JP4792261B2 - 平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法 - Google Patents
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Description
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
機上現像の具体的方法としては、例えば、湿し水、インキ溶剤または湿し水とインキとの乳化物に溶解しまたは分散することが可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を用いる方法、印刷機のローラ類やブランケットとの接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法、湿し水、インキ溶剤などの浸透によって画像記録層の凝集力または画像記録層と支持体との接着力を弱めた後、ローラ類やブランケットとの接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法が挙げられる。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外の装置(通常は自動現像機)を使用し、液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、平版印刷版原版の未露光部分の画像記録層を除去し、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキおよび/または湿し水)を接触させることにより、平版印刷版原版の未露光部分の画像記録層を除去し、親水性支持体表面を露出させる方法および工程を指す。
式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注目されてきている。従って、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
従来の製版方法では、感光性の平版印刷版原版に対して、低照度から中照度で像様露光を行い、画像記録層における光化学反応による像様の物性変化によって画像記録を行う。これに対して、上述した高出力レーザーを用いる方法では、露光領域に極短時間に大量の光エネルギーを照射して、光エネルギーを効率的に熱エネルギーに変換させ、その熱により、画像記録層において化学変化、相変化、形態または構造の変化などの熱変化を起こさせ、その変化を画像記録に利用する。従って、画像情報はレーザー光などの光エネルギーによって入力されるが、画像記録は光エネルギーに加えて熱エネルギーによる反応も加味された状態で行われる。通常、このような高パワー密度露光による発熱を利用した記録方式はヒートモード記録と呼ばれ、光エネルギーを熱エネルギーに変えることは光熱変換と呼ばれる。
このように微粒子の単なる熱融着による合体で画像を形成させる方法は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度(支持体との密着性)が極めて弱く、耐刷性が不十分であるという問題を有していた。
さらに、特許文献4には、支持体上に、赤外線吸収剤とラジカル重合開始剤と重合性化合物とを含有する感光層(画像記録層)を設けた平版印刷版原版が記載されている。
このように重合反応を用いる方法は、重合体微粒子の熱融着により形成される画像部に比べ画像部の化学結合密度が高いため画像強度が比較的良好であるという特徴を有する。
例えば、感圧紙などに利用されているラクトン、ラクタム、スピロピラン、スピロオキサジンなどの部分構造を有する発色剤を変色成分とし、酸性白土やフェノール類等の酸性物質(顕色剤)からなる発色システム、芳香族ジアゾニウム塩やジアゾタート、ジアゾスルホナート類とナフトール類、アニリン類、活性メチレン類などのアゾカップリング反応を利用したシステム、ヘキサメチレンテトラミンと第2鉄イオンおよび没食子酸との反応やフェノールフタレイン−コンプレクソン酸とアルカリ土類金属イオンとの反応等のキレート形成反応、ステアリン酸第2鉄とピロガロールとの反応やベヘン酸銀と4−メトキシ−1−ナフトールの反応等の酸化還元反応等が利用できる。
また、上記発色系は、露光により良好な発色画像が得られる一方で、赤外線吸収剤が400nm付近の短波光を吸収することにより蛍光灯下でも変色が進行するため、赤外線露光で生成した発色画像が蛍光灯下に放置された時に消えてしまう欠点を有していた。
画像を形成させるメカニズム)による検版性の付与が、印刷物の色にごりに対して有望であることを見出した。この方法では、発色体は露光部の硬化画像に閉じ込められるため、機上現像時の発色体排出による汚染がない。更に、未露光部から現像時に排出される未発色の赤外線吸収剤は、可視域には吸収がほとんどなく、熱安定性がよく、環境のpH変化等に対しても安定であり、色にごりとならないという長所を有している。
しかしながら、更に詳細な検討を行ったところ、上記発色系を含む平版印刷版原版を長時間、蛍光灯等の白灯に曝すと発色体が生成して、(i)発色が不十分で検版における作業性がまだ不満足であること、また、(ii)上記発色系を含む平版印刷版原版を長時間、蛍光灯等の白灯に曝すと発色体が生成し、カブリ濃度が上昇して、露光における露光部/未露光部の画像コントラストが低下することが明らかとなった。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
2.前記(D)親水性バインダーポリマーが、ヒドロキシ基またはポリオキシエチル基を有することを特徴とする前記1記載の平版印刷版原版。
3.前記(D)親水性バインダーポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版原版。
4.前記熱融着微粒子が、自己分散性樹脂微粒子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
の取り扱い性を向上させていると考えられる。
なお、本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、印刷機上で油性インキと水性成分とを供給して未露光部分を除去することによって画像形成可能な画像記録層、およびオーバーコート層をこの順に有する平版印刷版原版であって、前記画像記録層が、(A)赤外線吸収剤と、(B)重合開始剤と、(C)重合性化合物と、(D)親水性バインダーポリマーとを含有し、前記オーバーコート層中に熱融着微粒子が分散されているものであるが、本明細書には、参考のためその他の事項についても記載した。以下、本発明の平版印刷版原版の各構成要素について説明する。
〔オーバーコート層〕
オーバーコート層は、重合反応を阻害する酸素の遮断、画像記録層のアブレーション防止、保存時の親油性物質による汚染や取り扱い時の手指の接触による指紋跡汚染等から画像記録層表面を保護するため、水溶性樹脂などを含有する層として画像記録層上に設けられる。本発明は、そのオーバーコート層に熱融着微粒子を含有することを特徴とする。以下、本発明のオーバーコート層について詳細に説明する。
オーバーコート層中に添加させる熱融着微粒子素材としては、スチレン系重合体、アクリル系重合体、ビニル系重合体、ウレタン系重合体、エポキシ系重合体、フェノール系重合体などの疎水性重合体が好ましいが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。熱融着微粒子素材は単独重合体であっても、共重合体であってもよい。
(A)アクリル酸エステル類。この単量体群の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレートなどのアクリル酸エステルが挙げられる。
(B)メタクリル酸エステル類。この単量体群の例には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、などのメタクリル酸エステルが挙げられる。
(E)ビニルエステル類。この単量体群の例には、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
(F)スチレン類。この単量体群の例には、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、o−、m−およびp−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
