これらの状況は、典型的なユーザにはない、DFEの色処理に対する非常に詳細且つ正確な理解がなくしては印刷前に気づくことは困難である。その結果として、通常、これらの種類の色整合の差異は、解決が高価で多大な時間を要する印刷時にのみ発見される。必要とされているのはこれらの問題を自動的に補正する方法である。さらに、必要とされているのは印刷の前にユーザに色不一致の問題を警告し、ユーザがあらゆる不一致を補正できるようにする方法である。
校正刷り(proofing)はユーザ、特にリモートユーザに、選択されたプリンタで印刷されるときにある特定の印刷ジョブがどのように見えるのかのプレビューを与える便利な手段である。現在、遠隔で、つまり生産の工程間隔と無関係にDFEのカラーアーキテクチャを模倣する色変換ユーティリティはない。校正色変換は、通常プルーファー(proofer)を駆動するDFE上でCMYKソースプロファイルとして使用される、ターゲットプリンタ用の出力ICCプロファイルを介して実行される。残念なことに、ターゲットICCプロファイルは複数のCMYK画像オブジェクトに対し1つの印刷条件しか特徴付けることができず、単純なICCワークフローを超えたターゲットプリンタの色処理での精巧さを正しくモデル化することはできない。必要とされているのは、リモートプリンタのアーキテクチャを反映する印刷ジョブの校正を表示するための遠隔校正方法である。
ここで実施形態に開示されているのは、印刷の前に、異なるソースカラー表現のための異なる色処理から生じる色整合の問題を特定し、これらの色整合の問題を自動的に補正する方法を提供する、あるいはユーザがそれらを補正する方法を提供する、コンピュータまたはマイクロプロセッサで動作するソフトウェアツールとして実現されてよい色整合検証の方法である。該方法は、原型的な(prototypical)色変換を使用して各オブジェクトのソースカラーを変換し、該原型的なプロセスを使用して一致する色を有するオブジェクトの集合を特定してから、選択された出力装置の実際の色変換処理を使用してソースカラーを変換し直し、オブジェクトの色が依然として一致していることを保証することによりこれを達成する。色が一致しない場合には、ある実施形態では、色整合は所定の基準を使用して自動的に実行されてよい。代わりに、不一致の色は、それらが同様に指定され、したがって印刷時に一致するように、ユーザが多様なオブジェクトのソースカラー定義を手動で更新できるようにするために使用できるユーザインタフェースで表示されてよい。
一実施形態によれば、印刷の前に印刷ジョブの中で異なるソースカラー定義を有するオブジェクトについて色要素を一致させる、コンピュータにより実現される方法は、該印刷ジョブの中で印刷されるすべてのソースカラーとソースカラーの各インスタンスに関連付けられるオブジェクトタイプを特定することと、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するあらゆるソースカラーを特定することと、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するソースカラーごとに、所定の基準に従って該ソースカラー定義の内の1つを選択することと、該選択されたソースカラー定義をそのオブジェクトタイプについてのソースカラーの少なくとも1つの他のインスタンスに割り当てることとを含む。所定の基準は以下の関係性を含んでよい。つまり、同じオブジェクトタイプについて少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有する各ソースカラーに、そのオブジェクトタイプのソースカラーの他のすべてのインスタンスに選択されたソースカラー定義を割り当てる。代わりに、該方法では、ソースカラー定義の1つを選択することは、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するソースカラーと関連付けられたオブジェクトタイプをユーザインタフェースに表示し、ユーザからの入力に応えて、該ユーザ選択ソースカラーのすべてのユーザ選択インスタンスにユーザ選択ソースカラー定義を割り当てることによって達成されてよい。少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するあらゆるソースカラーを特定することは、印刷ジョブのオブジェクトごとに、原型的な色変換を使用して同じオブジェクトタイプの各オブジェクトを変換し、該原型的な色変換プロセスの後に第1の許容レベル範囲内で一致するソースカラーを有するオブジェクトの集合を特定し、一致するソースカラーを有するオブジェクトの集合ごとに、ターゲットプリンタの色空間を使用してそれぞれの一致するオブジェクトのオリジナルソースカラーを変換し、第2の許容レベルの範囲内で一致しない、集合の中の一致するオブジェクトの変換された色のいずれかを特定することによって達成されてよい。該原型的な色変換はICCに基づいたプロファイルを備える。
別の実施形態によれば、印刷の前に印刷ジョブの中で異なるソースカラー定義を有するオブジェクトについて色要素を一致させるコンピュータにより実現される方法は、各オブジェクトのソースカラーを1つの共通の色空間に変換することと、該共通の色空間の中で、第1の許容レベルの範囲内で一致するソースカラーを有するオブジェクトのグループを特定することと、一致するソースカラーを有するオブジェクトの各グループの中で、ターゲットプリンタの色変換経路を使用して、各オブジェクトのオリジナルソースカラーをターゲットプリンタの色空間に変換することと、第2の許容レベル範囲内で一致しない、グループの中の一致するオブジェクトの変換された色のいずれかを特定することと、変換された色の少なくとも1つがグループの中の他の変換された色と一致しない場合に、グループの中の不一致を補正することとを含む。
該方法は、ユーザインタフェースの中に不一致のオブジェクトのあらゆるグループを表示することと、ユーザインタフェースに表示される不一致のオブジェクトのグループごとのユーザ入力に応えて、グループ内のすべてのオブジェクトに対してユーザによって選択された変換された色のユーザ選択ソースカラー定義を割り当てることとをさらに含んでよい。該方法は、あらゆる関連するプリンタ設定値と印刷ジョブパラメータに従ってターゲットプリンタの色変換経路を修正することもさらに含んでよい。該方法では、各オブジェクトのソースカラーを1つの共通した色空間に変換することは、ソースICCプロファイルを使用して、プロファイル接続空間(PCS、Profile Connection Space)表現に各オブジェクトのソースカラーを変換することによって達成されてよい。ターゲットプリンタの色変換経路を使用して各オブジェクトのオリジナルソースカラーをターゲットプリンタの色空間に変換することは、出力プロファイルを使用して共通した色空間にPCS表現を変換することによって達成されてよい。グループの中の不一致を補正することは、グループの中のオブジェクトを調べ、グループの中のオブジェクトが所定の基準に従って互いに一致することを目的とするかどうかを判断し、一致しない場合、グループから一致することを目的としていないオブジェクトを削除するアルゴリズムによって(あるいはユーザ入力によって)達成されてよい。グループの中のオブジェクトを調べることは、グループのオブジェクトごとに、そのオブジェクトのソースカラー、共通色空間において表現されるような色、及びターゲットプリンタの色空間の中で表現されるような色を調べることによって達成されてよい。アルゴリズムによって使用される所定の基準は、グループのどのオブジェクトが同じオブジェクトタイプなのかを判断することであってよい。該方法は文書全体で、または代わりにページ単位で実行されてよい。
