JP4808040B2 - 配送計画立案支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物品の輸送を行う運送会社が扱う車両を各運送会社間で公平に使用しながら当該物品の輸送を実現する配送計画立案支援方法に関するものである。特に、製造会社が製造する物品を、特定の得意先あるいは保管倉庫などに定常的に輸送あるいは配送するのに用いて好適なものである。
車両を使用した物品や人の輸送あるいは配送は、人の活動のあらゆる場面で行われていることから、車両を可能な限り効率良く使用できるようにすることはコスト面又は環境面等において多大な影響を与え、運送関連企業にとって非常に重要な問題の一つである。このため、従来より多くの輸送・配送計画に関する技術が開示されている。
運送会社と荷主との間を一定の信頼関係に基づいて仲介しながら運送会社の車両を有効に活用するとともに、効率の良い車両の配車・運行を実現する手段の一例として以下のような発明がある。
(1)複数の荷主から集積される多品種の荷物を複数の運送業者によって配送する場合に、物流界全体における総車両数が、個々の運送業者によってそれぞれ独立して配送されるときの車両総数よりも少なくしかも最小数にするために、複数の荷主とその荷物の情報、並びに複数の運行業者とその業者の車両、車庫、及び運行状況等の情報を利用した配車システムがある。この配車システムは、上記情報を配送センターに集めて管理し、各車両の積載効率が最大化になる配車計画を立てることにより、配送する運送業者の使用すべき車両の台数を全体として最小限にさせることを特徴とする(下記特許文献1参照)。
(2)常雇いの関係がない運送会社と荷主との間の荷物配送を効率良く行うための配車・運行管理方法であって、両者の信頼関係に基づいて運送会社の位置、車両情報などに関する情報をサーバに登録しておき、更に、荷主からの荷物の配送要望、運送会社からの空車情報といった各事象が発生するごとにその情報をサーバに通知する。これにより、予め登録してある、地域、時間、車両の形式、車両の装備、ドライバに関する情報を基に、最適な運送車両を割り出すことを特徴とする(下記特許文献2参照)。
(3)ユーザ(運送会社)の納得できる公平な配車計画を立案するための配車計画支援装置であって、運送会社からの求荷情報及び荷主からの求車情報と、一回の運行ごとに荷主と運送会社それぞれが相手に対して行う評価点により更新される求荷評価情報及び求車評価情報とに基づいて、使用する車両の優先度を決定することを特徴とする(下記特許文献3参照)。
特開平11−328573号公報 特開2002−41614号公報 特開2002−183265号公報
製造会社によって製造される物品は、例えば、工場から卸商や大型直販店へ、工場から倉庫へ、あるいは倉庫間に配送されたり輸送されたりするが、通常、その形態や大きさ(量)の点で限定されていることが多い。なお、倉庫とは、製造会社が直轄するものの他に、運送会社の保管倉庫であって製造会社と使用契約した倉庫も含んでいる。また、製造会社の配送計画は主に工場又は倉庫を拠点とする範囲であり、特別の場合を除いて小売店への配送を含んでいない。小売店は卸商や倉庫からの配送を受けたり、受け取りに行ったりする。
このような限定された形態及び量の物品を対象とする物流形態の場合、不特定多数の消費者に個別の荷物を届けるいわゆる宅配便形態、あるいは不特定の顧客を個別に輸送するタクシー等の形態とは異なり、運送会社が所有する車両状況にその都度対応させた配送計画を比較的容易に実施することができる。しかしながら、上記配送計画を作成した物流形態の場合であっても、以下に述べるような問題も依然として存在し、一層の改善が要望されていた。
従来から行われてきた配送計画方法は、以下のステップからなる。
ステップ1:営業各部で纏めた配送情報、すなわち得意先、製品、量、配達時期などの情報を、配送担当部の担当者がコンピュータに入力し、受注表を作成する。
ステップ2:運送会社との電話やFAXなどを介して、使用可能な状態にある車両の情報を収集する。
ステップ3:物品の製造状況や在庫状況を確認する。
ステップ4:これら複数の情報を総合的に勘案した上で、担当者の経験に基づいて配車を考え、配送計画を作成する。
したがって、各配送先に対してどこの運送会社の車両を使用すべきかの決定や、優先的に使用する運送会社の決定などに、どうしても担当者の個人的なバイアスがかかりやすい状況にあった。そのため、次のような問題点が指摘されていた。
1.配送先と運送会社との対応関係が、配送担当部の各担当者によって特定の偏りが生じやすい。
2.長年の慣習によって、配送担当部の担当者と、運送会社又は運送会社の担当者との間に癒着傾向が生じる可能性が大きい。
3.配送する荷物量が少ない時期、特定の運送会社を選択したときの合理的な説明をし難い場合がある。
4.配送する荷物量が多い時期、又は車両の増加が必要な時にも、特定の運送会社を選択したときの合理的な説明をし難い場合がある。
5.緊急の配送が要請されたとき、運送会社全体の広範囲な協力体制が確保し難い状況である。
6.運送会社間で適正な競争原理が働かない。
このような問題が存在する状況では、製造会社からすれば、最も効率の良い配車がなされた上で配送が行われているかどうかを客観的に評価できない。一方で、運送会社からすれば、配送担当部の決定している配送計画が各運送会社間で平等な選定の下で行われているかが分からないので、自分たちが公平に扱われているかが評価できず、製造会社に対する不信感が生じやすい状況であった。その結果、製造会社と配送担当部、及び運送会社と配送担当部、それぞれの信頼関係が損なわれるといった問題が生じていた。
