JP4798941B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、排水性能と操縦安定性能の双方を高いレベルで両立した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気入りタイヤのトレッドパターンとしては、例えば図3に示すように、タイヤ周方向に対して平行に延びる複数本の周方向主溝101、102、103と、これらを横切って延びる複数本の傾斜溝104a、104b、104cを配設したものが一般的である。
【0003】
このようなトレッドパターンでは、主として、周方向溝を通じてタイヤの前後方向への排水を行い、傾斜溝を通じてタイヤの側方への排水を行うことによって、タイヤの排水性能を確保している。
【0004】
このようなトレッドパターンを有するタイヤにおいて、排水性能を向上させるための手段としては、溝幅を広げる等によりトレッド部踏面の溝面積率、いわゆるネガティブ率を大きくすることが有用であるが、単にネガティブ率を大きくするだけでは、陸部剛性が低下して、十分な操縦安定性能が得られない。
【0005】
このため、排水性能と操縦安定性能とを両立させたタイヤについて、従来より種々の検討がなされている。例えば特許文献1には、タイヤ周方向に対して平行に延びる周方向溝と、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる傾斜溝とを配設し、傾斜溝を、そのタイヤ周方向に対する延在角度がトレッド中央域で小さく、トレッド側方域で大きくなるように設定した、いわゆるハイアングル溝として形成したタイヤが記載されている。しかし、かかるタイヤでは傾斜溝の一端が、トレッド中央域に位置する陸部内で終端しているため、トレッド中央域での傾斜溝への水の取り込みが完全ではない場合があり、改良の余地があった。
【0006】
また、特許文献2には、トレッド中央域に位置し、タイヤ周方向に対して平行に延びる中央主溝と、トレッド端からパターンセンターに向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延び、比較的小さな角度で中央主溝に開口するハイアングル傾斜溝とを配設したタイヤが記載されている。しかし、かかるタイヤでは傾斜溝のパターンセンター側部分と周方向溝とによって形成される角部が、必然的に鋭角化した剛性の低い角部となり、操縦安定性を損なうおそれがあった。
【0007】
さらに、特許文献3及び4には、トレッド中央域に位置し、タイヤ周方向に対して平行に延びる中央主溝と、トレッド端からパターンセンターに向かってタイヤ周方向に対し傾斜して延び、比較的小さな角度で中央主溝に開口するハイアングル傾斜溝とを配設するとともに、傾斜溝のパターンセンター側部分と周方向溝とによって形成される角部に、先端に向けて高さが漸減する面取り部を設けたタイヤが記載されている。かかるタイヤでは、角部の先鋭化を抑制して、その剛性を高めることができるが、側方への排水性を重視しているため、中央主溝のタイヤ前後方向への流れが円滑ではなく、特にトレッド中央域の排水性に改良の余地があった。また、接地面内では面取り部が大きな空間となるため、タイヤノイズの悪化につながるおそれもあった。
【0008】
さらにまた、特許文献5には、トレッド部の中央域にタイヤ周方向に対して平行に延びるリブ状主陸部を設け、中央域からトレッド端に向かってタイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本の傾斜溝を設け、リブ状主陸部と第1傾斜溝の間に、傾斜溝の溝底に向かって陸部高さが漸減する上面を有する補助陸部を配設したタイヤが記載されている。かかるタイヤは、陸部剛性を損なうことなく接地中央域内に存在する水を傾斜溝内に速やかに取り込めるため、通常走行時の排水性能については優れている。しかしながら、制動時には、一旦取り込んだ傾斜溝内の水が補助陸部の上面を伝わって接地中央域に逆流しやすいため、制動時の排水性能については改良の余地があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平5−286312号公報
【特許文献2】
特開平10−278511号公報
【特許文献3】
特開平9−328003号公報
【特許文献4】
特開2001−71709号公報
【特許文献5】
