JP4787210B2 - 映像品質推定方法、装置、およびプログラム - Google Patents

映像品質推定方法、装置、およびプログラム Download PDF

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本発明は、映像通信技術に関し、特に複数のフレームに符号化した映像データを端末で受信再生した際に視聴者が実感する主観映像品質を推定する映像品質推定技術に関する。
近年、インターネットアクセス回線の高速・広帯域化に伴い、音声及び映像データなどを用いた映像通信サービスが期待されている。インターネットは必ずしも通信品質が保証されていないネットワークであるため、音声及び映像データなどを用いて通信を行う場合、ユーザ間のネットワークの回線帯域が狭かったり、回線が輻輳したりすると、音声や映像データなどに対してユーザが知覚する品質(主観品質)が劣化してしまう。
具体的には、音声に品質劣化が加わると、途切れ・雑音などとして知覚され、映像に品質劣化が加わると、ぼけ・にじみ・モザイク状の歪・ぎくしゃく感などとして知覚される。
上記サービスを品質良く提供するためには、サービス提供に先立った品質設計やサービス開始後の品質管理が重要となり、このためには、ユーザが享受する品質を適切に表現でき、しかも簡便かつ効率的な品質評価技術が必要となる。
従来、音声品質を推定する技術については、非特許文献1において音声品質客観評価法PESQ(Perceptual Evaluation of Speech Quality)が規定され、映像品質を推定する技術についても、非特許文献2において映像品質客観評価法が記載されている。また、非特許文献3において、VoIP(Voice over IP )のネットワークプランニングを行うための品質推定法が記載されている。これらの客観評価技術は、ある一定の条件下で主観品質の統計的曖昧さと同程度の推定誤差で主観品質を推定可能である。
国際標準化機関ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)勧告P.862. ITU−T勧告J.144. ITU−T勧告G.107.
しかしながら、このような従来技術では、映像通信サービスの映像品質値を容易に推定できないという問題点があった。
例えば、従来の映像や音声のメディア情報を用いる品質推定方法によれば、メディアを復号処理する手間がかかり、大規模ネットワークにおける品質の実態把握や品質管理には向かない。
また、従来の映像や音声の品質に影響を与える品質パラメータから品質を推定する方法によれば、パケット損失、遅延時間などの音声品質にかかわる品質パラメータから、符号化歪みやパケット損失劣化を考慮し、TV電話やIP電話の会話品質を推定することができる。しかし、コンテンツ毎の品質を推定するのに不可欠な情報、例えば、動きベクトル、量子化ステップ幅などの情報を用いていないため、コンテンツ毎の品質を正確に推定することはできない。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、映像や音声のメディア情報を処理することなく映像通信サービスの映像品質値を容易に推定できる映像品質推定方法、装置、およびプログラムを提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる映像品質推定方法は、映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、演算処理部と記憶部を備えて映像通信の品質を推定する映像品質推定装置で用いられる映像品質推定方法であって、演算処理部により、通信網から取得した映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいてパケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定ステップと、演算処理部により、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックのうち、重複劣化判定ステップで劣化ブロックと判定されたブロックの数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計ステップと、記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶する記憶ステップと、演算処理部により、記憶部から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定ステップとを備えている。
この際、記憶ステップで、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを記憶部により予め記憶し、演算処理部により、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップをさらに備え、パケット損失ブロック判定ステップで、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化ブロック集計ステップで、パケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計するようにしてもよい。
また、記憶ステップで、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを記憶部により予め記憶し、演算処理部により、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップをさらに備え、パケット損失ブロック判定ステップで、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化伝搬ブロック判定ステップで、劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化ブロック集計ステップで、パケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計するようにしてもよい。
また、本発明にかかる他の映像品質推定方法は、映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、演算処理部と記憶部を備えて映像通信の品質を推定する映像品質推定装置で用いられる映像品質推定方法であって、演算処理部により、通信網から取得した映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定ステップと、記憶部により、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップとを備え、パケット損失ブロック判定ステップは、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化伝搬ブロック判定ステップは、劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、演算処理部により、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計ステップをさらに備え、記憶ステップは、記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、演算処理部により、記憶部から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定ステップをさらに備えている。
この際、演算処理部により、品質パラメータに基づいてパケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定ステップをさらに備え、劣化ブロック集計ステップで、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックのうち、重複劣化判定ステップで劣化ブロックと判定されたブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計するようにしてもよい。
また、本発明にかかる他の映像品質推定方法は、映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、演算処理部と記憶部を備えて映像通信の品質を推定する映像品質推定装置で用いられる映像品質推定方法であって、演算処理部により、通信網から取得した映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定ステップと、記憶部により、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶ステップと、演算処理部により、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップとを備え、パケット損失ブロック判定ステップは、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、演算処理部により、所定期間内に発生したパケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計ステップをさらに備え、記憶ステップは、記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、演算処理部により、記憶部から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定ステップをさらに備えている。
また、演算処理部により、当該ブロックに隣接するブロックの動きベクトルを平均化することにより当該ブロックの動きベクトルを推定出力する動きベクトル推定ステップをさらに備え、劣化隠蔽指標算出ステップで、動きベクトル推定ステップで得られた動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出するようにしてもよい。
