以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、図1に示すように構成されたネットワーク連携システムにおける連携モジュールに適用される。このネットワーク連携システムは、センターサーバファーム1によって、宅内サブネットワーク2と宅外サブネットワーク3との連携を取って相互のデバイスを動作させるものである。
このネットワーク連携システムにおいて、センターサーバファーム1と宅内サブネットワーク2とは汎用のネットワークとしてインターネットによって接続されると共に、センターサーバファーム1と宅外サブネットワーク3とは汎用のネットワークとしてインターネットによって接続されている。なお、図示はしていないが、センターサーバファーム1には複数の宅内サブネットワーク2及び複数の宅外サブネットワーク3が接続されているものとする。また、センターサーバファーム1は、宅内サブネットワーク2のデバイスを制御・監視するコントローラとして、携帯電話4と接続されて、当該携帯電話4からのリクエストを受け付けると共に、当該リクエストに対するレスポンスを携帯電話4に返信する。
宅内サブネットワーク2は、住宅に設置されたデバイスとして、ドアホン11,電気錠12,照明器具13,防犯センサ14(以下、総称して、「宅内デバイス」と呼ぶ。)がネットワーク接続されてなる。これら宅内デバイスは、宅内サブネットワーク2に含まれる宅内コントローラ15と接続されている。この宅内コントローラ15は、センターサーバファーム1と通信を行い、当該センターサーバファーム1からのリクエストに応じて、宅内デバイスの状態をセンターサーバファーム1に通知する処理や、宅内デバイスを動作させる処理を行う。
また、宅外サブネットワーク3は、複数の街路灯21aと人感センサ21bとが一体化した宅外デバイスがネットワーク接続されてなる。複数の街路灯21aは、例えば、宅内サブネットワーク2が構築された住宅の出口に面した街路に沿って間隔を介して設けられている。また、複数の人感センサ21bは、街路灯21a付近を歩行する歩行者を検知可能に設けられている。これらの宅外デバイスは、宅外サブネットワーク3に含まれる宅外(街路灯)コントローラ22と接続されている。この宅外コントローラ22は、センターサーバファーム1と通信を行い、当該センターサーバファーム1からのリクエストに応じて、宅内デバイスの状態をセンターサーバファーム1に通知する処理や、宅内デバイスを動作させる処理を行う。
宅内サブネットワーク2で宅内デバイス同士及び宅内デバイスと宅内コントローラ15とを接続する方式、宅外サブネットワーク3で宅外デバイス同士及び宅外デバイスと宅外コントローラ22とを接続する方式としては、例えば、機器埋め込み型ネットワーク技術(EMIT(Embedded Micro Internetworking Technology)、以下、EMIT技術と称する。)を利用したもので良く、宅内デバイスと宅内コントローラ15とがパルス幅を変調するベースバンド伝送を行うことによって信号の送受信を実現する所定の多重伝送方式(エヌマスト通信)や、LON(Local Operating Network)と称される分散制御ネットワーク技術を利用するものであっても良い。
更に、センターサーバファーム1は、宅内サブネットワーク2と宅外サブネットワーク3との連携をとる連携モジュール31に、宅内サブネットワーク2の宅内コントローラ15と接続された宅内システムサーバ32と、宅外サブネットワーク3の宅外コントローラ22と接続された宅外システムサーバ33と、宅内サブネットワーク2と宅外サブネットワーク3とを連携させるための情報を格納した連携用データベース34とを備える。
宅内システムサーバ32は、図2に示すように、バス41に、携帯電話4等のユーザが保持して、宅内デバイスの制御、監視をするためのクライアント端末と通信を行うユーザインターフェース42と、宅内サブネットワーク2の宅内デバイスを制御、監視等するために宅内デバイスの場所情報を少なくとも格納した宅内用データベース43と、宅内サブネットワーク2の宅内コントローラ15と通信を行う宅内コントローラインターフェース44とを備える。
この宅内システムサーバ32は、ユーザからのリクエストをユーザインターフェース42を介して宅内コントローラインターフェース44で受信すると、当該リクエストに応じて、どの住宅のどの宅内デバイスを動作させるのかを宅内用データベース43を参照して判定して、宅内コントローラ15にリクエストを送信する。また、宅内システムサーバ32は、宅内コントローラ15から宅内デバイスの状態を通知する信号を受信した場合には、当該宅内デバイスの状態をユーザインターフェース42を介してユーザに通知する。これによって、ユーザは、宅内システムサーバ32にアクセスするのみで、宅内デバイスの状態を知ることができ、宅内デバイスが動作するように制御できる。