特開2001−199207号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この発明の目的は、中間陸部の形状と剛性の適正化を図ることにより、排水性能と操縦安定性能の双方を高いレベルで両立した空気入りタイヤを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、トレッド部を中央域と両側方域とに区分した中央域に、タイヤ周方向に沿って延びる1対の中央主溝を配設して、これら中央主溝間にリブ状の中央陸部を区画し、各中央主溝とそれぞれに対応する側に位置するトレッド端との間に、タイヤ周方向に沿って延びる側方主溝を配設して、各中央主溝とこれに隣接する側方主溝との間に中間陸部を区画するとともに、トレッド端とこれに隣接する側方主溝との間に側方陸部を区画し、さらに、側方主溝から中央主溝側に向かってタイヤ周方向に対し45°以下の範囲の角度で傾斜して延び、中間陸部内で終端する複数本の第1傾斜溝と、トレッド端からタイヤ周方向に対し50〜90°の範囲の角度で傾斜して延び、側方主溝に開口する第2傾斜溝とを配設してなる空気入りタイヤにおいて、中間陸部は、中央主溝に隣接して位置し、タイヤ周方向に連続して延びるリブ状の陸部部分、及び該リブ状陸部部分と第1傾斜溝の間に位置し、リブ状陸部部分に面する底辺と、この底辺に対向し、第1傾斜溝の終端部上の溝底に位置する頂点とで略三角形をなし、かつ前記底辺から前記頂点に向かって一定の傾斜で面取りされたフラットな上面を有する疑似陸部部分を具え、前記頂点以外の第1傾斜溝の終端部では、前記第1傾斜溝の溝底と前記擬似陸部部分との間に段差が存在することを特徴とする空気入りタイヤである。
【0012】
ここで、「中央域」とは、タイヤ赤道面Eを中心とする、トレッド幅の5〜50%の領域をいい、「両側方域」とは、中央域の両側に位置する領域をいうものとする
【0013】
また、第1傾斜溝は、終端部の溝幅中央位置で、タイヤ周方向に対する延在角度が10〜45°の範囲にあることが好ましい。
【0014】
さらに、中央主溝は5〜15mmの幅を有することが好ましい。
【0015】
さらにまた、第1傾斜溝のタイヤ周方向配設ピッチは第2傾斜溝のそれの1.5倍以上であることがさらに好ましい。
【0016】
加えて、中央陸部は10〜25mmの幅を有することが好ましい。
【0017】
加えてまた、底辺に対向する頂点は第1傾斜溝の終端部と溝壁の境界位置に有り、疑似陸部部分の上面を構成する3辺のうち、底辺を除くいずれかの一辺は、第1傾斜溝の一方の溝壁の延長線に略一致することが好ましい。
【0018】
また、リブ状陸部部分は中央陸部の5〜40%の幅を有することが好ましい。
【0019】
さらに、疑似陸部部分の上面は、タイヤ周方向を含む平面とのなす角が110〜160°の範囲にあることが好ましい。
【0020】
さらにまた、疑似陸部部分の上面を構成する底辺と、これに対向する頂点との間の垂直距離が5〜27mmの範囲にあることが好ましい。
【0021】
加えて、第1傾斜溝は、タイヤ負荷転動時に中央域側から側方域側に向かって順次接地域内に入るように配設してなることが好ましい。
【0022】
この場合には、タイヤの回転方向が指定されており、側方主溝は、側方陸部の側壁を第2傾斜溝で区画された側方陸部部分ごとにタイヤ周方向に対して傾斜させて、タイヤ負荷転動時に各側方陸部部分の踏込み側から蹴出し側に向かって漸増する溝幅を有することが好ましく、底辺に対向する頂点は、第1傾斜溝の終端部と先行して接地域内に入る側の溝壁との境界位置にあることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明に従う空気入りタイヤ(以下、「タイヤ」という。)のトレッド部の一部の展開図であり、図2(a)は図1のA−A線における断面図であり、図2(b)は図1のB−B線における断面図である。
【0024】
図1に示すタイヤは、トレッド部1を中央域2と両側方域3a、3bとに区分した中央域2に、タイヤ周方向Cに沿って延びる1対の中央主溝4a、4bを配設して、これら中央主溝4a、4b間にリブ状の中央陸部5を区画する。また、各中央主溝4a、4bとそれぞれに対応する側に位置するトレッド端6a、6bとの間に、タイヤ周方向Cに沿って延びる側方主溝7a、7bを配設して、各中央主溝4a、4bとこれに隣接する側方主溝7a、7bとの間に中間陸部8a、8bを区画するとともに、トレッド端6a、6bとこれに隣接する側方主溝7a、7bとの間に側方陸部9a、9bを区画する。さらに、側方主溝7a、7bから中央主溝4a、4b側に向かってタイヤ周方向Cに対し比較的小さな角度で傾斜して延び、中間陸部8a、8b内で終端する複数本の第1傾斜溝10a、10bと、トレッド端6a、6bからタイヤ周方向Cに対し比較的大きな角度で傾斜して延び、側方主溝7a、7bに開口する第2傾斜溝11a、11bとを配設する。
