JP4792519B2 - ハイブリッド駆動装置及びハイブリッド駆動装置の走行制御方法 - Google Patents

ハイブリッド駆動装置及びハイブリッド駆動装置の走行制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得、
燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置に関するとともに、そのような構成のハイブリッド駆動装置における走行制御方法に関する。
ハイブリッド駆動装置を備えた車両では、エンジン及びモータとして働く回転電機の両方から駆動力を得て走行する走行モードを実現可能とするものがある。例えば、所謂、2モータスプリット形式のハイブリッド駆動装置はこれに当たる。
そして、この種のハイブリッド駆動装置を備えた車両では、通常、燃費を優先してエンジンの動作点と回転電機の動作点が決められる燃費優先で走行する。この燃費優先走行モードにあっては、燃費を重視してエンジンを、その最高効率ライン上で働かせる、所謂、最適燃費制御が施される。そのため、回転電機は、効率の良くない動作点で運転されることがあり、発熱の原因となる。
このような回転電機(特にモータとして働く回転電機)の発熱を回避する方法として、特許文献1では、モータの温度を検出して、その回転電機の負荷を低減する走行モードに切り換えている。
この特許文献に開示の技術では、採り得る走行モードとして、燃費優先無段階変速比モード(燃費優先走行モードに相等する)、固定変速比モード、モータ効率優先無段階変速比モードが示されており、走行モードの切替では、「発熱温度変化」と「発熱温度」とが、切替指標とされる。
「発熱温度」を切替指標とする走行モードの切替にあっては、発熱温度限界(第2限界温度MAX2)と、発熱回避温度(第1限界温度MAX1)とが規定されており、発熱温度限界は、「回転電機の発熱温度が徐々に上昇する場合の限界温度」とされており、発熱回避温度は、「第2限界温度MAX2より低い値、例えば、所定時間継続すると第2限界温度に達する温度」とされている。
発熱温度限界(第2限界温度MAX2)≧発熱温度>発熱回避温度(第1限界温度MAX1)の条件下で、走行モードを、燃費優先無段階モードからモータ効率優先無段階モードに移行させることが提案されており、発熱温度>発熱温度限界(第2限界温度MAX2)の条件下で、固定変速比モードに移行することが提案されている。
この技術では、発熱回避温度(第1限界温度MAX1)は単一種設定されているのみであり、さらに予め設定される固定値である。
また、この技術では、回転電機の発熱の要因となる走行条件(例えば、車両が牽引物を牽引しているとか、登坂状態にあるとか)に関しては何ら考慮されておらず、回転電機の「発熱温度変化」もしくは「発熱温度」基準で、所定の切替を行う。
特開2006−46576号公報
上記のような発熱温度(以下、単に温度と称する)が発熱回避温度を超えた場合に、走行モードを、燃費優先走行モードから回転電機効率優先モードに切替えた場合の回転電機の温度の変化を示したのが、図14である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は
温度を示している。車両は、積載物を積載せず、牽引物を牽引していない単車状態で走行しており、水平路から登坂路に移っていることを示している。
さて、モータとして働いている回転電機の温度は、同図に示すように、登坂に伴って温度上昇が始まり、発熱回避温度(図上、モータ出力制限開始温度と記載)に達し、走行モードを回転電機効率優先モードに切替えることで、温度が発熱温度限界(図上、モータ限界温度と記載)に達することを防止できる。この状況における温度の増加率は、登坂に伴って発生する走行抵抗に対応する。
このような温度の増加率は、同じ登坂走行を行う場合にあっても、車両が単車である状態と、例えば、牽引物を牽引している状態とでは異なる。即ち、後者の方が、前者よりその増加率が大きくなる。
この状況を示したのが図15である。この図面でも、走行は、水平路から登坂路に移っている。同図、細実線で単車・登坂時のモータ温度の変化を示し、二点鎖線で牽引・登坂時のモータ温度の変化を示している。この説明における温度変化は、水平路上での走行において、モータ温度が比較的高温thになっている状態で、登坂を開始した場合の例を示している。
さて、これまで説明してきたモータ出力制限制御を開始する温度であるモータ出力制限開始温度を、牽引の場合にも同様に使用した場合のモータ温度の変化を、同図に破線で示した。この温度変化からも判明するように、牽引状態では、モータ出力制限開始温度を固定としておいた場合、モータ限界温度を超える状況が発生することを示している。
本願の目的は、回転電機の温度が所定の温度を超えた場合に、回転電機にかかる負荷を制限する負荷制限制御を施すハイブリッド駆動装置において、例えば、牽引物を牽引して走行抵抗が増加した場合にも、モータとして働く回転電機の温度を、モータが許容できる温度以下に保つことができる技術を得ることにある。
上記目的を達成するための、エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで、走行可能に構成されるハイブリッド駆動装置の第1の特徴構成は、
前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始する負荷制限制御手段と、
車両の積載状態もしくは牽引状態を検出する積載・牽引検出手段とを備え、
前記積載・牽引検出手段により検出される積載状態もしくは牽引状態に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定する制限開始温度決定手段を備えたことにある。
ここで、積載状態とは、車両がトラック等であり、積荷(積載物)を積載していない単車の状態に対する積載物を積載した状態を意味する。一方、牽引状態とは、トレーラ等の牽引物を牽引していない単車での状態に対する牽引物を牽引した状態を意味する。
このハイブリッド駆動装置は、燃費優先走行モードと、それ以外の走行モードで走行可能であるが、回転電機にかかる負荷を制限する負荷制限制御を行うことが可能とされている。この負荷制限制御では、回転電機にかかる負荷を制限するため、この制御がかかる状態では、回転電機の温度上昇を抑えることとなる。
この負荷制限制御は、回転電機の温度が予め設定されている負荷制限開始温度を超えた場合に開始されるが、第1特徴構成にあっては、制限開始温度決定手段により、この負荷制限開始温度が、積載・牽引検出手段により検出される積載状態もしくは牽引状態あるいはそれらの両方に基づいて変更・決定される。例えば、牽引状態にあり走行抵抗が単車状
態より大きい場合は制限開始温度を単車状態における負荷制限温度より低い側に決定する。さらに、牽引量間の関係では、牽引量が大きい場合は、牽引量が小さい場合よりもさらに、低い側に決定する。
このようにしておくと、回転電機として、その耐え得る限界温度である発熱限界温度が決まっている状況においても、例えば、牽引物の牽引に伴って走行抵抗が増加し、温度上昇率が上昇した場合でも、回転電機の温度を発熱限界温度内に維持することができる。
上記目的を達成するための、エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の第2の特徴構成は、
回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を施す負荷制限制御手段を備えるとともに、
車両の積載状態もしくは牽引状態を検出する積載・牽引検出手段を備え、
前記積載・牽引検出手段により検出される積載状態もしくは牽引状態に基づいて、前記負荷制限制御手段が前記負荷制限制御を施すことにある。
この構成のハイブリッド駆動装置では、先に説明した積載・牽引検出手段を備えるとともに、この積載・牽引検出手段の検出結果に従って、負荷制限制御手段は、回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を施す。
例えば、積載・牽引検出手段により牽引状態が検出された場合は、一律に負荷制限制御を施すのである。従って、このハイブリッド駆動装置は、積載状態あるいは牽引状態にあっては、回転電機の発熱を抑制できることとなり、回転電機が発熱限界温度に達するのを予備的に避けることができる。
