以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態のプラズマディスプレイ装置におけるパネルの分解斜視図である。パネル10は、ガラス製の前面基板21と背面基板31とを対向配置して、その間に多数の放電セルを形成するように構成されている。前面基板21上には表示電極対を構成する走査電極22と維持電極23とが互いに平行に対をなして複数形成されている。そして、走査電極22および維持電極23を覆うように誘電体層24が形成され、誘電体層24上には保護層25が形成されている。また、背面基板31上には絶縁体層33で覆われた複数のデータ電極32が設けられ、絶縁体層33上に井桁状の隔壁34が設けられている。また、絶縁体層33の表面および隔壁34の側面に蛍光体層35が設けられている。そして、走査電極22および維持電極23とデータ電極32とが交差するように前面基板21と背面基板31とが対向配置されており、電極の交差するそれぞれの位置に放電セルが形成されている。放電セルには放電ガスとして、例えばネオンとキセノンの混合ガスが封入されている。なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えば井桁状の隔壁のかわりにストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
図2は本発明の実施の形態のプラズマディスプレイ装置におけるパネル10の電極配列図である。行方向にn本の走査電極221〜22n(図1の走査電極22)およびn本の維持電極231〜23n(図1の維持電極23)が配列され、列方向にm本のデータ電極321〜32m(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極22iおよび維持電極23i(i=1〜n)と1つのデータ電極32j(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。
図2に示すような各電極を駆動する手法として、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割したうえで、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行う方法が一般的である。このような手法はサブフィールド法と呼ばれており、本実施の形態でもこのようなサブフィールド法に基づき各電極を駆動するような構成例を挙げて説明する。
図3は本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のブロック図である。プラズマディスプレイ装置100は、パネル10、画像信号処理部42、データ電極駆動部43、走査電極駆動部44、維持電極駆動部46、タイミング発生部48および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源部(図示せず)を備えている。
画像信号処理部42は、画像信号sigを、各放電セルのサブフィールドごとの発光・非発光を示す画像データに変換する。データ電極駆動部43は、サブフィールドごとの画像データを各データ電極32に対応する信号に変換し、各データ電極32を駆動する。走査電極駆動部44は、各走査電極22に所定の駆動電圧波形を供給し、各走査電極22を駆動する。維持電極駆動部46は、各維持電極23に所定の駆動電圧波形を供給し、各維持電極23を駆動する。タイミング発生部48は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vをもとにして各電極駆動部の駆動電圧波形を制御する各種のタイミング信号を発生し、各電極駆動部へ供給する。
図4は、本発明の実施の形態のプラズマディスプレイ装置におけるパネル10の各電極に印加する駆動波形図である。図4に示すように、本プラズマディスプレイ装置では、サブフィールド法に基づき、初期化期間、書込み期間および維持期間を含む複数のサブフィールドにより1フィールド期間を構成している。さらに、本プラズマディスプレイ装置では、各サブフィールドごとにデータ電極、走査電極および維持電極に、図4に示すような駆動電圧波形の駆動信号を印加することで、放電セルを選択的に発光させて階調表示を行う。
以下、図4を用いて、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその波形に応じたパネルの基本的な動作について説明する。
まず、初期化期間では、データ電極321〜32mおよび維持電極231〜23nを電圧0ボルトに保持し、走査電極221〜22nに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を印加する。すると、全ての放電セルにおいて1回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極221〜22n上に負の壁電圧が蓄えられるとともに、維持電極231〜23n上およびデータ電極321〜32m上に正の壁電圧が蓄えられる。ここで、電極上の壁電圧とは、電極を覆う誘電体層あるいは蛍光体層上に蓄積した壁電荷により生じる電圧をあらわす。その後、維持電極231〜23nを正の電圧Veに保ち、走査電極221〜22nに電圧Vi3から電圧Vi4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると、全ての放電セルにおいて2回目の微弱な初期化放電を起こし、走査電極221〜22n上の壁電圧と維持電極231〜23n上の壁電圧との電圧差が弱められ、データ電極321〜32m上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。このようにして、全ての放電セルにおいて初期化の放電が実行される。
