JP4788947B2 - センサの信号処理システム - Google Patents

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本発明は、センサ出力の周波数に基づいて被検知事象を判断するセンサの信号処理システムに関する。また、このセンサの信号処理システムを用いて開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断する挟み込み検出システムに関する。
センサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するセンサの信号処理システムの一例として衝撃や振動により発生する力を検知して電圧信号を出力する圧電センサシステムがある。この圧電センサシステムは、建築物の自動ドアや、ワゴン、バン等の車両の電動スライドドア等、モータ等によってドアをスライドさせて開閉する電動開閉装置の挟み込み検出装置に利用することができる。
圧電素子は、加速度などの外力(応力)に応じた電気分極を発生させるものである。この圧電素子を用いた圧電センサは、開閉するドア等に物体が挟み込まれたこと等の外力に応じて発生した電気分極により、例えば正弦波のような振動する電圧信号を出力する。また、挟み込みに限らず、機械的な振動によってもこの電圧信号を出力する。しかし、その電圧波形の周波数が異なるために、被検知事象(この場合は、物体の挟み込み。)と、他の機械的な振動とを良好に識別することができる。また、挟み込みの初期など、外力の弱い時から電圧を発生するので、早期の検出が可能であり、挟み込んだ物体に加わる力が大きくなる前に対処が可能となる。下記に示す特許文献1には、この圧電素子を用いた感圧センサを自動車のハッチバックドアに利用する技術が示されている。
特許文献1に示された挟み込み検出装置は、圧電センサと、圧電センサからの出力信号から所定の周波数成分のみを通過させるフィルタと、フィルタからの出力信号に基づいて挟み込みを判定する判定部とを備えている。フィルタの特性は、自動車の車体の振動特性等を考慮して最適化されている。具体的には、自動車のエンジンや走行による振動を除去するために、約10Hz以下の信号成分を抽出するローパスフィルタとされている。判定部は、フィルタを通過した圧電センサからの出力信号の振幅が、所定の値以上であれば、挟み込みが生じたと判定する。
特開2003−106048号公報(第5〜7、第17〜29段落、第4、5図)
上記構成において、ローパスフィルタは約10Hz以下の信号成分を抽出するが、実際にどの程度の周波数であるかを知ることはできない。また、ノイズ成分であるエンジンや走行による機械的振動の信号レベルが非常に大きいものであれば、信号レベルが減衰した上でフィルタを通過する。そして、通過した後の信号レベルが所定の値以上であれば、判定部は挟み込みが生じたと判定することとなる。従って、単にフィルタを備えるだけでなく、圧電センサの出力の周波数を知ることは重要である。圧電センサの出力の周波数をほぼ正確に知ることができれば、フィルタを通過して判定部に達するノイズ成分の信号によって、判定部が挟み込みが生じたと判定しないようにすることも可能である。
しかし、上述したように、挟み込みを検出した場合の圧電センサの出力電圧の周波数は、約10Hz以下と非常に低周波数である。従って、周波数を判定するために一周期の間、波形を観測すると、周波数の逆数、即ち100ミリ秒以上要することになる。そうすると、挟み込みの初期からの検出が可能である高感度の圧電センサを利用した利点を充分に活かすことができない。
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、センサ出力を短時間で解析し、センサ出力の周波数に基づいて、短時間で被検知事象を判断することができるセンサの信号処理システムを提供することを目的としている。また、機械的な外力に応じた電圧を出力する圧電センサのセンサ出力を短時間で解析し、センサ出力の周波数に基づいて短時間で開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断して、良好に挟み込みを検出することのできるセンサの信号処理システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明に係るセンサの信号処理システムの特徴構成は、センサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するものであって、前記センサ出力を振幅中心を基準として方形波状に変換する変換手段と、この変換手段の出力に基づいて前記センサ出力の周波数を推定すると共に、前記センサ出力が前記被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを推定する推定手段と、この推定手段の出力に基づいて被検知事象を判断する判断手段とを備えた点にある。
センサ出力をその振幅中心で方形波状に変換すると、多くの場合、その方形波はデューティー比が50%前後のものとなる。そして、このパルス幅を測定すれば、周期の1/2の時間でセンサ出力の周波数を推定することができ、それが所定周波数よりも低周波数か高周波数かを推定することができる。即ち、変換手段において、周波数情報を維持して、方形波状に変換されているので周波数を推定することができる。方形波状の信号は、情報を1と0とで表すデジタル信号と考えることもでき、マイクロコンピュータ等のデジタル信号処理手段との相性もよいので、周波数を推定する方法として、多くの手段を適用することができる。従って、この推定結果に基づいて、センサ出力の一周期の時間よりも短時間で被検知事象を判断することができる。上述したように、周期的に振動するセンサ出力が非常に低周波数、例えば10Hz程度の時、一周期の時間は100ミリ秒であり、その半分の時間を短縮できたとしても50ミリ秒の短縮効果を得ることができる。このように上記特徴構成によれば、センサによる検出速度を向上することができる。センサにおいて検出速度は非常に重要な性能の一つであり、このように検出時間を短縮できることは好ましいことである。
また、センサ出力が、必ずしも、正弦波や三角波のような、いわゆるきれいな波形でなくても、上記作用効果は充分に得ることができる。例えば、センサ出力は周期的に振動する波形であるが、その振幅の中心で点対称とはならないような波形であってもよい。この場合、波高の最大値と最低値とのほぼ中間である振幅中心を基準として方形波状に変換してもデューティー比が約50%とはならないことがある。しかし、そのような波形であることは、システムの設計時、あるいは調整時にある程度判明している。また、当然に方形波状に変換された波形のパルス幅はセンサ出力の周波数と比例関係にある。従って、パルス幅を測定することによって、周波数(周期)を推定することができる。また、デューティー比によっては、周期の1/2よりも判定時期が遅くなることがある。しかし、それでも一周期を待たずに判定をすることができるのは好ましいことであり、本発明の作用効果を充分に得ることができるものである。
また、本発明に係るセンサの信号処理システムの他の特徴構成は、センサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するものであって、前記センサ出力を振幅中心を基準として方形波状に変換する変換手段と、前記センサ出力の振幅方向の頂上部を特徴付ける強調手段と、前記変換手段と前記強調手段との出力に基づいて前記センサ出力の周波数を判定すると共に、前記センサ出力が前記被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する判定手段と、この判定手段の出力に基づいて被検知事象を判断する判断手段と、を備えた点にある。
ここで、前記判定手段は、前記強調手段の出力より前記センサ出力の振幅方向の頂上部を検出し、この検出された頂上部と前記変換手段から出力される方形波の立ち上がりとの時間差に基づいて、前記センサ出力の1/4周期の時間を演算することにより、前記センサ出力の周波数を判定するものであるとよい。
センサ出力をその振幅中心で方形波状に変換すると、センサ出力の振幅の中心から振幅の頂上部への起点の時刻を特定することができる。即ち、変換手段において、周波数情報を維持して方形波状に変換されているので、周期の始まりとしての起点の時刻を特定することができる。一方、センサ出力の頂上部を特徴付ける強調手段によって、センサ出力が振幅の頂点に達した時点の時刻を特定することができる。そして、これら変換手段と強調手段との出力に基づくと、判定手段において振動するセンサ出力の振幅ゼロ(振幅中心)の時刻から振幅最大の時刻までの時間、即ち、センサ出力の約1/4周期の時間を知ることができる。従って、この1/4周期の時間より、一周期の時間(周波数)を算出(判定)することができ、この算出結果としての周波数が所定周波数よりも低周波数か高周波数かを判定することができる。つまり、所定の周期の1/4を少し超える程度の時間でセンサ出力に基づいて被検知事象を判断することができる。
上述したように、周期的に振動するセンサ出力が非常に低周波数、例えば10Hz程度の時、一周期の時間は100ミリ秒であり、その3/4近くの時間を短縮できることになる。つまり、本特徴構成によって、センサシステムの検出速度を大きく向上することができる。
本特徴構成においても、センサ出力が、周期をもって振動する波形であるがその振幅の中心で点対称とはならないような波形であってよい。特に、本特徴構成の場合、頂上部がずれることは非常に稀であり、変換手段において変換された方形波の立ち上がり時刻との関係だけを考慮すればよい。従って、センサ出力のほぼ1/4周期の時間を演算することができ、センサ出力の周波数を判定できる。
