JP4781689B2

JP4781689B2 - 組織修復のための装置及び方法

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Publication number: JP4781689B2
Application number: JP2005047599A
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Inventors: デビット・セルビテリ; トーマス・シー・メイ; デブラ・マック; スチュワート・フロム; クリストファー・エイ・バトルス
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Filing date: 2005-02-23
Publication date: 2011-09-28
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Description

本発明は、裂傷または損傷した組織を修復するための装置及び方法に関し、詳細には、調節可能な縫合糸を用いて裂傷または損傷した組織を固定するための装置及び方法に関する。

様々な傷害や症状で、軟組織の修復すなわち軟組織の骨及び／または周囲組織への再付着が必要になる。例えば、健常組織が裂けて骨から分離すると、多くの場合、治癒及び自然の再付着が可能となるように外科医がその組織を骨に再付着させる必要がある。軟組織を骨に再付着させるための様々な装置及び方法が開発されてきた。成功しているある方法では、縫合糸アンカーを使用している。このような縫合糸アンカーは通常、縫合糸取付け構造を有するアンカー本体と、縫合糸アンカーを骨及び／または組織内に維持するための骨または組織係合構造を含む。例えば半月板などの組織が裂傷した場合にも、外科医が組織を修復する必要がある。このような裂傷を修復するための最も単純な方法は、縫合糸を組織に通して結んでその裂傷を縫合して閉じる方法である。このような縫合糸は、縫合糸アンカーと共に用いることもできる。

軟組織の骨への再付着及び／または裂傷組織の修復に用いる多くの縫合糸アンカー装置が成功しているが、これらの装置には欠点がある。多くの縫合糸アンカーは、例えば、骨及び／または組織に縫合糸を取り付けるために１または複数の結び目を形成する必要がある。縫合糸を結ぶのは時間のかかる困難な作業であり、特に、腹腔鏡手術や内視鏡手術では、外科医は内視鏡チューブに挿入された器具を用いて遠隔から縫合糸を操作しなければならない。更に、１本の縫合糸を固定するために複数の結び目が必要な場合が多い。結び目はまた、組織の上の「突起物（stand proud）」となり、動きや治癒の妨げになる。

別の縫合糸アンカーは、縫合糸を引張って骨及び／または組織に縫合糸を固定できる結び目のないシステムを用いている。結び目のない縫合糸アンカーは通常、アンカーに取り付ける縫合糸、及びその縫合糸の自由端を受容するループを含む。このような構造は結ばないでも固定することができるが、縫合糸を固定するために用いるアンカー自体が組織の上の突起物となって、患者に不快感を与え、治癒を妨げる。近年、１本の縫合糸で複数のアンカーを固定することができる結び目のないアンカーが開発された。このようなシステムでは、それぞれの縫合糸アンカーを個々に固定する必要はないが、各縫合糸アンカーに対して個々に縫合糸の張りを調節することができない。

従って、裂傷または損傷した組織を修復するための改良された方法及び装置、具体的には、複数の縫合糸を用いて裂傷組織及び／または損傷組織を修復するための方法及び装置が要望されている。修復する組織の損傷リスクが低減され、動きや治癒を妨げない薄型を可能にする方法及び装置が要望されている。

本発明は、裂傷または損傷した組織を修復するための縫合糸アンカーシステムを提供する。この縫合糸アンカーシステムは通常、少なくとも１本の縫合糸が取り付けられた第１の縫合糸アンカーと、少なくとも１本の縫合糸が取り付けられた第２の縫合糸アンカーを含む。これらの縫合糸は、第１の縫合糸アンカーと第２の縫合糸アンカーとの距離が互いに対して選択的に調節できるように互いに連結されている。

一実施形態では、第１の縫合糸及び第２の縫合糸は、これらの間に延在する第３の縫合糸によって互いにスライド可能に連結することができる。例えば、第１の縫合糸、第２の縫合糸、及び第３の縫合糸のそれぞれに縫合糸ループを形成することができ、第３の縫合糸の縫合糸ループを第１の縫合糸の縫合糸ループ及び第２の縫合糸の縫合糸ループのそれぞれに連結することができる。第１の縫合糸アンカー及び第２の縫合糸アンカーはそれぞれ、第１の縫合糸及び第２の縫合糸に取り付けられるのが好ましい。少なくとも一方の縫合糸に、その縫合糸ループの大きさを調節することができる引き結びを形成することができる。例示的な実施形態では、第１の縫合糸及び第２の縫合糸のそれぞれに引き結びが形成され、第３の縫合糸が、互いに対して結合されて固定された両端によって形成された縫合糸ループを有する。別法では、第１の縫合糸及び第２の縫合糸のそれぞれの縫合糸ループを、互いに結合されて固定された縫合糸の両端部によって形成し、第３の縫合糸の縫合糸ループにその縫合糸ループの大きさを調節することができる引き結びを形成することができる。

別の実施形態では、第１の縫合糸及び第２の縫合糸を、これらの一方に形成された引き結びによって互いに連結することができる。単なる例示目的として、第１の縫合糸及び第２の縫合糸はそれぞれ、第１の端部と反対側の第２の端部を含むことができる。第１の縫合糸の第１の端部を第１の縫合糸アンカーに連結し、第２の反対側の端部を自由端として残すことができる。第２の縫合糸の第１の端部が第１の縫合糸に沿ってスライドできるように第２の縫合糸の第１の端部を引き結びによって第１の縫合糸の一部分に取り付けることができ、第２の縫合糸の第２の端部を第２の縫合糸アンカーに連結することができる。