また、本発明にかかる映像品質推定装置は、映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置であって、通信網から取得した映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析部と、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定部と、品質パラメータに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定部と、品質パラメータに基づいてパケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定部と、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックのうち、重複劣化判定部で劣化ブロックと判定されたブロックの数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計部と、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶する記憶部と、記憶部から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定部とを備えている。
この際、記憶部で、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶し、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部をさらに備え、パケット損失ブロック判定部で、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出部から取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化ブロック集計部は、パケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計するようにしてもよい。
また、記憶部で、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを記憶し、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部をさらに備え、パケット損失ブロック判定部で、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出部から取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化伝搬ブロック判定部で、劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出部から取得し、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化ブロック集計部で、パケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計するようにしてもよい。
また、本発明にかかる他の映像品質推定装置は、映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置であって、通信網から取得した映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析部と、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定部と、品質パラメータに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定部と、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶部と、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部とを備え、パケット損失ブロック判定部は、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出部から取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化伝搬ブロック判定部は、劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出部から取得し、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計部をさらに備え、記憶部は、記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、演算処理部により、記憶部から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定部をさらに備えている。
この際、品質パラメータに基づいてパケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定部をさらに備え、劣化ブロック集計部で、パケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックのうち、重複劣化判定部で劣化ブロックと判定されたブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計するようにしてもよい。
また、本発明にかかる他の映像品質推定装置は、映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置であって、演算処理部により、通信網から取得した映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析部と、演算処理部により、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定部と、記憶部により、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶部と、演算処理部により、品質パラメータに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部から劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部とを備え、パケット損失ブロック判定部は、パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を劣化隠蔽指標算出部から取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、所定期間内に発生したパケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計部をさらに備え、記憶部は、記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、演算処理部により、記憶部から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定部をさらに備えている。
また、当該ブロックに隣接するブロックの動きベクトルを平均化することにより当該ブロックの動きベクトルを推定出力する動きベクトル推定部をさらに備え、劣化隠蔽指標算出部は、動きベクトル推定部で得られた動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出するようにしてもよい。
また、本発明のプログラムは、映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置のコンピュータに、上記映像品質推定方法の各ステップを実行させるためのものである。
本発明によれば、映像パケットに含まれる品質パラメータから映像品質を推定することが可能となる。
これにより、従来のように映像や音声のメディア情報を復号処理することなく、映像通信サービスの映像品質値を容易に推定できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。
この映像品質推定装置1Aは、全体としてサーバ装置やパーソナルコンピュータ、さらには映像通信端末などのコンピュータを用いた情報処理装置からなり、主な機能部として、演算処理部10、記憶部20、操作入力部21、画面表示部22、および通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)23が設けられている。また、演算処理部10には、主な機能処理部として、パケット解析部11、損失ブロック判定部12、劣化ブロック集計部13、および映像品質推定部14が設けられている。
本実施の形態は、パケット解析部11により、通信網から取得した映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出し、パケット損失ブロック判定部12により、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、劣化ブロック集計部13により、所定期間内に発生したパケット損失ブロックの数を劣化ブロック数として集計し、記憶部20により、所定期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、映像品質推定部14により、記憶部20から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出するようにしたものである。
[映像品質推定装置]
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成について説明する。
演算処理部10は、専用の演算処理回路で実現してもよいが、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を設け、予め記憶部20に保存されているプログラム20Pを読み込んでマイクロプロセッサで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム20Pを協働させることにより上記機能部を実現してもよい。
記憶部20は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、演算処理部10での映像品質推定処理に用いる映像品質推定モデル20Qなどの各種処理情報やプログラム20Pを記憶する機能を有している。
操作入力部21は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部10へ出力する機能を有している。
画面表示部22は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部10からの指示に応じて操作メニューや映像品質推定値3などを画面表示する機能を有している。
通信I/F部23は、専用の通信回路からなり、通信回線を介して外部装置とデータ通信を行うことにより各種データをやり取りする機能を有している。演算処理部10は、映像品質推定処理に用いる映像品質推定モデル20Qなどの各種処理情報やプログラム20Pを外部装置から通信I/F部23を介して読み込んで記憶部20へ格納してもよく、外部装置で通信網からキャプチャした映像パケット2を通信I/F部23を介してパケット解析部11へ取り込んでもよい。また、演算処理部10は、映像品質推定値3などの各種処理情報を通信I/F部23を介して外部装置へ出力するようにしてもよい。