また、本発明に係るセンサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するセンサの信号処理システムの他の特徴構成は、前記センサ出力を方形波状に変換する変換手段と、この変換手段の出力に基づいて、前記センサ出力が前記被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを推定する推定手段と、に加え、下記構成を有して前記判断手段が被検知事象を判断する点にある。
即ち、前記センサ出力の振幅方向の頂上部を特徴付ける強調手段と、前記変換手段と前記強調手段との出力に基づいて前記センサ出力の周波数を判定すると共に、前記センサ出力が前記被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する判定手段と、が備えられ、前記判断手段が、前記推定手段及び前記判定手段の出力に基づいて被検知事象を判断する点にある。
ここで、前記判定手段は、前記強調手段の出力より前記センサ出力の振幅方向の頂上部を検出し、この検出された頂上部と前記変換手段から出力される方形波の立ち上がりとの時間差に基づいて、前記センサ出力の1/4周期の時間を演算することにより、前記センサ出力の周波数を判定するものであるとよい。
センサ出力をその振幅中心で方形波状に変換すると、センサ出力の振幅の中心から振幅の頂上部への起点の時刻を特定することができる。また、デューティー比が50%前後の方形波となるので、そのパルス幅を測定すれば、周期の1/2の時間でセンサ出力の周波数を推定することができる。即ち、変換手段において、周波数情報を維持して方形波状に変換されているので周期の始まりとしての起点の時刻を特定すると共に、周波数を推定することができる。一方、センサ出力の振幅方向の頂上部を特徴付ける強調手段によって、センサ出力が振幅の頂点に達した時点の時刻を特定することができる。そして、これら変換手段と強調手段との出力に基づくと、判定手段によって振動するセンサ出力の振幅ゼロの時刻から振幅最大の時刻までの時間、即ち、センサ出力の約1/4周期の時間を得ることができる。
そして、この推定されたセンサ出力の周期に基づいて、センサ出力の周波数が所定周波数よりも低周波数か高周波数かを推定することができる。また、特定されたセンサ出力の振幅の振幅中心からの起点の時刻と、振幅の頂点の時刻とに基づいて得られる1/4周期の時間より、一周期の時間(周波数)を算出して、センサ出力の周波数が所定周波数よりも低周波数か高周波数かを判定することができる。そして、これら推定結果及び判定結果に基づいて、センサ出力の一周期の時間よりも短時間で被検知事象を判断することができる。
上述したように、振動するセンサ出力が非常に低周波数、例えば10Hz程度の時、一周期の時間は100ミリ秒であり、周期の1/2や周期の1/4程度の時間で被検知事象を検出することができると、その短縮効果は大きい。また、周期の1/4、周期の1/2、一周期の夫々の時点で、被検知事象を判断するようにすれば、複合的な判断基準を有することとなって、誤検出等に対して耐力を持つことができる。また、被検知事象の検出によって、他の装置等を制御する場合、夫々の判断時点での制御内容を個別に設定してくこともでき、例えば、周期の1/4の時点では装置の減速、周期の1/2の時点では装置の停止、一周期の時点では警報等報知手段の駆動、等と段階的な制御も可能となる。
また、センサ出力が、例えば、周期をもって振動する波形であるが、その振幅の中心で点対称とはならないような波形であってもよい。この場合、変換手段によって方形波状に変換された波形は、デューティー比が約50%とはならないことがある。しかし、そのような波形となることは、システムの設計時や調整時には判明していることである。また、変換手段において周波数情報を維持して方形波状に変換されているので、当然に変換後のパルス幅はセンサ出力の周期と比例関係にある。従って、パルス幅を測定することによって、周波数(周期)を推定することができる。デューティー比によっては、周期の1/2よりも判定時期が遅くなることもあるが、それでも一周期を待たずに判定をすることができるのは好ましいことである。また、頂上部がずれることは非常に稀であり、変換手段において変換された方形波の立ち上がり時刻との関係だけを考慮すれば、センサ出力のほぼ1/4周期の時間を演算することができ、センサ出力の周波数を判定できる。
ここで、前記推定手段が、前記被検知事象を判断するための所定周波数に基づいて定められる時定数に応じて、前記変換手段の出力を積分する積分器と、前記センサ出力が前記所定周波数よりも低い周波数の場合に前記積分器の出力波形がそのピークに達するまでに超えることができる値に設定されたしきい値を有する比較器と、を備え、前記積分器の出力が前記しきい値を超えることによって、前記センサ出力が前記所定周波数より低周波数であることを推定するものとするとよい。
時定数が、変換手段によって変換された方形波状の信号の最大振幅まで到達可能な値であって、しきい値が方形波状の信号の最大振幅よりも小さい値であれば、積分器の出力は、方形波の信号のパルス幅よりも短い時間で、しきい値を超える。パルス幅が狭いとき、即ち周波数が高い時にはしきい値まで上昇することができない。従って、積分器の出力がしきい値を超えたか否かによって、所定の周波数よりも、低周波数か高周波数かを推定することができる。そして、この場合は、周期の約1/2という制約なしに時定数やしきい値を設定することができるので、さらに短時間で周波数を推定することができる。
また、前記強調手段を、前記センサ出力の振幅方向の頂上部近傍を狭幅なパルスに変換する比較器で構成するとよい。
センサ出力の振幅の大きさよりやや小さい程度のしきい値を持った比較器にセンサ出力を入力すると、頂上部近傍のみがパルス化された狭幅のパルスを得ることができる。このパルスの立ち上がりと立下りの時刻の中間の時刻が振幅方向の頂上部の時刻であり、正確にこの頂上部の時刻を検出することができる。また、変換手段によって方形波状に変換されたセンサ出力と、この狭幅のパルスとは、共にデジタル化された信号とも言えるので、そのままマイクロコンピュータ等のデジタル信号処理手段に入力することもできる。
また、上述した本発明に係るセンサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するセンサの信号処理システムが備える前記センサが、機械的な外力に応じた電圧を出力する圧電センサである場合、以下のように構成することができる。
即ち、この圧電センサが備えられた開閉する装置に生じる機械的な外力を検出することによって、前記被検知事象として、前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断する挟み込み検出システムを、本発明に係るセンサの信号処理システムを備えて構成することができる。
圧電センサは、機械的な外力に応じた電圧を出力するセンサである。開閉する装置は、それ自体が可動するので、開閉する装置に物体が挟み込まれた場合、及び開閉する装置が開閉動作をする場合の双方で機械的な外力が発生し、圧電センサはその外力を検出する。そして、これら異なる事象により生じた外力の検出を判別する必要があるが、これには本発明の信号処理システムを適用することができる。即ち、本発明の信号処理システムは、センサの出力を短時間で解析して、被検知事象を認識することができるので、挟み込みの初期から良好に検出が可能である高感度の挟み込み検出システムを得ることができる。
また、本発明に係る開閉する装置に機械的な外力に応じた電圧を出力する圧電センサを備え、この圧電センサのセンサ出力の周波数に基づいて、前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断するセンサの信号処理システムの他の特徴構成は、以下を備える点にある。
即ち、挟み込み発生時に想定される前記センサ出力の想定振幅値に基づいて所定の基準値が定められ、前記センサ出力が前記所定の基準値以上の振幅を有する期間を特徴付ける期間強調手段と、前記期間強調手段によって特徴付けられた期間の継続時間に基づいて、前記センサ出力が前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する継続時間判定手段と、この継続時間判定手段の出力に基づいて前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断する判断手段と、を備える点にある。
ここで振幅とは、振幅中心を基準として、即ち前記外力が無い場合に、振動する波形が静止する位置を基準として、それぞれ上下両方向に対する最大の変位の絶対値をいうものである。
本特徴構成では、期間強調手段によって、センサ出力が所定の基準値以上の振幅を有する期間を特徴付ける。この所定の基準値は、挟み込み発生時に想定される前記センサ出力の想定振幅値に基づいて、振幅中心と振幅方向の頂上との間に設定される。挟み込み発生時に想定されるセンサ出力は、設計値や実験結果、及び実験結果に基づく統計計算などによって得られるものである。
継続時間判定手段は、この特徴付けられた期間の継続時間が所定の時間以上であるか否かによって、センサ出力の周波数を判定し、センサ出力が被検知事象としての「開閉する装置に物体が挟み込まれたこと(以下、適宜「挟み込み」と称す。)」を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する。継続時間は、挟み込み発生時に想定されるセンサ出力の一周期の内の割合(何%か)を示している。従って、継続時間の測定によりセンサ出力の周期(周波数)を判定することができる。
この特徴構成によれば、振幅方向の頂上部を含む期間の継続時間を計測するので、周波数の判定に周期の1/4を超える時間を要するが、少なくとも周期の1/2を超える時間は要しない。従って、被検知事象を判断するセンサの出力を短時間で解析して、挟み込みを認識することができる。
