JP4794136B2 - アクリジン誘導体 - Google Patents

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本発明は、手指、皮膚、粘膜、創傷部位等の生体に対する殺菌、消毒の他、一般環境用消毒等非生体に対する消毒にも有用な新規なアクリジン誘導体、及びそれを有効成分とする医薬、特に殺菌・消毒剤に関する。
消毒とは、病原性微生物による伝染性、感染性を無くすために、生存する病原微生物の数を減少させる処置を云い、このような処置に種々の消毒剤が使用されている。高水準の消毒を達成できる高水準消毒剤の消毒成分としては、グルタラール、フタラール等のアルデヒド系消毒薬や過酢酸等が、中水準消毒剤の消毒成分としては、ホルマリン等のアルデヒド系消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒薬、ポピドンヨード、ヨウ素などのヨウ素系消毒薬、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系消毒薬、石炭酸(フェノール)、クレゾールなどのフェノール系消毒薬、オキシドールなどの酸化剤系消毒薬等が、低水準消毒薬としては塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン性界面活性剤系の消毒薬、グルコン酸クロルへキシジン等のビグアナイド系消毒薬、塩化アルキルジアミノエチルグリシンなどの両性界面活性剤系消毒薬、アクリノール(乳酸エタクリジン)等の色素系消毒薬等が、それぞれ知られている。
これらの消毒剤の消毒成分は、微生物を構成する主要成分の蛋白や核酸に直接作用して不可逆的な変性変化を与えたり、微生物の細胞膜、細胞壁構造を破壊したり、微生物の物質代謝障害を与えたりして、微生物自体に直接、致死的に作用する特徴を有している。しかしながら、これらの消毒薬は、生体に使用できないものであったり、アルコール系消毒薬の如く毒性の低いものであっても、揮発性で持続性に乏しかったり、該アルコール系消毒薬と共に混和されて使用される消毒薬であったり、低濃度では効力として不十分であったりなど一長一短があり、消毒薬としてさらに改善すべき問題点を有している。
アクリノールは、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジン ラクテート モノハイドレートであって、別名乳酸エタクリジンとも称される。、アクリノールは、日本薬局方にも収載されており、リバノール(塩酸エタクリジン)の水に対する溶解性を改善した消毒薬として提供され、融点が123〜124℃を有する黄色針状晶で、各種化膿菌、例えば連鎖球菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、及び淋菌に対して、静菌的又は殺菌的に作用し、泌尿器・産婦人科術中術後又は化膿性疾患(せつ、よう、扁桃炎、副鼻腔塩、中耳炎等における化膿局所の消毒に原末又は液剤を0.05〜0.2%の液として使用することが知られている。その作用機序は未詳だが、アクリジウムイオンとなって、細菌の呼吸酵素を阻害するためであろうと考えられている。アクリノールは光に不安定で変色することも知られている(例えば非特許文献1及び2参照)。
また、特許文献1には、アクリジン、又は例えばエタクリジン、9−アミノアクリジン(=アミナクリン)、3,6−アクリジンジアミン(プロフラビン)、アクリゾルシン、アクリザンクロリド(=フェナクリダンクロリド)、アクリジンオレンジ、キナクリン、アクリサイド、アクリドン、アクリジン−9−カルボン酸、アクラニール(1−[(6−クロロ−2−メトキシ−9−アクリジニル)アミノ]−3−(ジエチルアミノ)−2−プロパノール二塩酸塩)、3,7−ジアミノ−5−フェニルフェナジニウムクロリド(フェノサフラニン、サフラニンB特級)、フェノキサジン、フェノチアジン、並びに特にアクリフラビン(3,6−ジアミノ−10−メチルアクリジニウムクロリド及び3,6−アクリジンジアミン)及びそれらの塩例えばクロリド、サルフェート、ブロミドなどのアクリジン誘導体が、エンベロープを持つウィルス、エンベロープを持たないウィルスも不活化すること、塩化ベンザルコニウムとの併用がウィルスの不活化に際して相乗効果を発揮することが報告されている。
しかしながら、上記特許文献に記載された化合物は、アクリジン骨核の一方の縮合ベンゼン環に二つのオキソ基が置換した化合物を開示するものではなく、キノンタイプ構造の本発明化合物とはその化学構造を異にしている。
「第14改正日本薬局方解説書」、C−19〜C−23、平成13年6月27日廣川書店発行(日本) 「治療薬マニュアル2003」、第1721〜1729頁、2003年2月1日医学書院発行(日本) 特開平8−225455号公報
従来より、種々の殺菌・消毒剤がその性質に応じて、その適用される対象に応じて使用されてきたが、消毒薬としてはさらに
(1)低濃度における殺菌作用、
(2)短時間における殺菌作用、
(3)持続性を有する殺菌作用、
(4)低毒性、
(5)有機物が混入しても効力が低下しない安定性、
などのいずれかの点において改善された性質を有する消毒薬が切望されている。また、耐性菌の出現等の問題に対し、グラム陽性菌や真菌に対する新しいタイプの抗菌化合物の提供も期待されている。
