JP4805980B2 - 発光装置及び蛍光体 - Google Patents

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Description

この発明は、発光装置に関し、特に、1次光源から出た1次光を蛍光体に照射し、1次光より長波長の光を提供する発光装置に関するものである。また、この発明は、蛍光物質を含む蛍光体に関する。
GaN系半導体は直接遷移半導体であり、その禁制帯幅は0.9eVもしくは1.8eVから6.2eVに亘っており、可視領域から紫外線領域におよぶ発光が可能な発光素子の実現が可能であることから、近年注目を集めており、その開発が活発に進められている。ここで禁制帯幅の下限を0.9eVもしくは1.8eVと記述したのは、InNの禁制帯幅がまだ明確に求まっておらず0.9eVと1.8eVの2種類説があるからである。
このようなGaN系発光素子を励起光源として用いて、赤色、緑色、青色の蛍光体に照射し、出た蛍光を合成することで白色を作り出すことが盛んに行われている。
また、GaN系発光素子を用いた装置として、全色画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この全色画像表示装置においては、基板上に配置されたGaN系発光ダイオードアレイによってそれぞれ赤、緑および青の3原色を発する蛍光体を励起するか、あるいは、GaN系発光ダイオードアレイによってそれぞれ赤および緑の蛍光体を励起し、青にはGaN系発光ダイオードの発光を用いる。
一方、次世代の発光装置としては、高輝度かつ低消費電力であることが望まれている。輝度および消費電力は励起光源の出力と量子効率、蛍光体の量子効率とで決まるため、蛍光体としてはより量子効率の高いものが望まれる。
特開平8−63119号公報 米国特許第5455489号 特開平11−340516号公報 J.Chem.Phys.,Vol.80,No.9,p.1984 Phys.Rev.Lett.,Vol.72,No.3,p.416,1994 MRSbulletin Vol.23,No.2,p.18,1998
ところが、これまでの蛍光体では量子効率が10%以下であり、高輝度化のためには励起光源の光出力を高くする必要があった。このため消費電力が大きくなりかつ励起光源の寿命も短くなる問題が生じ、これまではGaN系発光素子を励起光として用いた、高輝度、低消費電力かつ長寿命の発光装置の実現は困難であった。
最近、結晶サイズを励起子ボーア半径程度まで小さくすると(以降このような結晶を「ナノクリスタル」と呼ぶ)、量子サイズ効果による励起子の閉じ込めやバンドギャップの増大が生じることが観測されている(例えば、非特許文献1参照)。このようなサイズの半導体には、フォトルミネッセンスにおける量子効率が大きくなるものもあることが報告されている(例えば、非特許文献2、3及び特許文献2参照)。
この効果を、発光波長が量子サイズ効果で変化しないため比較しやすいMnドープZnS(ZnS:Mn)を例にとって説明する。表1に、メタクリル酸で表面処理したZnS:Mnナノクリスタルと、1μm以上の粒径のバルクZnS:Mn粒子とを、同じ紫外線ランプによって励起したときの発光の輝度を比較して示す。表1より、ZnS:Mnナノクリスタルでは、バルクZnS:Mn粒子の5倍近く高い輝度が得られていることがわかる。
<表1>
ナノクリスタル バルク
輝度 69cd/m2 14.2cd/m2
このような高い量子効率と量子サイズ効果とが物理的にどのように関係しているかは未だ明確に説明されていないが、電子−正孔対形成による振動子強度の増大、エネルギー準位の量子化による発光に寄与しない状態密度の減少、結晶格子の歪みによる発光中心付近の結晶場の変化の影響、結晶表面処理などが関係していると考えられる。これらのうちどの要素が発光効率に有効に寄与しているかは明らかではないが、以下に説明する励起子ボーア半径以下の大きさの結晶で、発光効率の増大が報告されている。