いくつかのケースでは、2つのオブジェクトは同じソース色空間と同じ色値を有する可能性があるが、(例えば、CMY対Kの定式化及び全範囲外の色の印刷可能な全範囲へのマッピングを制御する)異なるレンダリング目的のためにターゲットプリンタ空間の色に変化する。DocuSPのケースでは、ジョブまたは待ち行列設定値は、さまざまなオブジェクトタイプを、異なるレンダリング目的を使用して色変換させる。これにより、文書の作成者がカラーテキストと棒グラフの棒等の2つのオブジェクトに同じソースカラーを割り当てていたとしても、おそらく予期しない不一致が生じる。あるケースでは、すべてのソースカラーを(前述された方法においてと)同じにすることにより文書が「修正されて」いても、ジョブが異なるオブジェクトタイプに異なるレンダリング目的を割り当てる設定値を使用して印刷されるときに、これでは色の不一致は修正されない。例えば、ソースカラーが事実上すでに同じであり、オブジェクトタイプを容易に変更できない場合、選ばれたプリンタ設定値を変更することにより問題を修正できる。この場合、方法は、修正不可能な状態をユーザに警告し、ユーザにプリンタ設定値を変更するように指示するか、あるいは何らかの所定の基準に従ってプリンタのジョブ設定値を自動的に変更するかのどちらかである。
ここで別の実施形態に開示されているのは、印刷の前に適用される、DFE/プリンタで実行される異なる色処理から生じる色一致の問題を特定する、コンピュータまたはマイクロプロセッサで動作するソフトウェアツールとして実現されてよい色整合検証の方法である。この実施形態の方法は、原型的な色変換を使用して各オブジェクトのソースカラーを変換し、該原型的なプロセスを使用して色が一致するオブジェクトの集合を特定してから、選択されたDFE/プリンタの実際の色変換処理を使用してソースコードを変換し直し、オブジェクトの色が依然として一致することを保証することによってこれを達成する。一致しない場合には、それらは、印刷時になぜ項目が一致しないのかを示す情報を含む、ユーザのディスプレイ上のリストに含まれる。
印刷の前に印刷ジョブの中で異なるレンダリング目的を有するオブジェクトについて色不一致を特定する、コンピュータにより実現される方法は、印刷ジョブの中のすべてのオブジェクト、各オブジェクトのタイプ、各オブジェクトのレンダリング目的、及び各オブジェクトと関連付けられたすべてのソースカラーを特定することと、印刷ジョブのオブジェクトごとに、原型的な色変換を使用して各オブジェクトのソースカラーを変換することと、該原型的な変換プロセスの後に第1の許容レベルの範囲内で一致するソースカラーを有する変換されたオブジェクトの集合を特定することと、ターゲットのプリンタ色空間を使用してすべての変換されたオブジェクトを変換することと、不一致オブジェクトのグループを形成するために第2の許容レベルの範囲内で一致しない、各集合の中の変換されたオブジェクトのいずれかを特定することと、不一致オブジェクトのグループをユーザインタフェースに表示することを含んでよく、該表示は第2の集合の中の各オブジェクト、各オブジェクトと関連付けられるすべてのソースカラーとレンダリング目的、及びターゲットプリンタで印刷されるときにどのオブジェクトが一致しないのかを示す情報を含む。
印刷の前に印刷ジョブの中の異なるレンダリング目的を有するオブジェクトについて色要素を一致させる、コンピュータにより実現される方法は、印刷ジョブの中のすべてのオブジェクト、各オブジェクトタイプ、各オブジェクトのレンダリング目的、及び各オブジェクトと関連付けられるすべてのソースカラーを特定することと、印刷ジョブのオブジェクトごとに、原型的な色変換を使用して各オブジェクトのソースカラーを変換することと、該原型的な変換プロセスの後に第1の許容レベルの範囲内で一致するソースカラーを有する変換されたオブジェクトの集合を特定することと、ターゲットプリンタの色空間を使用してすべての変換されたオブジェクトを変換することと、不一致のオブジェクトのグループを形成するために第2の許容レベルの中で一致しない、各集合の中の変換されたオブジェクトのいずかを特定することと、少なくとも2つのさまざまなレンダリング目的を有する不一致のオブジェクトのグループの中のあらゆるオブジェクトタイプを特定することと、少なくとも2つの異なるレンダリング目的を有するオブジェクトタイプごとに、所定の基準に従ってレンダリング目的の1つを選択することと、そのオブジェクトタイプの少なくとも1つの他のインスタンスに該選択されたレンダリング目的を割り当てることとを含んでよい。
いくつかの印刷ジョブは非常に複雑である場合があるので、複数の理由から色不一致が発生する可能性がある。前記方法を結合することができる。異なるソースカラー定義を有するオブジェクトのための色要素を一致させる方法を実行することができ、選択されたソースカラー定義を同じオブジェクトタイプについて不一致のソースカラーに割り当てることができる。いったん同じタイプのオブジェクトが同じソースカラー定義を有すると、異なるレンダリング目的を有するオブジェクトについて色不一致を特定する方法を適用できる。同じソースカラーであるが、異なるレンダリング目的のオブジェクトを特定し、次に自動的に補正するか、またはユーザが補正するためにユーザインタフェースに表示することができる。
ここで他の実施形態に開示されているのは、ベクトルオブジェクトを維持しながら、ジョブとプリンタ設定値を考慮に入れることを含む、特定のDFEとプリンタのカラーレンダリングを実行することによりデジタル出版物を遠隔校正するための方法である。一つの例示的な実施形態では、この方法の色は、ターゲット印刷システムとは無関係に、移植可能な校正刷り準備完了ファイルを可能にするためにファイルをPDF/X1−aフォーマットにレンダリングする。PDF/X−1aの出力目的タグは、該ファイル内の意図される印刷状態を特定する。アドビ アクロバット(Adobe Acrobat)はソフト校正のために、印刷状態からモニタ空間に色を変換するためにこのタグを使用できる。さらに、レンダリングされたPDF/X−1aファイルはPDF/X規格をサポートする任意の装置に送信でき、正確なハードコピー校正刷りのために、出力目的色空間からプルーファー色空間に色を自動的に変換できる。校正システムで正しいICCプロファイルを検出し、ロードする必要性はないので、この機能性はエンドユーザの校正タスクを自動化し、整備する。
