<第1の実施形態>
図1はカメラ本体部とモニター表示部が一体となっている状態での本発明の全体のカメラシステム構成を示すブロック図である。
カメラ1は点線部で囲まれたカメラ本体部1a及びモニター表示部1bという2つのユニットから構成され、両部間は専用のコネクター10及び11を介して一方が他方を装着することで一体(以下「一体」)的な構成をとることが可能である。両部間はそれぞれ専用信号線10a及び11aを通して各種データのやり取りを行うようになっている。
まず、カメラ本体部1aの構成について述べる。
カメラ本体部1aはカメラの撮影制御を行う為のカメラ基本ブロックで構成されており、この中にはカメラ全体の電源を供給する為のバッテリー26及び電源制御回路27が設けられている。
カメラ制御手段2はカメラ全体の制御を行う為のCPU等で構成される。通常は撮影者のレリーズ操作等によりカメラの露出制御、AF制御、更にはカメラ全体のシーケンスコントロールを行う。
カメラSW3は撮影者が撮影を開始する為のレリーズ釦や、カメラの露出モードやAFモードを設定する為の各種スイッチで構成されている。カメラSW3は撮影者の操作による各種スイッチの変化が上記カメラ制御手段2に伝達されるように構成されている。
撮像素子4は被写体を撮影して所定の画像信号に変換するためのものである。撮像素子4はカメラ制御手段2による撮影シーケンスに従い、カメラのシャッター制御のタイミングに応じて撮影動作を行い、撮影した画像データを順次出力する。
フロントプロセッサー5は内部的に上記撮像素子4からの出力信号をA/D変換するアナログ処理部と、実際にデジタルデータに変換された撮像信号に対して各種の画像処理を施すデジタル処理部とで構成されている。カメラの撮影動作に合わせて撮像素子4で変換された信号が順次このフロントプロセッサー5を介して取り込まれる。
このフロントプロセッサー5では、アナログ信号からデジタル信号への変換動作、各種撮影光学系による信号劣化に対するデジタル補正、撮像素子そのものが持つ固有の信号劣化に対するデジタル補正等の処理、及び絵作りの為の各種画像処理が行われる。
上記絵作りの為の各種画像処理について説明する。フロントプロセッサー5は、まず色補間処理としてセンサーの画素配列がベイヤー配列で構成されているものに対して、RGBの3プレーンのデータに変換する。次にセンサー固有のカラーフィルターの持つ分光特性から所望の色を出力する為のマトリックス補正を実行してRGB→RGB変換を行う。
更に内部のγ変換ブロックへ入力して、通常アナログ処理部でデジタルデータに変換したデータ巾12ビットを8ビットに変換する処理を行う。そして所定のダイナミックレンジに入るようなデータの変換、いわゆるγ変換を行う。
続いて内部的にRGB→YCrCb変換ブロックへ入力してRGB→YCrCbの色変換処理を行った後、内部の偽色除去ブロックへ入力してCrCb成分に対する偽色除去処理を行う。ここでの処理としてはいわゆるサンプリング周波数と画像周波数との関係から生ずる色モアレ等の発生に対して、メディアンフィルター(中間値フィルター)やその他様々なフィルター等を使用する方法がある。
以上のような一連の画像処理、いわゆる現像処理を順次行い、最終的な画像処理を行った結果のデータをフロントバッファメモリー7に一時記憶する。
フロントバッファメモリー7は上記フロントプロセッサー5からの信号を高速に書き込んで一時的に記憶する為のメモリー手段であり、通常DRAM等の大容量且つ揮発性のメモリーで構成されている。
また、フロントバッファメモリー7への記憶後、フロントプロセッサー5は画像サイズを所定の大きさにまで縮小する為の圧縮処理を行うことが可能である。この圧縮処理としては通常のDCT変換をベースとした非可逆圧縮処理であるのJPEG圧縮処理と、可逆圧縮処理であるLossless圧縮処理が一般的に使用されている。
非可逆タイプのJPEG圧縮の際には、まずフロントバッファメモリー7に記憶されている画像処理後のデータをフロントプロセッサー5へ読み込む。そしてそのデータをラスターブロック変換ブロックへ入力して、画像データを水平8画素、垂直8画素単位での2次元単位でのブロックに変換する。
次に、DCT変換ブロックにデータを入力し、ここでは8×8ブロック単位でいわゆる周波数成分毎の8×8のデータに変換するDCT変換を行い、2次元単位での低周波成分から高周波成分への係数を算出する。
次に、量子化ブロックへ入力して上記DCT変換で算出した係数値に対する量子化を行う。この量子化に関しては事前に値が設定されている量子化テーブルの値に基づいて各係数毎の除算にて実現している。
更に、この量子化した結果を所定のスキャン方向に沿ってデータを読み出しながら、内部のハフマン符号化ブロックへ入力して、ここで事前に値が設定されているハフマンテーブルの値に沿ったエントロピー符号化を実施する。
フロントプロセッサー5は、上記の方法で圧縮したデータを再度フロントバッファメモリー7の所定領域内に書き戻す事で、一連の圧縮処理を終了する。
一方、可逆タイプのLossless圧縮方法としては、いわゆるDPCMをベースにした圧縮処理がある。この圧縮処理では、まずフロントバッファメモリー7に記憶された画像処理後のデータをフロントプロセッサー5へ読み込む。そして内部のDPCM変換ブロックへ入力して、予測値との差分データとして画像データを変換する。
次にこのDPCM変換したデータを読み出しながらハフマン符号化ブロックへ入力する。ここでは事前に値が設定されているハフマンテーブルの値に沿ったエントロピー符号化を実施する。
フロントプロセッサー5は、上記の方法で圧縮したデータを再度フロントバッファメモリー7の別の所定領域内に書き戻す事で、一連の圧縮処理を終了する。