ここで、励起子ボーア半径とは励起子の存在確率の広がりを示すもので、4πε02 /me2 (ただし、ε0 は材料の低周波誘電率、hはプランク定数、mは電子および正孔の有効質量から得られる換算質量、eは電子の電荷)で表される。例えば、ZnSの励起子ボーア半径は2nm、GaNの励起子ボーア半径は3nm程度である。
最も典型的な量子サイズ効果の例としては、バンドギャップの増大が挙げられる。図1に、L.E.Brusらの理論を基に計算したZnSのバンドギャップの結晶サイズ依存性を示す。本来のZnSのバンドギャップは約3.5eVであるから、直径約8nmより小さい範囲で量子サイズ効果が大きくなると予測することができる。この直径の値は励起子ボーア半径の2倍の半径を有する結晶に相当する。
したがって、励起子ボーア半径の2倍以下の大きさの結晶からなる蛍光物質を用いることで、量子サイズ効果の発光への寄与を利用することができる。すなわち、ナノクリスタルの大きさを変化させることで異なる蛍光波長を得ることが可能になる。ZnS以外にナノクリスタルで高い量子効率有する材料としては、CdSe等のII―VI族の材料が盛んに研究されている。
また、図2に示すように、ZnSでキャッピングしたCdSeナノクリスタルでは、量子井戸構造をとることで電子−正孔対がナノクリスタル内に強く閉じ込められ、再結合する。この材料では、キャッピングのないCdSeナノクリスタルに比べ一桁以上高い発光効率が得られ、50%程度の量子効率が得られる。
上記II―VI族ナノクリスタル材料を用いた表示装置及び照明装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながらII−VI族には下記の問題が存在する。表1に示した結果は、ナノクリスタルをメタクリル酸で表面処理した結果であるが、表面処理をしていない結晶では、表面に存在するイオンのダングリングボンドに励起された電子が捕獲されて、非発光再結合するため、発光強度が著しく減少する。例えば、表2に示すように、メタクリル酸によって表面処理されないZnS:Mnナノクリスタルでは、結晶表面のダングリングボンドが有効にターミネイトされず、表面処理されていない試料に比べて著しく発光強度が減少している。このようにII−VI族ナノクリスタルは表面の安定化のために特別な処理が必要であった。
<表2>
表面処理 メタクリル酸 無
輝度 69cd/m2 9.4cd/m2
また、II−VI族では材料の構成元素としてCd、Se等の有害物質を含んでおり、II−VI材料を発光装置、画像表示装置に用いることは環境面でも重大な問題がある。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、安定で、環境に関して有利な材料を用い、高輝度、低消費電力かつ長寿命の白色光を出射可能な発光装置を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明者は、材料として安定で、環境に負荷の小さいIII族−V族窒化物化合物半導体のナノクリスタルを用いることを検討した。
蛍光物質としてInNナノクリスタルを用いた場合について説明する。本来室温ではInNは0.9もしくは1.8eVのバンドギャップを有するが、結晶サイズを一辺14nm程度まで小さくすると、量子サイズ効果によりバンドギャップが増大してくる。InNの誘電率が不明のため、InNのボーア半径は不明であるが、GaNの場合は3nmでありInNも大きな差はないと考えられ、ボーア半径の約2倍の粒子サイズから量子効果が現れると考えられる。
この蛍光物質の表面は安定で、特別な表面処理なしで高い量子効率を得ることができる。また構成元素のほとんどがIII族と窒素であり、有害な元素は存在せず環境に関しても有利である。
また、InNナノクリスタルの蛍光の半値幅は20nm程度と通常のバルクの蛍光体、例えばZnS:Agの60nmに比べ非常に狭いので、色品質の良い発光装置、画像表示装置を得ることができる。
また、InNの結晶サイズを小さくすることで、赤色以外に緑色および青色の蛍光物質もInNのナノクリスタルで実現が可能であり、1つの材料で赤〜青までの蛍光を得ることができる。