リモートプリンタ上で印刷される印刷ジョブを校正する方法は、複数のオブジェクトとリモートプリンタ設定値を備える入力印刷ジョブを提供することと、該印刷ジョブの中のすべてのオブジェクト、各オブジェクトのタイプ、各オブジェクトのレンダリング目的、及び各オブジェクトと関連付けられるすべてのソースカラーを特定することと、入力ファイル内のオブジェクトごとに、リモートプリンタの色空間を使用して各オブジェクトのソースカラーを変換することと、変換されたオブジェクトとリモートプリンタに対応するICCプロファイルを備える出力校正刷り印刷ジョブを作成することと、校正装置上で出力校正刷り印刷ジョブを出力することとを含んでよい。入力印刷ジョブはPDFファイルとしてフォーマットされてよい。出力印刷ジョブはモニタまたは他のプリンタ上で出力されてよい。前述された色整合方法は変換ステップの間に適用されてよい。
遠隔プリンタ上で印刷される印刷ジョブを校正する方法は、複数のオブジェクトとリモートプリンタ設定値を備える入力印刷ジョブを提供することと、印刷ジョブの中のすべてのオブジェクト、各オブジェクトのタイプ、各オブジェクトのレンダリング目的、及び各オブジェクトと関連付けられるすべてのソースカラーを特定することと、入力印刷ジョブの中のオブジェクトごとに、ターゲットプリンタの実際の色変換プロセスを使用して、ターゲットプリンタの装置CMYK色空間内で表現される色を有する文書を作成するためにプリンタ設定値、ジョブチケット、及び媒体を考慮に入れて、ターゲットプリンタの色空間にオブジェクトの色を変換することと、ターゲットプリンタに対応する出力プロファイルで文書にタグを付けることを含む、PDF/X−1aに文書を変換することと、結果として生じるPDF/X−1aファイルをPDF/X−1aに準拠する出力装置に送信することとを含んでよい。
異なるソースカラー定義を有するオブジェクトについて色要素を一致させるための前述された方法と、異なるレンダリング目的を有するオブジェクトについて色要素を一致させるための方法では、整合は色距離の計算とクラスタ化によって行われる。これは、文書中の色オブジェクト間の差異を計算することにより達成されてよく、差異は「標準的な」SWOP経路を通してオブジェクトをレンダリングし、オブジェクト最適化レンダリング(OOR、Object Optimized Rendering)経路を通してそのデータをレンダリングと対照させることによって定義される。これらの方法は、自動モードとユーザ対話モードの両方で大量のデータを生成する。いくつかのインスタンスでは、前記方法を使用して生成されるデータをフィルタリングすることが有効であってよい。返される不一致オブジェクトの数を削減するために前記方法で使用される色整合問題を定義し直すことが有効であってよい。記述され、測定された色特性以外の他のオブジェクト特性に基づく追加の関連性基準を提供することが、ユーザ対話実施形態で有効である場合もある。
ここでさらに他の実施形態で開示されているのは、印刷ジョブのページごとに、ページ内のすべてのオブジェクト、各オブジェクトタイプ、各オブジェクトの色空間、各オブジェクトのレンダリング目的、及び各オブジェクトと関連付けられるすべてのソースカラーを特定することと、色整合を必要とするページ内のあらゆる問題オブジェクトを所定の問題基準に従って特定することと、問題オブジェクトごとに、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するあらゆるソースカラーを特定することと、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するソースカラーごとに、第1の所定の基準に従ってソースカラー定義の1つを選択することと、そのオブジェクトタイプのソースカラーの少なくとも1つの他のインスタンスに該選択されたソースカラー定義を割り当てることとを含む、印刷の前に印刷ジョブの中で異なるソースカラー定義を有するオブジェクトについて色要素を一致させる、コンピュータによって実現される方法である。該方法は、オブジェクトタイプごとに、同一のソースカラー定義及び異なるレンダリング目的を有するあらゆる問題オブジェクトを特定することと、第2の所定の基準に従って該レンダリング目的の1つを選択することと、そのオブジェクトタイプの少なくとも1つの他のインスタンスに該選択されたレンダリング目的を割り当てることとをさらに含んでよい。該所定の問題基準はサイズ、タイプ及び色空間及び空間的な近接性の選択されたパラメータを満たすオブジェクトを、任意の順序で排除することを含んでよい。
別の実施形態によれば、印刷の前に印刷ジョブの中の異なるソースカラー定義を有するオブジェクトについて色要素を一致させる、コンピュータによって実現される方法は、印刷ジョブのページごとに、ページ内のすべてのオブジェクト、各オブジェクトのタイプ、各オブジェクトの色空間、各オブジェクトのレンダリング目的、及び各オブジェクトと関連付けられるすべてのソースカラーを特定することと、所定の問題基準に従って色整合を必要とするページ内のあらゆるオブジェクトを特定することと、問題オブジェクトごとに、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するあらゆるソースカラーを特定することと、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するソースカラーごとに、少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するソースカラーと、関連付けられた問題オブジェクトをユーザインタフェースに表示することと、ユーザからの入力に応えて、該ユーザ選択ソースカラーのすべてのユーザ選択インスタンスにユーザ選択ソースカラー定義を割り当てることとを含んでよい。
色が一致する印刷される文書の個々の要素が印刷された文書で一致することを保証するための多様な方法が説明される。以下の説明では、これらの方法は、出力プリンタまたはターゲットプリンタに印刷ジョブを送信するコンピュータシステム上で動作するソフトウェアツールの中で実現されるとして説明される。これらのツールのいくつかは何らかの所定の基準に従って一致しない色を自動的に一致させるように構成できる。該方法の内の他の方法は、不一致の色が存在する場合どの色を一致させるのかをユーザが選択するためにユーザインタフェース内に不一致の色を提供する。事実上ユーザインタフェースがあっても、該方法に自動的に色を一致させることを含むことを選ぶユーザもいる。
第1の方法は、異なるソースカラー表現のための異なる色処理から生じる色不一致の問題を補正するために使用できる。この方法では、文書中のオブジェクトの色が不一致がないか分析され、次に補正される。(サンプリングされた画像を除く)文書中のオブジェクトごとに、ICCに基づいた単純な手法を使用して、オブジェクトの色が1つの共通の色空間に変換される。すなわち、ソースカラーはソースICCプロファイルを使用してプロファイル接続空間(PCS)に変換され、次に該PCS表現がプリンタプロファイル等の出力プロファイルを使用して該共通色空間に変換される。次に、該文書中のオブジェクトは該共通空間の中に一致する色を有するグループまたは集合にクラスタ化されてよい。整合は該特定のオブジェクトについて該変換の結果として生成される色値を比較することで何らかの第1の許容範囲に従って判断される。数値が該第1の許容範囲内にある場合、色は一致していると見なされる。