(G)ビニルケトン類。この単量体群の例には、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
(H)N−含有単量体。この単量体群の例には、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
(I)不飽和スルホンアミド。この単量体群の例には、N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどが挙げられる。
フェノール樹脂としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基と(メタ)アクリル酸ハロゲン化物もしくはグリシジル(メタ)アクリレートとを反応させたものなどを挙げることができる。
さらに、カルボキシル基含有ビニル共重合体に、グリシジル基含有重合性単量体を付加せしめた重合性ビニル基を有する重合性単量体類のオリゴマーが得られる。ここで用いられる重合性単量体類は、前掲したものの中から選ばれる。しかし、重合性ビニル基を有するオリゴマーであれば、上述した種類や方法に限定されるものではない。
親水性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの酸基が機上現像後の分散性を保持する点でより好ましい。
熱融着微粒子素材として上記(A)〜(I)の単量体および重合性不飽和基含有オリゴマーからの重合体または共重合体を用いる場合は、少なくとも一つの親水基を有する単量体を共重合することにより親水性基を導入できる。親水性基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または2−スルホエチルメタクリレート等を好適なものとして挙げることができる。
ポリエステル樹脂への酸基の導入方法としては、例えば、フタル酸の如き二塩基酸を過剰に用いる方法が挙げられ、それによって末端にカルボキシル基を有する化合物が得られる。また他の方法として、無水トリメリット酸の使用によって、主鎖中に酸基を導入する方法をとることもできる。
ポリウレタン樹脂への酸基の導入方法としては、ジメチロールプロピオン酸等を、ポリオール成分として加えることによっても、ポリウレタン中に酸基を導入せしめることができる。
この態様は、分子内に親油性樹脂部分と親水性基を有する原料樹脂を、特開平3−221137号、特開平5−66600号および特開平11−348446号の各公報に記載されているような転相乳化法によって乳化剤や保護コロイドなしに水に分散した自己分散性樹脂粒子とし、オーバーコート層に適用するものである。
このとき、樹脂粒子表面が親水性であり、分散媒が除去された後、固体同士が表面親水性基による弱い相互作用により互いに吸着して層を形成する。これを水に浸漬したとき、
互いに吸着して層を形成していた樹脂の相互作用が水により解除されるので、湿し水による機上現像時に速やかに分散し、オーバーコート層の容易な除去が可能となる。
ここで用いられるコアシェル構造のラテックスは、乳化(転相乳化法も含む)または分散重合法などで得た熱可塑性重合体の疎水性樹脂を芯部としてその周囲に親水性ポリマーの重合層を形成させたコアシェル型の複合粒子(コアシェル型粒子)を指す。コアシェル型の複合粒子は、熱の作用で軟化、あるいは融解する樹脂の疎水性モノマーを乳化重合(転相乳化法も含む)または分散重合させることにより得られるコア粒子(シード)の分散液に親水性モノマーを添加して、コア粒子の表面に親水性モノマーを重合させて表面親水性層を形成して得られる異相構造粒子である。コア粒子を構成するモノマーは、前記(A)〜(I)のモノマー群、および、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂を構成する、疎水性で熱可塑性樹脂用のモノマーから選ばれる。同様に親水性のシェル相を形成するモノマーは、前記(A)〜(I)のモノマー群、および、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂を構成する親水性モノマーから選択することができる。本発明で用いられるコアシェル構造の樹脂粒子の具体例としては、エポキシ樹脂、例えば、特開平5−9431号公報、同2−42119号公報に記載されるような各種のエポキシ化合物を挙げることができる。
オーバーコート層に用いられる水溶性樹脂の具体例としては、天然高分子では、アラビアガム、水溶性大豆多糖類、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルローズ、メチルセルロース等)、その変性体、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素分解エーテル化デキストリン等、合成高分子では、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの加水分解率65モル%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリメタクリル酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ビニルアルコール/アクリル酸共重合体およびそのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、そのアルカリ金属塩またはアミン塩、等を挙げることができる。目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して用いることもできる。しかし、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
オーバーコート層は、上記成分を水、または水と混和性の低沸点有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンなど。)との混合溶剤に溶解または分散して調製される塗布液を画像記録層上に塗布して設けられる。塗布液には塗布の均一性を確保する目的で、主に非イオン系界面活性剤を添加することができる。この様な非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル等を挙げることが出来る。上記非イオン界面活性剤のオーバーコート層の全固形物中に占める割合は、0.05〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜7質量%である。
本発明の画像記録層は、印刷機上で油性インキと水性成分とを供給して未露光部分を除去することにより画像形成可能である。また、本発明の画像記録層は、(A)赤外線吸収剤と、(B)重合開始剤と、(C)重合性化合物と、(D)バインダーポリマーとを含有することが好ましい。以下、本発明の画像記録層の構成内容について詳細に説明する。
本発明の画像記録層には、感度を高めるため、赤外線吸収剤が用いることが好ましい。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
6号、特開昭60−78787号等の公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等の公報に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収剤の好ましい他の例としては、特開2002−278057号公報記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
、置換または無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-
は、対アニオンを示す。ただし、一般式(I)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましい
Za-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフ
ルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
添加量としては、ネガ型平版印刷版原版を作製した際に、画像記録層の波長760nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加することが好ましく、より好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、画像記録層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
