JP4800895B2 - プラズマディスプレイパネルとその製造方法 - Google Patents
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Description
PDPは、近年、大画面化、高精細化が急速に進み、これに伴い、その消費電力が増大している。この対策として、PDPを構成する誘電体層の誘電率を低減化する技術が特許文献1及び2に開示されている。
又、特許文献2には、さらに誘電率を小さくするため、PDPの誘電体層として、低原子密度(<6.1×1022atoms/cm3)のシリコン酸化物(SiO2)を用いたPDPが開示されている。
本発明は、上記問題点に鑑み、厚膜化してもクラックが生じにくい低誘電率の誘電体層を簡易迅速に形成することが可能なPDPの製造方法及び上記誘電体層を備えるPDPを提供することを目的とする。
又、前記第1及び第2のステップにおける堆積は、蒸着法、CVD法、ICP−CVD法、イオンプレーティング法の何れか1つの方法を用いて実行されることとすることができる。
これにより、誘電体層の多層膜構造の各層の厚みが、クラックに対して耐久性の高い厚さになっているので、層の段数を増やすことにより、誘電体層の厚みを所望の厚みに調整し、比誘電率と誘電体層の膜厚との比を限りなく小さくすることができ、高発光効率を実現することができる。
又、前記多層膜構造の膜全体の厚みdは5≦d≦40μmの範囲内であることとすることができる。
ここで、前記一定方向は、前記基板の主面の法線方向に対して一定角度θ傾いた方向であって、θが、10°≦θ≦45°の範囲内にある方向であることとすることができる。
ここで、前記プラズマディスプレイパネルの水平方向の1セルピッチが、90μm〜200μmであることとすることができる。
これにより、PDPの画面を高精細化することができる。
これにより、画面の発光効率を高めることができる。
(実施の形態)
<構成>
図1は、本実施の形態におけるPDP1の主要部の構成を示す断面斜視図である。
PDP1は、前面板2と背面板10とが対向配置されて構成される。
(前面板2)
前面板2は、図1に示すように、前面ガラス基板3と、前面ガラス基板3における、背面板10と対向する側の表面上に形成された表示電極6及びブラックストライプ7と、当該表面と表示電極6及びブラックストライプ7を覆う誘電体層8と、誘電体層8を覆う保護層9とから構成される。
前面ガラス基板3の材料として、例えば、ホウ珪酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、高ひずみ点(例えば、570℃)ガラス等を用いることができる。
(表示電極6)
外部の駆動回路(不図示)と接続され、駆動回路から印加される電圧によって、後述する放電空間16において、放電を発生させる。
透明電極4a、5aの材料としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の導電性金属酸化物を用いることができる。
(ブラックストライプ7)
隣接する放電空間16からの光を遮光するために設けられ、黒色に着色されている。
ブラックストライプ7の材料としては、例えば、樹脂に、ホウ珪酸鉛系ガラスの粉末やビスマス・リン酸混合物のような固形分と、Cr−Mn−Cu系顔料やFe−Co−Cr系顔料といった黒色の顔料を混合したものを用いることができる。
(誘電体層8)
表示電極6を保護するための層であり、図2に示すように、誘電体層8は、
シリコン酸化物(SiO2)膜が複数積層された多層膜構造を形成している。
このように、誘電体層8は、多層膜構造であるので、誘電体層8の形成後の温度降下に伴う前面ガラス基板3の収縮によって発生する内部応力を、多層膜構造における隣接する膜間の境界に生じる滑りにより十分小さくすることができるので、誘電体層8の膜厚を厚くしても、クラックが生じるのを効果的に防止することができる。
これにより、機械的強度の弱い、比誘電率の小さい材料を用いた場合においても、十分な厚みの誘電体層を形成することが可能となり、PDP1の放電開始電圧を低減化し、PDP1における電力消費量の低減化を実現するとともに、発光効率を高めることができる。
ここで、多層膜構造を構成する各膜の材質は、多孔質であってもよいし、各膜を構成する材料は、比誘電率が小さい(4以下)ものであれば、他の材料を用いることとしてもよい。例えば、SiOC、SiOF、SiCN、SiN、SiONを用いることができる。
放電により生じるイオンの衝突による損傷から誘電体層8を保護する。保護層9の材料としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)を用いることができる。
