JP4787921B2 - 醗酵処理方法と装置 - Google Patents

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Description

本発明は、醗酵槽を用いた醗酵処理方法とこれに用いられる装置に関し、詳しくは、主として、醗酵に伴い発生する水蒸気を迅速に捕集するとともにその捕集量を制御することにより、被処理物中に含まれる水分量を調整し、効率良く醗酵処理を行う方法と装置に関するものである。
醗酵槽を用いて腐敗性廃棄物たる被処理物の醗酵処理を行う場合、一般に醗酵棟内に設置した醗酵槽に被処理物を堆積し、例えば掻き揚げ部材付きのコンベア式切返し装置を醗酵槽の投入端から排出端にかけて長手方向に往復走行させ、切返しを行いながら被処理物を順次排出端側に移動させるようにしている。醗酵槽内の被処理物は、移動に伴い、醗酵前期、醗酵中期、及び醗酵後期の被処理物となり、最終的に醗酵産物として取出される。醗酵槽内で醗酵を効率良く行うには、各醗酵過程で、被処理物に十分な空気が供給されるとともに被処理物の水分量を調整する必要がある。空気の供給は、上記切返しによる大気接触と、醗酵槽の下方や側方からの強制的送気を採用可能であることから、これを制御することは必ずしも困難ではない。
一方、醗酵槽内での被処理物の水分調整は、専ら、醗酵熱による水蒸気の蒸散に頼らざるを得ない。醗酵槽は上部開口が開放されているため、醗酵に伴って発生する水蒸気は、そのまま醗酵棟内に自然放散される。こうした自然放散は、水蒸気の蒸散量が醗酵棟内の大気環境によって大きく左右され、各醗酵過程における被処理物の水分調整が容易でない。例えば、醗酵槽内の被処理物表面は常温の大気と常時接触しているため、冬場のように温度が低い場合には、水蒸気の一部が被処理物表面に結露して被処理物表面を内部とは異なる湿潤状態にする。この結果、水蒸気の放散が妨げられ、品温と水蒸気蒸散量の低下から醗酵を遅らせる要因となる。
これを防止する一つの手段として、化石燃料やヒータなどを用いて被処理物を外部的に加熱あるいは加温することが考えられる。特許文献1には、比較的小型の醗酵槽ではあるが、醗酵槽に外部光熱源を採り入れるための採光手段を設ける一方、醗酵槽内部にこの採光手段から採り入れられた熱を蓄熱するための蓄熱手段(蓄熱媒体等)を設けるようにした醗酵促進装置が提案されている。
また、醗酵槽内の被処理物から放散される水蒸気は、多大な量になる。放散された水蒸気は、拡散し、建屋の骨組材や構造材の表面だけでなく隙間に入り込んで結露し、建物の耐久性を損なう。醗酵棟の換気口や窓あるいは出入り口を介して棟外に放出するにも限りがある。臭気の放出が公害問題となる市街地周辺の醗酵棟では、醗酵棟を閉め切って醗酵処理を行わなければならないことから、水蒸気と臭気の捕集手段を設け、これに対応している。
特許文献2には、堆肥棟内を大気中へ開放する換気通路に、大気側へ向けて送風する送気手段とフィルタユニットとを設け、送気手段の送風能力を発生するガス量に応じて大小に調節可能とした堆肥棟の除臭装置が開示されている。また、特許文献3には、醗酵槽の上方に臭気捕集フードを設置し、発生した臭気をこの臭気捕集フードから換気口を経て脱臭装置に導くようにした技術が提案されている。これらの先行技術はいずれも臭気の捕集を主目的とするものであるが、水蒸気も併せて捕集される。
特許公開2005−263563号公報 特許公開2004−250298号公報 特許公開2002−234783号公報
しかし、水蒸気の蒸散量や醗酵熱を維持するために、熱源を醗酵槽外もしくは醗酵槽内に配設する技術は、設備に費用がかかるばかりでなく比較的頻繁なメンテナンスも必要となり、しかもランニングコストが嵩む。また、水蒸気や臭気は、醗酵槽上部の広い開口から一旦放散されると、醗酵棟内空間の全域に拡散する。このため、醗酵棟内空間の一領域に換気通路や臭気捕集フードを配設し、吸引手段によって吸引したとしても捕集できない水蒸気や臭気が残り、これらが徐々に醗酵棟内空間に蓄積され、醗酵棟内空間に充満することになる。いったん、醗酵棟内に充満した水蒸気や臭気は、ますます捕集が困難となる。捕集にあたり、吸引力を高めるため大容量の吸引手段を用いるとしても、水蒸気の蒸散量を制御するには至らないばかりでなく、依然として捕集しきれない水蒸気や臭気が多く残りがちで、電気代などのランニングコストも嵩むことになる。