前記特許文献1、2及び3の各発明は、前記問題を解決することに有効な手段となり得るが、一方で、複数の荷主と複数の運送業社との間における荷物条件及び車両条件の組み合わせが多岐になることから、その組み合わせすべてを解くために必要な設備やプログラムが膨大になってしまう。このように、従来の配送計画装置又はシステムの場合、初期投資費用や維持費用の肥大化とともに、システム運用の複雑化がオペレーティングにも影響して誰もが簡単に操作できないといった問題も生じていた。したがって、多品種大量生産の超大企業を除くその他多数の一般の製造会社にあっては、特別な設備投資をすることなく、手軽に前記問題を解決できる配送計画支援方法が望まれていた。
そこで、本発明は前述した問題点に鑑み、膨大なプログラム開発や設備投資を必要とせずに、製造会社及び運送業者の双方にとって高効率で公平な配送ができる配送計画支援方法を提供することを目的としている。
本発明の特徴は、配送計画するに際し、コンピュータ、インターネット網、GPS、又は携帯電話などの情報処理装置のみに依存するのではなく、これら情報処理装置を扱うユーザから得られる情報を適宜、情報処理装置に取り込みながら処理するといった、人間と情報処理装置との有機的な協働処理の実行によって実現する。
本発明の配送計画立案支援方法は、指定された物品を配送元から配送先へ運搬するための輸送車の分配の仕方を演算処理装置又はシステムを用いて決定する配送計画立案支援方法であって、前記演算処理装置又はシステムで実行する処理は、物品を配送先に運搬するために少なくとも配送元及び配送先の情報を含んだ配車要求情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された配車要求情報を読み出して該情報を基に、配車必要台数を算出する配車台数演算処理と、前記物品を実際に運搬する輸送車に関する情報を基に、指定日の運行可能台数を算出する運行可能台数決定処理と、前記配車台数演算処理で算出された配車必要台数分の輸送車を複数の運送会社に割当てる際の優先順位を、前記運行可能台数決定処理により算出された運行可能台数を基にしたドント方式により演算し設定する車両優先順位演算処理と、前記車両優先順位演算処理により設定された優先順位に従って、前記運送会社ごとに運行させる輸送車数を決定する使用車両台数決定処理と、前記配車台数演算処理で算出された配車必要台数、使用車両台数決定処理で決定された運送会社ごとの輸送車の車両数、及び前記配送元から前記配送先の配送ルート毎に他の運送会社の配送実施と比較したときの優劣性を相対的且つ定量的に表したサービス評価点を基に、前記配送先を所定の地域別で分類したときに使用する輸送車数を前記運送会社ごとに決定する運行地域別使用車両台数決定処理と、前記配車要求情報に含まれる配送先をランダムに並べ替えるとともに当該並べ替えられた順序に対応するように、前記運行地域別配車台数決定処理で決定された運送会社を割当てる割当処理とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、配送元及び配送先の情報を含んだ配車要求情報を基に配車必要台数を算出するとともに、輸送車に関する情報を基に指定日の運行可能台数を決定し、更にドント方式により決定される優先順位に従って配車必要台数分の輸送車を各運送会社に割当てた上で、次に、運送会社の配送サービスの優劣性を他の運送会社との相対評価で定量的にあらわしたサービス評価点を用いることで配送先を運行地域別にまとめたときの各運送会社の使用車両台数を決定し、最後に配送先をランダムに並び替えて当該ランダム値にあわせて最終的に各運送会社を割当てるように構成したので、サービス評価点の総和が最大になるような配送ルートをもつ配車を立案することが可能となり、製造会社及び運送会社の双方にとって最も効率の良い配車が可能となる。
また、ドント方式という演算手法によって各運送会社の優先順位を決定するとともに、運行地域別の使用車両台数をランダムに並び替えた上で最終的な運送会社を選択するようにしているので、運送会社の選択に際して配送部担当者の個人的恣意が介入する余地がなく、公平な車両割り当てを実現することができる。これにより、配送部担当者と運送業者による偏りや癒着傾向の排除が可能であり、また、割り当ての無かった運送会社に対する合理的な説明が可能であり、荷主と運送会社との信頼関係が損なわれることがない。
また、本発明に必要な演算は汎用のコンピュータで十分に処理可能であるので、特別な設備投資をしたり複雑な専用プログラムを作成したりする必要がなく、本発明を容易に導入することが可能である。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の配送計画支援方法を実行する演算処理システム(以下、「配車計画支援システム」と称する。)の概略構成を示す図である。図1に示すように、本発明の配車計画支援システム1は、配車要求情報設定手段1a、当日配車台数設定手段1b、使用車両台数設定手段1c、地域別配車台数決定手段1d、車両割当手段1eを備えている。これら各手段は、いわゆる電子情報処理システムの内部処理としての機能を有する。したがって、本発明の配車計画支援システム1は、各手段1a〜1eを備えた電子情報処理システムである。この配車計画支援システム1は、外部から以下に示す入力情報を読み込む。
<入力情報>について
配車計画支援システム1は、配車担当者が任意の入出力手段を介して入力する得意先からの製品納品情報(J11)及び倉庫の製品補充情報(J12)を含む配車要求情報(J1)を読み込む。ここで、入出力手段2は、配車計画支援システム1の一部としても、配車計画支援システム1と接続する外部のシステムとして構成されているとしても、いずれであってもよい。製品納品情報(J11)は、得意先からファクシミリやインターネット等の通信回線を通じて配車担当者に直接渡されることもあるが、多くの場合は製造会社の営業取引上、適当な単位(例えば、トラック、貨物車などの配送単位)で纏められて渡される。また、製品補充情報(J12)は、倉庫内で製品の不足が起こらないように、倉庫内の在庫と照らし合わせて決定される補充に関する情報である。図1の構成例では、配車担当者が製品補充情報(J12)を調査して決定する場合として示しているが、これに限るものではなく、営業担当その他の他部署が行う場合も含み、最終的に配車担当者に対して製品補充情報として渡されればよい。