[演算処理部]
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置の演算処理部について詳細に説明する。
演算処理部10には、主な機能処理部として、パケット解析部11、損失ブロック判定部12、劣化ブロック集計部13、および映像品質推定部14が設けられている。
パケット解析部11は、外部装置で通信網からキャプチャした映像パケット2を取得する機能と、当該映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータ11Sを出力する機能とを有している。
図2は、映像パケットの構成を示す説明図である。映像通信で転送する映像データは、連続する複数のフレームから構成されている。送信側装置では、MPEG(Moving Picture Experts Group)やITU−T勧告H.264などの動画符号化規格に基づいて、これらフレームを複数のブロックBmに分割して圧縮符号化し、圧縮符号化されたブロックデータに、受信側装置での復号化に必要な各種復号化パラメータを付加して、ビデオパケットを生成する。そして、このビデオパケットを、RTP(Real-time Transport Protocol)などの映像通信プロトコル用パケットにRTPデータとして格納し、さらに、UDP(User Datagram Protocol)パケットやIPパケットへ階層的に格納して映像パケットを生成し、通信網へ送信する。
したがって、ビデオパケットの復号化パラメータには、符号化方式、映像フォーマット、符号化ビットレート、フレーム情報(フレームレート,GOP(Group of Picture)構成,フレーム番号,ブロック番号)、動きベクトル、および量子化ステップ幅などの各種品質パラメータが含まれている。
また、RTP,UDP,IPなどの各パケットのヘッダには、それぞれのパケットの転送制御に関する通信パラメータが記述されており、これら通信パラメータには、パケット損失率、パケット損失パターン、パケット遅延時間、パケットの順序性を示すシーケンス番号やタイムスタンプなどの各種品質パラメータが含まれている。
損失ブロック判定部12は、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケット2の損失を確認する機能と、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、その判定結果をパケット損失ブロック情報12Sとして出力する機能とを有している。映像パケット2の損失有無は、例えば品質パラメータ11Sのうち前後の映像パケットのシーケンス番号やタイムスタンプを比較することにより確認することができる。
劣化ブロック集計部13は、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックの数を集計し、劣化ブロック数13Sとして出力する機能を有している。損失ブロック判定部12により映像パケット2の損失が確認され、当該映像パケット2に格納されていた当該ブロックがパケット損失ブロックと判定された場合、劣化ブロック数の個数が「1」だけ加算され、当該ブロックがパケット損失ブロックでないと判定された場合、劣化ブロック数は変化しない。
図3は、劣化ブロックの集計を示す説明図である。前述したように、映像データを構成する個々のフレームは複数のブロックにそれぞれ分割されて圧縮符号化され、映像パケットに格納されて送信される。したがって、通信網においていずれかの映像パケットが損失した場合、図3に示すように、その映像パケットに格納されているブロックが損失して劣化するため、いずれかのフレームで復号できない部分が発生し、映像品質の劣化となる。劣化ブロック集計部13では、このような劣化ブロックを所定期間Tにわたり集計し、その劣化ブロック数13Sを出力する。
映像品質推定部14は、記憶部20から映像品質推定モデル20Qを読み出して、劣化ブロック集計部13で集計された劣化ブロック数13Sに対応する映像品質値を算出する機能と、得られた映像品質値を外部装置あるいは画面表示部22へ出力する機能とを有している。これにより、映像通信のうち所定期間における映像品質推定値3が推定される。
図4は、映像品質推定モデルを示す説明図である。映像通信でやり取りされるブロックの劣化ブロック数と当該映像通信の品質値は、劣化ブロック数が増加するに連れて映像品質値が単調減少する特性がある。本実施の形態では、このような劣化ブロック数と映像通信品質値との関係を予め試験やシミュレーションを行うことにより回帰分析し、得られた回帰直線あるいは回帰曲線の関数を劣化ブロック数と映像通信品質値との関係を示す映像品質推定モデルとして求め、記憶部20に格納している。
映像品質推定モデル20Qとして線形関数を用いる場合、所定単位期間t内に発生した劣化ブロック数をBとし、a,bを係数とし場合、そのときの映像品質値Qは、Q=a・B+bで表すことができる。また、映像品質推定モデル20Q(MOS値)として指数関数を用いる場合、c,d,eを係数とした場合、Q=c・exp(B/d)+eで表すことができる。この際、映像品質の推定対象となる所定期間Tと映像品質推定モデル20Qの基準となる単位時間tとが異なる場合、劣化ブロック数13Sをt/Tで補正することにより、映像品質推定モデル20Qの入力として用いる劣化ブロック数Bを算出すればよい。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図5を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置の動作について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートである。
映像品質推定装置1Aの演算処理部10は、操作入力部21で検出されたオペレータの映像品質推定開始操作や映像パケット2の入力に応じて、図5の映像品質推定処理を開始する。
まず、演算処理部10は、パケット解析部11により、順次入力される映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータ11Sを抽出する(ステップ100)。
次に、演算処理部10は、損失ブロック判定部12により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケット2の損失を確認し、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、その判定結果をパケット損失ブロック情報12Sとして出力する(ステップ101)。
一方、演算処理部10は、劣化ブロック集計部13により、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックの数を劣化ブロック数13Sとして集計する(ステップ102)。
続いて、演算処理部10は、映像品質推定部14により、記憶部20から映像品質推定モデル20Qを読み出して、劣化ブロック集計部13で集計された劣化ブロック数13Sに対応する映像品質値を算出することにより映像品質推定値3を推定する(ステップ103)。そして、得られた映像品質推定値3を外部装置あるいは画面表示部22へ出力し、一連の映像品質推定処理を終了する。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、パケット解析部11により、通信網から取得した映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出し、パケット損失ブロック判定部12により、品質パラメータに基づいて映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、劣化ブロック集計部13により、所定期間内に発生したパケット損失ブロックの数を劣化ブロック数として集計するようにしたものである。
これに加え、記憶部20により、所定期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、映像品質推定部14により、記憶部20から映像品質推定モデルを読み出して、劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出するようにしたので、映像パケットに含まれる品質パラメータから映像品質を推定することが可能となる。
これにより、従来のように映像や音声のメディア情報を復号処理することなく、映像通信サービスの映像品質値を容易に推定できる。
[第2の実施の形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる映像品質推定装置について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図であり、前述した図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、劣化ブロックとして、通信網における映像パケット2の損失に起因して劣化したブロック、すなわちパケット損失ブロックのみを劣化ブロックとして集計した場合について説明した。本実施の形態では、パケット損失ブロックに加え、復号処理時に劣化ブロックから画像劣化が伝搬したブロック、すなわち劣化伝搬ブロックについても劣化ブロックとして集計する場合について説明する。
第1の実施の形態と比較して、本実施の形態にかかる映像品質推定装置1Bには、演算処理部10に劣化伝搬ブロック判定部15が追加されている。
劣化伝搬ブロック判定部15は、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて、映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認する機能と、当該画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定し、その判定結果を劣化伝搬ブロック情報15Sとして出力する機能とを有している。
図7は、劣化ブロックから他のブロックに対する画像劣化の伝搬を示す説明図である。映像通信において動き補償機能を用いた場合、図7に示すように、フレームn+1では、先行フレームnのブロックaに対する動きベクトルに基づきブロックaの動きを推定し、推定後のブロックaの周囲のブロックを復号する。この際、先行フレームnのブロックaが劣化した場合、次のフレームn+1では、ブロックaが新たな位置へ移動するため、移動後のブロックaを含む周囲のブロック、図7では4つのブロックが劣化したブロックaを用いて復号することになる。