本発明の別の態様では、第１の縫合糸に、第２の縫合糸に形成された縫合糸ループに連結された縫合糸ループを形成することができる。それぞれの縫合糸ループは縫合糸アンカーを含むのが好ましい。第１の縫合糸の縫合糸ループ及び第２の縫合糸の縫合糸ループのそれぞれに、それぞれの縫合糸ループの大きさを調節できるように引き結びを形成することができる。別法では、唯１つの縫合糸ループ、例えば第１の縫合糸の縫合糸ループに、その縫合糸ループの大きさを調節できるように引き結びを形成することができ、他方の縫合糸ループ、例えば第２の縫合糸の縫合糸ループが固定された大きさを有することができる。このような縫合糸ループの大きさの固定は、縫合糸の両端部を互いに結合して固定して達成することができる。

本発明はまた、組織を固定するための方法を提供する。この用法は、第１の縫合糸が取り付けられた第１のアンカー部材を修復する組織を通過させて固定用組織内に挿入するステップと、第２の縫合糸が取り付けられた第２のアンカー部材を修復する組織を通過させて、第１のアンカー部材から選択した距離離間した位置の固定用組織内に挿入するステップとを含む。第２のアンカー部材の第２の縫合糸は、第１のアンカー部材の第１の縫合糸に調節可能に結合するのが好ましい。この方法は更に、第１の縫合糸及び第２の縫合糸の少なくとも一方を引張って、修復する組織を固定用組織に固定するステップを含む。縫合糸の端部を引張って第１の縫合糸及び第２の縫合糸の少なくとも一方を張ることができる。例示的な実施形態では、修復する組織は膝の半月板である。

裂傷または損傷した組織を修復するための改良された方法及び装置、具体的には、複数の縫合糸を用いて裂傷組織及び／または損傷組織を修復するための方法及び装置が提供される。また、修復する組織の損傷リスクが低減され、動きや治癒を妨げない薄型を可能にする方法及び装置が提供される。

添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば本発明をより良く理解できるであろう。

本発明は、裂傷または損傷した組織を修復するための縫合糸アンカーシステムを提供する。縫合糸アンカーシステムは通常、第１の縫合糸アンカーに取り付けられた少なくとも１本の縫合糸が取り付けられた第１の縫合糸アンカーと、少なくとも１本の縫合糸が取り付けられた第２の縫合糸アンカーを含む。それぞれの縫合糸は、第１の縫合糸アンカーと第２の縫合糸アンカーとの距離を選択的に調節できるように互いに連結されている。縫合糸アンカーシステムはまた、互いに固定して位置に第１の縫合糸アンカー及び第２の縫合糸アンカーを維持することができる少なくとも１つの引き結び目を含むのが好ましい。使用する場合、縫合糸アンカーを、選択した距離互いに離間した位置にある修復する組織を通過させて固定用組織内に配置することができる。次いで、縫合糸を引張って裂傷または損傷した組織を固定用組織に対して近接させ、裂傷組織を固定用組織に確実に固定することができる。

本発明の縫合糸アンカーシステムは様々な構成を有することができ、図１−図５に様々な例示的な縫合糸アンカーシステムが示されている。それぞれのシステムは、第１の縫合糸アンカーと第２の縫合糸アンカーとの距離を互いに対して選択的に調節できるように互いに連結された第１の縫合糸及び第２の縫合糸を含む。当業者であれば、用語「縫合糸」は通常、第１の端部及び第２の端部を含む所定の長さの縫合糸を指すことを理解できよう。更に、実質的にあらゆる種類の縫合糸材料を用いることができるが、それぞれの縫合糸は、ジョンソン・アンド・ジョンソン（Johnson & Johnson）グループのエシコン（Ethicon,Inc.）社が製造するＥｔｈｉｂｏｎｄ（登録商標）などの非吸収性材料、または同じエシコン（Ethicon,Inc.）社が製造するＰａｎａｃｒｙｌ（登録商標）などの吸収性材料から形成されるのが好ましい。

図１に、第３の縫合糸１６によって互いに連結された第１の縫合糸１２及び第２の縫合糸１４を含む縫合糸アンカーシステム１０が例示されている。第１の縫合糸１２及び第２の縫合糸１４はそれぞれ、第１の端部１２ａ及び１４ａと第２の端部１２ｂ及び１４ｂを有する。縫合糸１２及び１４の第１の端部１２ａ及び１４ａはそれぞれ、詳細を後述するように縫合糸１２及び１４を引張るための自由端として機能し、第２の端部１２ｂ及び１４ｂはそれぞれ、縫合糸１２及び１４の一部分に取り付けられて縫合糸ループ１２ｃ及び１４ｃを形成している。様々な技術を用いて第２の端部１２ｂ及び１４ｂを縫合糸１２及び１４に取り付けることができるが、縫合糸１２及び１４に沿って移動できる結び目１２ｄ及び１４ｄを用いるのが好ましい。例示的な実施形態では、結び目１２ｄ及び１４ｄは、ハングマン結び（hangman knot）またはテグス結びなどの従来の引き結び１２ｄ及び１４ｄである。引き結び１２ｄ及び１４ｄにより、縫合糸ループ１２ｃ及び１４ｃの大きさを調節することができる。引き結び目１２ｄ及び１４ｄはまた、詳細を後述するように互いに対して固定した位置に縫合糸アンカー１８及び１９を固定することができる。縫合糸１２及び１４に第２の端部１２ｂ及び１４ｂの取付けに用いる技術にかかわらず、第１の端部１２ａ及び１４ａは結び目１２ｄ及び１４ｄから延出させて、縫合糸１２及び１４を引張って縫合糸ループ１２ｃ及び１４ｃを小さくするために用いることができる縫合糸１２及び１４の自由端を形成すべきである。

