JP4786019B2 - 替刃剃刀 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、理容室において顔剃り等に使用される替刃剃刀に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の替刃剃刀は、替刃を挟持可能なホルダと、そのホルダに挟持された替刃とから構成されている。そして、このような替刃剃刀で顔剃りを行う場合には、替刃の刃先を皮膚に接触させた状態で、替刃剃刀を皮膚に沿って移動させる。
【0003】
ところで、替刃剃刀で顔剃りを行う場合において、皮膚に対する替刃の角度(対皮角度)を大きくする程、即ち、ホルダを立てる程、安全性が向上することが知られている。しかし、ホルダを立て過ぎると、剃り心地は悪くなる。
【0004】
そこで、特許公報第2555432号では、剃り心地を良くするために、ホルダの外側面の刃先側端部に円弧状膨出部を設け、替刃を皮膚に対して略平行にして、刃先とともに円弧状膨出部を皮膚に接触させて顔剃りを行う替刃剃刀の使用方法が提案されている。このような替刃剃刀では、円弧状膨出部が皮膚に接触してホルダ重量及びホルダ運行荷重を受け止めるため、刃先に荷重が集中することはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単にホルダの外側面の刃先側端部を円弧状に膨出させただけの形状では、膨出部の曲率半径によっては剃り心地が悪くなることもある。即ち、膨出部の曲率半径が小さ過ぎると、膨出部と皮膚との摩擦力が大きくなり過ぎて、剃り心地が悪くなる。一方、膨出部の曲率半径が大き過ぎると、膨出部は皮膚に接触するものの、替刃の刃先は皮膚に接触し難くなる。そのため、膨出部及び刃先の両方を皮膚に接触させるためにホルダを立てる必要があり、剃り心地が悪くなる。
【0006】
本発明の目的は、剃り心地が悪くなることを防止することが可能な替刃剃刀を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、刃先が突出される替刃を挟持可能な一対の挟着手段を備えたホルダと、そのホルダに挟持された替刃とを備えた替刃剃刀であって、前記ホルダは、前記各挟着手段の少なくともいずれか一方の外側面の刃先側端部における下側縁部から連接するとともに、皮膚を窪ませるために外方に対し円弧状に膨出する膨出部が形成され、その膨出部の曲率半径が2〜5mmとされ、前記各挟着手段の少なくともいずれか一方の外側面であって、前記膨出部の反刃先側には、前記膨出部に連接するように内方に円弧状をなす湾曲面が形成され、その湾曲面の曲率半径が8〜12mmとされており、前記ホルダに対する前記替刃の突出長さが0.3〜0.9mmとされたことを特徴とする替刃剃刀を要旨としている。
【0008】
尚、当該ホルダは、替刃を挟持して顔剃りを行うためのものである。そして、顔剃りを行う場合には、膨出部で皮膚を窪ませた状態で、替刃剃刀を皮膚に沿って移動させる。即ち、顔剃りを行う場合には、膨出部が皮膚に接触する。そのため、膨出部の曲率半径が2mm未満の小さな場合には、その曲率半径の小さな膨出部が皮膚に接触することになり、十分に皮膚を窪ませることができないばかりか、膨出部と皮膚との摩擦力が大きくなり過ぎる。従って、剃り心地が悪くなる。そこで、膨出部の曲率半径の下限値を2mmとしているのである。又、膨出部の曲率半径が5mmを超える大きな場合には、膨出部は皮膚に接触するものの、替刃の刃先は皮膚に接触し難くなる。そのため、膨出部及び刃先の両方を皮膚に接触させるためにホルダを立てる必要がある。従って、剃り心地が悪くなる。そこで、膨出部の曲率半径の上限値を5mmとしているのである。
【0009】
従って、請求項1に記載の発明によれば、膨出部の曲率半径を2〜5mmとしたため、例えば、当該ホルダで替刃を挟持して顔剃りを行った場合において、剃り心地が悪くなることはない。
【0011】
尚、湾曲面の曲率半径が8mm未満の小さな場合には、挟着手段の厚さが薄くなって、必要な剛性が得られない。そこで、湾曲面の曲率半径の下限値を8mmとしているのである。又、湾曲面の曲率半径が12mmを超える大きな場合には、挟着手段の厚さが必要以上に厚くなって、ホルダが大型化する。そこで、湾曲面の曲率半径の上限値を12mmとしているのである。
【0012】
従って、請求項に記載の発明によれば、前記請求項1に記載の発明の作用に加えて、湾曲面の曲率半径を8〜12mmとしたため、挟着手段に必要な剛性が得られ、しかもホルダが大型化することはない。
【0014】
