JP4781960B2 - 照明器具 - Google Patents
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Description
請求項1記載の発明に係る照明器具(以下、「請求項1の照明器具」という)は、ランプを取り付けるためのランプホルダと、当該ランプホルダに取り付けた椀状のシェードと、当該シェード内部に取り付けた略円錐状の反射板と、を含めて構成してある。ここで、請求項1の照明器具の最大の特徴として、当該反射板が、当該ランプホルダに取り付けられたランプを包囲する上部反射板と、当該上部反射板の下部に位置する下部反射板と、を含めて構成してあり、さらに、当該上部反射板は、周方向に隣接する複数の平面反射板によって構成してあり、当該下部反射板は、丸く湾曲させた反射板によって構成してあり、取り付けたランプから見た当該下部反射板上端が当該上部反射板下端の裏に隠れるように配することによって当該ランプホルダに取り付けられたランプから出たランプ光が、当該上部反射板と当該下部反射板との間を通過不能に構成してある。上部反射板と下部反射板は、たとえば、反射率が90%以上の反射材によって構成することが好ましい。基礎となる基板の上に反射フィルム等を貼り付けて構成することもできる。
請求項2記載の発明に係る照明器具(以下、「請求項2の照明器具」という)は、請求項1の照明器具の基本構成を備えた上で、前記上部反射板が、1枚の平面反射板を周方向所定間隔を介して屈曲させることによって形成してある。
請求項3記載の発明に係る照明器具(以下、「請求項3の照明器具」という)は、請求項1または2の照明器具の基本構成を備えた上で、前記上部反射板の反反射面が水平線との間に形成する角度αが、前記下部反射板の反反射面が水平線との間に形成する角度βよりも小さく(α<β)設定してある。
図1及び3を参照しながら、照明器具の概略構造について説明する。照明器具1は、ランプ5を取り付けるためのランプホルダ3と、ランプホルダ3に取り付けたシェード11と、シェード11の内部に取り付けた略円錐状の反射板21と、を含めて概略構成してあり、たとえば、図1に示すように、家屋の天井Tから吊り下げて使用可能に構成してある。このため、ランプホルダ3には、外付け又は一体の吊り下げケーブル4を有している。本実施形態では、たとえば、360W程度の水銀ランプをランプ5として採用している。したがって、ランプホルダ3は上記水銀ランプを取付可能に構成してあるが、水銀ランプ以外のランプを採用する場合はそのランプの取付が可能となる構造や寸法に構成する。
図2及び3を参照しながら、反射板21の構造について説明する。反射板21は、ランプホルダ3に取り付けられたランプ5(図2及び3では省略、図1参照)を包囲する上部反射板23と、上部反射板23の下部に位置する下部反射板25と、から構成してある。上部反射板23及び下部反射板25は、いずれも、たとえば、米国ACA社製のPVDコーティング材(多層コーティング材)によって構成するとよい。反射率が高く軽量であるため、たいへん使い勝手がよいからである。上部反射板23は、C字に類似した形状に切り出した平面反射板を、周方向等間隔に放射方向に屈曲線を介して屈曲させ、平面反射板の一端に他端(重ね部23e)を重ねてリベット接合することによって円錐形状(角錐形状)に類似した形状に形成してある。換言すると、扇類似形状の平面反射板23aを周方向隣接させることによって上部反射板23を形成している。図2及び3に示す上部反射板23は、8枚の平面反射板23aによって構成したが、図4及び5に示すように、6枚の平面反射板23a−1,・・によって構成してもよい。図示は省略するが、8枚あるいは6枚以外の枚数によって構成してもよい。上部反射板23を1枚の素材板から構成したのは重ね部23eが1箇所で済むから製作工程を最小限にすることができるからであるが、製作工程は増えるが2枚又は3枚以上の平面反射板から構成することを妨げるものではない。さらに、重ね部23eと、それが重ねられた平面反射板23aとの間には、少なくとも重ね部23eの厚み分の段差が生じることになるが、その段差によって光反射に損失が出る場合もあり得るので、そのような損失をなるべく少なくして効率のよい反射を実現するためにも、重ね部23eの数は少ないほうが好ましい。上部反射板23は、シェード11の内部において内壁に沿わせて配してあり、適所でシェード11にリベット固定してある。