ある実施形態では、整合は色距離の計算及びクラスタ化によって行われる。色距離は共通色空間内のユークリッド距離(構成要素の差異の平方和の平方根)として計算される。代替策は、共通の空間からCIE L*a*b*等の視覚的に一様な空間に色をさらに変換し、次に該視覚的に一様な空間内でユークリッド距離を計算することであろう。距離はクラスタ重心の間で計算される。クラスタの重心はメンバオブジェクトの構成要素の平均であり、それぞれのオブジェクトは等しく加重されている。代替策はインクカバレージの面積等の属性で各オブジェクトを加重することであろう。クラスタ化は以下のように行われる。最初、各オブジェクトはクラスタのただ1つのメンバである。クラスタごとにその最も近い近傍までの距離が計算される。繰り返し、該2つの最も近いクラスタが1つにマージされ、該新しいクラスタの重心が決定され、すべての影響を受ける最も近い近傍の距離が更新される。最も近いクラスタ距離が指定の閾値を超えると、反復は終了する。クラスタ化はユーザとの対話を必要としない。
各グループ内では、各オブジェクトのオリジナルソースカラーがターゲットプリンタの色空間に、そのプリンタ用のDFEの実際の色変換経路を使用して、あらゆる関連するプリンタ設定値とジョブチケットパラメータを考慮に入れて、変換される。ターゲットDFE/プリンタの色空間で表現されるようなグループ内のオブジェクトの色が第2の許容範囲内ですべて一致しない(つまり、第2の変換後のそれらの出力色値が第2の許容範囲内にない)場合、方法は所定の基準を使用して自動的に不一致を補正する、またはユーザが手動で補正するためにユーザインタフェース内の不一致のリストにそれらのオブジェクトのすべてを表示するかのどちらかであろう。方法は文書全体に、またはページ単位で適用できる。
不一致の色を一致させるための所定の基準の1つの例は、同じオブジェクトタイプについて少なくとも2つの異なるソースカラー定義を有するソースカラーごとに、そのオブジェクトタイプのソースカラーの他のすべてのインスタンスに、選択されるソースカラー定義を割り当てることである。この基準は全ての特定のタイプのオブジェクトが同じソースカラー定義を持ち、同様に処理されることを確実にする。
すべてのユーザがある特定のタイプのすべてのオブジェクトについてデフォルトで設定されるソースカラー定義を有することを欲するわけではない。この場合、該方法はユーザインタフェースに不一致を表示する。図1はこの方法を使用して分析されたオブジェクトの多様なグループを示すユーザインタフェースを示す。左側の文書は、それぞれが4つのインスタンスを有する、ソースカラーの一連の6つのグループを示している。本発明による分析の結果は右側に表示され、色不一致の4つのグループを示している。各不一致のオブジェクトを記述する各行はターゲット空間内に表示されるようなオブジェクトの色の表現、オブジェクトが検出された文書中のページ、オブジェクトタイプ、ソースカラー、共通色(この場合ではSWOP CMYK)及びターゲット色(この場合ではDocuSP CMYK)を含む。尚、図1では、各オブジェクトの色が別の色値を有している。
不一致のグループごとに、ユーザは、そのソースカラー、共通色空間で表現されるような色、及びDFE/プリンタのネイティブ色空間で表現されるような色を含む、リストされているオブジェクトを調べ、グループ内のオブジェクトが互いに一致することを目的としていたかどうかを判断する。一致することを目的としていなかったオブジェクトは選択解除される。次に、ユーザは、そのソースカラー表現がグループ内のオブジェクトのすべてがあるべきであったものとなっているグループ内のオブジェクトの1つを選択し、「Unify(統一)」ボタンをクリックする。ツールは選択されたオブジェクトのソースカラーをオブジェクトのすべての色特性に書き込む(代わりに、別の手段によって選ばれる何らかの他のソースカラーが統一プロセスのために使用されてよい)。
図2は、1つのメンバが選択解除され、1つのメンバが統一のための手本として強調表示(ハイライト)されているオブジェクトのグループを示す。DeviceCMYKオブジェクトが選択解除され(リストの下から2番目。チェックマークが付いていないチェックボックスに留意する)、PANTONEオブジェクトが統一のために強調表示されているカラーグループである。強調表示されているオブジェクトは、左の文書ビューの中で破線によっても示されている。ユーザが「Unify(統一)」ボタンをクリックすると、3つのチェックマークが付いた黄緑色のオブジェクトがすべて、その色定義を強調表示されているオブジェクトと同じPANTONE色に変更させる。
前述された方法を実現するソフトウェアツールは、アドビ アクロバット(Adobe Acrobat)にインストールされてよいプラグインで実現されていた。以下はこのツールのインストールと動作を説明する。動作:ツールを正しくインストールすると、アクロバット(Acrobat)のメインメニューバーに新しい「XeroxTools」メニューが表示される。2つのツール、ColorMatch(色整合)とRemote Proof(遠隔校正)が提供される。該プラグインツールのどちらかは文書を開く前に開かれてよいが、文書はこれらのツールのどちらかが実行される前にアクロバット(Acrobat)で開かれていなければならない。
色整合。Color Matchツールの目的は、ユーザが文書中の色整合の問題を検出し、修復するのを支援することである。それはユーザの文書を分析するツーステッププロセスを経る。ユーザがデフォルトロケーションにプリンタデータファイルをインストールしている場合には、ツールは即座に開く。それ以外の場合、ユーザは、プリンタデータファイルを含む、ディスク上のDocuSPディレクトリの位置を突き止めるようにプロンプトを出される。
問題の検出。第1のステップでは、文書中のすべてのオブジェクトはアクロバット(Acrobat)の作業CMYK空間(例えば、SWOP Coated(SWOPコーティング済み))に変換され、指定される分散の範囲内で一致するオブジェクトの集合にグループ化される。第2のステップでは、それぞれの一致するグループのオブジェクトのすべてが、ユーザによって選択されるプリンタと待ち行列の設定値を使用してDocuSP CMYK空間に変換される。第1のステップで(つまり、デフォルトのCMYK空間内で)一致したが、第2のステップで(つまりDocuSP色で)一致しないオブジェクトは、ツールに示されている。オブジェクトごとに、該オブジェクトタイプ、ソースカラー(ストロークと塗りつぶし両方)、及び対応する標準色とDocuSP CMYK色が、プラグインツールの中心にある大きなボックス内の不一致リストに表示される。ユーザがリストエントリを選択すると、文書中の対応するオブジェクトが文書ウィンドウの中心に置かれ、オブジェクトは「Highlight(強調表示)」メニュー(Outline(外形)、反転またはFlash(フラッシュ)の内の1つ)で選択される方法で強調表示される。これにより、ツールがどのオブジェクトにフラグを立てたのかを判断することが容易になる。
