JP4791384B2 - 改質ポリエステル - Google Patents
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Description
「成形加工」、プラスチック成形加工学会、2005年、第672頁 「高分子材料における反応性プロセシング技術の最近の動向」、住べテクノリサーチ株式会社、2003年、第1頁 「高分子化学」、29、1972年、第259頁〜第265頁
脂肪族ポリエステル系樹脂、および/または、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基あるいはエポキシ基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基とを有する数平均分子量10万以下のポリマーと
が混合されてなることを特徴とするポリエステル樹脂混合物であることにある。
到達結晶化度(%)={ΔHm/(a×b/100)}×100
上式中、「a」は公知の文献で示されている、脂肪族ポリエステルが100%結晶化した場合の結晶融解熱量(例えばポリ乳酸の場合、94J/g)を意味し、「b」は、本発明の改質ポリエステルにおける脂肪族ポリエステルの重量分率(重量%)を意味する。
使用材料
ポリ乳酸(PLA):“レイシア”H−400(三井化学(株)社製)
(80℃の熱風乾燥機で5時間乾燥後使用)
ポリエチレングリコール(PEG):PEG:4,000(和光純薬工業(株)社製)
無水マレイン酸(MAH):(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)社製)
過酸化物(PO):ジクミルパーオキシド“パークミルD”(日本油脂(株)社製)
(パークミルDは190℃半減期が30秒程度であり、混練温度における水素引抜きあるいは架橋反応に適すると判断し用いた。)
190℃に設定したバッチ式ニーダー(100MR3:(株)東洋精機製作所社製)にPLA/PEG=90/10(以下重量比)を投入、回転数を20rpmで5分間そのまま混練した後、回転数を50rpmに上げ、MAHおよびPOを少しずつ添加、さらに10分間混練し改質ポリエステルを得た。添加量(phr)は、Run1(比較例1):0/0、Run2(実施例1):1/0.5、Run3(実施例2):2/0.5とした。
得られた改質ポリエステルを80℃の熱風乾燥機で5時間以上乾燥後、190℃に設定した卓上プレス機(小型プレスG−12型:テクノサプライ(株)社製)にて溶融プレス後、水冷板に挟み込み冷却した。フィルム厚は概ね300μmであった。
引張試験:得られたフィルムを短冊状に切り出し、万能抗張力試験器(5569型:インストロンジャパン(株)社製)にて25℃で行った。引張速度:10mm/min、初期長:20mmとした。
示差走査熱量測定:ダイナミック熱分析システム(D−DSC8230L:(株)リガク社製)を用いて得られたフィルムの示差走査熱量測定(DSC)測定を行った。昇温速度:20℃/minとした。
分子量分布測定:液体クロマトグラフ測定装置(LaChromD−7000:日製ハイテクノロジーズ(株)社製)、カラムに昭和電工(株)社製GPC K−805L)を用い、クロロホルムを移動相、測定温度は40℃とした。また、クロマトグラムは標準ポリスチレンで較正した。
赤外線吸収スペクトル測定:フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR−8300:(株)島津製作所社製)を用いて各サンプルの表面をATR分析した。
DSC特性
図1にPLA単体とRun1のDSC昇温測定結果を示す。ガラス転移点(Tg)由来ピークが単一のまま20℃低下したことから、PEGがPLAに分子レベルで分散あるいは完全相溶していることが確認された。結晶化由来ピークが30℃低下していることはPLAがPEGにより可塑化され、結晶性が向上していることを示している。
結晶化度
表1にPLA単体とRun1〜3の到達結晶化度を示す。Run1および2はPLA単体に比べ大きく結晶化度が増しているのに対し、Run3のそれは少し低下していた。
図2に各サンプルの応力-ひずみ曲線を示す。PEGブレンドにより弾性率はいずれもほぼ10%低下し、柔軟化していることが確認された。一方、PLAのみ、Run1は破断伸度が10%に満たずきわめて脆性が高かったのに対し、Run2は破断伸度が10%程度と改善され、Run3のそれは100%を超え、著しく脆性改善していることがわかった。分子量分布
図3にPEGのみ、およびRun1〜3のGPC溶出曲線(分子量分布曲線)と、低分子領域および高分子領域の拡大図を示す。
図3よりMAH/PO量の増加とともにPEG由来のピーク強度の低下が、さらに単純ブレンド(Run1)に対しMAH/PO添加系(Run2および3)の分子量の明らかな増加が明確となった。これは、PLA/PEGブレンドへのMAH/PO添加により以下に示すスキームでPLA−g−PEGがin situ生成したことを示すものである。
PLA−g−PEGの存在を明確化するべく、Run1〜3のサンプルをクロロホルムへ溶解させ、メタノール再沈物の赤外線吸収スペクトル測定を行った(図4)。単純ブレンド(Run1)ではPLA単体同様のスペクトルを示したのに対し、MAH/PO添加系(Run2および3)では、MAH/PO量の増加に従いPEG由来のピーク(2890cm−1付近)が明らかに増加していた。これは上記の混練によりPLA−g−PEGがin situ生成したことを示している。
