JP4802326B2 - 太陽光励起レーザおよび太陽光励起レーザの冷却方式 - Google Patents

太陽光励起レーザおよび太陽光励起レーザの冷却方式 Download PDF

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Description

本発明は太陽光を使用してレーザ媒体を励起することによりレーザ媒体によるレーザ発振を行う太陽光励起レーザおよびその冷却方式に関する。
従来、レーザ装置は、主に電気エネルギーを光(ランプ点灯)や放電の形態に変換し、レーザ媒体を励起することによりレーザ光を発生している。この手法には、複数段のエネルギー変換過程が含まれており、エネルギー効率が低い(効率数%以下)ことが知られている。この理由としては、もともと品質の良い電気エネルギーを、低効率エネルギー変換を経て光に変換して利用することを挙げることができる。
この点、光源として太陽光を使用すれば、低効率の電気−光変換プロセスを使用することなく、レーザ発振のための光源とすることができる。これまで、太陽光励起レーザは、主として大学などの研究・実験室レベルにおける原理的研究が行われるに止まっており、その実用的な開発および実用レベルを目指した検討はほとんどないということができる。
従来知られている太陽光励起レーザ装置は、反射鏡またはレンズを用いてレーザ媒体に太陽光を集光してレーザ媒体を励起するため、大型化ができず、工業的応用に難点があった。さらに、実験的検討は種々報告されているものの、これまでに10%を超す高効率の太陽光励起レーザは、すべて模擬太陽光が使用されており、したがって実際の太陽光を励起光源として用いてレーザ発振を行う検討はなされていないということができる。太陽光励起レーザを実用に供するため、太陽光を励起光源として使用するためには、太陽光のエネルギー密度をレーザ発振のレベルの反転分布を生成させるまで高める必要がある。この際、太陽光のエネルギー密度を高めるための反射鏡およびレンズの構成を検討しなければならないという問題がある。
一方、これまで太陽励起レーザに関する文献が知られており、例えば特開2003−188441号公報(特許文献1)、特開2003−012569号公報(特許文献2)、特開2002−255501(特許文献3)および特開平7−240553号公報(特許文献4)が知られている。特許文献1には、レーザ媒体の周囲に冷媒を通す構成を有する太陽光励起レーザが開示されているものの、エネルギー効率の低い太陽光を使用して高い効率でレーザ発振させるためのエネルギー密度を得る点については何ら開示するものではない。
図9には、これまで提案されている従来の太陽光励起レーザの断面図を示す。図9に示された太陽光励起レーザ100は、概ね、フレネルレンズ102と、フレネルレンズ102により集光された太陽光を反射させるための反射光学系を含む筐体104と、レーザ媒体106とを備えている。レーザ媒体106の一端には全反射ミラー108が配置され、他端には、ハーフ・ミラー110が配置されていて、矢線Xの方向へとレーザ光を放出させている。筐体104の内部には、冷却媒体となる空気が存在している。図9に示されるように、励起のための太陽光は、レーザ媒体106の一方から入射され、また入射側には、全反射ミラー108が配置されているので、レーザ媒体106をレーザ光の進行方向に対して効率的に励起することができない。またこの構成には、太陽光の入射口である筐体104の開口部とレーザ媒質106の断面の面積比が大きく取れないため太陽光からレーザ光へのパワー増倍効果がこの面積比により上限されるという本質的な限界がある。また、筐体104内部に配置された反射要素は、ほとんど集光されることなく散乱光としてレーザ媒体に照射されるので、効率的にレーザ媒体106を、レーザ発振の生成する方向に励起することができない構成とされている。加えて冷却媒体として空気を用いているためレーザ媒質の冷却効果はほとんど見込めず、レーザ媒体や、集光系として機能するフレネルレンズ102の効率的冷却という本質的な問題に対して対応することができる構成ではない。
すなわち、上述した従来技術に開示されたレーザ・システムは、市販レーザの冷却方法を使用するか、または単に流用したものであり、また、レーザ媒体への太陽光の集光方法も、実用的なものとしての視点が欠けており、レンズや反射ミラーは、太陽光励起レーザを工業的に利用するために向いた配置ということができないという問題に加え、レーザ材料の軸方向に励起光が伝播する非対称な光学的配置を用いているため、材料全体に宣って均質な励起がされにくく、効率悪いという問題点があった。
特開2003−188441号公報 特開2003−012569号公報 特開2002−255501号公報 特開平7−240553号公報
本発明は再生可能エネルギーの高品質化を目的とし、より具体的には、太陽光を効率的に使用してレーザ発振を行わせ、かつ工業的により適合した太陽光励起レーザ、およびその冷却方法、および太陽光励起レーザを使用した装置を提供することを目的とする。より具体的には、究極の再生可能エネルギーである太陽光の品質を、低エントロピー化することにより、