また、所定の基準値は、センサ出力が充分な振幅を有しているか否かを判定可能なしきい値と兼ねることができる。従って、センサの出力の周波数と振幅との双方により、挟み込みを判定することができる。
ここで、前記想定振幅値は、挟み込み発生時に出力される前記センサ出力の平均的な振幅値に基づいて定めることができる。
平均的な振幅値とは、実験結果の単純平均、標準偏差を加味した統計計算、挟み込みの発生頻度と最大振幅との加重平均など、種々の方法により求めることができるものを総称するものである。そして、この平均的な振幅値に基づけば、振幅中心と振幅方向の頂上との間に、種々の挟み込みに対応可能な所定の基準値を設定することができる。
ここで、所定の基準値は、振幅中心から振幅方向の頂上部側に対して、前記想定振幅値の40%〜60%の値として設定されることができる。
センサ出力の平均的な振幅値の40%〜60%の値として基準値を設定すれば、短時間且つ少ないばらつきで継続時間に基づく判定を行うことができる。即ち、振幅値の40%未満の値を基準値とすれば、特徴付けられる期間が振幅中心に近づくために、波形ごとの継続時間のばらつきは少なくなる。しかし、継続時間そのものは長くなり、その結果、判定に時間を要する。一方、振幅値の60%を超える値を基準値とすれば、継続時間は短くなるが、波形ごとのばらつきは大きくなる。従って、平均的な振幅値の中央部である40%〜60%の値を基準値として設定すると、判定時間とばらつきとのトレードオフを解消して、継続時間に基づく判定を行うことができる。
尚、前記センサ出力の振幅値が、事象に応じて非常に多様である場合には、所定の基準値を複数設定するとよい。そして、複数設定された所定の基準値に基づいて、それぞれ特徴付けられた期間の継続時間を判定するとよい。
例えば、周波数は同等であっても、センサ出力の振幅値が小さい場合には、所定の基準値を超える継続時間が短くなり、その結果、所定の継続時間を超えない場合がある。このような場面を考慮して、所定の継続時間を短い時間とすると、挟み込みに起因するものではなく、振幅が大きく、周波数が高い波形の場合に、挟み込みと判定する可能性が生じる。ここで、例えば、振幅が大きい場合と小さい場合との2種類、あるいは振幅が大きい場合、中間の場合、小さい場合の3種類の所定の基準値を設定し、それぞれに対し、ほぼ同じ値の所定の継続時間を設定する。そして、それぞれの基準値を超えて特徴付けられた期間について、所定の継続時間を超えたか否かを判定し、これらを総合して判断すれば、より精度の高い判断が可能となる。
本特徴構成では、上述したように期間を特徴付ける手段と、振幅を評価する手段とを同一の所定の基準値を利用して兼用化できるため、所定の基準値を複数設けても規模が著しく増大することはない。
また、本発明に係るセンサの信号処理システムに、さらに、前記センサ出力の振幅が、前記基準値よりも大きい値である所定の上限値以上の場合に前記センサ出力が異常であると判定する異常判定手段を備えることができる。この場合、前記判断手段は、前記異常判定手段と前記継続時間判定手段との出力に基づいて前記開閉する装置に物体が挟み込まれたことを判断することができる。
上述したように、センサの出力の周波数と振幅との双方により、挟み込みを判定する場合であっても、ノイズ性の信号を挟み込みとして判定しまうことがある。つまり、継続時間判定手段は、特徴付けられた期間が所定の継続時間を超えたか否か、及び所定の基準値を超える振幅であったか否かを判定する。従って、挟み込みと同等の周波数で非常に大きな振幅を有するノイズ性の信号と挟み込みによる信号との区別ができない場合がある。しかし、上記のように異常判定手段が備えられると、センサ出力が挟み込みによる信号では有り得ないような大きな振幅の場合には、特徴付けられた期間の継続時間に拘らず、このセンサ出力が除外される。従って、判断手段がより正確な判断を行うことができる。
ここで、前記開閉する装置が、車両のスライドドアである場合、前記圧電センサは、可動する前記スライドドアの端部に配設されることができる。
車両のスライドドアは、開閉する装置の一つである。従って、上述したようにスライドドアに物体が挟み込まれる場合、及びエンジンや走行による機械的振動が生じる場合の双方で機械的な外力を生じる。これら、異なる事象により生じた外力を本発明の信号処理システムを適用することにより、良好に判別することができる。その結果、挟み込みの初期から良好に検出が可能である高感度の挟み込み検出システムを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は、本発明に係るセンサの信号処理システムの構成例を示すブロック図である。図1〜5に示すセンサの信号処理システムは、センサ出力W1の周波数に基づいて、被検知事象を判断するものである。ここで被検知事象とは、例えば光センサを利用して物体を検知することや、圧電センサを利用して物体の振動や衝撃を検知すること等、種々のものがある。
図1に示す第一構成例のセンサの信号処理システムは、センサ1からのセンサ出力W1を方形波状(波形W2)に変換する変換手段2と、この変換手段2の出力(波形W2)に基づいて、センサ出力W1が被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを推定する推定手段3と、この推定手段3の出力に基づいて被検知事象を判断する判断手段6とを備えたものである。
図2に示す第二構成例のセンサの信号処理システムは、センサ1からのセンサ出力W1を方形波状(波形W2)に変換する変換手段2と、センサ出力W1の振幅方向の頂上部を特徴付ける強調手段4と、変換手段2と強調手段4との出力に基づいてセンサ出力W1の周波数を判定すると共に、センサ出力W1が被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する判定手段5と、この判定手段5の出力に基づいて被検知事象を判断する判断手段6とを備えたものである。
図3に示す第三構成例のセンサの信号処理システムは、センサ1からのセンサ出力W1を方形波状(波形W2)に変換する変換手段2と、この変換手段2の出力に基づいて、センサ出力W1が被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを推定する推定手段3と、センサ出力の振幅方向の頂上部を特徴付ける強調手段4と、変換手段2と強調手段4との出力に基づいてセンサ出力W1が被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する判定手段5と、推定手段3及び判定手段5の出力に基づいて被検知事象を判断する判断手段6とを備えたものである。
図4に示す第四構成例のセンサの信号処理システムは、センサ1からのセンサ出力W1が所定の基準値以上の振幅を有する期間を特徴付ける期間強調手段4Aと、期間強調手段4Aの出力W5に基づいて、センサ出力W1が被検知事象を判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する継続時間判定手段5Aと、この継続時間判定手段5Aの出力に基づいて被検知事象を判断する判断手段6とを備えたものである。
ここで、センサ1は本発明の開閉する装置に備えられて機械的な外力に応じた電圧を出力する圧電センサに相当する。また、被検知事象は、開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かの検知(以下、適宜「挟み込み」と称す。)に相当する。尚、挟み込みとは、開閉する装置に完全に物体が挟み込まれた状態のみを示すものではなく、開閉する装置に物体が接触した時点からを示すものである。
図5に示す第五構成例のセンサの信号処理システムは、第四構成例に加え、センサ出力W1の振幅が、上述の基準値よりも大きい値である所定の上限値以上の場合にセンサ出力W1が異常であると判定する異常判定手段7がさらに備えられ、判断手段6が、異常判定手段7と継続時間判定手段5Aとの出力に基づいて被検知事象を判断するものである。
ここで、センサ1は本発明の開閉する装置に備えられて機械的な外力に応じた電圧を出力する圧電センサに相当する。また、被検知事象は、挟み込みに相当する。
以下、上記各構成例を構成する各手段の詳細について説明するが、特に断らない限り、第一から第五構成例を一括して「実施形態」と称して、説明する。
〔第一、第二、第三構成例〕
〔変換手段〕
図6は、第一から第三構成例の変換手段2の回路構成例を示す図である。図7は第一から第三構成例による信号処理を説明する波形図である。図7では、周期的に振動するセンサ出力として、正弦波状の波形を例示している。図7に示すようにセンサ1からの正弦波状のセンサ出力W1は、図中で最も大きな振幅を有する部分が被検知事象を検知した時の波形を示している。その前後の振幅が小さく、短い周期の波形は被検知事象によるものではない出力である。センサ1の出力には、このような被検知事象によらない出力、いわゆるノイズ成分の信号が含まれる。従って、一般的にはセンサ1からの信号が入力される信号入力部を初段に備え、その信号入力部にノイズ成分を除去するフィルタ回路や初段アンプと呼ばれる低増幅率の増幅回路を設ける場合が多い。本実施形態では、説明を容易にするためにこの信号入力部を省略している。本実施形態において、この信号入力部を備える場合には、センサ1と変換手段2との間に設けられ、センサ出力W1に相当する波形が、信号入力部から出力されて変換手段2に入力されると考えればよい。信号入力部には、ノイズ成分を除去するフィルタを有すると説明したが、全てのノイズ成分を除去し得るものではなく、程度の差の問題でノイズ成分を含んだ信号が変換手段2に入力される。従って、図7に示した程度に他の信号成分を含んだ信号が処理されるので、図6に示した構成に準じて考えても問題はない。