一方、積載状態、牽引状態にない場合は、燃費優先走行モードを採用することができ、燃費優先の走行を行うことができる。
上記目的を達することができる、エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の第3の特徴構成は、
前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始する負荷制限制御手段と、
走行状態で車両が受ける走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段とを備え、
前記走行抵抗検出手段により検出される走行抵抗に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定する制限開始温度決定手段を備えたことにある。
このハイブリッド駆動装置も、燃費優先走行モードと、それ以外の走行モードで走行可能であるが、回転電機にかかる負荷を制限する負荷制限制御を行うことが可能とされている。この負荷制限制御では、回転電機にかかる負荷を制限するため、この制御がかかる状態では、回転電機の温度上昇を抑えることとなる。
この負荷制限制御は、回転電機の温度が予め設定されている負荷制限開始温度を超えた場合に開始されるが、第3特徴構成にあっては、制限開始温度決定手段により、この負荷制限開始温度が、走行抵抗検出手段で検出される車両が受ける走行抵抗によって変更・決定される。例えば、走行抵抗が基準より大きい場合は制限開始温度を低い側に決定し、走行抵抗が小さい場合は制限開始温度を高い側に決定する。
このようにしておくと、回転電機として、その耐え得る限界温度である発熱限界温度が決まっている状況においても、牽引物の牽引に伴って走行抵抗が増加し、温度上昇率が上昇した場合でも、回転電機の温度を発熱限界温度内に維持することができる。
負荷制限制御としては、以下の様々な形態の制御とすることができる。
1 変速閾値の低下
記エンジン及び回転電機から駆動力を得て、複数の変速段間で変速して当該駆動力を車輪に伝達する変速機を備えたハイブリッド駆動装置にあっては、前記負荷制限制御手段により負荷制限制御を施すに、前記変速機における降段移行の変速閾値を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおける降段移行の変速閾値より駆動力の低い側に設定するものとすることができる。
この構成のハイブリッド駆動装置では、変速機における変速段の降段移行が、駆動力の低い側で行われる。即ち、例えば、高速側の変速第2段から低速側の変速第1段への変速を例に取って説明すると、負荷制限制御を伴わない燃費優先走行モードにおける変速閾値が、負荷制限制御を行った場合には、駆動力の低い側に設定される。
従って、登坂等の状況において走行抵抗が増加する場合、降段側への制御がより速く行われることとなり、回転電機にかかる負荷を早期に低減することができ、回転電機の温度を良好な状態に保つことができる。
この状況を、図面に基づいて、以下、さらに詳細に説明する。
燃費優先走行モードでは、エンジンは燃費優先の動作点にその動作点が選択され、エンジンからの駆動力では不足する駆動力をモータとして働く回転電機が補うように動作される。複数の変速段間で変速を行う変速機の変速マップを示したのが、図5である。同図の横軸は車速(Km/h)を、縦軸は駆動力(N)を示している。同図は、低速側である変速第1段でカバーする駆動力範囲(細実線より下側の範囲)、及び変速第1段より高速側の変速第2段でカバーする駆動力範囲(太実線より下側の範囲)を示したものである。
さらに同図には、エンジンを最適燃費ライン上で運転する場合の、エンジンから得られる駆動力を、変速第1段及び変速第2段について、それぞれ、太破線で示している。図上、上側に位置する太破線が変速第1段で得られるエンジン駆動力(図上、1stE/G分駆動力と記載)を、下側に位置する太破線が変速第2段で得られるエンジン駆動力(図上、2ndE/G分駆動力と記載)を示している。燃費優先走行モードにおいては、エンジンは、このライン上の駆動力を発生させ、不足分は回転電機により発生されて、各変速段で必要とされる駆動力を満足する。図5には、「走行モータ分駆動力」として、特定の変速段が選択されている走行状態でのモータとして働く回転電機が受持つべき駆動力が示されている。
この図から、エンジンを最適燃費ラインで動作させる状況でも、変速第1段と変速第2段とでは、変速第1段の方がエンジンが発生する駆動力が大きいことが判る。例えば、同図に黒丸●で示す運転ポイントでは、変速段として、変速第2段を採用するより変速第1段を採用したほうが、モータとして働く回転電機が受け持つ負荷は小さい。変速第1段を選択した場合のモータとして働く回転電機が受持つ駆動力を「1st走行時モータ分駆動力」として示し、変速第2段を選択した場合のモータとして働く回転電機が受持つ駆動力を「2nd走行時モータ分駆動力」として示した。この「2nd走行時モータ分駆動力」は、黒丸●で示す運転ポイントでのモータ分駆動力である。
さらに、同図に、細長破線で、変速第1段から変速第2段へ昇段変速を行う場合の変速閾値を「1−2UP線」として示し、細短破線で、変速第2段から変速第1段への降段変速を行う場合の変速閾値を「2−1Down線」として示した。このように、変速にヒステリシスを持たせているのは、ハンチング等を発生しないスムーズな変速を実現するためである。
さて、この変速マップに示す変速制御では、高速側で走行してきて登坂にかかった場合
、黒丸●で示す運転ポイントでは、このポイントが「2−1Down線」の下側に位置するため、未だ変速第2段から変速第1段への変速は行われない。
これに対して、例えば、図13に示すように、前記「2−1Down線」の下側に、新たな変速閾値を設定しておくと、降段変速が早い段階で行われることとなり、この走行ポイントで必要となる駆動力のほぼ全てを、エンジンで賄うことが可能となる。
結果、回転電機にかかる負荷を制限することができるようになり、回転電機の温度が上昇するのを防止することができる。
2 下側の変速段への変更
以上の説明からも判明するように、単に変速閾値を駆動力の低い側に設定するのではなく、直接、変速段を低い側に導くものとしてもよい。
即ち、前記変速機の変速段を、負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とすることも、好ましい態様である。このようにすることによって、エンジンが受持つ負荷を増加させて、回転電機側の負荷を制限もしくは低下させることができる。
これまで説明してきた負荷制限制御は、図5の説明からも判明するように、燃費優先走行モードを維持したままで、回転電機が受持つ負荷を低減するものとなる。
3 エンジン動作点の変更
上記のように変速段の変更を伴う制御を施す外、エンジン出力一定のまま、エンジントルクを前記燃費優先走行モードにおけるトルクより上昇させるものとしてもよい。
この構成の場合は、エンジンの動作点を最適燃費ラインから外すこととなるが、直接エンジントルクを上昇させることで、回転電機で受持つべき負荷を制限することが可能となり、回転電機の温度上昇を回避することが可能となる。
4 回転電機出力の制限
また、本来制限したい側である、回転電機に対してその出力制限をかけることとしてもよい。この場合も、回転電機の温度上昇を回避することができる。
5 負荷制限制御の異なる形態の適用順
以上、説明してきた構成にあっては、負荷制限制御の適用順は、変速段の選択、エンジントルクの上昇、あるいは回転電機の出力制限を採用する場合、以下の順とするのが好ましい。
即ち、まず、前記変速機の変速段を、負荷制限制御を伴っていない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い側の変速段として走行し、
なお回転電機の温度が上昇する場合に、
前記回転電機に対する出力制限、もしくは、エンジン出力一定のままエンジントルクを前記燃費優先走行モードにおけるトルクより上昇させるものとする。
