JP4783969B2 - 調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は煮物の煮こぼれを防止するガスあるいは電気等の調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にこの種の調理器において煮物調理を行うと、煮汁が沸騰するまでは強火力で加熱し、煮汁が沸騰すると弱火力に調節するように構成してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような調理器にあっては、煮汁が沸騰すると短時間で煮こぼれを起こしてしまい、煮こぼれの防止ができなかった。
【0004】
また、調理に関し、例えば熱源がバーナの場合、その燃焼炎は火力に応じて一定の炎の形状であるから被加熱体が鍋などの場合は同一箇所を加熱することになり、鍋にとっては部分加熱の継続で調理を行う結果となって、全面加熱の均一出来映えは到底望めるものではなかった。
【0005】
また、煮物調理においては、上記分布むらとは別個に、加熱の与え方によって出来映えが変化するのにそのことが深く検討されていないため調理物を美味しく仕上げるという点で今一歩の感があった。
【0006】
本発明は上記従来のように煮こぼれをさせることなく調理ができる調理器の提供を目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分が異なる煮込み火力に自動的に替える構成としてある。
【0008】
上記発明によれば、沸騰前の所定温度に達すると、自動的に強火力、弱火力を繰り返す加熱を行うようになり、煮こぼれがおきにくくなると共に上記強火力、弱火力、の時間配分が異なることによって煮物の内容に応じた適正な加熱ができることになり、上手に仕上げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の調理器は各請求項に記載の構成によって実施できるものである。
【0010】
すなわち請求項1記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分が異なる煮込み火力に自動的に替える構成としてあり、沸騰直後の煮こぼれ成分の除去のための対流を激しくさせながら、ねばの成分をより早く洗い落とし、煮こぼれを防止できる。
【0011】
また請求項2記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は煮物煮こぼれ防止手段及び沸騰判定手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達して、かつ沸騰判定手段で沸騰検知した時から所定時間、強火力から、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力より高い煮こぼれ防止火力に合わせた火力に自動的に切り替える構成としてあり、沸騰までの立ち上がりも早く、しかも煮こぼれを防止させる。
【0012】
また請求項3記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したときから所定時間、強火力から、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力より高い煮こぼれさせない火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に自動的に切り替える構成としてあり、煮こぼれを防止できる。
【0014】
また請求項4記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、量判定を行って、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、前記量判定結果に基づき量判定で少量と判定したときには400kcal/hより大きい火力2に、多量と判定したときには火力2より大きい火力3の煮込み火力に自動的に切り替える構成としてあり、量判定に基づいた煮込み火力に自動火力調整させることから調理量にあった煮込み火力を自動的に設定し、しかも煮こぼれを防止できる。また、一般家庭で調理される大半の調理を、煮こぼれさせず、煮込み最適火力で調理可能となる。
【0015】
また請求項5記載の調理器は、請求項4に加え火力2を700kcal/hにし、火力3を1000kcal/hにした構成としてあり、一般家庭で調理される大半の調理を、煮こぼれさせず、煮込み最適火力で調理可能となる。
【0016】
また請求項6記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に切り替え、所定時間経過後、被加熱体底面を略均一に加熱するための、強火力、中火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる第二煮込み火力に自動的に切り替える構成としてあり、沸騰直後の煮こぼれ成分の除去のための対流を激しくさせながら、ねばの成分をより早く洗い落とし、洗い落とした時点で激しい対流を起こさず、鍋底を均一加熱させる加熱方式に自動的に切り替えすることにより、煮こぼれずしかも略均一に加熱ができる。
【0017】
また請求項7記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段と沸騰判定手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に自動的に切り替え、前記沸騰判定手段で沸騰と判定してから所定時間加熱後、被加熱体底面を略均一に加熱するための、強火力、中火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる第二煮込み火力に自動的に切り替える構成としてあり、煮こぼれずしかも略均一に加熱ができる調理器を提供できる。
【0018】
また請求項8記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いから被加熱体中の調理物の温度と、調理内容を推定し、推定に従って調理物が沸騰前の火力切替所定温度であるか判定させ、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、調理内容毎に予め定めた煮こぼれを生じ難くさせる、煮込み火力に自動火力切り替える構成としてあり、単なる鍋底等の被加熱体底の測温による調理物の沸騰以前の温度推定では相当大きい誤差が生じていたが、調理物の概略推定と、調理物の温度判定で沸騰前の所定温度精度の向上を図り火力切替を適時に行うと共に、調理内容にあった火力を自動的に供給できることが可能となった。
【0019】
また請求項9記載の調理器は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段とを有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせ、かつ被加熱体底面を略均一に加熱するための、強火力、中火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に自動的に切り替える構成としてあり、使用者が手動で火力調節手段のキー入力を行うと通常の火力調節に復帰させることができることから、自動調理では火力を煮こぼれ防止のため、やや弱めに設定しておいて、手動では使用者の経験で火力変更でき、使用者の満足度の向上と煮こぼれ防止性能の向上の双方が成り立つ調理器を提供できる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の一実施例をガス調理器を例にして添付図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施例は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
図1(a)は本発明の実施例にかかるガス調理器の外観を示す斜視図であって、ガス調理器は、鍋底温度センサー2を備えた左こんろ1、右こんろ3、グリル4及び操作部5を備えて構成されている。前記操作部5には、図1(b)に示すように、各燃焼部の操作を個別に行う、左こんろ用点火/消火キー6、右こんろ用の点火/消火キー7、グリル用の点火/消火キー8、左こんろ用火力調節キー9、10、右こんろ用火力調節キー11、12、グリル用の火力調節キー13、14と、左こんろ用火力表示発光体15、右こんろ用火力表示発光体16、グリル用の火力表示発光体17、左コンロの調理モードの設定入力を行う各設定キー(調理モード設定手段)39、40とそれらの設定を表示する各表示ランプ42、43、グリルタイマーを設定するキー41とその表示ランプ44が設けられ、また、点火操作禁止用のチャイルドロックスイッチ19と、操作部近傍には制御のための電池を収納する電池収納部20が設けられている。
【0022】
前記左こんろ1は、図2に示すように、鍋底温度センサー(鍋底温度検出手段)2及び熱電対(燃焼温度検出手段)21、点火プラグ22が設けられた左こんろバーナー23を備え、この左こんろバーナー23には、制御回路24によって開閉制御されるガス制御ブロック25からガスが供給される。前記ガス制御ブロック25はホースエンド26からガスが入り、共用の元電磁弁27を通り左こんろバーナ用のガスの開閉及び火力調節を行う左こんろガス制御部29を介しノズル32を通して左こんろバーナにガスが供給される。前記ガス制御ブロック25の各ガス制御部29、30、31は大別して流量制御部33と前記流量制御部33を駆動させる電動駆動手段となるステッピングモーター34(以下モーターという)、前記流量制御部33の位置を検出する位置検出手段となるエンコーダー35から構成している。
【0023】
上記の構成でチャイルドロックスイッチ19がOFFであることを確認し、点火/消火キー6をON操作すると、制御回路に電源が入り制御回路24を起動させ、制御回路24の制御によって、左こんろガス制御部29を点火流量位置に移動させ、前記元電磁弁27を開成させ、前記点火プラグ22により左こんろバーナー23を点火させる。
【0024】
この制御回路24には前記鍋底温度センサー2の検出温度、熱電対21の検出温度が入力され、これらの入力データ及び前記操作部からの設定入力に基づいて前記左こんろガス制御部29を駆動制御して、左こんろバーナー23に供給されるガス流量を調節して自動制御による火力調整を行うことができる。
【0025】
また、前記右こんろ3は、図2に示すように、その燃焼部に熱電対21及び点火プラグ22が設けられた右こんろバーナー36を備え、この右こんろバーナー36には、制御回路24によって開閉制御されるガス制御ブロック25からガスが供給される。前記ガス制御ブロック25はホースエンド26からガスが入り、共用の元電磁弁27を通り、右バーナ用のガスの開閉及び火力調節を行う右こんろガス制御部30を介しノズル32を通して右こんろバーナー36にガスが供給される。
【0026】
上記の構成でチャイルドロックスイッチ19がOFFであることを確認し、点火/消火キー7をON操作すると、制御回路24に電源が入り制御回路24の制御によって、右こんろガス制御部30を点火流量位置に移動させ、前記元電磁弁27を開成させ、前記点火プラグ22により右こんろバーナー36を点火させる。
【0027】
この制御回路24には熱電対21の検出温度が入力され、この入力データ及び前記操作部からの火力設定入力に基づいて前記右こんろ流量制御部30を駆動制御することにより右こんろバーナー36に供給されるガス流量を調節し、入力される加熱温度に基づいて右こんろバーナー36の燃焼状態を監視する。
【0028】
また、前記グリル4は、図2に示すように、その燃焼部に熱電対21及び点火プラグ38が設けられたグリルバーナー37を備え、このグリルバーナー37には、制御回路24によって開閉制御されるガス制御ブロック25からガスが供給される。前記ガス制御ブロック25はホースエンド26からガスが入り、共用の元電磁弁27、ガバナ28を通りグリルバーナ37のガスの開閉及び火力調節を行うグリルガス制御部31を介しノズル32を通してグリルバーナ37にガスが供給される。
【0029】
上記の構成でチャイルドロックスイッチ19がOFFであることを確認し、点火ボタン8をON操作すると、制御回路24に電源が入り制御回路24の制御によって、グリルガス制御部31を点火流量位置に移動させ、前記元電磁弁27を開成させ、前記点火プラグ38によりグリルバーナー37を点火させる。
【0030】
この制御回路24には熱電対21の検出温度が入力され、この入力データ及び前記操作パネル5からの火力設定入力に基づいて前記グリル流量制御部31を駆動制御することによりグリルバーナー37に供給されるガス流量を調節し、入力される加熱温度に基づいてグリルバーナー37の燃焼状態を監視する。
【0031】
上記構成からわかるように、左こんろ1、右こんろ3、グリル4からなる各燃焼部の燃焼状態は前記制御回路24によって制御される。
【0032】
図3(a)(b)は本発明のガス調理器のガス制御ブロック25を示す図で、ガスはホースエンド26から、元電磁弁27を通り、個々のバーナのガス制御部29、30、31に行く。前記個々のバーナのガス制御部に入ったガスは、流量制御部33のコックボデー33−1から入って流量制御板33−2、スライド閉子33−3を介してコックボデー33−1のガス出口33−4に到達し、ノズルに通じるガス管42に行く。
【0033】
また前記流量制御板33−2はスライド閉子33−3と共にバネ33−5にてコックボデー33−1に挿圧され、ガスのシール圧力としている。また、前記スライド閉子33−3にはスライド駆動用の駆動連結軸33−6の一端が嵌合され、他の一端はステッピングモーター34の駆動連結部34−1に接続されている。また、前記駆動連結軸33−6にはピン34−2を有し、ピン34−2にて、コックボデー33−1に固定されたエンコーダー35(位置検出手段)の可動部に継合させ、駆動連結軸33−6の移動状態を前記エンコーダー35に伝え、位置検出させる構成としている。また、前記駆動連結軸33−6にはOリング33−7をコックボデー33−1との間に使用しガスシールを行っている。前記エンコーダー35はリード線35−1、元電磁弁27はリード線27−1、モーター34はリード線34−2を介して制御回路24に接続されている。
【0034】
前記モーター34は、図4(a)(b)に示すようにそのシャフト部にネジ部49を有しネジ部49に嵌合する雌ネジ50を設け、前記雌ネジ50の先端部に駆動連結軸33−6を固定して駆動連結部34−1を構成している。従って、ステッピングモーター34に駆動パルスを1パルス送出するとステッピングモーター34は1極分回転し、ネジ部49もその分回転し、雌ネジ50がその分移動することとなる。参考的に1例を示すと、モーターの極数を24極、ネジのリード2mmとすると、1パルスで2/24=0.08mm移動する。
【0035】
従って、ステッピングモーター34を回転させると駆動連結部34−1で直線移動が行われ、駆動連結軸33−6が移動し、駆動連結軸33−6の先端に嵌合されたスライド閉子33−3が移動する。一方流量制御板33−2は固定されているため、スライド閉子33−3の中央に設けたガス通過用の調節部となる貫通穴33aが、図6c〜fに示すように順次ガス流量制御板33−2のガス流量調節部となる穴位置と合わさることとなりガスの流量変化を行う。上記構成としていることから、ステッピングモーター34のトルクはスライド閉子33−3を付勢するバネ33−5と駆動連結軸33−6のガスシール用Oリング33−7の荷重とエンコーダー35を駆動させるスラスト荷重とになるが、バネ33−5の荷重はスライド閉子33−3に直角方向でスライド方向には常に一定荷重となり、荷重自体も少ない。また流量制御方式は流量制御板33−2とスライド閉子33−3の貫通穴の重なり状態で決定されることから、各火力切替段における流量精度はニードル方式に比較して精度も格段に向上する。
【0036】
また、ガスの流量調節が必要なときのみ、モーターを駆動させる方式のため、常は、モーターが作動せず、省電力化が出来、電池電源と相性がよい。
【0037】