上部反射板23と下部反射板25の、頂部から下端までの長さ(反射板の幅)比は、概ね3対1前後に設定するとよい。つまり、上部反射板23の幅寸法Lu(図3参照)の略3分の1の長さに下部反射板25の幅寸法Lsを設定することが好ましい。多少の寸法変更に問題がないが、発明者らが行った実験によれば、上記寸法比に設定することによって効率的な光反射を実現することができた。次は、各反射板の取付角度である。図3に示す上部反射板23の反反射面(反射面の裏側の面)が水平線Huとの間に形成する角度α1を、35〜55度、さらに好ましくは、40〜50度に設定すると良好な結果が得られた。また、下部反射板25の反反射面が水平線Hsとの間に形成する角度β1を、65〜85度、さらに好ましくは、70〜80度に設定してある。上記角度はいずれも実験値であって、その因果関係は現在解明中である。いずれにしろ、角度α1は角度β1よりも小さいことが必要である。上部反射板23に反射されずにその下を通過しようとする光、さらに、上部反射板23に反射されたがその下を通過しようとする光を、被照射領域に反射させるためには、すなわち、反射板21全体の実質的反射面積を広くするためには、上記大小関係が必要だからである。つまり、角度α1が角度β1よりも大きいとすると、上記通過しようとする光を反射させることができなくなるからである。
図6乃至10を参照しながら、照度比較実験の結果について説明する。図6は、比較対象となる照明器具の底面図である。図7は、図6に示す照明器具のD−D断面図を上下逆に示した図である。図8は、比較対象に係る照明器具101の水平面照度分布図である。図9は、本実施形態に係る照明器具1の水平面照度分布図であり、図10は、同じく照明器具1−1の水平面照度分布図である。まず、比較対象とした照明器具の構造を説明する。図6及び7に示す比較対象に係る照明器具101は、シェード111と、シェード111の内部に取り付けた略円錐状の反射板121と、を含めて概略構成してある。シェード111を取り付けるためのランプホルダとランプホルダに保持されるランプは、省略してある。シェード111は、前述したシェード11,11−1と同じものであり、反射板121が上部と下部の区別なく1段によって構成してある点が、前述した照明器具1(1−1)と異なっている。上部反射板とともに下部反射板を設けることによる照度の変化を比較するためである。比較に使用したランプは、200Wの水銀ランプであり、取付高さは8メートルである。さらに、照射範囲は4メートル四方の範囲とした。反射板121は、前述した照明器具1−1と同様に6面に屈曲形成してある。
3 ランプホルダ
4 吊り下げケーブル
5 ランプ
11,11−1 シェード
21 反射板
23 上部反射板
23a 平面反射板
23e 重ね部
25 下部反射板
25a 反射板構成片
101 照明器具
111 シェード
121 反射板
T 天井
Claims (3)
- ランプを取り付けるためのランプホルダと、
当該ランプホルダに取り付けた椀状のシェードと、
当該シェード内部に取り付けた略円錐状の反射板と、を含む照明器具において、
当該反射板が、当該ランプホルダに取り付けられたランプを包囲する上部反射板と、当該上部反射板の下部に位置する下部反射板と、を含めて構成してあり、
当該上部反射板は、周方向に隣接する複数の平面反射板によって構成してあり、
当該下部反射板は、丸く湾曲させた反射板によって構成してあり、
取り付けたランプから見た当該下部反射板上端が当該上部反射板下端の裏に隠れるように配することによって当該ランプホルダに取り付けられたランプから出たランプ光が、当該上部反射板と当該下部反射板との間を通過不能に構成してある
ことを特徴とする照明器具。 - 前記上部反射板が、1枚の平面反射板を周方向所定間隔を介して屈曲させることによって形成してある
ことを特徴とする請求項1記載の照明器具。 - 前記上部反射板の反反射面が水平線との間に形成する角度αが、前記下部反射板の反反射面が水平線との間に形成する角度βよりも小さく(α<β)設定してある
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明器具。
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