JP4790853B2 - 無線端末装置および無線端末装置におけるそのリセレクション制御方法 - Google Patents
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Description
また、複数の通信システムの一つを選択して基地局との間で無線通信可能な通信部と、前記通信部にて使用中の通信システムを開放し、前記複数の通信システムのいずれかを前記通信部に再選択するよう制御するリセレクション処理を行うリセレクション処理手段を有する制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部にて待ち受けている基地局からの報知情報に基づいて緊急情報を受信すると、前記リセレクション処理を規制する。
また、図2(a)(b)(c)(d)は、BCSMSのスロットモードにおけるBCスロット監視動作を説明するための図である。
BCSMSは、図1に示されるように、一般に基地局100のカバーエリア毎に送信される。その範囲は、通信事業者によって決定されるが、その広さは、数百から数キロメートルに渡るため、特定の商業施設(ショッピングセンター)やスポーツ施設(競技場)、あるいはイベント会場などといった単一の目的を持った人間(携帯電話10を所持するユーザ)が集合する最大の単位に比べて大きくなる。
ブロードキャストインデックス(BCAST_INDEX)とは、スロットの監視タイミングを指定するパラメータである。
また、受信メッセージには、ブロードキャストアドレス(BC_ADDR)が設定される。ブロードキャストアドレス(BC_ADDR)には、BCSMSのメッセージ番号(MESSAGE_ID)、ゾーン(ZONE_ID)、優先度(PRIORITY)、言語(LANGUAGE)、およびサービスカテゴリの種別を示すサービス識別子(SERVICE)などが設定される。
また、無線端末装置は、内部に受信可能なBCSMSのリストを保持しており、無線端末装置における受信可否はこの組み合わせにより決定される。BCSMSは、ページングチャネル上の特定のスロット(BCスロット)へ送信される。
ここでは、図2(a)にBCSMS受信設定が無い場合のスロットモード、図2(b)にBCSMS受信設定有りの場合のスロットモード、図2(c)に通常の監視タイミング、図2(d)にBCスロット監視タイミングが、それぞれ、示されている。
そして、少なくとも一つのブロードキャストアドレス(BC_ADDR)の組み合わせを受信可能としている無線端末装置、および当該スロットが通常の待受スロットになった無線端末装置によって監視される。
無線端末装置は、BCスロット上でBCSMSを受信でき、ブロードキャストアドレス(BC_ADDR)の内容から受信可能と判定した場合に、受信処理を行う。ここで、受信処理とは、データのデコード、格納、そして、ユーザへその受信を報知することをいう。
このため、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、受信したBCSMSが緊急速報であった時、移動による位置登録処理の発生を抑制することとした。また、受信したBCSMSが緊急速報であった場合、アイドルハンドオフを実施する閾値を一時的に上げ、移動によるアイドルハンドオフが発生しにくいように制御することとした。
また、通信部11は、後述するように、基地局100から送出されるページングチャネル上で、所定のタイムスロット(BCスロット)あるいは所定のパケットに基づいてブロードキャスト情報(BCSMS)を受信する。
操作部12は、これらのキーが操作者によって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これを操作者の指示として制御部17に出力する。
すなわち、音声入出力部13は、マイクロフォンから入力された音声を増幅し、アナログ−デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部17に出力する。
また、音声入出力部13は、制御部17から供給される音声データに復号化、デジタル−アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカに出力する。
表示部14は、例えば、基地局通信部11による無線発信時における発信先の電話番号、着信時における発信元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面等を表示する。