なお、流量調節はニードル方式であっても以降に説明する各内容は実施可能であり、スライド閉子のみにしか適用できないというものではない。
【0038】
図5(a)〜(c)は、エンコーダー35の外観図を示したものである。先の図4(a)(b)で説明した通り駆動連結軸33−6に垂直方向にピン34−2を設け、このピン34−2の移動量をエンコーダー35で検出する構成としている。前記のエンコーダー35は大分してパターンを印刷した基板35−1と外郭を構成する外郭体35−2と基板を摺動させる摺動体35−3と基板から信号を取り出すリード線35−4から構成され、前記摺動体35−3には、パターンに合致した集電子35−5が設けられている。
【0039】
図6(a)〜(f)は、エンコーダー35のパターンと火力の相関とパルス数を示す図であり、閉位置、弱火位置、中弱位置、中火位置、中強位置、強位置の5段階火力切替位置があり、火力位置をエンコーダー35とステッピングパルスの双方で検出しようとする構成のものである。
【0040】
A点はトラック1がON(トラック4(+COM)とトラック1とが、集電子によって導通状態にある)、トラック2と3がOFFである。尚トラック4(+COM)は共用の電源供給パターンである。この状態は、ガスを遮断した閉止状態を示している(スライド閉子33−3の貫通穴33aは流量制御板33−2の穴33bに係っていないのでガスは流れない)。
【0041】
安全的に考えてこの状態は、トラック1のみがON状態で、リード線の、断線、短絡、何れの場合でも検知する事を可能としており、(トラック1がONの時には他がONしてはならない。トラック1が断線したら閉止位置が無くなり、元電磁弁を遮断させる等により)フェールセーフの配慮を行っている。また、この位置はステッピングモーター34の移動パルスは0の状態とし、パルスカウンタ(後述)も0にリセットする。
【0042】
Bゾーンは、トラック1、2、3、共にOFF状態であり、ガスの遮断状態から開弁状態への移行段階を表している。移行段階においては、各トラック共にOFF状態で、パルスカウンタが所定のパルス数となっても、例えば駆動部が固着してステッピングモーター34が回転しない場合などで所定位置に達していない異常状態であることが認識できる構成とし安全性に配慮している。
【0043】
C点は、トラック1、2、OFF、トラック3、ONで弱位置の状態である。流量制御板33−2の最小穴位置1個からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される(弱火力状態は同図(d)に示すようにスライド閉子33−3の孔が流量制御板33−2の小孔1個に掛かり最小流量が流れる)。
【0044】
また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離3.58/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数45である。特に最小位置に関してはこの位置より閉止側に移動すると一旦閉止状態となりガスの供給が遮断され、再度開方向に移動させると生ガスがでる構成に必然的になっているため、最小位置検出は、パルスのカウンタ数とエンコーダー35の双方で確認し、安全性を確保する構成としてある。
【0045】
D点はトラック1、OFF、トラック2、3、ONで、中弱火位置を示している。中弱火位置では流量制御板33−2の2個の穴位置からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離5.2/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数65である。
【0046】
安全性に関しては、最小火力位置と最大火力位置の中間にあり、2重確認の必要度は緩和されるが、位置の検出に関してはエンコーダー35とパルスカウンタの双方で行っていることから、例えばノイズの影響によるパルスカウンタの誤作動時等に対しても確実に位置が検出できる特徴を有しその分使いやすさの向上を図っている。
【0047】
E点はトラック1、OFF、トラック2、ON、トラック3がONからOFFに切り替わった時点で、中火位置を示している。中火位置では同図(f)に示すように流量制御板33−2の3個の穴位置からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離6.7/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数84である。
【0048】
従って位置は、D点と同様にパルスのカウンタ数とエンコーダー35の双方で確認することが可能である。
【0049】
F点はトラック1、3、OFF、トラック2ONで、中強火位置を示している。中強火位置では流量制御板33−2の4個の穴位置からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離8.2/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数102である。
【0050】
この場合エンコーダー35のパターン位置は決定されずパルス管理のみで管理されている。
【0051】
F点の位置はエンコーダー35のパターンとは一致せず、パルスカウンタの数値で位置決定している。理由は、エンコーダー35のパターンの節約で、コストを低減させる目的であるが、一実施例の説明として全ての位置をエンコーダー35で行うことは容易に出来ることから、このF点は、エンコーダー35では一致していない例を挙げた。特に安全性に関しては、最小位置と最大位置の中間位置にあり燃焼状態は確保された範囲の火力調節で、多少のパルスカウンタ変動は、安全性に無害である。また、位置検出の精度に関しては前後位置からのパルス数も少なく、誤差も集積されないソフト処理が可能であることから実施可能と成ったものである。
【0052】
G点はトラック1はOFF、トラック2、3はONで、強火位置を示している。強火位置では同図(e)に示すように流量制御板33−2の最大穴からガスは流入しガス管42を介して、ノズル32に供給される。また、A点を起点としてステッピングモーター34の駆動パルスは、移動距離11.4/パルス当たりの移動量0.08mm=パルス数143である。
【0053】
最大火力位置の位置検出は、エンコーダー35とパルスカウンタの2重で検出する構成としている。最大位置を越え移動させることは、ガス流量制御機構に通常使用以外の無理な荷重を付加する結果となり、機構の信頼性の低下に成ることを防ぐ目的からも必要である。
【0054】
さてここで図4(a)(b)を用いて個々のガス制御部29の流量制御構成体のスラスト方向のガタを説明する。すなわち、ステッピングモーター34が回転し、その回転が駆動連結部34−1を介し、駆動連結軸33−6の先端に係合されたスライド閉子33−3がスライドするまでの間の伝達誤差を説明する。また、エンコーダー35の駆動は前記駆動連結軸33−6とピン34−2で連結されていることから、スライド閉子33−3の移動と、エンコーダー35の移動とも往復運動時には位置誤差が生じる。これらの説明を行い、誤差をマイコンソフトで修正し正確な位置を常に保つための手段について説明する。
【0055】
ステッピングモーター34にはスラスト方向にAのガタがあり、モーターの回転をスラスト方向に転換する駆動連結部34−1はリードネジ間にBのガタがあり、駆動連結軸33−6に圧入した駆動連結部34−1のピン34−2とエンコーダー35の連結部にはCのガタがあり、雌ネジと駆動連結軸33−6にはDのガタがあり、駆動連結軸33−6の先端に係合したスライド閉子33−3の間にEのガタが存在する。それぞれのガタツキは、スライド閉子開方向と、閉方向でスライド距離の誤差として火力変化の回数と共に増加する。例えばA=0.5、B=0.1、C=0.2、D=0.1、E=0.2と仮定すると、合計1.1になる。前述のごとく、モーターの1パルスの移動距離を0.08とすれば、誤差は14パルスになる。この誤差は閉方向と開方向との回転方向を変化させる毎に発生するものである。
【0056】
例えば、図4(a)の状態から、図4(b)の状態(強燃焼から弱燃焼)に移行させるとき、モーターはAのガタ0.5/0.08=6パルス空打ちし、ネジの嵌合ガタ分Bの0.1/0.08=1パルスの接触替えを行い、Cのエンコーダー35とピンのガタ分Cの0.2/0.08=3の接触位置替えを行い、Dのガタ0.2/0.08=3の雌ネジと駆動連結軸33−6の接触位置換え、スライド閉子33−3と駆動連結軸33−6のガタ分Eの0.1/0.08=1パルスでスライド閉子33−3がスライドすることとなる。これらのガタは製造バラツキで一定でなくある幅で変化する。
【0057】
一方、流量を変化させる流量制御板33−2の小穴のピッチは、弱から中弱までの距離が1.62mm、パルスで20パルスであり、製造毎に変化する誤差と流量制御の位置精度とは大きくずれている。この課題の解消には、個々の部品精度の向上があるが、コスト的にも到底ガス調理器具に適するものではない。
【0058】
本発明においては、誤差の大きなものでも使用可能とするため、エンコーダー35の位置とパルスカウンタの比較を利用し、器具に組み込んだ状態でマイコンソフトで使用時に誤差吸収を行うもので、エンコーダー35の端の時点から所定パルス(例えば10パルス)移動させた後、逆方向に移動させ前記エンコーダー35の端に到達したときのパルス数(例えば20パルス)が前記10パルスと比較した差10パルスがこの器具の誤差であり、移動方向が異なる場合この誤差を加算することにより、常に正しい火力位置に設定できる。
【0059】
これをマイコンソフト処理で行っているものであり、このマイコンソフトの処理内容は後述する。
【0060】
次に制御回路の構成を示す。図7において、制御回路24は、電池電源51から、定電圧制御手段52を介して、制御回路24に定電圧を供給し、電池電源51から直接モーター用IC53、54、55を介してステッピングーター34に電力供給を行い、元電磁弁出力56を介して電磁弁27にも電力供給を行っている。また電池51の電圧を検出するため電圧検出手段57を有し測定電圧を駆動制御部58に入力している。
【0061】
駆動制御部58は、操作と表示ブロック65の左右こんろ部66、67とグリル部68の入力キー&表示69、70、71、及びチャイルドロックスイッチ19のキー入力を判定するキー入力判定手段72、前記各種表示の出力段73、前記キー入力指示があった場合、電池電源ゆえに電源供給能力面からモーターの駆動を1個のみとし、同時に駆動させる場合における優先順位を司る総合作動手段64を有する。そしてさらに前記キー入力判定手段72の指示により総合作動手段64を介して作動する左こんろ1の左こんろ駆動判定部59と、右こんろ3の右こんろ駆動判定部60と、グリル4のグリル駆動判定部61が有り、更に各駆動判定部の指示で作動し、電源電圧を判定する電圧判定手段81に基づいて、左こんろ用モーター用IC53、右こんろ用モーターIC54、グリル用モーターIC55への電力供給状態を可変させ省電力化を行う省電力化判定手段75、及び各駆動判定部の指示でガス制御部29、30、31の火力調節位置と火力設定条件により左こんろ用モーター用IC53、右こんろ用モーターIC54、グリル用モーターIC55への速度可変出力を司るモーター速度制御手段76がある。
【0062】
上記以外に前記キー入力の特定入力(同一キーを連続押し等)でデモモード(器具の説明を行なう)を行うデモモード判定手段78、流量制御ブロックの部品状態と完成品での検査状態であるかを判定する検査モード判定手段77、及び検査モード入出力端子62、左右こんろとグリルの使用火力の状態に応じて換気の状態を可変させる為の換気連動判定手段80、及びその換気連動端子63、制御回路24と各ガス制御部29、30、31、及び電磁弁出力回路56の各種の故障状態を判定し機器を個別もしくは全体を停止させるかを判定する故障判定手段79、及び表示部にその故障状態を表示させサービス対応力を向上させる目的の故障表示判定手段74等から構成されている。
【0063】
更に左こんろ1の左こんろ駆動判定部59は、温度センサー2から入力される温度データを温度判定する温度判定部82を介し、操作部から入力される調理モード指定の設定入力と合わせ、調理モードを判定する調理モード判定部83を有し、調理モードに応じた焦げ付き防止判定部84、過熱防止判定部85、煮物判定部86、湯沸かし判定部87を有している。
【0064】
また、左、右こんろ2、3及びグリル4の駆動判定部59、60、61は、熱電対25から入力される温度検出データにより燃焼監視を行うと共にタイマーによる点火からの時間経過の計時データに基づいて立ち消えや消し忘れ等の緊急事態に際しては左、右こんろまたはグリルのガス制御部29、30、31を閉じる制御を行う。
【0065】
上記構成になる制御回路24によるガス調理器の制御方法について、以下に示すフローチャートを参照して説明する。尚、各フローチャートに示すS1、S2…は、処理手順を示すステップ番号であって、本文に添記する番号と一致する。
【0066】
まず、図8は点火、消火動作のキー入力状態を示すもので、キー入力判定手段72は、操作部5のチャイルドロック19がOFFの場合S1(各種の操作キーを受け付ける状態)で、点火キーが0.3秒以上押された場合S2、キー入力有りと判断し、左こんろS3か、右こんろかS4、グリルかS5を確認し、該当こんろを記憶させた後S6、該当こんろが使用中か否か判断させるS7。該当こんろが使用中の場合消火動作であることと優先度1であることを総合作動手段64に指示しS8、該当使用こんろの記憶を消しS9、同一キーが所定時間以上連続的に押されていないかS10を判定する。押されている場合は故障判定手段79に点火キーの故障である旨指示をするS11。また、該当こんろが使用中で無い場合S7、点火動作である旨と優先度2であることを総合作動手段64に指示しS12、同一キーが所定時間以上連続的に押されていないかS10を判定する。押されている場合は故障判定手段79に点火キーの故障である旨指示をするS11構成としている。
【0067】
ここで優先順位を設けてモーターを作動させる意味合いは、電池電源の場合大きな負荷を一度にかけると極端な電圧低下が発生し、マイコンの電圧も下がり停止することになる。これを防ぐためモーターは複数同時に回さないように配慮し、その場合安全性使い勝手から使用事象に応じて、優先度を設けるもので、優先度1は消火動作、優先度2は点火動作、優先度3は手動火力調節動作、優先度4は自動火力調節動作としている。
【0068】
また点火キーの押し続けの配慮は、例えば、水滴がキーに入った、物がキーを押していた、等勝手にスイッチが入っていたという危険な状態を回避するための手段である。火力調節キーについても同様の意味合いで安全タイマーを設けているのである。
【0069】
また、図9と図10は、火力調節のキー入力状態を示すもので、図9は単純5段階火力調節のキー入力方法を示し、図10は5段階火力制御に、リニアな火力制御を切り替えさせる操作を行う火力調節のキー入力を示した一例を示したものである。
【0070】
図9に於いて、キー入力判定手段72は、こんろが使用中であるか判断しS13、使用中の場合火力調節キー入力が0.1秒以上か判定しS14、その場合は左こんろかS15、右こんろかS16、グリルかS17を判定し、該当こんろを記憶しS18、火力がUPかS19、DOWNかS20を判定し、総合作動手段64へ優先度3と共に指示をしS21、同一キーが所定時間以上連続的に押されていないかS22、を判定する。押されている場合は故障判定手段79に火力キーの故障である旨指示をするS23構成としている。
【0071】
図10に於いて、キー入力判定手段72は、こんろが使用中であるか判断しS24、使用中の場合火力調節キー入力が0.1秒以上か判定しS25、その場合は左こんろかS26、右こんろかS27、グリルかS27−1を判定し、該当こんろを記憶しS28、火力キーの押し時間が0.3秒以上か判断しS29、以下の場合は、図9と同様に、火力がUPかS30、DOWNかS31、を判定し総合作動手段64へ優先度3と共に指示をしS32、同一キーが所定時間以上連続的に押されていないかS33を判定する。押されている場合は故障判定手段79に火力キーの故障である旨指示をするS34。
