JP4807099B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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本発明は還元材比を低減させる高炉操業方法に関する。
高価なコークス使用量の削減のため、また、製銑工程からのCO2発生を抑制して、地球環境保全に資する観点からも、高炉の還元材比低減が重要な課題となっている。
高炉の還元材比を低減させるには、還元効率(シャフト効率)の向上と、熱損失の低減が最も基本的な操作因子である。この2つの操作因子は、高炉の装入物分布制御を高精度に行うことにより、ある程度制御することができる。装入物分布制御により原料近傍の高炉内のガス流れを制御し、還元ガスの利用率(ガス利用率ηCO=CO2/(CO+CO2))を向上させることで還元効率を向上させるとともに、炉壁近傍のガス流れを適正化することにより、炉壁からの熱損失を低減させるものである。但し、還元効率(シャフト効率)や熱損失の制御が可能な範囲は、高炉で使用する装入物の性状(焼結鉱強度、還元性RI、還元粉化性RDI、コークス強度、反応性等)に大きく依存する。すなわち、高強度原燃料の使用下では通気性の制約条件が緩和されるため、還元材比(コークス比)の低減を図りやすく、結果的に還元効率(シャフト効率)向上、熱損失低減に結び付き易い。
上記に加え、還元材比を低下させる方策として、還元平衡を積極的に制御する2つの方法が知られている。
第一の方法は、還元平衡温度を低温化させる方法である。還元温度の低下によってFeO−Fe平衡におけるガス組成を高ガス利用率側に移行させ、還元ガス(COガス)の利用効率(ηCO)を上昇させることで、結果的に使用する還元材量を低下させるものである。還元平衡温度を低下させる手段として、いわゆる高反応性コークスの使用が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。高反応性コークスの使用によって還元ガス利用効率ηCOの上昇、および還元材比の低減を図る技術も開示されている(例えば、非特許文献2、非特許文献3参照。)。非特許文献2では、反応性を促進する触媒成分(Ca)を含むコークスを配合すると、ドラム試験150回転指数DI(15、150)およびコークスの反応性を表すJIS反応性指数RIともに、ベース条件に比較して高いコークスの製造が可能なことを開示している。この結果、非特許文献3では還元材比15〜20kg/tの低減が可能であったとされている。
第二の方法は、金属鉄を高炉に装入する方法であり、還元負荷が低減できるので、熱源としての還元材比を低下できる。金属鉄としては、スクラップや直接還元鉄(DRI、HBI等)などが使用される。これら鉄源は炉頂から塊状で装入されるか、羽口から粉状物が吹き込まれる(例えば、非特許文献4参照。)。また、金属鉄ほどには金属化率の高くない、還元鉱石を装入する方法も知られている。高炉の炉頂および/または羽口から還元鉱石を装入する際には、金属化率が40〜80%の還元鉱石を用いることが適当であるとされている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−253801号公報 内藤誠章他著 「鉄と鋼」2001年、87号、p.357―364 野村誠治他著 「CAMP−ISIJ」2003年、16号、p.1039 鮎川祐之他著 「CAMP−ISIJ」2003年、16号、p.1040 K.Kunimoto他著 「JJournal of Japan Institute of Energy」2005年、84号、p.126―133
前述した金属鉄の高炉羽口からの吹き込みは、多くの報告があり、広く知られている方法であるが、金属鉄の性状(例えば、還元率、金属化率、スラグ比、粒径など)に応じた適切な吹き込み条件を決定した例は見当たらない。また、金属鉄とは通常、金属化率が約90%以上のものを指すため、入手も困難であり、かつ高価であるため、金属鉄の高炉での使用量は拡大していない。