このように、宅内サブネットワーク2及び宅内システムサーバ32を備えることにより、例えば、防犯センサ14が作動した時に携帯電話4にその旨を通知でき、ユーザからのリクエストによって電気錠12を施錠状態に制御できる。
宅外システムサーバ33は、バス51に、街路灯21aの制御、街路灯21a及び人感センサ21bの監視をするための管理者端末と通信を行うユーザインターフェース52と、街路灯21a及び人感センサ21bを制御、監視等するために宅外デバイスの場所情報を少なくとも格納した宅外用データベース53と、宅外サブネットワーク3の宅外コントローラ22と通信を行う宅外コントローラインターフェース54とを備える。
この宅外システムサーバ33は、管理者端末からのリクエストをユーザインターフェース52を介してユーザインターフェース52で受信すると、当該リクエストに応じて、どの地区のどの街路灯21aを動作させるのかを宅外用データベース53を参照して判定して、宅外コントローラ22にリクエストを送信する。また、宅外システムサーバ33は、宅外コントローラ22から宅外デバイスの状態を通知する信号を受信した場合には、当該宅外デバイスの状態をユーザインターフェース52を介してユーザに通知する。これによって、管理者端末は、宅外システムサーバ33にアクセスするのみで、宅外デバイスの状態を知ることができ、宅外デバイスが動作するように制御できる。
このように、宅外サブネットワーク3及び宅外システムサーバ33を備えることにより、街路灯21aの玉切れを宅外コントローラインターフェース54で検知して管理者端末に通知でき、管理者端末からのリクエストによって街路灯21aの照度を制御できる。
このように宅内サブネットワーク2及び宅外サブネットワーク3をそれぞれ独立に制御できる構成を備えたネットワーク連携システムは、連携モジュール31及び連携用データベース34とを備えることによって、宅内サブネットワーク2の動作と宅外サブネットワーク3の動作とを連携させることができる。
連携モジュール31は、宅内サブネットワーク2の宅内デバイスでイベントが発生した場合、当該イベントを発生させた宅内デバイスの場所情報とイベント内容とを、宅内サブネットワーク2から宅内コントローラインターフェース44を介して受信する。次に、連携モジュール31は、連携用データベース34を参照して、当該宅内デバイスで発生したイベント内容と連携する宅外デバイスの動作、宅内デバイスの場所情報と連携する宅外デバイスの場所情報を認識する。次に、連携モジュール31は、連携する宅外デバイスの場所情報及び動作内容を含む制御信号を宅外コントローラインターフェース54に出力し、宅外コントローラインターフェース54から宅外コントローラ22に制御信号を転送させる。これによって、宅外コントローラ22は、制御信号に含まれる場所情報で特定される宅外デバイスを、制御信号に含まれる動作内容で動作させることができる。
宅外サブネットワーク3の宅外デバイスでイベントが発生した場合、連携モジュール31は、当該イベントを発生させた宅外デバイスの場所情報とイベント内容とを、宅外サブネットワーク3から宅外コントローラインターフェース54を介して受信する。次に、連携モジュール31は、連携用データベース34を参照して、当該宅外デバイスで発生したイベント内容と連携する宅内デバイスの動作内容、宅外デバイスの場所情報と連携する宅内デバイスの場所情報を認識する。次に、連携モジュール31は、連携する宅内デバイスの場所情報及び動作内容を含む制御信号を宅内コントローラインターフェース44に出力し、宅内コントローラインターフェース44から宅内コントローラ15に制御信号を転送させる。これによって、宅内コントローラ15は、制御信号に含まれる場所情報で特定される宅内デバイスを、制御信号に含まれる動作内容で動作させることができる。
このようなデバイス分散型のネットワーク連携システムにおいて、宅内デバイスと宅内システムサーバ32とがEMIT技術を利用して通信をし、宅外デバイスと宅外システムサーバ33とがEMIT技術を利用して通信をする場合のセンターサーバファーム1の構成を図3に示す。
このEMIT技術は、携帯電話4やパーソナルコンピュータ等のユーザ端末、宅内デバイスや宅外デバイス、宅内システムサーバ32、宅外システムサーバ33といったネットワーク機器にEMITミドルウェアを組み込み、当該EMITミドルウェア同士の通信によって通信接続を実現するものである。