本発明者等は、従来使用されている消毒薬の環境に与える影響につき考察するためにアクリノールの光による分解物の構造とその殺菌効果及び安全性の確認を目的として鋭意研究した結果、アクリノールの光による分解物(以下ANDPという)のうちの主成分として分離、精製された新分解物のANDP−8が分解物の起源物質であるアクリノールに比し、グラム陽性菌に対し10乃至100位の活性を有し、アクリノールでは抗菌力が認められない真菌類に対してもかなり強い抗菌活性を有することを知見し、さらに鋭意検討を重ね、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、下記式(I)で示されるアクリジン誘導体、又はその製薬学的に許容される塩に関するものである。
Figure 0004794136
また、本発明によれば、上記式(I)のアクリジン誘導体、又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬、特に殺菌・消毒剤が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明化合物、本発明医薬の有効成分である化合物は、ケト−エノール性のオキソ基を芳香環に有しており、互変異性体が存在する。本発明には、これらの異性体を分離したもの、あるいは混合物が包含される。
また、本発明化合物は、塩を形成する場合がある。製薬学的に許容される塩であれば、特に制限はないが、酸付加塩としては、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩が挙げられる。
本発明化合物は、各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質として単離される場合もあり、本発明にはこれらの物質をも包含される。
(製造法)
本発明化合物は、アクリノールあるいはその誘導体の分解物質として分離・精製された化合物ではあるが、本発明化合物につき殺菌・消毒薬としての提供を工業的に行う場合には、本発明化合物の化学構造上の特徴を考慮し種々の合成法を適用して製造することができる。
その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
以下に代表的な製造法を説明する。
第1製造法(光分解法)
Figure 0004794136
式(I)で示される本発明化合物ANDP−8は、アクリノールの光分解により製造することができる。
光分解による分解物の製造法は、アクリノール(乳酸エタクリジン)を粉末のまま、あるいは溶液状態で織布、不織布等の光分解、分離・精製に適した担体に染み込ませ、少なくとも1ヶ月以上、好ましくは3ヶ月以上、自然光あるいはUVランプなどで紫外線照射することによって行われる。得られた分解物を含有する担体からメタノール、エタノール、イソプロノールなどのアルコール系有機溶媒、水、あるいはこれらの混合溶媒を用いて分解物を抽出する。抽出物は適当な溶剤に対する溶解性及び溶解度の差、溶液からの析出性及び析出速度の差、種々の吸着剤に対する吸着親和性の差、2種の液相間における分配の差などを利用する一般の分離・精製手段を適用して行うのが有利である。これらの操作は必要により単独で、あるいは任意の順序で組合せ、あるいは反覆して適用できる。
本発明の分解物を分離・精製するには、ダイアイオン HP−10(Nippon Rensei社製)、セファデックス LH−20(Amersham Bioscience社製)、ODS(Fuji Silysia Chemical社製)などの各種のカラムクロマトグラフィー用充填剤を使用して、これらの充填剤に対する吸着親和性の差を利用して分離・精製するのが好ましい。溶出溶媒、展開溶媒は、水、各種濃度のアルコール水溶液、特にメタノール水溶液、50%アセトン水などを使用するのが分解物を純度良く分離・精製する上で好適である。
分解物の生成の確認、純度の確認は、高速液体クロマトグラフィーで下記測定条件で実施するのが有利である。
カラム:Mightysil RP-18(5μm)、
移動相:80%メタノール(HPLC用)(0.005M 1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム)、
流速:0.5ml/min
UV:254nm
上記各製法により得られた反応生成物は、遊離化合物、その塩あるいは水和物、各種の溶媒和物として単離され、精製される。塩は通常の造塩処理に付すことにより製造できる。
単離、精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等通常の化学操作を適用して行われる。
各種異性体は異性体間の物理化学的な差を利用して常法により単離できる。
本発明の新規なアクリジン誘導体は、分解起源物質であるアクリノールとはその化学構造を全く異にするばかりでなく、アクリノールに比し優れた抗菌活性を有しており、手指、皮膚、粘膜、創傷部位等の生体に対する殺菌、消毒の他、一般環境用消毒等非生体に対する消毒に使用される消毒剤の、抗菌スペクトル、抗菌活性の改善された消毒薬として顕著な効果を奏する。また、グラム陽性菌や真菌に対する優れた抗菌活性を利用する化学療法剤としての適用も期待できる。
本発明化合物の抗菌活性は、bouillon agar及びglucose-bouillon agarを用いた寒天平板希釈法によって測定した。なお、対照としては、原体であるアクリノールを用いた。
結果を表1に示す。
Figure 0004794136