従って、金属鉄よりも金属化率の低い鉄鉱石である還元鉱石(以下、部分還元鉱と記載する。)を高炉原料として適切に使用する技術を確立することで、還元負荷を低減し、熱源としての還元材比を低下することが、現実的で重要な技術課題であると考えられる。しかしながら、部分還元鉱はFeOを多量に含むため、単に羽口から吹き込んだ場合、FeOは還元されないままレースウェイ内に留まり、レースウェイ奥のコークス層にトラップされる。同時にスラグ成分もレースウェイ奥に供給されるので、レースウェイから炉芯表層部にかけての通気性が著しく悪化する原因となる。このような炉内の通気性に関する問題は、特許文献1に記載の技術では対応できない。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、高炉において部分還元鉱の羽口吹き込みを行なう際に、高炉の通気性の悪化を防止しながら、高炉の還元材比を低減させることができる、高炉の操業方法を提供することにある。
還元材比低減によるCO2削減やコスト合理化を達成するためには、高炉において微粉炭、重油、天然ガス等の補助燃料の吹き込みは必須条件であると考えられる。従って、本発明者等は、高炉において部分還元鉱の羽口吹き込みを行なう際にも、補助燃料の使用を前提として、レースウェイ内における部分還元鉱の還元を完全に進行させる方法について検討を重ねた。そして、補助燃料の着火により形成される高温燃焼場中に部分還元鉱を導入して、部分還元鉱を急速に昇温、還元することが効果的であることを見出し、吹込み用の部分還元鉱の還元率を所定の範囲としたうえで、部分還元鉱と補助燃料とを同一の羽口から吹き込み、その際に部分還元鉱を補助燃料より下流側から吹き込むか、部分還元鉱を吹き込むランスを2重管構造とし、内管から部分還元鉱石を、外管から微粉炭、重油、天然ガス等の補助燃料を吹き込むことにより、レースウェイ内における部分還元鉱の還元を完全に進行させつつ、レースウェイ奥の通気悪化も回避できることを見出して、本発明を完成させるに至った。本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
(1)高炉の羽口部から液体または気体である補助燃料と部分的に還元された鉄鉱石とを、前記羽口に接続したブローパイプに挿入されたランスを介して吹き込む高炉操業であって、前記鉄鉱石の還元率が40%以上、80%以下であり、前記ランスが内管と外管からなる2重管構造を有し、前記内管から前記鉄鉱石を、前記外管から前記補助燃料を吹き込むことを特徴とする高炉操業方法
本発明によれば、部分還元鉱の吹込みにより、高炉の通気性を悪化させることなく、還元材比を低減できる。これに伴い、製鉄所に投入される炭素量を大幅に減らすことが可能となり、その結果、CO2の発生量減少により地球環境保全に資することができる。
まず、微粉炭、重油、天然ガス等の補助燃料を高炉の羽口部から吹き込むと同時に、部分的に還元された鉄鉱石を吹き込む高炉操業において、吹込み用の部分還元鉱の還元率を40%以上、80%以下とし、部分還元鉱を補助燃料より下流側から吹き込むか、部分還元鉱を吹き込むランスを2重管構造とし、内管から部分還元鉱石を、外管から微粉炭、重油、天然ガス等の補助燃料を吹き込むことにより、レースウェイ内における部分還元鉱の還元を完全に進行させつつ、レースウェイ奥の通気悪化も回避できるという、本発明で得られた知見の元となった基礎実験の結果について述べる。
なお、本発明において、補助燃料とは高炉の上部から装入されるコークス以外の燃料であり、通常羽口から吹き込んで使用する、微粉炭、重油、天然ガス等の固体、液体、気体の燃料である。また、部分還元鉱とは、鉄鉱石の一部が還元されて還元率が40〜80%、金属化率がおよそ30〜75%ほどの状態とされた鉱石である。
レースウェイ内の還元性や通気性に及ぼす部分還元鉱の還元率、あるいは吹き込み方法の影響を明確にするため、図1に示す小型熱間模型を用い、吹き込み実験を行った。小型熱間模型1は、炉部分が奥行き1000mm、幅400mm、高さ1400mmであり、上部のコークス装入孔2からコークスを炉内に装入し、排ガス流出孔3から排ガスを流出させるものである。補助燃料および部分還元鉱は、羽口4に接続したブローパイプ5から吹き込む熱風中に、ブローパイプ5に挿入したランス6を介して炉に吹き込んだ。7はレースウェイ、8は実験終了後に試料をサンプリングした位置である。
部分還元鉱の還元率は未還元(ヘマタイトFe23基準の還元率2.8%)のものから約90%まで還元されたNo.1〜5の5種類の鉄鉱石を準備した。各部分還元鉱の金属鉄(M.Fe)、酸化鉄(FeOX)、全鉄量(T.Fe)、還元率を表1に示す。