クラスタ化アルゴリズムの例。PDFフォーマット文書の偏差が16、18、20、40である4x4−青灰色−0+4+8+12.pdfから成るテストファイルを考える。PDF文書コンテンツはAdobe PDFライブラリパッケージの機構により列挙される。検査中の項目は、無視されているPDEImageとPDEXObject等の他の多くだけではなく、PDEPath、PDEText及びPDEShading、つまりColorMatchにとって関心のあるタイプだけを含む多くのタイプのオブジェクトを包含する抽象的なスーパークラスPDEElementのインスタンスである。
遭遇するPDEPathの各インスタンスで、ストローク色と塗りつぶし色の2つもの数の色値が考えられる。PDETextの各インスタンスは1つまたは複数のテキストランを含む。各テキストランはストローク色値及び/または塗りつぶし色値を指定してよい。各PDEShadingは、それが軸に沿った陰影(シェーディング)または半径方向の陰影である場合に、2つの色値を、あるいはそれが関数ベースの陰影である場合には、4つの色値を指定するとして処理される。他の種類の陰影はサポートされていない。それぞれのヌルではない色値が文書色値のColorMatchのデータに追加される。
アドビ(Adobe)によってPDEColorSpecと呼ばれている色値は、色空間とその必須色調値から成る。アドビ アクロバット(Adobe Acrobat)の形成では、11の色空間がある。つまり、3つのデバイス空間、DeviceGray、DeviceRGB及びDeviceCMYK、4つのCIE−ベースの空間、CalGray、CalRGB、Lab及びICCBased、及び4つの特殊色空間、Pattern、Indexed、Separation、及びDeviceNである。該デバイス空間はそれぞれ1つの構成要素、3つの構成要素、及び4つの構成要素の単純な未較正の空間である。較正されたCIEベースの空間CalGray、CalRGB及びLabはそれぞれ1つの構成要素、3つの構成要素、及び3つの構成要素から成る。ICCBased空間は1つの構成要素値、3つの構成要素値、または4つの構成要素値を必要としてよい。Separation空間はスポット着色剤、及び色調、つまり着色剤の量である。DeviceN空間は、1つまたは複数のスポット着色剤とその色調の混合物である。Indexed色空間は別の色空間で指定される任意の色値のテーブルに索引を付けるために小さな整数成分値を使用する。Pattern空間はグリッド上で固定され、区切られた画像を複製するTilingまたは文書のある領域全体で変化する色値を一掃するShadingのどちらかである。Pattern空間値は、他の色空間に適用可能なモデル(空間及び構成要素値)に適合しない。ColorMatchは、現在、Tiling Pattern空間と4つのMesh Type Shading Pattern空間を除くすべての考えられるケースをサポートしている。
文書色値のColorMatchのデータベースはオブジェクトの集合の集合体として編成される。ColorSpecSetと呼ばれる各集合は、特殊なPDEColorSpecと、経路と陰影のために使用されるGraphic(グラフィック)またはText(テキスト)のどちらかである場合がある特定のレンダリング目的によって区別される。ある特定の集合の中のオブジェクトは、該集合の特徴的なPDEColorSpecと目的を共用するPDEElementのインスタンスである。通常、各ColorSpecSetは一意の特徴的な値を有し、それらの値に一致するすべての要素を含むが、PDF文書が最適に構造化されていない場合には、2つまたは3つ以上の集合が同一の特徴的な値を有することが可能であり、その場合該集合は互いに素となる、つまり各オブジェクトは1つの集合だけのメンバとなるであろう。大部分の追加処理は該包含されている要素のためのプロキシとして働くColorSpecSetsに集中する。
分析の次のステップは、各ColorSpecSetの色値の、アクロバット(Acrobat)のColor Management Preferences(色管理優先順位)ダイアログに指定され、「U.S.Web Coated(SWOP)v2(米国ウェブコーティング済み(SWOP)v2)」をデフォルトとする、アクロバット(Acrobat)のCMYK作業空間への変換で始まる。本書において、以下、実際の作業空間は別のCMYK空間である可能性があるが、その変換された値がSWOP値と呼ばれる。次に、データベースはさらにColorSpecSetの集合の集合体に編成される。SWOPcolorSetと呼ばれる各集合は一意のSWOP値によって区別され、分析のこの段階で、各集合はそのSWOP値に正確に一致するすべてのColorSpecSetsを含むが、他は含まない。
次に、ユーザが非ゼロSWOP分散を指定した場合、十分に類似したSWOP値のあるSWOPcolorSetsがマージされる。当初、各SWOPcolorSetは1つの同一のSWOP値のあるColorSpecSetsを含む。クラスタ化アルゴリズムは最も近い2つのSWOPcolorSetsを反復してマージする。SWOPcolorSetsの間の分離は、CMYK空間内の単純なユークリッド距離である。各SWOPcolorSetのロケーションはその重心、つまり各ColorSpecSet内のPDF要素の数で加重される、個々のColorSpecSet SWOP値の加重平均である。(より大掛かりな計算は、インクカバレージの量等のさらに複雑な基準で要素を加重する可能性がある。)クラスタ化アルゴリズムは、最も近い2つのSWOPcolorSetsがユーザ指定SWOP分散よりさらに遠いときに終了する。
このクラスタ化プロセスが完了すると、各SWOPcolorSetは該集合のメンバの重心にあるSWOP値で区別され、各集合は、そのSWOP値がSWOP分散により指定され、重心に中心が置かれる半径の球形領域に含まれるすべてのColorSpecSetsを含む。
問題の解決。ColorMatchプラグインは、カラーグループの中のすべてのオブジェクトが同じソースカラーを有するようにPDFファイルを改変する方法を提供する。この機能が統一と呼ばれる。Unify(統一)を使用する場合、ユーザはカラーグループの中のオブジェクトの内の1つを選択し、ツールの下部にあるUnify(統一)ボタンをクリックする。選択されたオブジェクトからのソースカラーはそのグループの中のすべてのチェックされたオブジェクトのソースカラーになる。ここでオブジェクトの色が一致するので、それらは不一致リストから削除される。ユーザが集合の中のオブジェクトの特定なものに該新しいソースカラーが適用されるのを好まない場合は、そのオブジェクトのリストエントリの左端にあるチェックボックスを単にオフにする。PDF文書は、ユーザがツールの「Unify(統一)」ボタンをクリックすると更新される。ユーザがツールを「Closed(閉じた)」後も、改変された文書はディスクに保存されていない。ユーザは、オリジナルソースカラーを上書きして文書を保存できるか、あるいはユーザが元の文書の保存を希望する場合には新しい名前に「Save As(名前を付けて保存)」できる。