そして、上述のようなナノクリスタルからなる蛍光物質を励起光に近い方から赤色蛍光物質、緑色蛍光物質および青色蛍光物質と積層することにより白色蛍光を得ることも可能であり、この白色蛍光体をGaN系発光素子光で励起することにより、白色の照明装置を得ることができる。
以上のように、量子サイズ効果を示すようなIII族窒化物化合物半導体の微結晶、すなわちナノクリスタルからなる蛍光体には、非常に大きな量子効率を示すものがあるので、このような蛍光体を380nm以上500nm以下の発光素子で励起することにより、効率の良い表示装置や照明装置を実現することができる。
励起波長を380nm以上500nm以下とするのは、III族窒化物化合物半導体において、380nm以下の高効率のレーザや発光ダイオード(LED)を作製することが困難なためであり、500nm以下とするのは500nm以上の励起光では青色の蛍光を得ることができないためである。
本発明は、以上のような検討結果に基づいてなされたもので、1次光を発する光源と、光源からの1次光の少なくとも一部を吸収して、1次光のピーク波長よりも長いピーク波長を有する2次光を発する蛍光物質を含む蛍光体と、を備える発光装置において、前記蛍光物質はIII−V族化合物半導体の微粒子結晶であり、前記蛍光体は3つの層を有し、当該層は前記1次光の入射する側から出射する側に向かって前記蛍光物質のサイズが小さくなるように積層されることを特徴とする。
前記蛍光物質であるIII−V族化合物半導体の微粒子結晶(ナノクリスタル)は、図2に示すように、エネルギーギャップの小さい部位をエネルギーバンドギャップの大きい部位で取り囲む多層構造とするのが好ましい。
1次光の光源は、典型的には、少なくとも1つ以上の窒化物系III−V族化合物半導体発光素子で、一次元または二次元のアレイ状に配置されてもよい。
これらの発光素子は、典型的には、窒化物系III−V族半導体基板、サファイア基板、SiC基板、ZnO基板などの基板上に、窒化物系III−V族化合物半導体を成長させることにより形成される。
前記蛍光物質であるIII−V族化合物半導体は、Ga、Al、InおよびBからなる群より選ばれた少なくとも一種類のIII族元素と、少なくともNを含み、場合によってさらにAsまたはPを含むV族元素とからなり、中でもIII族内でのInの比率が50%以上であり、かつV族内での窒素の比率が95%以上であることが好ましい。
また、1次光源の窒化物系III−V族化合物半導体は、Ga、Al、InおよびBからなる群より選ばれた少なくとも一種類のIII族元素と、少なくともNを含み、場合によってさらにAsまたはPを含むV族元素とからなる。この窒化物系III−V族化合物半導体の具体例を挙げると、GaN、AlGaN、AlN、GaInN、AlGaInN、InN、GaNP、InNAs、InNP、InGaNPなどである。
上述のように構成された本発明の発光装置によれば、蛍光物質が励起子ボーア半径の2倍以下の粒径を有する結晶(微粒子結晶)からなるので、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光素子から発せられる光によってこの蛍光物質を励起することにより、この蛍光物質を含む蛍光体の量子効率を高くすることができる。
本発明の発光装置のいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。各実施形態においては、1次光源として、III−V族窒化物系半導体レーザ(以下、単に「レーザ」とも言う)、または発光ダイオード(LED)を用いている。一実施形態の発光装置は、図3に示すように、レーザ30を1次光源として、このレーザ30と蛍光体31とが組み合わされた構成を有するものである。III−V族化合物半導体微粒子結晶を樹脂中に分散させて蛍光体を構成することも可能であり、その場合は、レーザ30と蛍光体31との間に、波長395nm未満の光を吸収又は反射する波長フィルター32を挿入する。
