JP4810069B2 - X線管内の液体金属ガスケット - Google Patents

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Description

本発明は一般的に云えば真空管内の軸受組立体潤滑剤に関するものである。より具体的には、本発明は、X線管内で使用するための液体金属ガスケットであって、任意の種類の軸受組立体潤滑剤を使用できるようにする液体金属ガスケットに関するものである。
X線管軸受の寿命は高性能X線管動作に取って重要である。X線管において、陰極によって発生された一次電子ビームにより、陽極ターゲットが動作時に赤熱するようになるまで該ターゲットに非常に大きな熱負荷が加えられる。典型的には、一次電子ビーム・エネルギのうちの1%未満がX線に変換され、残りのエネルギは熱エネルギに変換される。高熱のターゲットからのこの熱エネルギはX線管の真空容器内の他の構成部品へ伝導され且つ放射される。この熱エネルギによって生じるこれらの高い温度の結果として、X線管構成部品は高い熱応力を受け、これらの熱応力はX線管の動作及び信頼性において問題となる。
典型的には、X線管と呼ばれるX線ビーム発生装置は、真空容器内に囲まれた対向する電極を有する。真空容器は、典型的には、ガラス、或いはステンレス鋼、銅又は銅合金のような金属から製造される。前に述べたように、電極は陰極組立体を有し、この陰極組立体は回転する円板形陽極組立体のターゲット・トラックから距離を置いて位置決めされている。この代わりに、工業用途のような場合には、陽極は静止型とすることができる。陽極のターゲット・トラック、すなわち衝突区域は、一般的に、タングステン又はタングステン合金のような原子番号の大きい耐火金属から製造され、或いは、乳房撮影用管では、ターゲット・トラックは、一般的に、モリブデンから製造される。更に、電子を加速するために、陰極及び陽極組立体の間に典型的には60kV〜140kV(乳房撮影用管では、20kV〜50kV)の電圧(電位差)が維持される。高熱の陰極フィラメントから放出された熱電子が電位差によって加速されて、陽極のターゲット区域に高速で衝突する。電子の運動エネルギのうちの小部分が高エネルギ電磁放射線(すなわち、X線)に変換され、残りのエネルギが後方散乱電子中に含有されるか又は熱に変換される。X線は焦点から発散して全方向に放出されるが、焦点整列経路に沿って真空容器から外へ方向付けすることができる。金属の真空容器を持つX線管では、例えば、X線ビームが所望の位置で出て行くことができるように金属の真空容器にX線透過性の窓が設けられる。真空容器を出て行った後、X線は焦点整列経路に沿って方向付けされて、医学的検査及び診断手順のために人体の解剖学的構造部分のような対象物に進入する。対象物を透過したX線は検出器又はフィルムによって遮られて、その中に内部の解剖学的構造の画像を形成する。更に、工業用X線管は、例えば、金属部品の亀裂の検査を行い又は空港で荷物の中身を検査するために使用することができる。
医学的診断用X線管におけるX線の発生はその性質により非常に効率の悪いプロセスであるので、X線発生装置内の構成部品は高温で動作させる。例えば、陽極焦点の温度は約2700℃の高温にすることがあるのに対し、陽極の他の部分は約1800℃までの温度になることがある。その上、X線管の構成部品は、比較的長い期間にわたってほぼ450℃に近づくことのある温度での、X線管の高温排気処理に耐えることが出来なければならない。X線管動作中に発生される熱エネルギは、典型的には、陽極及び他の構成部品から真空容器へ伝達される。
X線管のこの高い動作温度は数々の理由で問題がある。X線管の構成部品が高い温度に繰返し曝されることにより、構成部品の寿命及び信頼性が低下する恐れがある。具体的に述べると、陽極組立体が典型的には軸受組立体によって回転自在に支持される。この軸受組立体は高い熱負荷に非常に敏感である。軸受組立体が過熱されると、摩擦の増加、雑音の増加、及び軸受組立体の最終的な故障を招く恐れがある。