本発明の目的は、従来の醗酵槽を用いた醗酵処理技術が抱える上記した問題点を解消することにある。すなわち、本発明は、醗酵槽内の被処理物から発生する水蒸気を水蒸気や臭気を醗酵棟内に拡散させることなく発生直後に捕集し、しかも被処理物中に含まれる水分量の調整を可能とすることにより、醗酵処理の迅速化と高効率化を図るとともに、水蒸気が結露することによる建物への影響を低減することのできる、醗酵処理法と醗酵装置とを提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、本発明の処理方法は次の構成を備える。
〔1〕 醗酵槽内に堆積された腐敗性廃棄物より成る被処理物を醗酵処理する方法において、醗酵槽の上部開口を、カバー体によって覆い、醗酵槽内に堆積された被処理物の表面とカバー体裏面との間に、醗酵熱によって被処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成し、上記水蒸気を、この拡散防止空間を介して醗酵槽外部に排出させるようにし、前記カバー体は、切返し手段がカバー体本体の内側に潜り込んで醗酵槽開口端を往復動するのを許容し、前記拡散防止空間内の水蒸気を、醗酵槽両側壁上部に拡散防止空間と連通する開口部を持つ排気路から吸引して、醗酵槽外部に排出させる醗酵処理方法であって、前記排気路は、開口部が醗酵槽の長さ方向に連続すると共に部分的な閉塞手段を有し、開口部を該閉塞手段で閉塞することによって醗酵槽内の水蒸気の吸引量を調整するようにしたことを特徴とする醗酵処理方法。
〔2〕上記[1]に記載する処理方法において、前記カバー体は、醗酵槽の上部開口を開口端近傍でほぼ水平に覆う基本位置から、内側に切返し手段が潜り込んで醗酵槽を移動するのに伴って部分的に上方に広がり、切返し手段の通過後、上記基本位置に自動復帰するようにした醗酵処理方法。
〔3〕上記[1]または上記[2]に記載する処理方法において、前記カバー体は、醗酵槽の幅方向への伸縮性によって、前記切返し手段の通過する部位が前記基本位置から上方に広がる位置へと変位するようにした醗酵処理方法。
また、上記課題を解決するために、本発明の処理装置は次の構成を備える。
〔4〕醗酵槽本体内に堆積された腐敗性廃棄物より成る被処理物に醗酵に必要な空気または空気及び水分を供給する手段と、被処理物を切り返す切返し手段と、醗酵槽の上部開口を覆い、醗酵槽内に堆積された被処理物の表面と間に醗酵熱によって被処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成するカバー体と、醗酵槽の両側に長さ方向に連続もしくは不連続に開口し、上記拡散防止空間と連通する排気路と、拡散防止空間内の水蒸気を排気路から吸引して外部に排出する吸引手段とを備える醗酵処理装置において、
前記切返し手段は醗酵槽の開口端に沿って醗酵槽の長手方向に往復動し、前記カバー体は醗酵槽の被処理物投入口端に近い部分を除く醗酵槽の排出端に至るまでの醗酵槽の上部開口をその長手方向及び幅方向の全体にわたって覆い、上部開口を開口端近傍でほぼ水平に覆う基本位置から、カバー体内側に切返し手段が潜り込んで醗酵槽を移動するのに伴って部分的に上方に広がり、切返し手段の通過後、上記基本位置に自動復帰する表面広がり性を備えることを特徴とする醗酵処理装置。
〔5〕上記[4]に記載する処理装置において、前記カバー体は、両側端を醗酵槽両側壁の上端部に固定され、醗酵槽の幅方向への伸縮性によって、前記切返し手段の通過する部位が前記基本位置から上方に広がる位置へと変位する醗酵処理装置。