また、その次のフレームn+2では、フレームn+1の4つの劣化ブロックがさらに移動した場合、より広い範囲に劣化の影響が伝搬することになる。このようにして、先行フレームの劣化ブロックの影響は、後続フレームのブロックへ伝搬することになり、復号処理時に他のフレームを参照しない独立したフレームにより、イントラリフレッシュが行われるまで、劣化の伝搬が継続する。
劣化伝搬ブロック判定部15では、品質パラメータ11Sのフレーム情報から得た劣化ブロックに関する位置や動きベクトルから、当該劣化ブロックの動き補償後の新たな位置を求め、後続フレームの各ブロックのうち新たな位置の劣化ブロックを用いて復号するブロックを検査すれば、画像劣化の伝搬の有無を確認できる。
劣化ブロック集計部13は、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sと、劣化伝搬ブロック判定部15からの劣化伝搬ブロック情報15Sとに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの数を劣化ブロック数として集計する機能を有している。
映像品質推定装置1Bにおける他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる映像品質推定装置の動作について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートであり、前述した図5と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
映像品質推定装置1Bの演算処理部10は、操作入力部21で検出されたオペレータの映像品質推定開始操作や映像パケット2の入力に応じて、図8の映像品質推定処理を開始する。
まず、演算処理部10は、パケット解析部11により、順次入力される映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータ11Sを抽出する(ステップ100)。
次に、演算処理部10は、損失ブロック判定部12により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケット2の損失を確認し、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、その判定結果をパケット損失ブロック情報12Sとして出力する(ステップ101)。
これと並行して、演算処理部10は、劣化伝搬ブロック判定部15により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、当該画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定し、その判定結果を劣化伝搬ブロック情報15Sとして出力する(ステップ110)。
演算処理部10は、劣化ブロック集計部13により、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sと、劣化伝搬ブロック判定部15からの劣化伝搬ブロック情報15Sとに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの数を劣化ブロック数13Sとして集計する(ステップ102)。
続いて、演算処理部10は、映像品質推定部14により、記憶部20から映像品質推定モデル20Qを読み出して、劣化ブロック集計部13で集計された劣化ブロック数13Sに対応する映像品質値を算出することにより映像品質推定値3を推定する(ステップ103)。そして、得られた映像品質推定値3を外部装置あるいは画面表示部22へ出力し、一連の映像品質推定処理を終了する。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、劣化伝搬ブロック判定部15により、品質パラメータ11Sに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定し、劣化ブロック集計部13により、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの数を劣化ブロック数13Sとして集計するようにしたので、第1の実施の形態より正確に劣化ブロックを集計でき、映像品質を高い精度で推定できる。
[第3の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる映像品質推定装置について説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示す説明図であり、前述した図6と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第2の実施の形態では、パケット損失ブロックに加え、復号処理時に劣化ブロックから画像劣化が伝搬したブロック、すなわち劣化伝搬ブロックについても劣化ブロックとして集計する場合について説明した。本実施の形態では、パケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化の場合には、パケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する場合について説明する。
第2の実施の形態と比較して、本実施の形態にかかる映像品質推定装置1Cには、演算処理部10に重複劣化判定部16が追加されている。
重複劣化判定部16は、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sと、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sと、劣化伝搬ブロック判定部15からの劣化伝搬ブロック情報15Sとに基づいて、パケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否か確認する機能と、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する機能と、重複劣化でない場合にはパケット損失ブロック情報12Sに対応するパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロック情報15Sに対応する劣化伝搬ブロックをそれぞれ個別に劣化ブロックと判定する機能と、これら判定結果を劣化ブロック情報16Sとして出力する機能とを有している。
図10は、重複劣化を示す説明図である。映像通信において、映像パケットの損失に起因して発生するパケット損失ブロックと、他のブロックからの画像劣化の伝搬に起因して発生する劣化伝搬ブロックは、互いに独立して発生するため、同一ブロックについてパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの双方の判定が重複する場合がある。
図10に示すように、フレームnのブロックbにおいて劣化が発生し、次のフレームn+1において、ブロックbの劣化の影響が4つのブロックc〜fに伝搬した場合、これらブロックは、劣化伝搬ブロックと判定される。
このような状態で、ブロックdが映像パケットの損失に起因してパケット損失ブロックと判定された場合、劣化ブロック集計部13では、劣化伝搬ブロック判定部15による、ブロックdに対する劣化伝搬ブロックの判定と、パケット損失ブロック判定部12による、ブロックdに対するパケット損失ブロックの判定の両方について、劣化ブロックとして計数することになる。
重複劣化判定部16では、このような重複劣化が発生し場合、パケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定し、その判定結果を劣化ブロック情報16Sとして出力する。
劣化ブロック集計部13は、重複劣化判定部16からの劣化ブロック情報16Sに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの数を劣化ブロック数として集計する機能を有している。
映像品質推定装置1Cにおける他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの説明は省略する。
[第3の実施の形態の動作]
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる映像品質推定装置の動作について説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートであり、前述した図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
映像品質推定装置1Cの演算処理部10は、操作入力部21で検出されたオペレータの映像品質推定開始操作や映像パケット2の入力に応じて、図11の映像品質推定処理を開始する。
まず、演算処理部10は、パケット解析部11により、順次入力される映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータ11Sを抽出する(ステップ100)。
次に、演算処理部10は、損失ブロック判定部12により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケット2の損失を確認し、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、その判定結果をパケット損失ブロック情報12Sとして出力する(ステップ101)。
これと並行して、演算処理部10は、劣化伝搬ブロック判定部15により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、当該画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定し、その判定結果を劣化伝搬ブロック情報15Sとして出力する(ステップ110)。
続いて、演算処理部10は、重複劣化判定部16により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sと、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sと、劣化伝搬ブロック判定部15からの劣化伝搬ブロック情報15Sとに基づいて、パケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否か確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定し、重複劣化でない場合にはパケット損失ブロック情報12Sに対応するパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロック情報15Sに対する劣化伝搬ブロックをそれぞれ個別に劣化ブロックと判定し、これら判定結果を劣化ブロック情報16Sとして出力する(ステップ120)。