続く書込み期間では、走査電極221〜22nを一旦、書込バイアス電圧Vscに保持する。次に、データ電極321〜32mのうち、1行目に表示すべき放電セルのデータ電極32kに正の書込パルス電圧Vdを印加するとともに、1行目の走査電極221に走査パルス電圧Vaを印加する。このとき、データ電極32kと走査電極221との交差部の電圧は、外部印加電圧(Vd−Va)にデータ電極32k上の壁電圧および走査電極221上の壁電圧の大きさが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、データ電極32kと走査電極221との間および維持電極231と走査電極221との間に書込み放電が起こり、この放電セルの走査電極221上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極231上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極32k上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に表示すべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、正の書込パルス電圧Vdを印加しなかったデータ電極と走査電極221との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで順次行い、書込み期間が終了する。
続く維持期間では、まず、維持電極231〜23nを電圧0ボルトに戻し、走査電極221〜22nに正の維持パルス電圧Vsを印加する。このとき、書込み放電を起こした放電セルにおいては、走査電極22i上と維持電極23i上との間の電圧は、維持パルス電圧Vsに、走査電極22i上および維持電極23i上の壁電圧の大きさが加算されたものとなり、放電開始電圧を超える。そして、走査電極22iと維持電極23iとの間に維持放電が起こり、走査電極22i上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極23i上に正の壁電圧が蓄積される。このときデータ電極32k上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧状態が保持される。続いて、走査電極221〜22nを電圧0ボルトに戻し、維持電極231〜23nに正の維持パルス電圧Vsを印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極23i上と走査電極22i上との間の電圧は放電開始電圧を超えるので、再び維持電極23iと走査電極22iとの間に維持放電が起こり、維持電極23i上に負の壁電圧が蓄積され、走査電極22i上に正の壁電圧が蓄積される。以降同様に、走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとに交互に維持パルスを印加することにより、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルでは維持放電が継続して行われる。なお、維持期間の最後には走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとの間にいわゆる細幅パルスを印加して、データ電極32k上の正の壁電荷を残したまま、走査電極221〜22nおよび維持電極231〜23n上の壁電圧を消去している。こうして維持期間における維持動作が終了する。
続いて、第2サブフィールドでの初期化期間では、維持放電を行った放電セルのみ初期化する選択初期化を実行する。選択初期化期間では、維持電極231〜23nを電圧Veに保持し、データ電極321〜32mを電圧0ボルトに保持し、走査電極221〜22nに電圧Vi3’から電圧Vi4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を印加する。すると前のサブフィールドの維持期間で維持放電を行った放電セルでは、微弱な初期化放電が発生し、走査電極22i上と維持電極23i上との壁電圧差が弱められ、データ電極32k上の壁電圧も書込み動作に適した値に調整される。一方、前のサブフィールドで書込み放電および維持放電を行わなかった放電セルについては放電することはなく、前のサブフィールドの初期化期間終了時における壁電荷状態がそのまま保たれる。
以下、第2サブフィールドでの書込み期間および維持期間では第1サブフィールドと同様の動作を実行し、さらに、それに続くサブフィールドでは第2サブフィールドと同様の動作を実行する。本プラズマディスプレイ装置は、サブフィールドごとにこのような駆動電圧波形をそれぞれの電極に供給することで各電極を駆動し、このような駆動動作を実行することで画像に応じた放電セルを発光させパネル10上に画像を表示する。
次に、図4で示したような駆動電圧波形を生成する走査電極駆動部44および維持電極駆動部46の構成について説明する。