宅内デバイス及び宅外デバイスには、図4に示すように、EMITミドルウェア間で各種宅内デバイス及び宅外デバイスの制御信号や宅内デバイス及び宅外デバイスの状態信号等を送受するMOS(Micro Object Server)機能部61が実装され、宅内コントローラ15,宅外コントローラ22,センターサーバファーム1の宅内コントローラインターフェース44,宅外コントローラインターフェース54には、EMITミドルウェア間におけるルーティング処理、宅内デバイス及び宅外デバイスの認識処理等を行うOAS(Object Access Server)機能部71が実装され、携帯電話4及び管理者端末には、制御対象の宅内デバイス及び宅外デバイスへの制御・監視リクエストを出力すると共に宅内デバイス及び宅外デバイスの状態表示等を行うOAL(Object Access Library)機能部(図示せず)が実装されている。
このセンターサーバファーム1は、宅内コントローラインターフェース44及び宅外コントローラインターフェース54と接続されて連携用データベース34を参照できる宅内側連携モジュール31Aと、宅外コントローラインターフェース54及び宅内コントローラインターフェース44と接続され連携用データベース34を参照できる宅外側連携モジュール31Bとが追加されている。宅内側連携モジュール31Aは、宅内コントローラインターフェース44に付属する追加モジュールであり、宅外側連携モジュール31Bは、宅外コントローラインターフェース54に付属する追加モジュールである。
宅内側連携モジュール31Aは、宅内コントローラインターフェース44から信号を受信した場合に、連携用データベース34を参照して、宅外コントローラインターフェース54に信号を転送する機能を受け持ち、宅外側連携モジュール31Bは、宅外コントローラインターフェース54から信号を受信した場合に、連携用データベース34を参照して、宅内コントローラインターフェース44に信号を転送する機能を受け持つ。
宅内デバイス及び宅外デバイスは、図4に示すように、MOS機能部61に、アプリケーション処理部62、インターフェースモジュール63が接続されている。
アプリケーション処理部62は、例えばセンサとして機能する場合に、検出値を取得するアプリケーションコードが記憶されており、検出値を保持してMOS機能部61に受け渡す。
インターフェースモジュール63は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおけるデータリンク層、ネットワーク層、トランスポート層の処理を行う。例えばデータリンク層においてイーサネット(登録商標)に従った処理を行い、ネットワーク層においてIP(Internet Protocol)に従った処理を行い、トランスポート層においてTCP(Transmission Control Protocol)に従った処理を行う。このインターフェースモジュール63の通信プロトコルバージョン、通信速度といった能力は、能力テーブル64に格納されて、OAS機能部71によって取得可能となっている。
MOS機能部61は、アプリケーション処理部62によるアプリケーション層とインターフェースモジュール63によるトランスポート層との間のEMITミドルウェアとして機能する。このMOS機能部61には、OAS機能部71によって、宅内デバイス及び宅外デバイスがEMITにおけるオブジェクトであることを識別するために、オブジェクトID61dが与えられている。このオブジェクトID61dは、OAS機能部71と通信するに際して、センターサーバファーム1に送信するパケットに格納される。
MOS機能部61は、機能(function)61a、イベント(event)61b、変数(variable)61cで定義された動作を行う。このMOS機能部61の動作は、サービステーブル61eして定義されており、センターサーバファーム1のOAS機能部71によって、インターフェースIDとして取得可能となっている。
宅内デバイス及び宅外デバイスがセンサである場合、機能61aは、検出値の出力機能となり、イベント61bは、例えば検出値が所定値となったら検出値を出力するイベントとなり、変数61cは、検出値そのものとなる。このような宅内デバイス及び宅外デバイスは、検出値が所定値となるとイベント61bでイベントを発生させ、機能61aによって変数61cの検出値を出力する。
OAS機能部71は、サーバ機能部72、通信モジュール73が接続されている。