また、蛍光体31の前(出射側)に、励起レーザ光(レーザ30からの1次光)のみを吸収又は反射する波長フィルター33が設置されている。レーザ30は、波長380nm以上500nm以下のレーザ光を発するものであり、蛍光体を微粒子結晶と樹脂から構成する場合、レーザの波長は395nm以上500nm以下が望ましい。蛍光体31はレーザ30からのレーザ光によって励起されて、可視域の蛍光を発する蛍光物質を含むものである。
図3(a)、(b)に示すように、レーザ30と蛍光体31との組み合わせは、互いを密着させたものでも、分離したものでもよい。蛍光体31は、レーザ30からのレーザ光を受光し得るように、レーザ30に対向して配置される。図3(a)に示すように、III−V族化合物半導体微粒子結晶を分散させているガラス又はアクリルなどの樹脂(蛍光体)にレーザ光を照射する配置でもよいし、III−V族化合物半導体微粒子結晶を塗布又はコーティングした面(蛍光体の一部)にレーザ光を照射する配置でもよいし、さらには、レーザ光と光学的結合性(カップリング)の良好な球状体又は光ファイバ状に加工した蛍光体を配置してもよい。また、図4に示すように、1次光源40と蛍光体41との間にレンズ44等の光学系を有する構成でもよい。
また、図5に示すように、III−V族化合物半導体微粒子結晶を分散させた光ファイバ51のコアに1次光源を結合させてもよい。また、図6に示すように、凹面鏡65を用いて蛍光体61からの蛍光を集光してもよい。さらに、図7に示すように、1次光源70にレーザを用い、これに導光板72と散乱板73を結合させて導光板72から垂直に1次光を取り出し、取り出した先に蛍光体71を配置して、蛍光である2次光を面状に得る発光装置としてもよい。
レーザは、波長380nm以上500nm以下のレーザ光を発するものであればよい。また、蛍光体を微粒子結晶と樹脂から構成する場合は、395nm以下の光を樹脂に照射すると樹脂の劣化が起こるため、レーザの波長は395nm以上500nm以下が望ましい。このため、レーザから出射される395nm未満の自然放出光を吸収又は反射する波長フィルターなどを、レーザと蛍光体の間に配置するのが好ましい態様となる。
レーザとしては、面発光型の素子、ストライプ型の素子、これらのいずれかのタイプの素子が配列されたレーザアレイなどが挙げられる。
レーザ光は、その一部を蛍光体を通過させて蛍光と共に利用してもよいが、本発明の発光装置を照明などに用いる場合、レーザ光を外界へ放出させるのは人体に対して好ましくない。その場合には、蛍光体で全て吸収させるか、あるいは、波長フィルターなどで外界へ放出させないようにするのが好ましい態様となる。
蛍光体の好ましい態様としては、焼結体となされたもの、石英のような透明な板状物に塗布されたもの、ガラスおよびアクリルなどのガラス状の物体に分散させ、球体、円柱状、ファイバ状に固化、加工、成形されたものなどが挙げられる。
図3(a)に示すように、レーザ30と蛍光体31とを分離して組み合わせる場合、蛍光体は単独の部材、部品となる。例えば、蛍光体31を、蛍光物質が塗布又はコーティングされた透明部材、蛍光物質が分散したガラス部材などとし、レーザ素子と組み合わせて用いればよい。
図8は、図3(a)に示す発光装置のレーザ30の態様の一例である。同図のGaN系半導体レーザ30は、リッジ構造を有し、活性層84の両端に劈開による共振器を形成し、活性層84に平行に共振させて出射する構造である。この構成によって、レーザ光は紙面に対して垂直な方向に発振し、蛍光体31内に出射され、蛍光が外界に出力される。
図8のレーザ30は、結晶基板(例えば、GaN結晶基板)80上に、n−GaNコンタクト層81、n−AlGaNクラッド層82、n−GaNガイド層83、InGaN活性層84、p−AlGaN蒸発防止層85、p−GaNガイド層86、p−AlGaNクラッド層87、p−GaNコンタクト層88が積層され、n型電極89、p型電極800とリッジ以外の部分はSiO2801でp型電極89とp−AlGaNクラッド層87が絶縁されている構造をとる。また、1次光源としては面発光レーザを用いてもよく、1次光源にLEDを用いてもよい。
1次光源に用いる素子の結晶基板には、GaN基板の他、サファイア、SiC、Si、水晶など、GaN系結晶が成長可能な公知の基板を用いることができる。