(背面板10)
背面板10は、図1に示すように、背面ガラス基板11と、背面ガラス基板11における、前面板10と対向する側の表面上に形成されたアドレス電極12と、当該表面とアドレス電極12を覆う誘電体層13と、誘電体層13における、前面板2と対向する側の表面上に配設された複数の隔壁14と、隣接する隔壁14間にある誘電体層13の表面を覆う蛍光体層15と、各隔壁14によって仕切られた放電空間16とから構成される。
背面ガラス基板11の材料として、例えば、ホウ珪酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、高ひずみ点(例えば、570℃)ガラス等を用いることができる。
(アドレス電極12)
アドレス期間に、表示電極6との間で、表示データに基づき書き込み放電を行う。
アドレス電極12を保護するとともに、蛍光体層15に含まれる蛍光体が放電により励起されて生ずる、発光した可視光を前面板2側に反射させる。
誘電体層13の材料としては、酸化鉛(PbO)系や酸化ビスマス(Bi2O3)系の低融点ガラスを用いることができる。
(隔壁14)
放電空間16を仕切ることにより、Y方向への誤放電やクロストークの発生を防止する。
隔壁14間のピッチ(Y方向の1セルピッチ)は、90μm〜200μmである。
赤色、緑色、青色の3種類の蛍光体層から構成され、各色の蛍光体層が、順番に、誘電体層13における、隣接する隔壁14に挟まれた各領域に別々に配設され、表示電極6とアドレス電極12との間に発生する放電によって発生する紫外線によって、蛍光体が励起されて対応する色の可視光を発生する。
(放電空間16)
前面板2と背面板10とが、封着材(不図示)によって封着されることにより密閉状態になる空間であり、放電空間16には、ヘリウム、キセノン及びネオンの中から選択される少なくとも1種の不活性ガス成分からなる放電ガスが、29.9kPa〜80.0kPa(225Torr〜600torr)程度の圧力で封入されている。
<製造方法>
(前面板2の作製工程)
(前面ガラス基板3の形成工程)
フロート法を用いて、熱膨張係数が79×10−7/℃のホウ珪酸アルカリガラスを前面ガラス基板3として形成する。
形成した前面ガラス基板3上に、スパッタ法で所定の厚さ(例えば、0.10μm程度)のITO膜を均一に形成し、フォトリソグラフ法又はレーザ加工法により、ストライプ状にパターニングし、1対の透明電極4a、5aを形成する。
(バス電極4b、5bの形成工程)
次に、感光性の銀ペーストを、透明電極4a、5a形成後の前面ガラス基板3の全表面に形成し、フォトリソグラフ法でストライプ状にパターニングし、さらに550℃まで加熱して銀ペーストを焼成し、形成した透明電極4a、5a上に1対のバス電極4b、5bを形成する。
背面板10側の対応する隔壁14と対向する位置に、透明電極4a、5aおよびバス電極4b、5bと並行する方向に走る帯状のブラックストライプ 7を形成する。ブラックストライプ 7の厚さは、せいぜい数μmでよい。隔壁ほどの高さは必要なく、その形成には、フォトリソグラフィ法やスクリーン印刷法といった、比較的薄い層に対する従来公知のパターン形成技術が利用できる。フォトリソグラフィ法を利用する場合であれば、次のようにして形成する。
又、スクリーン印刷法を用いる場合、ブラックストライプ の材料を含むスクリーン印刷用ペーストを用いる。このペーストは、感光性でなくてよい。そして、スクリーン印刷により、上記ペーストからなるブラックストライプ のパターンを形成した後、焼成してブラックストライプ7を得る。どちらの方法にもそれぞれ得失があるが、一般に、フォトリソグラフィ法のほうが工程は長くなるが、高精細なパターンを形成できる。
形成した前面ガラス基板3の主平面上にICP−CVD法(誘電結合プラズマ化学気相成長法)により、多層膜構造のシリコン酸化物(SiO2)膜を減圧雰囲気下で成膜する。以下、具体的に説明する。
図3は、誘電体層8の形成に用いるICP−CVD装置の具体例を示す断面図である。ICP−CVD装置は、ICPコイル部101、上部ガス供給口106、下部ガス吹きリング103、基板搬送部104、成膜室105から構成される。
上部ガス供給口106からは、酸素ガスが供給され、供給された酸素ガスは、発生したプラズマ102中で高温に加熱されて、活性化され、前面ガラス基板3の近傍まで拡散する。
TEOSの気化ガスは、下部ガス吹きリング103のガス放出口部1031から放出される。ガス放出口部1031には、図3(b)に示すように、多数のガス放出口が均等に配置されている。