又、フロントプロセッサー5にはフロントバッファメモリー7とは別のメモリーとして不揮発性メモリー6が接続されている。不揮発性メモリー6は、フロントプロセッサー5が所定の処理を実行する為のプログラムを記憶したり、現像処理並びに圧縮処理後の画像データそのものを記憶したりする為に使用される。通常、不揮発性メモリー6はある程度の容量(数Mバイトから数10Mバイト)を持ったFLASHメモリー等で構成されている。
カメラ本体部1aはカードインターフェース(以下「I/F」)8を有し、接続される外部カードにアクセスすることで、機能を拡張する事が可能である。
カードI/F8にはメモリーカード9を接続することができる。従って、不揮発性メモリー6の容量では充分な量の画像データを記憶する事が出来ないような場合には、メモリーカード9に画像データを記憶することが可能である。
以上述べたように、撮像素子4で撮像された画像データはフロントプロセッサー5内で所定の現像処理並びに圧縮処理される。そして最終的な画像処理後のデータは所定のファイルに変換(このファイルシステムの処理もフロントプロセッサー5にて実施)され、不揮発性メモリー6またはメモリーカード9に記憶される。
次にモニター表示部1bの構成について述べる。
リアプロセッサー12の構成はフロントプロセッサー5の構成とほぼ同様の構成を有し、画像データに対して各種の画像処理を施すことが可能である。
モニター表示部1bは、画像処理・圧縮処理後の画像データを外部TFTモニター等に表示したり、他のPC等に対して上記画像データを転送したりする為の処理ブロックで構成されている。
カメラ本体部1aとモニター表示部1bは、図3に示したようなカメラ本体部1aにある専用のコネクター10とモニター表示部1bにある専用のコネクター11とで電気回路にて電気的に接続される。すなわち、それぞれ専用信号線10a及び11aが直接上記コネクターを介して接続する事になる。
なお、コネクター10及び11にはセンサー51及び22が備わっている。このセンサーが電気的な接続状態を検知することにより、フロントプロセッサー5及びリアプロセッサー12は一体の状態であるか否かを検知することが可能である。もちろん、センサー自体はメカスイッチなどであっても構わない。
この信号線には種々の信号線が含まれる。例えば、バッテリー26及び電源制御回路27を介してモニター表示部1bへ電源を供給するライン、カメラ本体部1aのフロントプロセッサー5とモニター表示部1b内のリアプロセッサー12間でデータ等をやり取りするバス信号線が含まれる。バス信号線には、複数のアドレスバスとデータバスから構成される一般的なパラレルバス信号や、IEEE1394やUSB等で使用されている高速なシリアルバス信号が使用される。
ここでリアプロセッサー12は、フロントプロセッサー5と専用信号線10a及び11aを介して画像データなどのやり取りを行う。具体的には、カメラ本体部1aに記憶された画像データを、専用信号線10a及び11aを介してリアプロセッサー12に接続されているリアバッファメモリー14に転送し、一時的に記憶させる。ここで記憶されたデータとは、フロントバッファメモリー7に一時記憶している画像データ、若しくは不揮発性メモリー6またはメモリーカード9に記憶している画像データが含まれる。画像データに対してどの段階まで画像処理が施されていても、カメラ本体部1aからモニター表示部1bへ転送することが可能である。
リアバッファメモリー14はリアプロセッサー12からの信号を高速に書き込んで一時的に記憶する為のメモリー手段であり、通常はDRAM等の大容量且つ揮発性のメモリーで構成されている。
また、リアプロセッサー12にも、フロントプロセッサー5と同様に不揮発性メモリー13が接続されている。不揮発性メモリー13は、リアプロセッサー12が処理を実行するためのプログラムを記憶したり、現像及び圧縮処理後のデータを記憶するために使用される。通常、ある程度の容量(数Mバイトから数10Mバイト)を持ったFLASHメモリー等で構成されている。
さらに、リアプロセッサー12にも、フロントプロセッサー5と同様にカードI/F15が接続されている。このI/Fを介してメモリーカード16等を接続することで、メモリーカード16に画像データ等を記憶することが可能となる。
リアプロセッサー12はメモリーカード16に記憶する画像データのファイル管理も行う。なお、カメラ本体部1aのメモリーカード9に記憶したものと同じ画像データを、画像処理を施さず単にコピーしてメモリーカード16に記憶する場合は、リアプロセッサー12はファイル管理のみを行う。
また、モニター表示部1bには20に示したような撮影画像を表示する為のモニター手段がある。図3はカメラ本体部1aとモニター表示部1bの接続を示す図である。
モニター20は、リアプロセッサー12と所定のドライバー回路(この実施形態の場合モニター20内に含まれている)を介して接続されており、リアプロセッサー12からの制御信号によって表示制御される。
一般的にこのモニター20には、TFT等の原理に基く液晶などが使用される。モニター20には、バックライト(図示せず)を用いて撮影した画像データの表示がなされる。また、モニター横のモニターSW19がユーザに操作されることに応じて、カメラ1内部の設定動作を行う各種GUI(Graphical User Interface)を表示する。
ここで、ユーザによるモニターSW19の操作に応じて画像データをモニター20に表示する処理について説明する。
まずリアプロセッサー12は、メモリーカード16などに記憶されている画像データを読み出す。画像データが圧縮されている場合には読み出した画像データに対して所定の伸長動作を行う。続いて読み出した画像データをモニター20の表示サイズに合わせてリサイズする為のリサイズ処理を行う。