(1)太陽光を効率よく、かつレーザ発振に適した条件でレーザ媒体に注入することにより高効率の太陽光励起レーザを提供し、
(2)レーザ媒体に太陽光を効率よく注入した場合に必要となる太陽光励起レーザの冷却方式を提供することを目的とする。
本発明は、太陽光の集光系として流体を使用することにより、固体の大規模構造物を構築する際の数々の問題、特に、レンズなどのガラスは巨大になれば熱のひずみにより、部分的に膨張率が異なるために容易に亀裂が入るなどの問題点を解決することができるという着想の下に検討を加え、本発明に至ったものである。すなわち、集光系として必要な大量のレンズ材料を冷却流体、より具体的には水を使用して直接的に冷却することを可能とし、高い効率のレーザ発振が可能となる。同時に、集光系の冷却設備を大きく簡略化できるので、大規模システムの構築が可能となる。また、集光系として使用される冷却流体を同時にレーザ媒体の冷却に用いることで、容易に大規模化できると共に、レーザ媒体の冷却のための構造を排除することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、太陽光によりレーザ媒体を励起してレーザ発振を行う太陽光励起レーザであって、前記太陽光励起レーザは、
ドープされた中心部と、ドーピングされておらず、集光された太陽光の入射角度を増加させレーザ媒体の高さ方向に対して15°〜60°傾斜して前記太陽光の入射側に向けて狭まるスカート部とを備えるレーザ媒体と、
前記レーザ媒体を内部に支持する収容装置であって、前記レーザ媒体と前記収容装置との間の空間に冷却液体を保持すると共に前記レーザ媒体に沿って集光した太陽光を照射し前記冷却液体により冷却される集光光学要素を備えた収容装置と、
前記レーザ媒体の互いに対向する端部に隣接して配置された対となった光学的反射要素と
を備える太陽光励起レーザが提供される。
本発明では、前記収容装置は、太陽光を透過させる部分を備え、前記収容装置の前記太陽光を透過させる部分の断面形状と冷却冷媒の屈折率とが協働して前記集光光学要素を形成し、前記レーザ媒体を励起することができる。前記冷却液体は、水であり、前記集光光学要素は、水を光学媒体とした水レンズを形成し、さらに前記収容装置の端部に形成された反射防止膜とを備えることができる。前記収容装置は、前記レーザ媒体を前記太陽光が横切る方向の断面形状が前記レーザ媒体を中心として非対称であり、前記太陽光の波長領域に対応した複数のレーザ媒体を収容することができる。前記収容装置に備えられる集光光学要素とは別に、太陽光を集光する分離光学要素を備えることができる。前記レーザ媒体は、太陽光線に含まれる波長を吸収して反転分布を直接またはエネルギー移動により反転分布を形成する化学種を含有することができる。
前記レーザ媒体は、ルビー(Cr3+:Al)、YAG(Nd3+:YAl12)、アレキサンドライト(Cr3+:BeAl)、エメラルド(Cr3+:BeAl(SiO)))、一般式がA12で与えられ、サイトAには、GaまたはAlからなる群から選択される元素が使用され、サイトBには、Ga、Sc、Luからなる群から選択される元素が使用され、サイトCには、Y、Gd、La、Luからなる群から選択される元素が用いられる、ガーネットにCr3+、Nd3+を添加したレーザ媒体、サファイア(Ti3+:Al)、Co2+:MgF、Cr3+:ScBO、Nd3+:GGG(GdGa12)、Cr,Nd:GSGG(Gd(GaSc)12)、前記レーザ媒体に対して、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho,Er、Tm、Yb、Luを含むランタノイド元素およびそれらのイオン、または遷移金属元素または前記遷移金属イオンがドーピングされたガラスを含むレーザ媒体を含む群から選択することができる。前記太陽光励起レーザの前記非対称の形状は、太陽の日周運動に伴う前記太陽光の入射角度に対応して可変とすることができる。
本発明の前記レーザ媒体は、前記中心部のドーパント濃度0.1〜4.0原子%とすることができる。
本発明の第2の構成によれば、太陽光を使用してレーザ媒体を励起してレーザ発振させる請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザの冷却方式であって、前記レーザ媒体と集光光学要素の形成された収容装置との間に形成された空間に冷却液体を保持させ、前記レーザ媒体と太陽光の集光を行う、太陽光励起レーザの冷却方式が提供される。
前記冷却液体は、前記収容装置および前記集光光学要素の冷却を同時に行うことができる。前記収容装置は、前記太陽光を透過させる部分を備え、前記太陽光を透過させる部分の断面形状と前記冷却液体の屈折率とが協働して前記集光光学要素を形成することができる。前記レーザ媒体として、太陽光線に含まれる波長を吸収して反転分布を形成する化学種を含有する固体を用いることができる。
本発明によれば、太陽光を使用してレーザ媒体を励起するための効率的で、大規模装置に適用可能な太陽光励起レーザを提供することができる。
また、本発明によれば、太陽光を集光すると同時に冷却を可能とする太陽光励起レーザの冷却方式を提供することができる。