第１の縫合糸１２及び第２の縫合糸１４は、それぞれの縫合糸ループ１２ｃ及び１４ｃ部分に取り付けられた縫合糸アンカー１８及び１９を含むことができる。例示的な実施形態では、縫合糸アンカー１８及び１９は、縫合糸１２及び１４の縫合糸ループ１２ｃ及び１４ｃの大きさを調節する際にスライドできるようにそれぞれの縫合糸ループ１２ｃ及び１４ｃにスライド可能に取り付けられている。縫合糸アンカー１８及び１９の構造は様々にすることができ、当業者であれば、実質的に全ての種類のアンカー装置を本発明に用いることができることを理解できよう。しかしながら、例示されている実施形態では、それぞれのアンカー１８及び１９は、縫合糸１２及び１４をスライド可能に受容するための孔１８ｃ及び１９ｃが形成された縫合糸受容部分１８ａ及び１９ａと、組織に係合するように適合された組織係合部分１８ｂ及び１９ｂを含む。

上記したように、縫合糸アンカーシステム１０は、第１の縫合糸１２及び第２の縫合糸１４のそれぞれに連結される第３の縫合糸１６を含むこともできる。様々な技術を用いて第３の縫合糸１６を第１の縫合糸１２及び第２の縫合糸１４に連結することができるが、図１には、第１の縫合糸１２の第１の縫合糸ループ１２ｃと第２の縫合糸１４の第２の縫合糸ループ１４ｃの間に延在してそれらに連結される縫合糸ループの形態である第３の縫合糸１６が例示されている。以降は縫合糸ループ１６と呼ぶことにする第３の縫合糸は、縫合糸の端部１６ａ及び１６ｂを互いに結合して形成することができる。これは、例えば、端部１６ａと端部１６ｂを互いに結ぶ、端部１６ａと端部１６ｂを互いに超音波結合する、または他の従来技術を用いて達成することができる。使用する場合、第３の縫合糸ループ１６は、第１の縫合糸１２と第２の縫合糸１４との間のブリッジとして機能し、修復する組織の組織表面に亘って延在する。従って、第３の縫合糸ループ１６の大きさは、実施する処置に応じて調節することができる。しかしながら、例示的な実施形態では、第３の縫合糸ループ１６は、修復する組織を通過して固定用組織内に配置された時の第１の縫合糸アンカー１８と第２の縫合糸アンカー１９の意図する距離に実質的に一致する直径ｄ₁を有するのが好ましい。

別の実施形態では、図１に示されている第３の縫合糸ループ１６を、図２に示されている調節可能な縫合糸ループにすることができる。この実施形態では、縫合糸アンカーシステム２０は、固定長の縫合糸ループ２２ｃ及び２４ｃをそれぞれ有する第１の縫合糸２２及び第２の縫合糸２４、並びに第１の縫合糸ループ２２ｃと第２の縫合糸ループ２４ｃとの間に延在してこれらに連結された調節可能な縫合糸ループ２６ｃを有する第３の縫合糸２６を含む。第１の縫合糸ループ２２及び第２の縫合糸ループ２４の固定長は、縫合糸アンカー１８及び１９がスライドできるように縫合糸ループ２２ｃ及び２４ｃに通して、第１の端部２２ａと第２の端部２２ｂ及び第１の端部２４ａと第２の端部２４ｂを互いに固定して形成することができる。例示的な実施形態（不図示）では、端部２２ａと端部２２ｂ及び端部２４ａと２４ｂを、例えば結び目２２ｄ及び２４ｄを形成して互いに結合し、次いで、それぞれの縫合糸ループ２２ｃ及び２２ｃを縫合糸アンカー１８及び１９に形成された孔１８ｃ及び１９ｃに通して、結び目２２ｄ及び２４ｄが縫合糸アンカー１８及び１９に保持されるようにする。上記したように、様々な他の技術を用いて、端部２２ａと２２ｂ及び端部２４ａと２４ｂを互いに結合して固定することができる。

第３の縫合糸２６は、図１を用いて説明した第１の縫合糸１２及び第２の縫合糸１４に類似している。詳細を後述するように、第３の縫合糸２６は、縫合糸２６を引張るために用いることができる自由端として機能する第１の端部２６ａと、縫合糸ループ２６ｃを形成するために縫合糸２６の一部分に取り付けることができる第２の端部２６ｂを含む。縫合糸ループ２６ｃは、第１の縫合糸２２の第１の縫合糸ループ２２ｃと第２の縫合糸２４の第２の縫合糸ループ２４ｃとの間に延在してこれらに連結されている。図１を用いて説明したように、縫合糸２６の第２の端部２６ｂは、図示されているように引き結び２６ｄを用いて縫合糸２６の一部分に取り付けるのが好ましいが、第２の端部２６ｂが縫合糸２６に沿ってスライドできる他の種類の結び方も用いることができる。