【0072】
一方、0.3秒以上の場合(リニア火力制御)S29は、火力がUPかS35、DOWNかS36、を判定し、総合作動手段64へ、リニア火力制御で、優先度3と共に指示しS37、同一キーが所定時間(10秒)以上連続的に押されていないかS38を判定する。押されている場合は故障判定手段79に火力キーの故障である旨指示をするS39。
【0073】
リニア火力調節の火力キーは押し続ける時間が段階火力切替に比べて長いことから、S38にて安全タイマーは長い時間にしているのである。
【0074】
図11は、操作部5にある左こんろ用の各種調理モードキーに対するキー入力判定手段72の内容を示したものであ。調理モードキーの入力があった場合S40、湯沸かしキーでないか判定しS41、そうである場合は湯沸かしモードに決定しS42、そうでない場合はそれぞれ、湯沸かしか、煮物かS44を決定する。そののち、左こんろ使用中であるかS46、使用中の場合点火してから1分以内か確認しS47、1分以内の場合は次段の総合作動手段64を介して左こんろ駆動判定部59へ指示しS48、そうでない場合はS47、入力状態をリセットして元に戻すS52。また、使用していない場合S46は、タイマーを作動させS49、所定時間内に点火動作があるか確認しS50、所定時間に点火動作がある場合は次段の総合作動手段64を介して左こんろ駆動判定部59へ指示をしS48、点火動作が無い場合はリセットして元に戻すS52。
【0075】
上記した内容がキー入力判定手段の具体内容の一例である。
【0076】
次に上記のキー入力判定手段を介して次段の総合作動手段64の内容を以下に記す。
【0077】
図12に総合作動手段64の動作を示す。まず点火キー入力があるか判定しS60、電池の電圧を検出する電圧検出手段57の電圧が電圧判定手段81で3.2V以下か判定しS61、以下の場合は、通常使用モードとしてデモモードか判定S62し、以上の場合は検査実行モードとして、検査モード判定手段77へ移行するS63。尚、検査モード判定手段77は別途記載する。
【0078】
次に調理モード指示であるか判定しS65、調理モード指示である場合は左こんろ駆動判定装置の調理モード設定手段に内容を指示するS66。調理モード指示でない場合S65、点火指示であるか判定しS67、点火指示の場合、他のこんろを使用していないか判定しS68、他のこんろを使用していない場合該当こんろに駆動指示を行いS69、その後、元電磁弁27を開成しS70、点火器出力88を出すS71。
【0079】
点火指示でない場合S67であって、消火指示か火力変更指示の場合S67−1、他のモーターが回転中か判定しS67−2(点火操作で他こんろを使用している場合S68もこの項に接続)、他のモーターが回転中の場合S67−2、回転中の優先順位は該当こんろの優先順位と比べて低いかを判定しS67−3、低い場合は回転中のモーターを停止させ、該当こんろに駆動指示をするS72。そうでない場合S67−3は該当こんろの駆動を待避させ回転完了まで待ち、停止後該当こんろの駆動を指示するS73。他のモーターが駆動していない場合S67−2該当こんろに駆動を指示するS74。
【0080】
図13〜図15はこんろ駆動判定部の内容を示すもので、前記総合作動手段64からの指示により作動する。まず図13において、エンコーダー35の状態を位置判定手段90(図6に示す相関表)で読みとり現在位置としS75、閉止指示か判定しS76、閉止指示の場合は閉止位置である確認をしS77、閉止位置でない場合(エンコーダー位置が100でない場合)は、モーターエラーSUBに行きS78、閉止位置の場合はS76に戻る。
【0081】
閉止指示でない場合S76、点火指示か判定しS79、その場合は2時間タイマーをONしS80、火力の目的位置を中強位置にセットするとともにパルス数を102にセットしS81、速度を高速にして回転方向を強方向に指示しS82、ランプの点灯を中強に指示するS83。その後、駆動制御部58内の省電力化判定手段S84とモーター速度制御手段S85を介し、モーターICを介してパルスを出力しS86、モーターを回転させモーターに出力したパルス数をカウンタでカウントさせる「N=N+1」S87。パルスカウンタのカウント数が「20カウント<N」となったときS88、エンコーダー位置がBゾーン「000」であるか確認しS89、そうでない場合は「モーターエラーSUB」S90に進み(別途記述)、そうである場合はパルスカウンタが目的位置である中強位置102パルス数のMパルス手前である「102−M<N」に達したか判定しS91、達した場合のみエンコーダー35が目的位置である中強位置「010」であるか判定しS92、エンコーダー35が目的位置で無い場合、パルスカウンタの値Nが中強位置のパルス数102にMを加算した値以上であるか「102+M<N」判定しS93、そうでない場合はS84に戻し、そうである場合はモーターエラーSUBに飛ぶS94(モーターエラーSUBは後述)。
【0082】
一方エンコーダー位置が目的の中強位置になった場合S92、パルス数を基準の中強パルス数(102)に修正しS95、図15に示す如く点火器にON指示しS96、バーナに着火したことを判別する熱起電力があるか「TC起電力有り」判別しS97、無い場合は7秒経過したか判別しS98、7秒経過したら点火器をOFFしてS99、TCエラーとしてS100、故障判定手段79へ指示するS101。前記7秒以内に熱起電力が発生した場合S97、点火器をOFFしてS102、再度熱起電力があるか判定しS103、熱起電力がある場合2時間経過したかを判定しS104、2時間経過した場合消火指示を行うS105。また熱起電力が無くなった場合S103、TCエラー処理に行くS100。
【0083】
また、点火指示でない場合S79、図14に示す如く消火動作か判定しS106、消火動作でない場合は火力変更に進む(図17〜図21に記載)。消火動作の場合まず目的位置を閉止位置、目的エンコダー位置を閉止位置「100」とし、パルス数を閉子移動パルスK(現在位置から閉止位置までのパルス数を算出しKに代入する(図6に示す相関表参照))S107。そして速度を高速、回転方向を弱方向としS108、ランプをOFF指示しS109、エンコーダー位置が「弱〜中弱」の位置にあるか判定しS110、その場合はモーター速度を微速にしS111、そうでない場合は高速に指示するS112。
【0084】
その後、駆動制御部58内の省電力化判定手段S113とモーター速度制御手段S114を介し、モーターICを介してパルスを出力しS115、モーターを回転させモーターに出力したパルス数をカウンタでカウント「K=K−1」させるS116。パルスカウンタのカウント数が目的位置であるKからP手前に達したか「K<P」判定しS117、達した場合のみエンコーダー35が目的位置である閉止位置「100」であるか判定しS118、その場合はその時点のエンコーダー位置のパルス数を0に置換しS119、駆動制御部58に消火位置設定が終了であることを指示するS120。エンコーダー35が目的位置である閉止位置「100」で無い場合S118、パルスカウンタが目的パルス数KにP1を減算した値「K<−P1」でない場合S121、S110に戻りS121、繰り返す。そうである場合はS121、モーターエラーSUBに行くS122(後述)。
【0085】
ここで常に現在位置確認を行っているのは、多こんろ使用中に使用していないこんろの閉止位置を確認し安全を確保するためである。また点火位置を中強位置にしているのは、中火点火の目的で点火時の袖火対策の配慮であり強火で急激な点火で不安感がおこることを解消するためである。2時間タイマーは消し忘れ防止の隠しタイマーで、安全性、省エネの配慮を行ったものである。
【0086】
点火時、20パルスの出力でエンコーダー35の位置確認を行っているのは、初動時にトルク不足でスライド閉子が可動しているかの確認を行うためで、もしスライド閉子が可動していない場合は後述するトルクアップ電力で回転させるようにしてあり、当初は低トルクで作動させ電力を削減しようとする特徴を有するものである。
【0087】
次に図4において、強弱方向に繰り返し使用すると機構のガタつきでパルス数と位置が合致しないことが発生することを説明したが、誤差を吸収する手段のソフト処理を火力変更の前、点火後に1回処理することにより解消させるその処理内容を図16に記す。
【0088】
図16は誤差検出処理を示したもので、速度を高速、回転方向を強方向としS123、省電力化判定手段S124とモーター速度制御手段S125を介し、パルスを出力させS126、パルス数をカウンタでカウントし「N=N+1」S127、(a1)に数値が代入されていないか確認しS128、代入されていない場合エンコーダ位置が中強位置(010)になったか判定しS129、なるまではS124に戻り、なった場合そのパルス数を(a)に記憶しS130、その時点で目的パルスを(a)+10に変更しS131、(a1)に記憶させS132、S124に戻り、(a1)が0でなくなった場合S128、(a1)=NになるまでS133、S124とS133を繰り返す。
【0089】
(a1)=NになったときS133、回転方向を弱方向に逆転指示しS134、省電力化手段(75)S135とモーター速度制御手段(76)S136を介し、パルスカウンターでパルス数をカウントし(q=q+1)S137、エンコーダ位置が中強位置(010)になったか判定しS138、なったときのパルス数を(a2)に記憶しS139、(a3)=(a2)−(a1)で機器の固有誤差を算出しS140、(a3)を往復運動時の誤差として記憶させ、逆転させた場合に毎回加算させ火力調節の精度向上を図るものである。
【0090】
上記の操作は点火操作時に1回のみ行うもので、この操作により部品バラツキを解消させることが可能となるものである。また上記は電池電源を使用し、毎回電源を切る場合の出来事であり、記憶素子を使用した場合は、製造時に設定すれば良く、家庭電源であれば、電源投入時に1回行えばよい。
【0091】
次に駆動制御部58内の総合作動手段から火力変更の指示があった場合のこんろ駆動判定手段59の動作を示すものである。火力変更には5段階火力変更と、5段階+リニア火力変更の2方法があり図17、図18は5段階火力変更の場合を示し、図19〜図21は5段階+リニア火力変更の場合を示す。
【0092】
図17、図18において、火力変更指示がUPか判定しS143、UPの場合、現在位置が強位置であれば受け付けずS144、強位置でない場合は目的位置を現在火力+1としS145、ランプを1個上に切替え点灯しS146、図6に基づいて現在のエンコーダ位置から1個上のエンコーダー位置Eに変更しS147、モーター駆動の出力パルス数Pを選択し「パルス数=現在パルス(G)+P」S148、回転方向を強方向に指示するS149。これが前回回転方向と同一方向か判定しS150、同一方向の場合は「目的パルス数=パルス数」としS151、同一方向でない場合補正(a3)をパルス数に加算した値を目的パルス数とするS152。
【0093】
速度指示のためエンコーダ位置が弱〜中弱範囲の時S153には速度を微速に指示しS154、中弱〜中範囲の時S155には低速に指示しS156、中〜中強範囲の時S157には中速に指示しS158、中強〜強の時S159には高速に指示するS160。その後駆動制御部58の省電力化手段(75)S161とモーター速度判定手段(76)S161−1とを介して、モーターにパルスを出力しS162、エンコーダー35の位置判定とパルス数をカウントしS163、目的パルスよりSパルス手前の「目的パルス−S<(G)+(a3)+N」を判定しS164、条件成立時エンコーダ位置Eが指定位置であるか判定しS165、条件成立時はパルス数を図6に基づき標準位置に修正しS167、現在の回転方向を記憶させS168、元のフローに戻すS169。条件成立時S164、エンコーダ位置Eが指定位置で無い場合S165、パルス数が目的パルスよりSパルスオーバーの「パルス数+S<(G)+(a3)−N」になったときS170、モータエラーSUBに行くS171。
【0094】
また、火力変更指示がDOWNの時S172、現在位置が弱位置であれば受け付けずS173、弱位置でない場合、目的位置を現在火力位置−1としS174、ランプを現行から1個火力を下げた位置に変更しS175、図6に基づいて現在のエンコーダ位置から1個下のエンコーダー位置Eに変更しS176、モーター駆動の出力パルス数を「パルス数=現在パルス(G)−P」を選択しS177、回転方向を弱方向に指示するS178。これが前回回転方向と同一方向か判定しS179、同一方向の場合は目的パルス数=パルス数としS180、同一方向でない場合補正値(a3)をパルス数に加算した値を目的パルス数とするS181。
【0095】
速度指示のためエンコーダ位置Eが弱〜中弱範囲の時S182には速度を微速に指示しS183、中弱〜中範囲の時S184には低速に指示しS185、中〜中強範囲の時S186には中速に指示しS187、中強〜強の時S188には高速に指示するS189。その後駆動制御部の省電力化手段S190とモーター速度判定手段S191を介してモーターにパルスを出力しS192、エンコーダ35の位置判定Eとパルス数をカウントしS193、目的パルス数よりSパルス手前の「目的パルス+S<(G)+(a3)−N」を判定しS194、条件成立時エンコーダ位置Eが指定位置であるか判定しS195、条件成立時はパルス数を図6に基づき標準位置に修正しS196、現在の回転方向を記憶させS197、もとのフローに戻すS169。条件成立時エンコーダ位置Eが指定位置で無い場合S195、パルス数が目的パルス数よりSオーバーの「目的パルス数−S<(G)+(a3)−N」になったときS198、モータエラーSUBに行くS171。
【0096】
図19〜図21は火力5段階+リニア火力調節の火力切替内容を示すもので、火力変更が5段切替か判定しS199、5段切替の場合は、前述図17に示す内容を実行する(その説明は既述通り)。5段切替でない場合、すなわちリニア火力変更の場合S200、火力変更がUP方向の場合S201、現在が強位置か判定しS202、強位置の場合は元に戻しS199、そうでない場合は可動させるパルス数を現在パルスに+X(Xの値は2〜5の範囲で火力変化が目で解る程度の値で燃焼部位毎に設定する)加算した値としS203、回転方向を強方向に指示するS204。これが前回と回転方向が同じか判断しS205、同じ場合は目的パルス数=パルス数としS206、回転方向が異なる場合は目的パルス数=パルス数+(a3)としS207、パルス数の設定を行う。ここで(a3)は回転方向を変えたときの機構の遊びをソフトで解消させるステップ数で前述した内容である。
【0097】
可動目的パルス数が決定したら、次はエンコーダー35の位置が弱〜中弱の範囲の場合S208には速度を微速S209、中弱から中の範囲の場合S210には低速S211、中〜中強の場合S212には速度を中速S213、中速から強の範囲の時S214には速度を高速S215とし、駆動制御部58の省電力化手段(75)S216とモーター速度判定手段(76)S217を介して、モーターにパルスを出力するS218。その後、エンコーダー35の位置とパルスカウンタでパルス数を検出しS219、目的位置になったらS219−1、火力のランプに関して弱〜中弱の範囲の場合S220にはランプを中弱にS221、中弱から中の範囲の場合S222にはランプを中にS223、中〜中強の場合S224にはランプを中強にS225、中強〜強の範囲の時S226にはランプを中強にS227、強の場合S228にはランプを強にS229に指示し、火力調節キーが押し続けの場合S230は元に戻しS230−2、そうでない場合はS201に戻す。ランプの指示の目的は弱位置のランプは弱火力になったときのみ点灯させる最小火力の保証である。
【0098】
火力変更がDOWN方向の場合S231、現在が弱位置か判定しS232、弱位置の場合は元に戻しS199、そうでない場合は可動させるパルス数を現在パルスに−X(Xの値は2〜5の範囲で火力変化が目で解る程度の値で器具毎に設定する)減算した値としS233、回転方向を弱方向に指示しS234、前回と回転方向が同じか判断しS235、同じ場合は目的パルス数=パルス数としS236、回転方向が異なる場合は目的パルス数=パルス数+(a3)としS237、パルス数の設定を行う。ここで(a3)は回転方向を変えたときの機構の遊びをソフトで解消させるステップ数で、前述した内容である。