Run2、Run3の樹脂は極めて透明であった。
使用材料
ポリ乳酸(PLA):“レイシア”H−400(三井化学(株)社製)
(80℃の熱風乾燥機で5時間乾燥後使用)
エチレン−ビニルアルコール(EVOH):エチレン含有量44モル%、数平均分子量約3万
無水マレイン酸(MAH):(シグマ アルドリッチ ジャパン(株)社製)
過酸化物(PO):ジクミルパーオキシド“パークミルD”(日本油脂(株)社製)
(パークミルDは190℃半減期が30秒程度であり、混練温度における水素引抜きあるいは架橋反応に適すると判断し用いた。)
カルボジイミド樹脂(LA−1):商品名カルボジライトLA−1(日清紡績(株)社製)
190℃に設定したバッチ式ニーダー(100MR3:(株)東洋精機製作所社製)にPLA/EVOH=80/20(以下重量部)を投入、あるいはPLA/EVOH/LA−1=80/20/1を投入、回転数を20rpmで5分間そのまま混練した後、回転数を50rpmに上げ、MAHおよびPOを少しずつ添加、さらに10分間混練し改質ポリエステルを得た。添加量(LA−1/MAH/PO(phr))は、Run4(比較例2):0/0/0、Run5(実施例3):0/1/0.5、Run6(実施例4):1/1/0.5、Run7(実施例5):0/2/0.5、Run8(実施例6):1/2/0.5とした。
得られた改質ポリエステルを80℃の熱風乾燥機で5時間以上乾燥後、190℃に設定した卓上プレス機(小型プレスG−12型:テクノサプライ(株)社製)にて溶融プレス後、水冷板に挟み込み冷却しフィルムを得た。フィルム厚は概ね300μmであった。
赤外線吸収スペクトル測定:フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR−8300:(株)島津製作所社製)を用いて各サンプルの表面をATR分析した。
走査型電子顕微鏡(S−3000N:(株)日立製作所製)を用いて各サンプルの断面を撮影した。なお、サンプルはイオンスパッター装置(E1010形日立イオンスパッター:(株)日立サイエンスシステムズ製)を用い、金蒸着前処理した。
測定方法:等圧法、測定温度:23℃、試料面積:50cm2、キャリアガス:ヘリウムガス、測定ガス:純空気(窒素/酸素=79/21)、測定時間:6時間毎積算で計18時間。測定結果は厚み300μmに換算した後の酸素透過率の値である。
赤外線吸収スペクトル
Run4、5、7のサンプルをTHFへ溶解させ、可溶部−不溶部を遠沈法により分離後、不溶部の赤外線吸収スペクトル測定を行った(図5)。単純ブレンド(Run4)ではEVOH単体同様のスペクトルを示したのに対し、MAH/PO添加系(Run5および7)では、MAH/PO量の増加に従いPLA由来のピーク(1720cm−1付近)が明らかに増加していた。これは上記の混練により化2に示すスキームでPLA−g−EVOHがin situ生成したことを示すものである。なお、図中、※印のピークは主鎖の酸化劣化による。
Run4、5、7の各サンプル断面の電子顕微鏡撮影結果を示す(図6)。単純ブレンド(Run4)では粗大な海島構造を形成しているのに対し、MAH/PO添加系(Run5および7)では、モルフォロジーが明確に変化していることがわかった。
ガスバリア性
PLA単体、およびRun4〜8各サンプルのガス透過率測定結果を表2に示す。
Claims (7)
- ポリ乳酸(A成分)99〜20重量部、数平均分子量10万以下のポリエチレングリコール(B成分)1〜80重量部(ただし、A成分とB成分との合計が100重量部とする)、不飽和カルボン酸またはその誘導体、あるいは不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1種以上の不飽和化合物(C成分)0.1〜20重量部、ラジカル発生剤(D成分)0.01〜5重量部を含む組成物を加熱混練して得られ、上記A成分の少なくとも一部の主鎖と前記B成分の少なくとも一部とが前記C成分を介して化学結合している改質ポリエステル。
- 前記C成分がマレイン酸または無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1に記載の改質ポリエステル。
- 前記B成分の数平均分子量が1万以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の改質ポリエステル。
- DSC昇温測定による到達結晶化度が50%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の改質ポリエステル。
- 請求項1から4のいずれかに記載の改質ポリエステルと、
ポリ乳酸、および/または、数平均分子量10万以下のポリエチレングリコールとが混合されてなることを特徴とするポリエステル樹脂混合物。 - 請求項1から4のいずれかに記載の改質ポリエステルおよび/または請求項5に記載のポリエステル樹脂混合物
を含む樹脂を成形してなる成形品。 - 請求項1から4のいずれかに記載の改質ポリエステルおよび/または請求項5に記載のポリエステル樹脂混合物
を含む樹脂を成形してなるフィルム。
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