Figure 0004807099
各部分還元鉱の粒度は、粒径2mm以下が80mass%(-2mm、80%)になるように調整した。熱間模型における送風温度は高炉と同様の1200℃とし、補助燃料および部分還元鉱吹き込み用のランスを下記Case1〜Case3のようにセットした。Case1は部分還元鉱を補助燃料より上流側から吹き込むケースであり、図2(a)において、ブローパイプ5に、ランス6aから部分還元鉱を、ランス6bから補助燃料を吹き込むものである。図2において、白矢印は熱風の吹き込み方向を示している。Case2は部分還元鉱を補助燃料より下流側から吹き込むケースであり、図2(a)において、ブローパイプ5に、ランス6aから補助燃料を、ランス6bから部分還元鉱を吹き込むものである。Case3は2重管ランスを用い、内管から部分還元鉱を外管から補助燃料を同時に吹き込むケースである。図2(b)において、ブローパイプ5に、内管6cから部分還元鉱を、外管6dから補助燃料を吹き込むものである。Case1、2のランス6先端内径は12mmφ、Case3の内管6cの内径は12mmφ、内径と外管のスリット幅は1mmである。それぞれのランス配置を用い、補助燃料としては微粉炭(-74μm、80%)、重油、またはLNGを模擬したCH4を用いた。部分還元鉱の吹き込み量は50kg/t相当で一定とし、補助燃料吹き込み比は全ての場合で100kg/t相当で一定とした。実験中は送風圧をモニターした。
[実験1]実験1として、試料No.3(還元率約55%)の部分還元鉱を用い、補助燃料としては微粉炭を用い、ランス配置が吹き込み中の送風圧変化に及ぼす影響を調査した。図3に送風圧の時間変化の測定結果を示す。矢印で示す20分の時点に吹き込みを開始した。図3によれば、送風圧はCase1〜3の、どの場合も徐々に上昇するが、吹き込み開始後約60分後には飽和に達した。飽和後、例えば吹き込み開始後80分後の送風圧はCase1よりもCase2、3の方が明らかに低くなっていることが分かる。この要因を調査するため、実験終了後に炉体を解体し、目視観察を行うと共に、レースウェイ奥のサンプリング位置から吹込み物由来のスラグを採取し、化学分析を行った。ランス配置がCase1の場合はCase2、3の場合に比べ、レースウェイ奥に多量のスラグがホールドアップされている様子が観察された。また各Caseのスラグの化学分析結果を表2に示す。
Figure 0004807099
表2によれば、Case1ではスラグ中のFeO濃度(FeOX)が最も高くなっていることから、部分還元鉱は十分に還元されないまま、FeO、SiO2、Al23などのスラグ成分が大量にレースウェイ奥に蓄積し、結果、レースウェイ奥の通気性が悪化し、送風圧の上昇を引き起こしたものと推定される。Case2、3で部分還元鉱の還元率が上昇した理由としては、次のように推定される。すなわち、Case2では部分還元鉱の吹き込み位置が補助燃料吹き込み位置の下流側にあるため、補助燃料が先に着火して高温の還元ガス(CO、H2)に富んだ雰囲気を形成し、この高温燃焼場中に部分還元鉱が導入されるため、急速に昇温、還元されるものと考えられる。Case3でも同様に周囲の補助燃料の燃焼場に包まれつつ部分還元鉱の昇温・還元が進行するため、十分な還元が進行するものと思われる。これに対し、Case1の場合には部分還元鉱は先に熱風中に導入されるため、再酸化を受け、還元率が低下すること、補助燃料の燃焼火炎との接触が不十分なことが還元性低下の要因と考えられる。レースウェイ奥へのFeOの供給量が多くなるとスラグ成分と同化してレースウェイ奥の低温部に蓄積し易くなることが送風圧上昇の原因と推察される。
[実験2]次に実験2として、実験1で効果の大きかったCase2のランス配置を用い、同様に部分還元鉱の初期還元率が送風圧や還元率に及ぼす影響を調査した。部分還元鉱の試料としては、表1に示した5種類の他、還元率の影響を細かく調査するため、試料No.1と2、試料No.2と3、試料No.3と4、試料No.4と5を混合して、還元率を調整した混合試料も用いた。補助燃料としては微粉炭を用い、吹き込み比は実験1と同一とした。
