込めず、リブ内部とリブ根本部に温度差が生じ、螺旋スペーサ内部の各部位の収縮量の違いにより、反転部において溝傾斜が発生した。
得られた螺旋スペーサのリブ根本の樹脂密度を測定したところ、0.9450g/cmであり、標準偏差は0.0130であった。リブ傾斜は22°であった。
比較例5(把持力比較:鋼線滑り出しトルク0.05N・m)
製法実施例2と同様に構成された螺旋スペーサの製造方法において、鋼線把持条件として捻回トルク0.05N・mに設定したこと以外は、同じ条件で螺旋スペーサを製造してみた。
この場合、抗張力体として1.6BL単鋼線を、鋼線滑りだしトルク0.05N・mとなるように、非回転ダイス52の上流側550mmの位置に設置した鋼線把持ローラーで把持し、鋼線捻回装置50により50サイクル/minの速度で360°の往復回転運転した。このような条件では把持された鋼線は、捻回角30°で鋼線滑りが発生した。
得られた螺旋スペーサは、ピッチ150mmであったが、反転角は260〜295°ばらついており、SZ溝軌跡反転位置の位相ずれが発生していた。この様な螺旋スペーサは、光ファイバ収納することに適さないものである。
本発明にかかる螺旋スペーサの製造方法および製造装置によれば、SZ螺旋スペーサを高速で生産することができるので、この種の分野において有効に活用することができる。
本発明にかかる製造方法で得られる螺旋スペーサの一例を示す要部斜視図である。 本発明にかかる螺旋スペーサの製造方法で使用する製造装置の全体配置を示す側面図である。 図2の捻回装置の拡大側面図である。 図3の正面図である。 図4に示した把持機構部の拡大上面図である。 図5の側面図である。 図5に示した把持機構部の鋼製ローラーの拡大図である。 図2に示した非回転ダイスの拡大断面図である。 図8に示した第1押出し経路の展開説明図である。 図8に示した第2押出し経路の展開説明図である。 本発明にかかる製法実施例1で得られた螺旋スペーサの断面拡大図である。 本発明にかかる螺旋スペーサの製造方法で使用する他の製造装置の全体配置を示す側面図である。
符号の説明
S 螺旋スペーサ
A 抗張力線
B 接着性樹脂層
C 螺旋溝
D スペーサ本体部
T トレーサー部
10 捻回装置
100 把持機構部
100b 鋼製ローラー
101 捻回機構部
12 非回転ダイス

Claims (7)

  1. 中心に配置された抗張力線と、前記抗張力線の外周に被覆形成され、外周に複数の螺旋溝が形成されたスペーサ本体部とを備えた螺旋スペーサを製造する際に、
    前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂を前記抗張力線の外周に押出す非回転ダイスの直前に、前記抗張力線を把持して、これに捻回を付与する螺旋スペーサの製造方法において、
    前記抗張力線の把持は、前記抗張力線を中心に配して対向するように配置されて、当該抗張力線を挟持する一対で組となる鋼製ローラーで行い、前記鋼製ローラーの組を前記抗張力線の延長方向に沿って、少なくとも一対あるいは複数配置する螺旋スペーサの製造方法であって、
    前記非回転ダイスは、前記抗張力線に接する接着性樹脂を押出す第1層押出し経路と、前記接着性樹脂の外周に接する前記スペーサ本体部の形成用樹脂を押出す第2押出し経路と、前記スペーサ本体部の一部に設けられるトレーサー部の形成用樹脂を押出す第3押出し経路とを備えた3層共押出しダイスとすることを特徴とする螺旋スペーサの製造方法。
  2. 前記鋼製ローラーの把持力は、30kgf×前記抗張力線の直径(mm)以上の応力に設定することを特徴とする請求項1記載の螺旋スペーサの製造方法。
  3. 前記鋼製ローラーの前記抗張力線に対する滑り出しトルクは、0.1N・m以上、または、0.12N・m以上になるように把持応力を設定することを特徴とする請求項1記載の螺旋スペーサの製造方法。
  4. 中心に配置された抗張力線と、前記抗張力線の外周に被覆形成され、外周に複数の螺旋溝が形成されたスペーサ本体部とを備えた螺旋スペーサを製造する際に、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂を前記抗張力線の外周に押出す非回転ダイスの直前に、前記抗張力線を把持して、これに捻回を付与する捻回装置を設置する螺旋スペーサの製造装置において、
    前記捻回装置は、前記抗張力線の把持機構部と、前記把持機構部の捻回機構部とを備え、
    前記把持機構部は、前記抗張力線を中心に配して対向するように配置されて、当該抗張力線を挟持する一対で組となる複数の鋼製ローラーを有し、前記鋼製ローラーの組を前記抗張力線の延長方向に沿って、少なくとも1対あるいは複数配置する螺旋スペーサの製造装置であって、
    前記非回転ダイスの直後に、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂を冷却する横型冷却槽からなる温水冷却装置を備え、
    前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂の冷却開始点を前記横型冷却槽の導入位置に固定するとともに、前記横型冷却槽は、前記冷却開始点に減圧部を備え、前記冷却槽に導入される螺旋スペーサの走行方向と対向する方向に、前記スペーサ本体部の形成用溶融樹脂の冷却に伴う収縮の影響を低減する温水冷却水を循環供給することを特徴とする螺旋スペーサの製造装置。
  5. 前記鋼製ローラーは、対向する位置に前記抗張力線の挟持用V字溝をそれぞれ備え、
    前記V字状溝の開放角度を60〜120°とし、かつ、前記抗張力線の半径と同等の深さに形成することを特徴とする請求項4記載の螺旋スペーサの製造装置。
  6. 前記鋼製ローラーは、その材質が前記抗張力線のHRC+16以上の鋼材からなることを特徴とする請求項5記載の螺旋スペーサの製造装置。
  7. 前記温水冷却水には、泡離れを促進して、気泡の除去を行う界面活性剤を混入することを特徴とする請求項4記載の螺旋スペーサの製造装置。
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