尚、ホルダに対する替刃の突出長さが0.3mm未満の短い場合には、顔剃りを行うときに、ホルダの膨出部は皮膚に接触するものの、替刃の刃先は皮膚に接触し難くなる。そのため、膨出部及び刃先の両方を皮膚に接触させるためにホルダを立てる必要がある。従って、剃り心地が悪くなる。そこで、ホルダに対する替刃の突出長さの下限値を0.3mmとしているのである。又、同突出長さが0.3mmから0.9mmに近づく程、剃り心地は良くなるが、ホルダに対する替刃の突出長さが0.9mmを超える長い場合には、膨出部及び刃先の両方を皮膚に接触させるためにホルダを寝かせる必要がある。そのため、顔剃りが行い難くなる。そこで、ホルダに対する替刃の突出長さの上限値を0.9mmとしているのである。
【0015】
従って、請求項に記載の発明によれば、ホルダに対する替刃の突出長さを0.3〜0.9mmとしたため、剃り心地が悪くなることはなく、しかも顔剃りが行い難くなることもない。
【0016】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の替刃剃刀において、替刃の刃先からホルダの膨出部に接する接線と、替刃の中央線とのなす角度を24〜32度とした。
【0017】
尚、一般に、替刃の刃先からホルダの膨出部に接する接線と、替刃の中央線とのなす角度が小さい程、剃り心地が良く、同角度が大きい程、顔剃りが行い易いことが知られている。そのため、同角度が24度未満の小さな場合には、剃り心地は良くなるが、顔剃りは行い難くなる。そこで、同角度の下限値を24度としているのである。又、同角度が32度を超える大きな場合には、顔剃りは行い易くなるが、剃り心地は悪くなる。そこで、同角度の上限値を32度としているのである。
【0018】
従って、請求項に記載の発明によれば、前記請求項に記載の発明の作用に加えて、顔剃りが行い難くなったり、剃り心地が悪くなったりすることはない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1は替刃剃刀を示す斜視図である。替刃剃刀1はホルダ2と同ホルダ2に挟持された替刃3とを備えている。ホルダ2は柄部4と固定挟着部材5と可動挟着板6とを備えている。固定挟着部材5は柄部4と一体に成形されている。固定挟着部材5の先端部には固定挟着部7が形成されている。前記固定挟着部7に対向する位置には可動挟着板6が設けられており、両者6、7の協働により替刃3が挟着されている。尚、替刃剃刀1を先端側から見たとき、左側に可動挟着板6が、右側に固定挟着部7が、それぞれ配置されている。
【0020】
図2に示すように、固定挟着部7は、替刃3(図2においては図示しない)が位置決めされつつ載置される刃体載置部11と、可動挟着板6の後記する支軸32、33が回動自在に支持される支持筒12、13と、バネ装着部14と、バネ装着部14に装着されている板バネ15とを備えている。刃体載置部11は、固定挟着部7における上下方向の中央付近から下側縁部にかけて平滑に形成されており、その最上部には、上下方向への替刃3の移動を制限するための係止突状部16が形成されている。尚、固定挟着部7の基端方向(図2においては左側)への替刃3の移動は、可動挟着板6を係止する壁状部17によって制限されている。
【0021】
又、係止突状部16の上面には、固定挟着部7の基端側から先端側に延びる断面半円状のガイド溝18が形成されており、可動挟着板6の支軸32、33は、このガイド溝18に案内されつつ支持筒12、13に到達する。支持筒12、13は、断面半円状のガイド溝18の先端側、及び基端側において、その開口部が先基端側方向を向く筒状体によって形成されており、先端側の支持筒12は、支軸32の被係止部41を係止するために基端側の支持筒13よりも短く形成されている。
【0022】
バネ装着部14は、装着される板バネ15の寸法に対応するように凹設されており、その中央部分には、装着される板バネ15の装着位置を定めるためのバネ装着突起19が形成されている。板バネ15は、下側から見て略M字状に形成されており、その中央部分に形成された装着孔20にてバネ装着部14のバネ装着突起19に係合され、係止ワッシャ21によって遊動自在に装着されている。
【0023】
可動挟着板6は、前記固定挟着部7の刃体載置部11との協働により替刃3を挟着する刃体挟着部31と、支持筒12、13に挿嵌される支軸32、33と、板バネ15によって押圧される被押圧部34とを備えている。刃体挟着部31は、可動挟着板6における上下方向の中央付近から下側縁部にかけて平滑に形成されており、その最上部には、係止突状部16を受けるため、係止突状部16に対応する断面段状の帯状溝35が形成されている。帯状溝35の上面には、可動挟着板6の基端側から先端側に延びる断面半円状のガイド溝36が形成されており、このガイド溝36と支持筒12、13とが係合した状態でスライドされることにより、各支軸32、33が各支持筒12、13に案内される。