【0025】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、中間陸部8a、8bは、中央主溝4a、4bに隣接して位置し、タイヤ周方向Cに連続して延びるリブ状の陸部部分12a、12b、及びこのリブ状陸部部分12a、12bと第1傾斜溝10a、10bの間に位置し、リブ状陸部部分12a、12bに面する底辺13と、この底辺13に対向し、第1傾斜溝10a、10bの終端部14a、14b上の溝底に位置する頂点15とで略三角形をなし、かつ、図2(a)に示すように、底辺13から頂点15に向かって一定の傾斜で面取りされたフラットな上面16を有する疑似陸部部分17を具えることことにあり、この構成を採用することにより、制動時を含めた走行時の排水性能と操縦安定性能の双方を高いレベルで両立することができる。
【0026】
すなわち、トレッド中央域2に中央主溝4a、4bを設け、トレッド側方域3a、3bに側方主溝7a、7bを設けることにより、トレッド接地域内に存在する水をタイヤの前後方向に円滑に排出することができ、高性能タイヤに必要な基本的排水性能を確保することができる。また、中央主溝4a、4b間にリブ状の中央陸部5を設けることにより、中央域2の陸部剛性が高まって操縦安定性能が向上する。
【0027】
また、第1傾斜溝10a、10bを設けることにより、トレッド踏面の中央域2内に存在する水を溝内に取り込みタイヤの側方に円滑に排出することができるため、排水性能がさらに向上する。
【0028】
加えて、トレッド端6a、6bと側方主溝7a、7bの間に第2傾斜溝11a、11bを配設することにより、コーナリング時の排水性能、特にウェット路面における基本的なトラクション性能とブレーキ性能を確保することができる。
【0029】
さらに、第1傾斜溝10a、10bをタイヤ周方向Cに対し比較的小さな角度で配設し、第2傾斜溝11a、11bをタイヤ周方向Cに対し比較的大きな角度で配設し、これらの溝をいわゆるハイアングル溝として形成することで、接地中央域での排水性能を高め、トレッド端6a、6b側に効率良く排水することができる。また、第1傾斜溝10a、10bを中間陸部8a、8b内で終端させることによって、従来のハイアングル溝を配設したタイヤにみられた鋭角化した角部の形成を防止でき、中央域2の陸部剛性を高まり、操縦安定性が向上する。
【0030】
そして、リブ状陸部部分12a、12bを配設することにより、中央域2の陸部剛性が一層高まるとともに、中間陸部8a、8bの陸部剛性が高まり、操縦安定性能がさらに向上する。加えて、リブ状陸部部分12a、12bの配設により中央主溝4a、4bは分岐溝を持たなくなるので、中央域2内に存在する水を、乱流を生じることなく、タイヤ前後方向に速やかに排出することができ、排水性が向上する。
【0031】
また、底辺13と頂点15とを含む平面で構成された上面16を有する疑似陸部部分17を配設することにより、リブ状陸部部分12a、12bが補強されて剛性がより一層高くなり、操縦安定性能が一層向上する。また、濡れた路面では、タイヤ接地時の中央域2内に存在する水を、疑似陸部部分17の上面に沿って第1傾斜溝10a、10bへ円滑に流入させて、タイヤ側方に排出することができ、これによって排水性能が一層向上する。特に疑似陸部部分17の上面16をフラットな形状にすることによって、排水効率を最大にすることができる。
【0032】
さらに、図2(b)に示すように、頂点15以外の第1傾斜溝10a、10bの終端部14a、14bでは、第1傾斜溝10a、10bの溝底18と疑似陸部部分17との間には段差gが存在するので、第1傾斜溝10a、10bに取り込んだ水が、制動時でもこの段差gによって疑似陸部部分17の上面16を伝わって逆流するのを防止することができ、制動時を含む走行時における排水性能、特にブレーキ性能が一層向上する。
【0033】
よって、この発明では、上記構成を採用することによって、排水性能と操縦安定性能の双方を高いレベルで両立することができる。
【0034】