本発明に用いられる重合開始剤は、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物である。本発明に使用できる重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などが挙げられる。中でも、本発明において好適に用いられる重合開始剤は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物である。
以下、本発明で用いる重合開始剤についてより具体的に説明するが、かかる重合開始剤
は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
フェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−
ブロモフェニル))4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス
(o,p−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2'−ビス(o,o'−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−メチルフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾールなどが挙げられる。
ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基またはアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 -は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲン
イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
す。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物などの化学的形態をもつ。このような重合性化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基などの求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物なども好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基などの親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基などの脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテルなどに置き換えた化合物群を使用することも可能である。
(ただし、R4およびR5は、HまたはCH3を示す。)
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤など)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述のオーバーコート層などの密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
そのほか、上記重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性などの観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有するポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合などの架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレンなどが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 (特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2 CH2 O−CH2 CH=CH2 、−CH2 C(CH3 )=CH2 、−CH2 CH=CH−C6 H5 、−CH2 CH2 OCOCH=CH−C6 H5 、−CH2 CH2 −NHCOO−CH2 CH=CH2 および−CH2 CH2 O−X(式中
、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 、−CH2 CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤などの公知の化合物を用いることができる。
また、重合性化合物とバインダーポリマーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
本発明においては、画像記録層構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。他の一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全てまたは一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに、マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。更に他の態様として、画像記録層に架橋樹脂粒子、すなわちミクロゲルを含有する態様が挙げられる。該ミクロゲルは、その中および/または表面に該構成成分の一部を含有することが出来る。特に重合性化合物をその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型もしくはミクロゲル型画像記録層であることが好ましい。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
本発明の画像記録層には、さらに、必要に応じて種々の化合物を含有させることができる。以下、それらについて説明する。
本発明では、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として補助的に添加することができる。添加量は画像記録材料の全固形分に対し0.01〜10質量%の割合が好ましい。
着色剤として具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
本発明において、画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
ゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体などを添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
本発明の画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステルなどのグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエートなどの脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチルなどが好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミンなどの有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸などの有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類などの有機カルボン酸類およびその塩などが挙げられる。
本発明の画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、または溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の画像記録層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布などを挙げられる。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。また、アルミニウムの圧延段階において凹凸を設けたロールで凹凸形状を転写する転写法も用いてもかまわない。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成
される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4.