本願に係るハイブリッド駆動装置にあっては、燃費優先走行モードで走行しながら、この状態で、走行抵抗の増加に伴って回転電機の温度が上昇した場合に、負荷制限制御を施す。
複数の変速段を実現する変速機を備えたハイブリッド駆動装置にあっては、変速段を、現状で走行している変速段より低い側の変速段へ変速するだけで、なお、燃費優先走行モードで、回転電機にかかる負荷を制限した状態の走行が可能となる。この状況は、先に図
5を用いて説明した、変速第2段から変速第1段への変速状況と同じである。従って、この手法を最初に取るのが好ましい。
そして、なお温度上昇が認められる場合は、残り2つの手法の何れかを採用することが可能である。エンジンに関して、その出力を維持しながらエンジントルクを増加させると、負荷制限制御を施す状況でも、回転電機で受持たれていた負荷をスムーズにエンジン側へ移行することが可能となり、負荷制限制御を施す場合にもショック等が伴うのを良好に避けることができる。
一方、回転電機の出力を直接的に制限すると、確実に回転電機の温度上昇を防止できる。
6 回転電機効率優先モード
さて、前記負荷制限制御手段により負荷制限制御を施すに、回転電機の効率を優先してエンジンの動作点及び回転電機の動作点が決められる回転電機効率優先モードが取られるようにしておくと、回転電機において発生する発熱を抑えることが可能となり、本願の目的を達成できる。
以上は、負荷制限制御の形態に関する説明であるが、以下、積載状態・牽引状態の検出手法に関して説明する。
1 積載物の積載
積載物を積載した場合に増加する走行抵抗を検出しようとする場合、車両に積載される積載物の有無と積載重量を検出する積載検出手段を備え、
前記積載・牽引検出手段が、前記積載検出手段の検出結果に基づいて、前記積載状態を検出する構造とすることが好ましい。
この構成にあっては、積載検出手段を設け、積載検出手段により積載物の有無とその積載重量を検出する。そして、積載・牽引検出手段が、単車における走行抵抗に対する積載状態に起因する走行抵抗を認識し、その認識に従って、出力制限開始温度を低下させたり、回転電機の負荷を制限するようにする。
この種の積載検出手段としては、例えば、トラックにおける荷台に積載される積載物を検出する検出装置を挙げることができる。
2 牽引物の牽引
牽引物を牽引した場合に増加する走行抵抗を検出しようとする場合は、車両が牽引する牽引物の有無を検出する牽引物検出手段と、走行状態で車両が受ける走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段とを備え、
前記積載・牽引検出手段が、前記牽引物検出手段により検出される牽引物の有無と、前記走行抵抗検出手段により検出される走行抵抗に基づいて、前記牽引状態を検出する構造とすることが好ましい。
この構成にあっては、牽引検出手段を設け、牽引検出手段により牽引物の有無を検出する。一方、走行抵抗検出手段を設けることで、牽引に伴った状態での走行抵抗を検出することができる。そこで、積載・牽引検出手段が、単車における走行抵抗に対する牽引を伴った走行抵抗の増加を認識し、その増加に従って、出力制限開始温度を低下させたり、回転電機の負荷を制限することができる。
この種の牽引検出手段としては、例えば、本願に係るハイブリッド駆動装置を備えた牽引車に、動力源を備えないトレーラ等が牽引されて走行を行う場合に、トレーラが牽引車に連結されているか否か、及び、どのようなトレーラが牽引されているかを検出する牽引物検出装置を挙げることができる。
3 加速状態から積載・牽引状態を検出
以上説明してきた構成においては、積載状態、牽引状態を検出するのに、積載もしくは牽引用の特別の検出手段を設けて検出するものとしたが、積載状態もしくは牽引状態を、車両に発生する加速度から検出するものとしてもよい。
このような構成の提案が以下の例である。
即ち、車両が水平路を走行しているか否かを判定する水平路走行検出手段と、走行状態で車両が受ける走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段とを備え、
前記水平路走行検出手段により水平路上での走行が検出された状態で、
前記積載・牽引検出手段が、前記走行抵抗検出手段により検出される実走行抵抗と、単車状態で、水平路上を走行する場合の走行抵抗である水平路単車走行抵抗との関係に基づいて、前記積載状態あるいは牽引状態を検出する。
この形態の場合は、予め水平路上での単車状態の走行抵抗を得ておくことで、同じく水平路上での実走行抵抗とを比較し、積載状態あるいは牽引状態を走行抵抗から検出することができる。
走行抵抗自体の検出に際しては、水平路走行にある状態で、駆動に供された駆動トルクとその駆動トルクで発生した加速度との関係から、走行抵抗を求めることができる。
走行状態で車両が受ける走行抵抗を検出するには、アクセル開度を求めるアクセル開度検出手段と、車両加速度を求める加速度導出手段とを備え、
これら手段により検出されるアクセル開度と、車両加速度に基づいて求めることもできる。
上記第1の特徴構成を備えたハイブリッド駆動装置にあっては
エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得、
燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の走行制御方法として、
前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始するに、
車両の積載状態もしくは牽引状態を検出し、
検出される積載状態もしくは牽引状態に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定するものとなっている。
本願第2の特徴構成を備えたハイブリッド駆動装置にあっては
エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得、
燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の走行制御方法として、
車両の積載状態もしくは牽引状態を検出し、積載状態もしくは牽引状態を検出した場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を施すものとなっている。
上記第3の特徴構成を備えたハイブリッド駆動装置にあっては
エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得、
燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の走行制御方法として、
前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始するに、
走行状態で車両が受ける走行抵抗を検出し、前記検出される走行抵抗に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定するものとなっている。
本願にかかるハイブリッド駆動装置のシステム構成を示す図 走行制御手段まわりの機能構成を示す図 第1の実施形態における負荷制限制御の処理フローを示す図 燃費優先指標の構成を示す図 変速マップを示す図 負荷制限制御実施時の温度上昇の状態を示す図 第2の実施形態における、走行制御手段まわりの機能構成を示す図 第2の実施形態における負荷制限制御の処理フローを示す図 第2の実施形態で使用する温度マップを示す図 第3の実施形態における、ハイブリッド駆動装置のシステム構成を示す図 第3の実施形態における、走行制御手段まわりの機能構成を示す図 第3の実施形態における負荷制限制御の処理フローを示す図 第3の実施形態で採用する変速マップの構成例を示す図 牽引を行わない場合のモータ温度上昇を示す図 牽引物を牽引した場合のモータの温度上昇を示す図
1.第1の実施形態
本発明の第1の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置Hのシステム構成を示す模式図である。この図において、二重の実線は駆動力の伝達経路を示し、二重の破線は電力の伝達経路を示し、白抜きの矢印は作動油の流れを示している。また、実線の矢印は各種情報の伝達経路を示している。
