JP4786378B2 - 配管継手構造 - Google Patents
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Description
また、配管経路が複雑なものや配管長が長いものでは、バックシールを完全に行うことが困難なため、配管の内表面側に位置する溶接部が酸化してしまい、酸化スケール(「ノロ」ともいう)が発生してしまうといった問題点もあった。
本発明による配管継手構造は、第一の管材の端部と、この第一の管材と隣接して配置された第二の管材の端部とが突合せ溶接により接続されるとともに、前記第一の管材の外表面と前記第二の管材の外表面とが、同一面内に形成されており、かつ、前記第一の管材の側から前記第二の管材の側に向かって流体が流れる配管継手構造であって、前記第一の管材の端部に、内側嵌合部が周方向にわたって形成されているとともに、前記内側嵌合部の半径方向外側に、第一の開先が周方向にわたって形成されており、前記第二の管材の端部に、前記内側嵌合部の半径方向外側に嵌合される外側嵌合部が形成されているとともに、この外側嵌合部の端面で、かつ前記第一の開先と対向する位置に第二の開先が周方向にわたって形成されていて、前記第一の管材は、その内径が前記端部の側にかけて漸次小さくなるように形成されているとともに、その外径が一定の長さを維持するように形成されており、前記第二の管材は、その内径および外径がそれぞれ一定の長さを維持するように形成されていて、前記内側嵌合部の半径方向外側に位置する面の断面視形状および前記外側嵌合部の半径方向内側に位置する面の断面視形状がそれぞれ、周方向全体にわたって曲率が一定とされた真円となるように加工されている。
このような配管継手構造によれば、第一の管材と第二の管材とは、第一の管材の内側嵌合部を第二の管材の外側嵌合部の内側に嵌合させて、第一の開先と第二の開先とにより、例えば、断面視略V形の開先を形成させ、これら管材の外周面側からこの断面視略V形に形成された開先部分を、例えば、外周面側からの不活性ガス溶接法により突合せ溶接して接続される。
第一の管材の内側嵌合部と第二の管材の外側嵌合部とは、嵌合させられた際に、第一の開先と第二の開先とにより形成された、例えば、断面視V形の開先の内周端が、内側嵌合部の外周面により塞がれる(シールされる)ようになっており、内側嵌合部の外周面と外側嵌合部の内周面との間には、ほとんど隙間ができないようになっている。
この状態で溶接が行われると、溶接部の内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部の内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。
すなわち、本発明による配管継手構造によれば、溶接時のバックシールをなくすことができるとともに、管内における酸化スケールの発生を防止することができる。
バックシールをなくすことができることにより、従来、バックシールを行うために多量に必要とされた不活性ガスを不要とすることができ、コストの低減化を図ることができる。
また、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、従来、管内に発生した酸化スケールを取り除くために必要とされたフラッシング作業やハンマリング作業を不要とすることができ、建設、据付、工事時の工期を大幅に短縮することができる。
さらに、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、例えば、下流側に設置された発電タービン等のベアリングに酸化スケールが混入して、ベアリングを破損してしまう等といったアクシデントを確実に防止することができる。
さらにまた、内側嵌合部と外側嵌合部との間の隙間を、周方向において略一定に保つことができ、第一の管材と第二の管材とを効率よく接続(溶接結合)することができて、組立現場における作業効率を向上させることができ、作業時間の短縮化を図ることができる。
なお、真円となるように加工された部分の径の公差は、その径が、例えば、100mm〜200mm程度である場合、その径に対して±0.1mm程度、つまり、その径に対して0.1%程度〜0.05%程度であればよい(図17および図18参照)。
このような配管継手構造によれば、第一の管材と第二の管材とは、第一の管材の内側嵌合部を第二の管材の一端部(すなわち、第一の管材の内側嵌合部と対向する側の端部)の内側に嵌合させて、第一の開先と第二の開先とにより、例えば、断面視略V形の開先を形成させ、これら管材の外周面側からこの断面視略V形に形成された開先部分を、例えば、外周面側からの不活性ガス溶接法により突合せ溶接して接続される。
