JP4798774B2 - 混合ガス供給システム - Google Patents
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Description
つまり質量流量は、図4の実線に示すように供給されるガス容積が一定であれば、ガスの温度変化、すなわちこのガスが充填されたボンベの温度変化の影響を受けることがない反面、体積流量は、図4の一点鎖線に示すように例え供給されるガスの容積が一定であったとしても、ボンベの温度変化の影響を受け、温度が高くなるほど流量が多くなるためである。
ちなみにボンベ内の使用環境(温度、圧力)をある値に決めうちで仮定して、なおかつ、流量計測部における温度および圧力を計測した計測値を用いて演算すればガスの基準温度の流量を求めることもできるものの、結局、ボンベ内の使用環境が不明であるため、演算された体積流量値は、誤差を多く含む値となり、管理値としては不向きであるという問題がある。
このため、ボンベのガスが空になり工程(プロセス)の稼働が停止したり、まだ残量があるにもかかわらずボンベを交換したりする等の不具合を招来することがあった。
特に前記流量監視部は、複数の前記ガスの基準温度をそれぞれ入力する入力部と、前記質量流量計測部によって計測された前記ガスの質量流量に、前記入力された前記ガスの基準温度の絶対温度を使用環境の絶対温度で除算することで得られる係数を乗算することにより、前記ガスの質量流量を基準温度ベースに換算する質量流量換算部と、を備えることを特徴としている。
或いは複数の前記ガス供給源は、それぞれ所定のボンベに充填されており、前記流量監視部は、これら複数の前記ボンベにそれぞれ充填された前記ガス毎の容量と前記積算流量演算部が求めた前記ガス毎の積算流量との差分から前記各ボンベのガス残量をそれぞれ求める残量演算部を備えて構成される。
より好ましくは複数の前記ガス供給源は、それぞれ所定のボンベに充填されてなり、これら複数の前記ボンベにそれぞれ充填された前記ガス毎の容量と前記積算流量演算部が求めた前記ガス毎の積算流量との差分から前記各ボンベのガス残量をそれぞれ求める残量演算部を備えることが望ましい。
上述の混合ガス供給システムは、複数のボンベにそれぞれ充填されたガス毎の容量と積算流量演算部が求めたガス毎の積算流量との差分から前記各ボンベのガス残量をそれぞれ求め、残量演算部によりそれぞれ換算された複数のガス毎の質量流量や積算流量演算部が求めた複数のガス毎の積算流量を例えば、出力部としてLEDや液晶パネル等のほか、所定の情報機器(例えば、携帯端末やパソコン)の表示画面に出力して表示する。
また、本発明の混合ガス供給システムは、積算流量演算部によって残量演算部が換算した複数のガス毎の質量流量と各ガスが所定の前記工程に供給された時間との積から複数のガス毎の積算流量をそれぞれ求めているので、基準温度がそれぞれ異なる複数のガスを混合したとしても、それぞれのガスの積算流量(ガス供給量)を正しく求めることができる。
この図において1は、混合対象のガスがそれぞれ充填されて、所定の工程(ガス負荷)にガスを混合して供給するガス供給源となる複数のボンベである。これら複数のボンベ1には、予めガス充填工場等にて所定の異なるガス種がそれぞれ充填される。そしてボンベ1に充填されたガスは、ガス導管路3aおよびガス配管路3bを介して図示しない下流側の工程(ガス負荷)へ供給される。
このガス混合部5にて混合されたガスは、ガス配管路3bを介して図示しない下流側の工程(ガス負荷)へ供給される。ガス混合部5の後段に位置するガス配管路3bには、混合されたガスの濃度を計測する濃度計測部6、この濃度計測部6が混合ガスの濃度を計測する際、ガス配管路3bを閉塞する閉止弁7および混合ガスの圧力を計測する圧力計測部8が設けられている。この濃度計測部6は、気体の質量流量を計測するマスフローメータ(MFM)を適用することができる。
具体的には、異なる2種類のガスAとガスBとを混合させた混合ガスを工程に供給する場合、ガスの混合比を、ガスA:ガスB=10:0、ガスA:ガスB=9:1、ガスA:ガスB=8:2、・・・、ガスA:ガスB=0:10というように変化させ、流量監視部20の制御部23が、そのとき濃度計測部6が計測した濃度を濃度情報保持部21に保持させる。このようにして複数のガスの混合比率を変化させ、そのとき濃度計測部6が計測した濃度情報を濃度情報保持部21に保持させる。
また本発明の混合ガス供給システムは、ボンベに充填されたガスの積算使用量、引いてはボンベに充填されたガスの残量を求めることも可能である。まず、流量監視部20の入力部22から、あるボンベ1に充填されたガスの基準温度Tn[℃]を予め入力する。そして使用状況下あるいは所定の環境条件におけるガスの使用温度をT[℃]とする。すると所定の環境条件を例えばT=0[℃]とし、質量流量計測部12が計測した流量がQn[m3/s]であるとすれば、ボイル・シャルルの法則から、質量流量計測部12が計測した流量QnをT=0[℃]に換算した流量Qは、次式で求めることができる。
=Qn×(273+Tn)/273[m3/s]
