JP4788963B2 - 化学反応熱量測定装置および測定方法 - Google Patents
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Description
このリアクター1内に配設され、当該リアクター1内の化学薬材Aを加熱せしめるヒーター21を備え、かつ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして発信する加熱制御器2と;
前記リアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号T1を発信する反応温度センサー3と;
前記リアクター1の少なくとも化学薬材Aの収容部外周を内包する外装容器であって、熱媒Bを供給する流入口41と、排出する流出口42とを備えた熱交換ジャケット4と;
この熱交換ジャケット4の流入口41と流出口42とを介して熱媒Bが循環可能に連通され、熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な熱媒温度調節機構5と;
前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能な水位調整器6と;
前記熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42における熱媒Bの温度をそれぞれ測定して熱媒温度信号T2・T3として発信する熱媒温度センサー7(71・72)と;
前記熱交換ジャケット4の流入口41から流入する熱媒Bの流量を測定して、熱媒流量信号Rとして発信可能な熱媒流量センサー8と;
前記加熱制御器2の発信するヒーター出力信号Pが入力され、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときに、このヒーター出力とシキイ値とを比較する判定手段91を有し、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
前記熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号T2および熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号T3の双方が入力されることにより熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差が算出され、かつ、前記熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rが入力されることにより流量が算出され、これらの値が積算されてヒーター21の消費熱量W2を算出可能である一方、
ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であり、かつ、前記判定手段91により、シキイ値以上であるときは、当該ヒーター出力と測定時間とを積算してヒーターの消費熱量W 1 を算出可能であり、
この消費熱量W1および/またはW2を化学薬材Aの反応熱量として換算することができる演算処理装置9とを具備して構成するという技術的手段を採用することによって、化学反応熱量測定装置を完成させた。
リアクター1内における化学薬材Aの化学反応を開始させ、
この化学反応によって生じる反応熱量を補償するために、前記加熱制御器2のヒーター21の出力を強弱変化させ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして演算処理装置9に発信し、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときには、このヒーター出力とシキイ値とを判定手段91により比較し、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
前記熱交換ジャケット4の流入口41に設置した熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号T2および流出口42に設置した熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号T3の双方を入力して、これら両点における熱媒Bの温度差を算出して、かつ、熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rを入力して流量を算出し、これらの値を積算してヒーター21の消費熱量W2を演算処理装置9によって算出する一方、
ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であって、このヒーター出力がシキイ値以上のときは、ヒーター出力と測定時間とを積算して消費熱量W 1 を演算処理装置9によって算出し、
この消費熱量W1および/またはW2を化学薬材Aの反応熱量として換算するという技術的手段を採用することによって、化学反応熱量測定方法を完成させた。
前記熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号T2および熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号T3の双方が入力されることにより熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差が算出され、かつ、前記熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rが入力されることにより流量が算出され、これらの値が積算されてヒーター21の消費熱量W2を算出可能であり、
この消費熱量W1および/またはW2を化学薬材Aの反応熱量として換算することができる。
〔実験条件〕
まず、リアクターは内容積500ccとし、ジャケット部分の水位を20%、熱媒Bの流量を300g/min に調整し、かつ、温度を一定に調節して当該熱媒Bによる除熱速度は略一定に保たれている。また、化学薬材Aは、メタクリル酸メチルのモノマー60g、水 300gで乳化剤濃度1g/リットル−水、水溶性開始剤濃度1.25g/リットル−水を使用し、反応温度50℃で攪拌速度400rpmとして、反応器内を充分脱酸素した後、反応温度が50℃と一定になった所で開始剤水溶液を添加した。
本実施例では、図3に示すように、初めヒーターの発熱速度が65.5J/sで一定になっており、50分経過まで一定であるが、ここで開始剤水溶液を投入すると反応器内の温度は50.07℃まで上昇し、1分程度で50.00±0.01℃で推移していることがわかる。
(1)消費熱量W1 は、ヒーター出力(発熱速度)である前記加熱制御器2の電圧値とヒーターの抵抗値から求めることができる。