第一の管材の内側嵌合部と第二の管材の一端部とは、嵌合させられた際に、第一の開先と第二の開先とにより形成された、例えば、断面視V形の開先の内周端が、内側嵌合部の外周面により塞がれる(シールされる)ようになっており、内側嵌合部の外周面と第二の管材の一端部の内周面との間には、ほとんど隙間ができないようになっている。
この状態で溶接が行われると、溶接部の内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部の内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。
すなわち、本発明による配管継手構造によれば、溶接時のバックシールをなくすことができるとともに、管内における酸化スケールの発生を防止することができる。
バックシールをなくすことができることにより、従来、バックシールを行うために多量に必要とされた不活性ガスを不要とすることができ、コストの低減化を図ることができる。
また、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、従来、管内に発生した酸化スケールを取り除くために必要とされたフラッシング作業やハンマリング作業を不要とすることができ、建設、据付、工事時の工期を大幅に短縮することができる。
さらに、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、例えば、下流側に設置された発電タービン等のベアリングに酸化スケールが混入して、ベアリングを破損してしまう等といったアクシデントを確実に防止することができる。
さらにまた、第二の管材の一端部に、外側嵌合部を設ける必要がないので、第二の管材を加工するのに要する時間とコストの低減化を図ることができる。
このような配管継手構造によれば、内側嵌合部と一端部内周面との間の隙間を、周方向において略一定に保つことができ、第一の管材と第二の管材とを効率よく接続(溶接結合)することができて、組立現場における作業効率を向上させることができ、作業時間の短縮化を図ることができる。
なお、真円となるように加工された部分の径の公差は、その径が、例えば、100mm〜200mm程度である場合、その径に対して±0.1mm程度、つまり、その径に対して0.1%程度〜0.05%程度であればよい(図17および図18参照)。
このような配管継手構造によれば、配管の内周面側に溶接による焼け跡が形成されるのを防止することができる。内側嵌合部の厚みが3.0mmよりも薄いと、配管の内周面側に溶接による焼け跡が発生しまうおそれがあり、好ましくない。
このような配管継手構造によれば、この隙間を維持した状態で溶接が行われると、溶接部の内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部の内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。この差が1.0mmよりも小さいと、一方の管材が他方の管材に対して斜めになった状態で嵌合させることが困難となり、この差が1.6mmよりも大きいと、管外に存する不活性ガスが、内側嵌合部の半径方向外側に位置する面と、外側嵌合部の半径方向内側に位置する面との隙間、または内側嵌合部の半径方向外側に位置する面と、第二の管材の端面の半径方向内側に位置する面との隙間を通って管内に流れ込むこととなり、溶接金属が管内に噴出してしまうおそれがあり、好ましくない。
このような配管によれば、配管を構成する管材と管材との接続部を、バックシールなしで溶接することができ、かつその接続部の内表面側に酸化スケールが発生することを防止することができる。
このようなプラントによれば、配管を構成する管材と管材との接続部を、バックシールなしで溶接することができるので、プラントの建設工期を大幅に短縮することができる。
また、その接続部の内表面側に酸化スケールが発生することを防止することができるので、例えば、下流側に設置された発電タービン等のベアリングに酸化スケールが混入して、ベアリングを破損してしまう等といったアクシデントを確実に防止することができる。
図1は本実施形態に係る配管継手構造10を有する配管1を、配管1の延在方向と平行な面で切って展開した展開図である。
配管1は、第1の管材11と、第2の管材(第一の管材)12と、第3の管材(第二の管材)13とを主たる要素として構成されたものであり、第2の管材12と第3の管材13との間には、配管継手構造10が設けられている。
第2の管材12は、第1の管材11と対向する側の端面に、例えば、V形の開先Bが形成され、かつ、反対側の端部(第3の管材13と対向する側の端部)に、配管継手構造10の凸部14が形成されたステンレス製の管材である。
第3の管材13は、第2の管材12と対向する側の端部に、配管継手構造10の凹部
15が形成され、かつ、反対側の端面(第1の管材11と対向する側の端面)に、例えば、V形の開先Bが形成されたステンレス製の管材である。