また、第1傾斜溝10a、10bは、終端部14a、14bの溝幅中央位置Dにおいて、タイヤ周方向Cに対する延在角度αが10〜45°の範囲にあることが好ましい。角度αが10°未満の場合には、終端部14a、14b付近の中間陸部8a、8bの幅が細くなり、ブロック剛性が低下して操縦安定性が損なわれるおそれがあるからであり、45°を超える場合には、第1傾斜溝10a、10bの排水効率が低下するおそれがあるからである。
【0035】
さらに、中央主溝4a、4bは5〜15mmの幅wを有することが好ましい。幅wが5mm未満の場合には、中央域2のネガティブ率が不足して排水性能が低下するおそれがあるからであり、15mmを超える場合には、中央域2の陸部剛性が低下して操縦性能が低下するおそれがあるからである。
【0036】
さらにまた、第1傾斜溝10a、10bのタイヤ周方向配設ピッチPは第2傾斜溝11a、11bのタイヤ周方向配設ピッチPの1.5倍以上であることが好ましい。操縦安定性能を確保する観点からは、第1傾斜溝10a、10bのタイヤ周方向配設ピッチPを比較的大きくして中間陸部8a、8bの陸部剛性を確保することが好ましく、偏摩耗性能、ノイズ性能および乗心地性能を向上させる観点からは、第2傾斜溝11a、11bのタイヤ周方向配設ピッチPを比較的小さくして、中間陸部8a、8bに対比して側方陸部9a、9bを小さくすることが好ましく、PをPの1.5倍以上とすることでこれらの性能を同時にバランスよく満足することができるからである。特に第2傾斜溝11a、11bのタイヤ周方向配設ピッチPが比較的大きい場合には、第1傾斜溝10a、10bのタイヤ周方向配設ピッチPは第2傾斜溝11a、11bのタイヤ周方向配設ピッチPの2.0倍以下であることが好ましい。中間陸部8a、8bの周方向長さが過大になると、陸部剛性は確保できるものの、偏摩耗性能及びノイズ性能の悪化が懸念されるからである。なお、図1ではタイヤ側方への排水性を考慮して、第1傾斜溝10a、10bの延長上には第2傾斜溝11a、11bが位置するように、PをPの2倍とした例を示してある。
【0037】
加えて、中央陸部5は10〜25mmの幅wを有することが好ましい。幅wが10mm未満の場合には、中央陸部5の剛性が不足して操縦安定性能が低下するおそれがあるからであり、25mmを超える場合には、中央域2のネガティブ率が不足して排水性能が低下するおそれがある上、剛性が高くなりすぎて乗心地性が悪化するからである。
【0038】
また、図1に示すように、底辺13に対向する頂点15は第1傾斜溝10a、10bの終端部14a、14bと溝壁20a、20bの境界位置に有り、疑似陸部部分17の上面16を構成する3辺のうち、底辺13を除くいずれかの一辺21a、21bは、第1傾斜溝10a、10bの一方の溝壁20a、20bの延長線に略一致することが好ましい。かかる配置とすることにより、接地中央域に存在する水が、疑似陸部部分17の上面16を構成する先行接地側に位置する頂点15から第1傾斜溝10a、10bの終端部14a、14bの溝底18に向かって円滑に流入することができ、排水性が向上するからである。
【0039】
さらに、リブ状陸部部分12a、12bは中央陸部5の幅wの5〜40%の幅wを有することが好ましい。幅wが幅wの5%未満の場合には、リブ状陸部部分12a、12bの陸部剛性が不足し、操縦安定性能を向上させる効果が十分に発揮できないからであり、40%を超えると、中央域2のネガティブ率が不足して排水性能が低下するおそれがあるからである。
【0040】
さらにまた、図2に示すように、疑似陸部部分17の上面16は、タイヤ周方向Cを含む平面とのなす角βが110〜160°の範囲にあることが好ましい。角βが110°未満の場合には、リブ状陸部部分12a、12bを補強する効果が十分に得られなくなるおそれがあるからであり、160°を超える場合には、第1傾斜溝10a、10bの溝容積が極端に少なくなり、排水性能を悪化させるおそれがあるからである。
【0041】
加えて、疑似陸部部分17の上面16を構成する底辺13と、これに対抗する頂点15との間の垂直距離dが5〜27mmの範囲にあることが好ましい。垂直距離dが5mm未満の場合には、リブ状陸部部分12a、12bを補強する効果が十分に得られなくなるおそれがあるからであり、27mmを超える場合には、第1傾斜溝10a、10bの溝容積が極端に少なくなり、排水性能を悪化させるおそれがあるからである。
【0042】
また、第1傾斜溝10a、10bは、タイヤ負荷転動時に中央域2側から側方域3a、3b側に向かって順次接地域内に入るように配設してなることが好ましい。タイヤの転動に伴い、中央域2の水を疑似陸部部分17の上面16を通じて第1傾斜溝10a、10b内に円滑に取り込むことができ、排水性能が向上するからである。なお、図1ではタイヤの回転方向が矢印Rの方向であり、図1の下方から上方に向かって順次接地域内に入るようにトレッドパターンを形成したときの例である。