サーバ機能部72は、OAS機能部71及び通信モジュール73を統括制御する。このサーバ機能部72は、ユーザ及び管理者がある宅内デバイス及び宅外デバイスを制御・監視する通信をしたい場合には、その旨のリクエストが供給され、当該リクエストに対するレスポンスを携帯電話4又は管理者端末に、通信モジュール73を介して返信する。
通信モジュール73は、宅内デバイス及び宅外デバイスのインターフェースモジュール63との間で通信を行うと共に、他のOAS機能部71が実装された装置の通信モジュール73と通信を行う。この通信モジュール73は、OSI参照モデルにおけるデータリンク層、ネットワーク層、トランスポート層の処理を行う。例えばデータリンク層においてイーサネット(登録商標)に従った処理を行い、ネットワーク層においてIPに従った処理を行い、トランスポート層においてTCPに従った処理を行う。個々の宅内デバイス及び宅外デバイスが様々なインターフェースモジュール63で構成されている場合、通信モジュール73は、デバイスアクセスコントローラ71cの制御に従って、宅内デバイス及び宅外デバイスや他のOAS機能部71を備えた装置ごとの通信プロトコルバージョン、通信速度といった宅内デバイス及び宅外デバイスの能力に応じた通信処理を行う。
OAS機能部71は、サーバ機能部72の処理と通信モジュール73によるトランスポート層処理との間のEMITミドルウェアとして機能する。このOAS機能部71は、デバイスアクセスサーバ71a、所定のメモリに格納されたサービス情報71b、デバイスアクセスコントローラ71cを備えて構成されている。
デバイスアクセスサーバ71aは、クライアント(OAL)との間で通信を行うために、クライアントからのリクエストを通信モジュール73及びサーバ機能部72を介して受信する。そしてデバイスアクセスサーバ71aは、当該リクエストをデバイスアクセスコントローラ71c及び通信モジュール73を介して宅内デバイス及び宅外デバイスに送信する動作を制御する。これによって、デバイスアクセスコントローラ71cは、クライアントからの要求を宅内デバイス及び宅外デバイスに伝達して、宅内デバイス及び宅外デバイスを制御する。
デバイスアクセスコントローラ71cは、宅内デバイス及び宅外デバイスのインターフェース定義及びサービス情報を取得するために、通信モジュール73を介して宅内デバイス及び宅外デバイスのサービステーブル61e及び能力テーブル64を検索する。これによって、デバイスアクセスコントローラ71cは、各宅内デバイス及び宅外デバイスがどのようなサービス(機能61a、イベント61b、変数61c)を有するかを判断して、各宅内デバイス及び宅外デバイスのオブジェクトID61dとサービスリストとの対応関係を示すサービス情報71bを作成する。また、デバイスアクセスコントローラ71cは、各宅内デバイス及び宅外デバイスがどのような能力(通信プロトコルバーション、通信速度)を有するかを認識する。
デバイスアクセスコントローラ71cは、MOS機能部61でイベントのイベントパケットを通信モジュール73で受信すると、デバイスアクセスコントローラ71cによって当該イベントパケットを解析して、デバイスアクセスサーバ71aに通知する。また、クライアントからのリクエストを宅内デバイス及び宅外デバイスに送信する場合には、当該リクエストに応答できるMOS機能部61を、サービス情報71bを参照して認識する。そして、当該リクエストに送信先のオブジェクトID61dを付加し、宅内デバイス及び宅外デバイスの能力に合わせて通信モジュール73から宅内デバイス及び宅外デバイスにパケットを送信させる。
また、OAS機能部71には、他のEMITミドルウェア対応機器が当該OAS機能部71を識別するために、オブジェクトID71dが与えられている。このオブジェクトID71dは、宅内デバイス及び宅外デバイスのMOS機能部61や、他のOALが実装されたクライアント(パーソナルコンピュータ)等のEMITミドルウェア対応機器と通信するに際して、送信するパケットに格納される。
このようなMOS機能部61を備えた宅内デバイス及び宅外デバイス及びOAS機能部71を備えたセンターサーバファーム1を有するネットワーク通信システムにおいて、宅内用データベース43は、図5(a)に示すように構成され、宅外用データベース53は、図5(b)に示すように構成され、連携用データベース34は、図5(c)に示すように構成される。