X線管内の真空レベルを維持するために潤滑剤は高い温度(例えば、400℃又はそれ以上の温度)で非常に低い蒸気圧を有していなければならないので、現在X線管内の軸受組立体潤滑剤の選択には非常に制約がある。更に、潤滑剤は、高電圧安定性を乱す恐れのある如何なる粒子も真空中に遊離させないものでなければならない。従って、一般的に云えばX線管内の軸受組立体を潤滑するために固体潤滑剤のみが使用できる。典型的には、銀又は鉛のような固体潤滑剤は軸受組立体の表面を被覆するように使用される。しかしながら、鉛は低融点及び高蒸発率を有しており、従って、鉛は、典型的には、400℃より高い動作温度に曝される軸受組立体には、高真空を維持できないことがあるので使用されない。更に、軸受組立体に鉛の固体潤滑剤を使用するX線管は、典型的には、より短く且つより少ないパワーの照射に制限される。400℃より高い温度では、銀は通常最適な固体潤滑剤である。銀を使用すると、鉛の場合よりも一層長く且つ一層大きいパワーの照射が可能である。しかしながら、銀は多数の欠点があるので鉛ほど好ましくはない。銀は鉛よりも遥かに硬く、従って、軸受組立体によって発生される雑音を増大させる。更に、銀は熱くなり過ぎた場合に軸受の鋼と反応して、粒界亀裂及び軸受の時期尚早な故障を引き起こす傾向がある。銀はまた、その潤滑性が相対的に低いので、鉛よりも大きい始動及び運転トルクを必要とする。X線管軸受組立体に銀及び鉛のような固体潤滑剤を使用することを強制する代わりに、様々な他の種類の潤滑剤、例えば、油、グリース、粉末、液体、湿潤金属又は同様なものを使用できることが望ましい。しかしながら、これは現在では可能ではない。
米国特許第5150398号
固体潤滑剤以外の潤滑剤を使用できるようにする適当なX線管軸受組立体システムは現在何ら存在しないので、固体潤滑剤であるか否かに拘わらず任意の適当な潤滑剤を使用できるようにするこのようなシステムを提供できれば望ましいことであろう。油、グリース、粉末、液体、湿潤金属及び他の適当な潤滑剤を軸受組立体に使用できるようにするこのようなシステムが要望されている。このようなシステムは、軸受組立体内で生じた蒸気及び粒子がX線管の真空部分に入り込むのを防止するために1つ又は複数の液体金属ガスケットを利用するのが理想的である。このようなシステムの液体金属ガスケットは、水銀、ガリウム又はガリウム合金のような液体金属を充填した内部プラグで構成することができ、また第1のシール及び第2のシールを含むことができる。このようなシステムは、任意の適当な軸受組立体潤滑剤、例えば、油、グリース、粉末、液体、湿潤金属及び同様なものを使用できるようにすることができる。以下の説明から明らかになるように、本発明によって多数の他の要望も満足される。
従って、既存のシステム及び方法の上述した欠点は、X線管軸受組立体に使用するための液体金属ガスケットであって、任意の種類の適当な潤滑剤を利用できるようにする液体金属ガスケットに関する本発明の様々な実施形態によって克服される。本発明の実施形態は、X線管の軸受組立体に油、グリース、粉末、固体、湿潤金属及び任意の他の適当な種類の潤滑剤を使用できるようにする。本発明では、軸受組立体内で生じることのある蒸気及び粒子がX線管の真空部分に入り込むのを防止するために1つ又は複数の液体金属ガスケットを使用する。これらの液体金属ガスケットは、水銀、ガリウム又はガリウム合金のような液体金属を充填した内部プラグで構成することができ、また第1のシール及び第2のシールを含むことができる。