リアプロセッサー12は、リサイズ処理した画像データを別画像データとしてリアバッファメモリー14の所定領域に一時記憶する。一時記憶した画像データはリアプロセッサー12内の表示コントローラーに定期的に転送されることで、モニター20に表示が行われる。
次に、画像データを外部機器に対してワイヤレス通信で転送する処理について説明する。
この転送処理の際には、リアプロセッサー12にてネットワーク用のプロトコル処理(一般的にはTCP/IP等の変換)が行われる。そしてワイヤレス通信部17及び専用アンテナ18を介して所定の周波数帯域を有する電波信号にデータが変換され、外部機器にデータが転送される。
ワイヤレス通信部17の詳細な構成を図5に示す。17aはMAC制御部であり、他の無線機器等との送受信タイミングを決定する為のアクセス制御を実行する。17bはPHY処理部である。PHY処理部17bは、撮影画像データやホスト機器からのコマンドデータなどのデジタルデータを伝送上最適なS/Nを得る為の1次変調(例えばIEEE802.11aや11gで使用されているOFDM変調等)を行う。また、デジタルデータを所定の無線周波数帯の高周波信号に変換する。17cは送信部であり、PHY処理部17bで変換された信号を実際の送信出力として出力する為のパワーアンプで構成される。17dは受信部であり、外部からの無線信号を感度よく受信する為のローノイズアンプで構成される。17eはアンテナスイッチであり、送信信号並びに受信信号をアンテナに対して切り替える為のスイッチ等から構成されている。このアンテナスイッチ17eの先には実際に無線信号を送受信する為の専用アンテナ18が接続されている。
次に、カメラ本体部1aが自らの状態を検知するための処理フローを図15に示す。まず、ユーザ操作により電源がON状態になると(ステップS1101)、フロントプロセッサー5はセンサー51の状態を確認する(ステップS1102)。
センサー51が接続状態を示している場合には(ステップS1103/YES)、フロントプロセッサー5はカメラ本体部1aを一体モードに設定する(ステップS1105)。センサー51が接続状態を示していない場合には(ステップS1103/NO)、プロセッサー5はカメラ本体部1aを分離モードに設定する(ステップS1104)。
モード設定ののち、フロントプロセッサー5は定期的にセンサー51の状態を確認し(ステップS1102)、センサー51の状態に変更があった場合にはフローに従いモードを切り替える。なお、フロントプロセッサー5は定期的にはセンサー51の状態を確認せず、センサー51から状態が変化した信号を受け取るとステップS1102以下の処理を行ってもよい。
モニター表示部1bも図15のフローと同様の処理を行う。リアプロセッサー12がセンサー52の状態を確認し、モニター表示部1bのモードを切り替える。
以下、本実施形態で「一体の状態」とは、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが一体モードにある場合を指す。
また、「分離の状態」とは、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離モードにある場合を指す。
次に、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが一体となっている状態での一連の処理について説明する。図6に本処理のタイミングチャートを示す。
初めに、ユーザのレリーズ操作に応じて、撮像素子4が1駒目の画像データを順々に読み出す(タイミング100)。
撮像素子が読み出したデータをフロントプロセッサー5がフロントバッファメモリー7に書き込む(タイミング101)。
1駒目の画像データのフロントバッファメモリー7への書き込みが完了すると、直ちにフロントプロセッサー5はデータの読み出し動作を行う(タイミング102)。
フロントプロセッサー5は読み出したデータに所定の画像処理並びに圧縮処理を行い(タイミング103)、不揮発性メモリー6またはメモリーカード9に書き込む(タイミング104)。本実施形態では、フロントプロセッサー5ではLossless圧縮方式などの可逆圧縮のみを行う。JPEG圧縮方式などを用いた非可逆圧縮はフロントプロセッサー5では行わない。
一方、フロントプロセッサー5はタイミング104において画像データを上記不揮発性メモリー6またはメモリーカード9に書き込むとともに、専用信号線10a及び11aを介して画像データをリアプロセッサー12に転送する。
リアプロセッサー12は画像データを受信すると、受信した画像データをリアバッファメモリー14に一時的に書き込む(タイミング105)。
リアバッファメモリー14への画像データの書き込みが完了すると、リアプロセッサー12は直ちにこの画像データの読み出し動作を行う(タイミング106)。
リアプロセッサー12は読み出した画像データに対して画像処理並びに圧縮処理を行う(タイミング107)。フロントプロセッサー5からはLossless圧縮方式での圧縮した画像データが転送される。そこでリアプロセッサー12ではJPEG圧縮方式などを用いた非可逆圧縮や、各種の色処理を施すことで、モニター20で画像データが閲覧できるようにする。
画像処理・圧縮処理を施した後、リアプロセッサー12は不揮発性メモリー13またはメモリーカード16に画像データを書き込む(タイミング108)。
書き込み処理の一方で、リアプロセッサー12は外部PC21へのデータの転送処理を行う。リアプロセッサー12はワイヤレス通信を行う為にプロトコル変換処理を行い(タイミング109)、ワイヤレス通信部17を介して外部PC21へ画像データを転送する(タイミング110)。