0g/m2であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部
の良好な耐傷性が得られる。
たとえば封孔処理としては、蒸気封孔のほかフッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔でも可能である。
具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン酸アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサ
フルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄、フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウムが挙げられる。中でも、フッ化ジルコン酸ナトリウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。
具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二アンモニウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムが挙げられる。中でも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましい。
無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組み合わせは、特に限定されないが、水溶液が、無機フッ素化合物として、少なくともフッ化ジルコン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物として、少なくともリン酸二水素ナトリウムを含有するのが好ましい。
また、水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、40℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃以下であるのがより好ましい。
また、水溶液は、pH1以上であるのが好ましく、pH2以上であるのがより好ましく、また、pH11以下であるのが好ましく、pH5以下であるのがより好ましい。
無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理の方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。これらは単独で1回または複数回用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用いて処理する場合、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
に、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げられる。
水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、105℃以下であるのが好ましい。
水蒸気の圧力は、(大気圧−50mmAq)から(大気圧+300mmAq)までの範囲(1.008×105 〜1.043×105 Pa)であるのが好ましい。
また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)または有機塩を含有していてもよい。
熱水の温度は、80℃以上であるのが好ましく、95℃以上であるのがより好ましく、また、100℃以下であるのが好ましい。
また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上であるのが好ましく、3秒以上であるのがより好ましく、また、100秒以下であるのが好ましく、20秒以下であるのがより好ましい。
範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、Si(OC3 H7 )4 、Si(OC4 H9 )4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
本発明の平版印刷版原版においては、特に機上現像型平版印刷版原版の場合、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に下塗層を設けることができる。下塗層は、未露光部において、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。
下塗層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
最も好ましい下塗層としては、吸着性基を有するモノマー/親水性基を有するモノマー/架橋性基を有するモノマーを共重合した高分子樹脂が挙げられる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布夜を作製し、その塗布夜を乾燥後の塗布量が30mg/m2となるように支持体上に塗布・乾燥させる。次に試験化合物を塗布した
支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量は、例えば蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定などで実施できる。支持体吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても1mg/m2以上残存する化合物である。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例は、フェノール性水酸基、カルボキシル基、−SO3H、−OSO3H、−PO3H2、−OPO3H2、−CONHSO2−、−SO2NHSO2−および−COCH2COCH3を含む。リン酸基(
−OPO3H2、―PO3H2)が特に好ましい。またこれら酸基は、金属塩であっても構わない。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例は、アンモニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基を含む。アンモニウム基、ホスホニウム基およびスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基およびホスホニウム基がさ
らに好ましく、アンモニウム基が最も好ましい。