上表1から明らかなように、ANDP−7はグラム陽静菌、特にミクロコッカス・ルテウス及びスタフィロコッカス・アウレウスに対して強い抗菌力を示した。また、原体であるアクリノールに比べ陽性菌に対しては10〜100倍の抗菌力を示し、さらにアクリノールが抗菌力を示さない真菌類に対してもかなり強い抗菌力を示した。
式(I)で示される化合物又はその製薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬製剤は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。
投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤、経鼻剤あるいは吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投与量は症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常、経口投与の場合、成人1日当たり0.001mg/kg乃至50mg/kg程度であり、これを1回で、あるいは2〜4回に分けて投与する。また、症状によって静脈投与される場合は、通常、成人1回当たり0.0001mg/kg乃至10mg/kgの範囲で1日に1回乃至複数回投与される。また、医薬組成物が外用剤例えば有効成分が0.0001乃至2%濃度の軟膏を用いる場合は1日1回乃至複数回患部に塗布する。
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、溶解剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要により糖衣を施したり、胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な溶剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な溶剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル等がある。このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
手指、皮膚の殺菌消毒あるいは外用剤としては、液状、半固体、あるいは固体の製剤が含まれる。
外用乃至殺菌・消毒のための液体組成物は、製薬学的に許容される乳剤、ローション剤、乳濁剤、外用チンキ剤、救急用絆創膏パッド含浸用液剤などの液状の製剤を包含する。これらの組成物は、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば水、エタノールやイソプロパノール等のアルコール、イソプレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸エチル、1,3−ブタンジオール、ニコチン酸アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルジエタノールアミン等の溶剤乃至は溶解補助剤、流動パラフィンや各種植物油等の油分、ポリソルベート等の界面活性剤を含みうる。これらの組成物は前記不活性な希釈剤以外に、安定化剤、経皮吸収促進剤、芳香剤、防腐剤、顔料等のその他の添加剤を含有していてもよい。
外用乃至殺菌・消毒のための半固体の製剤は、油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤などの半固体の製剤を包含する。これらの組成物は、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば水、エタノールやイソプロパノール等のアルコール、イソプレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸エチル、1,3−ブタンジオール、ニコチン酸アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルジエタノールアミン等の溶剤乃至は溶解補助剤、ワセリン、ポリエチレングリコール、カーボポールなどの軟膏基剤、流動パラフィンや各種植物油等の油分、ポリソルベート等の界面活性剤を含みうる。さらに、これらの組成物は前記不活性な希釈剤以外に、安定化剤、経皮吸収促進剤、芳香剤、防腐剤、顔料等のその他の添加剤を含有していてもよい。
外用乃至殺菌・消毒のための半固体乃至固体の製剤としては、硬膏(ゴム膏、プラスター)、フィルム剤、テープ剤、あるいはパップ剤等の経皮投与用又は経粘膜(口腔内、経鼻)用の貼付剤、軟膏付救急用絆創膏あるいは薬剤付着救急用絆創膏などが包含される。これらの組成物は、一般的に用いられる不活性な担体、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、SBR、SISなどの合成ゴムなどのゴム系高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸コポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム等の親水性高分子;アクリル樹脂;流動パラフィン、ポリブテン等の粘着付与剤、;水、エタノールやイソプロパノール等のアルコール、イソプレングリコール、トリエチレングリコール、乳酸エチル、1,3−ブタンジオール、ニコチン酸アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルジエタノールアミン等の溶剤乃至は溶解補助剤;流動パラフィンや各種植物油等の油分;及びポリソルベート等の界面活性剤を含みうる。これらの組成物は前記不活性な希釈剤以外に、安定化剤、経皮吸収促進剤、芳香剤、防腐剤、顔料等のその他の添加剤を含有していてもよい。