図2に示すように、第2の管材12は、開先Bの側から凸部14の側にかけてその厚みが漸次増すように形成されている。すなわち、第2の管材12は、開先Bの側から凸部14の側にかけてその内径が漸次小さくなるとともに、開先Bの側から凸部14の側にかけてその外径が第1の管材11の外径と略同じ長さを維持するように作製されている。
内側嵌合部14aは、第2の管材12の周方向全体にわたって一定の厚み(d1=3.0mm以上であることが好ましい。)を有するように形成された、正面視環状の部分であり、内側嵌合部14aの半径方向外側(図2において上側)には、凸部15の外側嵌合部15aが嵌合するようになっている。また、第2の管材12の中心軸線から内側嵌合部
14aの半径方向外側までの半径距離c1の公差は、±0.1mmとされている(図17参照)。
図3に示すように、第3の管材13は、開先Bの側から凹部15の側にかけてその厚みが略一定となるように形成されている。すなわち、第3の管材13の内径および外径は、第1の管材11の内径および外径と略同じ長さに形成されている。
凹部15は、第3の管材13の外周面に沿って突出する外側嵌合部15aと、この外側嵌合部15aの端面に形成された、例えば、V形の開先を有する開先部(第二の開先)15bとを有するものである。
外側嵌合部15aは、第3の管材13の周方向全体にわたって一定の厚み(例えば、d2=6.0mm)を有するように形成された、正面視環状の部材であり、外側嵌合部15aの半径方向内側(図3において下側)には、凸部14の内側嵌合部14aが嵌合するようになっている。また、第3の管材13の中心軸線から外側嵌合部15aの半径方向内側までの半径距離c2の公差は、±0.1mmとされている(図18参照)。
第2の管材12の内側嵌合部14aと第3の管材13の外側嵌合部15aとは、嵌合させられた際に、凸部14の開先14bと凹部15の開先15bとにより形成された断面視V形の開先の内周端が、内側嵌合部14aの外周面により塞がれる(シールされる)ようになっており、内側嵌合部14aの外周面と外側嵌合部15aの内周面との間には、1.0mm〜1.6mmの隙間を有している。
この隙間を維持した状態で溶接が行われると、溶接部Wの内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部Wの内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。
すなわち、本実施形態に係る配管継手構造10によれば、溶接時のバックシールをなくすことができるとともに、管内における酸化スケールの発生を防止することができる。
バックシールをなくすことができることにより、従来、バックシールを行うために多量に必要とされた不活性ガスを不要とすることができ、コストの低減化を図ることができる。
また、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、従来、管内に発生した酸化スケールを取り除くために必要とされたフラッシング作業やハンマリング作業を不要とすることができ、建設、据付、工事時、の工期を大幅に短縮することができる。
さらに、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、例えば、下流側に設置された発電タービン等のベアリングに酸化スケールが混入して、ベアリングを破損してしまう等といったアクシデントを確実に防止することができる。
さらにまた、第1の管材11、第2の管材12、および第3の管材13の外径が略同じになるように、すなわち、配管1の外周面が略同一面内に形成されるようになっているので、外部からの目視形状を整然とさせることができ、美観の向上を図ることができる。
さらにまた、第2の管材12は、開先Bの側から凸部14の側にかけてその厚みが漸次増すように形成されている。また、図1に示すように流体は第2の管材12の開先Bの側から凸部14の側の方向に流れる為、配管1の内部にゴミ等の不純物が堆積してしまうことがなく、スムーズに流体を流すことができる。
さらにまた、第2の管材12は、市販されているJIS規格の標準的な管材を使って作製することができる。すなわち、第1の管材11および第3の管材13が、例えば、呼び径100mm(4インチ)のスケジュール40の管材(厚さ6.0mm)である場合には、呼び径100mm(4インチ)のスケジュール80の管材(厚さ8.6mm)を加工して(管材の内周面と両端面を削って)第2の管材12を容易に作り出すことができる。
さらにまた、内側嵌合部14aの厚みが、3.0mm〜3.5mmに設定されているので、配管1の内周面側に溶接による焼け跡が形成されるのを防止することができる。
図4は本実施形態に係る配管継手構造20を有する配管2を、配管2の延在方向に平行となる面で切った展開図である。