が1乃至6のアルキル基を表し、Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ(−NH−)を表し、Lは、2価の連結基を表し、Zは、親水性支持体表面に吸着する官能基を表し、Yは、炭素原子又は窒素原子を表す。
原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。R1、R2およびR3は、それぞれ
独立に、水素原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素原子数が1乃至3のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。R2およびR3は、水素原子であることが特に好ましい。
式(III)において、Xは、酸素原子(−O−)またはイミノ(−NH−)である。Xは、酸素原子であることがさらに好ましい。式(III)において、Lは、2価の連結基である。Lは、2価の脂肪族基(アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(アリレン基、置換アリレン基)または2価の複素環基であるか、あるいはそれらと、酸素原子(−〇−)、硫黄原子(―S―)、イミノ(−NH−)、置換イミノ(−NR−、Rは脂肪族基、芳香族基または複素環基)またはカルボニル(−CO−)との組み合わせであることが好ましい。
芳香族基の炭素原子数は、6乃至20が好ましく、6乃至15がさらに好ましく、6乃至10が最も好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基および複素環基を含む。複素環基は、複素環として5員環または6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、Rは脂肪族基、芳香族基または複素環基)、脂
肪族基、芳香族基および複素環基を含む。
式(III)において、Zは、親水性支持体表面に吸着する官能基である。また、Yは、炭素原子または窒素原子である。Y=窒素原子でY上にLが連結し四級ピリジニウム基になった場合、それ自体が吸着性を示すことからZは必須ではない。吸着性の官能基については、前述した通りである。
以下に、式(III)または(IV)で表される代表的なモノマーの例を示す。
R2R3、−(CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2CH2O)nCH2CR1=CR2R3、−(CH2) nNH−CO−O−CH2CR1=CR2R3、−(CH2) n−O−CO
−CR1=CR2R3、および−(CH2CH2O)2−X(式中、R1〜R3はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1とR2またはR3とは互いに結合して環を形成してもよ
い。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH2CH=CH2(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2CH2O−CH2CH=CH2、−CH2C(CH3)=CH2
、−CH2CH=CH−C6H5、−CH2CH2OCOCH=CH−C6H5、−CH2CH2
NHCOO−CH2CH=CH2、および−CH2CH2O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2CH=CH2、−CH2CH2O−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2CH2OCO−CH=CH2が挙げられる。
下塗り用高分子樹脂の架橋性基を有するモノマーとしては、上記架橋性基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドが好適である。
下塗り用の高分子樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
チルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜3
0mg/m2であるのがより好ましい。
本発明の平版印刷版原版を用いる平版印刷方法においては、平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光することが好ましい。
本発明に用いられる赤外線レーザーは、特に限定されないが、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーが好適なものとして挙げられる。赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。
1画素あたりの露光時間は、20μ秒以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2であるのが好ましい。
本発明の平版印刷方法においては、上述したように、本発明の平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光した後、なんらの現像処理工程を経ることなく油性インキと水性成分とを供給して印刷する。
具体的には、平版印刷版原版を赤外線レーザーで露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上において赤外線レーザーで露光し、現像処理工程を経ることなく印刷する方法等が挙げられる。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分および油性インキとしては、通常の平版印刷用の、湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
合成例1:ポリウレタン樹脂(P−1)