【0024】
支軸32、33は、支持筒12、13に挿嵌される軸部37、38と、軸部37、38を可動挟着板6に固定する固定部39、40とから構成されており、ガイド溝36の先端側、及び基端側において、軸部37、38が基端側を向くように配設されている。そして、先端側に位置する支軸32の軸部37の周囲には、先端側の支持筒12に確実に係止されるための被係止部41が形成されている。この被係止部41は、支軸32における軸部37の先端付近に、軸部37が有する断面径よりも大きな断面径を有するよう形成されている。そして、軸部37が支持筒12に挿嵌された後、板バネ15の弾性力によって、両者12、37の軸が軸の径方向にずれるのに伴って、被係止部41が支持筒12に係止されるのである。
【0025】
次に、本実施形態の替刃剃刀1の特徴点について説明する。図3に示すように、固定挟着部7の反可動挟着板側側面は、図3に示すようにその下側縁部から湾曲形成されており、該下側縁部から連接するとともに、皮膚を窪ませるために外方に対し円弧状に膨出する膨出部51と同膨出部51に連接された凹状の湾曲面52とを備えている。本実施形態では、膨出部51の曲率半径は3mmに設定されている。又、湾曲面52の曲率半径は9mmに設定されている。一方、可動挟着板6の反固定挟着部側側面は、図3に示すようにその下側縁部から湾曲形成されており、該下側縁部から連接するとともに、皮膚を窪ませるために外方に対し円弧状に膨出する膨出部53と同膨出部53に連接された凹状の湾曲面54とを備えている。本実施形態では、膨出部53の曲率半径は3mmに設定されている。又、湾曲面54の曲率半径は9mmに設定されている。
【0026】
又、固定挟着部7の刃体載置部11と可動挟着板6の刃体挟着部31との協働により挟着された替刃3において、ホルダ2に対する替刃3の突出長さD1は0.7mmに設定されている。そして、替刃3の刃先から膨出部51に接する接線L1と、替刃3の中央線Mとのなす角度θ1は約26.9度に設定されている。又、替刃3の刃先から膨出部53に接する接線L2と、前記中央線Mとのなす角度θ2は約26.9度に設定されている。即ち、替刃剃刀1を先端側から見ると、可動挟着板6及び固定挟着部7の湾曲形成された側面同士は、前記中央線Mを中心に略左右対称形状となっている。
【0027】
又、固定挟着部7における刃体載置部11から湾曲面52までの距離T1、ガイド溝18から湾曲面52までの距離T2、可動挟着板6における刃体挟着部31から湾曲面54までの距離T3、帯状溝35から湾曲面54までの距離T4、ガイド溝36から湾曲面54までの距離T5は、それぞれ約0.75mmに設定されている。
【0028】
次に、上記のように構成した替刃剃刀1の作用を説明する。
まず、可動挟着板6を固定挟着部7に組み付ける場合には、左手で柄部4を握った状態で、右手で可動挟着板6を持ち、固定挟着部7の内側面(刃体載置部11が形成されている方の面)と可動挟着板6の内側面(刃体挟着部31が形成されている方の面)とを対向させる。そして、各支軸32、33をガイド溝18に合わせるとともに、ガイド溝36を各支持筒12、13に合わせる。この際、可動挟着板6の基端を固定挟着部7に突設された目印Sに合わせるとよい。そして、左手で柄部4を握ったまま右手で固定挟着部7及び可動挟着板6を握り、可動挟着板6の湾曲面54に右手の親指を添えて、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを右手の親指と人差し指とで挟むように押圧する。
【0029】
すると、可動挟着板6の背部が固定挟着部7の背部に近接し、被押圧部34が板バネ15を押圧することにより、各支軸32、33の軸部37、38と各支持筒12、13とが同一軸線上に位置する。そして、その状態で可動挟着板6を図4に示すようにスライドさせていくと、やがて、各支持筒12、13に支軸32、33の軸部37、38が挿嵌される。このとき、膨出部53及び湾曲面54によって右手の親指に引っ掛かりができるため、可動挟着板6をスムーズにスライドさせることができる。
【0030】