配管2は、第1の管材21と、第2の管材(第一の管材)22と、第3の管材(第二の管材)23とを主たる要素として構成されたものであり、第2の管材22と第3の管材23との間には、配管継手構造20が設けられている。
第2の管材22は、第1の管材21と対向する側の端面に、例えば、V形の開先Bが形成され、かつ、反対側の端部(第3の管材23と対向する側の端部)に、配管継手構造20の凸部24が形成されたステンレス製の管材である。
第3の管材23は、第2の管材22と対向する側の端部に、配管継手構造20の凹部25が形成され、かつ、反対側の端面(第1の管材21と対向する側の端面)に、例えば、V形の開先Bが形成されたステンレス製の管材である。
図5に示すように、第2の管材22の凸部24以外の部分は、開先Bの側から凸部24の側にかけてその厚みが略一定となるように形成されている。すなわち、第2の管材22の内径および外径は、第1の管材21の内径および外径と略同じ長さに形成されている。
一方、第2の管材22の凸部24は、その内径が第1の管材21と略同じ長さとされ、その外径が第1の管材21の外径よりも長くなるように形成されている。
凸部24は、半径方向内側の端面から第2の管材22の内周面に沿って突出する内側嵌合部24aと、半径方向外側の端面に形成された、例えば、V形の開先を有する開先部(第一の開先)24bとを有するものである。
内側嵌合部24aは、第2の管材22の周方向全体にわたって一定の厚み(d1=3.5mm以上であることが好ましい。)を有するように形成された、正面視環状の部材であり、内側嵌合部24aの半径方向外側(図5において上側)には、第3の管材23の凹部25の外側嵌合部25aが嵌合するようになっている。また、第2の管材22の中心軸線から内側嵌合部24aの半径方向外側までの半径距離c1の公差は、±0.1mmとされている(図17参照)。
図6に示すように、第3の管材23の凹部25以外の部分は、開先Bの側から凹部25の側にかけてその厚みが略一定となるように形成されている。すなわち、第3の管材23の内径および外径は、第1の管材21の内径および外径と略同じ長さに形成されている。
一方、第3の管材23の凹部25は、その内径が第1の管材21と略同じ長さとされ、その外径が第1の管材21の外径よりも長くなるように形成されている。
凹部25は、第3の管材23の外周面に沿って突出する外側嵌合部25aと、この外側嵌合部25aの端面に形成された、例えば、V形の開先を有する開先部(第二の開先)25bとを有するものである。
外側嵌合部25aは、第3の管材23の周方向全体にわたって一定の厚み(例えば、d2=7.0mm)を有するように形成された、正面視環状の部材であり、外側嵌合部25aの半径方向内側(図6において下側)には、凸部24の内側嵌合部24aが嵌合するようになっている。また、第3の管材23の中心軸線から外側嵌合部25aの半径方向内側までの半径距離c2の公差は、±0.1mmとされている(図18参照)。
第2の管材22の内側嵌合部24aと第3の管材23の外側嵌合部25aとは、嵌合させられた際に、凸部24の開先24bと凹部25の開先25bとにより形成された断面視V形の開先の内周端が、内側嵌合部24の外周面により塞がれる(シールされる)とともに、内側嵌合部24aの外周面と外側嵌合部25aの内周面との間には、ほとんど隙間ができないようになっている。
この状態で溶接が行われると、溶接部Wの内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部Wの内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。
すなわち、本実施形態に係る配管継手構造20によれば、溶接時のバックシールをなくすことができるとともに、管内における酸化スケールの発生を防止することができる。
バックシールをなくすことができることにより、従来、バックシールを行うために多量に必要とされた不活性ガスを不要とすることができ、コストの低減化を図ることができる。
また、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、従来、管内に発生した酸化スケールを取り除くために必要とされたフラッシング作業やハンマリング作業を不要とすることができ、建設、据付、工事時の工期を大幅に短縮することができる。
さらに、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、例えば、下流側に設置された発電タービン等のベアリングに酸化スケールが混入して、ベアリングを破損してしまう等といったアクシデントを確実に防止することができる。