図5(a)に示す宅内用データベース43には、宅内デバイスごとに、宅内サブネットワーク2の住宅IDと、宅内デバイスのオブジェクトID61dである機器IDと、MOS機能部61における機能61a、イベント61b、変数61cの構成情報と関連付けられた機器種別IDであるインターフェースIDと、現在の宅内デバイスの状態(アプリケーション状態)を表す最終状態情報とが格納されている。
また、図5(b)に示す宅外用データベース53は、街路灯21aごとに、宅外サブネットワーク3の地区IDと、宅外デバイスのオブジェクトID61dである街路灯IDと、MOS機能部61における機能61a、イベント61b、変数61cの構成情報と関連付けられた機器種別IDであるインターフェースIDと、現在の宅外デバイスの状態(アプリケーション状態)を表す最終状態情報とが格納されている。なお、図5(b)では、オブジェクトID61dとして街路灯IDと示しているが、人感センサ21bのセンサIDをオブジェクトID61dとして含んでいることは勿論である。
更に、図5(c)に示す連携用データベース34には、住宅IDと、地区IDと、オブジェクトID61dである街路灯IDと、宅内サブネットワーク2で発生したイベントに対する連携する宅外サブネットワーク3の動作及び宅外サブネットワーク3で発生したイベントに連携する宅内サブネットワーク2の動作を示す連動設定情報とが対応付けられて格納されている。この連携設定情報は、連携する宅内サブネットワーク2の動作と宅外サブネットワーク3の動作(対応イベント)との実行フラグが含まれている。なお、連携用データベース34には、宅内サブネットワーク2又は宅外サブネットワーク3の一方と、宅外サブネットワーク3又は宅内サブネットワーク2の他方との連携のみを格納したものであっても良い。
このような各種データベースを有するセンターサーバファーム1は、連携動作するイベントが宅内デバイスで発生したと宅内コントローラ15で判定した場合には、当該イベント及び宅内デバイスのオブジェクトID61dを含むイベント発生通知信号を宅内コントローラインターフェース44に送信し、宅内コントローラインターフェース44は、当該イベント発生通知信号を宅内側連携モジュール31Aに渡す。
宅内側連携モジュール31Aは、受信したイベント発生通知信号に含まれるイベント及びオブジェクトID61dから、宅内用データベース43のオブジェクトID61dに対応した住宅ID及びイベント(インターフェースID)を参照して、連携用データベース34に連携動作する宅外サブネットワーク3の動作が存在するかを判定する。そして、宅外サブネットワーク3で発生させる動作が存在する場合には、連携用データベース34の地区ID及び街路灯IDを読み出して、宅外サブネットワーク3で発生させる動作、街路灯IDを含むリクエスト信号を宅外コントローラインターフェース54に渡す。
これによって、宅外コントローラインターフェース54は、街路灯IDであるオブジェクトID61d及び動作を含むリクエスト信号を受信すると、OAS機能部71によって、当該リクエスト信号を宅外コントローラ22に転送し、宅外コントローラ22のOAS機能部71によって、リクエスト信号に含まれるオブジェクトID61dの宅外デバイスに制御信号を送信する。
これによって、宅内サブネットワーク2で発生したイベントに連携して、宅外サブネットワーク3で動作を発生させることができる。また、宅外サブネットワーク3で発生したイベントが宅外コントローラ22及び宅外コントローラインターフェース54を介して宅外側連携モジュール31Bに供給された場合でも、上述と同様に、宅外側連携モジュール31Bによって連携用データベース34を参照して、宅内サブネットワーク2で動作を発生させるリクエスト信号を宅内コントローラインターフェース44介して、宅内コントローラ15に受信させて、宅内デバイスを動作させることができる。
つぎに、上述のように構成されたネットワーク連携システムにおいて、宅内サブネットワーク2の宅内デバイスと宅外サブネットワーク3の宅外デバイスとが連携動作する具体的な例について説明する。
先ず、図6に示すように、宅内サブネットワーク2が構築された住宅の住人がドアから外出する時に、当該住宅の出口に面した街路に沿って間隔を介して設けられた複数の街路灯21aのうち、住宅の出口に該当する地区の街路灯21aの照度を上昇させるネットワーク連携システムの動作について説明する。