記憶部16は、例えば、制御部17が実行するコンピュータのプログラム、通信相手の電話番号や電子メールアドレス等の個人情報を管理するアドレス帳、着信音やアラーム音を再生するための音声ファイル、待ち受け画面用の画像ファイル、各種の設定データ、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータが記憶される。
ここでは、記憶部16は、更に、閾値変更フラグ161と、位置登録制御フラグ162が所定の領域に割当てられ記憶される。これらフラグ161、162の役割りに付いては後述する。
記憶部16は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などによって構成される。
すなわち、制御部17は、携帯電話10の各種処理が操作部12の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作を制御する。なお各種処理とは、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧などである。また、各ブロックの動作とは、基地局通信部11における信号の送受信、表示部14における画像の表示等である。
制御部17は、記憶部16に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えている。制御部17は、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。すなわち、記憶部16に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
また、通信部11は、複数の通信システムの一つを選択して基地局との間で無線通信可能であって、制御部17は、通信部11にて使用している通信システムの信号強度を監視する。さらに、制御部17は、信号強度と予め設定された第2の閾値との関係に基づき、通信部11にて使用中の通信システムを解放し、複数の通信システムのいずれかを通信部11に再選択するよう制御するリセレクション処理を行うリセレクション処理手段をさらに有している。そして、制御部17は、緊急情報を受信すると、第2の閾値についても変更する。
ここで、緊急情報は、報知情報により指定されるブロードキャスト情報である。また、ブロードキャスト情報は、報知情報により制定される受信タイムスロットであるBCスロットで受信されるか、報知情報に基づく緊急情報以外の場合、通常の待受けスロットで受信されるブロードキャスト情報において指定される場合も同様である。
また、制御部17は、前記基地局からの報知情報に基づき緊急情報が受信されなくなった場合に前記閾値を変更前の閾値に戻す。
このとき、制御部17は、端末毎にタイミングが異なる位置登録制御タイマ170のタイムアウトを検知して位置登録を行う。
以下、図4〜図6のフローチャートを参照しながら、図3に示す制御部17の動作について詳細に説明する。
これらの動作により、携帯電話10が一旦待受けている通信システムを切り離して他の通信システムに移動するまでの間、BCスロットの監視が出来なくなってしまうことがある。この間に基地局からBCSMSが配信されると、受信漏れとなり、BCSMSによって配信された情報が緊急速報であった場合、その情報が得られなかったために危険な状態になる等、ユーザに不利益が発生することがある。
また、BCSMSが報知されるタイミングがブロードキャストインデックス(BCAST_INDEX)の値により事前に分かるため、報知されると判断したときに、アイドルハンドオフを実施する閾値を一時的に上げ、アイドルハンドオフが発生しにくいような状態に制御することとした。
携帯電話10は、このブロードキャストインデックス(BCAST_INDEX)によりBCSMSが報知されるタイミングを、また報知メッセージのブロードキャストアドレス(BC_ADR)により、BCSMSが配信されていることを確認できる。
ブロードキャストインデックス(BCAST_INDEX)値が“0”以外であった場合(ステップS102“Yes”)、制御部17は、アイドルハンドオフを開始する受信レベル閾値にBCSMS受信用閾値(α dB)を加えて、一時的にアイドルハンドオフが開始しにくいレベルに閾値を変更する(ステップS103)。
また、制御部17は、通信システム選択を開始する受信レベル閾値にBCSMS受信用閾値(β dB)を加え、一時的にリセレクションによる通信システム選択動作を開始しにくいレベルに閾値を変更する(ステップS104)。
閾値の変更内容については後述する。