図2は、本願に係る回転電機MG1,MG2(本願における回転電機は、電力の供給を受けて駆動力を発生するモータ、駆動力を受けて電力を発生するジェネレータ、及び、適宜、選択的にモータとしての機能とジェネレータとしての機能を果す回転電機を含む)及び変速機P2に対し設けられている走行制御手段40を主とする機能ブロック図である。当該走行制御手段40には、燃費優先走行制御手段41及び回転電機高効率制御手段42が設けられており、本願に係るハイブリッド駆動装置Hは、少なくとも燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能に構成され、さらに、後に詳細に説明する、モータとして働く回転電機(例えば、MG2)にかかる負荷が制限された状態で、エンジン動作点と回転電機動作点が決められる負荷制限制御が施された負荷制限制御モードでの走行が可能となっている。
この負荷制限制御としては、本願が回転電機高効率制御と呼ぶ、変速段変更制御、エンジン動作点変更制御、回転電機出力制限制御を実行するように構成されている。
走行制御手段40からは、エンジン制御手段31にエンジン動作点が、回転電機制御手段32に回転電機動作点が、さらに、変速機切替制御手段33に変速段が、それぞれ受け渡され、走行制御手段40において決定されたこれら動作状態(エンジン動作点、回転電機動作点、変速段)で、エンジンE及び回転電機MG1,MG2が動作されるともに、変速機P2の変速段が決定され走行が行われる。
システム構成
ハイブリッド駆動装置Hは、エンジンEに接続された入力軸Iと、車輪Wに接続された出力軸Oと、第1回転電機MG1と、第2回転電機MG2と、入力軸Iの駆動力を中間軸Mと第1回転電機MG1とに分配する動力分配機構P1とを備えて構成されている。当該中間軸Mには、第2回転電機MG2が接続され、さらに、この中間軸Mの回転速度を変速して出力軸Oに伝達する変速機P2が備えられている。
この構成にあっては、エンジンEからの駆動力は、動力分配機構P1において、第1回転電機MG1と中間軸Mとに分配され、その中間軸Mに伝えられる駆動力に第2回転電機MG2からの駆動力が付加されて、変速機P2において変速された後、出力軸Oに伝達される。
1−1.ハイブリッド駆動装置Hの各部の構成
図1に示すように、入力軸IはエンジンEに接続されている。ここで、エンジンEとしては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の各種エンジンを用いることができる。本例では、入力軸IはエンジンEのクランクシャフト等の出力回転軸と一体的に接続されている。なお、入力軸IがエンジンEの出力回転軸との間にダンパやクラッチ等を介して接続された構成としても好適である。
出力軸Oは、ディファレンシャル装置D等を介して車輪Wに駆動力を伝達可能に接続されている。動力分配機構P1をシングル遊星歯車で構成する場合は、中間軸Mをリングギヤに、入力軸Iをキャリアに、さらに、第1回転電機MG1のロータをサンギヤに連結する。
エンジンEは、制御装置ECUに備えられるエンジン制御手段31からの制御指令(エンジン動作点)に従って動作する。本願に係るハイブリッド駆動装置Hでは、後述するように、エンジンEの動作点として、少なくとも、燃費優先の動作点(図4に示すPo)及び回転電機を高効率で動作させるためエンジン出力一定でエンジントルクが上昇した動作点(図4に示すPn)での動作が可能となっている。
第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、図1に示すように、それぞれインバータInを介して蓄電装置としてのバッテリBに電気的に接続されている。
本例では、動力分配機構P1をシングル遊星歯車で構成し、第1回転電機MG1は、主に、そのサンギヤを介して入力された駆動力により発電を行い、バッテリBを充電し、或いは第2回転電機MG2を駆動するための電力を供給する。ただし、車両の高速走行時には第1回転電機MG1はモータとして機能する場合もある。
第2回転電機MG2は、主に車両の走行用の駆動力を補助するモータとして機能する。ただし、車両の減速時等には第2回転電機MG2はジェネレータとして機能し、車両の慣性力を電気エネルギーとして回生する。これら第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2は、制御装置ECUに備えられる回転電機制御手段32からの制御指令(回転電機動作点)に従って動作する。
変速機P2は、中間軸Mを変速機入力部材とし、出力軸Oを変速機出力部材とする。この変速機P2は、油圧の供給を受けて、その係合状態が切替られる複数の摩擦係合要素(図示省略)を備え、当該摩擦係合要素の係合状態に従って、減速比の異なる複数の変速段を実現する。例えば、変速機P2としては、変速比の異なった少なくとも2あるいは3もしくは4の変速段を実現できる変速機を採用できる。変速段が5段以上となっても、いっこうに構わない。
本願に係る制御は、主に、車両が荷物を積載している積載状態、或いは、牽引物を牽引している牽引状態における、比較的駆動負荷が大きい場合の制御に関するため、以下の説明では、主に、変速第1段及び変速第2段での走行制御に関して説明する。
変速機P2における変速マップの一部(変速第1段及び変速第2段にかかる部分)を示したのが、先に説明した図5である。この変速マップには、変速第1段及び変速第2段で得られるエンジンE及び回転電機(以下の説明では、回転電機MG2がモータとして働く場合を例にとって説明する)の両方からの駆動力(細実線・太実線)、及び、各変速段で、エンジンEを最適燃費ライン上で動作させた場合に得られるエンジンEのみからの駆動力(太破線)が示されている。
変速機P2における変速に関して説明すると、変速機P2には、変速段数に応じて切替可能な摩擦係合要素(図示省略)が所定数備えられており、実現すべき変速段に応じて、摩擦係合要素の係合状態が切替られることで、各変速段を実現できる。変速は変速機切替制御手段33からの動作指令に従って油圧制御装置OCが働き、変速段が切替設定される。この種の摩擦係合要素としては、油圧により動作する多板式クラッチや多板式ブレーキが用いられる。
この油圧制御装置OCへの作動油の供給は、エンジンEの動作中は機械式オイルポンプMPにより行われ、エンジンEの停止中は電動オイルポンプEPにより行われる。ここで、機械式オイルポンプMPは、入力軸Iの駆動力により駆動される。また、電動オイルポンプEPは、電動オイルポンプ用インバータInpを介して供給されるバッテリBからの電力(供給経路は図示省略)により駆動される。
1−2.ハイブリッド駆動装置Hの制御装置ECUの構成
図1に示すように、コントローラとしての制御装置ECUは、車両の各部に設けられたセンサSe1〜Se7で取得される情報を用いて、エンジンE、第1回転電機MG1、第2回転電機MG2、油圧制御装置OCを介して変速機P2の各摩擦係合要素、並びに電動オイルポンプEP等の動作制御を行う。
これらのセンサとして、本例では、第1回転電機回転速度センサSe1、第2回転電機回転速度センサSe2、エンジン回転速度センサSe3、車速センサSe4、アクセル開度検出センサSe5、牽引検出センサSe6、及び傾斜センサSe7が設けられている。
第1回転電機回転速度センサSe1は、第1回転電機MG1のロータの回転速度を検出するためのセンサである。
第2回転電機回転速度センサSe2は、第2回転電機MG2のロータの回転速度を検出するためのセンサである。
エンジン回転速度センサSe3は、エンジンEの出力回転軸の回転速度を検出するためのセンサである。ここで、入力軸IはエンジンEの出力回転軸と一体回転するので、このエンジン回転速度センサSe3により検出されるエンジンEの回転速度は入力軸Iの回転速度と一致する。
車速センサSe4は、車速を検出するために出力軸Oの回転速度を検出するためのセンサである。
アクセル開度検出センサSe5は、アクセルペダル18の操作量、即、アクセル開度を検出するためのセンサである。
牽引センサSe6は、車両が牽引物を牽引しているか否かを検出するためのセンサである。
傾斜センサSe7は、車両が水平路を走行しているか否かを検出するためのセンサである。