演算処理部10は、劣化ブロック集計部13により、重複劣化判定部16からの劣化ブロック情報16Sに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの数を劣化ブロック数13Sとして集計する(ステップ102)。
続いて、演算処理部10は、映像品質推定部14により、記憶部20から映像品質推定モデル20Qを読み出して、劣化ブロック集計部13で集計された劣化ブロック数13Sに対応する映像品質値を算出することにより映像品質推定値3を推定する(ステップ103)。そして、得られた映像品質推定値3を外部装置あるいは画面表示部22へ出力し、一連の映像品質推定処理を終了する。
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、重複劣化判定部16により、品質パラメータ11Sに基づいてパケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定し、劣化ブロック集計部13により、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックのうち、重複劣化判定部16で劣化ブロックと判定されたブロックの数を劣化ブロック数13Sとして集計するようにしたので、第2の実施の形態より正確に劣化ブロックを集計でき、映像品質を高い精度で推定できる。
[第4の実施の形態]
次に、図12を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる映像品質推定装置について説明する。図12は、本発明の第4の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図であり、前述した図9と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1〜3の実施の形態では、任意のブロックがパケット損失ブロックまたは劣化伝搬ブロックと判定された場合、そのときの劣化ブロックの個数を「1」と計数する場合を例として説明した。本実施の形態では、当該ブロックの動きベクトルの大きさから生成した劣化隠蔽指標に基づいて、劣化ブロックの個数を重み付けすることにより、劣化個数を補正する場合について説明する。
第3の実施の形態と比較して、本実施の形態にかかる映像品質推定装置1Dには、演算処理部10に劣化隠蔽指標算出部17とが追加されている。
劣化隠蔽指標算出部17は、品質パラメータ11Sに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出する機能と、記憶部20から劣化隠蔽指標算出モデル20Iを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標17Sを算出する機能とを有している。
図13は、劣化隠蔽指標算出モデルを示す説明図である。映像通信においてブロックごとに動き補償機能を用いた場合、劣化したブロックに対して、先行フレームの同位置のブロックを貼り付ける処理が行われる。この場合、先行フレームのブロックと現フレームのブロックに動きが生じず、画素変化もない場合、劣化を完全に隠蔽(補償)することができる。ただし、映像に動きが生じ、画素変化が大きい場合は、劣化が顕著になる場合が多い。
本実施の形態では、このような映像の動きの増加に伴って、画像の劣化が単調増加するという特性を利用して、劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標算出モデル20Iを導出する。この際、映像の動きの大小については動きベクトルの大きさを用い、動きベクトルの水平方向成分と垂直方向成分の絶対値で算出する。
劣化隠蔽指標算出モデル20Iとして線形関数を用いる場合、動きベクトルの水平方向成分をHとし、動きベクトルの垂直方向成分をVとした場合、動くベクトルの大きさLは、L=sqrt(H2+V2)で表すことができ、f,gを係数とし場合、そのときの劣化隠蔽指標Iは、I=f・L+gで表すことができる。また、劣化隠蔽指標算出モデル20Iとして指数関数を用いる場合、h,i,jを係数とした場合、I=h・exp(L/i)+jで表すことができる。なお、劣化隠蔽指標Iを「0」から「1」の範囲の値とすることにより、劣化隠蔽指標Iをそのまま劣化ブロック数として用いることができる。
損失ブロック判定部12は、パケット損失ブロックの判定結果を出力する際、劣化隠蔽指標算出部17から劣化隠蔽指標17Sを取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標17Sで重み付けした重み付け劣化個数を含むパケット損失ブロック情報12Sを出力する機能を有している。
劣化伝搬ブロック判定部15は、劣化伝搬ブロックの判定結果を出力する際、劣化隠蔽指標算出部17から劣化隠蔽指標17Sを取得し、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標17Sで重み付けした重み付け劣化個数を含む劣化伝搬ブロック情報15Sを出力する機能を有している。
劣化ブロック集計部13は、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sと、劣化伝搬ブロック判定部15からの劣化伝搬ブロック情報15Sとに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する機能を有している。
[第4の実施の形態の動作]
次に、図14を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる映像品質推定装置の動作について説明する。図14は、本発明の第4の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートであり、前述した図11と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
映像品質推定装置1Dの演算処理部10は、操作入力部21で検出されたオペレータの映像品質推定開始操作や映像パケット2の入力に応じて、図14の映像品質推定処理を開始する。
まず、演算処理部10は、パケット解析部11により、順次入力される映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータ11Sを抽出する(ステップ100)。
続いて、演算処理部10は、劣化隠蔽指標算出部17により、品質パラメータ11Sに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部20から劣化隠蔽指標算出モデル20Iを読み出して、当該動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標17Sを算出する(ステップ130)。
次に、演算処理部10は、損失ブロック判定部12により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケット2の損失を確認し、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、その判定結果をパケット損失ブロック情報12Sとして出力する(ステップ101)。この際、損失ブロック判定部12は、劣化隠蔽指標算出部17から劣化隠蔽指標17Sを取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力する。
これと並行して、演算処理部10は、劣化伝搬ブロック判定部15により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、当該画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定し、その判定結果を劣化伝搬ブロック情報15Sとして出力する(ステップ110)。この際、劣化伝搬ブロック判定部152は、劣化隠蔽指標算出部17から劣化隠蔽指標17Sを取得し、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力する。
続いて、演算処理部10は、重複劣化判定部16により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sと、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sと、劣化伝搬ブロック判定部15からの劣化伝搬ブロック情報15Sとに基づいて、パケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否か確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定し、これら判定結果を劣化ブロック情報16Sとして出力する(ステップ120)。
演算処理部10は、劣化ブロック集計部13により、重複劣化判定部16からの劣化ブロック情報16Sに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数13Sとして集計する(ステップ102)。
続いて、演算処理部10は、映像品質推定部14により、記憶部20から映像品質推定モデル20Qを読み出して、劣化ブロック集計部13で集計された劣化ブロック数13Sに対応する映像品質値を算出することにより映像品質推定値3を推定する(ステップ103)。そして、得られた映像品質推定値3を外部装置あるいは画面表示部22へ出力し、一連の映像品質推定処理を終了する。
[第4の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、記憶部20により、任意のブロックに対する動きベクトルの大きさと当該ブロックに対する劣化隠蔽度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデル20Iを予め記憶し、劣化隠蔽指標算出部17により、品質パラメータ11Sに基づいてブロックごとに当該ブロックに対する動きベクトルの垂直成分と水平成分から当該動きベクトルの大きさを算出し、記憶部20から劣化隠蔽指標算出モデル20Iを読み出して、動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標17Sを算出するようにしたものである。