図6に示すように変換手段2は、演算増幅器21を用いた比較器である。比較器のしきい値は電圧E1であり、図7に示すように、これはセンサ出力W1の振幅の中心電圧に相当する。従って、電圧E1をしきい値とする変換手段2の比較器で正弦波状のセンサ出力W1は、デューティー比がほぼ1対1の方形波(波形W2)に変換される。変換された方形波は、センサ出力W1の振幅に関係なく、全てグラウンド(GND)と電源電圧Vccとの間を振れる信号に変換される。尚、この電圧E1は、抵抗分圧や定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)等によって定められ、回路を流れる電流によって電圧降下を起こさないように、エミッタフォロワやボルテージフォロア等の定電圧回路の出力とされている。後述する他の手段で用いるしきい値電圧E2やE3についても、同様である。
〔推定手段〕
図7に示すように、方形波のパルスである波形W2の立ち上がり時刻t0から、次の立ち上がり時刻t2までの時間Tは、センサ出力W1の周期と一致する。従って、フリップフロップやマルチバイブレータ等のエッジ検出器、タイマー等を組み合わせた時間計測回路や、マイクロコンピュータ等に波形W2の信号を入力することによって、この時間(周期)Tを計測することができる。この時間計測回路を本実施形態の推定手段3としても良いが、周波数(周期)を知るためには、一周期以上の時間を要することになる。方形波のパルスである波形W2の立ち上がり時刻t0から、次の立ち下がり時刻t1までの時間は、センサ出力W1の半周期とほぼ一致する。従って、半周期に該当する時間を計測して、一周期の時間を推定すると、処理時間を短縮することができる。本実施形態では、これよりも短時間で周波数(周期)を知ることのできる推定手段3を用いている。
図8は、第一及び第三構成例の推定手段3の回路構成例を示す図である。図8に示すように、本実施形態(第一及び第三構成例)の推定手段3は、被検知事象を判断するための所定周波数に基づいて定められる時定数に応じて、変換手段2の出力である方形波のパルス(波形W2)を緩やかに遷移させる積分器31と、センサ出力が所定周波数よりも低い周波数の場合に積分器31の出力波形(図7の波形W4)がそのピークに達するまでに超えることができる値に設定されたしきい値である電圧E3を有する比較器32とを備えている。積分器31及び比較器32は、演算増幅器を利用して構成しているが、これに限ることなく例えば、積分器31は抵抗器やコンデンサ、インダクタを組み合わせた積分回路として構成してもよい。
図7に示すように、積分器31の出力である波形W4は、波形W2の方形波のパルスの立ち上がりである時刻t0を起点としてコンデンサに充電を開始し、緩やかに電圧が上昇していく。そして、パルスの立下りである時刻t2を起点として、コンデンサからの放電を開始し、緩やかに電圧が下降していく。この充電と放電との時間は、積分器31の抵抗器とコンデンサとの定数によって定まる時定数で規定されるものである。波形W4から明らかなように、低周波数の部分は、時刻t6においてしきい値である電圧E3を超えて上昇しているが、高周波数の部分はしきい値である電圧E3を超えることができない。即ち、低周波数である被検知事象の検知出力のパルスは、周期が長いために充分に充電ができているが、高周波数のパルスは周期が短いために充電が完了する前に放電を開始するので充分に充電することができない。従って、適切な時定数を定めることによって、積分器31の出力がしきい値電圧E3を超えるのに必要な周期を設定することができ、しきい値電圧E3を超えたか否かによって、センサ出力(波形W1)が所定周波数より低周波数であることを推定することができる。
〔強調手段〕
図9は、第二及び第三構成例の強調手段4の回路構成例を示す図である。図9に示すように、本実施形態の強調手段4は、センサ出力(波形W1)の頂上部(ピーク)近傍を狭幅なパルス(波形W3)に変換する演算増幅器41を用いた比較器である。図7に示すように、比較器のしきい値は正弦波状のセンサ出力W1の振幅中心の電圧E1よりも高い電圧E2であり、センサ出力(波形W1)の頂上部近傍を狭幅なパルス(波形W3)に変換する。即ち、変換手段2によるパルス変換では、時刻t0で立ち上がり、時刻t1で立ち下がるパルスであったが、強調手段4によるパルス変換では、時刻t1よりも後の時刻t3で立ち上がり、時刻t1よりも前の時刻t4で立ち下がるパルスが得られる。即ち、この強調手段4は、正弦波状のセンサ出力(波形W1)のピークを強調、又は検出するものである。
このような、正弦波状のセンサ出力(波形W1)のピークを強調、又は検出するものとして、別の回路構成を採ることもできる。図10は、第二及び第三構成例の強調手段4の他の回路構成例を示す図であり、図11は、図10の強調手段4による信号処理を説明する波形図である。図10に示すように、強調手段4をピークホールド回路で構成している。このピークホールド回路は、演算増幅器42と、ダイオードDと、電圧保持用のコンデンサCとを備え、正弦波状のセンサ出力である波形W1の振幅中心である電圧E1を基準として、最大電圧を保持するように構成したものである。図11に示すように、振幅中心の電圧E1で正弦振動する波形W1の電圧が時刻t0から正方向の振幅方向へ上昇するのに伴って、ピークホールド回路の出力である波形W3Aも上昇し、時刻t5においてピーク電圧V1に達するとこの電圧を保持する。このように、簡潔な回路構成のピークホールド回路を用いて、センサ出力が最大値となった時点においてほぼ遅滞なく正弦波状のセンサ出力(波形W1)のピークを強調することが可能である。
尚、このピークホールド回路は、最大値を保持するものであるので、一つの正弦波のピークの強調(検出)が完了しても、その値を保持し続ける。従って、コンデンサCを放電させるためのリセット回路Rが備えられている。このリセット回路Rは、トランスファーゲートと称されるアナログスイッチ等で構成され、不図示の制御回路からの制御信号によってスイッチ操作される。このスイッチ操作のタイミングは、ピーク電圧が保持されて、ピークの時刻t5を検出できた後や、センサ出力(波形W1)が振幅中心を下回った時点等とすればよい。図11では、ピーク電圧V1が保持されている間にセンサ出力(波形W1)が下降して振幅中心である電圧E1を下回った時刻r1でリセット操作されてコンデンサCが放電されている。
また、この強調手段4においては、その目的が正弦波状のセンサ出力の波形W1の振幅のピークを強調あるいは、検出することであるので、おのずからその振幅の大きさを評価していることにもなる。本実施形態では、正弦波状のセンサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するセンサの信号処理システムについて説明しているが、周波数だけでなく振幅、即ちセンサ出力の大きさにも着目すると、より正確に被検知事象を判断することができる。従って、この強調手段4、及び後述する判定手段5をセンサ出力の振幅、即ちセンサ出力の大きさを検出する振幅検知手段としての機能を有するものと考えてもよい。
尚、第四及び第五構成例に係る期間強調手段4Aの構成例については、図15〜17に基づいて後述する。
〔判定手段〕
判定手段5では、強調手段4において強調された正弦波状のセンサ出力の波形W1のピークの時刻を判定する。強調手段4として図9の比較器を用いた場合には、図7に示すように、狭幅のパルスは時刻t3で立ち上がり、時刻t4で立ち下がる。従って、フリップフロップやマルチバイブレータ等のエッジ検出器、タイマー等を組み合わせた時間計測回路や、マイクロコンピュータ等に波形W3の信号を入力することによって、ピークの時刻t5=(t3+t4)/2を算出することができる。
また、強調手段4として図10のピークホールド回路を用いた場合には、比較器等を用いて波形W5と波形W1とを比較し、波形W1がピークから下降を始めて保持されたピーク値を下回ることを検出することにより、ピークの時刻t5を得ることができる。
図2及び図3に示したように、判定手段5には変換手段2からの出力信号も入力されている。従って、強調手段4からの出力に基づいて求められたピークの時刻t5と、変換手段2の出力パルス(波形W2)が立ち上がる時刻t1との時間差t5−t1、即ち周期Tの1/4の時間を得ることができる。そして、この1/4周期の時間から、周期Tや周波数を判定することができる。
〔判断手段〕
判断手段6は、上した推定手段3及び判定手段5の出力を受けて、被検知事象を判断するものである。論理回路やマイクロコンピュータ等によって構成され、推定手段3で推定したセンサ出力の周波数、判定手段5で判定したセンサ出力の周波数や振幅に基づいて、被検知事象を判断する。この判断は、被検知事象が有り又は無しの2値判断でもよいし、被検知事象の発生可能性を確立で表すような多値判断であってもよい。
以上説明したようなこれら各手段を第一から第三構成例に示したように構成すると、センサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するセンサの出力を短時間で解析して、被検知事象を認識するセンサの信号処理システムを提供することができる。
〔第一から第三構成例による信号処理の第二及び第三の例〕
尚、本実施形態については、周期的に振動するセンサ出力として、理解を容易にするために正弦波状の波形を用いて説明した。しかし、正弦波状の波形とは、図7及び図11に示したような正弦波そのものに限るものではなく、複数の周波数の正弦波の重畳波形等のいわゆる歪波も含むものである。
また、上記「変換手段」の説明の際に述べたように、本実施形態では、信号入力部を省略して説明している。従って、信号入力部を構成するフィルタ回路や初段アンプやその他の回路によって、いわゆる三角波や、波高が切り取られたクリップ波形となっていることも有る。例えば、回転センサ等が出力する方形波信号から高周波ノイズを除去するために積分回路を経由させた結果、三角波となることもあり(図12参照)、また、センサ出力が大きく、アンプの電源電圧等の関係で波高がクリップされることもある(図13参照)。しかし、図12や図13に示したように、三角波、クリップ波形の何れの波形であっても、図7や図11に示したものと同様の信号処理を行うことが可能であり、本発明に係る信号処理システムを適用することができる。尚、図示は省略したが、周期的に任意の振幅で振動する方形波状のセンサ出力をその振幅中心をしきい値として、電源−グラウンド間で振れる新たな方形波とするような場合も、本発明に係る信号処理システムを適用できる。