図5は本発明の実施の形態のプラズマディスプレイ装置における走査電極駆動部44および維持電極駆動部46の構成を示す回路図である。走査電極駆動部44は、初期化電圧発生部50と、走査電極側維持パルス発生部(以下、適宜、「維持パルス発生部」と呼ぶ)60と、走査パルス発生部70とを備える。走査パルス発生部70は、パネル10の走査電極221〜22nに、それぞれの走査電極を駆動するための走査電極駆動信号を供給する。これとともに、走査パルス発生部70は、異常を検出したとする異常検出信号SOSを出力する。また、維持電極駆動部46は、維持電極側維持パルス発生部(以下、適宜、「維持パルス発生部」と呼ぶ)90およびVe電圧印加回路95を備え、パネル10の維持電極231〜23nのそれぞれに共通に接続されている。
走査電極駆動部44の初期化電圧発生部50は、ミラー積分回路51およびミラー積分回路52を備える。ミラー積分回路51は、走査パルス発生部70の基準電位Aをランプ状に上昇させ、ミラー積分回路52は基準電位Aをランプ状に降下させる。また、維持パルス発生部60は、スイッチ61およびスイッチ62を備える。スイッチ61は、走査パルス発生部70の基準電位Aを維持パルス電圧Vsに接続し、スイッチ62は基準電位Aを接地電位に接続する。なお、維持パルス発生部60には電力回収回路63をさらに備えていてもよい。
図5において、走査パルス発生部70は、基準電位Aを負の走査パルス電圧Vaに接続するためのスイッチ72と、書込み期間における走査電極221〜22nへの書込バイアス用電圧Vcを生成する書込バイアス電圧生成回路73と、書込バイアス電圧から走査パルス電圧Vaに所定の期間切替えて書込バイアス電圧に重畳した走査パルス信号を生成し、走査電極221〜22nにその走査パルス信号を供給する走査パルス発生回路861〜86nと、書込バイアス電圧生成回路73と走査パルス発生回路861〜86nとの間の電流を検出する電流検出回路としての抵抗器Rscと、抵抗器Rscの一端で検出された電圧に基づき異常を検出し、その異常の検出を示す異常検出信号SOSを出力する異常検出回路71と、走査パルス発生回路861〜86nに設けた走査制御回路を動作させるための電源電圧Vdd2を供給する走査制御電源VD2と、異常検出回路71を動作させるための電源電圧Vdd1を供給する異常検出回路用電源VD1とを備えている。
また、書込バイアス電圧生成回路73は、書込バイアス用電圧Vcを供給する電源VCと、書込み期間を示すタイミング信号を出力するバイアス制御回路75と、バイアス制御回路75のタイミング信号に応じて書込み期間に書込バイアス用電圧Vcを出力するバイアススイッチング回路76とを備えている。さらに、バイアススイッチング回路76は、書込バイアス用電圧Vcの出力をオンオフするスイッチ77と、基準電位Aの電圧をオンオフするスイッチ78とで構成されている。また、スイッチ77およびスイッチ78は、トランジスタなどの半導体素子である。書込バイアス電圧生成回路73は、このような構成により、書込み期間において書込バイアス用電圧Vcを出力し、抵抗器Rscを介して走査パルス発生回路861〜86nのスイッチング回路801〜80nのそれぞれに書込バイアス電圧Vscを供給している。
また、走査パルス発生回路861〜86nにおいて、走査パルス発生回路86iは、走査電極22iに走査パルス信号を印加するためのスイッチング回路80iおよびスイッチング回路80iを制御するための走査制御回路85iを備えている。そして、それぞれのスイッチング回路80iは、直列に接続されたスイッチ81iおよびスイッチ82iと、スイッチ81iおよびスイッチ82iのそれぞれに並列に接続されたダイオード83iおよびダイオード84iとを備えている。そしてそれらスイッチング回路801〜80nのそれぞれは、基準電位Aに共通に接続されるとともに、抵抗器Rscを介して書込バイアス電圧生成回路73の出力に共通に接続されている。また、走査制御回路851〜85nのそれぞれは走査制御電源VD2に並列に接続されている。
次に、図5に示す維持電極駆動部46において、Ve電圧印加回路95は、維持電極231〜23nに電圧Veを供給するためのスイッチ96を備えている。また、維持パルス発生部90は、維持パルス発生部60と同様に、スイッチ91およびスイッチ92を備え、スイッチ91は維持電極231〜23nを維持パルス電圧Vsに接続し、スイッチ92は維持電極231〜23nを接地電位に接続する。なお維持パルス発生部90には電力回収回路93をさらに備えていてもよい。
図6は、上述した走査電極駆動部44の具体的な構成例を示す模式図である。図6では、走査電極駆動部44のスイッチング回路801〜80nおよび走査制御回路851〜85nが複数ブロックごとにまとめられ集積化、すなわちIC(Integrated Circuit)化された一例を挙げている。以下、このICを「走査IC」と呼ぶ。すなわち、図6では、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置の複数の走査ICとその接続を示している。本実施の形態においては、スイッチング回路80iおよび走査制御回路85iをp回路分まとめて1つの走査IC88とし、この走査IC88をq個使用して、n本の走査電極のそれぞれに図4で示したような駆動電圧波形を供給している。そして、書込み期間において、それぞれの走査IC881〜88qには、それら走査ICの書込み期間での基準とする電位、すなわち走査パルス発生部70の基準電位Aに対して正の書込バイアス電圧Vscが、書込バイアス電圧生成回路73から抵抗器Rscを介して印加される。また、走査IC881〜88qを制御するための電源電圧Vdd2が走査制御電源VD2から印加されている。さらに、走査電極駆動部44の異常を検出するため、異常検出回路71は、抵抗器Rscの一端の電圧を取り込む。また、異常検出回路71には、異常検出回路用電源VD1から電源としての電源電圧Vdd1が供給されている。このように多数のスイッチング回路801〜80nおよび走査制御回路851〜85nをIC化することにより回路をコンパクトにまとめることができ実装面積も小さくなる。そしてICがモノリシックICであれば実装面積もさらに小さくなるので、より望ましい。