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明の太陽光励起レーザ10の概略的構成を示した図である。本発明の太陽光励起レーザ10は、レーザ媒体12と、レーザ媒体12を収容する収容装置14と、レーザ媒体12の一端に配設された全反射ミラー16と、他端に配設されたハーフ・ミラー18とを含んで構成されている。収容装置14は、さらに太陽光20をレーザ媒体12へと集光する反射要素22を含んでいて、レーザ媒体12を光学的に励起させ、反転分布を形成させている。
図1に示した収容装置14の両端は、収容装置14の端部を形成する材料、または、レーザ媒体12が収容装置14の端部に直接露出している場合にはレーザ媒体12と空気とにより規定されるブリュースター角度を与えている。なお、本発明において特にブリュースター角を設けることが必要でない場合には、他の角度の端部を使用することができる。収容装置14は、レーザ媒体12と一体として形成されていても良いし、収容装置14の端面に、適切なフランジ、O−リングなどを使用して固定されていてもよい。さらに、図1に示した実施の形態では、収容装置14の端面には、反射防止膜ARC(anti-reflection coating)が施されていて、発生したレーザ光線の反射を低下させている。なお、ARCは、誘電体多層膜コーティングまたは金属蒸着膜として形成することができ、本発明において反射防止処理を施すことなく使用することができる場合には、必ずしも必要とされるものではない。収容装置14の内部には、水などの冷却液体が満たされていて、レーザ発振に伴うレーザ媒体12を冷却し、熱衝撃によるレーザ媒体の損傷を防止している。収容装置14の形状は、断面が円形、楕円形、放物線形などを使用することができ、円形断面の収容装置を使用する場合には、収容装置の曲率と冷却冷媒の屈折率に応答した位置にレーザ媒体が配置される。また、収容装置が楕円形の場合には、レーザ媒体を一方の焦点に配置し、他方の焦点に太陽光を集光した配置とすることができ、これらの形状を組み合わせてレーザ媒体に集光させることができる。
本発明で使用することができる冷却液体としては、水の他、例えば、アミルアルコール、アリルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ウンデカノール、エタノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、n−オクタノール、グリシドール、シクロヘキサノール、3,5,−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、n−デカノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、α−テルピネオール、ネオペンチルアルコール、ノナノール、フーゼル油、ブタノール、フルフリルアルコール、プロパギルアルコール、プロパノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ベンジルアルコール、ペンタノール、メタノール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−1−ペンチン−3−オールといったアルコール類も挙げることができる。
上記溶媒としては、さらにアニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、エチルベンジルエーテル、エポキシブタン、クラウンエーテル類、クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルアセタール、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,8−シネオール、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、トリオキサン、ビス(2−クロロエチル)エーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、フラン、フルフラール、メチラール、メチル−t−ブチルエーテル、メチルフラン、モノクロロジエチルエーテルといったエーテル・アセタール系溶剤も挙げることができる。
さらに上記溶媒としては、アセチルアセトン、アセトアルデヒド、アセトフェノン、アセトン、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、ジ−n−プロピルケトン、ホロン、メシチルオキシド、メチル−n−アミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−へプチルケトンといったケトン・アルデヒド系溶剤も同様に用いることができる。