本発明の実施形態は、真空管に使用するための液体金属ガスケットを有する。これらのガスケットは、液体金属充填物を含む内部プラグと、軸受組立体を真空管の真空容器部分から隔離するように内部プラグの第1の端部に動作上接続された第1のシールと、軸受組立体の空洞内の粒子及び蒸気が真空管の真空容器部分の中へ移動するのを防止するように内部プラグの第2の端部に動作上接続された第2のシールとで構成することができる。内部プラグ内の液体金属充填物は、水銀、水銀合金、ガリウム及びガリウム合金のうちの少なくとも1つで構成された液体金属を含むことができる。第1のシールは接触シールで構成することができ、また第2のシールは非接触シールで構成することができる。
本発明の実施形態はまた、X線を発生して該X線を焦点整列経路に沿ってターゲットに向かって差し向けるX線管を有する。これらのX線管は、電子を発生するために当該X線管内に動作可能なように位置決めされた陰極と、電子が衝突したときにX線を発生するために前記陰極に対して動作可能なように位置決めされた陽極組立体と、陰極に対して陽極組立体を回転させるように支持することができる軸受組立体とを有し、軸受組立体は少なくとも1つの液体金属ガスケットを含んでいる。各々の液体金属ガスケットは、内部プラグと、第1のシールと、第2のシールとで構成することができる。内部プラグは、水銀、ガリウム、水銀合金及びガリウム合金のうちの少なくとも1つで構成された液体金属を充填することができる。第1のシールは軸受組立体をX線管の真空領域から隔離することができる。第2のシールは、軸受組立体の空洞内の粒子及び蒸気がX線管の真空領域の中へ移動するのを防止することができる。第1のシール及び第2のシールは接触シール又は非接触シールの何れかで構成することができる。これらのX線管内の液体金属ガスケットにより、軸受組立体を、油、グリース、粉末、固体、液体及び/又は湿潤金属、或いは任意の他の適当な潤滑剤によって潤滑することが可能になる。
本発明の実施形態はまた、X線撮像システムを有する。X線撮像システムは、X線を発生して該X線を焦点整列経路に沿ってターゲットに向かって差し向けるX線管を有する。このX線管は、電子を発生するために当該X線管内に動作可能なように位置決めされた陰極と、電子が衝突したときにX線を発生するために前記陰極に対して動作可能なように位置決めされた陽極組立体と、陰極に対して陽極組立体を回転させるように支持することができる軸受組立体とを有し、軸受組立体は少なくとも1つの液体金属ガスケットを含んでいる。各々の液体金属ガスケットは、内部プラグと、第1のシールと、第2のシールとで構成することができる。内部プラグは、水銀、ガリウム、水銀合金及びガリウム合金のうちの少なくとも1つで構成された液体金属を充填することができる。第1のシールは軸受組立体をX線管の真空領域から隔離することができる。第2のシールは、軸受組立体の空洞内の粒子及び蒸気がX線管の真空領域の中へ移動するのを防止することができる。第1のシール及び第2のシールは接触シール又は非接触シールの何れかで構成することができる。これらのX線管内の液体金属ガスケットにより、軸受組立体を、油、グリース、粉末、固体、液体及び/又は湿潤金属によって潤滑することが可能になる。
本発明の別の特徴、側面及び利点は、当業者には、本発明の幾つかの好ましい形態を例示する添付の図面を参照した以下の説明から容易に明らかになろう。図面において、同様な部品には同じ参照符号を付してある。
本発明のシステムについて幾つかの図を参照して以下に説明する。
本発明についての理解を容易にするために、ここで図1〜図3に例示した本発明の好ましい実施形態について言及し、また同じことを記述するために特定の言葉を使用する。本書における用語は、限定するのではなく説明を目的として使用する。また本書で開示する特定の構造上及び機能上の詳細は制限として解釈すべきではなく、単に本発明を様々に採用するように当業者に教示するための代表的な根拠としての特許請求の範囲のための根拠として解釈すべきである。描写した支持構造の変更又は変形及びそれらの製造方法、並びに当業者に普通になし得るような本書に例示した本発明の原理の更なる応用は、本発明の精神の範囲内にあるものと認められる。