ネットワーク連携システムは、図7に示すように、先ず、ステップS1において、電気錠12によってドアが開状態になされて、その後に閉状態になされたことを検知して、当該状況を表す変数61c又はイベント61bが宅内コントローラ15のOAS機能部71に通知される。これによって、宅内コントローラ15のOAS機能部71は、ステップS2において、住人が外出したことを示すイベント(外出イベント)が発生したことを判定し、ステップS3において、当該外出イベントと電気錠12のオブジェクトID61dとを含むイベント発生通知信号をセンターサーバファーム1に送信する。ここで、宅内デバイスのMOS機能部61から宅内コントローラ15のOAS機能部71への信号送信、宅内コントローラ15のOAS機能部71から宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71への信号送信は、EMITミドルウェアにおけるOAP(Object Access Protocol)に準拠した処理である。
なお、図1には図示していないが、電気錠12のセンサ出力のみならず、玄関内の人感センサが宅内デバイスとして設置されている場合には、電気錠12のセンサ出力と人感センサのセンサ出力とを組み合わせて、住宅の住人が外出したことを判定しても良い。すなわち、この図7を参照した説明における宅内デバイス群は、住宅から人物が外出することを検知するための外出検知センサであればよい。
次に、センターサーバファーム1の宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71は、ステップS4において、宅内コントローラ15のOAS機能部71からイベント発生通知信号を受信すると、ステップS5において、当該イベント発生通知信号の送出先の宅内側連携モジュール31Aにイベント発生通知信号を転送する。なお、宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71には、予めイベント発生通知信号の送出先として宅内側連携モジュール31Aにルーティングする設定が登録されている。
次に、宅内側連携モジュール31Aは、ステップS6において、受信したイベント発生通知信号に含まれる電気錠12のオブジェクトID61d及び外出イベントを取り出して、連携用データベース34を参照する。そして、電気錠12のオブジェクトID61dに対応した住宅IDを宅内用データベース43を参照して取得し、連携用データベース34に、取得した住宅ID及び外出イベントに該当する宅外サブネットワーク3の動作が含まれているか否かを判定する。そして、取得した住宅ID及び外出イベントに連携する宅外サブネットワーク3の動作(照度上昇動作)が連携設定情報として登録されている場合、ステップS7において、連携用データベース34で対応した地区ID及び街路灯ID、宅外サブネットワーク3で発生させる照度上昇動作を宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71に通知する。なお、この照度上昇動作は、点灯している街路灯21aの照度を上昇させる動作のみならず、消灯している街路灯21aを点灯状態に切り換える動作を含む。
次に、宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71は、ステップS8において、ステップS7で宅内側連携モジュール31Aから送信された照度上昇動作を受信すると、ステップS9において、宅内側連携モジュール31Aから送信された地区ID及び街路灯ID、宅外サブネットワーク3で発生させる照度上昇動作を含むリクエスト信号を宅外コントローラ22にルーティングする。ここで、宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71から宅外コントローラ22のOAS機能部71への信号送信は、EMITミドルウェアにおけるOAPに準拠した処理である。
次に、宅外コントローラ22のOAS機能部71は、ステップS10において、ステップS9で送信されたリクエスト信号に含まれる照度上昇動作から、当該照度上昇動作を含む制御信号を作成し、街路灯IDで特定される街路灯21aに送信する。
次に、街路灯21aのMOS機能部61は、ステップS10で送信された制御信号を受信すると、制御信号に従って照度上昇動作を行い、住宅の出口を照らすように照度を上昇させる動作、又は、消灯している状態から点灯している状態に切り換える動作を行う。
このように、ネットワーク連携システムは、宅内サブネットワーク2と宅外サブネットワーク3とが独立したシステムサーバ44,54で管理されていても、住宅で発生したイベントを、宅内サブネットワーク2から宅外サブネットワーク3に通知し、当該住宅の出口に該当する地区の街路灯21aのみを動作させることができる。