さらにまた、第1の管材21、第2の管材22、および第3の管材23の内径が略同じになるように、すなわち、配管1の内周面が略同一面内に形成されるようになっているので、流体がどちらの方向に流れても、配管2の内部にゴミ等の不純物が堆積してしまうことがなく、また、上述した実施形態のものよりもさらにスムーズに流体を流すことができる。
さらにまた、内側嵌合部24aの厚みが、3.5mmに設定されているので、配管2の内周面側に溶接による焼け跡が形成されるのを防止することができる。
図7は本実施形態に係る配管継手構造30を有する配管3を、配管3の延在方向に平行となる面で切った展開図である。
配管3は、第1の管材31と、第2の管材(第一の管材)32と、第3の管材(第二の管材)33とを主たる要素として構成されたものであり、第2の管材32と第3の管材33との間には、配管継手構造30が設けられている。
第2の管材32は、第1の管材31と対向する側の端面に、例えば、V形の開先Bが形成され、かつ、反対側の端部(第3の管材33と対向する側の端部)に、配管継手構造30の凸部34が形成されたステンレス製の管材である。
第3の管材33は、第2の管材32と対向する側の端部に、配管継手構造30の凹部35が形成され、かつ、反対側の端面(第1の管材31と対向する側の端面)に、例えば、V形の開先Bが形成されたステンレス製の管材である。
図8に示すように、第2の管材32は、開先Bの側から凸部34の側にかけてその厚みが漸次増すように形成されている。すなわち、第2の管材32は、開先Bの側から凹部34の側にかけてその内径が漸次小さくなるとともに、開先Bの側から凸部34の側にかけてその外径が第1の管材31の外径と略同じ長さを維持するように作製されている。
内側嵌合部34aは、第2の管材32の周方向全体にわたって一定の厚み(d1=3.5mm以上であることが好ましい。)を有するように形成された、正面視環状の部材であり、内側嵌合部34aの半径方向外側には、凹部35の外側嵌合部35aが嵌合するようになっている。また、第2の管材32の中心軸線から内側嵌合部34aの半径方向外側までの半径距離の公差c1は、±0.1mmとされている(図17参照)。
そして、この内側嵌合部34aは、図1、図2、図3を用いて説明した第1実施形態のものよりも、その先端面が凹部35の基端側(根元側)に位置するように(すなわち、内側嵌合部34aと外側嵌合部35aとの重なり合う部分が多くなるように)、第2の管材32の延びる方向にさらに延ばして設けられている。
図9に示すように、第3の管材33は、開先Bの側から凹部35の側にかけてその厚みが略一定となるように形成されている。すなわち、第3の管材33の内径および外径は、第1の管材31の内径および外径と略同じ長さに形成されている。
凹部35は、第3の管材33の外周面に沿って突出する外側嵌合部35aと、この外側嵌合部35aの端面に形成された、例えば、V形の開先を有する開先部(第二の開先)35bとを有するものである。
外側嵌合部35aは、第3の管材33の周方向全体にわたって一定の厚み(例えば、d2=6.0mm)を有するように形成された、正面視環状の部材であり、外側嵌合部35aの半径方向内側には、凸部34の内側嵌合部34aが嵌合するようになっている。また、第3の管材33の中心軸線から外側嵌合部35aの半径方向内側までの半径距離の公差c2は、±0.1mmとされている(図18参照)。
第2の管材32の内側嵌合部34aと第3の管材33の外側嵌合部35aとは、嵌合させられた際に、凸部34の開先34bと凹部35の開先35bとにより形成された断面視V形の開先の内周端が、内側嵌合部34の外周面により塞がれる(シールされる)ようになっており、内側嵌合部34aの外周面と外側嵌合部35aの内周面との間には、1.0mm〜1.6mmの隙間を有している。
この状態で溶接が行われると、溶接部Wの内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部Wの内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。
すなわち、本実施形態に係る配管継手構造30によれば、溶接時のバックシールをなくすことができるとともに、管内における酸化スケールの発生を防止することができる。
バックシールをなくすことができることにより、従来、バックシールを行うために多量に必要とされた不活性ガスを不要とすることができ、コストの低減化を図ることができる。
また、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、従来、管内に発生した酸化スケールを取り除くために必要とされたフラッシング作業やハンマリング作業を不要とすることができ、建設、据付、工事時の工期を大幅に短縮することができる。
さらに、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、例えば、下流側に設置された発電タービン等のベアリングに酸化スケールが混入して、ベアリングを破損してしまう等といったアクシデントを確実に防止することができる。