発光に係る構造は、レーザの発光と発振、LEDの発光に好ましい構造とすればよく、ダブルヘテロ接合構造、SQW(Single Quantum Well)、MQW(Multiple Quantum Well)、量子ドットを含む構造などが好ましいものとして挙げられる。さらに、LEDの場合には、ホモ接合、ヘテロ接合による単純な2層によるpn接合であってもよい。
以下、本発明のいくつかの実施例について説明する。
<実施例1>
図3(a)に示す構成で、発光装置を作製した。
[1次光源]
本実施例では、図8に示す態様、即ち、リッジ構造を有するストライプレーザを1次光源として製作した。以下の説明において、cm-3の単位で表したものはキャリア濃度である。
[レーザ]
図8に示すように、GaN基板上80に、n−GaNコンタクト層81(厚さ3μm、1×1018cm-3)、n−Al0.1Ga0.9Nクラッド層82(厚さ1μm、1×1018cm-3)、n−GaNガイド層83(厚さ0.1μm、1×1018cm-3)、In0.15Ga0.85N/In0.05Ga0.95Nの3MQW活性層84、p−Al0.15Ga0.85N蒸発防止層85(厚さ0.02μm、1×1018cm-3)、p−GaNガイド層86(厚さ0.1μm、1×1018cm-3)、p−Al0.1Ga0.9Nクラッド層87(厚さ0.6μm、1×1018cm-3)、p−GaNコンタクト層88(厚さ0.1μm、1×1018cm-3)を積層した。
次に、RIEによって部分的に積層体の上層からエッチングして、p−AlGaNクラッド層87の一部を残して露出させ、その上にSiO2(0.3μm)801を積層し、その上にp型電極800(Pd/Mo/Au)を形成し、基板裏面にn型電極89(Ti/Al)を形成した。素子の発振波長は405nmであった。
[蛍光体]
体積が8〜1000nm3(一辺2〜10nm)であるInNナノクリスタルを化学合成法で合成し、ゾルゲル法によって、InNナノクリスタルを分散したアクリル樹脂を膜状(厚さ3μm)に形成した。体積が8〜1000nm3(一辺2〜10nm)と幅を持つのは、合成条件によって同じ蛍光波長を得る体積が変化する為である。
[評価]
上記発光装置のレーザに電力を供給し、レーザ発振させたところ、蛍光波長635nmで80〔lm/W〕のエネルギー変換効率であった。また、このエネルギー変換効率が1/2になる時間を寿命時間として表すと、およそ10000時間であった。
比較のため、図3(a)に示す波長フィルター32を外して上記発光装置を駆動させたところ、エネルギー変換効率が1/2になる寿命時間は1000時間であった。
<実施例2>
図3(b)に示す構成で、発光装置を作製した。
[1次光源]
1次光源としては実施例1のレーザと同様のレーザを用いた。
[蛍光体]
体積が3.375〜64nm3(一辺1.5〜4nm)であるInNナノクリスタルをレーザアブレーション法により成長させ、InN上にGaNを同様のレーザアブレーション法により成長させて、図2に示すような量子井戸構造を有するInN/GaNナノクリスタルを作製し、このナノクリスタルを分散したアクリル樹脂を円筒状に形成した。3.375〜64nm3(一辺1.5〜4nm)と幅を持つのは、成長条件によって同じ蛍光波長を得る体積が変化する為である。
[評価]
上記発光装置のレーザに電力を供給し、レーザ発振させたところ、蛍光波長520nmで120〔lm/W〕のエネルギー変換効率であった。
比較のため、発振波長の異なるレーザを作製して励起光源として用い、励起光源の波長とエネルギー変換効率が1/2になる寿命時間の相関を求めた。なお、波長フィルター32としては、発振波長未満の自然放出光を吸収又は反射するものを選択して用いた。図9に波長とエネルギー変換効率が1/2になる寿命時間との関係を示す。ガラス樹脂では380nm以下において寿命時間が減少し始め、アクリル樹脂では395nm以下において寿命時間が減少し始める。ガラス樹脂の場合は励起光源のレーザが劣化することが原因で、アクリル樹脂の場合はアクリル樹脂が劣化することが原因である。
<実施例3>
図4に示す構成で、発光装置を作製した。
[1次光源]