以上説明したように、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが一体となっている場合には、ユーザがレリーズ操作を行うだけで撮影した画像データが外部PC21等へ転送する処理を行う構成とした。
以上説明したように、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが一体となっている場合には、1つのカメラにメモリーカード9及びメモリーカード16が備わっていることになる。そこで、ユーザがレリーズ操作を行うだけで、カメラ本体部1aのメモリーカード9及びモニター表示部1bのワイヤレス通信部17を用いて、画像データを外部PC21に転送する処理を行う構成とした。
この構成により、ユーザはレリーズ操作を行うだけで撮影画像及びそのバックアップを記録することが可能である。
また、一度の撮影操作でカメラ本体部1aとモニター表示部1bの両方のメモリーカードに同じ画像が記録される。このため、カメラ本体部1aとモニター表示部1bを分離して別個に使用することになっても、ユーザはどちらのユニットに所望の画像データが記録されているか迷うことがなくなる。
また、この一連の処理の中で、フロントプロセッサー5及びリアプロセッサー12がそれぞれ役割分担して各種の処理を実行する。このプロセッサーの役割分担による処理は、例えば連写撮影のように連続して撮影処理が行われる際に効率的な処理を実現する。
例えば画像処理・圧縮処理に関しては、役割分担による効率的な処理が行われている。撮像素子及びカメラの光学系の組み合わせにて発生する不具合等に対しての補正処理、及びLossless圧縮処理等の処理はフロントプロセッサー5が主として実行する。一方、リアプロセッサー12は実際にモニター20に表示するための画像処理並びにJPEG圧縮(非可逆圧縮)等を行う。
また、撮影処理と外部PC21への画像データの転送処理に関しても役割分担がなされている。フロントプロセッサー5で撮像処理、特に連写などの連続した撮像処理を行うのと並行して、リアプロセッサー12では外部PC21へのデータ転送を行う。例えば、リアプロセッサー12が外部PC21へのデータ転送を行っている間(タイミング110)に、フロントプロセッサー5は次の撮影処理を開始することができる(タイミング111)。
以上説明したように、フロントプロセッサー5とリアプロセッサー12が役割分担しながら協働してプロセッサーの役割を果たすことにより、効率的な処理を実現している。このことにより、カメラ自体の撮影時性能(処理能力やバースト撮影駒数)が大幅に向上する。
ここまで、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが一体である場合の動作について説明した。次に、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離し、互いにワイヤレス通信でデータのやり取りを行う場合について説明する。
図2にカメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離している状態のシステム構成図を示す。図2の基本的な構成要素は図1と同じであるため、共通部分については説明を省略し、図1と相違する点について述べる。まず本実施形態におけるカメラ本体部1aはワイヤレス通信機能が備わっていない。従ってカメラ本体部1a単独ではワイヤレス通信を行うことができない。そこで、ワイヤレス通信カード22が、カードI/F8を介して、カメラ本体部1a内のフロントプロセッサー5に接続される構成となっている。ワイヤレス通信カード22が接続されることにより、フロントプロセッサー5は通信制御を行うことが可能となる。
ワイヤレス通信カード22は、図1のメモリーカード9に代わってカメラ本体部1aに新たに装着されたものである。その内部構成は図5で説明したワイヤレス通信部17と同じ構成であり、専用アンテナ23を介してモニター表示部1b内のワイヤレス通信部17とデータの送受信を行う。
また、モニター表示部1bにはバッテリーが内蔵されていない。そこで新たに外部バッテリー供給手段30がモニター表示部1bに接続される。
なお、本実施形態ではメモリーカード9に代わってワイヤレス通信カード22を装着する構成としたが、カードI/F8を複数設け、メモリーカード9とワイヤレス通信カード22を同時にフロントプロセッサー5に接続する構成としてもよい。
図4はモニター表示部1bと外部バッテリー供給手段30が一体となる状態を示したものである。
カメラ本体部1aと一体のときに電源供給元並びにカメラ本体部1aとの信号線として使用していたコネクター11は、外部バッテリー供給手段30の専用コネクター33と接続する。この接続により、モニター表示部1bは外部バッテリー供給手段30内のバッテリー31、並びに電源制御部32から各種電源電圧及びコントロール信号を受け取る。
次に、このカメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離した状態で、どのようにして両者間でのデータのやり取りを行うのかを、図7のタイミングチャートを使いながら説明を行う。
初めに、撮影者のレリーズ操作を開始信号として、撮像素子4が1駒目の画像データを順々に読み出す(タイミング150)。
フロントプロセッサー5は、読み出した画像データをフロントバッファメモリー7に書き込む(タイミング151)。
1駒目の画像データの書き込みが完了すると、フロントプロセッサー5は直ちに画像データの読み出し動作を行う(タイミング152)。