使用する場合、第３の縫合糸２６は、第１の縫合糸２２と第２の縫合糸２４との間のブリッジとして機能し、修復する組織の組織表面に亘って延在する。第１の縫合糸アンカー１８及び第２の縫合糸アンカー１９を修復する組織を通過させて固定用組織内に配置したら、第３の縫合糸２６の自由端２６ａを引張って縫合糸ループ２６ｃを小さくする。すると、第１の縫合糸２２と第２の縫合糸２４との間の縫合糸が引張られ、これにより裂傷または損傷した組織が固定用組織に近接して固定される。

本発明の別の実施形態では、第３の縫合糸を用いて第１の縫合糸と第２の縫合糸を連結するのではなく、第１の縫合糸と第２の縫合糸を互いに直接連結することができる。図３に、第３の縫合糸を用いずに第１の縫合糸と第２の縫合糸を連結する１つの方法が例示されている。図示されているように、縫合糸アンカーシステム３０は通常、自由端として機能する第１の自由端３２ａ、及び縫合糸ループ３２ｃを形成するべく好ましくは引き結び３２ｄを用いて縫合糸３２の一部分に取り付ける第２の端部３２ｄを有する第１の縫合糸３２を含む。縫合糸アンカーシステム３０はまた、自由端として機能する第１の端部３４ａ、及び縫合糸ループ３４ｃを形成するべく好ましくは引き結び３４ｄを用いて縫合糸３４の一部分に取り付けられる第２の自由端３４ｂを有する第２の縫合糸３４を含む。第１の縫合糸ループ３２ｃ及び第２の縫合糸ループ３４ｃはそれぞれ、図示されているように互いに連結され、スライド可能に配置された組織アンカー２８及び１９が取り付けられている。使用する場合、第１の縫合糸アンカー１８及び第２の縫合糸アンカー１９を、修復する組織を通過させて固定用組織内に配置し、縫合糸ループ３２ｃ及び３４ｃが、第１の縫合糸アンカー１８と第２の縫合糸アンカー１９との間のブリッジとして機能し、修復する組織の組織表面に亘って延在するようにする。それぞれの縫合糸３２及び３４の自由端３２ａ及び３４ａを引張ってそれぞれの縫合糸ループ３２ｃ及び３４ｃを小さくする。すると、縫合糸ループ３２ｃ及び３４ｃが互いに対して引張られ、これにより裂傷または損傷した組織が固定用組織に対して近接して固定される。

図４に、互いに直接連結される第１の縫合糸４２及び第２の縫合糸４４を含む縫合糸アンカーシステム４０の別の実施形態が例示されている。この実施形態では、例えば縫合糸４２である一方の縫合糸が固定された直径を有し、例えば縫合糸４４である他方の縫合糸は調節可能な直径を有する。具体的には、縫合糸４２の端部４２ａ及び４２ｂは、互いに結ばれて結び目４２ｄを形成し、これにより縫合糸ループ４２ｃが形成されている。アンカー１８が縫合糸ループ４２ｃにスライド可能に取り付けられている。第２の縫合糸４４は、自由端として機能する第１の端部４４ａと、縫合糸ループ４４ｃを形成するべく好ましくは引き結び目４４ｄを用いて縫合糸４４の一部分に取り付けられる第２の端部４４ｂを含む。使用する場合、第２の縫合糸４２の縫合糸ループ４２ｃは、第１の縫合糸アンカー１８と第２の縫合糸アンカー１９との間のブリッジとして機能し、修復される組織の組織表面に亘って延在する。第１の縫合糸ループ４２ｃの直径によっては、第１の縫合糸ループ４２ｃの一部が、組織表面の少なくとも一部分に亘って延在するブリッジとして機能することができる。第２の縫合糸４４の自由端４４ａを引張って縫合糸ループ４４ｃを小さくし、裂傷または損傷した組織を固定用組織に近接させて固定することができる。

図５に、本発明に従った縫合糸アンカーシステム５０の別の実施形態が例示されている。図示されているように、縫合糸アンカーシステム５０は、第１の縫合糸５２及び第２の縫合糸５４を含む。第１の縫合糸５２及び第２の縫合糸５４はそれぞれ、第１の端部５２ａ及び５４ａと、縫合糸アンカー１８及び１９が係合する第２の端部５２ｂ及び５４ｂを有する。一方の縫合糸の第１の端部、例えば第１の縫合糸５２の端部５２ａが自由端をなし、他方の縫合糸の第１の端部、例えば第２の縫合糸５２の端部５４ａが、第１の縫合糸５２の一部分に第２の縫合糸５４の第２の端部５４ａで好ましくは引き結び目を形成してスライド可能に取り付けられる。従って、第１の縫合糸５２の第１の端部５２ａを自由端として用いて、第１の縫合糸アンカー１８と第２の縫合糸アンカー１９との間に延在する縫合糸の長さを調節することができる。具体的には、第１のアンカー１８及び第２のアンカー１９が修復する組織を通過させて固定用組織内に配置したら、第１の縫合糸５２の第１の端部５２ａを引張って、裂傷または損傷した組織を固定用組織に近接させて固定することができる。