そして、可動挟着板6が固定挟着部7の壁状部17に当接したところで、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部との押圧を止めると、板バネ15が非押圧状態に戻ろうとして被押圧部34を押圧し、可動挟着板6の背部を押し広げる。ここで、先端側の支軸32の軸部37の先端付近には、軸部37の断面径よりも大きな断面径を有する被係止部41が形成されている。そのため、板バネ15の弾性力によって可動挟着板6の背部が押し広げられると、支軸32の軸部37と支持筒12とが同一軸線上から軸の径方向にずれることになる。従って、被係止部41が支持筒12に係止され、支軸32は先端側の支持筒12に確実に係止される。その結果、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを押圧しながら、可動挟着板6をスライドさせない限り、可動挟着板6が固定挟着部7から外れることはない。即ち、可動挟着板6は、各支軸32、33が各支持筒12、13に回動自在に挿嵌されることにより、固定挟着部7に対して回動自在に係止されている。
【0031】
次に、替刃3をホルダ2に装着する場合には、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを左手の親指と人差し指とで挟むように押圧し、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを近接させる。すると、可動挟着板6の刃体挟着部31と固定挟着部7の刃体載置部11とが離間するため、その離間した刃体挟着部31と刃体載置部11との間に替刃3を挿入する。
【0032】
次に、替刃剃刀1で顔剃りを行う場合には、例えば、図6に示すように、右手で柄部4を握った状態で固定挟着部7の湾曲面52に右手の親指を添えて、固定挟着部7の背部と可動挟着板6の背部とを右手の親指と人差し指とで軽く挟むようにしてもよい。このようにすれば、膨出部51及び湾曲面52によって右手の親指に引っ掛かりができるため、安定した状態で顔剃りを行うことができる。
【0033】
次に、替刃3を交換するために、替刃3をホルダ2から取り外す場合には、替刃3をホルダ2に装着する場合と同様に、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを左手の親指と人差し指とで挟むように押圧する。そして、その押圧に基づいて離間した刃体挟着部31と刃体載置部11との間から替刃3を引き抜く。
【0034】
次に、可動挟着板6と固定挟着部7との間の汚れを落とすために、可動挟着板6を固定挟着部7から取り外す場合には、左手で柄部4を握った状態で可動挟着板6の湾曲面54に左手の親指を添えて、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを左手の親指と人差し指とで挟むように押圧する。そして、各支軸32、33の軸部37、38と各支持筒12、13とを同一軸線上に位置させた状態で、可動挟着板6を図5に示すようにスライドさせていくと、可動挟着板6を固定挟着部7から取り外すことができる。このとき、膨出部53及び湾曲面54によって左手の親指に引っ掛かりができるため、可動挟着板6を左手のみでスムーズにスライドさせることができる。
【0035】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ホルダ2の可動挟着板6及び固定挟着部7において、それぞれの外側面の刃先側端部における下側縁部から連接するとともに、皮膚を窪ませるために外方に対し円弧状に膨出する膨出部51、53を形成している。そのため、ホルダ2で替刃3を挟持して顔剃りを行った場合において、膨出部51、53が皮膚に接触してホルダ重量及びホルダ運行荷重を受け止めるため、刃先に荷重が集中することはない。つまり、刃先で皮膚を傷つけてしまう虞が低減され、ソフトな剃り味が得られ、肌荒れを起こし難い顔剃りが可能となる。しかも、膨出部51、53の曲率半径をそれぞれ3mmとしている。そのため、剃り心地が悪くなることはない。従って、剃り心地が悪くなることを防止することができる。
【0036】
(2)加えて、可動挟着板6及び固定挟着部7のそれぞれの外側面であって、膨出部51、53の反刃先側には、膨出部51、53に連接するように内方に円弧状をなす湾曲面52、54を形成している。そして、その湾曲面52、54の曲率半径をそれぞれ9mmとしている。その結果、固定挟着部7における刃体載置部11から湾曲面52までの距離T1、ガイド溝18から湾曲面52までの距離T2、可動挟着板6における刃体挟着部31から湾曲面54までの距離T3、帯状溝35から湾曲面54までの距離T4、ガイド溝36から湾曲面54までの距離T5を、それぞれ約0.75mm確保している。即ち、可動挟着板6及び固定挟着部7に必要な剛性を得るためには、距離T1〜T5が0.5mm以上必要であるが、替刃剃刀1の距離T1〜T5は、0.5mmを上回る0.75mmである。そのため、可動挟着板6及び固定挟着部7に必要な剛性が得られ、しかもホルダ2が大型化することはない。従って、ホルダ2が大型化することを抑制しつつ、耐久性を向上させることができる。