さらにまた、第1の管材31、第2の管材32、および第3の管材33の外径が略同じになるように、すなわち、配管3の外周面が略同一面内に形成されるようになっているので、外部からの目視形状を整然とさせることができ、美観の向上を図ることができる。
また、第2の管材32は、開先Bの側から凸部34の側にかけてその厚みが漸次増すように形成されている。また、図7に示すように流体は第2の管材32の開先Bの側から凸部34の側の方向に流れる為、配管1の内部にゴミ等の不純物が堆積してしまうことがなく、スムーズに流体を流すことができる。
さらにまた、図1、図2、図3を用いて説明した実施形態のものよりも、内側嵌合部34aの先端面が凹部35の基端側(根元側)に位置するように(すなわち、内側嵌合部34aと外側嵌合部35aとの重なり合う部分が多くなるように)内側嵌合部34が形成されているので、内側嵌合部34と外側嵌合部35aとの間のくぼみを少なくすることができ、配管3の内部に堆積するゴミ等の不純物を前記第1の実施形態より減少させることができる。
さらにまた、第2の管材32は、市販されているJIS規格の標準的な管材を使って作製することができる。すなわち、第1の管材31および第3の管材33が、例えば、呼び径100mm(4インチ)のスケジュール40の管材(厚さ6.0mm)である場合には、呼び径100mm(4インチ)のスケジュール80の管材(厚さ8.6mm)を加工して(管材の内周面と両端面を削って)第2の管材32を容易に作り出すことができる。
さらにまた、内側嵌合部34aの厚みが、3.0mm〜3.5mmに設定されているので、配管3の内周面側に溶接による焼け跡が形成されるのを防止することができる。
図10は本実施形態に係る配管継手構造50を有する配管5を、配管5の延在方向に平行となる面で切った展開図である。
配管5は、第1の管材51と、第2の管材(第一の管材)52と、第3の管材(第二の管材)53とを主たる要素として構成されたものであり、第2の管材52と第3の管材53との間には、配管継手構造50が設けられている。
第2の管材52は、第1の管材51と対向する側の端面に、例えば、V形の開先Bが形成され、かつ、反対側の端部(第3の管材53と対向する側の端部)に、配管継手構造50の凸部54が形成されたステンレス製の管材である。
第3の管材53は、全体にわたって略一定の厚みを有するとともに、その両端部端面に、例えば、V形の開先(bevel)Bが形成されたステンレス製の管材である。
図11に示すように、第2の管材52の凸部54以外の部分は、開先Bの側から凸部54の側にかけてその厚みが略一定となるように形成されている。すなわち、第2の管材52の内径および外径は、第1の管材51の内径および外径、第3の管材53の内径および外径と略同じ長さに形成されている。
一方、第2の管材52の凸部54は、その外径が第1の管材51および第3の管材53と略同じ長さとされ、その内径が第1の管材51および第3の管材53の内径よりも短くなるように形成されている。
そして、第2の管材52の凸部54以外の部分の内周面と、第2の管材52の凹部54の内周面とは、その傾斜過度が緩やかな(なだらかな)傾斜面(角度4°〜6°)によって結ばれている。
内側嵌合部54aは、第2の管材52の周方向全体にわたって一定の厚み(d1=3.5mm以上であることが好ましい。)を有するように形成された、正面視環状の部材であり、内側嵌合部54aの半径方向外側には、第3の管材53の一端部が嵌合するようになっている。また、第2の管材52の中心軸線から内側嵌合部54aの半径方向外側までの半径距離の公差c1は、±0.1mmとされている(図17参照)。
図12に示すように、第3の管材53の中心軸線から内周面までの半径距離の公差a2は、±0.1mmとされている(図18参照)。
第2の管材52の内側嵌合部54aと第3の管材53の一端部とは、嵌合させられた際に、凸部54の開先54bと第3の管材53の開先Bとにより形成された断面視V形の開先の内周端が、内側嵌合部54aの外周面により塞がれる(シールされる)ようになっており、内側嵌合部54aの外周面と第3の管材53の一端部の内周面との間には、ほとんど隙間ができないようになっている。
この状態で溶接が行われると、溶接部Wの内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部Wの内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。
すなわち、本実施形態に係る配管継手構造50によれば、溶接時のバックシールをなくすことができるとともに、管内における酸化スケールの発生を防止することができる。