【0099】
可動目的パルス数が決定したら、次はエンコーダー35の位置が弱〜中弱の範囲の場合S238には速度を微速S239、中弱から中の範囲の場合S240には低速S241、中〜中強の場合S242には速度を中速S243、中速から強の範囲の時S244には速度を高速としS245、駆動制御部58の省電力化手段S246とモーター速度判定手段S247を介して、モーターにパルスを出力するS248。その後、エンコーダー35の位置とパルスカウンタでパルス数を検出しS249、目的位置になったらS249−1、火力のランプに関して弱〜中弱の範囲の場合S250にはランプを弱にS251、中弱から中の範囲の場合S252にはランプを中弱にS253、中〜中強の場合S254にはランプを中にS255、中強〜強の範囲の時S256にはランプを中強にS257、強の場合S258にはランプを強にS259に指示し、火力調節キーが押し続けの場合S230はS201に戻し、そうでない場合は元に戻すS230−2。
【0100】
尚、ランプの指示の目的は強位置のランプは強火力になったときのみ点灯させる最強火力の保証である。
【0101】
また、ランプの表示については例えば弱位置は弱のみのランプの点灯、次の中弱位置は中弱位置のみの点灯とし、弱と中弱位置の中間の場合は弱ランプと中弱ランプを点灯させ、中間にあるという表示をさせる方法は、第2の実施例として有効である。
【0102】
上記したことにより火力切替が段階切替とリニア切替の双方が簡単に可能となり、調理目的により選択可能となるのである。
【0103】
特に、リニア火力に変化させるときは、大まかな火力まで段階火力で選定し、その時点で押し続けることにより、リニア火力に変化するため合わせ易さも向上した。
【0104】
次に各こんろの駆動判定部59、60、61内にあるモーター誤作動処理の「モーターエラーSUB」に関して説明する。図22、図23はその概略フローを示したもので、モーターエラーが発生しこのルーチンに入ったとき、モーター速度を高速にしS260、トルクを最高に指示しS261、回転方向をエラー処理前と同一にしS262、目的位置もエラー処理前と同一にしS263、駆動制御部58内の省電力化判定手段S264とモーター速度判定手段S265を介して、モーターにパルスを出力するS266。このことは通常トルクで作動しないとき高トルクで再度動作させることを意味している。
【0105】
回転方向が強回転の時S267、パルスカウンタでパルスのカウントを行い「N=N+1」S268、エンコーダー35の位置検出を行いS269、エンコーダー35が目的位置か判定しS269、目的位置にきた場合はパルス数を図6に乗っ取り修正しS270、元のフローにリターンさせるS271。目的のエンコーダ位置が発見できず前回の目的パルス数から所定値Mを加算した値にNが到達したか「目的パルス+M>N」を判定しS272、達していない場合はS263に戻り、達した場合は1回目か判定しS273、1回目の場合は回転方向を弱方向に逆転させS274、モーター速度を高速にしS275、トルクを最高に指示しS276、駆動制御部58内の省電力化判定手段S277とモーター速度判定手段S278を介して、モーターにパルスを出力するS279。
【0106】
パルスカウンタ2でパルスをカウントし「Q=Q+1」S280、Q>10となったときS281、モーターの回転を逆転させS282、M=30としS283、S263に戻す。このことは逆方向に回転させ、障害物を排除させることを意味する。S263から同一処理をフローに従って行い、目的エンコーダ位置が発見できずS269、「目的パルス+M(Mの値は大きくしてある)>N」を判定しS272、その場合には1回目か判定しS273、2回目となっているためモーター故障と判定しS284、故障処理に行くS285。
【0107】
また、モーター回転が弱方向の時S267は、下記の内容が処理の都合上変化するものでその部分を説明する。先のパルスカウンタでパルスのカウントを行い「N=N+1」S268が「N=N−1」となりS286、先の目的パルス数から所定値Mを加算した値にNが到達したか「目的パルス+M>N」S272が、「目的パルス−M<N」となるS287。それ以外は同一である。これらのことは、一度でモーターを故障と判定させず通常トルクで作動させ、それでも目的位置が無いときは更にバックさせて障害物を排除し再度目的位置に合わせるという配慮をしたものであり、上記したことにより、モーターエラーが発生した場合、トルク不足やその原因である初回可動時のグリスの粘着や、シール部の固着、またこれらを見越した過大トルクで作動させる無駄な電力消費が解消でき、かつ頻繁に上手く作動しないというクレームも解消が可能となるのである。
【0108】
以降は周波数を一定とし、周波数の間欠給電で速度制御を行う。その概略の方法を説明する。
【0109】
図24において、Aは一定周波数でパルスを出力した場合を高速とし100%の速度、Bは周波数の1/3を欠落させた状態を中速とし67%の速度、Cは周波数の1/2を欠落させた状態を低速とし50%の速度、Dは周波数の2/3欠落させた状態を微速とし33%の速度、の制御を行うものである。この方式の利点はトルクを一定に出来ることで且つ速度も指定速度の変動も少ないことにある。以下にその概略フローを説明する。
【0110】
図25において、モーター速度制御手段76は駆動指示があるか判断しS386、前段からの指示内容が高速か判定しS387、高速の場合は周波数の全パルスを出力しS389、停止指示があるまでS386へと繰り返す。高速でない場合S387、中速か判定しS390、中速の場合はカウンタでパルスをカウントしS391、カウンタが3でない場合(1もしくは2の場合)S392、パルスをモーターに出力しS394、停止指示があるまでS386へと繰り返す。そうでなくカウンタが3の時S392、カウンタを初期化しS393、再度カウントさせるS391。中速でない場合S390、低速か判定しS395、低速の場合はカウンタでパルスをカウントしS396、カウンタが2でない場合(1の時)S397、パルスをモーターに出力しS399、停止指示があるまでS386へと繰り返す。カウンタが2の時S397はカウンタを初期化しS398、再度カウントさせるS396。低速でない場合S395、微速と判定しS400、その場合はカウンタでパルスをカウントしS401、カウンタが3の場合S402、カウンタを初期化しS403、パルスをモーターに出力しS404、停止指示があるまでS386へと繰り返す。カウンタが1もしくは2の時はS402、再度カウントさせるS401。上記した内容により調理器具に適した火力制御の速度調節が可能となるのである。
【0111】
上記した火力変更は自動調理モードにも適用され、自動調理モードと火力調節の関係を図6と図26〜図29を用いて以下に述べる。
【0112】
左こんろ駆動判定部59内の調理モード選択とモード選択をしない自動判別調理モードについて説明する。左こんろ1の場合は、操作部から調理モード指定が有る場合と、無い場合とがあるので、左こんろ駆動判定部59の調理モード判定部83は、図26〜図28に示すフローチャートと例えば湯沸かしキーを操作した場合は図29の処理手順を実行する。
【0113】
操作部からの調理モード指定がなく、左こんろ1の点火操作がなされたときには、図26〜図28に示す処理が実行される。
【0114】
図26で温度判定部82は、鍋底温度センサー2により検出された温度を取り出しS288、この温度データを演算処理してS289、演算結果を調理モード判定部83に入力する。調理モード判定部83は、演算結果から水物調理であるか否かを判定しS290、水物調理である場合には、沸騰温度から焦げ付き防止温度を決定した後S291、焦付防止判定部84に処理を移行させるS292。
【0115】
先のステップS290において水物調理でないと判定されたときには、油物調理として決定されS293、この後、油物調理の過熱を監視するため油物調理の過熱防止温度が決定された後S294、過熱防止判定部85に処理を移行させるS295。
【0116】
引き続き、上記調理モード判定部83から処理が移行された各部の処理動作について説明する。
【0117】
上記調理モード判定部83の処理手順のステップS292から処理が移行された焦付防止判定部84の処理手順を図27に示す。鍋底温度センサー2による検出温度であるセンサー温度について「センサー温度>焦げ付き防止温度−15℃」の条件判定が行われS296、この条件成立が初回か否かの判定がなされるS297。これが初回であったときには、ブザーなどで報知し、初回でないときは、焦げ付き至る状態であるが、まだ少し時間を要する状態と考えられるので、左こんろガス制御部29を弱位置とするための指令信号を左こんろ駆動判定部59に出力するS299。左こんろ駆動判定部59はモーター34により流量制御機構33を駆動してガス流量が弱位置となるようにして燃焼火力を弱める制御を行う。
【0118】
次に、焦げ付きタイマーをON動作させS300、これがX秒経過したか否かを判定してS301、X秒経過した後、「センサー温度>焦げ付き防止温度」の条件判定が行われS302、条件成立であるときには焦げ付きと判断できるので、左こんろ駆動判定部59の制御により左こんろガス制御部29を閉栓(OFF)するS303。
【0119】
また、ステップS302の判定処理により「センサー温度>焦げ付き防止温度」の条件が成立しない焦げ付き温度以下であるときには、「センサー温度>焦げ付き防止温度−5℃」の条件判定を行いS304、条件成立であるときには左こんろ駆動判定部59にガス制御部33を中火力位置にする指令を出力してS305、前記ステップS304の条件判定が成立しなかった場合と共にステップS296に戻す。
【0120】
この焦付防止判定部84の処理動作により、鍋底温度センサー2による鍋底温度の検出に基づいて水物調理(煮物)における焦げ付きを防止する処理がなされ、使用者がガス調理器から離れているときには、焦げ付きが発生する前に左こんろ1の燃焼を停止させる処理が実行される。
【0121】
前記調理モード判定部83の処理手順のステップS295から処理が移行された過熱防止判定部85の処理手順を図28に示す。
【0122】
「センサー温度>過熱防止温度−10℃」の条件判定がなされS306。この条件判定が成立する場合には、これが初回であるか否かを判定しS307、初回であるときにはブザーなどで報知しS308、左こんろ駆動判定部59はガス制御部29に弱位置に駆動制御する指令を出力するS309。先のステップS307の判定において初回でないときは、ブザー報知することなく、このステップS309に移行される。次に、「センサー温度>過熱防止温度」の条件判定がなされS310、条件成立のときには過熱状態であるので、左こんろ駆動判定部59にガス流量制御部33に閉止させる指令を出力して終了するS311。
【0123】
また、前記ステップS310による条件判定が成立しなかったときには、「センサー温度<過熱防止温度−18℃」の条件判定がなされS312、条件成立するときには左こんろ駆動判定部59にガス制御部29を強火力位置に制御する指令を出力してS313、ステップS306に処理を戻す。条件成立しないときには「センサー温度<過熱防止温度−5℃」の条件判定がなされS314、左こんろ駆動判定部59にガス制御部29を中火力位置に制御する指令を出力してS315、ステップS306に処理を戻す。
【0124】
上記したことにより天ぷらを揚げていて万一その場を離れた場合の天ぷら油の異常加熱を防止させ火災の危険を回避できるのである。
【0125】
次に調理モード設定を行った場合について図29で説明する。
【0126】
調理モード設定キーで調理モードキー入力があった場合も先の無かった場合のS288〜S295のフローを介して、調理モード判定部は、鍋底温度センサー2により検出される鍋類の温度及び操作部から入力される調理モード指定に基づいて調理モードを設定し、水物調理の場合は焦付防止判定部84を、油物調理の場合は過熱防止判定部85を、湯沸かしの場合は湯沸かし判定部87を動作させる。また、設定された各調理モードにおける煮物モードは、煮物判定部86を動作させて煮物工程管理を実行させる。
【0127】
上記調理モード判定部83の処理手順のステップから処理が移行された湯沸かし判定部87の処理手順を図29に示す。温度判定部82からの温度データを取得しS327、これを演算処理してS328、この演算結果から60秒前の温度と比較した温度上昇が2℃以内の状態が連続2回あったか否かが判定されるS329。湯沸かし温度が沸騰点に達した状態では温度上昇は少ないので、判定が成立する状態となったときには沸騰と判断され、この後、左こんろ駆動判定部59にガス制御部29を弱位置に駆動制御する指令が出力されS330、タイマーをON動作させてS331計時を開始し、5分経過をカウントしてS332、5分経過したときには自動消火するために、ガス制御部29を閉栓作動させS333終了する。
【0128】
上記した内容により、湯を沸かして自動的に弱火にして5分間燃焼させカルキを抜いて自動消火させる便利な湯沸かし機能を提供できることとなる。
【0129】
上記した機能動作で次に本発明の特徴とする煮物調理を行う場合について以下に説明を行う。
【0130】
煮物調理で、煮こぼれを防いで、調理に適した火力を適宜に与える調理器は、使用者にとって、大きなメリットを生じる。大半の使用者は下記の内容の経験を行っている。
【0131】
(1)煮こぼれによる器具の故障……特にバーナの目詰まりによる点火不良や錆の発生防止。
【0132】
(2)煮こぼれによる器具の汚れ……掃除が大変、煩わしい。
【0133】
(3)火力切替忘れ……沸騰までの強火力のままで煮詰まった。切替時期が遅い。
【0134】
本発明はこのような問題を解決し、煮こぼれのない調理器を提供するもので、以下詳細に説明していく。
【0135】
煮物調理において、鍋底センサー温度と、調理物の温度とは、図30〜図33に示す如く、一定の温度差で推移しているわけではない。
【0136】
図30は、比較的調理物の大きさが大きい代表のおでん4人分をアルミ厚手鍋で調理した場合、図31は、切り方の比較的標準的な、肉じゃが6人分をアルミ薄手鍋で調理した場合、図32は、細かい粒の代表ゆで大豆(対流が非常によい)100gをアルミ薄手鍋で調理した場合、図33は、汁物の代表の豚汁4人分、アルミ厚手鍋で調理した場合、の鍋底温度センサーと鍋内の調理物の沸騰までの温度を表している。ここで上記した如くコンロで調理する条件は、鍋種、量、調理材料が千差万別で、センサー温度と、鍋中温度はこれらの要因によって異なる。
【0137】
図30では、沸騰手前の火力切替の調理物所定温度を90℃とした場合、鍋底温度センサーの温度は104℃であり、14℃の温度差がある。同様に図31では、鍋底温度センサーの温度は100℃で10℃の温度差がある。図32も同様に、鍋底温度センサーの温度は90.5℃で0.5℃の温度差がある。図33も同様に、鍋底温度センサーの温度は105℃で15℃の温度差がある。
【0138】
また、低温と高温でセンサー温度と鍋中温度が極端に異なる調理(例えば図33の豚汁)がある。これは、調理物の具が鍋底に留まっており、高温になると上昇対流によりかき回されて温度勾配が緩やかになるためである。このことは、対流しやすいものは温度センサーの勾配に近似し、対流しにくいものは、温度センーサの勾配とは異なることを示している。
【0139】
図33は、温度センサーの挙動から、調理物の温度を高精度で推定する本発明の概略図を示したもので、温度センサーの立ち上がりから、初期勾配を求め、鍋種を推定し、高温(90℃近辺)の温度センサーの変化から沸騰勾配を求め双方の因子から中間勾配を求めた後、鍋中の予測勾配を求めて、その予測勾配の温度から沸騰前の所定温度(例えば90℃)を推定し、所定温度になったとき火力を強火力から煮物火力に切り替えるものである。また、この方法は、温度センサーの立ち上がりから温度データーを必要とするため、この方法より精度は落ちるが、温度センサーの80℃からの温度の挙動から、沸騰前に、火力を切り替える方法もある。
【0140】
過去の例では、沸騰以前に、鍋底温度センサーの温度で、沸騰前の調理物の温度を推定するものは見られない。