〔6〕上記[4]または上記[5]に記載する処理装置において、前記カバー体は、醗酵槽の幅方向に伸縮自在なカバー片を醗酵槽の長さ方向に多数連設して成る醗酵処理装置。
〔7〕上記[4]〜上記[6]の何れかに記載する処理装置において、前記切返し手段は、全体がフードによって覆われ、前記カバー体の下側に潜り込んで、醗酵槽本体の天端部に敷設したレールに沿って自走する醗酵処理装置。
〔8〕上記[4]〜上記[7]の何れかに記載する処理装置において、前記排気路の開口部が醗酵槽の長さ方向に連続すると共に部分的な閉塞手段を有し、開口部を該閉塞手段で閉塞することによって醗酵槽内の水蒸気の吸引量を調整する醗酵処理装置。
本発明において、具体的には、醗酵槽の上部開口を、カバー体によって覆い、醗酵槽内に堆積された被処理物の表面とカバー体裏面との間に、醗酵熱によって被処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成する。そして、水蒸気を、この拡散防止空間を介して醗酵槽外部に排出させるものである。なお、ここで拡散防止空間から捕集、排出される水蒸気は、臭気成分をも含むものである。
本発明において被処理物を切り返す切返し手段は、別段制限されるものではない。例えば、醗酵槽開口上端に配設したレールに沿って往復動する走行式の切返し装置の場合、カバー体の下に潜り込んで醗酵槽内を往復動する。醗酵槽内を転動する切返し装置の場合、カバー体の下方に位置して往復動する。
カバー体は、醗酵槽の被処理物投入口端に近い部分を除く醗酵槽の排出端に至るまでの醗酵槽の上部開口を、その長手方向及び幅方向の全体にわたって覆う。切返し手段が醗酵槽内に位置するものの場合、カバー体は単なるシート材で良い。切返し手段が醗酵槽の開口端に位置するものの場合、カバー体は、上部開口を開口端近傍でほぼ水平に覆う基本位置から、カバー体内側に切返し手段が潜り込んで醗酵槽を移動するのに伴って部分的に上方に広がり、切返し手段の通過後、上記基本位置に自動復帰する、表面広がり性を備える。
表面広がり性を持つカバー体は、例えば、醗酵槽の幅方向への伸縮性を有するシート材によって形成される。構造的には、幅方向に蛇腹状を成すものなどが採用可能である。蛇腹の伸縮性によって、切返し手段の通過する部位のみが基本位置から上方に広がる位置へと変位する。長さ方向への伸縮性を持つことは必ずしも必要ではないが、長さ方向への撓み性を有する。
また、上記した表面広がり性は、必ずしも幅方向への伸縮性を有しないシート材によっても構成可能である。例えば、カバー体の一側端を醗酵槽の所定位置に固定する一方、他端をフリーにするとともに切返し手段の通過後は醗酵槽上部開口を覆っている部分が前記基本位置に復帰し得るよう弾性的にあるいは錘によって負荷をかけておく構造であっても良い。
拡散防止空間内の水蒸気は、例えば醗酵槽両側壁上部に拡散防止空間と連通する開口部を持つ排気路から吸引して、醗酵槽外部に排出させる。排気路の開口部は、醗酵槽の長さ方向に沿って連続もしくは不連続に形成され、拡散防止空間の水蒸気の捕集量が醗酵槽の長さ方向において調整される。排気路には、開口部に部分的な閉塞手段を設け、醗酵度合いに応じて閉塞手段によって開口部を一部閉塞することにより、醗酵槽内の当該部分の水蒸気の吸引量を調整することもできる。
本発明の醗酵処理装置は、次の構成を備える。
すなわち、醗酵槽本体内に堆積された腐敗性廃棄物より成る被処理物に醗酵に必要な空気または空気及び水分を供給する手段と、被処理物を切り返す切返し手段と、醗酵槽の上部開口を覆い、醗酵槽内に堆積された被処理物の表面と間に醗酵熱によって被処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成する、カバー体と、醗酵槽の両側に長さ方向に連続もしくは不連続に開口し、上記拡散防止空間と連通する排気路と、拡散防止空間内の水蒸気を排気路から吸引して外部に排出する吸引手段とを備える。