以下、このように構成された本プラズマディスプレイ装置の各サブフィールドにおいて、まず、本プラズマディスプレイ装置が正常に動作する場合の駆動動作について説明する。
まず、図4に示す第1サブフィールドの初期化期間では、維持電極駆動部46のスイッチ92をオンにして維持電極231〜23nに電圧0ボルトを印加するとともに、走査電極駆動部44のミラー積分回路51を用いて電圧Vi1から電圧Vi2に向かって緩やかに上昇するランプ電圧を基準電位Aに印加する。このとき、走査パルス発生部70のスイッチング回路801〜80nのスイッチ811〜81nはオフ、スイッチ821〜82nはオンにしておく。すると、図4に示すように電圧Vi1から電圧Vi2に向かって緩やかに上昇するランプ電圧が走査電極221〜22nに印加される。その後、維持電極駆動部46のスイッチ92をオフ、スイッチ96をオンにして維持電極231〜23nに電圧Veを印加するとともに、走査電極駆動部44のミラー積分回路52を用いて電圧Vi3から電圧Vi4に向かって緩やかに下降するランプ電圧を走査電極221〜22nに印加する。すると、上述したように、各放電セルで微弱な初期化放電が発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を各電極上に形成する。なお、初期化期間の動作としては、図4の第2サブフィールドの初期化期間に示したように、走査電極221〜22nに対して緩やかに下降するランプ電圧を印加するだけでもよい。
次に、書込み期間では、まず、走査電極駆動部44の走査パルス発生部70のスイッチ72をオンにして走査パルス発生部70の基準電位Aを走査パルス電圧Vaにする。また、このとき、書込バイアス電圧生成回路73において、バイアス制御回路75は、書込み期間を示すタイミング信号に応じた切替信号をバイアススイッチング回路76に出力する。これにより、書込み期間では、バイアススイッチング回路76のスイッチ77がオン、スイッチ78がオフとなり、書込バイアス電圧生成回路73からは、基準電位Aに対して書込バイアス用電圧Vcだけ高い電圧が出力され、抵抗器Rscに供給される。また、抵抗器Rscのもう一方の端子からは、この書込バイアス用電圧Vcから抵抗器Rscにより電圧降下した電圧である書込バイアス電圧Vscが出力される。なお、具体的には、抵抗器Rscとして抵抗値の小さい抵抗器を挿入しており、また通常時においては、書込バイアス電圧生成回路73と走査パルス発生回路861〜86nとの間の電流はわずかであるため、書込バイアス用電圧Vcと抵抗器Rscにより電圧降下した書込バイアス電圧Vscとはほぼ等しい。
このように、書込み期間においては、基準電位Aに走査パルス電圧Vaが印加され、書込バイアス電圧生成回路73から抵抗器Rscを介して走査パルス発生回路861〜86nに書込バイアス電圧Vscが印加された状態となる。これとともに、書込み期間の開始時において、スイッチング回路801〜80nのスイッチ811〜81nをオン、スイッチ821〜82nをオフにする。これによって基準電位Aに書込バイアス電圧Vscだけ加算された電圧、すなわち図4に示すような書込バイアス電圧Vscが、スイッチ811〜81nを介して走査電極221〜22nに印加されることとなる。次に、1行目の走査電極221に対応するスイッチング回路801のスイッチ811をオフ、スイッチ821をオンにする。これによって、1行目の走査電極221には、書込バイアス電圧Vscに対して負の走査パルス電圧Vaが印加される。このとき、発光すべき放電セルに対応するデータ電極32にデータ電極駆動部43を用いて正の書込パルス電圧Vdを印加する。すると走査パルス電圧Vaと書込パルス電圧Vdとが同時に印加された1行目の放電セルでは書込み放電が発生し、走査電極221および維持電極231に壁電荷を蓄積する書込み動作が行われる。
次に、スイッチング回路801のスイッチ811をオン、スイッチ821をオフに戻し、2行目の走査電極222に対応するスイッチング回路802のスイッチ812をオフ、スイッチ822をオンにして2行目の走査電極222に負の走査パルス電圧Vaを印加する。このとき、発光すべき放電セルに対応するデータ電極32に書込パルス電圧Vdを印加する。すると走査パルス電圧Vaと書込パルス電圧Vdとが同時に印加された2行目の放電セルでは書込み放電が発生し、書込み動作が行われる。以上の書込み動作をn行目の放電セルに至るまで繰り返し、発光すべき放電セルに対して選択的に書込み放電を発生させ壁電荷を形成する。