〔第一から第三構成例による信号処理の第四の例〕
さらに図14に示すように、センサ出力が、周期をもって振動する波形であるが、その振幅の中心で点対称とはならないような波形であってもよい。実際、後述する圧電センサシステム等においては、その設置箇所のノイズレベルとの関連で、ノイズフィルタ等が信号経路に挿入されることもある。その結果、センサ出力が、周期をもって振動する波形ではあっても、いわゆる正弦波や三角波等のようにその振幅の中心で点対称とはならない波形となる場合があり得る。しかし、このような波形であっても、本発明の適用を何ら妨げるものではない。細部は、上述した実施形態と同様であるので説明を省略するが、以下、信号処理の流れに沿って、図14に基づいて簡単に説明する。
図14に示すように、センサ出力の波形W1は、いわゆる正弦波や三角波とは異なり、周期をもって振動する波形であるが、その振幅の中心で点対称とはならないような波形である。この波形W1を、方形波状に変換するための基準(しきい値)の電圧E1は、波高の最大値と最低値とのほぼ中間を振幅中心とすることとして定めている。変換された方形波状の波形W2は、デューティー比が約50%とはなっていない。しかし、変換手段2は、周波数情報(周期T1)を維持してセンサ出力を方形波状の波形W2へ変換している。従って、その周期T1のデューティー比もまた、周波数情報を維持しており、方形波状の波形W2のパルス幅は、センサ出力との比例関係を維持している。センサ出力の波形W1が振幅の中心点での対称性を有していないことは、センサシステムの設計時や調整時に明らかであり、方形波状の波形W2へと変換する基準(しきい値)の電圧E1も、設計時や調整時には明らかであるから、デューティー比は既知の比率となる。従って、例えば、方形波状の波形W2のパルス幅に応じた時定数を持つ積分器31を推定手段3に備えてやれば、波形W4を得ることができ、センサ出力の周期(周波数)は推定可能である。
また、頂上部がずれることはほとんどなく、図14に示すように強調手段4において強調される頂上部は、センサ出力の対称性に関わらず正確に頂上を検出することができる。この強調手段4の構成は、図9に示す比較器を利用したものであってもよいし、図10に示すピークホールド回路を用いたものでもよい。変換手段2は、センサ出力の波形W1の周波数情報を維持して方形波状の波形W2への変換を行っており、センサ出力の波形W1の周期の始まりとしての起点の時刻t0を特定する役割も担っている。そして、振幅の頂上部の時刻t5との差によってセンサ出力のほぼ1/4周期の時間を判定手段5が判定するが、振幅の中心点に対して対称性を有しない本例においては、この差がそのままセンサ出力のほぼ1/4周期とはいえないものとなる。しかし、センサ出力の非対称性、及びセンサ出力を方形波状に変換する際の基準の電圧E1は、上述したようにセンサシステムの設計時や調整時にある程度明らかにすることができる。従って、デューティー比と同様に時刻t0と時刻t5との差の時間と、周期の1/4の時間とは既知の比率となる。従って、この比率を補正係数とすれば、センサ出力のほぼ1/4周期の時間を演算することができ、センサ出力の周波数を判定することができる。
〔第四、第五構成例〕
続いて、図4及び図5に示した第四及び第五構成例に係る実施形態について、説明する。説明を容易にするために、センサの出力信号W1を正弦波状の波形として以下の説明を行う。ただし、上述した第一から第三構成例に係る実施形態と同様に、正弦波状の波形とは、図7及び図11に示したような正弦波そのものに限るものではない。当然、複数の周波数の正弦波の重畳波形等のいわゆる歪波も含むものである。また、三角波、クリップ波形、方形波の何れの波形であっても問題ないことも同様である。これらの波形に対する信号処理の詳細については、説明を省略するが、上記第一から第三構成例に係る実施形態を鑑みればその応用は明らかである。
ここで、センサ1は本発明の「開閉する装置に備えられて機械的な外力に応じた電圧を出力する圧電センサ」に相当する。開閉する装置、及び圧電センサの詳細については、後述する。また、被検知事象は、本発明の「開閉する装置に物体が挟み込まれたか否か」、即ち、「挟み込み」に相当する。
〔期間強調手段〕
図15は、第四及び第五構成例の期間強調手段4Aの回路構成例を示す図である。図16は、第四及び第五構成例による信号処理を説明する波形図である。図に示すように、本実施形態の期間強調手段4Aは、センサ出力(波形W1)が所定の基準値以上の振幅を有する期間をパルス信号(波形W5)に変換する演算増幅器43を用いた比較器である。比較器43のしきい値E4H及びE4Lは、正弦波状のセンサ出力W1の振幅中心の電圧E1から、上下にそれぞれ電位差Aを有する。つまり、センサ出力W1が、所定の基準値以上の振幅を有する期間、即ち振幅中心E1からそれぞれ電位差A以上の振幅を有する期間を特徴付けるパルス信号(波形W5)に変換する。
例えば、第一から第三構成例に係る変換手段2によるパルス変換では、時刻t0で立ち上がり、時刻t1で立ち下がるパルスが得られた。第四及び第五構成例に係る期間強調手段4Aによるパルス変換では、時刻t1よりも後の時刻t6で立ち上がり、時刻t1よりも前の時刻t7で立ち下がるパルスが得られる。また、本実施形態では、さらに時刻t1より後の時刻t8で立ち上がり、時刻t0から一周期後の時刻t2よりも前の時刻t9で立ち下がるパルスも得られる。つまり、振幅中心E1を挟んで、振幅方向の両方において基準値以上の振幅を有する期間を特徴付けている。尚、実施形態によっては、もちろん何れか一方側だけを特徴付けてもよい。
また、期間強調手段4Aは、別の回路構成を採ることもできる。図17は、第四及び第五構成例の期間強調手段4Aの他の回路構成例を示す図である。図15に示した回路構成では、振幅方向の両方において基準値以上の振幅を有する期間を特徴付けるために、比較器43が2つ備えられていた。図17に示した回路構成では、振幅中心E1を基準として、良く知られた全波整流45にセンサ1の出力信号を入力する。そして、全波整流45の出力を1つの比較器43を用いてパルス化し、振幅方向の両方において基準値以上の振幅を有する期間を特徴付けている。
尚、上記図15〜図17に基づいて説明した例では、振幅中心E1の上下両方の波形を評価したが、勿論何れか一方のみでもよい。また、第一〜第三構成例においては振幅中心E1の上側の波形のみを利用したが、変換手段2の出力W2との関係を満足すれば、これに限らず下側を用いて評価してもよい。
尚、所定の基準値E4は、振幅中心E1と振幅方向の頂上との間に設定される。ここで、所定の基準値は、挟み込み発生時に想定されるセンサ出力W1の想定振幅値に基づいて定められる。挟み込み発生時に想定されるセンサ出力は、設計値や実験結果、及び実験結果に基づく統計計算などによって得られるものである。
ここで、想定振幅値は、挟み込み発生時に出力されるセンサ出力W1の平均的な振幅値に基づいて定めることができる。平均的な振幅値は、実験結果の単純平均、標準偏差を加味した統計計算、挟み込みの発生頻度と最大振幅との加重平均など、種々の方法により求めることができる。そして、この平均的な振幅値に基づけば、振幅中心E1と振幅方向の頂上との間に、種々の挟み込みに対応可能な所定の基準値を設定することができる。
本実施例においては、振幅中心E1から振幅方向の頂上部側に対して、センサ出力W1の平均的な振幅値の40%〜60%の値として設定される。
センサ出力の平均的な振幅値の40%〜60%の値として基準値を設定すれば、短時間且つ少ないばらつきで継続時間に基づく判定を行うことができる。即ち、振幅値の40%未満の値を基準値とすれば、特徴付けられる期間が振幅中心に近づくために、波形ごとの継続時間のばらつきは少なくなる。しかし、継続時間そのものは長くなり、その結果、判定に時間を要する。一方、振幅値の60%を超える値を基準値とすれば、継続時間は短くなるが、波形ごとのばらつきは大きくなる。従って、平均的な振幅値の中央部である40%〜60%の値を基準値として設定すると、判定時間とばらつきとのトレードオフを解消して、継続時間に基づく判定を行うことができる。
例えば、センサ出力が平均的な振幅を有する正弦波の場合に所定の基準値が振幅値の50%に設定されると、半周期の間に特徴付けられる期間は、下記計算により、半周期の約67%となる。
arcsin(0.5) = 30 [deg]
(30 [deg] × 2) / 180 [deg] = 0.667
周期の始めからの時刻で示すと、下記計算により、半周期の約83%の時刻で特徴付けられる期間が終了する。
(180 [deg] -30 [deg]) / 180 [deg] = 0.833
つまり、半周期の180度に対し、半周期の始めと終わりに約30度の位相を残して、特徴付けられることを示すものである。基準値が40%の場合には、この位相は約24度であり、60%の場合には約35度である。
尚、上記説明においては、理論的裏付けの説明を容易にするためにセンサ出力を正弦波として説明したが、三角波やその他の歪んだ波形の場合には、設計値や計測結果から、それぞれの波形に対応した割合を適用すればよい。
尚、センサ出力W1の振幅値が、事象に応じて非常に多様である場合には、所定の基準値E4を複数設定するとよい。そして、複数設定された所定の基準値E4に基づいて、それぞれ特徴付けられた期間の継続時間が判定されるようにするとよい。