コンデンサー、撹拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラスコに2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸12.1g(0.09モル)、特開平11−352691号公報記載の化合物No.5のジオール化合物(下記、水酸基価56.9mgKOH/g)20.0g(0.01モル)をN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解した。これに4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート20.0g(0.08モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート3.4g(0.02g)を添加し、100℃にて5時間加熱撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド200mlおよびメチルアルコール400mlにて希釈した。反応溶液を水4リットル中に撹拌しながら投入し、白色のポリマーを析出させた。このポリマーを濾別し、水で洗浄後、真空下乾燥させることにより45gのポリマーを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、質量平均(ポリスチレン標準)で50,000であった。さらに滴定により、カルボキシル基含有量(酸価)を測定したところ、1.70meq/gであった。得られたポリマー3.75gを500mlビーカーに入れTHF(テトラヒドロフラン)20gに溶かし、ナトリウムメトキシド2.8質量%メタノール液を5.5gとラウリルフェニル硫酸ナトリウム5質量%水溶液 3.6gを加えた後、攪拌しながら蒸留水 100gを徐々に加えたところ乳白色溶液となった。30分室温で攪拌ののち、70℃3時間加温したところ、平均粒径192nmのエマルジョン溶液49.77gが得られた。固形分濃度を測定したところ5.2質量%であった。蒸留水を加え固形分濃度を5.0質量%に調整した。
特開平10−3175号公報段落番号〔0042〕の合成例1に記載の方法でポリマーを合成した。得られたポリマー4.0gを500mlビーカーに入れTHF(テトラヒドロフラン)20gに溶かし、ナトリウムメトキシド2.8質量%メタノール液を6gとラウリルフェニル硫酸ナトリウム5質量%水溶液 3.6gを加えた後、攪拌しながら蒸留水 100gを徐々に加えたところ乳白色溶液となった。30分室温で攪拌ののち、70℃3時間加温したところ、平均粒径59.6nmのエマルジョン溶液33.0gが得られた。固形分濃度を測定したところ7.5質量%であった。蒸留水を加え固形分濃度を5.0質量%に調整した。
コンデンサー、撹拌機を備えた500mlの3つ口丸底フラスコにブチルアクリレート12.8g(0.10モル)、メタクリル酸5.74g(0.07モル)をプロピレングリコールモノメチルエーテル100mlに溶解した。これに2,2'−アゾビス(イソ酪
酸)ジメチル(商標V601 和光純薬工業(株))0.010gを添加し、100℃にて5時間加熱撹拌した。反応溶液を水4リットル中に撹拌しながら投入し、白色のポリマーを析出させた。このポリマーを濾別し、水で洗浄後、真空下乾燥させることにより15gの上記ポリマーを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて分子量を測定したところ、質量平均(ポリスチレン標準)で45,000であった。さらに滴定により、カルボキシル基含有量(酸価)を測定したところ、3.0meq/gであった。得られたポリマー 3.75gを500mlビーカーに入れTHF(テトラヒドロフラン) 20gに溶かし、ナトリウムメトキシド2.8質量%メタノール液を5.5gとラウリルフェニル硫酸ナトリウム5質量%水溶液 3.6gを加えた後、攪拌しながら蒸留水 100gを徐々に加えたところ乳白色溶液となった。30分室温で攪拌ののち、70℃3時間加温したところ、平均粒径187nmのエマルジョン溶液 56.2が得られた。固形分濃度を測定したところ5.4質量%であった。蒸留水を加え固形分濃度を5.0質量%に調整した。
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
性高分子を含む下塗層を設け、以下の実験に用いる下塗層付きの支持体を作製した。
・下塗り化合物(1) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
〔実施例1〜7〕
上記下塗り層付き支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液(1)をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.35g/m2の画像記録層を形成し
た。画像記録層塗布液(1)は、下記感光液(1)およびマイクロカプセル液(1)を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
・バインダーポリマー(1) 0.162g
・重合開始剤(1) 0.160g
・重合開始剤(2) 0.180g
・赤外線吸収剤(1) 0.020g
・重合性化合物、アロニックスM−215(東亜合成(株)製) 0.385g
・フッ素系界面活性剤(1) 0.044g
・メチルエチルケトン 1.091g
・1−メトキシー2−プロパノール 8.210g
・下記の通り合成したマイクロカプセル(1) 2.640g
・水 2.425g
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)10g、アロニックスSR−399(東亞合成(株)製)6.00g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.12gを酢酸エチル16.67gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液37.5gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で2時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.2μmであった。
塗布した後、125℃40秒でオーブン乾燥し画像記録層を形成して平版印刷版原版を得た。塗布膜厚は表1に記載した。
・赤外線吸収剤(A)の下記固体分散液(12.5質量%) 表1記載量
・熱融着微粒子(P) 表1記載量
・ポリビニルアルコール 2.24g
(((株)クラレ製(PVA105)、ケン化度
98.5モル%、重合度500)、6質量%水溶液)
・酢酸ビニル/ビニルピロリドン共重合物 0.0073g
((BASF(株)製 ルビスコールVA64W)50質量%水溶液)
・ポリビニルピロリドン(K30) 0.0053g
・花王(株)製界面活性剤 2.15g
((エマレックス710)、1質量%水溶液)
・鱗状合成雲母 3.75g
((UNICOO(株)製MEB3L、平均粒径1〜5μmΦ)
3.4質量%水分散物)
・蒸留水 10.60g