さらに、上述の溶媒としては、エチレングリコール、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノイソプロピルエータル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、エチレンクロロヒドリン、1,3−オクチレングリコール、グリセリン、グリセリン1,3−ジアセタート、グリセリンジアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリントリアセタート、グリセリントリラウラート、グリセリンモノアセタート、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、3−クロロ−1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ポリプロピレングリコールといった多価アルコール及びそれらの誘導体を挙げることができる。
さらに上述の溶媒としては、適宜、イソ吉草酸、イソ酪酸、イタコン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチル酢酸、オレイン酸、カプリル酸、カプロン酸、ギ酸、吉草酸、酢酸、乳酸、ピバリン酸、プロピオン酸、といったカルボン酸誘導体や、エチルフェノール、オクチルフェノール、カテコール、グアヤコール、キシレノール、p−クミルフェノール、クレゾール、ドデシルフェノール、ナフトール、ノニルフェノール、フェノール、ベンジルフェノール、p−メトキシエチルフェノールといったフェノール類、アセトニトリル、アセトンシアノヒドリン、アニリン、アリルアミン、アミルアミン、イソキノリン、イソブチルアミン、イソプロパノールアミン類、イソプロピルアミン、イミダゾール、N−エチルエタノールアミン、2−エチルヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、カプロラクタム、キノリン、クロロアニリン、シアノ酢酸エチル、ジアミルアミン、イソブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアエタノールアミン、N,N−ジエチルアニリン、ジエチルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジエチレントリアミン、ジオクチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリアミルアミン、トリオクチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミン、トルイジン、ニトロアニソール、ピコリン、ピペラジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N−フェニルモルホリン、モルホリン、ブチルアミン、ヘプチルアミン、ルチジンといった含窒素化合物、トリクロロ酢酸などのハロゲン化カルボン酸といった酸ハロゲン化物、含イオウ化合物系溶剤、テトラフルオロプロピオン酸などのフッ素系溶剤、シリコーンオイル等の高分子化合物、液体アンモニア、液体炭酸、オキシ塩化リンも挙げることができ、これらの溶剤は、いかなる種類および添加量で混合して用いることができる。
本発明では、収容装置14は、レーザ媒体12へと太陽光を集光させる機能を有しており、また内部に冷却液体を保持しているのでレーザ媒体の冷却と共に冷却液体による冷却を受けることができる。冷却液体としては水を使用することが、コストおよび操作性の点から好ましく、また、冷却冷媒は、太陽光線を透過させ、同時にレーザ媒体に太陽光を集光させることが可能な形状の収容装置内に密閉または流通させることもできる。
また、本発明ではレーザを適切にトリガすることができるように、レーザ波長に対応する波長のレーザ光を発生させる発光ダイオードや半導体レーザを使用することができる。さらに、レーザ発振をトリガする目的で、外部からの電気的なトリガで偏光角度を偏光する光カー効果を使用する材料と偏光板とを使用することができるし、また過飽和色素を使用してレーザ発振をQスイッチ・モードでトリガすることもできる。
レーザ媒体は、太陽光が含む波長の波長範囲を効率的に吸収してレーザ活性種を励起して反転分布を生成することができる限り、本発明では、レーザ媒体はその形状、固体または液体などの状態、および化学組成には特に限定されることなく使用することができ、本発明の好適な実施の形態では、数mm〜数cmの径を有する光学的に透明なロッドとして形成することができる。本発明で使用することができるレーザ媒体としては、例えば、ルビー(Cr3+:Al)、YAG(Nd3+:YAl12)、アレキサンドライト(Cr3+:BeAl)、エメラルド(Cr3+:BeAl(SiO)))、一般式がA12で与えられ、サイトAには、GaまたはAlからなる群から選択される元素が使用され、サイトBには、Ga、Sc、Luからなる群から選択される元素が使用され、サイトCには、Y、Gd、La、Luからなる群から選択される元素が用いられる、所謂ガーネットにCr3+、Nd3+を添加したレーザ媒体、サファイア(Ti3+:Al)、Co2+:MgF、Cr3+:ScBO、Nd3+:GGG(GdGa12)、Cr、Nd:GSGG(Gd(GaSc)12)などを挙げることができるが、太陽光の範囲に適切な結晶場による吸収バンドを形成することができる限り、いかなるレーザ媒体でも用いることができる。また、本発明では、レーザ媒体12には、さらに他の希土類元素、例えば、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho,Er、Tm、Yb、Luなどのランタノイド元素、またはそれらのイオンや、遷移金属元素または遷移金属イオンがドーピングされた異なる特性の、例えば、ガラスなどのレーザ媒体を使用することができる。