【0043】
さらに、側方主溝7a、7bは、側方陸部9a、9bの側壁22a、22bを第2傾斜溝11a、11bで区画された側方陸部部分23ごとにタイヤ周方向に対して傾斜させて、タイヤ負荷転動時に各側方陸部部分23の踏込み側から蹴出し側に向かって漸増する溝幅wを有することが好ましい。タイヤの転動に伴い、周方向溝7a、7b内の水を第2傾斜溝11a、11bを通じてタイヤの側方に円滑に排出することができ、排水性能が向上するからである。
【0044】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0045】
【実施例】
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し、性能評価を行ったので以下に説明する。
【0046】
実施例のタイヤは、図1に示すトレッドパターンを有し、疑似陸部の断面形状が図2(a)及び図2(b)に示すとおりであり、タイヤサイズが205/55R16であり、表1に示す諸元を有する乗用車用空気入りタイヤである。
【0047】
比較のため、タイヤサイズが実施例のタイヤと同じであり、図3に示す従来のトレッドパターンを有し、表2に示す諸元を有する乗用車用空気入りタイヤ(従来例)、図1と同様のトレッドパターンを有するものの、疑似陸部部分17が設けられておらず、A−A線及びB−B線における断面図がいずれも図4に示すとおりであり、表1に示す諸元を有する乗用車用空気入りタイヤ(比較例)についても併せて試作した。
【0048】
【表1】
Figure 0004798941
【0049】
【表2】
Figure 0004798941
【0050】
(試験方法)
前記各供試タイヤをJATMAで定める標準リム(6 1/2JJ)に取り付けてタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪を空気圧:230kPa、タイヤ負荷荷重:前席2名乗車相当の条件下で次の各試験を行った。
【0051】
(1)ウェット路面での操縦安定性能
ウェット状態のサーキットコースを各種走行モードにてスポーツ走行したときの操縦安定性能をプロのドライバーによるフィーリングによって評価した。
(2)ドライ路面での操縦安定性能
ドライ状態のサーキットコースを各種走行モードにてスポーツ走行したときの操縦安定性能をプロのドライバーによるフィーリングによって評価した。
(3)ウェット路面での排水性能(直進時)
水深5mmのウェット路面を通過時にハイドロプレーニング現象が発生する限界速度を測定し、この測定値から排水性能を評価した。
(4)ウェット路面での排水性能(コーナーリング時)
水深5mm、半径80mのウェット路面を通過時にハイドロプレーニング現象が発生する限界横Gを測定し、この測定値から排水性能を評価した。
【0052】
結果を表3に示す。なお、表3中の値は、いずれも従来例を100とした指数比で示してあり、いずれの場合も数値が大きいほど性能が優れている。
【0053】
【表3】
Figure 0004798941
【0054】
表3に示す評価結果から、実施例のタイヤは従来例及び比較例のタイヤに比べて排水性および操縦安定性のいずれもが優れていることが分かる。
【0055】
【発明の効果】
この発明により、中間陸部の形状と剛性の適正化を図ることにより、排水性能と操縦安定性能の双方を高いレベルで両立した空気入りタイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う空気入りタイヤのトレッド部の一部の展開図である。
【図2】 (a)は図1のA−A線における断面図であり、(b)は図1のB−B線における断面図である。
【図3】 従来の空気入りタイヤのトレッド部の一部の展開図である。
【図4】 比較例のタイヤのA−A線における断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 中央域
3a、3b 側方域
4a、4b 中央主溝
5 中央陸部
6a、6b トレッド端
7a、7b 側方主溝
8a、8b 中間陸部
9a、9b 側方陸部
10a、10b 第1傾斜溝
11a、11b 第2傾斜溝
12a、12b リブ状陸部部分
13 疑似陸部部分の底辺
14a、14b 第1傾斜溝の終端部
15 疑似陸部部分の頂点