ここで、アドレスが不一致の場合(ステップS106“No”)、制御部17は、更に、閾値変更フラグの状態を判定する(ステップS107)。閾値変更フラグ161がON(TRUE)していれば(ステップS107“Yes”)、アイドルハンドオフ閾値を初期化して元のハンドオフ閾値に戻し(ステップS108)、また、リセレクションの閾値を初期化して元の通信システム選択閾値に戻す(ステップS109)。続いて、制御部17は、閾値変更161フラグをOFF設定(FALE)して上記した一連の処理を終了する(ステップS110)。
制御部17は、通信部11にて待ち受けている基地局からの無線信号の信号強度を常に監視している。さらに、他の基地局からの無線信号の信号強度についても監視しており、これらの信号強度の比較によりハンドオフの制御を行っている。本発明の実施の形態ではアイドルハンドオフを一例としているが、通信中においても同様である。そして、制御部17は、待ち受け中基地局よりもハンドオフ候補基地局の方が信号強度が大きく、なおかつその差がハンドオフ判定の閾値(第1の閾値)を超える場合に前記ハンドオフ処理を行うよう通信部11を制御している。すなわち、「BCSMS通信用閾値(αdB)を加えてハンドオフしにくい環境にする」とは、このハンドオフ判定の閾値(第1の閾値)を大きくするようαdB増加させることである。
次に、リセレクション閾値について説明を行う。
制御部17は、ハンドオフのとき同様、通信部11にて待ち受けている基地局からの無線信号の信号強度を常に監視している。ここでは特に、使用中の通信システムがいずれであるかについて注目する。そして、この信号強度がリセレクション実施判定の閾値(第2の閾値)を下回り、通信システムを再選択すべきと判定されるとリセレクション処理を行うよう通信部11を制御している。すなわち、「BCSMS受信用閾値(βdB)を加えてリセレクション発生しにくい環境にする」とは、このリセレクション判定の閾値(第2の閾値)を小さくするようβdB減少させることである。
このように、ハンドオフ、リセレクションの閾値を変更することによってハンドオフあるいはシステム再選択(リセレクション)の発生を抑制することが出来る。
また、通信終了などの所定の動作を基準として計時開始されるタイマを有し、このタイマのタイムアウトによりリセレクション発生を管理されるような構成の場合には、このタイマの計時時間を変更するようにしても良い。具体的には、「BCSMS受信用閾値を加えてリセレクション発生しにくい環境にする」とき、BCSMS受信用タイマ延長を行うよう構成しても良い。このように構成することでもリセレクションを抑制することが出来る。
しかしながら、BCSMSはその地域にいる不特定多数に対して配信されるため、緊急速報のように避難勧告を受信した多数のユーザが、同じゾーンに一斉に移動することも考えられる。この場合、多数の携帯電話10から基地局100に対して一斉にアクセスが行われることになり、一時的にシステムが輻輳することが予想される。システムが輻輳すると電話がかかりにくくなる等で混乱が発生し、ユーザにとって不利益が発生する。
このため、本発明の実施の形態に係る無線端末装置では、受信したBCSMSが緊急速報であった時、移動による位置登録処理の発生を抑制することとした。また、受信したBCSMSが緊急速報であった場合、アイドルハンドオフを実施する閾値を一時的に上げ、移動によるアイドルハンドオフが発生しにくいように制御することとした。
そして、受信したBCSMSの内容が緊急速報であると判定した場合(ステップS202“Yes”)、制御部17は記憶部16の所定の領域に割当てられ設定される位置登録制御フラグ162をON設定(TRUE)して(ステップS203)、内蔵する位置登録制御タイマ170を起動する(ステップS204)。
制御部17は、位置登録ゾーンが変更された場合であっても緊急速報を受信した場合、Zone Based Registrationを発生させず、乱数によりカウント値が規定される位置登録制御タイマ170を起動する。
ちなみに、位置登録制御タイマ170は端末により設定される初期値が異なる。
制御部17は、緊急情報を受信したときに、アクセスが集中した際のトラフィックをコントロールするために、位置情報登録前に位置登録制御フラグ162をON設定(TRUE)して位置登録を抑制するための情報を設定するとともに(ステップS203)、位置登録制御タイマ170を起動する(ステップS204)。そして、この位置登録制御タイマ170のタイムアウトを検出すると位置登録制御フラグをOFFして位置登録処理を行う。
なお、位置登録制御タイマ170は乱数によりカウント値が規定されるとしたが、例えば、端末に固有の端末IDの下1ビットを用い、0〜9をカウントしたものを使用してもよい。いずれにせよ端末毎にタイムアウトのタイミングが端末間で一致することがなければよい。このことにより、位置登録処理が集中することを回避している。