500ccのガラス瓶にユニオン(株)製ガラスビーズ(UB2527LN 2.5〜2.7mmΦ)130gを充填した後、下記化合物(A)12.5gと末端アルキル変性ポリビニルアルコール((株)クラレ製MP103、ケン化度98.5モル% 重合度300)2質量%水溶性87.5gを添加した後、東洋精機(製)試験用分散機(ペイントシェーカーNo488)にて、2時間振動させ分散した。その後、50μm網目のナイロンメッシュを用いてガラスビーズを取り除いて分散液を取り出した。平均粒径は大塚電子(株)光散乱粒径測定器(ELS−800)を用いて測定し、表1に記載した。
オーバーコート層塗布液(1)において熱融着微粒子を無添加としたオーバーコート層塗布液(2)と、オーバーコート層塗布液(1)において熱融着微粒子と赤外線吸収剤(A)を無添加としたオーバーコート層塗布液(3)を作製し、それぞれ実施例1の画像記録層上に、バー塗布した後、125℃40秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/m2のオーバーコート層を形成して比較例1および2用の平版印刷版原版を得た。
実施例1の画像記録層上に、オーバーコート層塗布液(1)において熱融着微粒子の代わりに水溶性樹脂ポリアクリル酸(Aldrich製 Mn130000)を0.05g添加したオーバーコート層塗布液(4)を作製し、バー塗布した後、125℃40秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.35g/m2のオーバーコート層を形成して比較例3用の平版印刷版原版を得た。
上記のようにして得た平版印刷版原版について、発色度、白灯安全性、機上現像性および印刷感度について、下記のようにして測定した。結果は第1表に示す。
得られた平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力6.5W、外面ドラム回転数150rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には細線チャートを含むようにした。
得られた露光済み原版を現像処理することなく暗所の25℃、相対湿度50%の雰囲気下、露光後30分後と4時間後に、発色度を測定した。発色測定には、MINOLTA製分光測色計(CM2600d)とオペレーションソフト(CM−S100W)を用いてSCE(正反射光除去)方式で行った。SCE方式では、正反射光を除去し、拡散光だけを測定しているので、目視に近い色の評価となり、実際の人による検版とよく相関する。また、また、発色の数値化にはL*a*b*表色系のL値(明度)により露光部のL値と未露光部のL値の差ΔLとして表記した。そのΔLの値が大きいと検版性が優れることを意味している。
室温25℃相対湿度50%の環境下、三菱電機(株)製OSRAM FLR40SW蛍光灯を光源に用いて東京光電(株)製ポケット照度計ANA−F9型にて1000Wの光量の位置に塗布済サンプルをセットし、照射前と4時間照射後の発色度(L値)を測定して発色度の差(ΔL)を求めた。差が大きい程、白灯安定性が劣っており、検版性を損なうことを示している。
上記の露光済み現版をハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付けた。湿し水(IF102(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水=3/97(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、湿し水とインキを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
画像記録層の未露光部の印刷機上での機上現像が完了し、印刷用紙にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測した。
赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力3.2W、4.5W、6.4W、9.6Wと出力を変化させて外面ドラム回転数150rpm、解像度2400dpiの条件で10μmの細線を露光した。露光済み原版を、機上現像性の評価と同様に印刷を行った。印刷物に10μmの細線が途切れることなく再現できた露光量を感度として測定した。
実施例1に於けるマイクロカプセル(1)の代わりに下記のミクロゲル(1)を用いた他は、実施例1と同様に平版印刷版原版を作製し、印刷、評価を行った。
検版性(△L、露光30分後)は6.2、白灯安定性(△L、曝光(1000I×4時間))は2.0 、機上現像性は16枚、印刷感度(10μm再現出力)は3.2Wであった。
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15gおよびパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、50℃で3時間攪拌した。このようにして得られたミクロゲル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.2μmであった。
Claims (7)
- 支持体上に、印刷機上で油性インキと水性成分とを供給して未露光部分を除去することによって画像形成可能な画像記録層、およびオーバーコート層をこの順に有する平版印刷版原版であって、前記画像記録層が、(A)赤外線吸収剤と、(B)重合開始剤と、(C)重合性化合物と、(D)親水性バインダーポリマーとを含有し、前記オーバーコート層中に疎水性重合体である熱融着微粒子が分散されていることを特徴とする平版印刷版原版。
- 前記(D)親水性バインダーポリマーが、ヒドロキシ基またはポリオキシエチル基を有することを特徴とする請求項1記載の平版印刷版原版。
- 前記(D)親水性バインダーポリマーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1または2記載の平版印刷版原版。
- 前記熱融着微粒子が、自己分散性樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
- 前記熱融着微粒子の平均粒子径が0.3〜1.0μmΦであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
- 前記画像記録層が、マイクロカプセルまたはミクロゲルを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、印刷機に装着し、赤外線レーザーで画像様に露光した後、または、赤外線レーザーで画像様に露光した後、印刷機に装着し、該平版印刷版原版に、油性インキと水性成分とを供給して、画像記録層の赤外線レーザー未露光部分を除去し、印刷することを特徴とする平版印刷方法。
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