制御装置ECUは、エンジン制御手段31、回転電機制御手段32、変速機切替制御手段33、回転電機回転検出手段34、車速検出手段35、電動オイルポンプ制御手段36、エンジン回転検出手段37、アクセル開度検出手段38、水平路走行検出手段39、走行制御手段40、牽引検出手段45及び走行抵抗検出手段50を備えている。
制御装置ECUにおけるこれらの各手段は、CPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウエア又はソフトウエア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。
エンジン制御手段31は、エンジンEの動作開始、停止、回転速度制御、出力トルク制御等の動作制御を行う。図2にも示すように、このエンジン制御手段31には、走行制御手段40からエンジン動作点が、その指令情報として送られてくるため、その動作点として指定された回転速度、出力トルクでエンジンEを動作させる。
回転電機制御手段32は、インバータInを介して、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2の回転速度制御、回転トルク制御等の動作制御を行う。
この回転電機制御手段32には、走行制御手段40から各回転電機MG1,MG2の動作点が、その指令情報として送られてくるため、その動作点として指定された、回転速度、出力トルクを回転電機MG1,MG2側で実現すべくインバータInを働かせる。
変速機切替制御手段33は、油圧制御装置OCを介して、変速機P2に備えられる摩擦係合要素の係合・係合解除の動作制御を行う。図2にも示すように、この変速機切替制御手段33には、走行制御手段40から変速機P2で選択すべき変速段が、その指令情報として送られてくるため、その変速段を変速機P2において実現すべく、変速機P2に備えられている摩擦係合要素に、油圧を供給・もしくは当該摩擦係合要素への油圧の供給を停止して、油圧を解除することで、変速機P2の変速段を設定する。
回転電機回転検出手段34は、第1回転電機回転速度センサSe1、及び第2回転電機回転速度センサSe2の出力に基づいて、第1回転電機MG1及び第2回転電機MG2の回転速度を検出する。
車速検出手段35は、車速センサSe4からの出力に基づいて車速を検出する。この車速検出手段35には、加速度導出手段35aが備えられており、経時的に車速検出手段35により検出される車速から、車両の加速度を導出することが可能となっている。
電動オイルポンプ制御手段36は、電動オイルポンプ用インバータ16を介して電動オイルポンプ15の動作制御を行う。
エンジン回転検出手段37は、エンジン回転速度センサSe3からの出力に基づいて、エンジンEの出力回転軸及び入力軸Iの回転速度を検出する。
アクセル開度検出手段38は、アクセル操作検出センサSe5からの出力に基づいてアクセル開度が求められ、このアクセル開度から要求駆動力を推定することができる。
牽引検出手段45は、牽引センサSe6からの出力に基づいて、車両が牽引物を牽引しているか否かを検出する。
水平路走行検出手段39は、傾斜センサSe7からの出力に基づいて、車両が水平方向に走行しているか、否かを検出する。
以上は、図1に示す本願に係るハイブリッド駆動装置Hの基本的な制御構造に関する説明であるが、図1、図2に示すように、制御装置ECUには、走行制御手段40が設けられており、この走行制御手段40が、エンジン制御手段31、回転電機制御手段32、変速機切替制御手段33に対して、適切なエンジンE及び回転電機MG1,MG2の動作点および変速機P2に対する変速段を出力できるように構成されている。
図2に示すように、走行制御手段40には、燃費優先走行制御手段41、回転電機高効率制御手段42及び負荷制限制御手段43が備えられている。
燃費優先走行制御手段41
燃費優先走行制御手段41は、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点を求める手段である。図2に示すように、燃費優先走行制御手段41には、燃費優先指標41aが備えられており、この指標41aに基づいて燃費優先制御下のエンジン動作点Poが導出される。
この燃費優先指標41aは、例えば、図4に示す燃費優先動作線R上の動作点Poを、エンジン回転数とエンジントルクとの関係指標として予め求めたものである。図4は、横軸をエンジン回転数Neとし、縦軸をエンジントルクTeとし、概略楕円形状となる燃費率等高線Sと、等出力線Pを図示したものである。この図面において、燃費率は3次元の
分布となるが、燃費優先動作線Rは、燃費率等高線分布の峰を接続した線である。従って、この燃費優先動作線R上の動作点として、エンジンにおける燃費優先の動作点Poを、エンジン回転数とエンジントルクとの組み合わせとして得ることができる。
先に、図5において説明した太破線は、燃費優先走行制御を行う場合に得られるエンジントルクである。従って、上記の燃費優先指標41aは、変速機P2が取りうる各変速段について、それぞれ予め用意されている。
この燃費優先指標41aは、車両の単車状態(積載物を積載せず、牽引物を牽引しない状態)において予め用意されているものである。
従って、燃費優先走行制御手段41は、現在の車速とアクセル開度によって判明する要求駆動力に基づいて図5に示す変速マップにより、単車状態で取るべき変速段を求め、単車状態において燃費優先走行を行う場合のエンジン動作点、このエンジン動作点に対応する回転電機動作点を求めて、エンジン制御手段31、回転電機制御手段32、変速機切替手段33に制御指令を出力し、燃費優先走行を実現できる。
回転電機高効率制御手段42
回転電機高効率制御手段42は、上記の燃費優先走行制御手段41で実現する走行状態に対して、モータとして働く回転電機(例えばMG2)にかかる負荷が低減される制御を実現する、変速段、エンジン動作点、回転電機動作点を導出する手段である。
図2に示すように、回転電機高効率制御手段42には、変速段変更手段42a、エンジン動作点変更手段42b、回転電機出力制限手段42cが備えられている。
変速段変更手段42a
変速段変更手段42aにあっては、回転電機高効率制御を実現するのに、変速機P2の変速段を、負荷制限制御を伴わない燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とする。
例えば、燃費優先走行モードでの走行状態で、変速段として変速第2段が選択されて走行している状態で、負荷制限制御が必要となった場合には、変速段として変速第1段を選択するのである。
エンジン動作点変更手段42b
エンジン動作点変更手段42bにあっては、回転電機高効率制御を実現するのに、エンジン出力一定のまま、前記エンジントルクを前記燃費優先走行モードにおけるトルクより上昇させる。図4を使用して説明すると、図上Poで示すエンジン動作点で走行している状態で燃費優先の状態から逸脱させ、等出力線P上でエンジントルクが上昇する動作点Pnを選択するのである。
回転電機出力制限手段42c
回転電機出力制限手段42cにあっては、回転電機高効率制御を実現するのに、回転電機MG2に対して出力制限をかける。この出力制限に伴って、不足する不足分はエンジン動作点を制御して補うこととなる。この場合、予め設定された回転電機MG2の出力制限値まで、回転電機MG2の出力を制限する回転電機の動作点を選択する。このようにして、回転電機MG2の昇温を防止することができる。
以上説明してきたように、回転電機高効率制御手段42により選択される変速段、エンジン動作点、回転電機動作点で、ハイブリッド駆動装置Hが動作することにより、燃費優先走行制御を施されている走行状態に比べて、回転電機MG2の温度上昇を抑えることが可能となる。
さらに、図2に示すように、走行制御手段40には、負荷制限制御手段43が備えられ
るとともに、この負荷制限制御手段43には制限開始温度決定手段43aが備えられている。
負荷制限制御手段43
負荷制限制御手段43は、通常の燃費優先走行制御手段41で決定される走行状態で走行している状態において、回転電機高効率制御手段42により決定される走行状態に移行するか、否かを判断する。そして、この負荷制限制御手段43では、回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、回転電機MG2にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始する。