上記したように、縫合糸５２及び５４の第２の端部５２ｂ及び５４ｂのそれぞれに、当分野で知られている実質的に全ての係合技術を用いて縫合糸アンカー１８及び１９を係合させることができる。例えば、縫合糸アンカー１８及び１９を端部５２ａ及び５４ａに取り付けて固定したり、または図５に示されているように縫合糸アンカー１８及び１９を縫合糸５２及び５４にスライド可能に取り付けることができる。これは、縫合糸５２及び５４の端部に結び目５２ｄ及び５４ｄを形成し、結び目５２ｄ及び５４ｄと第１の端部５２ａ及び５４ａとの間の縫合糸５２及び５４に沿って縫合糸アンカー１８及び１９を配置して達成することができる。

当業者であれば、本発明の縫合糸アンカーシステムが様々な他の構造を有することができ、裂傷または損傷した組織を接近させて固定用組織に取り付けるために、様々な他の技術を用いて２つの縫合糸アンカー間に延在する縫合糸の長さを調節できることを理解できよう。更に、縫合糸アンカーシステムは唯２つの縫合糸アンカー１８及び１９を有するとして示されているが、縫合糸アンカーシステムは任意の数のアンカー装置を用いることができる。

図６Ａ‐図６Ｃに、本発明に従った裂傷または損傷した組織を修復するための例示的な方法が示されている。この方法の実施には実質的にあらゆるタイプの縫合糸アンカーシステムを用いることができるが、図６Ａ‐図６Ｃには、図１に示されている縫合糸アンカーシステムを用いた裂傷組織の修復が例示されている。図６Ａ‐図６Ｃには、具体的に修復されるひざの半月板が例示されているが、当業者であれば本発明の縫合糸アンカーシステム及び方法を様々な他の医療処置に用いることができることを理解できよう。また当業者であれば、本発明のシステムを、患者の準備、麻酔、患者の皮膚を通る１または複数の切開部の形成を含め、既知の容認された関節鏡外科手術に用いることができることを理解できよう。

初めに、縫合糸アンカー１８及び１９を様々な方法及び装置を用いて組織内に配置することができる。しかしながら、例示されている実施形態では、縫合糸アンカー１８及び１９をデリバリー装置に装着する。このデリバリー装置は、アンカー部材を修復する組織を通過させて骨及び／または組織を含む固定用組織内に配置することができる。一般に、デリバリー装置６０は、それぞれの縫合糸アンカー１８及び１９をスライド可能に受容するように適合された概ね細長い針の形態である。デリバリー装置６０はまた、それぞれのアンカー部材１８及び１９を針に沿って組織及び／または骨内に選択的に進めることができるトリガー機構（不図示）を含む。

当業者であれば、様々な他の技術を用いてアンカー部材を修復する組織を通過させて固定用組織内に配置できることを理解できよう。更に、当業者であれば、本発明のシステムを、患者の準備、麻酔、患者の皮膚を通る１または複数の切開部の形成を含め、既知の容認された関節鏡外科手術に用いることができることを理解できよう。

図６Ａに、裂傷部７２を有する膝の半月板７０が例示されている。第１の縫合糸アンカー１８が、半月板７０から裂傷部７２を通過して固定用組織（図示されている実施形態では、裂傷部の後側の半月板部分）内に配置されている。場合によっては、固定用組織に接合カプセルを含めることもできる。第１の縫合糸アンカー１８が取り付けられた第１の縫合糸ループ１２ｃが、縫合糸アンカー１８から裂傷部７２を経て半月板７０から延出し、第２の縫合糸１４の第２の縫合糸ループ１４ｃに連結されている。

次いで、図６Ｂに示されているように、第２のアンカー１９を半月板７０内に挿入して裂傷部７２を通過させて固定用組織内に配置することができる。第２のアンカー１９の第２の縫合糸ループ１４ｃが、第１の縫合糸１８の第１の縫合糸ループ１２ｃに連結された第３の縫合糸ループ１６ｃに連結されているため、縫合糸ループ１２ｃ、１４ｃ、及び１６ｃが、第１のアンカー１８及び第２のアンカー１９から裂傷部７２を通って半月板７０の外部まで延在している。第２のアンカー１９は、第１のアンカー部材１８から選択した距離離間した位置の組織内に配置すべきである。この距離は修復する組織によって異なるが、この距離は、第３の縫合糸ループ１６ｃの直径に実質的に等しくして、第３の縫合糸ループ１６ｃが半月板７０の外部に亘って延在して半月板７０に係合できるようにすべきである。この処置を繰り返し、別の縫合糸アンカーを移植して裂傷組織の修復を容易に実施することができる。