フロントプロセッサー5は読み出した画像データに対して所定の画像処理並びに圧縮処理を行う(タイミング153)。その結果を不揮発性メモリー6に書き込む(タイミング154)。本実施形態においては、カメラ本体部1aにメモリーカード9が接続されていないため、画像データは不揮発性メモリー6に記憶されることになる。このときの圧縮処理では、カメラ本体部1aと一体の場合と異なり、フロントプロセッサー5側でJPEG圧縮方式などを用いた非可逆圧縮を行う。なぜなら、分離時にはカメラ本体部1aからモニター表示部1bに画像データをワイヤレス通信で転送する処理を行うためである(後述)。この転送の際、Lossless圧縮方式で圧縮したデータを用いるとデータ量が大きくなり、通信負荷が大きくなる。そこでフロントプロセッサー5側でJPEG圧縮方式などによる圧縮を行い、データ量を小さくしている。
一方、書き込み処理と同時に、フロントプロセッサー5はモニター表示部1bに対して画像データをワイヤレス転送すべく、プロトコル変換処理を行う(タイミング155)。
そしてフロントプロセッサー5は送信制御処理を行う。具体的には、カードI/F8を介して接続されているワイヤレス通信カード22を経由して、1駒目の画像データをモニター表示部1bに対して転送する(タイミング156)。
モニター表示部1bは、カメラ本体部1aから送信されてくる画像データをワイヤレス通信部17を介して受信する(タイミング157)。
リアプロセッサー12は上記受信した画像データに対してプロトコル処理を行った(タイミング158)上で、一時的にリアバッファメモリー14に受信データを書き込む(タイミング159)。
書き込み処理が完了すると、リアプロセッサー12は直ちにこの画像データの読み出し動作を行う(タイミング160)。リアプロセッサー12は読み出した画像データに対してファイルシステム等の処理やモニターに撮影画像を表示するためのリサイズなどを行う(タイミング161)。すなわち、リアプロセッサー12は画像データが表示に適するように処理を行う。
リアプロセッサー12は、処理後の画像データをメモリーカード16に書き込む(タイミング162)。
以上述べたように、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離している場合には、カメラ本体部1aにおけるレリーズ操作を行うと、まず不揮発性メモリー6に画像データを書き込む。そして離れた位置にあるモニター表示部1bに画像データがワイヤレス転送され、モニター表示部1bはカメラ本体部1aから受信した画像データを不揮発性メモリー13またはメモリーカード16に書き込む構成とした。
これらの構成により、カメラ本体部1aは離れた位置にあるモニター表示部1bに対して直接データを転送する事が可能となる。
また、フロントプロセッサー5とリアプロセッサー12は、それぞれ分離した状態で各々の処理を実行する。例えば連写などの連続撮影の際には、モニター表示部1bにおいて1駒目の処理を行っている間(タイミング159〜タイミング162)に、カメラ本体部1aにおいて2駒目以降の処理(タイミング164〜タイミング169)を並行して行う。このようにフロントプロセッサー5とリアプロセッサー12が役割分担して処理を行うことにより、効率的な処理を実現している。
また、一旦不揮発性メモリー6に画像データを書き込むことにより、ワイヤレス通信での転送に失敗しても不揮発性メモリー6には画像データが残るため、画像データを消失するおそれが軽減される。
なお、本実施形態におけるカメラ本体部1aにおける撮影処理は、カメラ本体を操作している撮影者がカメラSW3等を操作する事によって開始される構成となっている。しかし、図2のようにカメラ本体1aとモニター表示部1bが分離してワイヤレスで通信している場合は、ユーザによりモニター表示部1bが操作されることによってカメラ本体部1aの撮影処理を開始することが可能である。
この場合には、モニターSW19のいずれか、またはモニター20上に表示するGUIがカメラSW3の代わりとなる。本体部1aがレリーズ待ちの状態であって、モニターSW19またはモニター20に対する操作をリアプロセッサー12が検出すると、リアプロセッサー12はレリーズコマンドのプロトコルを変換し、ワイヤレス通信部17を介してカメラ本体部1aに転送する。
カメラ本体部1aのワイヤレス通信カード22はモニター表示部1bから送信されたコマンド等を含むデータを受信する。フロントプロセッサー5は受信データに対してプロトコル変換を行い、レリーズコマンドであることを検出すると、カメラ制御手段2へレリーズ命令を行う。レリーズ命令を受けたカメラ制御手段2は、撮影処理を行う。
このような処理を行うことで、例えばカメラ本体部1aを三脚等に据え付け、カメラ本体部1aとは離れた位置からモニター表示部1bを用いたレリーズ指示を行うことが可能となる。
本実施形態においては、一体の状態では本体部1a及びモニター表示部1bの両方のメモリーカードに画像データが書き込まれる構成とした。しかし、ユーザにどちらのメモリーカードに画像データを記憶させるか選択させてもよい。この場合には、リアプロセッサー12がモニター20に図14に示すようなGUIを表示し、ユーザに記憶先のメモリーカードを選択させることが可能である。アイコン1201が選択されると記憶先はメモリーカード9に、アイコン1202が選択されると記憶先はメモリーカード16に設定される。また、アイコン1203が選択されると、記憶先はメモリーカード9及びメモリーカード16に設定される。なお、図14に示す画面をGUIで表示する際に、フロントプロセッサー5及びリアプロセッサー12はメモリーカード9及びメモリーカード16の残り容量を検出し、GUIに表示する。
以上述べたように、ユーザ操作により少なくとも1つの記憶先を選択可能にしたことで、ユーザは残り容量の多いメモリーカードにのみ画像データを記録することが可能である。