例えば、周波数は同等であっても、センサ出力W1の振幅値が小さい場合には、所定の基準値を超える期間が短くなり、その結果、所定の継続時間を超えない場合がある。このような場面を考慮して、所定の継続時間を短い時間とすると、挟み込みによるものではなく、振幅が大きく、周波数が高い波形の場合に、挟み込みと判定する可能性が生じる。ここで、例えば、振幅が大きい場合と小さい場合との2種類、あるいは振幅が大きい場合、中間の場合、小さい場合の3種類の所定の基準値を設定し、それぞれに対し、ほぼ同じ値の所定の継続時間を設定する。そして、それぞれの基準値を超えて特徴付けられた期間について、所定の継続時間を超えたか否かが判定され、これらを総合して判断されれば、挟み込みがさらに精度よく検出される。
図15や図17に回路構成例を示し、上述したように、期間を特徴付ける手段(期間強調手段4A)と、振幅を評価する手段とを同一の所定の基準値E4を利用して簡単な構成で兼用化できるため、所定の基準値を複数設けても規模を著しく増大させることはない。
〔異常判定手段〕
図18は、第四及び第五構成例の異常判定手段7の回路構成例を示す図である。図16及び図18に示すように、異常判定手段7は、センサ出力(波形W1)の振幅が、期間強調手段4Aが用いる所定の基準値(電位差A)よりも大きい値である所定の上限値(電位差B)以上である場合に、センサ出力(波形W1)が異常であると判定する。ノイズ性の信号などは、非常に大きな振幅を有する場合があり、異常判定手段7を利用して、このようなノイズ性の信号を抑制することができる。図13のように振幅方向の頂上部が電源電圧やグラウンドでクリップされている場合には、異常判定手段7において異常であると判定されることになる。ただし、クリップ電圧が電源電圧やグラウンドではなく、上限値(電位差B)を超えない振幅の波形であった場合には、当然異常であるとは判定されない。
〔継続時間判定手段及び判断手段〕
継続時間判定手段5Aでは、期間強調手段4Aにおいて特徴付けられた正弦波状のセンサ出力波形W1が基準値以上の振幅を有する期間の継続時間を測定する。そして、この継続時間が所定の継続時間を超えているか否かによって、センサ出力波形W1の周波数が所定の周波数よりも低周波数であるか否かを判定する。換言すれば、継続時間は、上述したようにセンサ出力の一周期の内の割合(何%か)を示している。従って、継続時間の測定によりセンサ出力の周期(周波数)を判定し、センサ出力の周波数が所定の周波数よりも低周波数であるか否かを判定していることと等価である。
尚、期間強調手段4Aとして、図15や図17に示したような比較器43を用いた場合には、特徴付けられたパルスは時刻t6で立ち上がり、時刻t7で立ち下がる。従って、フリップフロップやマルチバイブレータ等のエッジ検出器、タイマー等を組み合わせた時間計測回路や、マイクロコンピュータ等に波形W5の信号を入力することによって、基準値以上の振幅を有する期間(=t7−t6)を算出することができる。
この算出された期間(t7−t6)は、波形W1のデューティー比が極端に偏ったものでない限り、1/2周期を下回る値を示している。図16からもわかるように、振幅方向の頂上部を含む期間の継続時間を計測するので、周波数の判定に周期の1/4を超える時間を要するが、少なくとも周期の1/2を超える時間は要しない。従って、挟み込みを判断するセンサの出力を短時間で解析して、挟み込みを認識することができる。
上述したように、例えば、センサ出力W1が平均的な振幅を有する正弦波の場合に所定の基準値E4が振幅値の50%に設定されると、半周期の間に特徴付けられる期間は、半周期の約67%となる。この正弦波に対する理論値67%を目安とし、実験結果などより、波形の形状や振幅の大きさを考慮して、継続時間のしきい値を定めればよい。そして、このしきい値を超える継続時間が確認されれば、継続時間判定手段5Aは、センサ出力が挟み込みを判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定することができる。
しきい値を定める目安としての考え方の一例を下記に示す。所定の基準値E4を平均的なセンサ出力の振幅値の40%〜60%の値として設定すると、特徴付けられた期間の継続時間は、平均的な振幅値の50%を基準値E4とした場合の継続時間に対して、92%の長さとなる。従って、所定の基準値E4を平均的な振幅値の50%の値に設定し、継続時間を判定する際の基準を振幅の60%の値に基づいて設定してもよい。つまり、所定の基準値E4を平均的な振幅値の50%の値に設定した場合の理論的、あるいは実験的な継続時間の92%以上をしきい値とするようにしてもよい。
判断手段6は、上述した継続時間判定手段5Aの結果に基づいて、或いは継続時間判定手段5A及び異常判定手段7の結果に基づいて、挟み込みを判断する。判断手段6は、例えば、論理回路やマイクロコンピュータ等によって構成される。継続時間判定手段5Aで判定したセンサ出力の周波数(及び振幅)と、センサ出力が異常であるか否かの判定結果とに基づいて、挟み込みを判断する。この判断は、挟み込みが有り又は無しの2値判断でもよいし、挟み込みの発生可能性を確立で表すような多値判断であってもよい。
また、所定の基準値E4は、センサ出力W1が充分な振幅を有しているか否かを判定可能なしきい値と兼ねられている。従って、継続時間判定手段5Aは、センサ出力W1の周波数と振幅との双方により、挟み込みを判定することができる。また、判断手段6は、センサ出力W1の周波数と振幅との双方により、挟み込みを判断することができるともいえる。
上述したように、センサ出力W1の振幅値が、事象に応じて非常に多様である場合には、所定の基準値E4が複数設定される場合がある。この場合には、継続時間判定手段5Aは、複数設定された所定の基準値E4に基づいて、それぞれ特徴付けられた期間の継続時間を判定するとよい。
判断手段6は、これらを総合して判断することにより、より精度の高い判断ができる。例えば、大きい振幅値に対して設定された基準値E4に対しては、継続時間が所定のしきい値を超えないが、小さい振幅値に対して設定された基準値E4に対しては、継続時間が所定のしきい値を超えた場合、挟み込みにより振幅の小さいセンサ出力W1があったと、判断する。
尚、上記説明においては、理論的裏付けの説明を容易にするためにセンサ出力を正弦波として説明したが、三角波やその他の歪んだ波形の場合には、設計値や計測結果から、それぞれの波形に対応した割合を適用すればよい。
〔第四及び第五構成例の別実施形態〕
また、図19〜20に示すように、センサ1の出力をA/Dコンバータ8にてデジタル変換し、このデジタルデータを用いて、上記と同様の処理を行うことも可能である。つまり、図19に示すように、期間強調手段4A、継続時間判定手段5A、異常判定手段7、判断手段6を全て、マイクロコンピュータ9Aにおいてプログラムを実行することによって実現してもよい。また、A/Dコンバータ8が内蔵されたマイクロコンピュータ9Bを用いてもよい。即ち、各手段は機能としての分担を示すものであって、必ずしも物理的に独立している必要はない。アナログ回路、デジタル回路、プログラムなど、種々の方法によってその機能が実現されれば充分である。以下、本発明の第五構成例に係る信号処理方法を図21に示すフローチャートに基づいて説明する。
マイクロコンピュータ9など、本別実施形態の中核となる装置は、所定のサンプリング時間ごとに1つのセンサ出力を取得する。そして、センサ出力が上限以下、下限以上の値であるか否かを判定する(#1)。これは、異常判定手段7の機能に対応する。センサ出力が上限以下、下限以上の値であった場合、センサ出力が有効範囲内であるか否かを判定する(#2)。これは、期間強調手段4Aの機能に対応する。センサ出力が有効範囲内であった場合は、カウンタをインクリメントし(#3)、カウンタ値が所定値以上であるか否かを判定する(#4)。所定値を超えていない場合には、処理#1に戻って、以下の処理を繰り返す。
上述したようにマイクロコンピュータ9は、所定のサンプリング時間ごとに1つのセンサ出力を取得する。そして、センサ出力を取得するごとに、上記処理を実行する。このため、上記処理を経た回数であるカウンタ値とサンプリング時間との積が、センサ出力が有効範囲内であった期間を示す値となる。従って、処理#4において、カウンタ値が所定値以上であれば、センサ出力が挟み込みを判断するための所定周波数よりも低周波数であると判定することができる(#5)。これら処理#3〜#5は、継続時間判定手段5A及び判断手段6の機能に対応する。
処理#1においてセンサ出力が上限を超え、又は下限を下回った場合、或いは処理#2においてセンサ出力が有効範囲外であった場合は以下のような処理を行う。この時点で、検知出力中であれば(#6)、カウンタをリセット(#7)した上で非検知出力を行い(#8)、被検知出力中であれば(#6)、そのまま非検知出力を行う(#8)。これら処理#6〜#8は、判断手段6の機能に対応する。
以上、第四及び第五構成例によって、圧電センサのセンサ出力を短時間で解析し、センサ出力の周波数に基づいて短時間で挟み込みを判断して、良好に挟み込みを検出することのできるセンサの信号処理システムを提供することができる。
〔信号処理システムの適用例〕
本発明に係るセンサの信号処理システムは、種々の事象を検知するセンサに適用することが可能である。以下、上記説明した実施形態による信号処理システムを、衝撃や振動により発生する外力を検知して電圧信号を出力する圧電センサを備えた圧電センサシステムに適用した場合の例について説明する。圧電センサは、物質の圧電効果による電気分極を利用したセンサであり、電気分極により発生した、例えば正弦波や三角波(歪んだ波形も含む)のような振動する電圧信号の周波数及び電圧の大きさによって加えられた外力を検出する。図23に示すように、圧電センサ1Aの基本構造は、圧電体113を二つの電極111と112とで挟んで、両極間の電圧を検出するように構成するものである。ここでは、圧電効果を有する圧電セラミックスの粉末と樹脂等とを混合し、全体を被覆114で覆ってケーブル状の構造としている。また、基本的には振動や衝撃等の外部の圧力によって発生する電圧出力を処理すればよく、信号回路の構成も簡潔で利用し易いセンサである。