また、切返し手段が、醗酵槽の開口端に沿って醗酵槽の長手方向に往復動する装置では、カバー体は、醗酵槽の被処理物投入口端に近い部分を除く醗酵槽の排出端に至るまでの醗酵槽の上部開口をその長手方向及び幅方向の全体にわたって覆い、上部開口を開口端近傍でほぼ水平に覆う基本位置から、カバー体内側に切返し手段が潜り込んで醗酵槽を移動するのに伴って部分的に上方に広がり、切返し手段の通過後、上記基本位置に自動復帰する、表面広がり性を備える。
カバー体は、醗酵槽の幅方向に伸縮自在なカバー片を醗酵槽の長さ方向に多数連設して成るものが望ましい。長さ方向の伸縮性は必ずしも必要でないが、あっても構わない。カバー体は、両側端を醗酵槽本体の天端部もしくはその外側端に固定される。
カバー体の下側に潜り込んで走行する切返し手段は、水蒸気との接触を避けるため、全体をフードによって覆うようにすると良い。
排気路は、醗酵槽本体の上部両側に一連に形成されたコンクリート製のダクトによって構成し、醗酵槽本体の側壁上部に醗酵槽本体の長さ方向に沿って形成された開口部によって拡散防止空間と連通させることが望ましい。
本発明によれば、次の効果を奏する。
醗酵槽の上部開口をカバー体によって覆うことにより、被処理物表面の上方に被処理物より発生する臭気成分を含む水蒸気の拡散防止空間を形成し、水蒸気をこの拡散防止空間から醗酵槽外部に排出させるようにしたので、水蒸気や臭気を醗酵棟内空間に放散させることない。しかも、水蒸気は、発生直後に拡散防止空間より外部に排出されるので、効率良く補修することができる。
拡散防止空間は、水蒸気や臭気が滞留する間もなく外部に排出され、しかも醗酵熱の輻射熱によって暖められた空間になることから、水蒸気が被処理物表面で結露しにくくなり、被処理物表面あるいはカバー体裏面にも結露を生じにくい。
水蒸気は、発生するかたわら拡散防止空間から素早く醗酵槽外に導かれ、醗酵熱も処理槽から逃げにくくなるので、醗酵を阻害する外的要因が少なくなり、醗酵処理の短縮化を図ることができる。また、拡散防止空間への吸引力を調整することにより、被処理物表面の乾燥度合いを調整でき、醗酵処理の適正化に貢献できる。更に、醗酵槽側面の排気路開口を部分的に閉塞可能とすることにより、上記吸引量の調整とあいまって醗酵度合いに応じた水分調整が可能となり、より適切な醗酵処理を行うことができる。
醗酵棟内の広い空間に拡散した水蒸気や臭気を捕集するのとは異なり、狭い拡散防止空間から水蒸気や臭気を捕集するので、従来ほどに大容量の吸引手段を使用する必要がなくなり、プラント全体の製造費用及びランニングコストの低減に貢献できる。また、醗酵槽に機構部材を設置するものでもないから、メンテナンスも必要最小限で済む。
醗酵棟内に水蒸気が拡散することがないので、結露による醗酵棟の耐久性を損なう要因を取り除き、建物の耐用年数を一般の建物と同等に維持できる。
カバー体を伸縮自在な素材によって形成することにより、醗酵槽の天端に敷設したレールに案内されて走行する自動切返し装置を使用することができる。また、カバー体は、醗酵槽の幅方向に伸縮自在なカバー片を醗酵槽の長さ方向に多数連設して成るものによって構成することにより、製作が容易となるばかりでなく、破損時に当該カバー片のみを取り換えるだけで済む。
以下、本発明の実施形態を、図1から図7を参照しつつ詳説する。
図1は、本発明の一実施形態に係る醗酵装置の概略構成図である。
図中符号1は、長さ80m、幅3mの細長い直方体形状をした一般的なコンクリート製醗酵槽であり、内部に被処理物が収容され、底部から強制的に空気が被処理物内に送られて被処理物の醗酵を行う。
上部開口2は醗酵槽1の開放された上部開口である。切返し装置3はバケット付きのコンベア式切返し装置であり、醗酵槽1の天端に沿って敷設したレール11に沿って醗酵槽1の長手方向に走行し、被処理物の切返しを行う。