図1は、本発明の一実施形態の液体金属ガスケットを有するX線管を示している。X線撮像システムは一般的にX線管20を有しており、X線管20は、真空外被10と、回転子13、該回転子に固定された回転シャフト12及び固定子16を含んでいる陽極組立体と、電子を放出する陰極11と、X線を発生して該X線を焦点整列経路に沿って方向付けするために回転シャフト12に固定された陽極ターゲット14と、動作中に回転陽極14に対して軸方向及び半径方向の支持を行う軸受構造15a,15bとを有し、これらの全ては真空外被10内に動作可能なように位置決めされている。この実施形態では、回転シャフト12は2つの玉軸受組立体15a,15bを介して固定子16によって回転自在に支持されている。玉軸受組立体15a,15bの各々は、内レース17と、外レース18と、これらの内レース17と外レース18との間に回転自在に配置された複数の玉軸受19とを有する。回転シャフト12、回転子13及び陽極ターゲット14を動作中に高い速度で回転させる回転磁界を生成するために磁界生成器が真空外被10の外側に配置される。
真空外被10の内部には約10-5〜約10-9トルの真空が存在する。陰極11から放出された電子が陽極ターゲット14に衝突したとき、X線が発生され、これにより陽極ターゲット14及び真空外被10の内部が加熱される。陽極ターゲット14及び真空外被10が高い温度に加熱されたとき、軸受組立体15a,15bもまた回転シャフト12からの熱伝達(放射及び伝導の両方)により加熱される。軸受組立体15a,15bが熱に起因して動かなくなり又は摩耗することを防止するために、玉軸受19の摩擦面が一般的には何らかの潤滑剤で被覆される。その上、内レース17及び外レース18の摩擦面もまた潤滑剤でしばしば被覆されることさえある。前に述べたように、軸受組立体15a,15bは高温で且つ真空中で利用されるので、銀又は鉛のような固体金属潤滑剤が一般的に唯一の適当な潤滑剤である。しかしながら、このような用途には銀も鉛も理想的な潤滑剤ではない。鉛はこのような用途には最適に使用することはできない。その理由は、鉛は融点が低く且つ蒸発率が高いので、X線管内の高真空を維持できないかもしれないからである。銀もまた理想的でない。その理由は、銀は鉛よりも遥かに硬いので、銀で潤滑される軸受組立体によって発生される雑音が一層大きくなり、且つ銀で潤滑される軸受組立体の使用寿命が一層短くなることがあるからである。その上、銀は他の幾つかの欠点を有する。銀は熱くなり過ぎた場合に軸受の鋼と反応して、粒界亀裂及び軸受の時期尚早な故障を引き起こす傾向がある。銀はまた、その潤滑性が相対的に低いので、鉛よりも大きい始動及び運転トルクを必要とする。
従って、明らかに、このような固体金属被覆は玉軸受のチャタリング雑音を適切に減衰させず、且つ連続的に高い速度及び温度で使用されたときに耐えることが出来ない。固体金属潤滑剤の代わりに非固体潤滑剤、例えば、油、グリース、粉末及び同様なものを利用できれば、一層望ましいことであろう。しかしながら、このような非固体潤滑剤に対処するためにはX線管の変更又は再設計が必要となるかもしれない。というのは、このような潤滑剤をX線管の気密封止された真空外被10の中に入れた場合、X線管内には動作状態で強い電界が存在しているので、X線管が破壊される恐れがあるからである。
油、グリース、粉末、液体、湿潤金属及び同様なもののような非固体潤滑剤を使用できるように、軸受組立体15a,15bに近接して1つまた複数の液体金属ガスケット30を利用することは非常に望ましい。このような液体金属ガスケットは非常に効率の良い軸受潤滑を利用可能にし、これによりX線システムの回転能力に有益な効果をもたらす。すなわち、回転速度を増大させることができ、軸受の寿命を長くすることができ、また雑音/振動を減衰させることができる。