図4に、送風圧の変化がほとんどなくなる吹き込み開始から80分後の送風圧と部分還元鉱の初期還元率の関係を示す。図4によれば、初期還元率が約40%を超えると急激に送風圧が低下し、80%程度で飽和に達することが分かる。図5にはレースウェイ奥でサンプリングした鉱石の化学分析より得られた還元率の測定結果を示す。図4と同様、初期還元率が約40%を超えると急激に還元率が上昇し、60%以上ではほぼ95%以上の還元率に達している。図4、5より、通気性改善効果、還元率の上昇効果は部分還元鉱の初期還元率が40%以上で同時に発現し、80%以上ではこれら改善効果は両者ともに飽和する傾向にあることが分かる。還元率が高い部分還元鉱ほど高価であることを考慮すると、安価な溶銑を製造する観点から還元率は必要最小限であることが望ましい。よって、上述の知見から初期還元率は40%以上、80%以下であれば十分である。
[実験3]さらに実験3として、補助燃料種の影響を明らかにするため、実験2の微粉炭に代え、重油およびメタンガスの吹き込み実験を行った。絶対値はやや異なるものの、送風圧変化および還元率の変化ともに、微粉炭の場合と同様の変化を示した。従って、補助燃料としては微粉炭、廃プラスチックなどの固体燃料の他、重油やナフサ、DME(ジメチルエーテル)などの液体燃料、天然ガスやLPGなどの気体燃料等、吹き込み可能なほとんどの燃料を使用することができる。
[実験4]実験4として、実験1で効果の大きかったCase3の2重管ランスを用い、試料No.3(還元率55%)の部分還元鉱、および実験3と同様の補助燃料(微粉炭または重油またはメタン)を用い、耐久性試験を実施した。実験はブローパイプ部の空間燃焼のみとし、20時間の連続燃焼実験を実施した。試験後、ランスを取り外し、外観チェックを行った。この結果、補助燃料として重油またはメタンを使用した場合は全く変化が認められなかったが、微粉炭を用いた場合には、ランス外管の先端付近が摩耗し、薄肉化している状況が観察された。これを抑制するには高価な耐摩耗材料を採用するなど、経済的でない。よって、Case3の2重管ランスでは配管摩耗に対して問題のなかった重油などの液体燃料、メタンなどの気体燃料を使用するのが望ましい。
以上、実験1から4を総括すると、微粉炭、重油、天然ガス等の補助燃料を高炉の羽口部から吹き込むと同時に、部分還元鉱を吹き込む高炉操業において、吹込み用の部分還元鉱の還元率を40%以上、80%以下とし、部分還元鉱を補助燃料より下流側から吹き込むか、部分還元鉱を吹き込むランスを2重管構造とし、内管から部分還元鉱石を、外管から重油などの液体燃料、天然ガスなどの気体燃料を吹き込むことにより、レースウェイ内における部分還元鉱の還元を十分に進行させつつ、レースウェイ奥の通気悪化も回避した安定な操業が可能なことが分かる。
図6に、微粉炭吹き込み量を110kg/t一定とし、還元率の異なる部分還元鉱を吹き込んだ場合、高炉の還元材比の変化を計算した例を示す。部分還元鉱の吹き込み比が0の場合をベース条件(Base)として示す。図6によれば、40%以上の還元率の部分還元鉱の使用により、ベース条件に比べて還元材比は低減でき、その効果は吹き込み量が多いほど大きいことが分かる。例えば、還元率60%の部分還元鉱を100kg/tで吹き込んだ場合、約8kg/tの還元材比低減が図れることが分かる。これに伴い、製鉄所に投入される炭素量を大幅に減らすことが可能となる。
上記の高炉吹き込みの目的を満足する部分還元鉱の製造法は特に限定するものではない。係る部分還元鉱の製造法としては種々の方法が知られており、鉄鉱石ペレットをシャフト炉または回転炉床炉にて還元する方法、鉄鉱石微粉を流動層で還元する方法、炭材を内外装したペレットを焼結機で焼成しながら部分的に還元を行わせる方法などが挙げられる。焼結機を用いる方法は必ずしも高い還元率を目指す方法ではないため、結果的に還元率も40〜80%程度であり、先に挙げたシャフト炉法等による方法に比べて部分還元鉱を安価に製造できる利点を有する。よって、還元率および価格の観点から適正な部分還元鉱を選択すればよい。
上記のようにして製造された部分還元鉱を、粉砕、篩い分け等により、望ましくは粒径2mm以下に調整する。2mm以上の粉体は気送が困難になるばかりか、配管摩耗を促進させるので、粒径2mm以下が80mass%以上(-2mm、80%)程度に粒度調整することが特に望ましい。