当日配車台数設定手段1bは、車両に関する情報(J2)を読み込む。車両に関する情報(J2)は、運送会社からの運行不能車両に関する車両情報(J21)の他に、特定運行させる車両情報(J22)や前日未配車台数情報(J23)も含んでいる。特定運行させる車両情報(J22)とは、特定の製品あるいは製品以外の荷物を積載しなければならない車両に関する情報であり、前日未配車台数情報(J23)とは、休日や祝日、正月あるいはその他の理由で配車要求情報が少ない時に発生する車両情報である。
このように、配車担当者は、製品納品情報(J11)、製品補充情報(J12)、運行不可能に関する車両情報(J21)、特定運行させる車両情報(J22)、前日未配車台数情報(J23)を配車計画支援システム1に対する入力情報として渡し、これを配車要求情報設定手段1aが受け取る。
また、配車計画支援システム1が上記情報に基づいて決定した配車依頼情報(J3)が、今度は出力情報として入出力手段2に出力されると、配車担当者を介して運送会社に渡される。なお、配車依頼情報(J3)は、配車担当者を介さずにインターネットなどの通信回線を通じて直接運送会社に伝達される構成であっても良い。そして、運送会社は、渡された配車依頼情報(J3)に基づいて、指定された出荷元から得意先又は倉庫に対して該当の製品を配送する(その流れが、図1中の点線Y1,Y2である)。
<配車計画支援システム1で行われる処理の概略について>
次に、配車計画支援システム1で行われる処理の概略フローについて、図2を参照しながら説明する。
入出力手段2を介して入力された製品納品情報(J11)及び製品補充情報(J12)を含む配車要求情報(J1)は、配車要求情報設定手段1aに渡される。配車要求情報設定手段1aは、詳細には、記憶手段11aと配車台数演算手段11bとを備える。上述した外部からの配車要求情報(J1)は、はじめに一旦、記憶手段11aに蓄積しておいてから、次に配車台数演算手段11bに渡される。配車台数演算手段11bは、出荷元から製品を配送するために必要な車両の台数、すなわち配車必要台数(J100)を配送地域別に決定する。そして、配車台数演算手段11bは、この配車必要台数(J100)の情報を使用車両台数設定手段1cに送信する。
また、入出力手段2を介して入力された別の情報である車両に関する情報(J2)は、当日配車台数設定手段1bへ渡される。当日配車台数設定手段1bは、最少運行約定車両台数データベース12aと運行可能台数決定手段12bとを備える。データベース12aには、本発明の特徴の一つである、運送会社との合意に基づいて設定済みの最少運行約定車両情報(Y)が記憶されている。これは、配車計画支援システム1を用いて配車計画を実施する配送担当部が運送会社と契約を締結した際に合意した、毎日使用する車両の最少台数のことである。運送会社にすれば、契約したこの最少運行約定車両情報(Y)のおかげで保有する車両のうち合意した分の使用が最低限確保されることから、保有車両の運行管理が楽になり、これによって経営的の安定化が図れるようになる。最少運行約定車両台数(Y)は、過去の実績から鑑みて特段の事情(例えば、天災等の不可抗力)がなければ必ず運行できると見込まれる車両台数である。
運行可能台数決定手段12bは、前記最少運行約定車両情報(Y)を最少運行約定車両台数データベース12aから読み出すともに、その他の情報として、運送会社からの配送予定日に車検や修理などで運行させられない車両の情報(J21)、荷主側で特定の運行をさせる車両情報(J22)と、及び前日最少運行約定車両台数に満たなかった前日未配車車両台数(J23)を入出力手段2を介して取得する。そして、運行可能台数決定手段12bは、これらの情報を以下の計算式に適用して、当日、即ち指定日の運行可能台数(J200)を算出する。
J200 = Y − J21 − J22 + J23
上記計算式により算出される指定日の運行可能台数(J200)は、上述した配車要求情報設定手段1aが決定した配車必要台数(J100)という需要に対する受け入れ可能数になるわけだが、運行可能台数(J200)と配車必要台数(J100)とを比較した結果、配車必要台数(J100)が運行可能台数(J200)より少ない場合は、需要に対して供給過多を意味している。このため、運送会社からの全ての運行可能台数を配車することができないこととなる。したがって、配送担当部側は、どの運送会社の車両を充当するべきかを公平にかつ合理的に決定する必要がある。従来はこのような場合に、使用すべき運送会社の車両の決定方法、逆にいえばどの運送会社の車両を採用しないことにするかの判断が、配送担当者の主観に影響されたノウハウであったため、どうしても合理性に欠ける点があり、このことが運送会社に不公平感を生み出させてしまって荷主側と運送会社との信頼関係を損なう事態になっていた。更に、全体的及び客観的なデータに基づく判断ではないので、運送コストが予想よりも高くなるといった影響も生じていたのである。
本発明は、この主観的判断の代わりに、定量的且つ客観的に示される運送会社間の優先順位によって判断可能にしている。具体的には、運行可能台数(J200)等の情報をいわゆるドント方式として既知な手法に適用して運送会社間の優先順位を算出する。優先順位の決定はドント方式に限定されるものではないが、ドント方式は例えば選挙において各党への投票数を基に議席を公平に分配しながら当選人を決定する手段として使われているものである。したがって、本ドント方式を利用した配送計画の本発明の場合、荷主にも運送会社に対しても合理的な説明を提供しやすいとともに、複雑な計算を必要とせずに処理できるという利点がある。したがって、パソコンのような小規模な電子情報処理装置又はシステムでも簡単に実行することができる。