これに加え、パケット損失ブロック判定部12により、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標17Sで重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化伝搬ブロック判定部15により、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標17Sで重み付けした重み付け劣化個数を出力し、劣化ブロック集計部13は、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数13Sとして集計するようにしたので、劣化ブロックにおける劣化度合いを動きベクトルの大きさで補正することができ、より正確に劣化ブロックを集計でき、映像品質を高い精度で推定できる。
また、本実施の形態では、第3の実施の形態に本実施の形態を適用した場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、第1または第2の実施の形態に対しても前述と同様にして本実施の形態を適用でき、同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態では、ブロックごとに劣化隠蔽処理を用いた場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、フレームごとに劣化隠蔽処理を用いる場合についても、前述と同様にして本実施の形態を適用でき、同様の作用効果が得られる。
映像通信においてフレームごとに劣化隠蔽処理を用いた場合、劣化したフレームに対して、先行フレームをそのまま現フレームに貼り付ける処理が行われる。この場合、先行フレームと現フレームに動きが生じず、画素変化もない場合、劣化を完全に隠蔽(補償)することができる。ただし、映像に動きが生じ、画素変化が大きい場合は、劣化が顕著になる場合が多い。
したがって、フレームごとに劣化隠蔽処理を用いる場合でも、前述と同様に、このような映像の動きの増加に伴って、画像の劣化が単調増加するという特性を利用して、劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標算出モデル20Iを導出する。この際、映像の動きの大小については動きベクトルの大きさを用い、動きベクトルの水平方向成分と垂直方向成分から算出する。なお、劣化隠蔽指標算出モデル20Iについては、フレームごとに劣化隠蔽処理を用いる場合でも、ブロックごとに劣化隠蔽処理を用いる場合と同等であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第5の実施の形態]
次に、図15を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる映像品質推定装置について説明する。図15は、本発明の第5の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図であり、前述した図12と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第4の実施の形態では、劣化隠蔽指標算出部17において、パケット解析部11からの品質パラメータ11Sに含まれる動きベクトルを用いる場合について説明した。本実施の形態では、映像パケット2の損失により動きベクトルが得られない場合、周囲のブロックの動きベクトルから当該ブロックの動きベクトルを推定する場合について説明する。
第4の実施の形態と比較して、本実施の形態にかかる映像品質推定装置1Eには、演算処理部10に動きベクトル推定部18が追加されている。
動きベクトル推定部18は、パケット解析部11からの品質パラメータ11Sに基づいて、当該ブロックに隣接するブロックの動きベクトルについて、水平および垂直成分の大きさを平均化し、水平および垂直成分の平均値を当該ブロックの動きベクトルの水平および垂直成分と見なし、これらを動きベクトル情報18Sとして推定出力する機能を有している。
[第5の実施の形態の動作]
次に、図16を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる映像品質推定装置の動作について説明する。図16は、本発明の第5の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートであり、前述した図14と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
映像品質推定装置1Eの演算処理部10は、操作入力部21で検出されたオペレータの映像品質推定開始操作や映像パケット2の入力に応じて、図16の映像品質推定処理を開始する。
まず、演算処理部10は、パケット解析部11により、順次入力される映像パケット2を解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータ11Sを抽出する(ステップ100)。
次に、演算処理部10は、映像パケット2の損失により所定のブロックの動きベクトルが得られない場合、動きベクトル推定部18により、パケット解析部11からの品質パラメータ11Sに基づいて、当該ブロックに隣接するブロックの動きベクトルの大きさの平均値を求め、この平均値を当該ブロックの動きベクトル情報18Sとして推定出力する(ステップ140)。
続いて、演算処理部10は、劣化隠蔽指標算出部17により、品質パラメータ11Sに基づいてブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、記憶部20から劣化隠蔽指標算出モデル20Iを読み出して、当該動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標17Sを算出する(ステップ130)。この際、映像パケット2の損失により所定のブロックの動きベクトルが得られない場合には、動きベクトル推定部18からの動きベクトル情報18Sに含まれる動きベクトルを当該ブロックのものとして用いる。
次に、演算処理部10は、損失ブロック判定部12により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケット2の損失を確認し、損失した映像パケット2に格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定し、その判定結果をパケット損失ブロック情報12Sとして出力する(ステップ101)。この際、損失ブロック判定部12は、劣化隠蔽指標算出部17から劣化隠蔽指標17Sを取得し、パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力する。
これと並行して、演算処理部10は、劣化伝搬ブロック判定部15により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sに基づいて映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、当該画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定し、その判定結果を劣化伝搬ブロック情報15Sとして出力する(ステップ110)。この際、劣化伝搬ブロック判定部152は、劣化隠蔽指標算出部17から劣化隠蔽指標17Sを取得し、劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力する。
続いて、演算処理部10は、重複劣化判定部16により、パケット解析部11で抽出された品質パラメータ11Sと、損失ブロック判定部12からのパケット損失ブロック情報12Sと、劣化伝搬ブロック判定部15からの劣化伝搬ブロック情報15Sとに基づいて、パケット損失ブロックが劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否か確認し、重複劣化の場合にはパケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定し、これら判定結果を劣化ブロック情報16Sとして出力する(ステップ120)。
演算処理部10は、劣化ブロック集計部13により、重複劣化判定部16からの劣化ブロック情報16Sに基づいて、所定期間内に発生したパケット損失ブロックと劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数13Sとして集計する(ステップ102)。
続いて、演算処理部10は、映像品質推定部14により、記憶部20から映像品質推定モデル20Qを読み出して、劣化ブロック集計部13で集計された劣化ブロック数13Sに対応する映像品質値を算出することにより映像品質推定値3を推定する(ステップ103)。そして、得られた映像品質推定値3を外部装置あるいは画面表示部22へ出力し、一連の映像品質推定処理を終了する。
[第5の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、動きベクトル推定部18により、当該ブロックに隣接するブロックの動きベクトルを平均化して得られた動きベクトルを当該ブロックの動きベクトル情報18Sとして推定出力し、劣化隠蔽指標算出部17により、動きベクトル推定部18で得られた動きベクトル情報18Sに基づき劣化隠蔽指標17Sを算出するようにしたので、映像パケット2の損失により所定のブロックの動きベクトルが得られない場合でも、劣化隠蔽指標17Sを算出することができる。これにより、映像パケット2の損失発生時でも、劣化ブロックにおける劣化度合いを動きベクトルの大きさで重み付けすることができ、より正確に劣化ブロックを集計でき、映像品質を高い精度で推定できる。
また、本実施の形態では、動きベクトル推定部18で得られた動きベクトル情報18Sを劣化隠蔽指標算出部17で用いる場合について説明したが、この動きベクトル情報18Sを劣化伝搬ブロック判定部15で用いるようにしてもよい。これにより、映像パケット2の損失発生時でも、任意のブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を正確に確認することが可能となる。もちろん動きベクトル推定部18と劣化伝搬ブロック判定部15の両方で用いてもよい。
また、本実施の形態では、映像パケット2が損失して動きベクトルが取得できない際に、動きベクトル推定部18で動きベクトルを推定する場合を例として説明したが、イントラブロックが挿入された場合も、同様の手法で動きベクトルを推定することにより、劣化隠蔽指標算出部17で所望の劣化隠蔽指標17Sを算出できる。