本発明化合物を抗菌薬、殺菌・消毒薬として使用する場合には、配合による相加効果乃至は相乗効果を期待して、他の抗菌薬(例えばメトロニダゾール等のニトロイミダゾール系抗生物質;テトラサイクリン等のテトラサイクリン系抗生物質;アンピシリン等のペニシリン系抗生物質、セファドロキシル等のセファロスポリン系抗生物質;メロペネム等のカルバペネム系抗生物質;パロモマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質;クラリスロマイシン等のマクロライド系抗生物質;クリンダマイシン等のリンコサミド系抗生物質;リファンピシリン等のリファマイシン系抗生物質;シプロフロキサシン用のニューキノロン系抗生物質)、抗炎症剤(アスピリン等のサリチル酸系抗炎症剤;メフェナム酸等のアントラニル酸系抗炎症剤、インドメタシン等のアリール酢酸系抗炎症剤;ロキソプロフェンナトリウム等のカルボン酸系抗炎症剤;ピロキシカム等のエノール系抗炎症剤)、セレコキシブ等のCOX2阻害剤、クロタミトン等の鎮痒薬、グリチルリチン酸ジカリウム等の生薬成分、他の消毒薬(前記グルタラール、フタラール等のアルデヒド系消毒薬;過酢酸;ホルマリン等のアルデヒド系消毒薬;次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系消毒薬;ポピドンヨード、ヨウ素などのヨウ素系消毒薬;エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系消毒薬;石炭酸(フェノール)、クレゾールなどのフェノール系消毒薬;オキシドールなどの酸化剤系消毒薬;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン性界面活性剤系の消毒薬;グルコン酸クロルへキシジン等のビグアナイド系消毒薬;塩化アルキルジアミノエチルグリシンなどの両性界面活性剤系消毒薬;アクリノール(乳酸エタクリジン)等の色素系消毒薬)等と併用することができる。
以下、実施例を記載し本発明をさらに詳細に説明するが、実施例の記載が本発明の範囲を限定するものではないことは勿論である。
アクリノール溶液を不織布に染み込ませ、3ヶ月以上放置しておくと、布は黒褐色に変化する。この変色物質を不織布からメタノールで抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でその分解物の確認を行った。なお、アクリノール溶液あるいは粉末を、担体に含浸させることなくそのままの状態で、自然光で6ヶ月以上照射してもアクリノールの分解物はアクリノールの2〜3%に過ぎないことが確認され、担体に含浸させることにより分解が促進していると認められた。また、自然光とUVランプを同期間(3ヶ月以上)照射したものをHPLCで確認したところ、UVを当てたものの方が分解の進行が早いことが明らかで、自然光においてもUVが大きく関与していることが示唆された。なお、HPLCクロマトグラム上において、原体であるアクリノール以外の主なピークについて、保持時間の短いピークから順に、ANDP−1、−2、−3、−4・・・・・・と命名した。
アクリノールの分解物を不織布からメタノールを用いて抽出し、減圧濃縮後、濃縮液をダイアイオン HP−10(Nippon Rensei Co社製)を充填したカラムにロードし、以下に示す5種の溶媒を用いて順次溶出を行い、4つの分画に分けた。
各分画をHPLCで確認したところ、水(H2O)分画には主にANDP−1、−2、及び−3が、50%メタノール水分画には主にANDP−4、−5、及び−6が、80%メタノール水分画には主にANDP−7、−8、及び−9が、並びに100%メタノール及び50%アセトン水分画には主に原体であるアクリノールが、それぞれ確認された。
これらの分画のうち、分解物の主成分であると考えられるANDP−8及び−7を含む80%メタノール溶出分画を濃縮し、濃縮液をセファデックス LH−20(Amersham biosciences社製)充填カラムにロードし、ANDP−8リッチ及びANDP−7リッチ分画に分け、さらに同カラムで各分画のりクロマトグラフィーを行うことにより精製ANDP−8(純度99%)及びANDP−7(純度98%)を得た。
得られたANDP−8の理化学的性状は下表2通りである。
Figure 0004794136
以上の理化学的性質及び13C-NMRのデータ、2DとしてH-H相関、H-C相関としてHMQCと、H-Cのロングレンジ相関HMBCのデータに基づき、本発明化合物ANDP−8は以下の構造を有していると同定した。
Figure 0004794136
本発明化合物ANDP−8の赤外線吸収スペクトル図である。 本発明化合物ANDP−8の1H−NMRスペクトル図である。

Claims (4)

  1. 下記式(I)で示されるアクリジン誘導体、又はその製薬学的に許容される塩。
    Figure 0004794136
  2. 請求項1記載のアクリジン誘導体、又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬。
  3. 殺菌剤である請求項2記載の医薬。
  4. 消毒剤である請求項2記載の医薬。
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