具体的には、当日配車台数設定手段1bが設定した運行可能台数(J200)が、使用車両台数設定手段1c内の車両優先順位演算手段11cに送信される。車両優先順位演算手段11cは、詳細は後述するが、ドント方式によってある配送はA運送会社、次の配送はB運送会社、そしてその次の配送はC運送会社、・・・というように、配車要求情報設定手段1aで決定された配車必要台数(J100)分になるまで、配送をまかせるべき運送会社を設定していく。使用車両台数決定手段12cは、配車必要台数(J100)分の設定がなされたときに上記繰り返し処理をあしきりにし、即ち、車両優先順位決定を終了させ、運送会社別の使用車両台数(J300)を決定する。
一方、配車必要台数(J100)が運行可能台数(J200)よりも多い場合、つまり、需要が多くて配車が不足状態になっている状況のときは、不足の車両数分を契約運送会社に発注することとする。例えば、発注条件を明示したオークション方式とすることで、契約運送会社中のうち何れかの会社が請け負うようにする。なお、このオークションに関する情報は、契約している各運送会社の全てに対して同時に提供されるようにし、これを受けた未配送の車両をかかえる各運送会社は、直ちに応札することができる。また、オークションの決定は応札順で行うようにする等のルールを各契約運送会社に予め説明してオークション参加する配慮をすれば、契約運送会社間においても配車の選択を極めて公平に実施することができるようになる。
このようにして、使用車両台数決定手段12cによって決定された各運送会社の車両台数は、地域別配車台数設定手段1dに送信される。地域別配車台数設定手段1dは、運行地域別使用車両台数決定手段11dと評価点データベース12dとを含み、各運送会社の車両をどの地域に配送させるのが良いかを、評価点データベース12dの情報を使って決定する。上記評価点データベース12dは、配送元(集荷場所)から配送地域への配送過程で様々な項目を勘案したときの評価ポイントを全ての運送会社について蓄積記録する。また、評価ポイントを配送地域別ごとにまとめて記録する点や、運送会社の保有車両数の変動、車庫の配置状況、到着時間、荷扱いなどの運送品質、オークションへのなどへの応札程度など総合的に判断して適宜改定されることを特徴とするものである。
本発明では、運行地域別使用車両台数決定手段11dは、各運送会社の車両をどの地域に配送させるべきかの決定するにあたり、例えば、線形計画法に基づいて算出する。より詳細には、運行地域別使用車両台数決定手段11dは、入出力手段2によって入力された配車要求情報(J1)から得られる配送元及び配送先として指定された配送地域の情報、使用車両台数設定手段1cが決定した運送会社別の使用車両台数情報(J300)、及び評価点データベース12dからの評価ポイント(p)情報を基に、運送会社毎に、配送元と配送地域別にどの運送会社の車両を何台配置するのが最も効率的かを計算するのである。このとき、配車必要台数(J100)及び使用車両台数(J300)を制限条件として定義し、且つ目的関数として、配車台数と評価ポイントの積が最大にするよう定義することで、最も効率の良い配車台数(J400)を決定するのである。
なお、線形計画法そのものの原理は周知であり、解法も幾つかの方法が知られているが本発明では例えばシンプレックスが適するであろう。また、上記のような条件下で目的関数を最大にする演算を実施する場合、パソコンのような小規模な電子情報処理装置又はシステムの処理能力で十分である。
運行地域別使用車両台数決定手段11dが配送元、配送地域別に各運送会社の使用車両台数(J400)を決定すると、次に、実際の配送先(得意先あるいは倉庫)まで走らせるための車両の割当を決定することが必要となる。これは、並び替え手段11e、ランダム化手段12e、割当手段13eを備える車両割当て手段1eが行う。
配送先が必要としている車両数は、配車必要台数(J100)として最初に決まるものであるが、その数分をどの運送会社を使用して実施するのが最も適当か、すなわち、荷主にとって最も効率が良く且つ運送会社にとっても最も効率が良く、しかも各運送会社間において公平で明瞭にして提示する必要があることから、これを処理する車両割当て手段1eの存在は重要である。
並び替え手段11eは、上述したように配車担当者を介して入力された配車要求情報(J1)を蓄積している記憶手段にアクセスして、当日(指定日)分の配車要求情報を呼び出し、更に配送元別毎にし、更に配送元別毎に優先度の高い配送先(得意先、地域配送先、直送先、あるいは倉庫など)順に並べ替える。次に、ランダム化手段12eは、この並べ替えられた情報をランダムに並び替え、これにより配送元別に配送先がランダム化される。本発明においてランダム化手段12eを備えているのは、配車担当者により配車要求情報(J1)が入力される際に、無意識に入力上の個人的傾向ともいうべき入力癖やシステム上の偏りの影響を極力排除しようという意図があるからである。実際、配車担当者は各自でデータ入力し易いように運送会社の入力順序を決めていたり、優先度の高い配送先から並べるシステムで、いつも同じ配送先が上位にくる可能性が高いため、それをそのまま本発明の配車計画支援システム1に利用した場合、運送会社と割当て車両との関係に影響を与える可能性も否定できない。そこで、ランダム化手段12eによってこの入力癖を完全に排除して最終的な割当てがなされるようにしている。