[実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態では、パケット解析部11での品質パラメータ11Sの抽出(ステップ100)から、劣化ブロック集計部13での劣化ブロック数の集計(ステップ102)までの処理を、通信網から所定期間内に抽出された映像パケット2が入力されるごとに各機能部で同期して実行してもよく、所定期間内に映像パケット2をまとめて各機能部で非同期で実行してもよい。特に、非同期で実行する場合には、品質パラメータ11S、パケット損失ブロック情報12S、劣化伝搬ブロック情報15S、劣化ブロック情報16S、劣化隠蔽指数17A、および動きベクトル情報18Sについて、それぞれの情報がどのフレームのどのブロックに対応する情報であるかを識別するための位置情報を付加して識別すればよい。
また、第2〜第5の実施の形態では、劣化伝搬ブロック判定部15や動きベクトル推定部18では、他のブロックに関する品質パラメータが必要となるため、これら他の品質パラメータをそれぞれの機能処理部で蓄積しておいてもよく、記憶部20に蓄積して各機能処理部で共用してもよい。
また、映像通信によっては、劣化隠蔽処理を用いない場合、ブロック単位で劣化隠蔽処理を用いる場合、フレーム単位で劣化隠蔽処理を用いる場合など、各種のバリエーションが存在する。したがって、これら通信種別に関する設定情報を操作入力部21などで予め入力しておき、この設定情報の内容に基づいて劣化伝搬ブロック判定部15、劣化隠蔽指標算出部17、および動きベクトル推定部18の処理内容を選択するようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。 映像パケットの構成を示す説明図である。 劣化ブロックの集計を示す説明図である。 映像品質推定モデルを示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。 劣化ブロックから他のブロックに対する画像劣化の伝搬を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示す説明図である。 重複劣化を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。 劣化隠蔽指標算出モデルを示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態にかかる映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる映像品質推定装置の映像品質推定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1A,1B,1C,1D,1E…映像品質推定装置、10…演算処理部、11…パケット解析部、11S…品質パラメータ、12…パケット損失ブロック判定部、12S…パケット損失ブロック情報、13…劣化ブロック集計部、13S…劣化ブロック数、14…映像品質推定部、15…劣化伝搬ブロック判定部、15S…劣化伝搬ブロック情報、16…重複劣化判定部、16S…劣化ブロック情報、17…劣化隠蔽指標算出部、17S…劣化隠蔽指標、18…動きベクトル推定部、18S…動きベクトル情報、20…記憶部、20I…劣化隠蔽指標算出モデル、20P…プログラム、20Q…映像品質推定モデル、21…操作入力部、22…画面表示部、23…通信I/F部、2…映像パケット、3…映像品質推定値。

Claims (15)

  1. 映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、演算処理部と記憶部を備えて前記映像通信の品質を推定する映像品質推定装置で用いられる映像品質推定方法であって、
    前記演算処理部により、前記通信網から取得した前記映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記パケット損失ブロックが前記劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合には前記パケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定ステップと、
    前記演算処理部により、前記所定期間内に発生した前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックのうち、前記重複劣化判定ステップで劣化ブロックと判定されたブロックの数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計ステップと、
    前記記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶する記憶ステップと、
    前記演算処理部により、前記記憶部から前記映像品質推定モデルを読み出して、前記劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定ステップと
    を備えることを特徴とする映像品質推定方法。
  2. 請求項1に記載の映像品質推定方法において、
    前記記憶ステップは、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを前記記憶部により予め記憶し、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップをさらに備え、
    前記パケット損失ブロック判定ステップは、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化ブロック集計ステップは、前記パケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する
    ことを特徴とする映像品質推定方法。
  3. 請求項に記載の映像品質推定方法において、
    前記記憶ステップは、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを前記記憶部により予め記憶し、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップをさらに備え、
    前記パケット損失ブロック判定ステップは、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化伝搬ブロック判定ステップは、前記劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、前記劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化ブロック集計ステップは、前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する
    ことを特徴とする映像品質推定方法。
  4. 映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、演算処理部と記憶部を備えて前記映像通信の品質を推定する映像品質推定装置で用いられる映像品質推定方法であって、
    前記演算処理部により、前記通信網から取得した前記映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定ステップと、
    前記記憶部により、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップと
    を備え、
    前記パケット損失ブロック判定ステップは、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化伝搬ブロック判定ステップは、前記劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、前記劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記演算処理部により、所定期間内に発生した前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計ステップをさらに備え、
    前記記憶ステップは、前記記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、
    前記演算処理部により、前記記憶部から前記映像品質推定モデルを読み出して、前記劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定ステップをさらに備える
    ことを特徴とする映像品質推定方法。
  5. 請求項3または4に記載の映像品質推定方法において、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記パケット損失ブロックが前記劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合には前記パケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定ステップをさらに備え、
    前記劣化ブロック集計ステップは、前記所定期間内に発生した前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックのうち、前記重複劣化判定ステップで劣化ブロックと判定されたブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する
    ことを特徴とする映像品質推定方法。
  6. 映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、演算処理部と記憶部を備えて前記映像通信の品質を推定する映像品質推定装置で用いられる映像品質推定方法であって、
    前記演算処理部により、前記通信網から取得した前記映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定ステップと、
    前記記憶部により、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶ステップと、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出ステップとを備え、
    前記パケット損失ブロック判定ステップは、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出ステップから取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記演算処理部により、所定期間内に発生した前記パケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計ステップをさらに備え、