全反射ミラー16は、Al蒸着などの金属コーティングを使用したミラー、誘電体多層膜コーティングによりレーザ発振波長を選択的に反射するコーティングを含むミラー、または全反射を使用したプリズム系などを使用して構成することができ、ハーフ・ミラー18は、好ましくは、誘電体多層膜コーティングを含む、透過率が10%〜90%程度のミラーとすることができる。また、本発明に使用することができる反射要素22についても、誘電体多層膜コーティング、または金属コーティングなど、これまで知られたいかなるコーティングでも使用することができる。
図2は、本発明の収容装置14が備える集光光学系を構成する機能を示した図である。図2に示すように、本発明の集光光学系は、レーザ媒体12を外部環境OCからシェルSHにより分離している。外部環境OCは、通常、空気または真空とされ、nの屈折率を有している。シェルSHは、本発明では、収容装置14の壁、収容装置14の壁とは別に形成された凸レンズ、または凹レンズとして形成され、使用する材質に応じてnの屈折率を有し、界面C1、C2を与えている。また、レーザ媒体12とシェルSHとの間には、冷却液体CTが充填されていて、冷却液体CTは、nの屈折率を与える。光線は、屈折率の異なる境界面で光路を変化させる。本発明では、外部環境OCから入射する太陽光を、レーザ媒体12に集光するために、シェルSHの屈折率と、冷却液体CTの屈折率とを協働して使用することで、レーザ媒体12に対する太陽光の集光を柔軟に可能とする。例えば、シェルSHを凹レンズとして形成することもできるし、シェルSHを凸レンズとして形成することもできるし、シェルSHを平坦ガラスと、曲面ガラスとの組合せで閉鎖空間を形成させ内部に異なる屈折率nの光学的媒体を充填することもできる。
図3は、本発明の太陽光励起レーザ10を、図1の切断線A−Aに沿って断面として示した図である。本発明では、図3(a)に示すように、本発明の収容装置14は、太陽光20を受け取って太陽光は入射される側と反対側に放物線の形状の反射要素22が形成された、レーザ媒体12に関連して非対称の形状を有して、収容装置14が、集光光学要素を提供している。また、レーザ媒体12は、放物面の焦点位置に配置されていて、入射窓24から、例えば別に設けられた反射鏡などにより高密度化された平行光線として入射された太陽光20をレーザ媒体12に集光させている。太陽光20を吸収して反転分布が形成されたレーザ媒体は、紙面垂直な方向にレーザ光を発振する。図3(b)は、本発明の収容装置14の別の実施の形態を示した図である。図3(b)に示した実施の形態では、入射窓24は、シリンドリカル凹レンズとして形成されていて、入射窓24の内側面が冷媒により冷却されており、本発明では、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、耐熱ガラス、強化ガラスなどを使用することができる。図3(b)に示した実施の形態では、太陽光20は、図示しない大面積の一次集光系などにより集光されて入射窓24へと入射される。入射された太陽光20は、入射窓24で平行光線とされた後、反射要素22により集光され、図3(a)よりもさらに高いエネルギー密度でレーザ媒体12を励起している。
また、図3(c)は、入射窓24をシリンドリカル凸レンズで形成した実施の形態であり、この場合には、まず直接レーザ媒体12に集光され、レーザ媒体12を通過した光線が再度レーザ媒体12に集光される構造とされている。さらに、図3(d)は、入射窓24を非球面レンズとして形成した実施の形態を示す。図3(d)に示した実施の形態では、レーザ媒体12に対して直接集光される光線と、反射要素22に反射されて集光される光線の光路差に見合った複数の曲率が入射窓24に与えられている。
図4は、本発明の太陽光励起レーザ10のさらに別の実施の形態を示した図である。図4では、収容装置14は、収容装置14の太陽光が入射する部分と冷却液体の屈折率とが協働して集光レンズを構成している。図4(a)に示した実施の形態では、収容装置14は、円筒形状に形成され、平行光線とされた太陽光が入射面26から入射されている。入射面26は、曲面として形成されていて、光学媒体として機能する液体と共に集光レンズとして機能して、太陽光20をレーザ媒体12へと集光させている。また、図4(b)に示した実施の形態では、収容装置14のレーザ媒体12を挟んで入射面26に対向する位置には反射要素28が配置されていて、透過した太陽光を再度レーザ媒体12に向けて反射させている。図4に示した実施の形態でも、収容装置14の内部は、冷却液体を保持しており、レーザ媒体12の冷却を行うと同時に、集光機能を有する光学要素の冷却を可能としている。