この負荷制限制御手段43には、制限開始温度決定手段43aが備えられている。この制限開始温度決定手段43aは、上記の負荷制限開始温度として、回転電機出力制限開始温度T3に対して、さらに、この温度より低い変速段変更温度T1,エンジン動作点変更温度T2を決定する。
即ち、本願に係るハイブリッド駆動装置Hでは、負荷制限開始温度として、図6に示すように、変速段変更温度T1、エンジン動作点変更温度T2、回転電機出力制限開始温度T3(図にはモータ出力制限開始温度と記載)の3の温度が設定可能とされている。
変速段変更温度T1は、先に説明した変速段変更手段42aによる変速段変更制御を開始する温度である。
エンジン動作点変更温度T2は、先に説明したエンジン動作点変更制御手段42bによるエンジン動作点変更制御を開始する温度である。
回転電機出力制限制御温度T3は、先に説明した回転電機出力制限手段42cによる回転電機出力制限制御を開始する温度である。
これら負荷制限開始温度の関係は、変速段変更温度T1、エンジン動作点変更温度T2、回転電機出力制限開始温度T3と、基本的に記載順に上昇するものとされている。
そして、牽引状態にあっては、3種の負荷制限開始温度T1,T2,T3を、これまで説明してきた負荷制限開始温度として、先に説明した変速段変更制御、エンジン動作点変更制御、回転電機出力制限制御を実行する。
以上のように負荷制限制御手段43における制限開始温度決定手段43aの動作を確保するため、負荷制限制御手段43に対して、積載・牽引検出手段44が設けられ、さらに、これに必要な情報を収集するための、牽引検出手段45、走行抵抗検出手段50、アクセル開度検出手段38、加速度導出手段35aが設けられている。
牽引検出手段45
牽引検出手段45は、車両の運転者等により操作される牽引検出センサSe6(このセンサは、車両に牽引物が連結された場合に、運転者等により操作されるスイッチ、或いは、牽引物の連結部位に設けられ、牽引物が連結された状態で、自動的に連結状態を検出するスイッチ等)からの出力に従って、車両に牽引物が連結されているか否かを検出する手段である。
走行抵抗検出手段50
走行抵抗検出手段50は、アクセル開度検出手段38により検出されるアクセル開度(必要駆動力)と、加速度導出手段35aにより検出される車両加速度との関係に基づいて、現状の車両にかかっている走行抵抗を検出する。
この走行抵抗の検出は、車両が水平路を走行している状態で行う必要がある場合もあるため(牽引している場合の車重の増加量を求める場合に必要となる)、先に説明した水平路走行検出手段39を備え、水平路上で得られる情報からその状態における走行抵抗をも検出する。
そして、積載・牽引検出手段44が、前記走行抵抗検出手段50により検出される実走行抵抗と、積載状態及び牽引状態にない単車状態で水平路上を走行する場合の走行抵抗である水平路単車走行抵抗との関係に基づいて、走行抵抗の増加を検出する。結果、牽引物の牽引に伴う、走行抵抗の増加量が判明する。
実走行抵抗は、走行状態における変速機P2への変速機入力トルクを、マップよりアクセル開度とエンジン回転数、第2回転電機回転数に基づいて求め、実走行抵抗=変速機入力トルク×ギヤ比×デフ比/タイヤ半径−ギヤ損失−車重×加速度として求める。ここで、車重は、単車の場合は単車での車重、積載状態あるいは牽引状態にあってはその増加量を含む車重であり、ギヤ損失はギヤ段によりマップから求められる。
一方、車両が水平路を積載状態あるいは牽引状態で走行することにより走行している状況で、積載・牽引に伴う車重の増加量は、水平路単車走行抵抗、単車での車重、加速度から以下の式に基づいて求めることができる。
積載・牽引に伴う車重の増加量=(変速機入力トルク×ギヤ比×デフ比/タイヤ半径−水平路単車走行抵抗−ギヤ損失)/加速度−単車での車重
ここで、水平路単車走行抵抗は車速に基づいて、ギヤ損失はギヤ段にてマップより求め、単車での車重は別途記憶しておく。
以下、図3〜6に基づいて、当該第1実施形態におけるハイブリッド駆動装置Hの走行制御について説明する。
図3に示されるフローは、車両に牽引物が連結されている状態での走行制御(図左側のフロー)と、連結されていない状態での走行制御(図右側のフロー)とに別れる。
フローに示すように、走行制御手段40にあっては、積載・牽引検出手段44を介して牽引検出手段45から送られてくる情報に基づいて、牽引物が連結されているか否かを検出する。そして、牽引していない場合(ステップ#1:no)には、図5に示す変速マップに従った燃費優先走行制御が施される(ステップ#10)。即ち、負荷制限制御を施すことなく、燃費優先走行制御手段41が通常の状態で働く。
一方、牽引している場合(ステップ#1:yes)には、負荷制限制御手段43により負荷制限制御をかけることとなる。
この状態では、先に説明した積載・牽引検出手段44が働き、牽引物の連結に伴う牽引重量推定(牽引に伴う車重の増加量の推定)が実行される(ステップ#2)。そして、推定された牽引重量に従って、負荷制限制御手段43に備えられる制限開始温度決定手段43aにより負荷制限開始温度T1,T2,T3が決定される(ステップ#3)。負荷制限開始温度T1,T2,T3は、この決定にあっては、予め記憶している負荷制限開始温度T1,T2,T3を、牽引重量が所定値以上である場合にそのまま適用してもよいし、後に説明する図9と同様に推定された牽引重量に従って変化させるものとしてもよい。即ち、牽引重量が所定値より低い範囲では、全ての制限開始温度T1,T2,T3を、モータ出力制限開始温度T3に等しい温度とし、所定の範囲で、変速段変更温度T1,エンジン動作点変更温度T2が牽引重量の増加とともに低下するものとし、さらに高い範囲では、制限開始温度T1,T2,T3を、それぞれ低い側の固定値としてもよい。
以上の予備処理を経た後、車両が牽引物を牽引しながら登坂状態となると、図6に示すように、モータとして働く回転電機MG2の温度が徐々に上昇する。この上昇が発生したとしても、温度が、変速段変更温度T1に達するまでは(ステップ#4:no)、燃費優先走行制御状態が維持される。温度が変速段変更温度T1に達すると(ステップ#4:yes)、変速段降段制御をかける(ステップ#5)。即ち、図5の変速マップに●に示す動作点にあり、変速第2段で、燃費優先走行を行っている状況において、負荷制限制御が必要と判断された場合、変速第1段に変速段を降段する。この処理は、変速段変更手段4
2aにより実行され、発明者らは回転電機高効率制御の一種としている。
図6に示すように、上記の最初の回転電機高効率制御を施しても、依然温度上昇が進み、温度がエンジン動作点変更温度T2に達すると(ステップ#6:yes)、エンジン動作点変更制御をかける(ステップ#7)。即ち、図4に示す燃費優先指標において、等出力線P上を、エンジントルク上昇側に辿った場合の動作点Pnを求める。この動作点Pnは、燃費優先制御の動作点Poから逸脱した動作点となる。そして、回転電機MG2の動作点としては、エンジントルクの増加分が減少した動作点が選択される。この処理は、エンジン動作点変更手段42bにより実行され、発明者らは回転電機高効率制御の一種としている。
さらに、上記の回転電機高効率制御を施しても、図6に示すように、依然温度上昇が進み、温度が回転電機出力制限温度T3に達すると(ステップ#8:yes)、回転電機出力制限制御をかける(ステップ#9)。即ち、モータとして働いている回転電機MG2の出力を制限する。この処理は、回転電機出力制限手段42cにより実行され、発明者らは回転電機高効率制御の一種としている。
図6に示すように、上記のような温度上昇に伴って、順次、回転電機高効率制御を施すことで、温度上昇を所定の範囲内(モータ限界温度未満)に抑えることが可能となる。
2 第2の実施形態
第1の実施形態においては、牽引物の牽引に伴って、登坂状態で顕著となる走行抵抗の増加を、新たな制限開始温度T2,T3の設定により吸収するものとしたが、走行抵抗の増加に従って、制限開始温度を適切に設定するように構成することもできる。