アンカー１８及び１９を移植したら、半月板７０から延出している縫合糸１２及び１４の端部１２ａ及び１４ａをそれぞれ用いて第１の縫合糸ループ１２ｃ及び第２の縫合糸ループ１４ｃを小さくし、これにより第３の縫合糸ループ１６ｃを半月板７０の外面に対して係合させることができる。これは、それぞれの縫合糸１２及び１４の端部１２ａ及び１４ａを引張って、それぞれの縫合糸１２及び１４の引き結び目１２ｄ及び１４ｄをアンカー１８及び１９に向かってスライドさせて達成することができる。この結果、裂傷組織７２が固定用組織に向かって接近して、裂傷組織７２が固定用組織に固定される。それぞれの縫合糸１２及び１４の引き結び目１２ｄ及び１４ｄは、縫合糸ループ１２ｃ及び１４ｃが大きくなるのを防止する。裂傷組織７２が修復され固定組織に固定されたら、それぞれの縫合糸１２及び１４の端部１２ｂ及び１４ｂを図６ｃに示されているように切断することができる。

当業者であれば、上記した実施形態から本発明の更なる特徴及び利点を理解できるであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除き、ここで図面を用いて説明した実施形態に限定されるものではない。ここに記載した全ての刊行物及び参照文献は言及することをもってその内容の全てを本明細書の一部とする。

本発明の実施態様は以下の通りである。
（１）縫合糸アンカーシステムであって、
少なくとも１本の縫合糸が取り付けられた第１の縫合糸アンカーと、
少なくとも１本の縫合糸が取り付けられた第２の縫合糸アンカーとを含み、
前記第１の縫合糸アンカーと前記第２の縫合糸アンカーとの互いに対する距離を選択的に調節できるように、前記各縫合糸が互いに連結されていることを特徴とする縫合糸アンカーシステム。
（２）更に、前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸の少なくとも一方に少なくとも１つの引き結びが形成されており、この引き結びが、前記第１の縫合糸アンカーと前記第２の縫合糸アンカーを互いに対して固定位置に維持するように適合されていることを特徴とする実施態様（１）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（３）前記第１の縫合糸アンカーに第１の縫合糸が取り付けられ、前記第２の縫合糸アンカーに第２の縫合糸が取り付けられており、前記第１の縫合糸と前記第２の縫合糸が互いに対してスライド可能に連結されていることを特徴とする実施態様（１）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（４）前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸が、それらの間に延在する第３の縫合糸によって互いに対してスライド可能に連結されていることを特徴とする実施態様（３）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（５）更に、前記第１の縫合糸、前記第２の縫合糸、及び前記第３の縫合糸の少なくとも１つに少なくとも１つの引き結びが形成されており、この引き結びが、前記第１の縫合糸アンカーと前記第２の縫合糸アンカーを互いに対して固定位置に維持するように適合されていることを特徴とする実施態様（４）に記載の縫合糸アンカーシステム。

（６）前記第１の縫合糸、前記第２の縫合糸、及び前記第３の縫合糸のそれぞれに縫合糸ループが形成されており、前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループが前記第１の縫合糸アンカーに取り付けられ、前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループが前記第２の縫合糸アンカーに取り付けられており、前記第３の縫合糸の前記縫合糸ループが、前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループのそれぞれに連結されていることを特徴とする実施態様（４）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（７）前記縫合糸ループの少なくとも１つに、その縫合糸ループの大きさを調節することができる引き結びが形成されていることを特徴とする実施態様（６）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（８）前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループのそれぞれに、それぞれの縫合糸ループの大きさを調節することができる引き結びが形成されており、前記第３の縫合糸が、互いに対して結合されて固定された両端部を有する縫合糸ループを含むことを特徴とする実施態様（６）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（９）前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループがそれぞれ、互いに対して結合されて固定された前記各縫合糸の両端部によって形成されており、前記第３の縫合糸の前記縫合糸ループに、その縫合糸ループの大きさを調節できる引き結びが形成されていることを特徴とする実施態様（６）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（１０）前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸が、それらの一方に形成された引き結びによって互いに連結されていることを特徴とする実施態様（３）に記載の縫合糸アンカーシステム。

（１１）前記第１の縫合糸が第１の端部と反対側の第２の端部を含み、前記第２の端部が前記第１の縫合糸アンカーに連結されており、前記第２の縫合糸が第１の端部及び第２の端部を含み、この第１の端部が前記第１の縫合糸に沿って移動できるように引き結びによって前記第１の縫合糸の一部分に連結されており、前記第２の縫合糸の前記第２の端部が前記第２の縫合糸アンカーに連結されていることを特徴とする実施態様（１０）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（１２）前記第１の縫合糸に縫合糸ループが形成されており、この縫合糸ループが前記第２の縫合糸に形成された縫合糸ループに連結されており、前記第１の縫合糸ループが前記第１の縫合糸アンカーに結合されており、前記第２の縫合糸ループが前記第２の縫合糸アンカーに結合されていることを特徴とする実施態様（３）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（１３）前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸のそれぞれの前記縫合糸ループに、前記各縫合糸ループの大きさを調節することができるように引き結びが形成されていることを特徴とする実施態様（１２）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（１４）前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループに、その縫合糸ループの大きさを調節することができるように引き結びが形成されており、前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループが固定された大きさを有することを特徴とする実施態様（１２）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（１５）前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループが、互いに対して取り付けられて固定された前記第２の縫合糸の両端部によって形成されていることを特徴とする実施態様（１４）に記載の縫合糸アンカーシステム。