カラーエディタ。元のオブジェクトのどれも所望される色を有さない場合、ColorMatchのこのバージョンはここでカラーエディタを提供する。色が修正されるオブジェクトを選択し、オブジェクトのリストの下の「Edit(編集)」ボタンをクリックする。図4に図示されるように、ユーザがソースカラーの構成要素を修正する(あるいはソーススポットカラーのケースでは選択されたターゲットプリンタに公知のスポットカラーのリストから選択する)ことができるようにするカラーエディタが表示される。ユーザはまたソースカラーをSWOP CMYKまたはターゲットプリンタのCMYKのどちらかに変換できる。ユーザはColor Space(色空間)ドロップダウンメニューから「オリジナル」を選択することによってソースカラーに戻ることもできる。「OK」をクリックすると、メインColorMatchウィンドウ上の「インクつぼ(inkwell)」の色が更新される。ユーザはここで任意のオブジェクトを選択し、そのオブジェクトの色を更新するために「Paste(貼り付け)」をクリックする。ユーザが単にあるグループから別のグループにオブジェクトの色をコピーしたいだけの場合、オブジェクトリストの下の「コピー(Copy)」ボタンが、カラーエディタを開かずに、選択されたオブジェクトの色を「インクつぼ」にコピーする。
遠隔校正。Remote ProofingツールはDocuSP CMYKにPDF文書中のテキストとグラフィックオブジェクトを色変換し、プリンタ特有のICCプロファイルが埋め込まれたPDF/X−1aファイルを作成する。現在埋め込まれているICCプロファイルはiGen3、DC2060またはDC6060プリンタ用である。
現在では、使用可能なIOTあたり1つのICCプロファイルしかない。遠隔校正刷りPDF文書を作成する場合、Xerox Tools(ゼロックスツール)>Remote Proof(遠隔校正刷り)を選ぶ。Printer(プリンタ)を選択する。Queue(待ち行列)を選択する。Create Proof(校正刷り作成)ボタンをクリックする。新しいPDF/X−1a文書が作成される。「x1a」が新文書のファイル名に付加される。次に該ファイルはPDF/X−1aに準拠する校正刷りプリンタに送信できる。以下に留意する。文書にセキュリティ機能が与えられている場合、Remote Proofツールは、校正刷り文書を作成する前にパスワードを入力するようにプロンプトを出す。新しい校正刷り文書は元のセキュリティ機能を継承しないであろう。
以下に留意する。元の文書中のフォントが埋め込まれていない場合、あるいは元の文書が、アクション、透明性、または分離されたページを有する場合、作成されるファイルはPDF/X1aに準拠しないであろう。該ツールは現在これらのケースを検出し、ユーザに警告する。該ツールが現在チェックしていないPDF/X−1a準拠のための他の要件は以下のとおりである。LZW未圧縮。ページボックスは適切にネスト化されなければならない。ハーフトーンはType1またはType5でなければならない。Halftone Name(ハーフトーン名)キーなし。ExtGStateリソースの中にHTPキーはない。埋め込みPostScriptなし。代替画像は印刷のためにデフォルトではない。注釈とアクロバット(Acrobat)形式要素は、Trimbox(トリムボックス)とBleedbox外になければならない。Java(登録商標)scriptなし。PDF 1.3に記述されない演算子はない。通常外部ストリームだけではなくOPIコメントにも使用される−ファイル仕様なし。及びForm Xobject(形式Xobject)またはImage Ogject(画像オブジェクト)内にOPIなし。
第2の方法は、オブジェクトに異なる色変換経路を取らせるソースの色ではない差異(例えば、異なるオブジェクトタイプ)から生じる色不一致の問題を補正するために使用できる。1つの例は、DocuSPカラーDFEが異なるオブジェクトタイプに異なるICCレンダリング目的を割り当てる場合である。該方法では、(サンプリングされた画像を除く)文書中のオブジェクトごとに、オブジェクトの色がICCに基づいた単純な手法を使用して共通色空間に変換される。すなわち、各ソースカラーはソースICCプロファイルを使用してプロファイル接続空間(PCS)に変換され、次に該PCS表現がプリンタプロファイル等の出力プロファイルを使用して共通色空間に変換される。次にすべてのオブジェクトは何らかの許容範囲内に共通の空間で一致する色を有するグループまたは集合にクラスタ化される。各グループまたは集合の中で、次に各オブジェクトのオリジナルソースカラーはそのプリンタのためのDFEの実際の色変換経路を使用して、すべての関連するプリンタ設定値とジョブチケットパラメータを考慮に入れて、ターゲットプリンタの色空間に変換される。ターゲットDFE/プリンタの色空間で表現されるような、グループの中のオブジェクトの色がすべて第2の許容範囲内で一致しない場合、それらのオブジェクトのすべてを不一致のリストに表示する。色整合は該特定の変換により生じる出力色値を比較することにより決定される。代わりに、第1の変換は排除され、それぞれの表現された色空間でクラスタ化を独立して実行できる。
図3は、説明されたように分析されたオブジェクトの多様なグループを示すユーザインタフェースを示す。分析される文書は左側に示されている。色不一致の1つのグループを示す右側の分析の結果は2つのオブジェクトから成る。各不一致オブジェクトを記述する行は、ターゲット空間で表現されるようなオブジェクトの色の表現、オブジェクトが検出されたページ、オブジェクトタイプ、ソースカラー、共通色(このケースではSWOP CMYK)とターゲットカラー(このケースではDocuSP CMYK)を含む。オブジェクトごとに行の下方の警告テキストの行が、不一致の理由、このケースではレンダリング目的の違いを赤で表示する。図3では、各オブジェクトが同じ色値を有することに留意する。
各不一致グループについて、ユーザはあらゆる警告を含む一覧表示されているオブジェクトを調べ、グループのオブジェクトが互いに一致することを目的としていたかどうかを判断する。次にユーザは、例えば印刷設定値(この例ではDocuSP待ち行列)を変更することにより不一致を引き起こす問題を補正する。ワークフローシステムが例えばJDFとより緊密に統合されてくると、ツールはジョブチケットを介してプリンタ設定値を直接的に変更するための手段を提供してよい。