【0037】
(3)さらに、ホルダ2に対する替刃3の突出長さD1を0.7mmとしている。そのため、剃り心地が悪くなることはなく、しかも顔剃りが行い難くなることもない。従って、剃り心地の良さと顔剃りの行い易さとを両立させることができる。
【0038】
(4)又、替刃3の刃先からホルダ2の膨出部51、53に接する接線L1、L2と、替刃3の中央線Mとのなす角度θ1、θ2を、それぞれ約26.9度としている。そのため、顔剃りが行い難くなったり、剃り心地が悪くなったりすることはない。従って、顔剃りの行い易さと剃り心地の良さとを両立させることができる。
【0039】
(5)可動挟着板6を固定挟着部7に組み付ける場合には、例えば、左手で柄部4を握った状態で可動挟着板6の湾曲面54に右手の親指を添えて、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを右手の親指と人差し指とで挟むように押圧し、その状態で可動挟着板6をスライドさせる。このように可動挟着板6をスライドさせるときには、膨出部53及び湾曲面54によって右手の親指に引っ掛かりができるため、可動挟着板6をスムーズにスライドさせることができる。
【0040】
(6)可動挟着板6を固定挟着部7から取り外す場合には、例えば、左手で柄部4を握った状態で可動挟着板6の湾曲面54に左手の親指を添えて、可動挟着板6の背部と固定挟着部7の背部とを左手の親指と人差し指とで挟むように押圧し、その状態で可動挟着板6をスライドさせる。このように可動挟着板6をスライドさせるときには、膨出部53及び湾曲面54によって左手の親指に引っ掛かりができるため、可動挟着板6を左手のみでスムーズにスライドさせることができる。
【0041】
(7)右利きの人が替刃剃刀1で顔剃りを行う場合には、例えば、右手で柄部4を握った状態で固定挟着部7の湾曲面52に右手の親指を添えて、固定挟着部7の背部と可動挟着板6の背部とを右手の親指と人差し指とで軽く挟む。このようにして顔剃りを行うときには、膨出部51及び湾曲面52によって右手の親指に引っ掛かりができるため、安定した状態で顔剃りを行うことができる。
【0042】
(8)加えて、左利きの人が替刃剃刀1で顔剃りを行う場合には、上記(7)と同様に、膨出部53及び湾曲面54によって左手の親指に引っ掛かりができるため、安定した状態で顔剃りを行うことができる。即ち、可動挟着板6の外側面に膨出部53及び湾曲面54を、固定挟着部7の外側面に膨出部51及び湾曲面52を、それぞれ形成したため、左利きの人又は右利きの人に関係なく、安定した状態で顔剃りを行うことができる。
【0043】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、ホルダ2に対する替刃3の突出長さD1を0.7mmとしたが、図7に示すように、同突出長さD1を0.5mmとしてもよい。この場合、替刃3の刃先からホルダ2の膨出部51、53に接する接線L1、L2と、替刃3の中央線Mとのなす角度θ1、θ2は、約30.4度となる。このように構成すれば、前記実施形態と比較して、替刃3において刃体載置部11と刃体挟着部31との間に挿入する部位の長さを短くすることが可能である。
【0044】
・加えて、ホルダ2に対する替刃3の突出長さD1を0.3〜0.9mmの範囲で任意に変更してもよい。このように構成すれば、同突出長さD1が0.3mmに近い程、顔剃りを行い易くすることができる。又、同突出長さD1が0.9mmに近い程、ホルダ2を寝かせて使用でき、剃り心地を良くすることができる。
【0045】
・さらに、替刃3の刃先からホルダ2の膨出部51、53に接する接線L1、L2と、替刃3の中央線Mとのなす角度θ1、θ2を24〜32度の範囲で任意に変更してもよい。このように構成すれば、同角度θ1、θ2が24度に近い程、剃り心地を良くすることができる。又、同角度θ1、θ2が32度に近い程、顔剃りを行い易くすることができる。
【0046】
・前記実施形態では、ホルダ2の膨出部51、53の曲率半径を3mmとしたが、2〜5mmの範囲で任意に変更してもよい。このように構成すれば、同曲率半径が2mmに近い程、剃り心地を良くすることができる。又、同曲率半径が5mmに近い程、顔剃りを行い易くすることができる。