(2)消費熱量W2 は、熱媒による除熱速度により、熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差と流量、および熱媒比熱との積から計算される。また、放熱速度は反応器表面等からの熱の放出を表す。
M 攪拌機
2 加熱制御器
21 ヒーター
P ヒーター出力信号
3 反応温度センサー
T1 反応温度信号
4 熱交換ジャケット
41 流入口
42 流出口
5 熱媒温度調節機構
51 温度加減タンク
H 加熱ヒーター
C 冷却器
6 水位調整器
61 収容タンク
62 昇降装置
7(71・72) 熱媒温度センサー
T2 ・T3 熱媒温度信号
8 熱媒流量センサー
R 熱媒流量信号
9 演算処理装置
91 判定手段
A 化学薬材
B 熱媒
W1 ・W2 消費熱量
Claims (6)
- 反応さすべき化学薬材Aを収容するリアクター1と;
このリアクター1内に配設され、当該リアクター1内の化学薬材Aを加熱せしめるヒーター21を備え、かつ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして発信する加熱制御器2と;
前記リアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号T1を発信する反応温度センサー3と;
前記リアクター1の少なくとも化学薬材Aの収容部外周を内包する外装容器であって、熱媒Bを供給する流入口41と、排出する流出口42とを備えた熱交換ジャケット4と;
この熱交換ジャケット4の流入口41と流出口42とを介して熱媒Bが循環可能に連通され、熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な熱媒温度調節機構5と;
前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能な水位調整器6と;
前記熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42における熱媒Bの温度をそれぞれ測定して熱媒温度信号T2・T3として発信する熱媒温度センサー7(71・72)と;
前記熱交換ジャケット4の流入口41から流入する熱媒Bの流量を測定して、熱媒流量信号Rとして発信可能な熱媒流量センサー8と;
前記加熱制御器2の発信するヒーター出力信号Pが入力され、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときに、このヒーター出力とシキイ値とを比較する判定手段91を有し、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
前記熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号T2および熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号T3の双方が入力されることにより熱交換ジャケット4の流入口41および流出口42の両点における熱媒Bの温度差が算出され、かつ、前記熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rが入力されることにより流量が算出され、これらの値が積算されてヒーター21の消費熱量W2を算出可能である一方、
ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であり、かつ、前記判定手段91により、シキイ値以上であるときは、当該ヒーター出力と測定時間とを積算してヒーターの消費熱量W 1 を算出可能であり、
この消費熱量W1および/またはW2を化学薬材Aの反応熱量として換算することができる演算処理装置9とを具備して構成したことを特徴とする化学反応熱量測定装置。 - 熱媒温度調節機構5が、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節可能な加熱ヒーターHと冷却器Cとを備えていることを特徴とする請求項1記載の化学反応熱量測定装置。
- 水位調整器6には、熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を備え、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降可能であることを特徴とする請求項1または2記載の化学反応熱量測定装置。
- リアクター1内に化学薬材Aを収容し、このリアクター1の少なくとも収容部外周を内包する熱交換ジャケット4内における熱媒Bを水位調整器6によって所定の水位にする一方、反応温度センサー3によりリアクター1内の化学薬材Aの現在温度を測定して反応温度信号T1として演算処理装置9に発信するとともに、加熱制御器2のヒーター21を作動して温度を一定にした後、
リアクター1内における化学薬材Aの化学反応を開始させ、
この化学反応によって生じる反応熱量を補償するために、前記加熱制御器2のヒーター21の出力を強弱変化させ、このヒーター21の出力を測定してヒーター出力信号Pとして演算処理装置9に発信し、先にヒーター出力の単位時間当たりの増減幅を測定した後、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であったときには、このヒーター出力とシキイ値とを判定手段91により比較し、
このヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値以上であるとき、および、この所定値未満であって、前記判定手段91により比較し、シキイ値を下回るときは、
前記熱交換ジャケット4の流入口41に設置した熱媒温度センサー71の発信する熱媒温度信号T2および流出口42に設置した熱媒温度センサー72の発信する熱媒温度信号T3の双方を入力して、これら両点における熱媒Bの温度差を算出して、かつ、熱媒流量センサー8の発信する熱媒流量信号Rを入力して流量を算出し、これらの値を積算してヒーター21の消費熱量W2を演算処理装置9によって算出する一方、
ヒーター出力の単位時間当たりの増減幅が所定値未満であって、このヒーター出力がシキイ値以上のときは、ヒーター出力と測定時間とを積算して消費熱量W 1 を演算処理装置9によって算出し、
この消費熱量W1および/またはW2を化学薬材Aの反応熱量として換算することを特徴とする化学反応熱量測定方法。 - 熱媒温度調節機構5に備えた加熱ヒーターHと冷却器Cとにより、温度加減タンク51内における熱媒Bの帯熱温度を昇降調節することを特徴とする請求項4記載の化学反応熱量測定方法。
- 水位調整器6において、熱媒温度調節機構5の温度加減タンク51から送出された熱媒Bを収容する収容タンク61を設け、この収容タンク61を昇降装置62により昇降することによって前記熱交換ジャケット4内における熱媒Bの水位を昇降することを特徴とする請求項4または5記載の化学反応熱量測定方法。
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