16 疑似陸部部分の上面
17 疑似陸部部分
18 第1傾斜溝の溝底
19 補助陸部の踏面
20a、20b 第1傾斜溝の溝壁
21a、21b 疑似陸部部分の一辺
22a、22b 側方陸部の側壁
23 側方陸部部分

Claims (12)

  1. トレッド部を中央域と両側方域とに区分した中央域に、タイヤ周方向に沿って延びる1対の中央主溝を配設して、これら中央主溝間にリブ状の中央陸部を区画し、各中央主溝とそれぞれに対応する側に位置するトレッド端との間に、タイヤ周方向に沿って延びる側方主溝を配設して、各中央主溝とこれに隣接する側方主溝との間に中間陸部を区画するとともに、トレッド端とこれに隣接する側方主溝との間に側方陸部を区画し、さらに、側方主溝から中央主溝側に向かってタイヤ周方向に対し45°以下の範囲の角度で傾斜して延び、中間陸部内で終端する複数本の第1傾斜溝と、トレッド端からタイヤ周方向に対し50〜90°の範囲の角度で傾斜して延び、側方主溝に開口する第2傾斜溝とを配設してなる空気入りタイヤにおいて、
    中間陸部は、中央主溝に隣接して位置し、タイヤ周方向に連続して延びるリブ状の陸部部分、及び該リブ状陸部部分と第1傾斜溝の間に位置し、リブ状陸部部分に面する底辺と、この底辺に対向し、第1傾斜溝の終端部上の溝底に位置する頂点とで略三角形をなし、かつ前記底辺から前記頂点に向かって一定の傾斜で面取りされたフラットな上面を有する疑似陸部部分を具え、前記頂点以外の第1傾斜溝の終端部では、前記第1傾斜溝の溝底と前記擬似陸部部分との間に段差が存在することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 第1傾斜溝は、終端部の溝幅中央位置で、タイヤ周方向に対する延在角度が10〜45°の範囲にある請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 中央主溝は5〜15mmの幅を有する請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 第1傾斜溝のタイヤ周方向配設ピッチは第2傾斜溝のそれの1.5倍以上である請求項1〜3のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  5. 中央陸部は10〜25mmの幅を有する請求項1〜4のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  6. 底辺に対向する頂点は第1傾斜溝の終端部と溝壁の境界位置に有り、疑似陸部部分の上面を構成する3辺のうち、底辺を除くいずれかの一辺は、第1傾斜溝の一方の溝壁の延長線に略一致する請求項1〜5のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  7. リブ状陸部部分は中央陸部の5〜40%の幅を有する請求項1〜6のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  8. 疑似陸部部分の上面は、タイヤ周方向を含む平面とのなす角が110〜160°の範囲にある請求項1〜7のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  9. 疑似陸部部分の上面を構成する底辺と、これに対向する頂点との間の垂直距離が5〜27mmの範囲にある請求項1〜8のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  10. 第1傾斜溝は、タイヤ負荷転動時に中央域側から側方域側に向かって順次接地域内に入るように配設してなる請求項1〜9のいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記空気入りタイヤは回転方向が指定されており、側方主溝は、側方陸部の側壁を第2傾斜溝で区画された側方陸部部分ごとにタイヤ周方向に対して傾斜させて、タイヤ負荷転動時に各側方陸部部分の踏込み側から蹴出し側に向かって漸増する溝幅を有する請求項10記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記空気入りタイヤは回転方向が指定されており、底辺に対向する頂点は、第1傾斜溝の終端部と先行して接地域内に入る側の溝壁との境界位置にある請求項10又は11記載の空気入りタイヤ。
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