すなわち、本発明では、レーザ媒体の冷却と集光系光学要素の冷却とを同時に行うことができるので、太陽光励起レーザ10の大きさに依存する特有の問題、すなわち大面積化に伴うレンズ系の精度・強度や、冷却機構を検討するなどを生じさせることなく、大規模化を可能とする。また、本発明では、入射面26を凸面と有する収容装置14の壁と一体として構成するのではなく。収容装置14に一体としてまたは別に取り付けられるシリンドリカル凹レンズとすることができる。この場合でも、シリンドリカル凹レンズは、冷却液体により直接冷却される。また、水を冷却液体として使用する場合には、入射面26といった集光光学要素の洗浄する効果を有し、砂漠などの過酷な環境下でメンテナンス・フリーの長期間使用を可能とする。
図5は、本発明の太陽光励起レーザ10に使用されるレーザ媒体であるルビーおよびアレキサンドライトの結晶場のエネルギー順位を示した図である。なお、本発明では、太陽光線が含む約400nm〜約700nmまでの光線を吸収して反転分布を生成することができる限り、図5に示したレーザ媒体に限定されるものではない。図5を使用して説明すると、ルビーおよびアレキサンドライトいずれも結晶場のエネルギーレベルは類似しており、エネルギー的に下から、Eレベル、レベル、バンド、レベル、バンドといったエネルギー順位を有している。これらのバンドのうち、基底状態のレベルから光学的に許容なレベルであるバンドおよびバンドは、それぞれ約550nmおよび410nm付近に吸収極大を与える、UバンドおよびYバンドを形成する。
励起された順位から無輻射遷移を経て、それぞれ、基底状態から光学的に禁制なE準位、またはアレキサンドライトでは、E準位および準位へと遷移して反転分布が生成される。E→遷移は、光学的に禁制であるが、フォノンとカップリングすることにより対称性が変化して、Vibronic-allowedとなりレーザ発振が可能となる。一方、アレキサンドライトでは、E→遷移とT2→遷移とがレーザ発振可能な反転分布を与え、これらのうち、E→遷移は、Vibronic-allowedなものの、遷移は、光学的に許容されるので、高い強度のレーザ発振が可能となる。本発明では、ルビーやアレキサンドライト以外のも類似の結晶場およびエネルギー準位を有するレーザ媒体であれば、特に限定されることなく、レーザ発振効率などを考慮して適宜選択することができる。また、本発明では、収容装置14内に異なる複数のレーザ媒体を配置し、複数のレーザ媒体に対応する最も適切な波長を、対応するレーザ媒体に集光させる波長選択手段を設け、複数のレーザ媒体を励起させることもできる。さらに、本発明の太陽光励起レーザを地球大気圏以外の宇宙などにおいて用いる場合には、レーザ媒体は、地上において含まれる400nm〜700nmの可視光領域で励起される必要はなく、本発明では、X線領域から赤外領域までの範囲の波長を吸収し、反転分布を生成することができるレーザ媒体を使用することができる。
図6には、本発明の太陽光励起レーザのさらに他の実施の形態を示す。図6に示した実施の形態では、異なる吸収に対応して異なる波長のレーザ発振を生じさせる複数のレーザ媒体12aと、12bとが用いられている。また、入射窓24の下側で冷却液体の収容される側には、レーザ媒体12a、12bに相対的に傾斜した光学要素30が配置されていて、冷却液体により冷却されている。太陽光20に含まれる波長のうち、冷却液体の屈折率は、短波長の成分に対して屈折率が大きく、また長波長の成分に対して屈折率が小さくなる。このため、図6に示すように光学要素30に傾斜を与えることにより、所謂色収差を大きくして、それぞれの波長成分に対応するレーザ媒体12a、12bにそれぞれ太陽光線を集光することができる。図6に示した実施の形態では、レーザ媒体12aには、Cr3+:Al(ルビー)のYバンドに対応する吸収波長(約406nm)が集光され、レーザ媒体12bには、Co2+:MgFの吸収極大に対応する約1300nmの光線が集光されている。図6に示した実施の形態であっても、光学要素30は、冷却液体中に保持されるので冷却は同時に行うことができる。また、太陽光をより効率的に使用すると共に変換効率をさらに高めることが可能となる。さらに、本発明では、収容装置14または集光光学要素は、図示しないステッピング・モータにより駆動することもでき、例えば図6に示した実施の形態では、光学要素30の両端に、太陽電池駆動のステッピング・モータを配置して、紙面左右方向に回動させるなど、太陽の日周運動と共に回動させるための機構を備えていてもよい。
上述の構成に基づき、太陽光励起レーザの出力についてシミュレーションによる検討を加えた。レーザ媒体として直径1mmのNd3+:YAGロッドを使用し、図4に示した構成で太陽光励起レーザがレーザ発振するための反転分布を生成させるためのパワー密度を与える太陽光の集光系の幅は、約10cmであった。太陽光励起レーザに対して約10cmのシリンドリカル凸レンズを使用して集光させるものとし、太陽光励起レーザのレーザ媒体長さを約1mとしたとき、Nd3+:YAGのレーザ発振効率を使用してその効率をシミュレーションした。この結果、太陽光励起レーザの光−光変換効率は、約30%程度と見積もられた。この値を使用して、入力した太陽光のパワーから換算すると、約数10Wに相当するレーザ出力を生成することができることが理論的に示された。