バックシールをなくすことができることにより、従来、バックシールを行うために多量に必要とされた不活性ガスを不要とすることができ、コストの低減化を図ることができる。
また、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、従来、管内に発生した酸化スケールを取り除くために必要とされたフラッシング作業やハンマリング作業を不要とすることができ、建設、据付、工事時の工期を大幅に短縮することができる。
さらに、管内における酸化スケールの発生を防止することができることにより、例えば、下流側に設置された発電タービン等のベアリングに酸化スケールが混入して、ベアリングを破損してしまう等といったアクシデントを確実に防止することができる。
さらにまた、第1の管材51、第2の管材52、および第3の管材53の外径が略同じになるように、すなわち、配管5の外周面が略同一面内に形成されるようになっているので、外部からの目視形状を整然とさせることができ、美観の向上を図ることができる。
さらにまた、第2の管材52は、市販されているJIS規格の標準的な管材を使って作製することができる。すなわち、第1の管材51および第3の管材53が、例えば、呼び径100mm(4インチ)のスケジュール40の管材(厚さ6.0mm)である場合には、呼び径100mm(4インチ)のスケジュール80の管材(厚さ8.6mm)を加工して(管材の内周面と両端面を削って)第2の管材52を容易に作り出すことができる。
さらにまた、第3の管材53の一端部(第2の管材52の凸部54と対向する側の端部)に、第1実施形態および第3実施形態のところで説明した外側嵌合部15a,35aを設ける必要がないので、第3の管材53を加工するのに要する時間とコストの低減化を図ることができる。
さらにまた、第2の管材52は、第2の管材52の部54以外の凸部分の内周面と、第2の管材52の凸部54の内周面とが、その傾斜角(4°〜6°)が緩やかな傾斜面によって結ばれており、図10に示すように流体は第2の管材52の開先Bの側から凸部54の側の方向に流れる為、管内の流路抵抗を実施例4の構造の場合よりも低減させることができ、管内の流体の流れをさらに円滑化することができ、配管5の内部にゴミ等の不純物が堆積してしまうことがなく、スムーズに流体を流すことができる。
さらにまた、内側嵌合部54aの厚みが、3.5mmに設定されているので、配管5の内周面側に溶接による焼け跡が形成されるのを防止することができる。
図13に示すように、配管のスパン間を実機の平均的スパンである2000mm,3000mmとした場合、両端支持梁集中加重モデルでの計算では、それぞれ2.6N/mm2,1.2N/mm2の応力が発生するものと考えられる。実機の疲労限を107回と仮定すると、図13から、配管5の公称応力Δσ=136,4N/mm2となり、配管5は、実機応力条件以上の疲労強度を有していることがわかる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の管材11,21,31,51と第2の管材12,22,32,52、および第1の管材21と第3の管材23をそれぞれ、上述した配管継手構造10,20,30,50により接続するようにすることもできる。
これにより、流体を配管1,3,5の内周面に沿ってスムーズに流すことができるとともに、内側嵌合部14a,34a,54aの端面(図において右側の端面)にゴミ等の不純物が堆積してしまうことを防止することができる。
これにより、組立現場での接続(溶接結合)箇所のみを本発明の配管継手構造として、接続(溶接結合)時のバックシールを完全になくすことができ、組立現場での接続(溶接結合)時の管内における酸化スケールの発生を確実に防止することができるとともに、組立現場における作業効率を向上させることができ、作業時間の短縮化を図ることができる。
なお、図4、図5、図6を用いて説明した第2実施形態の場合には、第1の管材21と第2の管材24、第3の管材23と第1の管材21とが予め工場にて接続(溶接結合)されていることとなる。
これにより、内側嵌合部14a,24a,34aと外側嵌合部15a,25a,35aとの間の隙間、または内側嵌合部54aと第3の管材53の一端部内周面との間の隙間を、周方向において略一定に保つことができ、第2の管材12,22,32,52と第3の管材13,23,33,53とを効率よく接続(溶接結合)することができて、組立現場における作業効率を向上させることができ、作業時間の短縮化を図ることができる。
そして、この隙間を維持した状態で溶接が行われると、溶接部の内周端が管内に露出することを防止することができ、かつ溶接部の内周端の酸化スケールの発生を防止することができる。なお、この差が1.0mmよりも小さいと、一方の管材が他方の管材に対して斜めになった状態で嵌合させることが困難となり、この差が1.6mmよりも大きいと、管外に存する不活性ガスが、内側嵌合部の半径方向外側に位置する面と、外側嵌合部の半径方向内側に位置する面との隙間、または内側嵌合部の半径方向外側に位置する面と、第二の管材の端面の半径方向内側に位置する面との隙間を通って管内に流れ込むこととなり、溶接金属が管内に噴出してしまうおそれがあり、好ましくない。