上述したように圧電センサは構造が簡単で量産性も良い。従って、開閉する装置、例えば自動ドアや車両のスライドドア等に物体が挟み込まれたことを検知する挟み込み検出装置のセンサとして利用することができる。これまで、このような挟み込み検出装置に用いられていたセンサは、接触検知型の感圧センサが多かった。これは例えば、特許第3300660号公報の第1から3図に記載されているように、弾性材からなる長尺のチューブの外皮部の内部に、螺旋状に電極となる複数の導線を配置したものである。そして、押圧力の印加によりチューブが潰れ、複数の導線のうちの任意の何れか或いは全てが接触することを導線間の導通を検出することによって、挟み込みを検出するものである。
この接触検知型の感圧センサでは、例えば図22に示すようにドア300やドア枠に沿って配置するような場合にセンサ自身が受ける曲げや、取り付け時の圧力等によって、その取り付け自由度が制限される場合がある。一方、挟み込み検出装置のセンサとして、圧電センサシステムを利用すると、このような感圧センサの問題点を解消できる。圧電素子は、外力(応力)に応じた電気分極を発生させるものである。従って、取り付け方法に依らず様々な場所への配置が可能である。また、挟み込みの初期など、外力の弱い時から電圧を発生するので、早期の検出が可能である。
圧電センサを建物の自動ドアに取り付けた場合、物体を挟み込んで発生する電圧以外に、通行する人による地面の振動によっても電圧を発生する。また、自動車のドアに取り付けた場合、走行やアイドリング等の振動によっても電圧を発生する。これらの振動によって発生する電圧は一般的に高周波数である。一方、物体を挟み込んだ場合に発生する電圧は10Hz程度の低周波数である。従って、センサ出力から必要とされる周波数帯域を選択し、この周波数を判定することで、被検知事象である物体の挟み込みを検出することができる。また、物体を挟み込んだ場合の信号強度と、振動等による信号強度とでは、物体を挟み込んだ場合の強度の方が一般的に大きい。従って、周波数と同時に信号強度、即ち任意の振幅で周期的に振動する、例えば正弦波状のセンサ出力の振幅を判定することによって、より正確な挟み込み検出の判断を行うことができる。
また、さらに高周波数(kHz〜MHz帯)の電磁ノイズも重畳されている場合がある。しかし、上述したように一般的にはセンサからの信号が入力される信号入力部として、ノイズ成分を除去するフィルタ回路や初段アンプと呼ばれる低増幅率の増幅回路を設ける場合が多い。本実施形態の圧電センサシステムにおいてもこの信号入力部が設けられており、ここにフィルタ回路を備えていてもよい。本発明に係る信号処理システムの第一から第三構成例において、この信号入力部を設ける場合には、センサ1と、変換手段2との間に備えられると説明したが、これはセンサ1として、圧電センサを用いた場合も同様である。
尚、信号入力部に必ずしもノイズ除去のためのフィルタ回路を備える必要はない。例えば本発明に係る信号処理システムの第五構成例は、異常判定部7を備えているので、フィルタ回路を省くことができる。その結果、信号処理システムの規模を小さくすることができ、コストを低減できる。
挟み込み検出システムの信号処理の詳細については、上述した実施形態(第一から第五構成例)と同様である。挟み込み検出センサの場合、特に挟み込み状態の早期の検出が望まれるので、本発明に係る信号処理システムを適用するとよい。
尚、圧電センサを用いた挟み込み検出装置では、圧電センサの出力の大きさと周波数とから、物体の挟み込みを検出すると、より正確である。本発明の第一構成例に係る信号処理システムは、基本的にはセンサ出力の周波数を検出する機能を受け持つものである。この場合、センサ出力の大きさを判定する機能は他に備えられていればよい。
但し、第二構成例や第三構成例のように強調手段4が備えられた場合、第四構成例や第五構成例のように期間強調手段4Aが備えられた場合には、既に説明したように振幅(センサ出力の大きさ)を判断することも可能である。従って、センサ出力の大きさを判断する機能を他に設けなくとも、本実施形態の信号処理システムのみを適用することにより、挟み込み検出システムを構築することができる。
第三構成例の信号処理システムを適用して挟み込み検出装置を構成した場合は、周波数を知る機能(推定手段3及び強調手段4と判定手段5)を複数有する。それぞれの手段によって周波数を知ることができる時刻が異なるので、それぞれの時刻で別の制御を行うこともできる。例えば、この挟み込み検出装置の検出結果を受けて、開閉する装置を制御する制御装置は、周期の1/4の時点で検出された結果に基づいて開閉する装置の開閉速度を減速し、周期の1/2の時点で検出された結果に基づいて装置の開閉を停止又は反転する等の段階的な制御が可能となる。
ところで、圧電センサは温度依存性のあるセンサである。圧電センサを構成する圧電体、即ち圧電効果を有する物質、例えば水晶、ジルコン酸チタン酸鉛、チタン酸バリウム等、の結晶は、一般的に圧電効果と共に焦電性をも示すものである。焦電性とは、結晶の温度が変化した場合に電気分極が現れる性質であり、従って、圧電センサの出力は周囲温度に追従して、その出力の大きさや周波数が変化する。また、圧電センサをケーブル状に構成するような場合には、一般的に圧電体は圧電体層として、樹脂と圧電セラミックとを混合する等して形成される。そのため、この樹脂を含む圧電体層の硬度が周囲温度によって変動することによって、圧電センサへの外力の加わり方が異なり、センサの出力が変動することもある。
このような温度依存性を解消または補償するため、例えば強調手段4で設定されるしきい値電圧E2や、期間強調手段4Aで設定されるしきい値電圧E4、推定手段3の時定数などを周囲温度に応じて変化させてもよい。例えば、しきい値電圧を定める分圧抵抗や、時定数回路の抵抗器をサーミスタ等の温度に応じて抵抗値が変化する抵抗体を用いて構成するとよい。サーミスタの温度係数には、正負の両方があり、周囲温度の上昇に対して抵抗値が増加するものと、減少するものとがある。さらに、その抵抗値がリニアに変化するものや対数的に変化するものがある。従って、本発明を構成する種々の手段の温度特性に適合させ易い。また、サーミスタは、チタン酸バリウム等圧電体と同様の物質を用いて製造されることも多く、組成物を合わせることによって、より効果的な温度補償を期待することもできる。勿論、サーミスタを用いずに一般の抵抗器の温度特性を合わせたり、時定数回路のコンデンサを温度に対して追従性のある素子で構成したりしてもよい。
温度補償に関して、圧電センサを利用したセンサシステムを例として説明したが、これに限るものではなく、温度依存性のあるセンサからのセンサ出力の周波数に基づいて、被検知事象を判断するセンサの信号処理システムに広く適用できるものである。
〔車両のスライドドアの挟み込み検出システム〕
図22は、開閉する装置に圧電センサを配設する一例を示す斜視図である。以下、開閉する装置として車両のスライドドア装置を示し、ドア300の端部に沿って圧電センサ1Aを配設した場合の例を用いて説明する。圧電センサ1Aの出力は微弱であるから、検出部の回路への伝送線は短い方がよい(図24参照)。従って、ドア300の端部に沿って圧電センサ1Aを配設した場合、検出部100の回路はドア300内に備えるとよい。ここで、検出部100の回路とは、本発明の信号処理システムの変換手段2、推定手段3、強調手段4、期間強調手段4A、判定手段5、継続時間判定手段5Aや、変換手段2とセンサ1との間の信号入力手段などが相当する。本発明の第五構成例に係る信号処理システムは、図24に示す検出部100の回路(検出回路)が有する信号処理部11に相当する。
検出部100の検出結果に基づいて開閉する装置に物体が挟まれたか否かを判断するECU(Electronic Control Unit)200は、判断手段6に相当する。ECU200は、例えばマイクロコンピュータ6Aや、DSP(Digital Signal Processor)などを用いて構成される。
検出部100において種々の信号処理が施されるので、検出部100とECU200とは、ある程度離れて配置されていても問題はない。従って、ECU200は、車体側に配置される場合もある。例えば、図24に示すように3本のケーブルによって、あるいは2本のケーブルによって、検出部100と、ECU200とが接続される。
図24は、本発明の挟み込み検出システム、特に第五構成例に係る信号処理システムを用いた挟み込み検出システムを車両のスライドドアに適用する概念を模式的に示すブロック図である。ここでは、第五構成例の判断手段6を、検出部100における符号6Bと、ECU200における符号6Aとに分離して示した。しかし、もちろん、信号処理システムとしての判断手段6の機能は検出部100において完結し、ECU200におけるマイクロコンピュータ6Aは判断手段6の機能を分担せず、例えばドア300の制御のための判定を行うものであってもよい。また、上述したように信号処理部11の各手段の一部がECU200とは異なるマイクロコンピュータによって構成されてもよいし、図19及び20に例示したように、信号処理部11の全てがマイクロコンピュータによって構成されても良いことは明白である。
図24に示す検出部100には、例えばレギュレータICにより構成された電源回路が備えられる。このレギュレータICは、ECU200を介して車両のバッテリBTから供給される電圧VBを、信号処理部11の回路素子の電源電圧である電圧VCCに変換する。本例では、電圧VBは約12Vであり、電圧VCCは5V、3.3V、2.5V等である。
例えば、電源VCCが3.3Vである場合、図15〜18を利用して説明した第五実施形態の所定の基準値や振幅中心E1等は、下記のような値となる。
振幅中心E1:1.5V