部分還元鉱は専用のタンクに受け入れ、気流輸送など公知の方法によって高炉の羽口部から吹き込む。吹き込み量は高炉レースウェイ部の温度を著しく低下させない限り特に限定されるものではない。通常の高炉操業の範囲で吹き込み量に応じて酸素富化率、水蒸気添加量などを調整し、高炉レースウェイ部の温度(断熱理論燃焼温度などで代表)を適正に設定することができる。
部分還元鉱ランスとして単管ランスを使用する場合、係るランスの先端位置は、炉に吹き込まれる熱風の流れに対して、微粉炭やLNGなど補助燃料吹き込み用ランスの下流側にあればよく、燃料の燃焼によって最高温度が得られる範囲、すなわち補助燃料の種類に応じ、補助燃料ランスから50〜100mm程度下流にセットするのが好ましい。
部分還元鉱としては、流動層で部分還元した微粉鉱石を用い、実高炉における吹き込み試験を行った。部分還元鉱の還元率は化学分析の結果、68%であった。これを篩い分けにより-2mm、80%程度の粒度に調整した。高炉は内容積2828m3のベルレス式装入装置を有する高炉であり、標準的な操業条件は微粉炭吹き込み比120kg/t、コークス比370kg/tである。部分還元鉱を吹き込むに当たり、前述の知見から、微粉炭ランスの下流側100mmの位置に部分還元鉱吹込み用単管ランスを1本セットした。吹き込み量は100kg/tとした。この結果、コークス比は360kg/tとなり、10kg/tの低減が図られた。この値は図6に示した理論値とほぼ一致する。よって、上述の部分還元鉱の吹込みにより、高価なコークスの使用量削減が可能となり、溶銑コストの低減、ならびに乾留熱量低減によるCO2発生量の低減に結び付くことが実証された。
実施例1における部分還元鉱吹込みを停止し、一時的に、標準操業条件に戻した。この結果、微粉炭吹き込み比120kg/tの条件下、コークス比はベース条件の370kg/tまで上昇した。次に、部分還元鉱吹込み用単管ランスを取り外し、2重管ランスに交換した。設置位置は実施例1と同様、微粉炭ランスの下流側100mmとした。次いで、2重管ランスの内管と外管の間のスリットから天然ガスを吹き込み、レースウェイ内の理論燃焼温度があまり変化しないように酸素富化率を上昇させながら徐々に吹き込み量を増し、最終的には50kg/tまで増加させた。本操作に伴い、コークス比も徐々に低下し、310kg/tまで低下した。この条件下で実施例1と同じ部分還元鉱を2重管ランスの内管から50kg/tで吹き込んだ。この結果、コークス比はさらに304kg/tまで低下できたことから、50kg/tの部分還元鉱の吹き込みによって、約6kg/tのコークス比削減が図れることが検証された。
部分還元鉱吹き込みに伴う高炉炉下部の通気抵抗指数(K値:K=(Pblast 2−P2)/V1.7。但し、Pblast:送風圧(kg/cm2)、P:羽口軸上6.7m位置における炉壁部静圧(kg/cm2)、V:ボッシュガス量(Nm3/t))は吹き込み前の値とほとんど変化することもなく、安定な操業が実現できた。これより、吹き込まれた部分還元鉱はその未燃物がレースウェイ内部にホールドアップして通気性を阻害することなく、十分に還元が進行しているものと推察される。
小型熱間模型の概略図。 ランスの配置を示す図。 ランスの配置と送風圧の時間変化を示すグラフ。 送風圧と部分還元鉱の還元率の関係を示すグラフ。 レースウェイ奥の鉱石の還元率と部分還元鉱の還元率の関係を示すグラフ。 部分還元鉱の吹き込み比を変化させた際の、高炉の還元材比と部分還元鉱の還元率の変化を示すグラフ。
符号の説明
1 小型熱間模型
2 コークス装入孔
3 排ガス流出孔
4 羽口
5 ブローパイプ
6 ランス
6a ランス
6b ランス
6c 内管
6d 外管
7 レースウェイ
8 サンプリング位置

Claims (1)

  1. 高炉の羽口部から液体または気体である補助燃料と部分的に還元された鉄鉱石とを、前記羽口に接続したブローパイプに挿入されたランスを介して吹き込む高炉操業であって、前記鉄鉱石の還元率が40%以上、80%以下であり、前記ランスが内管と外管からなる2重管構造を有し、前記内管から前記鉄鉱石を、前記外管から前記補助燃料を吹き込むことを特徴とする高炉操業方法。
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