具体的には例えば、割当手段13eが、地域別配車台数決定手段1dからの地域別運送会社別使用車両台数(J400)とランダム化手段12eで並べ替えられた配送先を対応させることによって最終的な運送会社を決定する。
<配車計画支援システム1の詳細な動作>
次に、配車計画支援システム1のより詳細な動作を具体的なデータを示しながら、以下に説明していく。
図3は、配車担当者が、入力手段を介してある日の配車要求情報(J1)を入力した後の入力確認画面例を示す。配車計画支援システム1に必要な配車要求情報(J1)は、具体的には例えば、製品の配送を希望する配送先(本実施例では「直送先」ということとするが、「得意先」あるいは「倉庫」の場合もある。)、製品名(本実施例では、U,W,X、Y,Zで示す。)、トラック単位の数量、配送日、及び到着希望時間を含んだ情報である。配車要求情報として更に詳細な内容を含むこともあり、図3に示される情報に限定するものではない。本実施例では発明の理解に必要な限度で記載しているものとする。
本実施例の場合、入力の手間を省略するため、「直送先」が入力されるとその直送先の存在する地域(例えば県単位)のコード(地区CD)が、(予め用意されているテーブル(不図示)の参照などにより)自動的に設定される。更に、配車担当者は、配送すべき製品をどの工場(又は在庫倉庫)から出荷すべきかを判断して出荷元として入力する。なお、出荷元の入力は、配車担当者の判断によらずに公知の在庫情報調査システムに基づいて自動的に決定することもできる。図3の表を作成するために必要なデータは、車両割当手段1eにおいても利用することから、記憶手段11aによって、例えばデータベースや記憶装置内のファイルに蓄積される。
次に、配車台数演算手段11bは、配車必要台数(J100)を算出するために、まず、図3のデータの並び替えを行う(図4(A))。29日に配送される予定の直送先ごとの製品について、出荷元(東京工場、神奈川工場、静岡工場)毎にまとめている。そして、更に、これを直送先単位ではなく、当該直送先が属する県単位などの地域で分けられる地区コード(地区CD)ごとにまとめて、出荷元別で表示したのが図4(B)である。29日に東京工場から出荷される製品のために必要な車両数は6台、同様に神奈川工場は12台、静岡工場は6台であり、総数の24台が配車必要台数(J100)、つまり「需要数」として計算される。
一方で、当日配車台数設定手段1bの運行可能台数決定手段12bは、前記「需要数」に対する「供給」可能数を当日(指定日)の運行可能な台数として決定する。上述したように、運行可能台数(J200)は、最少運行約定車両情報(図中、「最少約定台数」と記す)(Y)、運行不可能に関する車両情報(図中、「当日使用不能台数」と記す)(J21)、特定運行させる車両情報(図中、「特別運行台数」と記す)(J22)及び前日未配車台数(J23)のデータを基に、J200=Y−J21−J22+J23という計算式で求める。これを各運送会社について表形式で例示したのが図5(A)である。例えば、運送会社「大塚倉庫」について言えば、最少約定台数(Y)が16台、当日使用不能台数(J21)が0台、特別運行台数(J22)が1台、前日未配車台数(J23)が0台であることから、運行可能台数(J200)は、16台−0台−1台+0台=15台となる。同様にして、その他の運送会社の使用車両台数は、駒込倉庫が5台、田端物流が2台、上野運輸が2台、神田運輸が2台、品川運送が4台、大崎運輸が2台、目黒運送が2台、渋谷物流が1台で、合計35台である。
すなわち、本実施例の場合、配車要求情報設定手段1aが要求する24台の配車数について、各運送会社から運行可能な車両数の総数は35台という状況である。そこで、次に、使用車両台数設定手段1cが、24台分をどの運送会社から選択すべきかを決定する。
それにはまず、車両優先順位演算手段11cが、ドント方式によって運行可能な運送会社を優先順位の高い順に順次決定していく。図5(B)は、車両優先順位演算手段11cがスプレッドシート(表形式)表現でデータ処理したときの計算値を表示した例である。なお、ここでは、単純ドント方式について適用した例及びスプレッドシート表現による説明をするが、必ずしもこれに限定するわけではない。
図5(B)に示すように、典型的なドント方式の場合、各列が各運送会社に対応し、第1行に運行可能台数(運行可能台数を1で割った台数に相当)を並べて表示する。次に、その第1行目の各台数を2で割って商を第2行に表示し、次に第1行目の各台数を3で割って第3行目に表示する。これを繰り返し、表示された台数の大きいものから当選、すなわち使用順位を決定していく。この場合、仮に同一行で台数が同じになった場合は、左側の列に割当てられている運送会社ほど優先させるようにするルールにしておくことで、全体の優先順位をきめることができる。なお、このルール以外の適当なルールであっても構わない。また、スプレッドシート表現の場合、優先順位を一行ごとに明瞭に認識するのが難い場合がある。
では次に、図5(B)に示された具体的な値を追いながら、車両優先順位演算手段11cによる処理を説明する。簡単に言えば、各行の最大の数字をもつ運送会社の車両を優先させる計算方式で優先順位を決定している。
第1行目は、各運送会社の運行可能台数(J200)を「1」で割って表示するので、運行可能台数そのままである。第1行中の最大の値は大塚倉庫15.00であるから、第1優先は大塚倉庫と決定される。これで運行可能な車両数35台のうち、1台目が大塚倉庫からの車両となる。
次に第2優先を決めるため、第1優先の大塚倉庫の運行可能台数である15.00を「2」で割ってその値7.50を大塚倉庫の第2行目に表示し、その他の運送会社には第1行目の各値をそのまま複写して表示する。この場合、第2行目の中で最大の値は、同じく大塚倉庫の7.50であるから、第2優先も大塚倉庫と決定される。これで運行可能な車両数35台のうち、2台目も大塚倉庫からの車両となる。