本実施例では、図10に示す態様のLEDを製作した。以下の説明において、cm-3の単位で表したものは、キャリア濃度である。
図10に示すように、サファイア基板90上に、バッファ層(表示せず)を成長させ、n−GaNコンタクト層91(厚さ3μm、1×1018cm-3)、In0.12Ga0.87N/GaNの5MQW活性層92、p−Al0.15Ga0.85N蒸発防止層93(厚さ0.02μm、1×1018cm-3)、p−GaNコンタクト層94(厚さ0.2μm、1×1018cm-3)を積層した。次に、RIEによって部分的に積層体の上層からエッチングして、n−GaNコンタクト層91の一部を残して露出させ、その上にn型電極95(Ti/Al)を形成し、p−GaNコンタクト層94上にp型透明電極96(Pd:0.008nm)とその一部分にp型電極97(Pd/Mo/Au)を形成した。
[蛍光体]
体積が8〜27nm3(一辺2〜3nm)であるInNナノクリスタルと、体積が10.7〜64nm3(一辺2.2〜4nm)であるInNナノクリスタルと、体積が17.6〜512nm3(一辺2.6〜8nm)であるInNナノクリスタルの3種類を、レーザアブレーション法により作製し、図11に示すように、1次光の入射側から出射側に向かいInNナノクリスタルのサイズが小さくなるような3層構造としてアクリルに分散させた。これら3層の各々の膜厚は、各層の1次光の吸収を考慮し、各層から出射され合成される蛍光が白色になるように調整した。
[評価]
上記発光装置のLEDに電力を供給し、発光させたところ白色光が得られ、60〔lm/W〕のエネルギー変換効率であった。
<実施例4>
図5に示す構成で、発光装置を作製した。
[1次光源]
1次光源は埋め込みタイプのストライプレーザを用いた。
[蛍光体]
体積が125〜343nm3(一辺5〜7nm)であるIn0.95Ga0.05Nナノクリスタルを化学合成法により合成し、そのInGaN上にAlNを同様に化学合法により合成し、図2に示すような量子井戸構造を有するIn0.95Ga0.05N/AlNナノクリスタルを作製した。そして、このナノクリスタルを分散させたコアを有する光ファイバを作製した。
[評価]
上記発光装置のレーザに電力を供給し、レーザ発振させたところ、波長600nmで120〔lm/W〕のエネルギー変換効率であった。
<実施例5>
図6に示す構成で、発光装置を作製した。
[1次光源]
1次光源は面発光レーザを用いた。
[蛍光体]
体積が343〜512nm3(一辺7〜10nm)であるIn0.98Ga0.020.990.01ナノクリスタルを化学合成法で合成し、ゾルゲル法によって、InGaNPナノクリスタルを分散したガラスを膜状(厚さ1mm)に形成した。
[評価]
上記発光装置のレーザに電力を供給し、レーザ発振させたところ、波長560nmで100〔lm/W〕のエネルギー変換効率であった。
<実施例6>
図7に示す構成で、発光装置を作製した。
[1次光源]
1次光源としては実施例1のレーザと同様のレーザを用いた。
[蛍光体]
体積が343〜1000nm3(一辺7〜10nm)であるInNナノクリスタルを化学合成法で合成し、ゾルゲル法によって、InNナノクリスタルを分散したガラス膜(厚さ10μm)を導光板上に形成した。
[評価]
上記発光装置のレーザに電力を供給し、レーザ発振させたところ、波長550nmで100〔lm/W〕のエネルギー変換効率であった。
以上のように、本発明によれば、高輝度、低消費電力かつ長寿命の白色光を出射可能な発光装置が得られる上、蛍光体の材料としてIII−V族化合物半導体を用いているので、環境を害するおそれも少ない。
ZnSのバンドギャップエネルギーの結晶サイズ依存性を示す略線図。 CdSe量子ドットを示す断面図およびエネルギーバンド図。 本発明の発光装置の構成例を模式的に示す図。 本発明の発光装置の他の構成例を模式的に示す図。 本発明の発光装置の他の構成例を模式的に示す図。 本発明の発光装置の他の構成例を模式的に示す図。 本発明の発光装置の他の構成例を模式的に示す図。 本発明の発光装置に1次光源として用いるレーザの構成例を模式的に示す断面図。 本発明の発光装置に1次光源として用いるレーザの発振波長と発光装置の寿命の相関を示す図。 本発明の発光装置に1次光源として用いるLEDの構成例を模式的に示す断面図。 本発明の蛍光装置に用いる蛍光体の積層例を模式的に示す断面図。