続く維持期間では、維持電極駆動部46のスイッチ96をオフに、スイッチ92をオンにして維持電極23に電圧0ボルトを印加する。そして走査電極駆動部44のスイッチング回路801〜80nのスイッチ811〜81nをオフ、スイッチ821〜82nをオンにし、スイッチ72をオフに、スイッチ61をオンにして、走査電極221〜22nに維持パルス電圧Vsを印加する。こうして走査電極221〜22nに維持パルス電圧Vsを印加すると、書込み放電を起こした放電セルでは維持放電が起こり発光する。
次に走査電極駆動部44のスイッチ61をオフに、スイッチ62をオンにして走査電極221〜22nに電圧0ボルトを印加するとともに、維持電極駆動部46のスイッチ92をオフに、スイッチ91をオンにして維持電極231〜23nに維持パルス電圧Vsを印加する。すると維持放電を起こした放電セルでは再び維持放電が起こり発光する。以降同様に、走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとに交互に必要な回数の維持パルスを印加して、放電セルを所定の輝度で発光させる。
続くサブフィールドにおいても上述したサブフィールドの動作と同様の動作を繰り返すことにより放電セルを発光させ、画像を表示している。
以上説明したような走査電極駆動部44、維持電極駆動部46およびデータ電極駆動部43の動作を実行することで、各電極には図4で示したような駆動電圧波形が印加されることとなり、画像に応じた放電セルを発光させてパネル10上に画像が表示される。
以上、本プラズマディスプレイ装置が異常なく動作する場合の駆動動作を中心に説明したが、次に、本プラズマディスプレイ装置において駆動動作中に異常が発生した場合、その異常に対処するため設けた異常検出回路71を含む保護機能の構成およびその動作について説明する。
図7は、走査電極駆動部44の異常検出回路71の詳細な回路構成を含む走査パルス発生部70の回路図である。
まず、図7において、書込バイアス電圧生成回路73は、上述したように、書込バイアス用電圧Vcをバイアススイッチング回路76に供給する電源VCと、書込み期間を示すタイミング信号をバイアススイッチング回路76に出力するバイアス制御回路75と、書込バイアス用電圧Vcと基準電位Aの電圧とが供給され、直列に接続されたスイッチ77とスイッチ78とにより書込バイアス用電圧Vcと基準電位Aの電圧とを切替えて出力するバイアススイッチング回路76とを備えている。また、バイアス制御回路75の電源端子Vdには電源電圧Vdd1が供給され、バイアス制御回路75の入力INには、タイミング発生部48から書込み期間を示す信号が入力される。書込バイアス電圧生成回路73は、このような構成により、次のように動作する。すなわち、書込み期間においては、バイアス制御回路75の出力端子Hが論理値1の信号を出力し、出力端子Lが論理値0の信号を出力し、書込み期間以外の期間においては、バイアス制御回路75の出力端子Hが論理値0の信号を出力し、出力端子Lが論理値1の信号を出力する。バイアス制御回路75は、このようなタイミング信号をバイアススイッチング回路76に出力する。一方、スイッチ77およびスイッチ78は、バイアス制御回路75から論理値1の信号が供給されるとオンになり、論理値0の信号が供給されるとオフとなる。よって、書込み期間においては、スイッチ77がオン、スイッチ78がオフとなるため、バイアススイッチング回路76は、書込バイアス用電圧Vcを出力する。また、書込み期間以外の期間においては、スイッチ77がオフ、スイッチ78がオンとなるため、バイアススイッチング回路76は、基準電位Aの電圧を出力する。バイアススイッチング回路76から出力された電圧は、抵抗器Rscを介して走査パルス発生回路861〜86nのそれぞれに供給される。
次に、図7において、異常検出回路71は、異常を検出するための入力信号として、抵抗器Rscのb端側の電圧を取り込む。すなわち、抵抗器Rscは、書込バイアス電圧生成回路73と走査パルス発生回路861〜86nとの間の電流を検出する電流検出回路として設けており、抵抗器Rscのb端側である走査パルス発生回路861〜86n側に生じた電圧を電流検出信号として出力する。このように、異常検出回路71は、抵抗器Rscのb端側の電圧に基づき異常を検出する。異常検出回路71において、抵抗器Rscのb端側の電圧は、測定電圧として、抵抗器R12、ダイオードD12を介して、一端が基準電位Aに接続された充電用キャパシタC11のd端側に供給される。さらに、充電用キャパシタC11と並列に抵抗器R11が接続される。充電用キャパシタC11は、抵抗器Rscのb端側に基準電位Aに対して正の電圧が生じた場合、その電圧により充電されるように設けたキャパシタである。また、抵抗器R12は所定の充電特性となるように設けており、ダイオードD12は充電用キャパシタC11に充電された電荷が抵抗器R12側へと逆流するのを防止するために設けている。また、抵抗器R11は、充電用キャパシタC11に蓄積される電荷を所定の時定数で放電させるために設けている。