次に第3優先を決めるため、第2優先の大塚倉庫の運行可能台数である15.00を「3」で割りその値5.00を大塚倉庫の第3行目に表示し、その他の運送会社には第2行目の各値をそのまま複写して表示する。この場合、第3行目の中で最大の値は、大塚倉庫と駒込倉庫に表示された5.00である。したがって、上述した左側の列(運送会社)を優先するというルールに従って、より左側に位置する「大塚倉庫」を選択する。したがって、第3優先は大塚倉庫と決定される。これで運行可能な車両数35台のうち、3台目も大塚倉庫からの車両となる。
次に第4優先を決めるため、第3優先の大塚倉庫の運行可能台数である15.00を「4」で割りその値3.75を大塚倉庫の第4行目に表示し、その他の運送会社には第3行目の各値をそのまま複写して表示する。この場合、第4行目の中で最大の値は、これまでと異なり、駒込倉庫の値5.00であるから、第4優先は駒込倉庫と決定される。
このように、各行で最大の値をもつ運送会社をその行で最も優先して決定するようにし、仮に同一行の中で同じ値をもつ複数の運送会社がある場合は、より左側に位置する運送会社を優先させるというルールで衝突(コリジョン)解消を行う。ひとたび第n優先が決定された運送会社の値は、当該運送会社のもともとの運行可能台数(即ち、第1行目の値)を、その運送会社で何回目の優先順位であるかの値に1を加えた値(即ち、n+1)で割った商を次行に表示し、その他の運送会社には前行の値を複写して表示する。先の例でいえば、第4優先と決定された駒込倉庫の5.00は、駒込倉庫としては第1回目の優先であるから、1を加えた2で、運行可能台数5.00を割った2.50を次行に表示することになる。
以下、同様の処理を繰り返すことにより、図5(B)の表に網掛けして示しているように、各行ごとに第n優先として選択すべき運送会社を決定することができる。例えば、第9行(第9優先)中で最大値をもつのは再び駒込倉庫であるが、駒込倉庫としては第4優先につづく第2回目の優先であるから、駒込倉庫の第10行目は、第1行の5.00を2+1=3で割った商である1.67を表示することになる。このようにして作成される図5(B)の表によれば、どの運送会社がどのような順番によって優先が順次決定されたかを容易に判別することができる。なお、車両優先順位演算手段11cは、上述したアルゴリズムをコーディングしたプログラムによって計算処理を自動的に実行するものである。
そのプログラムは下記の4ステップからなる簡単な構成であり、本発明の実施のために固有の演算装置や特殊のプログラミングを要する必要はまったくないことは明らかである。したがって、小規模な製品の配送計画の立案には極めて適している。
ステップ01:第1行目の中で最大値を見出す。同値がある場合は左列を選択する。
ステップ02:選択した列が何回目の選択であるかを記憶する。
ステップ03:第1行目の値をその列で選択された回数+1の値で割り、その商を選択列の次行に表示する。
ステップ04:選択されなかった列の数字は、次行にそのまま複写(移動)する。
その結果、本実施例では、図5(C)に示したように、配送に必要な24台の車両をどの運送会社から選定するかを論理的に決定することができる。なお、図5(B)の説明の冒頭で述べたように、本実施例のスプレッドシートの各列は、各運送会社に対応している。そして、はじめに各運送会社の運行可能台数(運行可能台数を1で割った台数に相当)を第1行目に並べて表示してから次々と処理を実行し、同一行内で同じ値をとった場合は、より左に位置する運送会社を選択するというルールを採用する関係上、左側にアドレスされる運送会社が有利となる。このため、運送会社の並び方が固定された場合、最大値をとったとしても常に同一の会社が足きりされてしまうという不利な運送会社が発生する可能性がある。これを避けるため、各列に設定する運送会社は固定的にしない方が好ましい。本実施例では、図5(A)で使用した運送会社の順序(左から、大塚倉庫→駒込倉庫→田畑物流→上野運輸→…)をそのまま図5(B)にも利用して説明したが、好ましくは、この運送会社の並びを一度ランダム化して並べ替えてから、図5(B)における優先順位を決めるためのドント方式に適用するようにする。
結果として、使用車両台数(J300)が地域別配車台数設定手段1dに出力される。
このような優先順位の決定処理により、配送すべき荷物が極端に少ない時期に(例えば、年末や、事故その他突発的な任意の理由)、各運送会社の最低配車約定車両台数の使用を確保できないことが生じた場合でも、使用車両の優先順位の決定法が明らかであること、更にはその日の最低約定車両台数に達しなかった車両数は、翌日の配送可能台数に組み込まれて考慮された優先順位が設定される特徴がある。したがって、運送会社間での公平性が維持され、不要なトラブルの発生を防止することができる。
次に、地域別配車台数設定手段1dは、この使用車両台数(J300)をどの地域に運行させるのが最も効率的であるかを定量化して決定する。この判断基準のために、次の評価関数を導入する。
評価値=Σサービス評価点×使用車両台数
上記式から得られる評価値が最大になるときが、最大効率の場合と定義する。ここで、サービス評価点とは、各運送会社の配送サービスが他の運送会社の配送サービスと相対比較したときの優劣性を定量的に表現した数値であり、各配送元から各配送先のそれぞれの場合について設定される。例えば、指定日、指定時間どおりに配送されたか、誤配送の有無、応対態度、再配送の融通性、使用する輸送車両の環境面における配慮などを総合的に考慮し、例えば、10点満点の何点で評価されるかを他の運送会社との間で相対的に決定する。製品数が極端に多大である場合を除き、殆どの場合は社内ルール等によって出荷元から配送先に対するサービス評価点を比較的に簡単に相対評価として決定できるのでこの評価関数によって評価値を算出することができる。