（１６）前記各縫合糸アンカーが前記縫合糸にスライド可能に配置されていることを特徴とする実施態様（１）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（１７）前記各縫合糸アンカーが前記縫合糸に固定されていることを特徴とする実施態様（１）に記載の縫合糸アンカーシステム。
（１８）組織を固定するための方法であって、
第１の縫合糸が取り付けられた第１の縫合糸アンカー部材を修復する組織を通過させて固定用組織内に挿入するステップと、
第２の縫合糸が取り付けられた第２の縫合糸アンカー部材を前記修復する組織を通過させて、前記第１のアンカー部材から選択した距離離間した位置の前記固定用組織内に挿入するステップであって、前記第２のアンカー部材の前記第２の縫合糸が前記第１のアンカー部材の前記第１の縫合糸に調節可能に連結されている、前記ステップと、
前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸の少なくとも一方を引張って前記修復する組織を前記固定用組織に固定するステップとを含むことを特徴とする方法。
（１９）更に、前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸の少なくとも一方に少なくとも１つの引き結びが形成されており、この引き結びが、前記第１の縫合糸アンカーと前記第２の縫合糸アンカーを互いに対して固定位置に維持するように適合されていることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。
（２０）前記縫合糸の端部を引張って前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸の少なくとも一方を張ることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。

（２１）前記修復する組織が膝の半月板であることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。
（２２）前記第１のアンカー部材及び前記第２のアンカー部材を前記修復する組織を通過させて前記固定用組織内に関節鏡的に挿入することを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。
（２３）前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸が互いに対してスライド可能に連結されていることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。
（２４）前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸が、それらの間に延在する第３の縫合糸によって互いに対してスライド可能に連結されていることを特徴とする実施態様（２３）に記載の方法。
（２５）更に、前記第１の縫合糸、前記第２の縫合糸、及び前記第３の縫合糸の少なくとも１つに少なくとも１つの引き結びが形成されており、この引き結びが、前記第１の縫合糸アンカーと前記第２の縫合糸アンカーを互いに対して固定位置に維持するように適合されていることを特徴とする実施態様（２４）に記載の方法。

（２６）前記第１の縫合糸、前記第２の縫合糸、及び前記第３の縫合糸のそれぞれに縫合糸ループが形成されており、前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループが前記第１の縫合糸アンカーに取り付けられ、前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループが前記第２の縫合糸アンカーに取り付けられており、前記第３の縫合糸の前記縫合糸ループが、前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループのそれぞれに連結されていることを特徴とする実施態様（２４）に記載の方法。
（２７）前記縫合糸ループの少なくとも１つに引き結びが形成されており、前記引張るステップが、前記少なくとも１つの引き結びが形成された前記縫合糸ループの端部を引張って少なくとも１つの前記縫合糸ループの大きさを調節するステップを含むことを特徴とする実施態様（２６）に記載の方法。
（２８）前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループのそれぞれに引き結びが形成されており、前記第３の縫合糸が互いに対して結合されて固定された両端部を有し、前記引張るステップが、前記第１の縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸ループのそれぞれの端部を引張ってそれぞれの縫合糸ループの大きさを調節するステップを含むことを特徴とする実施態様（２６）に記載の方法。
（２９）前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループのそれぞれが、互いに対して結合されて固定された前記各縫合糸の両端部から形成されており、前記第３の縫合糸の前記縫合糸ループに、その前記縫合糸ループの大きさを調節することができる引き結びが形成されており、前記引張るステップが、前記第３の縫合糸ループの端部を引張って前記第３の縫合糸ループの大きさを調節するステップを含むことを特徴とする実施態様（２６）に記載の方法。
（３０）前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸が、それらの一方に形成された引き結びによって互いに連結されていることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。

（３１）前記第１の縫合糸が第１の端部と反対側の第２の端部を含み、前記第２の端部が前記第１の縫合糸アンカーに連結されており、前記第２の縫合糸が第１の端部及び第２の端部を含み、この第１の端部が前記第１の縫合糸に沿って移動できるように引き結びによって前記第１の縫合糸の一部分に連結されており、前記第２の縫合糸の前記第２の端部が前記第２の縫合糸アンカーに連結されていることを特徴とする実施態様（３０）に記載の方法。
（３２）前記第１の縫合糸に縫合糸ループが形成されており、この縫合糸ループが前記第２の縫合糸に形成された縫合糸ループに連結されており、前記第１の縫合糸ループが前記第１の縫合糸アンカーに結合されており、前記第２の縫合糸ループが前記第２の縫合糸アンカーに結合されていることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。
（３３）前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループのそれぞれに、前記各縫合糸ループの大きさを調節することができるように引き結びが形成されており、前記引張るステップが、前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸の少なくとも一方の端部を引張って、前記第１の縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸ループの少なくとも一方の大きさを調節するステップを含むことを特徴とする実施態様（３２）に記載の方法。
（３４）前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループに、その縫合糸ループの大きさを調節できるように引き結びが形成されており、前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループが固定された大きさを有しており、前記引張るステップが、前記第１の縫合糸の端部を引張って前記第１の縫合糸ループの大きさを調節するステップを含むことを特徴とする実施態様（３２）に記載の方法。
（３５）前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループが、互いに対して結合されて固定された前記縫合糸の両端部によって形成されていることを特徴とする実施態様（３４）に記載の方法。