この構成を示すのが、図7である。この図は、第1実施形態の図2に対応する走行制御手段40周りの構成を示した図面である。さらに、この実施形態におけるフローを図8に示し、図9に、この例で採用する、走行抵抗と制限開始温度T1,T2,T3との関係を示した温度マップである。
図7に示すように、この例では、負荷制限制御手段43への入力情報としては、走行抵抗検出手段50により検出される走行抵抗が、そのまま入力される。
そして、負荷制限制御手段43に備えられる制限開始温度決定手段43aでは、走行抵抗に従って制限開始温度T1,T2,T3が図9に示す温度マップに従って設定される。この温度マップにあっては、走行抵抗が第一走行抵抗R1より低い範囲では、全ての制限開始温度T1,T2,T3は、モータ出力制限開始温度T3に等しい温度とされており、第一走行抵抗R1から第二走行抵抗R2までは、変速段変更温度T1,エンジン動作点変更温度T2が走行抵抗の増加とともに低下するものとされ、第二走行抵抗R2以上では、制限開始温度T1,T2,T3は、それぞれ低い側の固定値とされている。この例の場合も、変速段変更温度T1、エンジン動作点変更温度T2,モータ出力制限開始温度T3の順に温度が高く設定される。
以下、図8に基づいて、当該第2の実施形態におけるハイブリッド駆動装置Hの走行制御について説明する。
図8に示されるフローは、車両に働く走行抵抗が所定値未満である状態の走行制御(図右側のフロー)と、所定値以上である状態の走行制御(図左側のフロー)を示したものである。
フローに示すように、走行制御手段40にあっては、走行抵抗検出手段50により走行抵抗が検出され(ステップ#20)、検出された走行抵抗に従って制御が分けられる。そして、所定未満である場合(ステップ#21:no)には、図5に示す変速マップに従った燃費優先走行制御が施される(ステップ#29)。即ち、負荷制限制御を施すことなく
、燃費優先走行制御手段41が通常の状態で働く。
一方、所定値以上である場合(ステップ#21:yes)には、負荷制限制御手段43により負荷制限制御を実行する。即ち、牽引の有無を検出するとともに、水平路走行において、第1の実施形態と同様の手法に従って、別途牽引重量を求めておき、牽引に伴う車重の増加を加味した走行抵抗を求める。
そして、検出された走行抵抗に従って、負荷制限制御手段43に備えられる制限開始温度決定手段43aにより図9に示す温度マップに従って負荷制限開始温度T1,T2,T3が決定される(ステップ#22)。ここまでの処理は、車両が水平路を走行している状態で実行される。
以上の予備処理を経た後、何らかの理由で、図6に示すように、モータとして働く回転電機MG2の温度が徐々に上昇する。この上昇が発生したとしても、温度が、変速段変更温度T1に達するまでは(ステップ#23:no)、燃費優先走行制御状態が維持される。温度が変速段変更温度T1に達すると(ステップ#23:yes)、変速段降段制御をかける(ステップ#24)。即ち、図5の変速マップに黒丸●で示す動作点にあり、変速第2段で、燃費優先走行を行っている状況において、負荷制限制御が必要と判断された場合、変速第1段に変速段を降段する。この処理は、変速段変更手段42aにより実行される。
図6に示すように、上記の最初の回転電機高効率制御を施しても、依然温度上昇が進み、温度がエンジン動作点変更温度T2に達すると(ステップ#25:yes)、エンジン動作点変更制御をかける(ステップ#26)。即ち、図4に示す燃費優先指標において、等出力線P上を、エンジントルク上昇側に辿った場合の動作点Pnを求める。この動作点は、燃費優先制御に動作点から逸脱した動作点Poとなる。そして、回転電機MG2の動作点としては、エンジントルクの増加分が減少した動作点が選択される。
さらに、上記の回転電機高効率制御を施しても、依然温度上昇が進み、温度が回転電機出力制限温度T3に達すると(ステップ#27:yes)、回転電機出力制限制御をかける(ステップ#28)。即ち、モータとして働いている回転電機MG2の出力を制限する。
以上の処理を行うことにより、図6に示すように、上記のような温度上昇に伴って、順次、回転電機高効率制御を施すことで、温度上昇を所定の範囲内(モータ限界温度未満)に抑えることが可能となる。
3 第3の実施形態
第1の実施形態においては、牽引物の牽引に伴って、登坂状態で顕著となる走行抵抗の増加を、制限開始温度の低下により吸収するものとした。一方、第2の実施形態においては、直接走行抵抗の増加をみて制限開始温度を低下させることとした。
この第3の実施形態は、車両が積載物を積載することにより、登坂状態で顕著となる走行抵抗の増加を、吸収するための構成である。
この構成を示すのが、図10、図11である。これらの図面は、第1実施形態に関する図1、図2に対応する図面である。さらに、この実施形態における処理フローを示したのが図12である。
図10、11に示すように、この例では、負荷制限制御手段43への入力情報としては、積載・牽引検出手段44により検出される積載状態が利用される。そして、負荷制限制御手段43では、積載に伴う走行抵抗の増加が推定されるか否かに従って、負荷制限制御をかけるか否かが判断される。
但し、このシステムでは、積載物を問題とするため、積載検出手段51が、積載センサS8と、積載物重量センサS9とに基づいて、積載物の有無及び積載重量を検出し、この情報に基づいて、積載・牽引検出手段44が所定重量の積載物の積載に伴い増加する走行抵抗を推定し、その増加に従って、これまで説明しきた燃費優先走行モードから、回転電機高効率モードでの走行への移行を制御するものとするのである。
以下、図12に基づいて、当該第三の実施形態におけるハイブリッド駆動装置Hの走行制御について説明する。
図12に示されるフローは、積載に伴って発生する車両に働く走行抵抗が所定量未満である状態の走行制御(図右側のフロー)と、所定量以上である状態の走行制御(図左側のフロー)を示したものである。
フローに示すように、走行制御手段40にあっては、積載検出手段51により積載の有無及びその量が検出され(ステップ#30、31)、その積載物を積載しているか否かによって制御が分けられる。積載量が所定量未満である場合(ステップ#32:no)には、図5に示す変速マップに従った燃費優先走行制御が施される(ステップ#34)。即ち、負荷制限制御を施すことなく、燃費優先走行制御手段41が通常の状態で働く。
一方、所定量以上である場合(ステップ#32:yes)には、負荷制限制御手段43により負荷制限制御、即、本願にいう回転電機高効率制御を施すのである(ステップ#33)。この例における回転電機高効率制御は、回転電機高効率制御をかける場合の変速マップとして、図5に示した変速マップに対して、降段制御を実行する閾値(2−1Down線)を駆動力の低い側に設定した回転電機高効率変速マップ42d(図13参照)を採用する。即、燃費優先制御に対して、この回転電機高効率制御では、変速第2段から変速第1段への変速が低い駆動力側で早期に行なわれることとなり、結果的に、モータとして働く回転電機MG2に過度の負荷をかけることを避けることができ、回転電機MG2の温度の上昇を避けることができる。
〔別実施の形態〕
(1) 上記の第1の実施の形態においては、回転電機高効率制御として、3種の制御(変速段変更制御・エンジン動作点変更制御・回転電機出力制限制御)を実行する例を示しが、回転電機高効率制御として、これら1種または、その二つを実行するものとし、牽引物あるいは積載物の有無、走行抵抗に従って、制限開始温度を低下させるものとしてもよい。例えば、回転電機出力制限温度(モータ出力制限温度)のみを設定して回転電機出力制限制御を行う構造を採用する場合に、牽引物あるいは積載物が有る場合は回転電機出力制限温度をこれまでより低く、無い場合はこれまでどうりに設定したり、走行抵抗が上昇するに従って、回転電機出力制限温度を低下させるようにしてもよい。
(2) 上記の実施形態にあっては、燃費優先制御に対する回転電機の負荷を制限する制御形態として、基本的に燃費優先制御において回転電機にかかる負荷より負荷が低減される制御形態となっていればよいとして説明したが、モータとして働く回転電機の温度が問題となる状況にあっては、回転電機の効率に注目し、回転電機の効率を優先するマップを用意しておき、回転電機の効率を優先してエンジンの動作点及び回転電機の動作点が決められる回転電機効率優先モードでの走行が可能としてもよい。