このようにして換算された質量流量を用いて、流量監視部20は、工程(ガス負荷)にガスが供給された時間tとの積を求め、積算流量演算部26が積算流量すなわちガス負荷に供給された供給量V[m3]を求める。
V=∫Qdt
なる演算を施して供給量V[m3]を求める。そして、残量演算部27は、入力部22から入力された各ボンベ1毎のガス充填容量V0[m3]からこの求めた供給量V[m3]を差し引いてボンベ1内のガス残量を求める。
かくして本発明の混合ガス供給システムは、濃度情報保持部21にて予め校正情報として複数の混合ガスの混合比を変化させたとき、濃度計測部6が計測した濃度情報と混合比との相関関係を保持しているので、ガス導管路3aにそれぞれ介挿された流量制御装置の流量を制御して複数のガス混合比と、濃度情報保持部に保持された濃度情報とを比較して差分を求め、所望のガス混合比を維持することができる。したがって、本発明の混合ガス供給システムは、ガス負荷の流量が変化したとしても所望のガス混合比を維持すること可能である。
このようにすることで流量監視部20は、混合したガスがリークしたり何らかの原因で適切な混合比が得られなくなったりしたことをより確実に検出することができる。例えば、ガスリークが生じた場合、流量監視部20は、圧力計測部8が計測した混合ガスの圧力変動情報から知ることができる。
3a ガス導管路
3b ガス配管路
5 ガス混合部
6 濃度計測部
7 閉止弁
8 圧力計測部
10 流量制御装置(MFC)
11 調整弁
12 質量流量計測部
13 設定部
14 弁制御部
20 流量監視部
21 濃度情報保持部
22 入力部
23 制御部
24 流量比設定部
25 流量換算部
26 積算流量演算部
27 残量演算部
28 表示部
Claims (6)
- 複数のガス導管路にそれぞれ介挿されて、指示された流量指令に従ってこれらガス導管路に流れるガスの質量流量をそれぞれ制御する複数の流量制御装置と、
この流量制御装置によって質量流量が制御された複数の前記ガスを混合するガス混合器と、
このガス混合器で混合された前記ガスを所定の工程に導くガス配管路に設けられて、前記ガス混合器で混合された混合ガスの濃度を計測する濃度計測部と、
予め校正されて、前記ガス混合器で混合された各ガスの混合比と前記濃度計測部が計測した混合ガスの濃度との相関関係を校正情報として保持する濃度情報保持部と、
前記ガス混合器によって混合される複数の前記ガスの混合比を設定する混合比設定部と、
この混合比設定部によって設定された混合比と、前記濃度計測部が計測した混合ガスの濃度から前記濃度情報保持部が保持する校正情報に基づいて導かれる各ガスの混合比との差分を求め、この差分に基づいて、前記流量制御装置にそれぞれの前記ガスの流量指令を出力して複数の前記ガス導管路をそれぞれ流れるガスの質量流量を制御する流量監視部とを備えることを特徴とする混合ガス供給システム。 - 前記流量制御装置は、複数の前記ガス配管路にそれぞれ介挿されて、これらガス配管路に流れるガス流量を調整する調整弁と、
この調整弁の後段の前記ガス配管路に介挿されて、このガス配管路に流れる前記ガスの質量流量を計測する質量流量計測部と、
この質量流量計測部が計測した質量流量と予め設定された質量流量とを比較して前記調整弁の開度を調整し、上記設定された質量流量にする弁制御部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の混合ガス供給システム。 - 前記流量監視部は、複数の前記ガスの基準温度をそれぞれ入力する入力部と、
前記質量流量計測部によって計測された前記ガスの質量流量に、前記入力された前記ガスの基準温度の絶対温度を使用環境の絶対温度で除算することで得られる係数を乗算することにより、前記ガスの質量流量を基準温度ベースに換算する質量流量換算部と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の混合ガス供給システム。 - 前記流量監視部は、複数の質量流量計測部がそれぞれ計測した前記ガス毎の質量流量と前記各ガスが前記工程に供給された時間との積から前記ガス毎の積算流量をそれぞれ求める積算流量演算部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の混合ガス供給システム。
- 複数の前記ガス供給源は、それぞれ所定のボンベに充填されてなり、
前記流量監視部は、これら複数の前記ボンベにそれぞれ充填された前記ガス毎の容量と前記積算流量演算部が求めた前記ガス毎の積算流量との差分から前記各ボンベのガス残量をそれぞれ求める残量演算部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の混合ガス供給システム。 - 前記流量監視部は、前記残量演算部によりそれぞれ換算された複数の前記ガス毎の質量流量および/または前記積算流量演算部が求めた複数の前記ガス毎の積算流量を出力する出力部を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の混合ガス供給システム。
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