具体的には、図8に示すように、堆積方向は、後述する基板搬送部104による前面ガラス基板3の搬送速度ベクトル(搬送速度及び搬送方向)と、上記気化ガスの放射速度ベクトル(上記気化ガスの放射角度θ及び上記気化ガスの放射速度)とによって決まるが、前面ガラス基板3の搬送速度及び搬送方向及び放射速度が固定された状態にある場合には、放射角度θを調整することにより、堆積する方向を制御することができる。
これにより、成膜物質(シリコン酸化物(SiO2))の堆積する方向を所定時間間隔毎に変更させることができる。
又、基板搬送部104を、ベルトコンベアや複数のローラからなるローラコンベアで構成し、所定時間間隔毎に搬送方向を切り替えながら、前面ガラス基板3に成膜室207内を直線的に往復運動させることとしてもよい。
上記ICP−CVD法では、搬送部104により、搬送方向を順次切り替えながら、前面ガラス基板3に成膜室105内を往復運動させ、成膜物質の堆積する方向を所定時間間隔毎に変更することにより、前面ガラス基板3上に多層膜構造のシリコン酸化物(SiO2)膜を形成させることができる。
図5は、誘電体層8の形成に用いるイオンプレーティング装置の具体例を示す断面図である。
イオンプレーティング装置は、基板搬送部201、プラズマガン202、プラズマガイド用コイル203、ハース205、磁力発生部206、成膜室207、排気装置208、ガス供給部209、第一中間電極211、第二中間電極212から構成される。
又、基板搬送部201を、ベルトコンベアや複数のローラからなるローラコンベアで構成し、所定時間間隔毎に搬送方向を切り替えながら、前面ガラス基板3に成膜室207内を直線的に往復運動させることとしてもよい。
ハース205には、シリコン酸化物(SiO2)膜の原料204(TEOS)を収納するための凹部が設けられ、またその内部には、プラズマビーム213を凹部に導くための磁石205aが設けられている。
磁力発生部206は、環状永久磁石から構成され、当該環状永久磁石を所定の回転軸の回りに回転することにより、プラズマビーム213のハース凹部への入射方向を変化させ、凹部に収納されたTEOSが蒸発して放射される角度を、ICP−CVD法の場合と同様に、前面ガラス基板3の主平面に対する法線方向に対して、放射角度θが所定範囲になるように制御し、前面ガラス基板3へのシリコン酸化物(SiO2)膜の堆積する方向を制御する。
θの範囲は、ICP−CVD法の場合と同様の理由により、10°〜45°の範囲内であることが望ましい。
なお、上記堆積方向の制御方法の詳細については、特許文献(特開平7−316793)に開示されているので、詳しい説明を省略する。
形成した誘電体層8上に、電子ビーム蒸着法を用いて、酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を作成し、前面板2を完成する。保護層9は、スパッタ法や、CVD法等の他の公知の方法により形成することとしてもよい。
(背面板10の作製工程)
(背面ガラス基板11の形成工程)
フロート法を用いて、熱膨張係数が79×10−7/℃のホウ珪酸アルカリガラスを背面ガラス基板11として形成する。
銀ペーストをスクリーン印刷法により、形成した背面ガラス基板11上に一定間隔でストライプ状に塗布した後、焼成してアドレス電極12を形成する。
(誘電体層13の形成工程)
比誘電率が6〜12の酸化亜鉛や酸化ビスマスを含有した酸化ガラス粉末に、可視光の反射率を増大させるための白色顔料(SiO2、Al2O3、TiO3等)を1%〜20重量%加えて調製した誘電体ガラスペーストを、アドレス電極12を形成した側の背面ガラス基板11の表面上にスクリーン印刷法で塗布し、乾燥後、焼成することにより、誘電体層13を形成する。
比誘電率が6〜12の酸化亜鉛や酸化ビスマスを含有した酸化ガラス粉末に、可視光の反射率を増大させるための白色顔料(SiO2、Al2O3、TiO3等)を1%〜20重量%加えて調製した隔壁用ガラスペーストを、背面ガラス基板11の表面上に形成された誘電体層13の上に、均一の厚さに塗工し、乾燥した後、フォトレジストを、塗工した隔壁用ガラスペーストの前面に塗布し、隔壁形成用マスクパターンを用いて露光を行い、現像後、サンドブラスト法により、隔壁パターンを形成した後、焼成して誘電体層13上に隔壁14を形成する。
(蛍光体層15の形成工程)
形成した隔壁14同士の間に挟まれた誘電体層13の各領域に、赤色蛍光体層材料(Y、Gd)BO3:Eu)、緑色蛍光体層材料(Zn2SiO4:Mn)、青色蛍光体層材料(BaMgAl10O17:Eu)のいずれか1つを
所定の順番に塗布し、焼成して蛍光体層15を形成する。
上記の通り作製した前面板2と背面板10の外周部の少なくとも一方に、封着部材を塗布し、外周部に封着部材層を形成し、外周部を介して両者を接合し、加熱して封着する。