また、メモリーカード16に記録された画像データを外部PC21に転送する処理の最中は、メモリーカード16への新たな画像の書込みが禁止される場合がある。このような場合にメモリーカード9を撮影画像データの記憶先として設定すれば、外部PC21への転送中であってもシャッターチャンスを逃すことなく撮影を行うことができ、撮影画像をメモリーカード9に記録することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態は第1の実施形態と共通する部分も多い。従って、第1の実施形態と同様の部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分について詳細に説明する。
図8は本実施形態におけるシステムの構成図であり、カメラ本体部1aとモニター表示部1bに始めからワイヤレス通信部24及び17を内蔵しているシステムを表わしたものである。
基本的なデータの流れは第1の実施形態の図2の構成及び図7のタイミングと同様である。
このように本実施形態では、初めからカメラ本体部1a及びモニター表示部1bの両方に専用のワイヤレス通信部を内蔵しているので、それぞれのカードI/F部に大容量の画像を記憶するためのメモリーカードを装着する事が可能となる。
さらに、図9に示すように、モニター表示部1b側に予め専用の電池を内蔵している構成としてもよい。この場合には、モニター表示部1b内に内蔵されているバッテリー38、並びにAC/DCコンバーター等で構成されている電源制御部39からの電源電圧並びにコントロール信号を受け取る構成となっている。
この構成であれば、電池をモニター表示部1b側にも初めから内蔵しているので、カメラ本体部1aとモニター表示部1bを分離した場合でも、例えばバッテリー供給手段などのオプション部材を取り付ける必要がなくなり、ユーザの手間が省ける。
<第3の実施形態>
第1の実施形態における分離した状態での処理は、カメラ本体部1aに記憶された画像データを順次モニター表示部1bにワイヤレス転送する、というものであった。
無線通信を用いた画像データの転送は便利である。しかし、有線通信を用いた転送と比較すると転送速度が遅く、すべての画像データをカメラ本体部1aからモニター表示部1bに転送するのは時間がかかる。
そこで本実施形態では、モニター表示部1bがカメラ本体部1aに記録された画像データのうち、所望のものを選択して取得する構成とした。
また、本実施形態では、一体の状態の場合で連続撮影が行われた場合に、2つのプロセッサー、フロントプロセッサー5とリアプロセッサー12を用いることにより、効率的に画像処理・圧縮処理を行う。
以下、本実施形態における処理について説明する。本実施形態の基本的な構成は前述した実施形態と共通する部分が多いため、共通の部分については説明を省略し、本実施形態に特有の部分について説明する。
まず、本体部1aとモニター表示部1bが一体の状態にある場合について説明する。
図10は本実施形態における一体時の処理を示したタイミングチャートである。以下、図10を用いてカメラ本体部1aとモニター表示部1bが一体となっている場合のカメラの撮影動作での処理に関して説明する。
まず、撮影者によるレリーズ操作を検知すると、撮像素子4が1駒目の画像データを順々に読み出す(タイミング200)。フロントプロセッサー5は読み出された画像データをフロントバッファメモリー7に書き込む(タイミング201)。
1駒目の書き込み処理が完了すると、フロントプロセッサー5は直ちに画像データの読み出し動作を行う(タイミング202)。
フロントプロセッサー5は読み出したデータに対して所定の画像処理並びに圧縮処理を行う(タイミング203)。このときの画像処理・圧縮処理は、JPEG圧縮方式などを用いた非可逆圧縮など、画像データが表示可能になるような最終的な画像処理までフロントプロセッサー5側で行う。
そして処理後のデータを不揮発性メモリー6またはメモリーカード9に書き込む(タイミング204)。
その一方でフロントプロセッサー5は、専用信号線10a及び10bを介してデータをリアプロセッサー12に転送する。
リアプロセッサー12は受信したデータをリアバッファメモリー14に一時的に書き込む(タイミング205)。
リアプロセッサー12はリアバッファメモリー14へのデータの書き込みが完了すると直ちにこのデータの読み出し動作を行う(タイミング206)。
リアプロセッサー12は読み出したデータを不揮発性メモリー13またはメモリーカード16に書き込む(タイミング207)。
その一方で、リアプロセッサー12はワイヤレス通信にて外部PC21へのデータの転送処理を行う。リアプロセッサー12は通信のためのプロトコル変換処理を行い(タイミング208)、ワイヤレス通信部17を介して外部PC21へ画像データを転送する(タイミング209)。
次に、連続して2駒目を撮影した場合の処理について説明を行う。
1駒目と同様、撮像素子4が2駒目の画像データを順々に読み出す(タイミング210)。しかし1駒目と異なり、フロントプロセッサー5は2駒目の画像データに対しては画像処理を行わず、画像データをそのままリアプロセッサー12に転送する。この画像データを受信したリアプロセッサー12は、受信データをリアバッファメモリー14に書き込む(タイミング211)。
2駒目の画像データの書き込み処理が完了すると、リアプロセッサー12は直ちにデータの読み出し動作を行う(タイミング212)。
そしてリアプロセッサー12は画像処理並びに圧縮処理を行う(タイミング213)。このときの画像処理・圧縮処理は、JPEG圧縮方式などを用いた非可逆圧縮など、画像データが表示可能になるような最終的な画像処理まで行う。
リアプロセッサー12は、処理後のデータを不揮発性メモリー13またはメモリーカード16に書き込む(タイミング214)。