    前記記憶ステップは、前記記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、
    前記演算処理部により、前記記憶部から前記映像品質推定モデルを読み出して、前記劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定ステップをさらに備える
    ことを特徴とする映像品質推定方法。
  7. 請求項2〜4または6のいずれか1つに記載の映像品質推定方法において、
    前記演算処理部により、当該ブロックに隣接するブロックの動きベクトルを平均化することにより当該ブロックの動きベクトルを推定出力する動きベクトル推定ステップをさらに備え、
    前記劣化隠蔽指標算出ステップは、前記動きベクトル推定ステップで得られた動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する
    ことを特徴とする映像品質推定方法。
  8. 映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置であって、
    前記通信網から取得した前記映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析部と、
    前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定部と、
    前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定部と、
    前記品質パラメータに基づいて前記パケット損失ブロックが前記劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合には前記パケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定部と、
    所定期間内に発生した前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックのうち、前記重複劣化判定部で劣化ブロックと判定されたブロックの数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計部と、
    単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶する記憶部と、
    前記記憶部から前記映像品質推定モデルを読み出して、前記劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定部と
    を備えることを特徴とする映像品質推定装置。
  9. 請求項8に記載の映像品質推定装置において、
    前記記憶部は、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶し、
    前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部をさらに備え、
    前記パケット損失ブロック判定部は、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出部から取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化ブロック集計部は、前記パケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する
    ことを特徴とする映像品質推定装置。
  10. 請求項に記載の映像品質推定装置において、
    前記記憶部は、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを記憶し、
    前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部をさらに備え、
    前記パケット損失ブロック判定部は、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出部から取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化伝搬ブロック判定部は、前記劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出部から取得し、前記劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化ブロック集計部は、前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する
    ことを特徴とする映像品質推定装置。
  11. 映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置であって、
    前記通信網から取得した前記映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析部と、
    前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定部と、
    前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットに格納されているブロックに対する他のブロックからの画像劣化の伝搬の有無を確認し、画像劣化の伝搬が確認されたブロックを劣化伝搬ブロックと判定する劣化伝搬ブロック判定部と、
    復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶部と、
    前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部と
    を備え、
    前記パケット損失ブロック判定部は、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出部から取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    前記劣化伝搬ブロック判定部は、前記劣化伝搬ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出部から取得し、前記劣化伝搬ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    所定期間内に発生した前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、
    前記演算処理部により、前記記憶部から前記映像品質推定モデルを読み出して、前記劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定部をさらに備える
    ことを特徴とする映像品質推定装置。
  12. 請求項10または11に記載の映像品質推定装置において、
    前記品質パラメータに基づいて前記パケット損失ブロックが前記劣化伝搬ブロックと同一のブロックに発生する重複劣化か否かを確認し、重複劣化の場合には前記パケット損失ブロックのみを劣化ブロックと判定する重複劣化判定部をさらに備え、
    前記劣化ブロック集計部は、前記パケット損失ブロックと前記劣化伝搬ブロックのうち、前記重複劣化判定部で劣化ブロックと判定されたブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する
    ことを特徴とする映像品質推定装置。
  13. 映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置であって、
    前記演算処理部により、前記通信網から取得した前記映像パケットを解析して映像通信品質を左右する各種品質パラメータを抽出するパケット解析部と、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記映像パケットの損失を確認し、損失した映像パケットに格納されていたブロックをパケット損失ブロックと判定するパケット損失ブロック判定部と、
    前記記憶部により、復号処理時における任意のブロックの動きベクトルの大きさと当該ブロックでの画像劣化の度合いを示す劣化隠蔽指標との対応関係を示す劣化隠蔽指標算出モデルを予め記憶する記憶部と、
    前記演算処理部により、前記品質パラメータに基づいて前記ブロックごとに当該ブロックの動きベクトルの大きさを算出し、前記記憶部から前記劣化隠蔽指標算出モデルを読み出して、前記動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する劣化隠蔽指標算出部とを備え、
    前記パケット損失ブロック判定部は、前記パケット損失ブロックに対応する劣化隠蔽指標を前記劣化隠蔽指標算出部から取得し、前記パケット損失ブロックの劣化個数として当該劣化隠蔽指標で重み付けした重み付け劣化個数を出力し、
    所定期間内に発生した前記パケット損失ブロックの重み付け劣化個数を劣化ブロック数として集計する劣化ブロック集計部をさらに備え、
    前記記憶部は、前記記憶部により、単位期間内に発生した劣化ブロック数と映像品質値との対応関係を示す映像品質推定モデルを予め記憶し、
    前記演算処理部により、前記記憶部から前記映像品質推定モデルを読み出して、前記劣化ブロック数に対応する映像品質値を算出する映像品質推定部をさらに備える
    ことを特徴とする映像品質推定装置。
  14. 請求項9〜11または13のいずれか1つに記載の映像品質推定装置において、
    当該ブロックに隣接するブロックの動きベクトルを平均化することにより当該ブロックの動きベクトルを推定出力する動きベクトル推定部をさらに備え、
    前記劣化隠蔽指標算出部は、前記動きベクトル推定部で得られた動きベクトルの大きさに対応する劣化隠蔽指標を算出する
    ことを特徴とする映像品質推定装置。
  15. 映像データを構成する個々のフレームを複数のブロックにそれぞれ分割して圧縮符号化した後、映像パケットに格納して送信装置から受信装置へ通信網を介して転送する映像通信について、当該映像通信の品質を推定する映像品質推定装置のコンピュータに、請求項1〜7に記載した映像品質推定方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
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