遠隔校正により、ユーザはゼロックス社(Xerox Corporation)のiGen3、DocuSP、DC2060及びDC6060のような製造プリンタ等のリモートプリンタに提出される印刷ジョブをローカルで見ることができる。これは写真家が使用するプロセスに類似している。つまり、写真の校正刷りセットは最高品質の紙とプロセスを使用して最終的な形式で写真を印刷する前に選択のためにカスタマに送られる。デジタル印刷機を遠隔校正するための方法は、ベクトルオブジェクトを維持しながら、ジョブ設定値とプリンタ設定値を考慮に入れて特定のDFEとプリンタのカラーレンダリングを実行する。一つの例示的な実施形態では、この方法の色は、ターゲット印刷システムとは無関係に、移植可能な校正刷り準備完了ファイルを可能にするためにファイルをPDF/X1−aフォーマットにレンダリングする。PDF/X−1aの出力目的タグは、該ファイル内の意図される印刷状態を特定する。アドビアクロバット(Adobe Acrobat)はソフト校正のために、印刷状態からモニタ空間に色を変換するためにこのタグを使用できる。さらに、レンダリングされたPDF/X−1aファイルはPDF/X規格をサポートする任意の装置に送信でき、正確なハードコピー校正刷りのために、出力目的色空間からプルーファー色空間に色を自動的に変換できる。校正システムで正しいICCプロファイルを発見し、ロードする必要性はないので、この機能性はエンドユーザの校正タスクを自動化し、整備する。
PDF/X−1aは、グラフィックアートデータの確実な交換を目的とした新しいファイルフォーマットである。PDF/X−1aは遠隔で提出されるファイルの追加のセキュリティを提供する。フォント及び画像は埋め込まれなければならず、フォント置換または不足している要素の可能性を排除する。色はCMYKでなければならない。エラーに対するマージンがはるかに少ないように、機械的な仕様(媒体、トリム等)、つまりトラップ条件と(SWOP等の)印刷条件が定義されなければならない。PDF/X−1a標準アドレスはRGBまたはデバイスと無関係の(色管理された)データとの、すべてのファイルがCMYK(及び/またはスポットカラー)で送達されなければならない交換を見えないようにする。これは世界中の多くの地域で、及び多くの印刷部門で共通の要件である。通常はファイル供給者が印刷ジョブの最大の制御を保持することを希望する環境に結び付けられている。RGBまたはLabとしてデータを送信し、依然として例えばカスタムトラップ定義を含むことは非常に困難である。第1のPDF/X−1a規格(さらに詳しくはPDF/X−1a:2001と呼ばれる)はISO規格15930−1:2001として発行されている。
文書中のオブジェクトごとに、実際のDFE/プリンタの実際の色変換プロセスを使用して、プリンタの設定値、ジョブチケット及び媒体を考慮に入れてオブジェクトの色をターゲットDFE/プリンタの色空間に変換する。この変換は、その色がターゲットプリンタのCMYK色空間の中ですべて表現されている文書を作成する。ターゲットプリンタに対応する出力プロファイルでファイルにタグを付けることを含むPDF/X−1aに文書を変換する。結果として生じるPDF/X−1aファイルをPDF/X−1aに準拠するソフト校正システムまたはハード校正デバイスに送信する。
構造上、「RemoteProof」は別個のツールとして実現されてよいが、同じソフトウェア構成要素の多くを前述された「ColorMatch(色整合)」アクロバット(Acrobat)プラグインと共用する。特にDocuSP DFEから抽出される色変換はRemoteProofとColorMatchの両方によって多用される。各オブジェクトで行われることは該2つのツールで異なるが、同じコードはPDFファイルの各オブジェクトにアクセスするために同様に使用されてよい。
機能上、ユーザは以下のようにRemoteProofと対話するであろう。遠隔校正の方法では、入力PDFファイルが開かれる。ファイルはPDF/X−1a規格との互換性がないかチェックされ、準拠していない機能に対する警告が生成される。ファイル内のオブジェクトごとに、ソースカラーはDFEの色変換の完全な精巧さを使用して指定されたデバイスの出力色空間に変換される。この変換は、オブジェクトタイプ、(最高のPantone準拠のため等の)カスタムスポットカラーディクショナリ等に基づいた異なるレンダリング目的の自動的な選択を含んでよい。色変換されたオブジェクトはオリジナルオブジェクトの代わりにPDFファイルの中に挿入され直す。円滑な陰影及びサンプリングされた画像等の複合色のオブジェクトの場合、複合色を指定するまたは定義する上で必要とされる各ソースカラーが変換される。ターゲットとされる出力色空間に対応するICCプロファイルはPDFファイルに取り付けられる。準拠の問題がない限り、ファイルはPDF/X−1aファイルとして記される。実現されるアクロバット(Acrobat)プラグインバージョンはユーザによって手動で呼び出されるが、RemoteProofは自動化されたワークフローの要素として実現されてよい。
遠隔校正の目的は、ターゲットにされたプリンタ以外の校正装置(モニタまたは校正刷りプリンタのどちらか)での完全なDFE変換の効果の校正を可能にすることである。例えば、グラフィックデザイン企業はiGen3に文書をターゲットとするが、このデザイン企業は1台も有していないため、iGen3を有する商業的な印刷業者に該印刷を外注する。デザイナーは、出力がどのように見えるのかをどのようにして確かめるのか。RemoteProofはiGen3 CMYKに文書を変換し、RemoteProofがそれが作成したPDF/X−1aファイルに埋め込んだiGen3 CMYKを指定するプロファイルとともに、CMYK校正刷りプリンタのICC「デバイスリンク(device link)」プロファイルを使用するために、DocuSP色変換を含む、校正刷りプリンタの全範囲の極限までiGen3を模倣する校正刷りプリントを作成するために使用できる。
再び図1を参照すると、異なるソースカラー定義に基づいた色整合の方法の典型的な情報画面が示されている。基本的に、すべての文書オブジェクトが一覧表示され、対応する色値が多様な色空間に示されている。この方法は、文書中のすべてが整然としていることを保証することを希望する色の専門家にとっては必須である。同時に初心者のユーザまたはあまり熟練していないユーザは情報の量に圧倒される。この問題と解決策はAIE(自動画像処理(Automatic Image Enhancement))とPhotoShopに類似している。
PhotoShopは明らかに「より優れた」専門家ツールであり、すべての画像パラメータの微調整を可能にする。他方AIEは完全に自動である。これによって、「専門家の介入を使用する完全な品質」と「単純な介入による上質」のトレードオフが可能になる。このトレードオフは多くの場合アプリケーションに依存している。専門家の時間のコストが専門家の介入の品質利点より重要であるケースでは、専門家でさえ自動的なシステムを使用することに留意することが重要である。例えば、200,000のランを有する出版物に費やされる時間は20というランに費やされる時間よりはるかに大きいことがある。実施形態の中でここで開示されているのは、非専門家によって、及び短いランのシナリオで使用できる色整合のための方法である。