2 配管
3 配管
5 配管
10 配管継手構造
12 第2の管材(第一の管材)
13 第3の管材(第二の管材)
14 凸部(端部)
14a 内側嵌合部
14b 開先(第一の開先)
15 凹部(端部)
15a 外側嵌合部
15b 開先(第二の開先)
20 配管継手構造
22 第2の管材(第一の管材)
23 第3の管材(第二の管材)
24 凸部(端部)
24a 内側嵌合部
24b 開先(第一の開先)
25 凹部(端部)
25a 外側嵌合部
25b 開先(第二の開先)
30 配管継手構造
32 第2の管材(第一の管材)
33 第3の管材(第二の管材)
34 凸部(端部)
34a 内側嵌合部
34b 開先(第一の開先)
35 凹部(端部)
35a 外側嵌合部
35b 開先(第二の開先)
50 配管継手構造
52 第2の管材(第一の管材)
53 第3の管材(第二の管材)
54 凸部(端部)
54a 内側嵌合部
54b 開先(第一の開先)
B 開先(第二の開先)
E エルボ管(第一の管材)
T T形管(第一の管材)
Claims (7)
- 第一の管材の端部と、この第一の管材と隣接して配置された第二の管材の端部とが突合せ溶接により接続されるとともに、前記第一の管材の外表面と前記第二の管材の外表面とが、同一面内に形成されており、かつ、前記第一の管材の側から前記第二の管材の側に向かって流体が流れる配管継手構造であって、
前記第一の管材の端部に、内側嵌合部が周方向にわたって形成されているとともに、前記内側嵌合部の半径方向外側に、第一の開先が周方向にわたって形成されており、
前記第二の管材の端部に、前記内側嵌合部の半径方向外側に嵌合される外側嵌合部が形成されているとともに、この外側嵌合部の端面で、かつ前記第一の開先と対向する位置に第二の開先が周方向にわたって形成されていて、
前記第一の管材は、その内径が前記端部の側にかけて漸次小さくなるように形成されているとともに、その外径が一定の長さを維持するように形成されており、
前記第二の管材は、その内径および外径がそれぞれ一定の長さを維持するように形成されていて、
前記内側嵌合部の半径方向外側に位置する面の断面視形状および前記外側嵌合部の半径方向内側に位置する面の断面視形状がそれぞれ、周方向全体にわたって曲率が一定とされた真円となるように加工されていることを特徴とする配管継手構造。 - 第一の管材の端部と、この第一の管材と隣接して配置された第二の管材の端部とが突合せ溶接により接続されるとともに、前記第一の管材の外表面と前記第二の管材の外表面とが、同一面内に形成されており、かつ、前記第一の管材の側から前記第二の管材の側に向かって流体が流れる配管継手構造であって、
前記第一の管材の端部に、内側嵌合部が周方向にわたって形成されているとともに、前記内側嵌合部の半径方向外側に、第一の開先が周方向にわたって形成されており、
前記第二の管材の端面で、かつ前記第一の開先と対向する位置に第二の開先が周方向にわたって形成されていて、
前記第一の管材は、その内径が前記端部の側にかけて漸次小さくなるように形成されているとともに、その外径が一定の長さを維持するように形成されており、
前記第二の管材は、その内径および外径がそれぞれ一定の長さを維持するように形成されていていることを特徴とする配管継手構造。 - 前記内側嵌合部の半径方向外側に位置する面の断面視形状および前記第二の管材の端面の半径方向内側に位置する面の断面視形状がそれぞれ、周方向全体にわたって曲率が一定とされた真円となるように加工されていることを特徴とする請求項2に記載の配管継手構造。
- 前記内側嵌合部の厚みが、3.0mm以上とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれ一項に記載の配管継手構造。
- 前記内側嵌合部の半径方向外側に位置する面間の直径と、前記外側嵌合部の半径方向内側に位置する面間の直径との差、または前記内側嵌合部の半径方向外側に位置する面間の直径と、前記第二の管材の端面の半径方向内側に位置する面間の直径との差が、1.0mm〜1.6mmとされていることを特徴とする請求項1または3に記載の配管継手構造。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の配管継手構造によって接続されたことを特徴とする配管。
- 請求項6に記載の配管を具備してなることを特徴とするプラント。
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