この書き込み処理と並行して、リアプロセッサー12は専用信号線10a及び10bを介して画像処理後のデータをフロントプロセッサー5に転送する。
フロントプロセッサー5は受信した画像データをフロントバッファメモリー7に一時的に書き込む(タイミング215)。
画像データの書き込み処理が完了すると、フロントプロセッサー5は直ちにこのデータの読み出し動作を行う(タイミング216)。
フロントプロセッサー5は読み出したデータを不揮発性メモリー6またはメモリーカード9に書き込む(タイミング217)。
リアプロセッサー12はフロントプロセッサー5への転送処理が完了すると、ワイヤレス通信にて外部PC21へ画像データを転送する。リアプロセッサー12は通信のためのプロトコル変換処理を行い(タイミング218)、ワイヤレス通信部17を介して外部PC21へ画像データを転送する(タイミング219)。
さらに連続して3駒目を撮影する場合には、1駒目と同様の処理を行う。すなわち、画像処理、圧縮処理はフロントプロセッサー5が行う(タイミング220〜229)。以下同様にして、連続撮影時にはフロントプロセッサー5とリアプロセッサー12が交互に画像処理・圧縮処理を行う。
以上述べたように、本実施形態では各種の処理をフロントプロセッサー5及びリアプロセッサー12がそれぞれ役割分担して実行する。
その1つとして、奇数駒目の画像処理・圧縮処理を主としてフロントが担当し、偶数駒目の同処理を主としてリアプロセッサー12が担当する構成とした。この構成により、連続する2つの画像データの処理は、異なるプロセッサーで行われることとなる。すなわち、連写などの連続撮影における画像処理などが、前後の駒の処理と並行して実行されるため、効率的な処理が実現される。
なお、フロントプロセッサー5が連続した何枚かの画像データに対する画像処理を行った後に、リアプロセッサー12が他の連続した何枚かの画像データに対する画像処理を行ってもよい。
次に、本実施形態においてカメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離状態にある場合について説明する。
図11は本実施形態における分離時の処理を説明するためのタイミングチャートである。以下、図11を用いて本実施形態について説明する。
図11において、まず撮影者のレリーズ操作を開始信号として、撮像素子4が1駒目の画像データを順々に読み出す(タイミング250)。
そしてフロントプロセッサー5は、読み出された画像データをフロントバッファメモリー7に書き込む(タイミング251)。
フロントバッファメモリー7への書き込みが完了すると、フロントプロセッサー5は直ちに書き込んだ画像データの読み出し動作を行う(タイミング252)。
フロントプロセッサー5は読み出した画像データに画像処理並びに圧縮処理を行い(タイミング253)、処理後の画像データを不揮発性メモリー6に書き込む(タイミング254)。なお、メモリーカード9とワイヤレス通信カード22が同時に接続されている場合にはメモリーカード9に画像データを書き込んでもよい。このときの画像処理・圧縮処理は、JPEG圧縮方式などを用いた非可逆圧縮など、画像データが表示可能になるような最終的な画像処理まで行う。
連続して撮影する場合は、2駒目(タイミング255〜259)以降の駒でも同様の処理を行い、画像データをカメラ本体部1a内の不揮発性メモリー6に順々に書き込んでいく。本実施形態では、撮影と同時にモニター表示部1bにデータを転送する処理は行わない。
一方、本実施形態におけるモニター表示部1bは、カメラ本体部1aの画像データを適当なタイミングで取得することが可能である。この動作は、カメラ本体部1aの動作とは独立して行われる。以下、モニター表示部1bがカメラ本体部1aのデータを取得する処理について説明する。
モニター表示部1bを操作している撮影者もしくは撮影者とは異なる別の操作者は、モニターSW19及びモニター20に表示されたGUIを介してカメラ本体部1aの不揮発性メモリー6に記憶されたデータの表示を指示する。
ユーザからの指示を受けると、リアプロセッサー12はカメラ本体部1aに対して表示データ取得要求を送信する(タイミング260)。
モニター表示部1bからの表示データ取得要求を受信すると、フロントは不揮発性メモリー6に記憶されているデータのサムネイルデータ及びIDを通信プロトコルの変換を行った上でモニター表示部1bに転送する(タイミング262)。転送されるサムネイルデータは、画像処理を行うタイミング(タイミング254)でフロントプロセッサー5が予め作成していてもよいし、表示データ取得要求を受信してからフロントプロセッサー5が作成してもよい(タイミング261)。予め作成している場合にはタイミング261は省略される。
リアプロセッサー12はカメラ本体部1aからサムネイルデータを受信すると(タイミング263)、サムネイルデータをリアバッファメモリー14に記憶する(タイミング264)。
書き込み処理が完了すると、リアプロセッサー12はリアバッファメモリー14からサムネイルデータを読み出し(タイミング265)、モニター20に画像選択画面として表示する(タイミング266)。表示の形態は一画面に1つのサムネイルデータを表示し、ユーザの操作に応じて表示データを切り替える形態でもよいし、一画面に複数のサムネイルデータを表示するマルチ画像表示の形態でもよい。
ユーザはモニター20に表示されたサムネイルデータのうち、所望のものを選択する。ここでは、例えば2駒目の画像データが選択されたものとする。ユーザによる選択を検知すると、リアプロセッサー12は選択されたサムネイルデータに対応するIDを読み出し、IDに対応する画像データをモニター表示部1bに転送するようカメラ本体部1aに対して要求する(タイミング267)。本実施形態では2駒目の画像データを取得する要求を送信しているが、一度に複数の画像データを要求してもよい。