図7は、本発明で使用されるレーザ媒体の形状の他の実施の形態を示した図である。図7に示したレーザ媒体40は、円錐台の形状を有しており、中心の円柱部42とスカート部44との間でドーパント濃度が異なる組成を有している。図7に示した実施の形態では、F=0.5を仮定し、r=1000mmの集光レンズ(図示せず)から太陽光20が集光されている。円柱部42は、ドーピングされたNd:YAGで構成されており、ドーパント濃度は、CrおよびNdについて、0.1〜4.0原子%とされている。本発明の上述した非円筒形のレーザ媒体は、ドーパント濃度の異なる部分をそれぞれ水熱合成などにより形成させた後、熱硬化性シリコーン樹脂などで接着する方法、ドーピング濃度を変えて複数回の水熱合成を行って形成する方法、熱ディフュージョンボンディング法、またはレーザ媒体のサイズに応じてイオン注入後のアニール処理など、これまで知られたいかなる方法を組み合わせて製造することができる。一方、スカート部44は、ドーピングされていない純粋のYAGから構成されていて、レーザ媒体40の高さ方向Hに対して角度θで、傾斜している。図7に示した実施の形態では、角度θは、約15°〜60°の範囲とすることができ、より好ましくは、約20°〜約40°程度の範囲で、太陽光20の吸収率およびパワー体積密度を約6倍程度向上させることができることがわかった。また、図7に示したレーザ媒体の実施の形態では、集光のための光学要素(図示せず)から集光された太陽光20の入射角度をできるだけ垂直に近い角度とすることができ、またレーザ発振を、レーザ媒体40の中心付近で発生させることができ、より効率的に太陽光レーザを発振させることができる。
図8は、本発明において使用できるレーザ媒体50のさらに他の実施の形態を示す。図8に示したレーザ媒体50は、図7で説明したと同様に、中心スラブ52と、スカート部54とから構成されている。中心スラブ52は、ドーピングされたNd:YAGで構成され、スカート部54は、未ドープのYAGで構成されている。図8(a)および図8(b)は、中心スラブ52の両端部に突起部56が形成されており、レーザ発振の特性をジグザグスラブ型とし、図8(c)および図8(d)では、レーザ媒体50の端部形状を変更することで、ストレートスラブ型として制御している。なお、図8に示した4つの実施の形態のレーザ媒体50について、中心スラブ52のNd:YAGにおけるNd3+ドーピングの濃度を、0.4原子%、1.0原子%、および2.0原子%と変化させて、合計12種類のレーザ媒体50について、F=1.0、φ=1000mmの球面レンズから長さ11.2mm、全幅9mm、高さ2.0mmのレーザ媒体50に太陽光20を照射したものとして光線追跡シミュレーションを行った結果、図7で示したと同様に、スカート部54の角度が、20°〜60°の範囲、より好ましくは、20°〜50°の範囲、さらに好ましくは、20°〜40°の範囲で、太陽光の吸収効率が約6倍程度になることが示され、より効率的な太陽光励起レーザ用のレーザ媒体が提供できることがわかった。なお、図9に示したレーザ媒体50は、狭い部分から太陽光を入射させた場合と、広い部分から太陽光を入射させた場合のいずれも、吸収特性は異なるものの、同等の吸収効率が向上することがわかった。
本発明の太陽光励起レーザは、光分解を使用した水素ガス発生装置、レーザパワー伝送装置、レーザ推進を使用した車両、宇宙航空機、船舶、環境に対して有害な物質を光分解などにより除去するための除去装置、レーザ加工装置、軽量に形成でき、かつ再生利用可能なエネルギーを用いてレーザ発振を可能とすることから、そのためのエネルギーを別に用いる必要がなく、例えば、宇宙航空機に搭載して、衛星間、惑星間における高密度光通信装置、推進装置などに対して適用することができる。
本発明の太陽光励起レーザは、レーザ媒体の冷却と太陽光集光装置の冷却とを同時に行うことを可能とするので、装置の大規模化に容易に適応でき、さらにレーザ媒体の保守、集光光学系の作成などのコスト、集光効率向上に伴う大出力化、並びに軽量化を行うことができ、再生可能エネルギーを効率的に低エントロピー化することを可能とする。このため、レーザを使用した各種装置に適用することで、環境負荷を低減した工業的装置を提供することができる。
本発明の太陽光励起レーザの側面図。 本発明の集光光学要素の機能を説明した図。 本発明の太陽光励起レーザの実施の形態の断面図。 本発明の太陽光励起レーザの他の実施の形態の断面図。 本発明に使用することができるレーザ媒体のエネルギー準位のコリレーションを示した図。 本発明の太陽光励起レーザのさらに他の実施の形態を示した図。 本発明の太陽光励起レーザに使用できるレーザ媒体の実施の形態を示した図。 本発明の太陽光励起レーザに使用できるレーザ媒体の他の実施の形態を示した図。 従来の太陽光励起レーザの構成を示した図。
符号の説明