所定の基準値(振幅の基準値)としての電位差A:0.3V
比較器43Hのしきい値電圧E4H:1.8V
比較器43Lのしきい値電圧E4L:1.2V
所定の上限値としての電位差B:1.0V
比較器71Uのしきい値電圧EU:2.5V
比較器71Lのしきい値電圧EL:0.5V
基準となる時刻t7−時刻t6の時間:15ms
尚、所定の基準値としての電位差Aは、振幅中心E1の上下で必ず同じ値でなければならない訳ではない。信号処理システムを適用する環境に応じ、センサから出力される波形の特性や形状は異なるため、それぞれに最適化した値を用いればよい。
所定の上限値としての電位差Bに関しても同様である。特に、電位差Bに関しては、不適切な信号を排除する目的のために設けられるので、適切な信号を評価するための電位差Aを最適な状態で設定できることが優先される。
信号処理部11は、上述したように比較器やマイクロコンピュータなどを有している。比較器には、良く知られた演算増幅器が用いられる。演算増幅器やマイクロコンピュータは種々の汎用的なIC(集積回路)が提供されており、これらの電源電圧は上述した電圧VCCである。これらのICを安定動作させるために、レギュレータICによって電源が安定化されている。信号処理部11は、挟み込みがあったことを示す所定の条件に合致するか否かを判定し、その結果を安定した電圧信号Sで出力する。安定した電圧信号Sとは、一定期間の直流成分でH又はLの状態を示す電圧信号をいい、本実施形態では、Hは電圧VCC、Lは検出部100のグラウンドVGである。
図24に示すブロック図においては、検出部100のグラウンドVGと、ECU200のグラウンドFGとは共通である。また、ECU200においても、マイクロコンピュータ6AなどのICを安定動作させるためのレギュレータICが備えられている。このレギュレータICは、ECU200を介して車両のバッテリBTから供給される電圧VBを、マイクロコンピュータ6Aの電源電圧である電圧VDDに変換する。電圧VDDは5V、3.3V、2.5V等であるが、本例では、電源VCCと同電圧である。
電圧信号Sは、マイクロコンピュータ6Aからみても、Hは電圧VDD(=VCC)、LはECU200のグラウンドFG(=VG)である。従って、一定期間の直流成分でH又はLの状態を示す電圧信号が正確にマイクロコンピュータ6Aに伝達される。
ここで、図24の別実施形態として、ECU200と検出部100とを、電源電圧とグラウンドとの2本のケーブルのみによって接続することができる。この場合、検出部100のグラウンドVGとECU200のグラウンドFGとを接続せず、検出部100のグラウンドVGとECU200の所定回路とを接続する。そうすると、検出部100は、ECU200に接続された閉回路とみなすことができる。そこで、検出部100に電流発生部を設け、電圧信号Sの論理値によって、電流発生部が発生する電流値が変更されるように構成する。ECU200は、上記所定回路として、閉回路としての検出部100に流れる電流値の変化を検出する電流検出部を備える。ECU200のマイクロコンピュータ6Aは、電流検出部の検出結果により、間接的に電圧信号Sの論理値の変化を検出する。
尚、上記電流発生部は定電流回路により構成されるとよい。バッテリBTは、モータやソレノイド等、大きな電力を必要とする種々のアクチュエータの電源にも用いられるため、電圧変動が大きい。電流発生部が定電流回路であると、電流値の変化がバッテリBTの電圧VBの変動の影響を受けない。その結果、電流検出部による検出結果も誤差が少なくなり、マイクロコンピュータ6Aは正確に電圧信号Sの論理値の変化を検出することができる。
この構成においては、グラウンドVGとグラウンドFGとは共通ではなく、検出部100の電流値に応じて、グラウンドFGに対するグラウンドVGの電位は変動する。上述したようにバッテリBTの電圧VBは約12V、検出部100の電圧VCCは、高い場合で5Vである。電流検出部による検出結果は、ECU200のマイクロコンピュータ6Aに入力され、間接的に電圧信号Sの論理値の変化として検出される。従って、電流検出部の出力結果は、上述したように高くても5V程度である電圧VDDまでの範囲に収まる。このため、電流検出部の影響により、グラウンドVGが変動する幅は、概ね5V以内と考えることができる。グラウンドVGがグラウンドFGに対して、5V電圧が上昇しても、電圧VBとの間には、尚7Vの電位差が有り、この電位差からレギュレータICは電圧VCCを出力することができる。電圧VCCやVDDが3.3Vの場合にはさらに余裕を持つことができる。
このように構成すれば、ECU200と検出部100とを接続するケーブルの本数を削減することができる。その結果、近年増化の一途をたどる車両内の配線数を抑制することができる。その反面、上記別実施形態ではグラウンドVGが変動するために、レギュレータICにより安定化できるとはいえ、グラウンドの安定の観点では図24の構成の方が有利である。つまり、レギュレータICによって安定化される電源電圧が追従する時間差が存在するため、グラウンドの安定性は図24の構成が勝る。このため、上記別実施形態は、圧電センサ1の出力を信号処理する信号処理部11において、電源性の低周波ノイズの影響を受けやすい。
従来の信号処理部の構成では、ローパスフィルタ等を用いて、概ね10Hz以下の周波数の信号を通過させ、高周波ノイズを抑制していたが、このような低周波のノイズは除去できない。しかし、本発明によれば精度良く周波数を評価するので、このような低周波のノイズによる影響を抑制できる。その結果、近年増化の一途をたどる車両内の配線数を抑制すると共に、良好に挟み込みを検出することのできる挟み込み検出システムを得ることができる。
以上、説明したように、本発明は、センサ出力として衝撃や振動により発生する力を検知して正弦波状の電圧信号を出力する圧電センサを備えた圧電センサシステムに使用することができる。さらに、この圧電センサシステムを備え、被検知事象として開閉する装置に物体が挟まれたことを検知する挟み込み検出装置に利用することができる。また、車両のスライドドアの挟み込み検出装置に利用することができる。
本発明に係るセンサの信号処理システムの第一構成例を示すブロック図 本発明に係るセンサの信号処理システムの第二構成例を示すブロック図 本発明に係るセンサの信号処理システムの第三構成例を示すブロック図 本発明に係るセンサの信号処理システムの第四構成例を示すブロック図 本発明に係るセンサの信号処理システムの第五構成例を示すブロック図 第一から第三構成例の変換手段の回路構成例を示す図 第一から第三構成例による信号処理を説明する波形図 第一及び第三構成例の推定手段の回路構成例を示す図 第二及び第三構成例の強調手段の回路構成例を示す図 第二及び第三構成例の強調手段の他の回路構成例を示す図 図10の強調手段による信号処理を説明する波形図 第一から第三構成例による信号処理の第二の例を説明する波形図 第一から第三構成例による信号処理の第三の例を説明する波形図 第一から第三構成例による信号処理の第四の例を説明する波形図 第四及び第五構成例の期間強調手段の回路構成例を示す図 第四及び第五構成例による信号処理を説明する波形図 第四及び第五構成例の期間強調手段の他の回路構成例を示す図 第四及び第五構成例の異常判定手段の回路構成例を示す図 第四及び第五構成例による信号処理の別実施形態を模式的に示すブロック図 第四及び第五構成例による信号処理の別実施形態の他の例を模式的に示すブロック図 図19及び図20に示した実施形態における信号処理を説明するフローチャート 開閉する装置に圧電センサを配設する一例を示す斜視図 図1の装置に配設される圧電センサの構成例を示す模式図 本発明の挟み込み検出システムを車両のスライドドアに適用する概念を模式的に示すブロック図
符号の説明
2 :変換手段
3 :推定手段
4 :強調手段
4A:期間強調手段
5 :判定手段
5A:継続時間判定手段
6 :判断手段
W1:センサ出力の波形
W2:変換手段の出力波形

Claims (4)

  1. 開閉する装置に機械的な外力に応じた電圧を出力する圧電センサを備え、この圧電センサのセンサ出力の周波数に基づいて、前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断するセンサの信号処理システムであって、
    挟み込み発生時に想定される前記センサ出力の想定振幅値に基づいて所定の基準値が定められ、
    前記センサ出力が前記所定の基準値以上の振幅を有する期間を特徴付ける期間強調手段と、
    前記期間強調手段によって特徴付けられた期間の継続時間に基づいて前記センサ出力の周波数を判定すると共に、前記センサ出力が前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断するための所定周波数より低周波数であるか否かを判定する継続時間判定手段と、
    この継続時間判定手段の出力に基づいて前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断する判断手段と、
    を備えたセンサの信号処理システム。
  2. 前記所定の基準値は、振幅中心から振幅方向の頂上部側に対して、前記想定振幅値の40%〜60%の値として設定される請求項に記載のセンサの信号処理システム。
  3. 前記センサ出力の振幅が、前記基準値よりも大きい値である所定の上限値以上の場合に前記センサ出力が異常であると判定する異常判定手段が備えられ、
    前記判断手段は、前記異常判定手段と前記継続時間判定手段との出力に基づいて前記開閉する装置に物体が挟み込まれたか否かを判断する請求項又はに記載のセンサの信号処理システム。
  4. 前記センサ出力の振幅方向の頂上部を特徴付ける強調手段を備えている請求項1から3のいずれか一項に記載のセンサ信号処理システム。
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