カメラ本体部1aのフロントプロセッサー5は、転送要求を受信すると、上記不揮発性メモリー6から転送要求のあったデータを読み出す(タイミング268)。
そしてワイヤレス転送するためのプロトコル変換処理を行った上でカードI/F8を介して接続されているワイヤレス通信カード22を経由し、画像データの転送を行う(タイミング269)。
モニター表示部1bはこのワイヤレス通信でカメラ本体部1aから送信されてくるデータをワイヤレス通信部17を介して受信する(タイミング270)。
リアプロセッサー12は上記受信したデータに対してのプロトコル通信処理を行った上で、リアバッファメモリー14に受信データを記憶する(タイミング271)。
書込み処理が完了すると、リアプロセッサー12は直ちにこのデータの読み出し処理を行う(タイミング272)。
そしてリアプロセッサー12にてファイルシステム管理などの処理を行い(タイミング273)、その結果を不揮発性メモリー13またはメモリーカード16に書き込む(タイミング274)。
さらにリアプロセッサー12は、受信した画像データをモニター20に表示する。
なお、モニター表示部1bに転送した画像データは不揮発性メモリー6から削除してもよい。この処理を行う場合、リアプロセッサー12は、受信した画像を不揮発性メモリー13またはメモリーカード16に書き込んだ後、画像データのID及び書き込みの完了を通知するデータを関連付けてカメラ本体部1aに送信する。書き込み完了の通知を受けたフロントプロセッサー5は、関連付けられたIDに基づいて不揮発性メモリー6から画像データを削除する。なお、IDは画像データを特定するものであればよく、例えばファイル名などが用いられる。
上記のような削除処理は、不揮発性メモリー6が、メモリーカード9及び16と比較して容量が大きくない場合には特に有効である。ワイヤレス転送が成功し、大容量のメモリーカードに記憶されたことが確認された時点で画像データが削除されることで、不揮発性メモリー6の容量を有効に使うことが出来る。
以上述べたように、本実施形態ではカメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離した状態にある場合には、画像データをカメラ本体部1aにのみ記憶する。そして必要に応じてモニター表示部1bがカメラ本体部1aから画像データ取得する構成とした。
この構成により、カメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離してもカメラ本体部1aには、例えば撮影により得られた画像データを記憶するといった、カメラ性能を維持させることが可能となる。
また、モニター表示部1bは、必要な画像データのみをワイヤレス転送にて取得するため、転送されるデータ量の増大を抑えることができる。
また、カメラ本体部1aが撮影中かどうかにかかわらず、適当なタイミングでもってカメラ本体部1aに記憶している画像を選択して、モニター表示部1bの不揮発性メモリー13に転送する処理を実現出来る。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態における処理について説明する。本実施形態の基本的な構成は前述した実施形態と共通する部分が多いため、共通の部分については説明を省略し、本実施形態に特有の部分について説明する。
図12は本発明の別の実施形態を示した図であり、この実施形態ではカメラ本体部1aにもモニター表示部1bのいずれにもワイヤレス通信部は内蔵されていない。
この場合、カメラ本体部1aはカードI/F8を介してワイヤレス通信カード22が接続されている。また、モニター表示部1bはカードI/F15を介してワイヤレス通信カード40が接続されている。本実施形態では、このワイヤレス通信カード22及び38を介して上述したワイヤレスでの画像転送を実現する。
この構成の場合、カメラ本体部1aにもモニター表示部1bにもワイヤレス通信部が内蔵されていない。従って、ユーザはカメラ本体部1aとモニター表示部1bを分離して撮影を行う場合のみ、カードタイプの通信デバイスをカードI/F8及び15に差し込む。この場合には、画像データはカメラ本体部1a内の不揮発性メモリー6及びモニター表示部1b内の不揮発性メモリー13に記憶される。
この構成では、分離時にのみ通信デバイスを接続すればよいため、一体時におけるデバイスの小型化・コストダウンを図ることができる。
また、カメラ本体部1a及びモニター表示部1bに不揮発性メモリー6及び13を備えたことにより、カードI/F8及び15が通信デバイスのために用いられていても、画像データを記憶することが可能である。
図13は図8及び図9で示した形態の改良に関するものである。図13では、モニター表示部1bをカメラ本体部1aから分離した場合に電源を供給するための外部バッテリー供給手段30内に、ワイヤレス通信部34及び外部アンテナ35を設けた構成を示している。
モニター表示部1bはワイヤレス通信部をもたない。カメラ本体部1aと一体となっている場合はカメラ本体部1aに内蔵されているワイヤレス通信部24を使って外部PC21と接続する。カメラ本体部1aとモニター表示部1bが分離した場合には、外部バッテリー供給手段30内のワイヤレス通信部34を使ってカメラ本体部1aと画像データのやりとりを行う構成となる。
外部バッテリー供給手段30内にワイヤレス通信部34を設ける構成としたことで、カードI/F15をメモリーカード16の接続のために用いることが可能となる。また、ユーザが無線通信のデバイスと外部バッテリーを別々に接続する手間が省ける。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。