封着部材としては、例えば、低融点ガラスやシリコーンを用いることができる。
(放電ガス封入工程)
封着されたパネルの内部を高真空(1.1×10−3Pa程度)に脱気し、これに所定の圧力で放電ガス(ヘリウム、キセノン及びネオンの中から選択される少なくとも1種の希ガス成分)を29.9kPa〜80.0kPa程度の圧力で封入する。
放電ガスを封入したパネルに駆動回路を実装して、PDP1を作製する。
(実施例)
1.従来法によって形成された誘電体層との比較
上記誘電体層8の形成工程に従って、イオンプレーティング法により、誘電体層8を形成した。
図4は、前面ガラス基板3上に形成された誘電体層8の断面構造の走査電子顕微鏡写真を示す。
図4に示すように、前面ガラス基板3上には、明確な層境界を有する複数のシリコン酸化物(SiO2)の多層膜が形成されている。形成された誘電体層8の膜厚は、2.85μmであり、形成された多層膜の各膜の膜厚は、約0.5μmであり、誘電体層8の上には、酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9が形成されている。
次に、従来のイオンプレーティング法、即ち、1対の透明電極4a、5a、及びバス電極4b、5bを形成した前面ガラス基板3を所定時間成膜室内において、搬送方向を切り替えることなく、シリコン酸化物(SiO2)膜を前面ガラス基板3上に堆積させて誘電体層を形成させた場合と、上記条件下で形成した誘電体層8について、パネル製造工程において行われる450℃以上の高温処理を行い、誘電体層の状態を比較した。
2.従来のPDPとの放電維持電圧及び発光効率の比較
次に、本実施の形態に係るPDP1を作製し、従来法により作成したPDPと放電維持電圧及び発光効率を比較した。
上記製造方法により、PDP1を作製した。
作製したPDP1のセルサイズは、50インチ、画素数(セル数)は、1920(水平)×1080(垂直)とした。
1セルピッチ(1隔壁ピッチ)は、200μm(水平方向)、形成した表示電極6の幅は、150μm、形成したバス電極4b、5bの幅は、70μm、形成した表示電極6の放電ギャップは、75μm、形成した隔壁14の高さは、110μm、形成した隔壁14の幅は、底面部で約80μm、頂部で約40μm、形成したアドレス電極12の幅は、100μm、形成した誘電体層8の膜厚(d)は15、20、25及び30μmの4種類、その比誘電率εは、4.5〜4.6、形成した保護層9の厚さは、0.8μm、形成した誘電体層13の厚さは、15μmであった。
又、試料1及び2の誘電体層8は、イオンプレーティング法により形成し、試料3及び4の誘電体層8は、ICP−CVD法により形成した。
(評価方法)
誘電体層8の代わりに、膜厚(d)が40μm、比誘電率(ε)が12.5、ε/dが0.31の誘電体層と、膜厚(d)が40μm、比誘電率(ε)が10.9、ε/dが0.27の誘電体層をそれぞれ用い、その他の構成を上記PDP1の構成と同一としたPDPをそれぞれ比較対照1及び2とし、各PDPについて、発光効率、放電維持電圧を比較した。
又、比較試料1の誘電体層の材料としては、ホウ珪酸ビスマス(BiO2―B2O3―SiO2)系ガラスを用い、比較試料2の誘電体層の材料としては、ホウ珪酸鉛(PbO−SiO2−B2O3)系ガラスを用いた。
発光効率は、各PDPについて測定した輝度及び消費電力に基づいて、輝度光束力/消費電力の値を算出し、比較することにより評価した。
具体的には、比較対照1のPDPについて算出した輝度光束力/消費電力の値を100として、PDP1の発光効率を相対的に評価した。
図7は、本比較試験の結果を示す。
図7に示すように、誘電体層の膜厚(d)が、比較対照1及び2に比べ半分以下の試料1及び2において、放電維持電圧を比較対照1及び2のPDPよりも35〜60V低くすることができるとともに、発光効率を同等以上に維持することができた。
又、本実験では、誘電体層8が、電極近傍において黄変するという現象は認められず、誘電体層8の光透過率が劣化することはなかった。
このように、本実施の形態に係る誘電体層8は、機械的強度の弱い比誘電率(ε)が小さい誘電体材料を用いて、膜厚(d)が厚い誘電体層を簡易迅速に形成することができるので、ε/dを小さくすることができ、従来に比べ、低い放電電圧で、高い発光効率を得ることができ、PDP駆動時における、誘電体層における電力消費を効果的に低減することができる。
(補足)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのは勿論である。