また、異常検出回路71において、抵抗器R12とダイオードD12のアノード側との接続点であるc端には、さらにダイオードD14のアノード側が接続される。また、ダイオードD14のカソード側は、バイアス制御回路75の出力端子Lに接続される。ダイオードD14は、抵抗器Rscのb端側から充電用キャパシタC11への充電を、書込み期間以外の期間に動作するように設けている。すなわち、書込み期間では、バイアス制御回路75の出力端子Lの出力が論理値0となるため、ダイオードD14には順方向の電圧がかかった状態となり、抵抗器Rscのb端側からの充電電流は、抵抗器R12およびダイオードD14を介して、論理値0のバイアス制御回路75の出力端子Lへと流れ込むこととなる。一方、書込み期間以外の期間では、バイアス制御回路75の出力端子Lの出力が論理値1となるため、ダイオードD14には逆方向の電圧がかかった状態となり、抵抗器Rscのb端側からの充電電流は充電用キャパシタC11へと流れ込むこととなる。このような動作により、抵抗器Rscのb端側から充電用キャパシタC11への充電は、書込み期間以外の期間に動作することとなる。なお、詳細については後述するが、異常検出回路71は、書込み期間以外の特に維持期間における異常を検出するため、書込み期間以外の期間に動作するような構成としている。
また、異常検出回路71において、図7に示すc端には、さらに、アノード側が基準電位Aに接続されたツェナダイオードD13のカソード側が接続される。ツェナダイオードD13は、細いパルス状の高電圧ノイズを削除するために設けており、ツェナダイオードD13のツェナ電圧以上のパルス成分をノイズとしてクリップする。また、図7に示すd端には、さらに、カソード側が電源電圧Vdd1に接続されたダイオードD11のアノード側が接続される。ダイオードD11は、過度の充電などにより充電用キャパシタC11の両端電圧が高電圧になることを防止するために設けており、充電用キャパシタC11の両端電圧が電源電圧Vdd1を超えないように電圧制限している。
また、異常検出回路71において、図7に示すd端には、さらに、電圧判定回路としてのコンパレータCMP1の入力端子が接続される。コンパレータCMP1は、入力端子の電圧とあらかじめ設定したスレショルド電圧とを比較し、入力端子の電圧がスレショルド電圧以下のときには出力レベルがハイレベルあるいはハイインピーダンス状態となり、入力端子の電圧がスレショルド電圧以上のときには出力レベルがローレベルとなるような比較器である。すなわち、コンパレータCMP1は、充電用キャパシタC11のd端の電圧がスレショルド電圧を超えたかどうかを監視するように動作する。なお、本実施の形態では、電圧判定回路としてコンパレータCMP1を用いた例を挙げて説明するが、充電用キャパシタC11のd端の電圧がスレショルド電圧を超えたかどうかを判定するようなその他の回路であってもよい。コンパレータCMP1の出力は、フォトカプラPC1の発光ダイオードPDのアノード側に接続される。そして、フォトカプラPC1の発光ダイオードPDのアノード側は抵抗器R21を介して電源電圧Vdd1に接続され、またカソード側は基準電位Aに接続されている。また、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPTの出力は異常検出信号SOSとしてタイミング発生部48に出力される。
本プラズマディスプレイ装置において、異常検出回路71を含む走査電極駆動部44は以上のような構成であり、このような構成により、本プラズマディスプレイ装置は、駆動動作中にICのパッケージや電子部品の過度の発熱などの異常が発生した場合、上述したような異常検出回路71を含む保護機能によりこのような異常に対処している。
次に、走査IC881〜88qのパッケージや電子部品が過度に発熱するなどの異常が発生するメカニズムについて説明する。
図8は、走査ICや電子部品などが過度に発熱するようなメカニズムの一例を説明するための図である。スイッチング回路801〜80nのうちの1つの出力端子が短絡するなどして1つの走査IC88xが破壊された場合、その破壊モードによっては走査IC88xの走査制御回路85も同時に破壊され、電源ラインを短絡して走査制御電源VD2の電源電圧Vdd2が低下することがある。このような状況が生じると、走査制御電源VD2の電源電圧Vdd2は破壊されていない他の走査IC88kにも共通に供給されているので、破壊されていない走査IC88kの走査制御回路85に印加されている電源電圧Vdd2も低下する。すると、正常な走査IC88kも動作しなくなりスイッチング回路80のスイッチ81およびスイッチ82がともにオフとなる。仮にこの状態で、維持期間において、維持電極231〜23nに維持パルスが印加されると、走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとの間の電極間容量を介して走査IC88kの出力に維持パルス電圧Vsが印加される。すると走査IC88kのダイオード83kを介して、図8に示すような電流Iscが、書込バイアス電圧生成回路73方向へと逆流することになる。
すなわち、維持期間において、走査パルス発生部70では、バイアス制御回路75のタイミング信号により、バイアススイッチング回路76のスイッチ78がオン状態となる。また、維持期間において、走査パルス発生回路861〜86nのスイッチング回路801〜80nでは、走査電極側維持パルス発生部60からの維持パルス電圧Vsを出力するため、スイッチ821〜82nがオン状態となる。このため、走査電極駆動部44が正常に動作しているときの維持期間においては、走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとの電極間容量を介した電流は、それぞれのスイッチ82iを通して基準電位Aへと流れ込む。しかし、上述のような異常が発生した場合、維持期間において、スイッチ821〜82nがオフ状態になるとともに、基準電位Aに接続されるスイッチ78がオン状態となっているため、走査IC88kのダイオード83kを介して、走査電極221〜22nからの電流Iscが書込バイアス電圧生成回路73のスイッチ78を通して基準電位Aに流れ込むこととなる。特に、スイッチ78に流れ込む電流Iscは、走査電極221〜22nのそれぞれからの電流が加算された電流であるため、スイッチ78には大電流が流れ込むこととなる。