つぎに、図8に示すように、宅内サブネットワーク2が構築された住宅に侵入者の存在が検知された時に、当該住宅の出口に面した街路に沿って間隔を介して設けられた複数の街路灯21aのうち、住宅の出口に該当する地区の街路灯21aの照度を上昇させて、侵入者を威嚇するネットワーク連携システムの動作について説明する。
ネットワーク連携システムは、図9に示すように、先ず、ステップS21において、防犯センサ14が人物の存在を検知して、当該状況を表す変数61c又はイベント61bが宅内コントローラ15のOAS機能部71に通知される。これによって、宅内コントローラ15のOAS機能部71は、ステップS22において、侵入者が存在することを示すイベント(侵入者検知イベント)が発生したことを判定し、ステップS23において、当該侵入者検知イベントと防犯センサ14のオブジェクトID61dとを含むイベント発生通知信号をセンターサーバファーム1に送信する。
なお、図1には図示していないが、防犯センサ14のセンサ出力のみならず、他のセンサ出力を組み合わせて、侵入者検知イベントを発生させても良く、外出イベントが発生した後に、帰宅イベントが発生していない間に防犯センサ14が動作した場合に侵入者検知イベントを発生させても良い。すなわち、この図7を参照した説明における宅内デバイス群は、外部から住宅への侵入者の存在を検知するための侵入者検知センサであればよい。
次に、センターサーバファーム1の宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71は、ステップS24において、宅内コントローラ15のOAS機能部71からイベント発生通知信号を受信すると、ステップS25において、当該イベント発生通知信号の送出先の宅内側連携モジュール31Aにイベント発生通知信号を転送する。なお、宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71には、予めイベント発生通知信号の送出先として宅内側連携モジュール31Aにルーティングする設定が登録されている。
次に、宅内側連携モジュール31Aは、ステップS26において、受信したイベント発生通知信号に含まれる防犯センサ14のオブジェクトID61d及び外出イベントを取り出して、連携用データベース34を参照する。そして、防犯センサ14のオブジェクトID61dに対応した住宅IDを宅内用データベース43を参照して取得し、連携用データベース34に、取得した住宅ID及び侵入者検知イベントに該当する宅外サブネットワーク3の動作が含まれているか否かを判定する。そして、取得した住宅ID及び侵入者検知イベントに連携する宅外サブネットワーク3の動作(照度上昇動作)が連携設定情報として登録されている場合、ステップS27において、連携用データベース34で対応した地区ID及び街路灯ID、宅外サブネットワーク3で発生させる照度上昇動作を宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71に通知する。なお、この照度上昇動作は、点灯している街路灯21aの照度を上昇させる動作のみならず、消灯している街路灯21aを点灯状態に切り換える動作を含む。
次に、宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71は、ステップS28において、ステップS27で宅内側連携モジュール31Aから送信された照度上昇動作を受信すると、ステップS29において、宅内側連携モジュール31Aから送信された地区ID及び街路灯ID、宅外サブネットワーク3で発生させる照度上昇動作を含むリクエスト信号を宅外コントローラ22にルーティングする。ここで、宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71から宅外コントローラ22のOAS機能部71への信号送信は、EMITミドルウェアにおけるOAPに準拠した処理である。
次に、宅外コントローラ22のOAS機能部71は、ステップS30において、ステップS29で送信されたリクエスト信号に含まれる照度上昇動作から、当該照度上昇動作を含む制御信号を作成し、街路灯IDで特定される街路灯21aに送信する。
次に、街路灯21aのMOS機能部61は、ステップS30で送信された制御信号を受信すると、制御信号に従って照度上昇動作を行い、住宅の出口を照らして侵入者を威嚇するように、照度を上昇させる動作を行う。
このように、ネットワーク連携システムは、宅内サブネットワーク2と宅外サブネットワーク3とが独立したシステムサーバ44,54で管理されていても、住宅で発生したイベントを、宅内サブネットワーク2から宅外サブネットワーク3に通知し、当該住宅の出口に該当する地区の街路灯21aのみを動作させることができる。