なお、業として製品の仲介及び配送を行っている会社等では、取り扱う製品数が極めて多く、出荷元や配送先も多岐にわたることもある。このように、前記サービス評価点を決め難く前記評価関数の適用が不向きな場合は、サービス評価点を用いない他の評価指数に基づいた評価関数を定義してもよい。
図6の左側の3つの表は、評価点データベース12dに格納される各運送会社のサービス評価点の設定例である。本実施例では、上から東京工場、神奈川工場、静岡工場という関東近辺の3工場別にした表で示している。
また、図6の右側に示す3つの表は、前記サービス評価点の表に対応して、配送元から配送先へどの運送会社を何台配車するのが最も効率的であるかを決定するため、行をi、列をjとして表の各欄にxijの変数をあてはめた状態を示している。そして、更に、配車要求情報設定手段1aから出力される配車必要台数(J100)を「所要数」にあてはめ、使用車両台数設定手段1cから出力される使用車両台数(J300)を「使用台数」にあてはめた状態を示している。
上述したように、Σサービス評価点と使用車両台数との積の総和(Σサービス評価点×使用車両台数)が最大になるときが最大効率であるので、図6の左側の表のサービス評価点も添字(サフィックス)i及びjを用いてpijと表現すれば、ΣΣpij×xijが最大化のときのxij値が、各配送元から各配送先に対して用意すべき配車台数となる。これは、いわゆる典型的な線形計画問題の解を得ることに相当するが、線形計画問題として解く際の具体的な条件式を示したのが図7である。条件Aが図6の各行(配送先)を展開した条件式で、条件Bが各列(配送元)を展開した条件式である。つまり、運行地域別使用車両台数決定手段11dが、これらの条件式の下で、ΣΣpij×xijが最大値になるときの各xij値を求めるのである。なお、サービス評価点pijが同じ値の運送会社が存在することから、xijは必ずしも一義的な解としては求められない。このため、例えば、x36と、x42の配車台数を入れ替えても、最大効率としての値は同じ効率が得られる可能性はある。このような場合は、いずれの配車方法を選択してもよい。
運行地域別使用車両台数決定手段11dによって算出される配車台数の解の一例が、図8の右側の表である。これにより、配車要求情報設定手段1aで決定された出荷元から各配送地域への配車必要台数(J100)と、使用車両台数設定手段1cで決定された各運送会社の使用車両台数(J300)との双方を満たし、なおかつ出荷元および運送会社にとって最も効率的な車両の配分が決定されていることを把握することができる。本例の場合、配車必要台数(J100)よりも、運行可能台数(J200)が大きいので、翌日に持ち越すことになる未配車台数(J23)が生じることになるが、その場合でも、配車担当者と運送会社の担当者との思惑を排除した上での結果であることを運送会社に対して論理的に説明することができる。
そして最後に、車両割当手段1eが、運送会社を各地域のどの配送先に割り当てるかを決定する。まず、並び替え手段11eは、配車要求情報設定手段1aにおける記憶手段11aによってデータベースやメモリ等に蓄積されている配車要求情報(J1)を読み出して、出荷元別に優先度の高い配送先ごとに並び替える。つまり、配車必要台数(J100)が実際の運行可能台数(J200)を上回った場合は、車両の絶対数が少ないので何れかの商品が配送されない可能性が出てくることになる。そこで、必ず商品を届ける必要のある優先度の高い配送先には車両が優先的に割当てられるように、即ち、優先度の高い配送先を並び順の上位になるように並び替えておく。このとき、本システムの並び替え処理での偏りや配車担当者(データ入力者)の癖などから、並び替え結果が固定化してしまうことを極力さけるようにしたい。このため、次に、並び替えた配送先をランダム化手段12eによってランダム化する。
ランダム化は単純ランダム関数で発生したランダムな数字を表示させ、数値の大きい順、あるいは小さい順に運送会社を当てはめていけばよいが、なるべく多数の候補の運送会社をランダム化させてから優先度を決定する方が望ましいことは明らかである。したがって、本実施例では、地域別、工場別にランダム化させずに、全体を一まとめにしてからランダム化を行うようにしている。なお、地域別、工場別の運送会社数が所定数以上などの場合は、全体を一まとめにしないランダム処理であっても構わない。
そして最後に、ランダム化した図8に示すように、東京工場の場合、地域別の使用車両台数としては、大塚倉庫からは3台、駒込倉庫からは1台、大崎運輸からは1台、目黒運送からは1台を選択すべきであることが示されているが、図9を参照すると、ランダム値の最も大きな「配送先E」に大塚倉庫、次にランダム値の大きな「配送先F」に駒込倉庫、以下、ランダム値順に「配送先Q」に目黒運送、…というように運送会社を割当てる。
この手順は特別に難しいプログラムは必要としないので、電子情報処理装置およびプログラムの作成に過大な費用を必要とせず、どの会社でも応用可能な実用性の高いものである。
最後に、割当手段13eが、地域別配車台数設定手段1dの運行地域別使用車両台数決定手段11dで決定された車両台数を割当てる。これを示したのが、図9の左側の3つの表である。なお、図9の右部に示した上と下の2つの表は、配車必要台数(J100)および各運送会社の使用車両台数(J300)をともに満足していることを確認するための表である。このようにして、配送元から配送先(直送先)へ製品を配送するための、運送会社、更にはその使用車両台数が最終的に決定されると、この情報が配車依頼情報(J3)として、配車担当者から運送会社に渡されるので、これを受けて運送会社が配車の準備を行うことになる。