【0141】
従来は、沸騰時の平行温度を持って沸騰と見なす沸騰検知などがあるが、沸騰してから火力を絞っても本発明の目的である煮こぼれ防止には役に立たず、沸騰直前(煮こぼれる前)に火力制御することが肝要となるのである。
【0142】
沸騰直前に火力を切り替えたとしても、切り替えた火力が煮込みに最適な火力なのか、又本発明の煮物の煮こぼれが発生しない火力なのか、が問題となる。
【0143】
ここで煮こぼれをさせにくい火力の与え方、また煮物に適した火力の与え方を、従来から使用されている一定火力と比較して、本発明の主旨を記述する。
【0144】
まず沸騰時の煮こぼれを防止させると同時に、煮込みに適した火力を与える手段について図34〜図36にて概略を説明する。
【0145】
図34は従来からの一般的な煮物における火力の変化を示したもので、沸騰するまでは早く沸騰させたいという思いで各バーナの最大火力で燃焼させ、沸騰時に煮物の内容と量によって、火力を絞って調理をしている。すなわち、沸騰までは2500kcal/hで燃焼させ、沸騰後火力を絞る。例えば沸騰後1600kcal/h程度に火力を絞る。この1600kcal/h程度の火力に絞る場合の代表調理例は火力が強いため適した事例は少ないが、多量の大鍋で調理する場合が考えられる。また1000kcal/hで煮込む場合は4人分の一般的な殆どの調理内容が当てはまり、肉じゃがを例として上げた。また、700kcal/hで煮込む調理は、煮物の中でも煮崩れを発生させない料理、代表として南瓜の煮物のように少し弱火で南瓜の角を残して仕上げる調理がある。さらに400kcal/hで煮込む調理は、豆、おでんなど弱火でことこと煮込むものがある。
【0146】
このように、従来は調理内容や量によって沸騰後の火力を経験や、感によって沸騰してから火力を手動で切り替えていたのが実態である。この場合、各火力は例えばコックで燃焼を見ながらコックのガス通過量を加減して決めていて、決定した後は絞ったガスの一定流量で調理していたのである(固定流量の加熱、以降通常加熱方式という)。
【0147】
本発明は図35と図36に示す。すなわち、自動的に火力変動を行なわすことができる利点を生かして煮こぼれを少なくさせ、煮込みに適した火力を追求したものである。
【0148】
図35は、まず煮込みに適した火力を強弱燃焼の組み合わせで行う方式(以下対流加熱方式という)で、縦軸に火力を表し、横軸は時間を表し、沸騰まで強火(2500kcal/h)で燃焼させ沸騰したら、強火と弱火(400kcal/h)の繰り返し燃焼とし、煮物に必要な火力は強火の時間(t2)と弱火の時間(t1)の時間比率を変えて供給させるのである。その時間比率は後述する。
【0149】
対流加熱の利点は、沸騰時点で強弱燃焼を行わせしめると、煮こぼれに対して、通常加熱方式の燃焼に比較し煮こぼれがしにくくなる。また鰤大根や、ビーフシチュー、ロールキャベツのような料理では、火力はやや強い目となるように、又強燃焼時と弱燃焼時に時間差を持たせた火力配分で燃焼させることにより、強燃焼時には対流を激しく、ぐつぐつと煮上げ、弱燃焼時には対流を停止させて煮こぼれを防止しつつし、調理物の温度を下降させて、このときに煮汁を調理物内部に浸透させることができ、おいしく調理することができる。またこの火力の与え方は、調理物内部に煮汁が浸透する状態であるため、肉類に対しても非常に柔らかく煮上がる効果があり、従って従来の加熱方法では得られなかった、大根の内部まで味が良くしみ込み、しかもシチューなどの肉は非常に柔らかく煮上げる効果がある。
【0150】
図36は、鍋底全体に炎が当たるよう火力を強弱以外に中火を組み合わせて所定火力を作り出す均一加熱方式である。
【0151】
沸騰までは図35の対流加熱と同様である。沸騰後5段階火力の各火力と時間の配分で煮物に適した火力を供給させる。この各火力の時間比率は後述する。
【0152】
均一加熱の利点は、ガスの消費を適切に保った範囲で、分布むら改善のため弱と強の火力を適宜変更させ鍋底全体に炎をあてる加熱方法ができ、例えば、煮豆やお粥のように対流を押さえ弱火でじっくり炊きあげる料理は、煮崩れせず、美味しく仕上げることが可能となる。従来の通常加熱方式では、加熱中に鍋振りを行って炎が鍋に万遍なく当たるよう苦労していたがこの作業を自動的に行って均一加熱をさせる効果がある。
【0153】
上記したように、沸騰後の煮込み適正火力を与えるにも、調理物に適した火力と加熱方法の組み合わせが煮こぼれ防止の条件の重要な課題となる。
【0154】
下記(表1)は強弱燃焼をさせる対流加熱方式の各火力毎のパターンを表したものである。
【0155】
番号1、2は1400kcal/hの火力を得るための強弱火力の組み合わせをしめしたもので、番号1の場合1400kcal/hを得るため最大火力2500kcal/hを5秒間、400kcal/hを6秒間の繰り返し燃焼で1サイクル11秒、1時間当たり327回の作動、により、1355kcal/hが得られる。
【0156】
番号2の場合1400kcal/hを得るため最大火力2500kcal/hを7秒間、4000kcal/hを8秒間の繰り返し燃焼で1サイクル15秒、1時間当たり240回の作動、により、1380kcal/hが得られる。両者とも1400kcal/hねらいであるが、煮こぼれを着目すると、強燃焼時間が長いほど煮こぼれる確率が高くなり、弱燃焼時間も短いと煮こぼれに対する効果が少なくなる。しかし、番号1と2では1時間当たりの作動回数が327回と240回で87回の差がある。機器を乾電池で駆動させている場合消費電流は、36%も多く必要となること、また機器の作動寿命の面から、煮こぼれの影響と、寿命のからみで決定する必要がある。
【0157】
以下番号3〜8も同様の内容なので説明は省略する。
【0158】
【表1】
【0159】
なお、上記の事例は最大火力と最小火力の組み合わせで、説明を行ったが、本発明のように、火力5段階の個々の火力が自在に選定できる場合、例えば1300kcal/hを作る場合、火力4(1600kcal/h)と火力2(700kcal/h)の時間配分で設定もできる。またこの事例では火力5と火力1の場合で説明したが、1300kcal/hを得るには火力4と火力2の組み合わせの方が調理内容によっては、対流させる状態が火力5と火力1の状態より少なくて済む、すなわち調理物の煮崩れが心配なものはこの組み合わせの方が好ましい。従って必要火力と調理内容に応じて、火力の組み合わせを予めプログラムに仕込んで行うことも本発明の主旨である。
【0160】
また下記(表2)は均一火力加熱方式の各火力毎のパターンを示したものである。
【0161】
番号1は700kcal/hを得る均一加熱の火力表である。目標火力を700kcal/hとした場合、鍋底に万遍なく炎をあてるために、2500kcal/h5秒、1600kcal/h5秒、1000kcal/h20秒、700kcal/h120秒、400kcal/h60秒、を行い鍋底を均一に加熱させる。
【0162】
番号2は、1000kcal/hの場合、番号3は1400kcal/h、の場合を示したものであり説明は、番号1と同様であり省略する。
【0163】
【表2】
【0164】
また下記(表3)は、強弱燃焼の順番を示したものであり、火力番号5は強燃焼で最高火力となっており通常燃焼と変わりはない。また同様に火力番号1も弱燃焼で最弱火力となっており通常燃焼と変わりはない。火力番号2〜4は、(表1)で示した内容と相違はない、末尾に実行回数が記載されているが、これは沸騰直前に切り替えたとき、強弱燃焼を行ってから、均一加熱や、固定流量加熱を行う場合の強弱燃焼の回数を示したもので、使用の実施例はフローで後述する。
【0165】
この回数設定の意味は、沸騰した状態からしばらくは、煮こぼれが激しく発生するため、煮こぼれが激しく発生する時間は均一加熱方式で燃焼させる前に煮こぼれが激しい時間の間、対流加熱で対流を激しくさせて原因を早く除去させ、かつ強弱燃焼の組み合わせで弱火の時に泡を沈めることにより煮こぼれを防止させる効果をねらうものである。
【0166】
なお上記説明文中の「末尾に実行回数が記載されているが、これは沸騰直前に切り替えたとき、強弱燃焼を行ってから、均一加熱や、固定流量加熱を行う場合の強弱燃焼の回数を示したもので、」との記載は、煮こぼれを防止させる対流燃焼時間を予め設定する一方法を述べたもので、対流加熱中であっても、沸騰検知を行って沸騰検知後に所定時間だけ対流加熱を実行させる方法も1方法である。
【0167】
【表3】
【0168】
また下記表(表4)は均一加熱の火力の切替順位を表すもので、ポイントは強い火力の後には弱い火力で燃焼させる工夫を行い、加熱の均一化を図りつつ炎の鍋面への均一化を図る工夫を行っている。火力番号5は強燃焼で最高火力となっており通常燃焼と変わりはない。また同様に火力番号1も弱燃焼で最弱火力となっており通常燃焼と変わりはない。火力番号4の1400kcal/hの場合、第1火力を2500kcal/hで10秒燃焼させた後、第2火力を400kcal/hで10秒燃焼させ、第3火力を1600kcal/hで30秒燃焼させ、第4火力を700kcal/hで10秒燃焼させ、第5力を1000kcal/hで20秒燃焼させる配慮を行っている。尚、火力番号3、2も同様のため詳細説明は省略する。
【0169】
【表4】
【0170】
図37から図39は、本発明の煮物煮こぼれ防止機能を装備し、調理モード判定手段にて煮物モードに設定するガス調理器の操作部(パネル)の一例と、キー入力判定手段72、表示出力手段73、総合判定手段64の動作の一例を示したものである。
【0171】
図37は操作部(パネル)の一例で、煮物キー40と、前記煮物キー40を押す毎に点灯させる沸騰後の火力を表示する3個のLEDがあり、強LED43−1、中LED43−2、弱LED43−3、から構成している。また、火力調節用の上がるキー10、下がるキー9、火力表示用LED15が有り、点火/消火キー6から構成されている。煮物キー40を押し、沸騰後の火力を予め選択し、点火すると、沸騰前の所定温度になれば自動的に火力を煮物火力に切り替えるタイプの操作部である。上記のフローは後述する。
【0172】
図38は、操作部(パネル)の他の例で、図37と同一内容は同一番号を付し説明を省略する。煮物キー40とその表示LED43−1からなる煮物煮こぼれ防止機能は、
(1)煮物キー40を押すだけで、調理物の内容、量、鍋の種類をセンサー温度から推定し、沸騰後の火力を自動設定させる方式と
(2)煮物キー40を押して煮物モードに設定し、沸騰後の煮物火力を火力調節キーで設定させる方法、の2例がある。これらのフローは後述する。
【0173】
図39は、図38の事例に、沸騰後の煮物火力の加熱方式を選択できる方法を記載したもので、加熱方式選択キー40−1と選択した加熱方式を表示する、対流加熱LED40−2、均一加熱LED40−3、通常加熱LED40−4、からなっている。この方式のフローも後述する。
【0174】
図40は、図37の操作部(パネル)の操作時の煮物煮こぼれ防止のフローを示したものである。まず煮物キー入力があるか判定しS500、ある場合は点火前or点火後1分以内か判定しS501、そうである場合現在煮物モードでないか判定しS502、その場合は火力LEDを弱表示しS503、煮物モード指示しS504、S500に戻す。
【0175】
煮物モードであった場合S502、火力LEDが現在火力1(弱)か判定しS505、その場合は火力LEDを火力2(中弱)表示にしS506、S500に戻す。そうでない場合火力LEDが現在火力2(中弱)か判定しS507、その場合は火力LEDを火力3中表示にしS508、S500に戻す。そうでない場合火力LEDが現在火力3(中)S509である。従って煮物モードを取り消しS510、S500に戻す。
【0176】
一方点火前or点火後1分以内か判定しS501、そうでない場合、火力LEDが現在火力1(弱)か判定しS511、その場合は火力LEDを火力2(中弱)表示にしS512、S500に戻す。そうでない場合、火力LEDが現在火力2(中弱)か判定しS513、その場合は火力LEDを火力3(中)表示にしS514、S500に戻す。そうでない場合火力LEDが現在火力3(中)であるS515から火力LEDを火力1(弱)表示にしS516、S500に戻す。これらのことは、点火前か点火後1分間の間は、煮込みモードの取り消しができるが1分間を経過すると、火力の切替しかできないことを表している。その理由は、煮こぼれ防止を行う場合、点火直後からの温度の推移を必要とするため、センサー温度を記憶させる必要があるからである。また、火力の切替は火力1〜3の範囲としているが必要に応じて火力4、5を設けても良い。一般的に使用する火力1〜3の火力にした例を示したものである。
【0177】
次に煮物キー入力が無くS500、点火キー入力があるか判定しS517、点火キー入力があった場合燃焼中か判定しS518、その場合は消火させS519、ブザーを鳴らしS520、全てのランプを消灯させS521、終了させるS522。
【0178】
燃焼中でない場合S518、点火タイマーをONさせS523、燃焼を開始しS524、センサー温度を取り込みS525、点火1分経過したか判定しS526、経過した場合煮込みモードか判定しS527、そうでない場合は普通コンロS528へ、そうである場合は煮込みサブルーチンである沸騰前所定温度判定フローS529に行って帰る。その後サブルーチンである火力調節フローS530に行き、その後サブルーチンである焦げ付き防止フローに行って帰るS531。焦げ付きフローは既述した通り。
【0179】
上記のフローは沸騰前の所定温度に到達した場合、弱火力に切り替える煮こぼれを最もさせ難い特徴の例を示したが、この場合煮込みに最適な火力にするためには使用者が煮込みに適した火力に合わせる必要がある短所もある。しかし煮こぼれを最もさせない利便性を選択する場合はこのフローとなる。
【0180】
なお、初期の火力設定を予め煮込みに適した中間火力にさせる方法もあり得る。この場合は、煮こぼれる可能性は弱火にしているよりはあるものの、大半の調理は所定温度に達すれば自動的に煮込みに適した火力に切り替わるため利便性が向上する。
【0181】
図41は図38における操作フローの一例で、煮込みキーを押すことで沸騰前の所定温度に達した後、自動的に煮込み火力を、量、鍋種判定に基づいて火力決定する場合の動作フローを示したものである。
【0182】
まず煮物キー入力があるか判定しS532、煮物キー入力があった場合点火操作前かor点火後1分以内か判定しS533、そうでない場合はS532に戻す(1分すぎると煮物キーは受け付けない。理由は途中のソフトから煮物調理モードに進んで沸騰前の所定温度の精度を低下させないためである)。
【0183】
そうである場合、現在煮物モードでないか判定しS534、ない場合は煮物モードを指示しS535、煮物LEDを点灯させるS536。すでに煮物モードになっている場合は煮物モードを取り消しS537、S532に戻る。
【0184】
一方煮物キー入力が無い場合S532、点火キー入力があるか判別しS538、ある場合燃焼中か判別しS539、燃焼中で有れば消火指示しS540、ブザーをONしS541、全てのランプを消灯しS542、終了するS543。燃焼中でない場合点火タイマーをONしS544、燃焼を開始しS545、センサー温度を取り込みS546、点火後1分経過したか判定しS547、経過したら煮物モードか判定しS548、煮物モードでない場合は普通コンロモードとしS549、煮物モードの場合はサブルーチンである煮物沸騰前所定温度判定フローS529に行って帰る。その後サブルーチンである火力調節フローS530へ行って帰り、サブルーチンである焦げ付き防止フローへ行って帰りS531、S532に戻る。
【0185】
以上が煮物キーを押すだけで、調理量と鍋にあった煮こぼれを防止し且つ煮物に適した火力で調理させるフローを示したものである。
【0186】
上記図41では煮物火力は自動的に鍋種と量判定で定まる内容を示したが、図42は火力調節キーを使用可能にして、沸騰前の所定温度に達したとき、予め火力調節キーで設定した火力に自動的に切り替え、又切り替えた後も使用者の判断において火力を普通コンロと同様に自在に調節可能とならしめたものである。但し一番最初に煮物モードキーを押したとき、