つぎに、図10に示すように、宅外サブネットワーク3によって、宅内サブネットワーク2が構築された住宅の出入口付近に人物が検知された時に、宅内サブネットワーク2内のドアホン11を動作させて、人物を提示するネットワーク連携システムの動作について説明する。なお、図10では、住宅の出入口付近の街路灯21aが点灯している状態を示している。
ネットワーク連携システムは、図11に示すように、先ず、ステップS41において、人感センサ21bが人物の存在を検知して、当該状況を表す変数61c又はイベント61bが宅外コントローラ22のOAS機能部71に通知される。これによって、宅外コントローラ22のOAS機能部71は、ステップS42において、人感センサ21bと一体化された街路灯21aの照度を上昇させるイベントが発生したことを判定し、ステップS43において、当該人感センサ21bの該当する地区の複数の街路灯21aに、照度を上昇させる制御信号を同報通信する。
次に、宅外コントローラ22は、ステップS44において、ステップS43で照度を上昇させる制御信号を送信したことを表すイベント及び複数の街路灯21aのオブジェクトID61dを含む照度変更信号をセンターサーバファーム1に送信する。
次に、センターサーバファーム1の宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71は、ステップS45において、宅外コントローラ22のOAS機能部71からイベント発生通知信号を受信すると、ステップS46において、当該イベント発生通知信号の送出先の宅外側連携モジュール31Bにイベント発生通知信号を転送する。なお、宅外コントローラインターフェース54のOAS機能部71には、予めイベント発生通知信号の送出先として宅外側連携モジュール31Bにルーティングする設定が登録されている。
次に、宅外側連携モジュール31Bは、ステップS47において、受信したイベント発生通知信号に含まれる街路灯21aのオブジェクトID61d及びイベントを取り出して、連携用データベース34を参照する。そして、街路灯21aのオブジェクトID61dに対応した地区IDを宅外用データベース53を参照して取得し、連携用データベース34に、当該地区ID及びイベントに該当する宅内サブネットワーク2の動作が含まれているか否かを判定する。そして、取得した地区ID及びイベントに連携する宅内サブネットワーク2の動作(ドアホン動作)が連携設定情報として登録されている場合、ステップS48において、連携用データベース34で対応した住宅ID及びドアホン11のオブジェクトID(図7,図9における街路灯IDに相当)、宅内サブネットワーク2で発生させるドアホン動作動作を宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71に通知する。
次に、宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71は、ステップS49において、ステップS48で宅外側連携モジュール31Bから送信されたドアホン動作を受信すると、ステップS50において、宅外側連携モジュール31Bから送信された住宅ID及びドアホン11のオブジェクトID、宅内サブネットワーク2で発生させるドアホン動作を含むリクエスト信号を宅内コントローラ15にルーティングする。ここで、宅内コントローラインターフェース44のOAS機能部71から宅内コントローラ15のOAS機能部71への信号送信は、EMITミドルウェアにおけるOAPに準拠した処理である。
次に、宅内コントローラ15のOAS機能部71は、ステップS51において、ステップS50で送信されたリクエスト信号に含まれるドアホン動作から、当該ドアホン動作を含む制御信号を作成し、ドアホン11のオブジェクトIDで特定されるドアホン11に送信する。
次に、ドアホン11のMOS機能部61は、ステップS51で送信された制御信号を受信すると、制御信号に従ってドアホン動作を行い、住宅の出口付近の状況を通知する。
このように、ネットワーク連携システムは、宅内サブネットワーク2と宅外サブネットワーク3とが独立したシステムサーバ44,54で管理されていても、宅外で発生したイベントを、宅外サブネットワーク3から宅内サブネットワーク2に通知し、当該ドアホン11を動作させることができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。