なお、本実施例の場合、配車担当者により配車要求情報(J1)が入力される際に、無意識に入力上の個人的傾向ともいうべき入力癖の影響を極力排除するために、ランダム化手段12eを用いているが、これは、配車計画立案支援システムにおける一連の処理の最後に行わなければならないというものではない。例えば、入力手段2を介して配車担当者からの配車要求情報(J1)が入力された後、記憶手段11aによるデータベース等への格納の前、或いは配車台数演算手段11bによる処理の前を含む任意の箇所で行ってよい。
本発明の目的は、本実施例の配車計画立案支援システムの機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読みだして実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
さらに、コンピュータが読みだしたプログラムコードを実行することにより、本実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって本実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の実施例である配車計画支援システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施例である配車計画支援システムの動作を説明するためのデータ処理の流れを示す図である。 ある日の配車要求情報(J1)を入力した後の入力確認画面例を示す図である。 配車要求情報(J1)を並び替え一覧表にして示した図である。 運行可能台数と使用車両台数を決定するために計算処理過程をワークシートで表示した図である。 サービス評価点の具体的例、及び配送ルートの変数をワークシート上に示した図である。 使用車両台数を算出するための線形計画問題における条件式を表現した図である。 配送地域別に使用車両台数が決定された値の一例をワークシート上に記した図である。 最終的な運送会社の割当ての一例をワークシート上に記した図である。
符号の説明
1 配車計画支援システム
1a 配車要求情報設定手段
1b 当日配車台数設定手段
1c 使用車両台数設定手段
1d 地域別配車台数設定手段
1e 車両割当手段
2 入出力手段
J11 製品納品情報
J12 製品在庫情報
J21 運行不能台数情報
J3 配車依頼情報
J100 配車必要台数
J200 運行可能台数
J300 使用車両台数
J400 配送地域別使用車両台数
Y1,Y2 配送

Claims (4)

  1. 指定された物品を配送元から配送先へ運搬するための輸送車の分配の仕方を演算処理装置又はシステムを用いて決定する配送計画立案支援方法であって、
    前記演算処理装置又はシステムで実行する処理は、
    物品を配送先に運搬するために少なくとも配送元及び配送先の情報を含んだ配車要求情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された配車要求情報を読み出して該情報を基に、配車必要台数を算出する配車台数演算処理と、
    前記物品を実際に運搬する輸送車に関する情報を基に、指定日の運行可能台数を算出する運行可能台数決定処理と、
    前記配車台数演算処理で算出された配車必要台数分の輸送車を複数の運送会社に割当てる際の優先順位を、前記運行可能台数決定処理により算出された運行可能台数を基にしたドント方式により演算し設定する車両優先順位演算処理と、
    前記車両優先順位演算処理により設定された優先順位に従って、前記運送会社ごとに運行させる輸送車数を決定する使用車両台数決定処理と、
    前記配車台数演算処理で算出された配車必要台数、使用車両台数決定処理で決定された運送会社ごとの輸送車の車両数、及び前記配送元から前記配送先の配送ルート毎に他の運送会社の配送実施と比較したときの優劣性を相対的且つ定量的に表したサービス評価点を基に、前記配送先を所定の地域別で分類したときに使用する輸送車数を前記運送会社ごとに決定する運行地域別使用車両台数決定処理と、
    前記配車要求情報に含まれる配送先をランダムに並べ替えるとともに当該並べ替えられた順序に対応するように、前記運行地域別配車台数決定処理で決定された運送会社を割当てる割当処理とを含むことを特徴とする配送計画立案支援方法。
  2. 配車要求情報は、更に前記物品に関する在庫情報を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の配送計画立案支援方法。
  3. 前記運行可能台数決定処理は、一日あたり前記輸送車を最低限運行させる数を前記運送会社のそれぞれとの間で予め設定した最少運行約定車両台数(Y)、指定日に運行できない輸送車数(J21)、指定日に特別運行させる輸送車数(J22)、及び指定日の前日に運行できなかった輸送車数(J23)とを基に、指定日の運行可能台数(J200)を次の式、
    J200=Y−J21-J22+J23、
    で算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の配送計画立案支援方法。
  4. 前記運行地域別使用車両台数決定処理は、前記配送先に関する情報を第1の条件式、前記配送元に関する情報を第2の条件式とした場合に、前記サービス評価点と前記配送ルートごとの輸送車の車両数との積の総和が最大になることが目的関数であると定義した線形計画問題を解くことにより、依頼すべき運送会社と各運送会社の使用すべき輸送車の車両数を決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の配送計画立案支援方法。
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