符号の説明
30、40、50、60、70 1次光源
31、41、51、61、71 蛍光体
32、42、52、62 波長フィルター
33、43、53、63 1次光カット波長フィルター
44、54 コリメイトレンズ
64 光ファイバ
65 凹面鏡
72 導光板
73 散乱版
80、90 基板
81、91 nコンタクト層
82 nクラッド層
83 nガイド層
84、92 活性層
85、93 p蒸発防止層
86 pガイド層
87 pクラッド層
88、94 pコンタクト層
97、89 p型電極
95、800 n型電極
96 p型透明電極
100 赤色蛍光体
101 緑色蛍光体
102 青色蛍光体
801 SiO2

Claims (10)

  1. 1次光を発する光源と、
    光源からの1次光の少なくとも一部を吸収して、1次光のピーク波長よりも長いピーク波長を有する2次光を発する蛍光物質を含む蛍光体と、を備える発光装置において、
    前記蛍光物質はIII−V族化合物半導体の微粒子結晶であり、
    前記蛍光体は3つの層を有し、当該層は前記1次光の入射する側から出射する側に向かって前記蛍光物質のサイズが小さくなるように積層されることを特徴とする発光装置。
  2. 前記光源は窒化物系III−V族化合物半導体より成る発光素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記蛍光物質であるIII−V族化合物半導体に含まれるIII族元素のうちの50%以上がインジウムであり、
    V族元素のうちの95%以上が窒素であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記蛍光物質であるIII−V族化合物半導体が窒化物半導体であり、その微粒子結晶の各々がエネルギーバンドギャップの一定な部位のみを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光装置。
  5. 前記蛍光物質であるIII−V族化合物半導体が窒化物半導体であり、その微粒子結晶の各々が、第1の部位と、第1の部位を取り囲み第1の部位よりもエネルギーバンドギャップの大きい第2の部位とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光装置。
  6. 前記蛍光体は樹脂中に前記蛍光物質を分散させたものであり、
    前記光源は、ピーク波長が395nm以上かつ500nm以下の1次光を発することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置。
  7. 前記蛍光体はガラス中に前記蛍光物質を分散させたものであり、
    前記光源は、ピーク波長が380nm以上かつ500nm以下の1次光を発することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置。
  8. 前記光源から前記蛍光体までの光路上に、395nm未満の波長の光を遮断するフィルターを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発光装置。
  9. 前記蛍光体が発する2次光の光路上に、前記光源が発する1次光を遮断するフィルターを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の発光装置。
  10. 蛍光物質を含む蛍光体であって、
    前記蛍光物質はIII−V族化合物半導体の微粒子結晶であり、
    前記蛍光体は3つの層を有し、当該層は1次光の入射する側から出射する側に向かって前記蛍光物質のサイズが小さくなるように積層されることを特徴とする蛍光体。
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