(1)煮物火力切替温度に達したときの切替火力を煮こぼれが最も少ない最低火力に自動設定するか、
(2)通常煮物に使用される最も頻度の高い火力に設定するか
(3)鍋種、調理内容、調理の量等の自動判別で自動的に火力設定するの3方法があり、それぞに利点と短所がある。
【0187】
自動判別の方法は説明済みなのでここでは▲1▼▲2▼の双方の方法を列記する。
【0188】
前記図41で、点火キー入力有りの判定S538後、S532に戻さず、図42に示す火力調節キー入力有りか判定しS550、ない場合1回目か判定しS551、1回目の場合は煮物火力を最弱に記憶させ、最弱のLEDを点滅させS552、その後図41のS532に戻る(方法2として、煮物火力を3(1000kcal/h)に記憶させ、火力3のLEDを点滅させる)。
【0189】
なお、LEDを点滅させる意味は、煮物火力切替温度に達したときの切り替わる火力を示す意味であり、現在その火力で燃焼させているのとは異なる意味合いを持たせることにある。
【0190】
一方、火力調節キー入力があった場合S550、所定温度到達後か判定しS553、所定温度に到達していない場合は図41のS532に戻る(煮物火力切替温度に到達するまでは火力変更をさせなく、万一火力設定を間違って強火力に設定して煮こぼれを防止できないことを防ぐため)。
【0191】
所定温度に到達していた場合S553、火力はUPか判定しS554、その場合は現在火力が5(最強)であるか判定しS555、その場合は火力5(最強)を指示しS556、火力LED5を点灯させS557、S532に戻す。火力が5でない場合S555、現在火力+1の火力を指示しS558、現在火力+1のLEDを点灯させS559、S532に戻す。
【0192】
また火力UPでない場合S554、火力DWNS560とし、現在火力が1(最弱)か判定しS561、その場合は火力を1にしS562、火力1のLEDを点灯させS563、S532に戻す。
【0193】
火力1でない場合S561、現在火力−1の火力を指示しS564、現在火力−1のLEDを点灯させS565、S532に戻す。
【0194】
上記したことにより、沸騰前の所定温度になったとき、予め設定した煮物に適した火力(煮こぼれさせない火力)に自動的に切り替え、煮こぼれを防止させることができる。
【0195】
図43は、図42で所定温度到達までは火力調節キー入力を受け付けず、使用者の誤使用を防止させる意図であったものを変更し、所定温度到達前であっても、所定温度到達時に要する火力を予め設定可能とさせるためのフローを追加したものである。
【0196】
図42の所定温度到達か判断した後S553、到達していない場合元に戻していたが、元に戻さず図43に進む。
【0197】
この場合、図42では、自動判別で火力設定するものが、図19〜図21では自動判別を優先させるかそれとも火力調節キーで設定した火力を優先させるか、それとも火力設定した火力が高い場合のみ、煮こぼれを防止させることから、自動判別した火力に下げることのみ追加するか、予め器具のマイコン作成時に方式を検討し作成することが必要である。
【0198】
図43では、火力はUPか判定しS566、その場合は現在火力が5(最強)であるか判定しS567、その場合は火力5(最強)を記憶しS568、火力LED5を点滅させS569、S532に戻す。火力が5でない場合、現在火力+1の火力を記憶しS570、現在火力+1のLEDを点滅させS571、S532に戻す。
【0199】
また火力UPでない場合S566、火力DWNS572とし、現在火力が1(最弱)か判定しS573、その場合は火力を1に記憶しS574、火力1のLEDを点滅させS575、S532に戻す。火力1でない場合S573、現在火力−1の火力を記憶しS576、現在火力−1のLEDを点滅させS577、S532に戻す。
【0200】
上記したことにより、沸騰前の所定温度に達していなくても、予め所定温度到達後の火力を事前に設定できるため、手慣れた料理や経験豊富な熟練者にとっては使いやすくしかも煮こぼれを防止できるという利便性を享受できることとなる。
【0201】
図44は、図39の加熱方式選択キー付きの操作の概略フローを説明するもので、煮込みの説明はすでに説明しているので省略し、ここでは加熱方式選択キーについて説明する。
【0202】
図42の火力調節キー入力が無くS550、元に戻す状態の時、元に戻さず、図44の加熱方式選択キー入力有りの判定をしS578、キー入力が無い場合、1回目か判定しS579、1回目の場合は通常加熱方式を指示しS580、1回目でない場合と同様に図41のスタートS532に戻す(所定温度到達までは通常加熱でないと、センサー温度が変動し、所定温度到達検知の誤差が発生する)。
【0203】
キー入力があった場合S578、所定温度到達したか判定しS581、その場合は現在は通常加熱か判定しS582、そうである場合は均一加熱を指示しS583、均一加熱のLEDを点灯させS584、図41のスタートS532に戻す。
【0204】
通常加熱でない場合S582、現在は均一加熱か判定しS585、そうである場合は対流加熱を指示しS586、対流加熱のLEDを点灯させS587、図41のスタートS532に戻す。
【0205】
均一加熱でない場合S585、現在は対流加熱と判断しS588、通常加熱を指示しS589、通常加熱のLEDを点灯させS590、図41のスタートS532に戻す。
【0206】
一方、所定温度到達したか判定しS581、到達していない場合、現在表示加熱方式は通常加熱方式か判定しS591、そうである場合は均一加熱方式を記憶し、そのLEDを点滅させるS592。そうでない場合、現在表示加熱方式は均一加熱方式か判定しS593、そうである場合は対流加熱方式を記憶し、そのLEDを点滅させるS594。そうでない場合、現在表示加熱方式は対流加熱方式と断定しS595、通常加熱方式を記憶し、そのLEDを点滅させS596、図41のスタートS532に戻す。
【0207】
上記したことにより調理内容に適した加熱方式を使用者が自在に選択できることとなる。また、上記では、煮物キーに連動した所定温度到達後に作動させる動作フローで説明したが、所定温度到達後S581のフローをとばせば、(加熱方式キー入力有りS578から直接現在は通常加熱S582に行かせば)煮物キーと関係なく作動する。従って煮物キーを使用しなくても必要時には、使用できるよう、ソフトで対処(例えば煮物併用動作解除キーを設けて、フローをとばす処理を行う)させることができる。
【0208】
さて次に沸騰前所定温度の検出方法(調理物の温度推定)について説明する。
【0209】
図45〜図55は、沸騰前所定温度判定サブルーチンである。
【0210】
図45は沸騰前所定温度判定を示すフローAである。この方法はセンサー温度が所定温度になったとき、煮込み火力に切り替える単純な方法を示したものである。この方法では、図30〜図33で示した如く、例えばセンサー温度が90℃一定とした場合、鍋の材質や、調理内容によって調理物の温度に大きな差が生じているままであり、この場合沸騰する前の、極低い温度で切り替えられることが、十分に考えられることから、沸騰状態まで通常の煮込み火力で沸騰させると沸騰まで長時間かかることから、使用者から苦情が出る。この解決策として、量判定に基づいた、強弱燃焼(対流加熱制御)による、煮物煮こぼれを防止しながら火力を強める燃焼制御と組み合わせて使用することが必要となる。
【0211】
図46〜図48は沸騰前所定温度判定を示すフローBである。これは沸騰前の調理物の所定温度(例えば90℃)の精度を向上させるため、点火時の温度センサーの温度から鍋種判定や、調理内容判定を行い、その後量判定を行う、沸騰前所定温度判定方法である。但しこの方法は、鍋種判定を行うことから常温からスタートさせた場合のみ有効で、例えば、肉じゃがなどで、最初肉を炒めてからスープを入れて煮込むなどの高温スタートの調理では使用することができないという短所がある。
【0212】
また図49は、沸騰前所定温度判定を示すフローCである。これは80℃の温度勾配により、量判定と、所定温度判定を行うもので、図46に示した方法と比較すると、沸騰前の調理物の所定温度の精度は劣るが、常温開始でなくても78℃開始であっても使用することができる利点を有している。従って前述の如く、同一鍋で肉などを炒めた後、鍋が温かい状態からの開始であっても、沸騰前の所定温度の判定ができることとなる。
【0213】
上記のフローA、B、Cは、温度センサーの開始温度によって使い分けを行うことが前提となる。
【0214】
図45において、所定温度到達フラグがOFFか判定しS597、OFFでない場合はすでに沸騰前の所定温度になっているためこのサブルーチンを必要としないからスタートに戻す。
【0215】
OFFの場合は2秒毎に温度センサーの温度を取り込みS598、センサー温度>所定温度、例えば78℃か判定しS599、78℃になるのを待って78℃になったときのセンサー温度を記憶するS600。その後、78℃になったときのセンサー温度と78℃から20秒経過したときのセンサー温度との差を求めるS601。その温度差の値が8℃以上か判定しS602、その場合は少量(火力2)としてS603、次に行く。そうでない場合4℃以上か判定しS604、その場合は中量(火力3)と判定しS605、次に行く。そうでない場合大量(火力4)としS606、次に行く。上記少量・中量・大量何れの場合も、センサー温度が95℃(調理物の温度は、100℃に達していない)になったか判定しS607、なったら所定温度到達フラグをONしS608、判定した量(火力)の大きさを記憶しS609、元に戻す。
【0216】
図46において、所定温度到達フラグがOFFか判定しS610、OFFでない場合はすでに沸騰前の所定温度になっているためこのサブルーチンを必要としないからS532に戻す。
【0217】
OFFの場合は2秒毎に温度センサーの温度を取り込みS611、スタート後6秒経過したか判定しS612、経過したら、最初に、鍋種の判定と、調理内容の判定を行うため、センサー温度を記憶させS613、20秒経過したか判定しS614、経過した場合、Xを取り込み回数、Yをセンサー温度として記憶した温度センサー温度の直線近似式Y=AX+Bを求めるS615(初期勾配)。次にX=0の時のYの値を開始時センサ温度(S0)として記憶させるS616。次に、6〜20秒間の記憶したセンサー温度はそれぞれの値が直線近似式Y=AX+Bと比較し±3℃以内であるか判定しS617、±3℃以内の場合22秒以降のセンサー温度は前記Y=AX+Bと比較し±2℃以上か判定しS618、(直線近似式に合致して移行しているか判定させ、逸脱した時間を見つける目的)その場合はそのときのXの値をHJ(平衡判定時間)として記憶させるS619。次にX=HJ+6(12秒)になったか判定しS620(±2℃の範囲を逸脱してから12秒経過したか)、経過した場合、そのときの温度センサーの温度を平行判定温度(HT)として記憶させるS621。
【0218】
次にHT=センサー温度±2℃か判定しS622、そうであれば平衡カウンタPJをインクリメントさせるPJ=PJ+1 S623、その後センサー温度<HT−2か判定しS624、そうであれば凹みカウンタをインクリメントN凹=N凹+1 S625し、S622に戻る。一方センサー温度<HT−2でない場合S624もS622に戻る。
【0219】
HT=センサー温度±2℃か判定しS622、そうでない場合PJ<5か判定しS626、その場合は分類1一般調理としてS627次に進む。PJ<5で判定しS626、そうでない場合汁物調理と決定しS628、次に、N凹>2か判定しS629、そうである場合は分類2としS630、平衡カウンタ(PJ)を記憶しS631、次に進む。そうでない場合は分類1に進む(ここで、分類2は、汁物の中でも特に質量の多いもので、一般の調理物と同一の判定を行うと、センサー温度と、調理物温度との温度差が極端に大きく、推定が同一ではできない分類のものである)。
【0220】
一方近似式Y=AX+Bと比較し±3℃以内であるか判定しS617、±3℃以上の場合は分類3(特殊鍋)としS632、次に進む(点火時の初期温度上昇は鍋の材質によって温度上昇度合いが異なり、特に、±3℃以上の変化があるものは熱伝導の良いアルミの薄手鍋に限定される。このアルミ薄手鍋は、他の鍋に比較し、鍋中の調理物の温度と鍋底温度を計測している温度センサーの温度との温度差の傾向が他の鍋と異なるため温度センサー温度から調理物の温度推定の温度精度向上のため区分が必要となる)。
【0221】
分類1、分類2、分類3の何れも同様に次段の量判定のフロー図47、図48に進む。
【0222】
図47で、センサー温度>78℃か判定しS633、78℃以上にセンサ温度が上昇したら、センサー温度が78℃になった時の温度を記憶しS634、次に20秒経過したか判定しS635、20秒経過したらセンサー温度が78℃になった時の温度と20秒経過したときの温度との温度差を求めS636、温度差が4℃以内か判定するS637。温度差が4℃以上の場合少量判別とするS638。少量と判定した場合、沸騰前の調理物の所定温度を推定するため、16個(32秒)前の温度データを一時記憶させS639、センサー温度>95℃か判定しS640、95℃以上になれば、95℃になった温度を含んで32秒前の間の直線近似式を求める(YF=AFX+B)S641(沸騰勾配)。このときのX=0の値をF0=YF(沸騰原点)とし、前式YF=AFX+Bにおいて、YFが95℃になるXの値をFK=X(沸騰時間)、FT=YF(沸騰温度)として記憶しS642次に進む。
【0223】
一方温度差が4℃以内の場合S637、大量判別としS643、78℃になってから40秒経過したか判定しS644、40秒経過した場合、センサー温度が78℃になったときの温度と40秒経過後のセンサー温度の温度差を求めS645、温度差が8℃以内か判定しS646、8℃以上の場合は少量判別S638へ進む。
【0224】
一方8℃以内の場合はセンサー温度が88℃になったか判定しS647、88℃になった場合は88℃になってから80秒経過していないか判定しS648、経過していない場合、95℃になったか判定しS649、95℃になったら1回目か判定しS650、1回目の場合のみ点火後320秒以内か判定しS651、320秒以内の場合は少量判別S638に進む。320秒以上の場合は80秒以上経過するのを待ってS648、次に進む。
【0225】
80秒経過した場合S648、80秒経過したときの温度を含んで32秒前の間の直線近似式を求め(YF=AFX+B)S652(沸騰勾配)たのち、S642に進む。
【0226】
以降は図48を用いて説明する。分類3でないか判定しS653、分類3でない場合、Y点(S0(センサー開始温度)+F0(沸騰原点))/2)、X点0と、Y1点(FT(沸騰温度))、X1点(FK(沸騰時間))を結ぶ直線式(YC=ACX+B)を記憶するS654(中間勾配)。
【0227】
次に分類1か判定しS655、その場合は調理物予測勾配を求めるため(YC=ACX+(B−(AC×HJ))を求めるS656(上記YCが現時点Xの時間における調理物の温度である)。
【0228】
ここで、予測勾配は、中間勾配から求めているが、これは一例であり、温度センサーと調理物の温度とが温度センサーの挙動とどの温度帯が近似しているかによって、場合によっては下勾配、中間勾配、沸騰勾配(図33に例示)、或いはそれぞれの1/2の勾配等、と、その直線式の起点をどこにするかが、本発明の要点である。
【0229】
分類1でない場合分類2としS657、調理物予測勾配を求めるためYC=ACX+(B−(AC×PJ))を求めるS658。分類1、2の双方、YC<95℃か判定しS659、そうでない場合は、次段S663に進む。
【0230】
そうである場合は、YC=>95℃となるX2を求める(X2=95℃−(B−(AC×HJ))/AC)S660、次に加熱時間X3を求める(X3=X2−X)……Xは現在時間であるS661。
【0231】
次に加熱時間X3の時間が経過したか判定しS662、経過するのを待ってブザーで報知しS663、所定温度到達フラグをONしS664、センサー温度を目的温度として記憶しS665、加熱時間X2を記憶しS666、X2が100カウント以下か判定しS667、その場合は少量(火力2)S668、そうでない場合X2が200カウント以下か判定しS669その場合は中量(火力3)S670、それ以外は多量(火力4)S671とし、量の結果を記憶しS672、調理の分類を記憶してS672−1、元に戻す。