10…太陽光励起レーザ、12、40、50…レーザ媒体、14…収容装置、16…全反射ミラー、18…ハーフ・ミラー、20…太陽光、22…反射要素、24…入射窓、26…入射面、28…反射要素、30…光学要素、100…太陽光励起レーザ、102…フレネルレンズ、104…筐体、106…レーザ媒体、108…全反射ミラー、110…ハーフ・ミラー、ARC…反射防止膜、SH…シェル、CT…冷却液体

Claims (13)

  1. 太陽光によりレーザ媒体を励起してレーザ発振を行う太陽光励起レーザであって、前記太陽光励起レーザは、
    ドープされた中心部と、ドーピングされておらず、集光された太陽光の入射角度を増加させレーザ媒体の高さ方向に対して15°〜60°傾斜して前記太陽光の入射側に向けて狭まるスカート部とを備えるレーザ媒体と、
    前記レーザ媒体を内部に支持する収容装置であって、前記レーザ媒体と前記収容装置との間の空間に冷却液体を保持すると共に前記レーザ媒体に沿って集光した太陽光を照射し前記冷却液体により冷却される集光光学要素を備えた収容装置と、
    前記レーザ媒体の互いに対向する端部に隣接して配置された対となった光学的反射要素と
    を備える太陽光励起レーザ。
  2. 前記収容装置は、太陽光を透過させる部分を備え、前記収容装置の前記太陽光を透過させる部分の断面形状と前記冷却液体の屈折率とが協働して前記集光光学要素を形成し、前記レーザ媒体を励起する、請求項1に記載の太陽光励起レーザ。
  3. 前記冷却液体は、水であり、前記集光光学要素は、水を光学媒体とした水レンズを形成し、さらに前記収容装置の端部に形成された反射防止膜とを備える、請求項1または2に記載の太陽光励起レーザ。
  4. 前記収容装置は、前記レーザ媒体を前記太陽光が横切る方向の断面形状が前記レーザ媒体を中心として非対称であり、前記太陽光の波長領域に対応した複数のレーザ媒体を収容する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザ。
  5. 前記収容装置に備えられる集光光学要素とは別に、太陽光を集光する分離光学要素を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザ。
  6. 前記レーザ媒体は、太陽光線に含まれる波長を吸収して反転分布を直接またはエネルギー移動により反転分布を形成する化学種を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザ。
  7. 前記レーザ媒体は、ルビー(Cr3+:Al)、YAG(Nd3+:YAl12)、アレキサンドライト(Cr3+:BeAl)、エメラルド(Cr3+:BeAl(SiO)))、一般式がA12で与えられ、サイトAには、GaまたはAlからなる群から選択される元素が使用され、サイトBには、Ga、Sc、Luからなる群から選択される元素が使用され、サイトCには、Y、Gd、La、Luからなる群から選択される元素が用いられる、ガーネットにCr3+、Nd3+を添加したレーザ媒体、サファイア(Ti3+:Al)、Co2+:MgF、Cr3+:ScBO、Nd3+:GGG(GdGa12)、Cr、Nd:GSGG(Gd(GaSc)12)、前記レーザ媒体に対して、Ce、Pr、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho,Er、Tm、Yb、Luを含むランタノイド元素およびそれらのイオン、または遷移金属元素または前記遷移金属イオンがドーピングされたガラスを含むレーザ媒体を含む群から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザ。
  8. 前記太陽光励起レーザの前記非対称の形状を有する前記収容装置は、太陽の日周運動に伴う前記太陽光の入射角度に対応して回動される、請求項1〜7に記載の太陽光励起レーザ。
  9. 前記中心部のドーパント濃度が0.1〜4.0原子%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザ。
  10. 太陽光を使用してレーザ媒体を励起してレーザ発振させる請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザの冷却方式であって、前記レーザ媒体と集光光学要素の形成された収容装置との間に形成された空間に冷却液体を保持させ、前記レーザ媒体と太陽光の集光を行う、太陽光励起レーザの冷却方式。
  11. 前記冷却液体は、前記収容装置および前記集光光学要素の冷却を同時に行う、請求項10に記載の太陽光励起レーザの冷却方式。
  12. 前記収容装置は、前記太陽光を透過させる部分を備え、前記太陽光を透過させる部分の断面形状と前記冷却液体の屈折率とが協働して前記集光光学要素を形成する、請求項10または11のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザの冷却方式。
  13. 前記レーザ媒体として、太陽光線に含まれる波長を吸収して反転分布を形成する化学種を含有する固体を用いる、請求項10〜12のいずれか1項に記載の太陽光励起レーザの冷却方式。
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