【0047】
・前記実施形態では、ホルダ2の湾曲面52、54の曲率半径を9mmとしたが、8〜12mmの範囲で任意に変更してもよい。このように構成すれば、同曲率半径が8mmに近い程、ホルダ2が大型化することを抑制することができる。又、同曲率半径が12mmに近い程、ホルダ2の耐久性を向上させることができる。
【0048】
・前記実施形態では、ホルダ2に膨出部51、53及び湾曲面52、54を形成し、替刃剃刀1を先端側から見ると、可動挟着板6及び固定挟着部7の湾曲形成された側面同士が、替刃3の中央線Mを中心に略左右対称形状となるように構成したが、左右非対称形状となるように構成してもよい。即ち、膨出部51及び湾曲面52を省略して、固定挟着部7の反可動挟着板側側面を平滑に形成してもよい。このように構成すれば、左手で柄部4を握った状態で可動挟着板6の湾曲面54に左手の親指を添えて顔剃りを行う場合には、湾曲面54によって左手の親指に引っ掛かりができる。従って、左利きの人が安定した状態で顔剃りを行うことができる。
【0049】
・或いは膨出部53及び湾曲面54を省略して、可動挟着板6の反固定挟着部側側面を平滑に形成してもよい。このように構成すれば、右手で柄部4を握った状態で固定挟着部7の湾曲面52に右手の親指を添えて顔剃りを行う場合には、湾曲面52によって右手の親指に引っ掛かりができる。従って、右利きの人が安定した状態で顔剃りを行うことができる。
【0050】
・前記実施形態では、替刃剃刀1を先端側から見たとき、左側に可動挟着板6が、右側に固定挟着部7が、それぞれ配置された構成としたが、左側に固定挟着部7が、右側に可動挟着板6が、それぞれ配置された構成としてもよい。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、剃り心地が悪くなることを防止することができる。
【0053】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、ホルダが大型化することを抑制しつつ、耐久性を向上させることができる。
又、請求項1の発明によれば、ホルダに対する替刃の突出長さを0.3〜0.9mmとしたため、剃り心地が悪くなることはなく、しかも顔剃りが行い難くなることもない。
さらに、請求項1の発明によれば、顔剃りを行うときには、膨出部及び湾曲面によって親指に引っ掛かりができるため、安定した状態で顔剃りを行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、剃り心地の良さと顔剃りの行い易さとを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の替刃剃刀を示す斜視図。
【図2】 可動挟着板及び固定挟着部の構成を示す斜視図。
【図3】 替刃剃刀を先端側から見た要部拡大図。
【図4】 可動挟着板を固定挟着部に組み付ける様子を示す斜視図。
【図5】 可動挟着板を固定挟着部から取り外す様子を示す斜視図。
【図6】 顔剃り時における替刃剃刀の持ち方を示す斜視図。
【図7】 替刃剃刀の別例を示す要部拡大図。
【符号の説明】
1…替刃剃刀、2…ホルダ、3…替刃、6…挟着手段としての可動挟着板、7…挟着手段としての固定挟着部、51…膨出部、52…湾曲面、53…膨出部、54…湾曲面、D1…突出長さ、L1…接線、L2…接線、M…中央線、θ1…角度、θ2…角度。

Claims (2)

  1. 刃先が突出される替刃を挟持可能な一対の挟着手段を備えたホルダと、そのホルダに挟持された替刃とを備えた替刃剃刀であって、
    前記ホルダは、前記各挟着手段の少なくともいずれか一方の外側面の刃先側端部における下側縁部から連接するとともに、皮膚を窪ませるために外方に対し円弧状に膨出する膨出部が形成され、その膨出部の曲率半径が2〜5mmとされ、前記各挟着手段の少なくともいずれか一方の外側面であって、前記膨出部の反刃先側には、前記膨出部に連接するように内方に円弧状をなす湾曲面が形成され、その湾曲面の曲率半径が8〜12mmとされており、
    前記ホルダに対する前記替刃の突出長さが0.3〜0.9mmとされたことを特徴とする替刃剃刀。
  2. 請求項1に記載の替刃剃刀において、替刃の刃先からホルダの膨出部に接する接線と、替刃の中央線とのなす角度を24〜32度とした替刃剃刀。
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