(1)例えば、本実施の形態における実施例では、誘電体層8の膜厚が30μmまで450℃以上の高温処理を行ってもクラックが生じないことを確認したが、多層膜構造を形成する各膜の膜厚が5μm以下であれば、30μm以上の膜厚の誘電体層8を形成することができる。例えば、比較試料1及び2と同じ膜厚の誘電体層8を形成しても、多層膜構造を形成する各層の膜厚が5μmを超えない限り、高温処理により、クラックは生じることはない。
(2)本実施の形態においては、ICP−CVD法及びイオンプレーティング法により、多層膜構造の誘電体層8を形成することとしたが、基板に対し、所定の角度で成膜物質を堆積させることができる方法であれば、他の方法を用いて、同様に本実施の形態にかかわる誘電体層8の形成方法を実現することができる。例えば、通常のCVD法を用いることとしてもよいし、蒸着法を用いることとしてもよい。
(3)本実施の形態に係る誘電体層8の製法は、減圧雰囲気下で成膜する、いわゆる薄膜プロセスで誘電体を形成する方法に適用することができる。
2、 前面板
3 前面ガラス版
4a、5a 透明電極
4b、5b バス電極
6 表示電極
7 ブラックストライプ
8、13 誘電体層
9 保護層
10 背面板
11 背面ガラス板
12 アドレス電極
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電空間
101 ICPコイル部
102 プラズマ
103 下部ガス吹きリング
104、201 基板搬送部104
105、207 成膜室
106 上部ガス供給口
202 プラズマガン
203 プラズマガイド用コイル
205 ハース
206 磁力発生部
208 排気装置
209 ガス供給装置
210 直流電源
211 第一中間電極
212 第二中間電極
213 プラズマビーム
1031 ガス放出口部
Claims (5)
- 第1の基板と第2の基板とが放電空間を挟んで対向配置され、第1の基板における、前記放電空間に臨む表面上に、電極と当該電極を被覆する誘電体層とが配設され、前記誘電体層が、減圧雰囲気下で成膜物質を第1の基板上に堆積させて形成されるプラズマディスプレイの製造方法であって、
第1の基板上に堆積された前記成膜物質は、比誘電率が5以下の誘電体物質からなり、
前記誘電体物質の第1の基板上への堆積工程は、
前記誘電体物質を基板の主面に対して第1の方向から堆積させる第1のステップと、
前記誘電体物質を基板の主面に対して第1の方向とは異なる第2の方向から堆積させる第2のステップと
を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前記第1及び第2のステップにおける誘電体物質の堆積は、一定方向から前記誘電体物質を堆積させながら、前記基板の搬送方向を順方向と逆方向とに切り替えて実行される
請求項1記載のプラズマディスプレイの製造方法。 - 前記第1及び第2のステップにおける堆積は、蒸着法、CVD法、ICP−CVD法、イオンプレーティング法の何れか1つの方法を用いて実行される
請求項2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 第1の基板と第2の基板とが放電空間を挟んで対向配置され、第1の基板における、前記放電空間に臨む表面上に、電極と当該電極を被覆する誘電体層とが配設され、前記誘電体層が、減圧雰囲気下で成膜物質を第1の基板上に堆積させて形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイパネルであって、
前記誘電体層は、多層膜構造を形成し、各層は、比誘電率が5以下の誘電体材料から構成され、前記各層の厚みが5μm以下である
プラズマディスプレイパネル。 - 第1の基板と第2の基板とが放電空間を挟んで対向配置され、第1の基板における、前記放電空間に臨む表面上に、電極と当該電極を被覆する誘電体層とが配設され、前記誘電体層が、減圧雰囲気下で成膜物質を第1の基板上に堆積させて形成されるプラズマディスプレイの製造方法であって、
第1の基板上に堆積された前記成膜物質は、各層の膜の厚みが5μm以下である多層膜構造であって、SiO2、SiOC、SiOF、SiCN、SiN、SiONの内の何れかである、比誘電率が5以下の誘電体物質からなり、
前記誘電体物質の第1の基板上への堆積工程は、
前記誘電体物質を基板の主面に対して第1の方向から堆積させる第1のステップと、
前記誘電体物質を基板の主面に対して第1の方向とは異なる第2の方向から堆積させる第2のステップとを含み、
前記第1及び第2のステップにおける堆積は、蒸着法、CVD法、ICP−CVD法、イオンプレーティング法の何れか1つの方法を用いて実行される
プラズマディスプレイパネルの製造方法。
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