このように、緊急情報報知の際にユーザの一斉移動が予測されるが、これによる位置登録の大量同時発生を防止でき、輻輳の回避により、災害発生時の発信成功の率を確率向上もはかれ、ユーザの安全確保にも寄与できる。
例えば、基地局からの報知情報に基づき緊急情報が受信される場合、前記ハンドオフ処理およびリセレクション処理の閾値設定を変更する制御部17におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
Claims (11)
- 複数の通信システムの一つを選択して基地局との間で無線通信可能な通信部と、
前記通信部にて使用している通信システムの信号強度を監視し、当該信号強度と予め設定された所定の閾値との関係に基づき、前記通信部にて使用中の通信システムを開放し、前記複数の通信システムのいずれかを前記通信部に再選択するよう制御するリセレクション処理を行うリセレクション処理手段を有する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部にて待ち受けている基地局からの報知情報に基づいて緊急情報を受信すると、前記所定の閾値を変更する
ことを特徴とする無線端末装置。 - 複数の通信システムの一つを選択して基地局との間で無線通信可能な通信部と、
前記通信部にて使用中の通信システムを開放し、前記複数の通信システムのいずれかを前記通信部に再選択するよう制御するリセレクション処理を行うリセレクション処理手段を有する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部にて待ち受けている基地局からの報知情報に基づいて緊急情報を受信すると、前記リセレクション処理を規制する
ことを特徴とする無線端末装置。 - 前記緊急情報は、
前記報知情報により指定されるブロードキャスト情報である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線端末装置。 - 前記ブロードキャスト情報は、
前記報知情報により制定されるページングチャネルの受信タイムスロットであるブロードキャストスロットで受信される
ことを特徴とする請求項3に記載の無線端末装置。 - 前記緊急情報は、
前記報知情報に基づく緊急情報以外の場合、待受けスロットで受信されるブロードキャスト情報において指定される
ことを特徴とする請求項3または4に記載の無線端末装置。 - 前記リセレクション処理手段は、
前記通信部にて使用している通信システムの信号強度が所定の閾値よりも小さい場合に前記リセレクション処理を行うよう制御し、
前記制御部は、
前記緊急情報を受信すると、前記所定の閾値を小さくするよう変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線端末装置。 - 前記制御部は、
前記基地局からの報知情報に基づき緊急情報が受信されなくなった場合に前記所定の閾値を変更前の値に戻す
ことを特徴とする請求項1に記載の無線端末装置。 - 前記制御部は、
前記基地局からの報知情報に基づき緊急情報が受信されなくなった場合に前記リセレクション処理の規制を解除する
ことを特徴とする請求項2に記載の無線端末装置。 - 前記リセレクション処理手段は、
複数の通信システムのいずれかを前記通信部に再選択し、当該再選択した通信システムを用いて位置登録することで前記リセレクション処理を行い、
前記緊急情報を受信すると、前記再選択した通信システムを用いた位置登録を試行する前に位置登録を制限するタイマを設定し、前記タイマのタイムアウト検出を契機に位置登録を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の無線端末装置。 - 前記タイマは、乱数により長さが決定される
ことを特徴とする請求項9に記載の無線端末装置。 - 複数の通信システムの一つを選択して基地局との間で無線通信可能な通信部を備える無線端末装置におけるリセレクション制御方法であって、
前記通信部にて使用中の通信システムを開放し、前記複数の通信システムのいずれかを前記通信部に再選択するよう制御するリセレクション処理を行うステップと、
前記報知情報に基づいて緊急情報を受信するステップと、
前記緊急情報が受信されると前記リセレクション処理を規制するステップと、を有する
ことを特徴とするリセレクション制御方法。
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