（３６）前記各縫合糸アンカーが前記縫合糸にスライド可能に配置されていることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。
（３７）前記各縫合糸アンカーが前記縫合糸に固定されていることを特徴とする実施態様（１８）に記載の方法。

第１の縫合糸アンカーに通した調節可能な縫合糸ループを備えた第１の縫合糸と、第２の縫合糸アンカーに通した調節可能な縫合糸ループを備えた第２の縫合糸と、第１の縫合糸及び第２の縫合糸のそれぞれのループに連結された縫合糸ループの形態である第３の縫合糸を含む縫合糸アンカーシステムの一実施形態の斜視図である。第１の縫合糸アンカーに通した固定長の縫合糸ループを備えた第１の縫合糸と、第２の縫合糸アンカーに通した固定長の縫合糸ループを備えた第２の縫合糸と、第１の縫合糸及び第２の縫合糸のそれぞれのループに連結された調節可能な縫合糸ループを備えた第３の縫合糸を含む縫合糸アンカーシステムの別の実施形態の斜視図である。第１の縫合糸アンカーに通した調節可能な縫合糸ループを備えた第１の縫合糸と、第２の縫合糸アンカーに通し、第１の縫合糸アンカーのループに連結された調節可能な縫合糸ループを備えた第２の縫合糸を含む本発明の別の実施形態に従った縫合糸アンカーシステムの斜視図である。第１の縫合糸アンカーに通した固定長の縫合糸ループを備えた第１の縫合糸と、第１の縫合糸アンカーのループに通し、第１の縫合糸ループに連結された調節可能な縫合糸ループを備えた第２の縫合糸を含む縫合糸アンカーシステムの別の実施形態の斜視図である。本発明の別の実施形態に従った、第１の縫合糸アンカーに連結された第１の端部及び自由端として機能する第２の端部を有する第１の縫合糸と、第２の縫合糸アンカーに連結された第１の端部及び第１の縫合糸にスライド可能に連結された第２の端部を有する第２の縫合糸を含む縫合糸アンカーシステム。修復する組織を通過して固定用組織内に移植された第１の縫合糸アンカーを示す、本発明に従った縫合糸アンカーシステムを移植する方法の斜視図である。修復する組織を通過して固定用組織内に移植された第１の縫合糸アンカー及び第２の縫合糸アンカーを示す、本発明に従った縫合糸アンカーシステムを移植する方法の斜視図である。修復する組織を通過して固定用組織内に移植された第１の縫合糸アンカー及び第２の縫合糸アンカーと、固定用組織に裂傷組織を近接させて固定するために引張られた縫合糸を示す、本発明に従った縫合糸アンカーシステムを移植する方法の斜視図である。

符号の説明

１０、２０、３０、４０、５０縫合糸アンカーシステム
１２、２２、３２、４２、５２第１の縫合糸
１２ａ、１４ａ、２２ａ、２６ａ第１の端部
１２ｂ、１４ｂ、２２ｂ、２６ｂ第２の端部
１２ｃ、１４ｃ、２６ｃ、３２ｃ調節可能な縫合糸ループ
１２ｄ、１４ｄ、２２ｄ、２４ｄ、２６ｄ結び目
１４、２４、３４、４４、５４第２の縫合糸
１６ｃ、２２ｃ、２４ｃ固定長の縫合糸ループ
１６、２６第３の縫合糸
１６ａ、１６ｂ、２２ａ、２２ｂ、２４ａ、２４ｂ端部
１８、１９縫合糸アンカー
１８ａ、１９ａ縫合糸受容部分
１８ｂ、１９ｂ組織係合部分
１８ｃ、１９ｃ縫合糸受容孔
６０デリバリー装置
７０半月板
７２裂傷部

Claims

縫合糸アンカーシステムであって、
第１の縫合糸が取り付けられた第１の縫合糸アンカーと、
第２の縫合糸が取り付けられた第２の縫合糸アンカーとを含み、
前記第１の縫合糸アンカーと前記第２の縫合糸アンカーとの互いに対する距離を選択的に調節できるように、前記各縫合糸が互いに連結されており、
前記第１の縫合糸及び前記第２の縫合糸が、それらの間に延在する第３の縫合糸によって互いに対してスライド可能に連結されており、
前記第１の縫合糸、前記第２の縫合糸、及び前記第３の縫合糸のそれぞれに縫合糸ループが形成されており、前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループが前記第１の縫合糸アンカーに取り付けられ、前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループが前記第２の縫合糸アンカーに取り付けられており、前記第３の縫合糸の前記縫合糸ループが、前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループのそれぞれに連結されており、
前記第１の縫合糸の前記縫合糸ループ及び前記第２の縫合糸の前記縫合糸ループがそれぞれ、互いに対して結合されて固定された前記各縫合糸の両端部によって形成されており、前記第３の縫合糸の前記縫合糸ループに、その縫合糸ループの大きさを調節できる引き結びが形成されており、前記第３の縫合糸の前記縫合糸ループを小さくするために前記第３の縫合糸の自由端を引張ることができることを特徴とする縫合糸アンカーシステム。
前記第１の縫合糸アンカーが前記第１の縫合糸にスライド可能に配置されており、前記第２の縫合糸アンカーが前記第２の縫合糸にスライド可能に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の縫合糸アンカーシステム。