カバー体4は醗酵槽1の上部開口2を覆う幅方向に伸縮自在なカバー体であり、両側端部を醗酵槽1の天端外側端に固定されており、醗酵槽1の投入口1aからやや離れた位置から醗酵槽1の排出口1bにかけての上部開口2のほぼ全域を幅方向及び長さ方向の全体にわたって覆っている。カバー体4は、全体を一枚のシート材によって形成しても良いが、幅方向に伸縮自在な所定長さのカバー片を長さ方向に多数連設したものであっても良い。
カバー体4は、図2の一部拡大図に見られるように、幅方向に延びる蛇腹状に形成され、蛇腹が縮んだ状態で醗酵槽の上部開口をほぼ水平に覆っている。カバー体4は、この蛇腹によって幅方向への伸縮性を有するともに長さ方向への撓み性を備えている。下面から作用力を受けて蛇腹が伸びた状態では、カバー体はその作用力を受けた部分のみが上方に広がる。伸長率は切返し装置の大きさにもよるが、例えば収縮して醗酵槽1の上部開口2をほぼ水平に覆う基本位置に対して、2から3倍程度あることが望ましい。
拡散防止空間6は、上記のようにして固定されたカバー体4によって、醗酵槽内に堆積する被処理物5との間に形成された水蒸気の拡散防止する空間であり(図4と図5参照)、醗酵槽1の投入側である前方端と排出側である後方端はともに解放されている。
排気ダクト7は醗酵槽1の上部両側に一連に形成されたコンクリート製のダクトである。排気ダクト7はその基端部がわを図示しない連結ダクトを介して醗酵棟外に引き出され、吸引ユニットに接続されている。排気ダクト7の先端がわは、醗酵槽1の本体部の側壁上部に醗酵槽本体の長さ方向に沿って形成されており、吸引用の開口部8を有する。開口部8は拡散防止空間6に臨んでいる。開口部8は比較的に狭く形成されている。
フード9は切返し装置3の底部を除く外表面を覆っている。フード9は、カバー体4の内側に潜り込み及び抜け出しが容易な側面形状に形成され、低い前後端部となだらかな山状曲線を描く中央部とを有する。場合によっては、前後端部と中央部との境目などにフリーに回動する軸部材を横設するようにしても良い。
図3から図7を参照しつつ、上記装置の作用を説明する。
醗酵槽に投入された被処理物5は、当初、上部開口がカバー体4によって覆われていない位置にある(図1))。投入が進むと、切返し装置3が稼動して当初の被処理物5を排出口方向に向けて切返しを行いながら前進させ、カバー体4によって覆われた拡散防止空間6を有する位置に至る(図3)。便宜的に、切返し装置3の移動について先に説明する。
切返し装置3は、カバー体4の前方端にくると、フード前端部がカバー体4の内側に入り込む。そのまま切返し装置が前進すると、カバー体4は、フード9との接触部が若干持ち上げられるとともに接触部に位置する蛇腹部が広がってゆく。広がったカバー体4は、フード9の表面に沿って相対移動し、徐々に持ち上げられてさらにその広がりが大きくなり、やがてはフード9を含む切返し装置3の全体をカバー体内に潜り込ませる。このとき、フード9がなだらかな曲線を持つ表面形状に形成されているので、切返し装置3は、無理なくカバー体内に入り込んでゆく。
切返し装置3が更に前進すると、切返し装置後部に位置するカバー体4は、フード後部の曲線に概ね沿って相対移動し、フード9の高さが低くなるにつれて徐々に蛇腹部を収縮させてゆく。切返し装置3が通過した後は、蛇腹部がもとの状態に復帰し、カバー体4は醗酵槽上面開口をほぼ水平状態で覆う(図4)。この間、カバー体内に潜り込んだ状態で切返し装置3は、被処理物5の切返しを順次行い、排出口端1bに至る(図5)。排出口端1bに達した切返し装置3は、投入口端1aに向けて後退する。
一方、本装置が稼動し、拡散防止空間近くに被処理物5が至った時点から図示しない吸引ユニットが稼動される。拡散防止空間6は、これにより両側の開口部8から吸引力を受ける。この吸引力は、高さの低い拡散防止空間6の前後の解放空間から入り込む空気を醗酵槽両側方向に向かう強い流れにする。被処理物5の醗酵熱によって蒸散し始めた水蒸気は、拡散防止空間6に表れるや否や上記空気流によってそのまま開口部から排気ダクト中に吸い込まれる(図6、図7参照)。