このような異常状態が継続すると、過剰な電流が集中したスイッチ78は急激に温度上昇し、このときの温度上昇が大きすぎるとスイッチ78までが破壊されるおそれがある。さらに、電流検出用に設けた抵抗器Rscにも大電流が流れることとなるため、抵抗器Rscも異常に発熱するおそれがある。さらに、電気的に破壊されてインピーダンスの低下した走査IC88xにも、パネル全体の電流が集中して流れるおそれがあり、過剰な電流が集中した走査IC88xは急激に温度上昇し、このときの温度上昇が大きすぎると走査IC88xのパッケージまでが破壊されるなどの不都合が生じる可能性もある。
本プラズマディスプレイ装置は、上述した一例のような異常発生のメカニズムにより、駆動動作中にICのパッケージや電子部品の過度の発熱などの異常が発生した場合、上述したような異常検出回路71を含む保護機能によりこのような異常に対処している。なお、異常発生のメカニズムとしては、上述した走査IC88の誤動作の例だけでなく、例えば、走査制御回路85の誤動作や故障、あるいは走査制御回路85を制御するための信号を生成するロジック回路の誤動作や故障などによっても生じる可能性がある。本プラズマディスプレイ装置は、このような誤動作や故障などの異常発生により、さらに、書込バイアス電圧生成回路73に異常な逆電流が流れ込むような場合が生じても、適切にそのような不都合に対応するような保護機能を有している。
次に、異常検出回路71を含む保護機能の動作について説明する。上述したように、走査パルス発生回路861〜86nの1つの出力端子が短絡などすると、維持期間において、スイッチ78に大電流が逆流して流れ込むような不都合が発生するおそれがある。抵抗器Rscは、このような走査パルス発生回路861〜86nから逆流する電流を検出するために設けている。すなわち、走査パルス発生回路861〜86nからスイッチ78を介して逆流する電流により、抵抗器Rscの両端にはこの電流により電圧が生じる。また、維持期間では、スイッチ78はオンとなるため、抵抗器Rscのa端は基準電位Aとなる。このため、基準電位Aに対する抵抗器Rscのb端の電圧を測定することで、スイッチ78側へと逆流する電流を測定できる。なお、書込み期間においては、抵抗器Rscのb端は書込バイアス電圧Vscとなる。このため、バイアス制御回路75の出力端子Lに接続したダイオードD14を利用して、書込み期間には異常検出回路71による異常検出の動作を停止させるような構成としている。また、上述したように維持期間において走査ICの出力端子が短絡などしたときに過剰の電流が発生するため、異常検出回路71が維持期間のみに動作するような構成としてもよい。
異常検出回路71はこのように、異常を検出するための入力信号として抵抗器Rscのb端側の電圧を取り込む。さらに、抵抗器Rscのb端側の電圧に応じた充電電流が充電用キャパシタC11に流れ込むとともに、充電用キャパシタC11に並列接続された抵抗器R11により充電用キャパシタC11に蓄積された電荷が放電される。
本プラズマディスプレイ装置が正常に動作しているとき、維持期間においては、走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとの電極間容量を介した電流がそれぞれのスイッチ82iを通して基準電位Aへと流れ込むため、抵抗器Rscにはもれ電流などわずかな電流しか流れない。このため、抵抗器Rscのb端側にはわずかな電圧しか発生せず、充電用キャパシタC11のd端もコンパレータCMP1のスレショルド電圧以下の電圧となり、コンパレータCMP1の出力はハイインピーダンス状態となる。よって、電源電圧Vdd1から抵抗器R21を介して、コンパレータCMP1の出力には電流が流れ込まずフォトカプラPC1の発光ダイオードPDに電流が流れるため、このとき発光ダイオードPDは発光した状態となっており、フォトカプラPC1の受光側フォトトランジスタPTがオンし、異常検出信号SOSは異常ではないことを示すローレベルとなる。
ところが、走査パルス発生回路861〜86nの1つの出力端子が短絡などすると、上述したようなメカニズムにより、維持期間において、走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとの電極間容量を介した電流が、抵抗器Rscおよびスイッチ78を介して基準電位Aへと逆流して流れ込む。これとともに、抵抗器Rscのb端側には、この電流に応じた電圧が発生する。維持期間での走査電極221〜22nと維持電極231〜23nとの電極間容量を介した電流は、維持パルスに基づく電流であるため、維持パルスの周期で充電電流が充電用キャパシタC11に流れ込み、充電用キャパシタC11のd端側の電圧は、維持パルスの周期で上昇していく。さらに、充電用キャパシタC11のd端側の電圧が、コンパレータCMP1のスレショルド電圧以上になると、コンパレータCMP1の出力はローレベルとなる。すると、抵抗器R21を介してローレベルのコンパレータCMP1の出力に電流が流れ込むため、フォトカプラPC1の発光ダイオードPDには電流が流れず、発光ダイオードPDは発光しない状態となり、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPTがオフし、異常検出信号SOSは異常が発生したことを示すハイレベルとなる。