【0232】
次に分類3でないないか判定しS653、分類3の場合S673、Y点(S0(センサー開始温度))、X点(0)とY1点(FT(沸騰温度))、X1点(FK(沸騰時間))とを結ぶ直線式(YC=ACX+B)を記憶しS674(下勾配)、S656に進む。
【0233】
上記は沸騰前の所定温度(90℃)で火力を切り替える一例を示した。
【0234】
これは温度センサーの初期の立ち上がりから、鍋種判定を行い、調理内容の推定を行い、調理の量を推定し、しいては、所定温度到達後の煮物火力の決定を行うことが可能となり、調理物の温度を高精度で推定させる方法となる。
【0235】
図49は沸騰前所定温度判定手段を示すフローCである。この方法は温度センサーの屈曲点(沸騰近くで温度上昇の勾配が変化する)をとらえ、沸騰前の所定温度で火力を切り替える。従ってセンサー温度が78℃になるまでの温度履歴は必要でないという特徴がある。
【0236】
図49で所定温度到達フラグがOFFか判定しS675、その場合はセンサ温度を2秒ごとに取り込みS676、センサー温度が78℃になったか判定しS677、78℃になったときのセンサー温度を記憶させS678、その後20秒経過したか判定しS679、経過したらセンサーが78℃になった温度と20秒経過したときの温度の温度差を求めS680、±4℃以内か判定するS681。
【0237】
温度差が±4℃以下の場合、78℃になってから40秒前の温度を一時記憶させながらS682、センサー温度が78℃になってから40秒経過したか判定しS683、経過したらセンサー温度が78℃になったときの温度と40秒経過したときの温度との温度差を求めS684、温度差が±8℃以内か判定しS685、8℃以上の場合は少量判別とし、S700に進む。
【0238】
±8℃以内の時は多量判別としS686、センサー温度が88℃になったか判定しS687、88℃になったら、80秒経過したか判定しS688、経過したら30秒前の温度差を求めS689、温度差が±5℃以下か判定しS690、±5℃以下になるのを待って、ブザーをONしS691、調理の量を判定しS692、少量か判定しS693、その場合は少量(火力2)S694、そうでない場合S693で判定が±4℃以下か判定しS695、その場合は中量(火力3)S696、そうでない場合は多量(火力4)S697とし、前記の量を記憶してS698、所定温度到達フラグをONしS699、もとに戻る。
【0239】
±4℃以上の場合は少量判別としS700、センサー温度が95℃になったか判定しS701、95℃になったらS701、15個(30秒)まえから現時点の温度を一時記憶させながらS702、30秒間経過させS703、30秒前のセンサー温度と現在温度の温度差を求めS704、温度差が±7℃以下か判定しS705、±7℃以下になったときS691に行く。
【0240】
上記の方法によって沸騰前に煮物火力に切替え、煮物調理時の沸騰時の煮こぼれを防止させるものである。
【0241】
次に火力調節サブルーチンを説明する。まず下記に本発明の火力調節の一例を下記(表5)にまとめて説明する。
【0242】
【表5】
【0243】
上記(表5)に示した如く、沸騰前所定温度到達までは、火力は最強(火力5)で燃焼させ、その間に、沸騰前所定温度判定フローA、B、Cの何れかの方法で、判定を行い、所定温度に到達すれば、煮物火力に切り替えるが、煮物火力には、その火力制御方式が、
(1)通常火力制御
(2)対流加熱制御
(3)均一加熱制御の3方法あり、予めプログラムでどれかを選定して使用する。但し、火力制御方法を選択できるキーを有するものはこの限りではない。
【0244】
前記の煮物火力で燃焼させ100℃前後になったとき(判別方法は、所定時間到達後から所定時間燃焼させる方法と、所定温度到達時から沸騰検知判定を行って沸騰状態を判定し、所定時間後を経過させる方法とがある)、火力制御方法を切り替えさせる方法がそれぞれの火力制御方法毎合計9種類ある。
【0245】
本発明では、全ての方法を列記することは、紙面の無駄になると考え、それぞれの代表を選定して、以降の各図で説明を行う。
【0246】
図50〜図65は、前記の加熱制御方式の組み合わせによる火力調節サブルーチンの一例の代表を示したもので、上記の組み合わせは記載していない組み合わせについても本発明の範疇である。
【0247】
まず図50は、火力調節サブルーチン1(通常加熱方式指示の時)を表している。前提条件として、沸騰前所定温度到達後の火力制御は通常加熱制御とする(消火させるまで同一火力制御で続行させる)。
【0248】
上記の場合サブルーチンのフローは図56の通常加熱制御方式火力調節サブルーチンへ行って帰り元へ戻す。
【0249】
図51は、火力調節サブルーチン2(対流加熱方式指示の時)を表している。前提条件として、沸騰前所定温度到達後の火力制御は対流加熱制御とする(消火させるまで同一火力制御で続行させる)。
【0250】
上記の場合サブルーチンのフローは図57の対流加熱制御方式火力調節サブルーチンへ行って帰り、元へ戻す。
【0251】
図52は、火力調節サブルーチン3(均一加熱方式指示の時)を表している。前提条件として、沸騰前所定温度到達後の火力制御は均一加熱制御とする(消火させるまで同一火力制御で続行させる)。
【0252】
上記の場合サブルーチンのフローは図59の均一加熱制御方式火力調節サブルーチンへ行って帰り、元へ戻す。
【0253】
図53は、火力調節サブルーチン4(対流+均一加熱方式指示の時)を表している。前提条件として、沸騰前所定温度到達後の火力制御は対流加熱制御とする。そして沸騰後は均一加熱制御とし、沸騰の判定は所定温度到達時から予め定めた所定時間経過後、対流加熱制御から均一加熱制御に切り替える。
【0254】
上記の場合サブルーチンのフローは図62の対流加熱制御方式火力調節サブルーチンへ行き、図63のサブルーチンに行き、図59のサブルーチンに行って、帰り、元へ戻す。
【0255】
図54は、火力調節サブルーチン5(対流+均一加熱方式指示の時)を表している。前提条件として、沸騰前所定温度到達後の火力制御は対流加熱制御とする。そして沸騰後は均一加熱制御とし、沸騰の判定は所定温度到達時から沸騰検知判定を行い沸騰して所定時間経過後、対流加熱制御から均一加熱制御に切り替える。
【0256】
上記の場合サブルーチンのフローは図62の対流+均一加熱制御方式火力調節サブルーチンへ行き、図64のサブルーチンに行き、図59のサブルーチンに行って、帰り、元へ戻す。
【0257】
図55は、火力調節サブルーチン6(対流加熱方式指示の時)を表している。前提条件として、沸騰前所定温度到達後の火力制御は対流加熱制御とする。そして対流加熱制御中に火力調節キー入力があった場合、通常加熱制御に切り替える。
【0258】
上記の場合サブルーチンのフローは図61の対流加熱制御方式火力調節サブルーチンへ行って帰り、元へ戻す。
【0259】
上記に示した如く、器具のソフトで予め制御内容を設定することにより、使用条件にあった機器の性能を保有させることができることとなる。
【0260】
以下に各加熱制御方式の動作フローを説明する。
【0261】
図56は通常加熱方式の火力切替方法を示し、図57、図58は対流加熱方式火力調節方法を示し、図59、図60は均一加熱方式の火力切替方法を示し、図62は対流加熱方式+均一加熱方式の組み合わせの火力調節方法を示している。
【0262】
従って、図50〜図55で加熱方式を分別し、分別した加熱方式へ飛んでいく処理を行う。但し、加熱方法の指示が各フローの中にない場合は、通常加熱方式として処理を行うこととする。
【0263】
図56は、通常加熱方式の火力調節サブルーチンを示し、所定温度到達フラグONか判定しS716、到達してない場合はS733に行き、ONの場合は、1回目でないか判定しS717、その場合は火力変更指示があるか判定しS718、指示がない場合はS733に行き、指示がある場合は1回目と共に、指示火力が火力1(弱)か判定しS719、その場合は火力1(400kcal/h)に変更しS720、火力1のLEDを点灯させS721、S733に行く。指示火力が1でない場合、指示火力が火力2(中弱)か判定しS722、その場合は火力2(700kcal/h)に変更しS723、火力2のLEDを点灯させS724、S733に行く。指示火力が2でない場合、指示火力が火力3(中)か判定しS725、その場合は火力3(1000kcal/h)に変更しS726、火力3のLEDを点灯させS727、S733に行く。指示火力が3でない場合、指示火力が火力4(中強)か判定しS728、その場合は火力4(1600kcal/h)に変更しS729、火力4のLEDを点灯させS730、S733に行く。指示火力が4でない場合、指示火力が火力5(強)と判定して火力5(2500kcal/h)に変更しS731、火力5のLEDを点灯させS732、S733に行き、元に戻す。
【0264】
図57は対流加熱方式火力調節サブルーチンのフローを示したものである。
【0265】
対流加熱(強弱燃焼の繰り返し、強は最大火力と限ったものでもなく1600kcal/hが強であっても含む、また弱も、最低火力のみが弱という意識でなく、700kcal/hであっても弱に含む、要するに煮物に適した火力が1000kcal/hであった場合、それ以上に強い火力、それ以下に弱い火力ということである)の特徴は煮こぼれを防止させる火力制御ができることにあり、一定火力では煮こぼれても弱火力を与えることにより、泡が消える。それから強火力にし、泡が大きくなるまでの間強火力を続けることができる。
【0266】
煮こぼれの状態をみていると、煮こぼれが発生するのは沸騰後の数分間であり、その後は煮こぼれをすることが少なくなる。それは、煮こぼれしやすい物質が加熱されることにより変質してしまうことによると考えられる。従って対流加熱を沸騰する前から、沸騰後の数分間与えることにより、煮こぼれを防止させることができる。
【0267】
前述の如く対流加熱を与える方法は沸騰前の所定温度から、沸騰検知を行って沸騰検知後数分間与える方法と、沸騰前の所定温度から、予め定めた沸騰状態後数分間見越した時間を決定しておいて与える方法があり、数分間の時間は量判定と組み合わせて変化させる方法もある。前者の方法は、量判定を行って沸騰後の時間を制御し、また確実に沸騰検知後の対流加熱を与えることができる利点を有するが、後者の場合は、沸騰前の所定温度以前に切り替わった場合は、沸騰後の対流加熱時間が少なくなる欠点を有している。但し、後者の利点は沸騰検知を行わずとも済むことから、マイコンの容量を削減できる利点もある。時間と量を組み合わせることの利点は、量によって沸騰までの時間を数多くの実験結果から類推し、実際にあった火力制御ができることにある。
【0268】
図57で所定温度到達フラグONか判定しS762、到達してない場合はS532に戻し、到達している場合は、火力変更指示があるか判定しS763、指示がない場合は1回目か判定しS764、1回目の場合指示火力に合わせるためにS765に進む。そうでない場合はと532に戻す。火力指示がある場合は、指示火力が1(弱)か判定しS765、その場合は前述した(表3)の火力番号1の第1〜第2の各火力と時間を記憶しS766、火力1のLEDを点灯しS767、S780に進む。そうでない場合は指示火力が2(中弱)か判定しS768、その場合は(表3)の火力番号2の第1〜第2の各火力と時間を記憶しS769、火力2のLEDを点灯しS770、S780に進む。そうでない場合は指示火力が3(中)か判定しS771、その場合は(表3)の火力番号3の第1〜第2の各火力と時間を記憶しS772、火力3のLEDを点灯しS773、S780に進む。そうでない場合は指示火力が4(中強)か判定しS774、その場合は(表3)の火力番号4の第1〜第2の各火力と時間を記憶しS775、火力4のLEDを点灯しS776、S780に進む。そうでない場合は指示火力が5(強)としS777、(表3)の火力番号5の第1〜第2の各火力と時間を記憶しS778、火力5のLEDを点灯しS779、S780に進む。
【0269】
図58は、対流燃焼のサブルーチンで、指示があるまで指定された燃焼を繰り返し行う動作フローを示している。サブルーチンに行って帰った後、S532に戻す。
【0270】
指定火力の第1火力に設定しS781、第1火力の時間を設定しS782、第1火力の時間をカウントS783、第1火力の設定時間がオーバーしたか判定するS784。オーバーするのを待ってから、指定火力の第2火力に設定しS785、第2火力の時間を設定しS786、第2火力の時間をカウントしS787、第2火力の設定時間がオーバーしたか判定するS788。オーバーするのを待ってから、S781に戻って繰り返す。
【0271】
図59は均一加熱方式火力調節サブルーチンのフローを示したもので、所定温度到達フラグONか判定しS734、到達してない場合はS532に戻し、到達している場合は、火力変更指示があるか判定しS735、指示がない場合は1回目か判定しS736、1回目の場合指示火力に合わせるためS737に進む。そうでない場合はS532に戻す。火力指示がある場合は、指示火力が1(弱)か判定しS737−1、その場合は前述した(表4)の火力番号1の第1〜第6の各火力と時間を記憶しS738、火力1のLEDを点灯しS739、S752に進む。そうでない場合は指示火力が2(中弱)か判定しS740、その場合は(表4)の火力番号2の第1〜第6の各火力と時間を記憶しS741、火力2のLEDを点灯しS742、S752に進む。そうでない場合は指示火力が3(中)か判定しS743、その場合は(表4)の火力番号3の第1〜第6の各火力と時間を記憶しS744、火力3のLEDを点灯しS745、S752に進む。そうでない場合は指示火力が4(中強)か判定しS746、その場合は(表4)の火力番号4の第1〜第6の各火力と時間を記憶しS747、火力4のLEDを点灯しS748、S752に進む。そうでない場合は指示火力が5(強)としS749、(表4)の火力番号5の第1〜第6の各火力と時間を記憶しS750、火力5のLEDを点灯しS751、S752に進む。
【0272】
図60は、均一燃焼のサブルーチンで、指示があるまで指定された燃焼を繰り返し行う動作フローを示している。サブルーチンに行って帰った後、S532に戻す。
【0273】
指定火力の第1火力に設定しS753、第1火力の時間を設定しS754、第1火力の時間をカウントしS755、第1火力の設定時間がオーバーしたか判定するS756。オーバーするのを待ってから、第1火力と同様に第2火力の火力と時間を設定し燃焼させるS757。第3火力についても第2火力と同様に行いS758、第4火力についても第2火力と同様に行いS759、第5火力についても第2火力と同様に行いS760、第6火力についても第2火力と同様に行いS761、ここまで終了したら第1火力に戻って繰り返す。この状態は次の変更火力入力が無い限りまた、消火動作指示がない限り持続させている。
【0274】
図61は対流加熱制御中に、火力調節キーでキー入力した場合、対流加熱を中止し、通常加熱に切り替える動作フローを示したものである。ここでは、通常加熱制御に切り替える例を示したが、均一加熱であってもよい。この図61は、図57の変形であるから変更箇所のみを説明する。火力変更ありS763のあと、図56の通常加熱制御方式火力調節サブルーチンに行くS789の変更を行うことにより、その目的を達成する。
【0275】
この対流加熱を中止して、通常加熱に切り替える目的は、強弱燃焼になじめない使用者が、器具の側にいるとき、通常燃焼に戻したいという思いをかなえる目的がある。
【0276】
但し、通常加熱に戻した場合、煮物の煮こぼれる確率は高くなる前提であるが、使用者が側にいることから煮こぼれには注意が行き届いているという前提である。
【0277】
図62は対流加熱方法+均一加熱方式の火力調節方法を示したサブルーチンフローである。対流加熱から均一加熱に切り替える方法は(1)対流加熱サイクルの所定回数後とする、すなわち所定時間経過後均一加熱に切り替える方法と、(2)鍋中温度、もしくは温度センサーが所定温度到達時点から(対流加熱開始時点)調理物が沸騰して所定時間経過するまでの間とする方法がある。
【0278】