液体金属ガスケット30はガリウム又はGaInSnのようなガリウム合金で構成するのが好ましいが、回転陽極システムの空洞21を封止するのに充分な低い蒸気圧を持つ任意の他の適当な液体金属又はその合金で構成することもできる。回転陽極システムの空洞21を封止することにより、空洞21内に粒子及び蒸気26が生成されても、X線管20内の真空レベルが増大したり、その高電圧安定性が乱されたり、最終的なX線管の画像品質が低下する恐れが無くなる(その理由は、粒子がX線出力窓へ移動出来ないからである)。
液体金属ガスケット30は、液体金属、例えば、水銀、水銀合金、ガリウム、又はGaInSnのようなガリウム合金、或いは任意の他の適当な液体金属が充填された少なくとも1つの内部プラグ31で構成することができる。更に、各々のガスケットは、液体金属がガスケットから漏出するのを防止するために2つのシール32,33を含むことができる。第1のシール32は、軸受組立体を隔離するために空洞の境界に配置することができる。第1のシール32は接触シールとすることが好ましいが、非接触シールとすることもできる。第2のシール33は、空洞21内に生じた粒子及び蒸気がX線管20の真空領域22の中へ移動するのを防止するためにガスケットの他方の端部に配置することができる。第2のシール33は非接触シール(すなわち、隙間又はラビリンス・シール)とすることが好ましいが、接触シールとすることもできる。この第2のシールとしては非接触シールが好ましい。というのは、非接触シールは、内部プラグ23に含有されている流体を保持するのに充分に粘性力が強くなるまでX線管の回転部品と非回転部品との間のギャップを小さくすることによって、液体金属がプラグから漏出するのを防止するからである。その上、非接触シールは熱的及び/又は機械的理由(発熱、パワー損、信頼性など)のために好ましい場合がある。用途により希望される場合は2つ以上(複数)の液体金属ガスケット30を使用することができる。更に、図示しているように、希望により液体金属プール40を設けることもできる。
これらの液体金属ガスケット30は回転陽極システム内の空洞21を封止して、空洞内に形成されることのある任意の粒子及び蒸気がX線管20の真空領域22へ逃げ出すことを防止する。従って、これらの液体金属ガスケット30により、軸受組立体に任意の種類の潤滑剤、例えば、油、液体、粉末、固体、湿潤金属の潤滑剤、又は任意の他の適当な潤滑剤を使用することが可能になる。
X線管において、油、グリース、粉末、湿潤金属及び同様なものような潤滑剤を使用することは、材料の蒸発率によって、またそれから遊離される粒子によって制限される。本発明の液体金属ガスケット30は、X線管の使用中に生じる蒸気及び粒子に対する物理的境界を提供して、それらの蒸気及び粒子がX線管の真空部分の中に入る込むことを防止する。これらのガスケットはまた、X線管の静止した部品と回転部品との間の良好な熱接触及び/又は電気接触を保証する。
上述したように、本発明の液体金属ガスケットにより、高性能の軸受を実現することが可能になる。有利な点は、これらの液体金属ガスケットにより、銀及び鉛のような固体潤滑剤だけでなく任意の種類の軸受潤滑剤をX線撮像システムに使用することが可能になることである。
以上、本発明が満足する様々な要望を実現する本発明の様々な実施形態を説明した。これらの実施形態は本発明の様々な実施形態の原理を単に例示しているに過ぎないことを認識されたい。それらの多数の変更及び改変を本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなし得ることが当業者には明らかであろう。例えば、これらの液体金属ガスケットをX線撮像システムに使用することを説明したが、これらのガスケットは、真空管を有する様々な他のシステムに使用可能である。更に、これらの液体金属ガスケットを玉軸受組立体に使用することを説明したが、これらのガスケットは様々な他の玉軸受組立体に使用可能である。このように、本発明は特許請求の範囲内に入る全ての適当な変更及び変形、並びにそれらの等価物を包含するものである。