回転電機の温度が所定の温度を超えた場合に、回転電機にかかる負荷を制限する負荷制限制御を施すハイブリッド駆動装置において、牽引物を牽引して走行抵抗が増加した場合にも、モータとして働く回転電機の温度を、モータが許容できる温度以下に保つことができる技術を得ることができた。
31: エンジン制御手段
32: 回転電機制御手段
33: 変速機切替制御手段
35a: 加速度導出手段
38: アクセル開度検出手段
39: 水平路走行検出手段
40: 走行制御手段
41: 燃費優先走行制御手段
41a: 燃費優先指標
42: 回転電機高効率制御手段
42a: 変速段変更手段
42b: エンジン動作点変更手段
42c: 回転電機出力制限手段
43: 負荷制限制御手段
43a: 制限開始温度決定手段
44: 積載・牽引検出手段
45: 牽引検出手段
50: 走行抵抗検出手段
51: 積載検出手段

Claims (6)

  1. エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得ると共に、当該駆動力を複数の変速段間で変速して車輪に伝達する変速機を備え、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置であって、
    前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始する負荷制限制御手段と、
    車両の積載状態もしくは牽引状態を検出する積載・牽引検出手段と、
    前記積載・牽引検出手段により検出される積載状態もしくは牽引状態に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定する制限開始温度決定手段と、を備え
    前記負荷制限制御手段により負荷制限制御を施すに、前記変速機における降段移行の変速閾値を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおける降段移行の変速閾値より駆動力の低い側に設定し、又は、前記変速機の変速段を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とするハイブリッド駆動装置。
  2. エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得ると共に、当該駆動力を複数の変速段間で変速して車輪に伝達する変速機を備え、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置であって、
    前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を施す負荷制限制御手段と、
    車両の積載状態もしくは牽引状態を検出する積載・牽引検出手段と、を備え、
    前記積載・牽引検出手段により検出される積載状態もしくは牽引状態に基づいて、前記負荷制限制御手段が前記負荷制限制御を施すに、前記変速機における降段移行の変速閾値を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおける降段移行の変速閾値より駆動力の低い側に設定し、又は、前記変速機の変速段を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とするハイブリッド駆動装置。
  3. エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得ると共に、当該駆動力を複数の変速段間で変速して車輪に伝達する変速機を備え、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置であって、
    前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始する負荷制限制御手段と、
    走行状態で車両が受ける走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段と、
    前記走行抵抗検出手段により検出される走行抵抗に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定する制限開始温度決定手段と、を備え
    前記負荷制限制御手段により負荷制限制御を施すに、前記変速機における降段移行の変速閾値を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおける降段移行の変速閾値より駆動力の低い側に設定し、又は、前記変速機の変速段を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とするハイブリッド駆動装置。
  4. エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得ると共に、当該駆動力を複数の変速段間で変速して車輪に伝達する変速機を備え、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の走行制御方法であって、
    前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始するに、車両の積載状態もしくは牽引状態を検出し、検出される積載状態もしくは牽引状態に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定し、
    前記負荷制限制御を施すに、前記変速機における降段移行の変速閾値を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおける降段移行の変速閾値より駆動力の低い側に設定し、又は、前記変速機の変速段を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とするハイブリッド駆動装置の走行制御方法。
  5. エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得ると共に、当該駆動力を複数の変速段間で変速して車輪に伝達する変速機を備え、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の走行制御方法であって、
    車両の積載状態もしくは牽引状態を検出し、積載状態もしくは牽引状態を検出した場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を施し、
    当該負荷制限制御を施すに、前記変速機における降段移行の変速閾値を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおける降段移行の変速閾値より駆動力の低い側に設定し、又は、前記変速機の変速段を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とするハイブリッド駆動装置の走行制御方法。
  6. エンジン及び少なくとも1つの回転電機から駆動力を得ると共に、当該駆動力を複数の変速段間で変速して車輪に伝達する変速機を備え、燃費を優先してエンジン動作点と回転電機動作点が決められる燃費優先走行モードで走行可能なハイブリッド駆動装置の走行制御方法であって、
    前記回転電機の温度が負荷制限開始温度を超えた場合に、前記回転電機にかかる負荷が制限される負荷制限制御を開始するに、走行状態で車両が受ける走行抵抗を検出し、前記検出される走行抵抗に基づいて、前記負荷制限開始温度を決定し、
    前記負荷制限制御を施すに、前記変速機における降段移行の変速閾値を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおける降段移行の変速閾値より駆動力の低い側に設定し、又は、前記変速機の変速段を、当該負荷制限制御を伴わない前記燃費優先走行モードにおいて選択されている変速段より低い変速段とするハイブリッド駆動装置の走行制御方法。
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