前者は予め、マイコンに記憶させた回数を引用させる方式であり、後者の沸騰検知後所定時間対流加熱を行う方法については、沸騰検知方法は公知であることから、沸騰検知方法の行われる位置のみを示し、動作フローは、前者の方法に特化して説明する。
【0279】
図62で所定温度到達フラグONか判定しS790、達していない場合はS532に戻し、達した場合は1回目か判定しS791、1回目の場合は初期火力として、火力3(中)を指定しS792、次段S793に進む。1回目でない場合火力変更指示があるか判定しS793、ない場合はS532に戻し、ある場合は対流加熱燃焼が終了でないか判定しS794、終了でない場合、加熱指示は5(強)か判定しS795、その場合は前述した(表3)の火力番号5の第1〜第2の火力と時間と実行回数を記憶させS796、火力LED火力5を点灯させS797、次にS810進む。
【0280】
そうでない場合加熱指示は4(中強)か判定しS798、その場合は(表3)の火力番号4の第1〜第2の火力と時間と実行回数を記憶させS799、火力LED火力4を点灯させS800、次にS810進む。
【0281】
そうでない場合加熱指示は3(中)か判定しS801、その場合は(表3)の火力番号3の第1〜第2の火力と時間と実行回数を記憶させS802、火力LED火力3を点灯させS803、次にS810進む。
【0282】
そうでない場合加熱指示は2(中弱)か判定しS804、その場合は(表3)の火力番号2の第1〜第2の火力と時間と実行回数を記憶させS805、火力LED火力2を点灯させS806、次にS810進む。
【0283】
そうでない場合加熱指示は1(弱)としS807、(表3)の火力番号1の第1〜第2の火力と時間と実行回数を記憶させS808、火力LED火力1を点灯させS809、以降図63もしくは図64の、S810に進む。対流加熱が終了した場合S794、図59のS734に行く。
【0284】
図63は、所定温度に達して対流加熱に切り替えた後、所定時間対流加熱を行いその後は対流加熱制御以外の加熱制御に切り替える為の手段を示したものである。
【0285】
また、図64は、所定温度に達して対流加熱に切り替えた後、沸騰検知を行い沸騰後所定時間対流加熱を行いその後は対流加熱制御以外の加熱制御に切り替える為の手段を示したものである。
【0286】
図63において、説明の都合上設けたS810から、記憶した実行回数をKに代入しS810−1、N=N+1(Kのカウンタ)でカウントしS811、第1火力に変更しS812、記憶している時間を設定するS813。設定した第1火力の時間をカウントしS814、第1火力の時間がオーバーしたか判定しS815、経過したら、第2火力に変更しS816、記憶している時間を設定するS817。設定した第2火力の時間をカウントしS818、第2火力の時間がオーバーしたか判定しS819、経過したらN=K実行回数か判定しS820、終了していない場合はS811に行き、終了した場合は対流加熱終了フラグをたてS821、S790に戻す。
【0287】
図64において、説明の都合上設けたS810から、沸騰検知判定手段で沸騰していないか判定しS822、沸騰している場合は、1回目か判定しS823、1回目の場合は沸騰後のタイマーカウンタをONにするS824。その後、沸騰していない場合、1回目でない場合及び1回目の場合も、共に図63と同様、S812、S813、S814、S815、S816、S817、S819のフローを介して、沸騰後のタイマーカウンターが所定時間(x分)経過したか判定しS825、経過していない場合はS822へ、経過した場合は対流加熱終了フラグをたてS821、S790に行く。
【0288】
次に調理分類による火力自動設定について説明する。
【0289】
図65は、沸騰前所定温度判別で分類される、調理種類、鍋種類、量判定で煮物火力を自動設定する火力調節フローを示すものである。
【0290】
所定温度到達フラグONか判定しS826、していない場合はS532に戻し、到達した場合、調理分類が1か判定しS827、その場合は調理の容量が大か判定しS828、その場合は火力3(1000kcal/h)に設定しS829、火力LED火力3を点灯しS830、S532に戻る。
【0291】
容量が大でない場合火力2(700kcal/h)に設定しS831、火力LED火力2を点灯しS832、S532に戻る。
【0292】
また調理分類が1でない場合、調理分類が2か判定しS833、その場合は調理の容量が大か判定しS834、その場合は火力2(700kcal/h)に設定しS835、火力LED火力2を点灯しS836、S532に戻る。容量が大でない場合火力2(700kcal/h)に設定しS837、火力LED火力2を点灯しS838、S532に戻る。
【0293】
また調理分類が2でない場合、調理分類が3としS839、調理の容量が大か判定しS840、その場合は火力3(1000kcal/h)に設定しS841、火力LED火力3を点灯しS842、S532に戻る。容量が大でない場合火力2(700kcal/h)に設定しS843、火力LED火力2を点灯しS844、S532に戻る。
【0294】
上記したフローにより、調理内容に応じた煮込み火力に所定温度到達後自動的に切り替わるので、煮こぼれもなく、また、沸騰しているにもかかわらず必要以外の強火で燃焼させ火力の無駄使いと、煮詰まった料理を食べることが無くなるのである。
【0295】
なお、上記実施例では熱源としてガスを燃料としたバーナを用いたガス調理器で説明したが、熱源として電気ヒータや誘導加熱手段、マイクロ波加熱手段等を用いた調理器であってもよく、その場合の各部はそれに対応したもの、例えば流量制御手段であれば発熱量制御手段となるものであることを付記しておく。
【0296】
またこの実施例では火力や温度、時間等の各種条件を具体的な数値で説明しているが、それらが持つ所期の目的を達成する範囲のものであればこの具体数値に限定されるものでないことは言うまでもないことである。
【0297】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明は、熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分が異なる煮込み火力に自動的に替える構成としてあり、沸騰前の所定温度に達すると、自動的に強火力、弱火力を繰り返す加熱を行うようになり、煮こぼれがおきにくくなると共に上記強火力、弱火力、の時間配分が異なることによって煮物の内容に応じた適正な加熱ができることになり、上手に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施例に於ける調理器の外観を示す斜視図
(b)同操作部の正面図
【図2】同ガス流量制御装置の全体構成図
【図3】(a)同ガス制御ブロックの平面図
(b)同側断面図
【図4】(a)(b)同ガス制御部の流量制御機構のガタつき内容を示す説明図
【図5】(a)同エンコーダーの平面図
(b)同正面図
(c)同側面図
【図6】(a)〜(f)同エンコーダーのパターンと火力の相関図
【図7】同制御部のブロック図
【図8】同点火消火動作の概略フローチャート
【図9】同キー入力判定手段の概略フローチャート
【図10】同キー入力判定手段の概略フローチャート
【図11】同左こんろ用各種調理モードキー入力判定手段の概略フローチャート
【図12】同総合作動判定手段の概略フローチャート
【図13】同こんろ駆動判定手段の一部の概略フローチャート
【図14】同こんろ駆動判定手段の一部の概略フローチャート
【図15】同こんろ駆動判定手段の残りの概略フローチャート
【図16】同誤差検出処理手段の概略フローチャート
【図17】同火力変更判定手段の概略フローチャート
【図18】同火力変更判定手段の概略フローチャート
【図19】同火力変更判定手段の一部の概略フローチャート
【図20】同火力変更判定手段の一部の概略フローチャート
【図21】同火力変更判定手段の残りの概略フローチャート
【図22】同モーター誤作動処理手段の一部の概略フローチャート
【図23】同モーター誤作動処理手段の残りの概略フローチャート
【図24】(A)〜(D)同速度制御の説明図
【図25】同速度制御の概略フローチャート
【図26】同自動判別調理モードの概略フローチャート
【図27】同自動判別調理モードの概略フローチャート
【図28】同自動判別調理モードの概略フローチャート
【図29】同自動判別調理モードの概略フローチャート
【図30】同調理物の温度と温度センサー温度の関係図
【図31】同調理物の温度と温度センサー温度の関係図
【図32】同調理物の温度と温度センサー温度の関係図
【図33】同調理物の温度と温度センサー温度の関係図
【図34】同加熱制御方式の一例を示す説明図
【図35】同加熱制御方式の一例を示す説明図
【図36】同加熱制御方式の一例を示す説明図
【図37】同煮物モード設定の操作パネルの一例を示す図
【図38】同煮物モード設定の操作パネルの一例を示す図
【図39】同煮物モード設定の操作パネルの一例を示す図
【図40】同煮物モード設定の動作を示すフローチャート
【図41】同煮物モード設定の動作を示すフローチャート
【図42】同煮物モード設定の動作を示すフローチャート
【図43】同煮物モード設定の動作を示すフローチャート
【図44】同煮物モード設定の動作を示すフローチャート
【図45】同沸騰前所定温度判定フローAを示すフローチャート
【図46】同沸騰前所定温度判定フローBの一部を示すフローチャート
【図47】同沸騰前所定温度判定フローBの一部を示すフローチャート
【図48】同沸騰前所定温度判定フローBの残りを示すフローチャート
【図49】同沸騰前所定温度判定フローCを示すフローチャート
【図50】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図51】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図52】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図53】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図54】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図55】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図56】同通常加熱制御方式における火力調節サブルーチンのフローチャート
【図57】同対流加熱制御方式における火力調節サブルーチンのフローチャート
【図58】同対流加熱制御方式における火力調節サブルーチンのフローチャート
【図59】同均一加熱制御方式における火力調節サブルーチンのフローチャート
【図60】同均一加熱制御方式における火力調節サブルーチンのフローチャート
【図61】同火力調節サブルーチンのフローチャート
【図62】同対流加熱+均一加熱制御方式における火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図63】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図64】同火力調節サブルーチンを示すフローチャート
【図65】同調理分類自動煮込み火力設定サブルーチンを示すフローチャート
【符号の説明】
1 左こんろ
2 鍋底温度センサー
3 右こんろ
4 グリル
5 操作部
6 左こんろ用点火/消火キー
7 右こんろ用点火/消火キー
8 グリル用点火/消火キー
9 左こんろ用火力調節キー
23 左こんろバーナ
24 制御回路
29 左こんろガス制御部
30 右こんろガス制御部
31 グリルガス制御部
33 流量制御部
34 ステッピングモーター
36 右こんろバーナ
37 グリルバーナ
38 点火プラグ
39 調理モード設定キー
40 調理モード設定キー
41 調理モード設定キー
58 駆動制御部
82 温度判定部
83 調理モード判定部
84 焦げ付き防止判定部
85 過熱防止判定部
86 煮物判定部
87 湯沸かし判定部
Claims (9)
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分が異なる煮込み火力に自動的に替える調理器。
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は煮物煮こぼれ防止手段及び沸騰判定手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達して、かつ沸騰判定手段で沸騰検知した時から所定時間、強火力から、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力より高い煮こぼれ防止火力に合わせた火力に自動的に切り替える調理器。
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御部は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したときから所定時間、強火力から、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力より高い煮こぼれさせない火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に自動的に切り替える調理器。
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、量判定を行って、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、前記量判定結果に基づき量判定で少量と判定したときには400kcal/hより大きい火力2に、多量と判定したときには火力2より大きい火力3の煮込み火力に自動的に火力調整させる調理器。
- 火力2を700kcal/hにし、火力3を1000kcal/hにした請求項4に記載の調理器。
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に切り替え、所定時間経過後、被加熱体底面を略均一に加熱するための、強火力、中火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる第二煮込み火力に自動的に切り替える調理器。
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段と沸騰判定手段とを有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせるための、強火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に自動的に切り替え、前記沸騰判定手段で沸騰と判定してから所定時間加熱後、被加熱体底面を略均一に加熱するための、強火力、中火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる第二煮込み火力に自動的に切り替える調理器。
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いから被加熱体中の調理物の温度と、調理内容を推定し、推定に従って調理物が沸騰前の火力切替所定温度であるか判定させ、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、調理内容毎に予め定めた煮こぼれを生じ難くさせる、煮込み火力に自動火力切り替える調理器。
- 熱源と、この熱源によって加熱される被加熱体の温度を検出する温度検出手段と、前記熱源の火力を制御する熱量制御手段と、前記熱量制御手段を駆動して火力を制御する駆動制御部とを備え、前記駆動制御手段は煮物煮こぼれ防止手段を有していて、前記温度検出手段の温度上昇度合いを検知し、沸騰前の所定温度に達したとき、強火力から、煮こぼれを生じ難くさせ、かつ被加熱体底面を略均一に加熱するための、強火力、中火力、弱火力、の時間配分を煮込み火力に合わせた火力変動を定期的に行わせる煮込み火力に自動的に切り替える調理器。
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