異常検出信号SOSがハイレベルとなると、タイミング発生部48は、走査電極駆動部44の維持パルス発生部60および維持電極駆動部46の維持パルス発生部90の動作を停止させるなどの保護動作を行う。
このように、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、異常検出回路71が、維持期間における書込バイアス電圧生成回路73と走査パルス発生回路861〜86nとの間の電流を抵抗器Rscを利用して監視し、走査IC88xの1つの出力端子が短絡などした場合、維持期間において走査パルス発生回路861〜86nから書込バイアス電圧生成回路73に流れ込む過大な電流を検出し異常検出信号SOSを出力する。するとタイミング発生部48は維持パルス発生部60および維持パルス発生部90の維持パルスを停止させるなどして、プラズマディスプレイ装置100の動作を停止させる。そして、その後パネル10の電極には電圧が印加されないこととなる。本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置100はこのような保護機能を有しているので、過剰な電流が集中した書込バイアス電圧生成回路73の異常な発熱や破壊を防止するとともに、出力端子が短絡などにより破壊された走査IC88xへの異常電流の集中による異常な発熱や破壊をも防止できる。
特に、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置は、書込バイアス電圧生成回路73と走査パルス発生回路861〜86nとの間の電流を検出するために、書込バイアス電圧生成回路73と走査パルス発生回路861〜86nとの間に直列に挿入した抵抗器Rscを利用している。一般的に、書込バイアス電圧生成回路73での半導体素子であるスイッチ77やスイッチ78は、抵抗器Rscのような電気部品に比べて、過大電流や過大電圧により電気的に破壊されやすい。これに対し、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置では、走査パルス発生回路861〜86nから過大な逆電流が流れ込む場合であっても、スイッチ78に対して直列に挿入した抵抗器Rscを設けた構成としているため、抵抗器Rscは電流を検出する機能とともに、流れ込む過大な逆電流の電流量を抑制する機能をも有することとなる。このため、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置のような抵抗器Rscを利用した電流検出回路とすることにより、過大電流などにより破壊されやすいスイッチ78を保護することも可能となる。
また、走査パルス発生回路861〜86nから書込バイアス電圧生成回路73への過大な電流が長期間にわたって流れ続けると、抵抗器Rscが過度に発熱するおそれもある。これに対し、本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置では、この抵抗器Rscを介して書込バイアス電圧生成回路73に流れ込む過大な電流を抵抗器Rsc自体が検出し、異常検出回路71が異常検出信号SOSを出力し、維持パルス発生部60および維持パルス発生部90の維持パルスを停止させるような構成としている。すなわち、この抵抗器Rscに過大な電流が流れ込んだとしても、その電流の発生源である維持パルス発生部60および維持パルス発生部90の動作を停止させるような構成としているため、抵抗器Rscの過度の発熱やそれによる破壊をも防止することが可能となる。
以上説明したように、本発明のプラズマディスプレイ装置は、画像を表示するためのパネル10と、走査電極221〜22nを駆動するための走査電極駆動部44と、維持電極231〜23nを駆動するための維持電極駆動部46と、データ電極321〜32mを駆動するためのデータ電極駆動部43とを有し、さらに、走査電極駆動部44は、書込み期間における走査電極221〜22nへの書込バイアス電圧Vscを生成する書込バイアス電圧生成回路73と、書込バイアス電圧Vscに重畳する走査パルス信号を生成し、それぞれの走査電極221〜22nに供給する複数の走査パルス発生回路861〜86nと、書込バイアス電圧生成回路73と走査パルス発生回路861〜86nとの間の電流を検出し、電流検出信号として出力する電流検出回路としての抵抗器Rscと、電流検出回路からの電流検出信号を取り込み、電流検出回路で検出された電流が書込み期間以外の期間において所定の電流値を超えたとき、異常を検出したとする異常検出信号SOSを出力する異常検出回路71とを備え、異常検出回路71が異常を検出したとき、画像表示動作を停止するように構成している。本発明のプラズマディスプレイ装置は、このような構成により、万一、維持期間において、走査パルス発生回路861〜86nから書込バイアス電圧生成回路73への過大な電流が流れたとしても、抵抗器Rscによりその電流を検出し、異常検出回路71が異常検出信号SOSを出力し、異常検出信号SOSに応答して、維持パルス発生部60および維持パルス発生部90の維持パルスの停止を含めプラズマディスプレイ装置の画像表示動作が停止するので、このような異常状態からICや電子部品を不都合なく保護することができる。