オフセット転送での色の問題はおもにオブジェクト指向型レンダリング(OOR)から生じているため、OORを避け、SWOPエミュレーションを使用する、つまりOORをオフに切り替えることによってすべて排除できる。しかしながら、それが大量に画像品質を引き下げる可能性があるためこれは優れた手法ではない(それがOORが発明された理由である)。専門家の時間のコストが前述された専門家ユーザ方法を使用する品質利点より重要であるケースでは、分析されるオブジェクトの数を削減できる。つまり、問題オブジェクトのより小さなグループを残すために、方法はページ単位でオブジェクトをフィルタリングする。したがって、色分析は、自動的または表示とユーザ介入を介するのどちらかでそれらの問題ケースに限定される。この方法の目的のため、印刷ジョブの全ページは別々に検討される。したがって、ページ境界を渡っての比較は行われず、ユーザに表示される不一致オブジェクトの数を大幅に削減する。この制限を排除すべきであるほんのいくつかの現実的なケースがあるが、それらは下記のように容易に処理できる。
問題となるケースは、例えば、サイズ、オブジェクトタイプ、色空間及び空間近接性等の少数の異なるパラメータから容易に特定できる。前述されたように同じ順序でフィルタリングプロセスとする場合、最初に文書の内部のすべての小さなオブジェクトを分析から排除する。小さなオブジェクトは、(テキストが例えば12ポイント等の標準読み取りフォントサイズをはるかに上回らない限り)すべてのテキスト、(重複または接触しない)すべての隔離された行等を含む可能性がある。簡単にするために、下方の閾値として、約1cm(0.5インチ)未満のサイズを使用することができるが、これがユーザ構成設定値である場合があることが理解される。オブジェクトサイズは、例えば、現在の変換マトリクスから直接的に計算できるか、あるいはz順表示、または他の何らかの方法論を使用して低い解像度のバッファでデータをレンダリングすることによって計算できる。オブジェクト近接性は、同様に計算できる。前記フィルタリングプロセスは単一のパラメータに基づいて、あるいはパラメータ効率の組み合わせ及びデータファイルからパラメータを取得してよい容易さに基づいて進行してよいことが理解されるべきである。フィルタリングは任意の順序で発生してよく、前記順序は説明のためだけである。
簡単な例は図5で見ることができる。図5では、濃淡のない塗りつぶし矩形が小さいテキスト(12ポイント)のいくつかの行に近接している。すべてのテキスト行は違う色を有し、行の内の1つだけが矩形の色と一致する。しかしながら、観察者にとって、ゆっくりした周到な調査が実行されない限り、「正しい」行を特定することはほぼ不可能である。図5から、小さいオブジェクトが自動色整合方法のバージョンについて考慮される必要がないことが分かる(それらは前述された専門家方法では依然として重要である可能性がある)。分析から小さいテキストオブジェクトを除去するまたは排除することにより、追加の色整合のために維持されるオブジェクトの数は劇的に削減する。
次のフィルタリングステップでは、文書のページはオブジェクトタイプと色空間ごとにフィルタリングされる。ここでは、グラフィックオブジェクトに接触するもの以外、すべての絵の(画像データ)オブジェクトは無視される。また、それらが他のオブジェクトに接触しない限り、外形(ストローク)と塗りつぶし色が異なる場合すべてのグラフィックオブジェクトは排除される。この例は、図6に示され、ストロークまたは外形を有する5個の小さい方のグラフィックオブジェクトが大きい方の塗りつぶしグラフィックに近接しているが、接触していない。
次のステップでは、1つの共通した色空間を有するすべてのグラフィックオブジェクトが排除される(つまり、ページ上のすべてのグラフィックオブジェクトが同一の色空間を有する場合、他のオブジェクトクラスに接触するオブジェクトだけが排除されない)。この方法のため、それらが一意に互いに変換できる(例えばLabがこのようにしてXYZに等しいが、CMYKには等しくない)場合には、色空間は同一と見なすことができる。
次のステップでは、特定の距離(例えば1インチ)より多く分離されるすべてのグラフィックオブジェクトが排除される。
この段階では、いくつかのオブジェクトだけが検査のために残されている。異なるオブジェクトクラスまたは色空間(例えば、Lab、SWOP、パントーン(Pantone))の接触するオブジェクトが残る。少なくとも1つのオブジェクトは非画像クラス(グラフィックス、大きなテキスト)である。異なるオブジェクトクラスまたは色空間の最小の分離の最小サイズの非画像オブジェクトも残る。これらのオブジェクトは、現在、異なるソースカラー定義を有するオブジェクトについて色要素を一致させる方法、及び/または前述された異なるレンダリング目的を有する異なるオブジェクトタイプのために色要素を一致させる方法を使用して分析されてよい。
前述されたフィルタリングプロセスは完全に自動的な色一致ツールを定義するために使用できる。第1に、すべてのフィルタリングは前述されたように行われ、少数の考えられる不一致を生じさせる。考えられる問題オブジェクトは文書のすべてのオブジェクトの小さな部分集合であることを理解することが重要である。同様に、これはすべてのマークされていないオブジェクトがOORを使用して、つまり考えられる最高の品質でレンダリングできることを意味する。互いの特定の色精度の範囲内のオブジェクトだけがフラグを付けられ、したがって青の円(グラフィックオブジェクト)上の赤い正方形(グラフィックオブジェクト)にはフラグが付けられないことに留意しなくてはならない。また、黒/白のオブジェクトはオブジェクト間の「余白」として特定できる。第2に、完全自動モードで、すべてのオブジェクトは非OORモード(通常SWOPエミュレーション)でレンダリングされ、矛盾を回避する。完全自動システムは(AIEのような理念を使用して)色調整問題の圧倒的多数を解決できる。同時に、それはいくつかの視覚的に明白なケースに集中することによって「平均的なユーザ」にとっての問題を示すために使用することもできる。
ページ内の一致からページ間の一致への移行。ページ間の一致が自動プロセスまたは半自動プロセスに関連性があるほんのわずかなケースがある(これらのケースは専門家モードでは、依然として関連性がある可能性がある)。第1のケースは、会社のロゴ等のあらゆるページで繰り返し発生する要素である。しかし、このケースは容易に処理される。個々のページが問題としてロゴにフラグを立てないならば、ロゴはデータ複製によってまたは参照によってのどちらかにより含まれ、したがってロゴの色の整合性は自動的に達成されるため、ロゴは単にそのままレンダリングされる。ページの1枚が別のオブジェクトとの近接性のためにロゴを潜在的な問題として示す場合には、いくつかの単純な規則を適用できる。オブジェクトの1つを修正する際(一致を達成するためには、レンダリングまたは色のどちらかが修正されなければならない)、つねに参照されていない/再利用されていないオブジェクトを修正する。第2のケースは、さまざまなオブジェクトが−製本後に−付着しているように見える複数のページをカバーする複数ページへの広がりのケースである。この問題は、分析で修正されたページの定義を使用することにより簡単に修正される。組み付けは公知である(ページ数が実際のページ順序の反映であることを意味する)とすると、向かい合うページは分析の目的のために単一のページとなるように定義し直すことができ、前述された方法が単に適用する。