本発明の一実施形態の液体金属ガスケットを含むX線管を示す略図である。 本発明の2つの液体金属ガスケットを含むX線管の切り取った一部分を示す略図である。 本発明の2つの液体金属ガスケットを含む別のX線管の切り取った一部分を示す略図である。
符号の説明
10 真空外被
11 陰極
12 回転シャフト
13 回転子
14 陽極ターゲット
15a、15b 玉軸受組立体
16 固定子
17 内レース
18 外レース
19 玉軸受
20 X線管
21 空洞
22 真空領域
26 粒子及び蒸気
30 液体金属ガスケット
31 内部プラグ
32 第1のシール
33 第2のシール
40 液体金属プール

Claims (7)

  1. X線を発生して該X線を焦点整列経路に沿ってターゲットに向かって差し向けるX線管(20)であって、
    真空外被(10)と、
    電子を発生するために前記真空外被(10)内に動作可能なように位置決めされた陰極(11)と、
    電子が衝突したときにX線を発生するために前記陰極に対して動作可能なように前記真空外被(10)内に位置決めされた陽極組立体(13,12,16)と、
    前記陰極に対して前記陽極組立体を回転させるように支持することができる軸受組立体(15a,15b)とを有し、
    前記軸受組立体が、回転自在に配置された複数の玉軸受(19)と、該複数の玉軸受(19)と真空領域(22)との間に配置された少なくとも1つの液体金属ガスケット(30)を含み、
    前記少なくとも1つの液体金属ガスケット(30)が、液体金属が充填された内部プラグ(31)と、前記複数の玉軸受(19)と前記内部プラグ(31)との間に配置された第1のシール(32)と、前記内部プラグ(31)と前記真空領域(22)との間に配置された第2のシール(33)とを含んでいること、を特徴とするX線管(20)。
  2. 前記内部プラグ(31)は、水銀、ガリウム、水銀合金及びガリウム合金のうちの少なくとも1つで構成された液体金属が充填されている、請求項1記載のX線管。
  3. 前記第1のシール(32)は前記軸受組立体を前記真空領域(22)から隔離している、請求項1又は2記載のX線管。
  4. 前記第1のシール(32)接触シールで構成されており、前記第2のシール(33)は非接触シールで構成されており、
    該非接触シールは、前記内部プラグ(23)に含有されている流体を保持するのに充分に粘性力が強くなるまで前記X線管の回転部品と非回転部品との間のギャップを小さくすることによって、前記液体金属が前記内部プラグ(23)から漏出するのを防止する、請求項1乃至3のいずれかに記載のX線管。
  5. 前記陽極組立体(13,12,16)が、固定子(16)と、回転子(13)と、該回転子に固定された回転シャフト(12)と、該回転シャフト(12)に固定された陽極ターゲット(14)とを備えており、
    前記軸受組立体(15a,15b)は、前記固定子(16)に形成された空洞(21)内で前記回転シャフト(12)を支持し、
    前記第2のシール(33)は、前記空洞(21)内の粒子及び蒸気(26)が前記真空領域(22)の中へ移動するのを防止する、請求項1乃至4のいずれかに記載のX線管。
  6. 前記複数の玉軸受(19)と前記第1のシール(32)の間に、前記液体金属の粒子及び蒸気(26)が生成される空洞(21)が形成される、請求項1乃至5のいずれかに記載のX線管。
  7. X線を発生して該X線を焦点整列経路に沿って方向付けする請求項1乃至6のいずれかに記載のX線管を備えるX線撮像システム。

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