したがって、発生した水蒸気は、狭い空間とはいえほとんど拡散防止空間6に滞留する暇がなく、素早く排気ダクト7に導かれ、被処理物5の表面を乾燥させる。吸引ユニットの吸引量を適宜調整することにより、単位時間当たりの水蒸気の捕集量が変化するので、被処理物5に含まれる水分調整が可能となる。また、吸引量を少なくして空気流を弱くすると、被処理物5の醗酵熱による輻射熱が拡散防止空間に溜まり、カバー体4を暖めるので、水蒸気がカバー体裏面に結露することはない。
切返し装置3が稼動しているときにも、水蒸気の吸引を行って構わない。水蒸気(臭気を含む)は、醗酵槽外にほとんど漏れ出すことがないので、醗酵棟の内部空間の環境を汚したり、悪影響を生じさせたりすることはない。
排気ダクト7の開口部8には、これを長さ方向に部分的に閉塞する遮蔽板を開閉自在に取付けるようにしても良い。また、解放部分にはフィルタを取付けることもできる。醗酵が進み、被処理物中に含まれる水分量が少なくなった箇所などでは、水蒸気の蒸散も少なくする必要がある。こうしたときに、遮蔽板を閉じて当該箇所の被処理物表面の乾燥を抑える。蒸散された水蒸気は、前後の解放された開口部8から排気ダクト7に吸引される。
図8と図9は、本発明の他の実施形態に係る装置の断面図を示し、上記した実施例の図6と図7に対応するものである。なお、図6と図7に記載された実施例と同一部材については同一符号を付すことにより、その説明を省略する。
この実施例では、カバー体14が醗酵槽の上部開口を覆う面積を有する一枚のシート材から成り、両側にアングル材15が取付けられ、長さ方向に所定のピッチで補強材16が幅方向に架け渡されている。カバー体14は、アングル材15を切返し装置3のレール11上に載置された状態で醗酵槽1の上部開口2を覆う。カバー体14は、天端上に端部を固定して引張された図示しないチェーンなどの牽引部材を介して幅方向にずれないようになっている。また、切返し装置3のフードは、幅が上部開口より若干大きな幅に形成されている。
したがって、この装置によれば、カバー体14は、切返し装置3が内部に潜り込んで走行するときに、当該部分のみが図9に見られるように上側に持ち上がる。持ち上がったカバー体14の開放された側方部分は切返し装置3のフード側面によってその殆どを埋め尽くされるので、拡散防止空間6内の水蒸気や臭気が外部に漏れだすことはない。本実施形態のカバー体は、前記した実施形態のものより、比較的低コストでしかも必要な箇所のみを適切に覆うことができる。
なお、本発明において、前記したようにカバー体は必ずしも表面広がり性を備えたものである必要はない。切返し装置がカバー体の内側に潜り込むときの表面広がり性は、カバー体自体の伸縮性に頼ることなく、図8と図9に見られるような他の付加的な構造によって実現することも可能である。また、伸縮性を持たせる場合、非伸縮部と伸縮部とを交互に配置し、カバー体全体にある程度の剛性を持たせるようにすることもできる。
本発明において、拡散防止空間中の水蒸気は、醗酵槽の両側に開口部を持つ排気ダクトから吸引するのではなく、他の吸引構造によって捕集しても良い。
本発明の一実施形態に係る醗酵処理装置の概略構成図。 図1に係る装置に用いられるカバー体の一部拡大斜視図。 図1に係る本発明装置の使用状態を示す概略構成図で、切返し装置がカバー体に潜り込み始めた状態を示す。 図1に係る本発明装置の使用状態を示す概略構成図で、切返し装置がカバー体に潜り込んで醗酵槽の中ほどに至った状態を示す。 図1に係る本発明装置の使用状態を示す概略構成図で、切返し装置がカバー体に潜り込んで醗酵槽の排出端に至った状態を示す。 図1のA−A線断面図。 図4のB−B線断面図。 本発明の他の実施例に係る装置の断面図で、カバー体が醗酵槽の上部開口を覆っている状態を示す。 図8の装置の断面図で、切返し装置がカバー体内側に潜り込んだ状態を示す。
1−醗酵槽、2−醗酵槽の上部開口、3−切返し装置、4、14−カバー体、5−被処理物、6−拡散防止空間、7−排気ダクト、8−排気ダクトの開口部、9−切返し装置のフード、11−レール、15−アングル材、16−補強材。

Claims (8)

  1. 醗酵槽内に堆積された腐敗性廃棄物より成る被処理物を醗酵処理する方法において、醗酵槽の上部開口を、カバー体によって覆い、醗酵槽内に堆積された被処理物の表面とカバー体裏面との間に、醗酵熱によって被処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成し、上記水蒸気を、この拡散防止空間を介して醗酵槽外部に排出させるようにし、前記カバー体は、切返し手段がカバー体本体の内側に潜り込んで醗酵槽開口端を往復動するのを許容し、前記拡散防止空間内の水蒸気を、醗酵槽両側壁上部に拡散防止空間と連通する開口部を持つ排気路から吸引して、醗酵槽外部に排出させる醗酵処理方法であって、
    前記排気路は、開口部が醗酵槽の長さ方向に連続すると共に部分的な閉塞手段を有し、開口部を該閉塞手段で閉塞することによって醗酵槽内の水蒸気の吸引量を調整するようにしたことを特徴とする醗酵処理方法。
  2. 請求項1に記載する処理方法において、前記カバー体は、醗酵槽の上部開口を開口端近傍でほぼ水平に覆う基本位置から、内側に切返し手段が潜り込んで醗酵槽を移動するのに伴って部分的に上方に広がり、切返し手段の通過後、上記基本位置に自動復帰するようにした醗酵処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載する処理方法において、前記カバー体は、醗酵槽の幅方向への伸縮性によって、前記切返し手段の通過する部位が前記基本位置から上方に広がる位置へと変位するようにした醗酵処理方法。
  4. 醗酵槽本体内に堆積された腐敗性廃棄物より成る被処理物に醗酵に必要な空気または空気及び水分を供給する手段と、被処理物を切り返す切返し手段と、醗酵槽の上部開口を覆い、醗酵槽内に堆積された被処理物の表面と間に醗酵熱によって被処理物から発生した水蒸気の拡散防止空間を形成するカバー体と、醗酵槽の両側に長さ方向に連続もしくは不連続に開口し、上記拡散防止空間と連通する排気路と、拡散防止空間内の水蒸気を排気路から吸引して外部に排出する吸引手段とを備える醗酵処理装置において、
    前記切返し手段は醗酵槽の開口端に沿って醗酵槽の長手方向に往復動し、
    前記カバー体は醗酵槽の被処理物投入口端に近い部分を除く醗酵槽の排出端に至るまでの醗酵槽の上部開口をその長手方向及び幅方向の全体にわたって覆い、上部開口を開口端近傍でほぼ水平に覆う基本位置から、カバー体内側に切返し手段が潜り込んで醗酵槽を移動するのに伴って部分的に上方に広がり、切返し手段の通過後、上記基本位置に自動復帰する表面広がり性を備えることを特徴とする醗酵処理装置。
  5. 請求項4に記載する処理装置において、前記カバー体は、両側端を醗酵槽両側壁の上端部に固定され、醗酵槽の幅方向への伸縮性によって、前記切返し手段の通過する部位が前記基本位置から上方に広がる位置へと変位する醗酵処理装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載する処理装置において、前記カバー体は、醗酵槽の幅方向に伸縮自在なカバー片を醗酵槽の長さ方向に多数連設して成る醗酵処理装置。
  7. 請求項4〜請求項6の何れかに記載する処理装置において、前記切返し手段は、全体がフードによって覆われ、前記カバー体の下側に潜り込んで、醗酵槽本体の天端部に敷設したレールに沿って自走する醗酵処理装置。
  8. 請求項4〜請求項7の何れかに記載する処理装置において、前記排気路の開口部が醗酵槽の長さ方向に連続すると共に部分的な閉塞手段を有し、開口部を該閉塞手段で閉塞することによって醗酵槽内の水蒸気の吸引量を調整する醗酵処理装置。
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