JP4781018B2 - 現像剤担持体ならびに現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法及び磁気記録法等に用いられる静電潜像担持体上に形成された潜像を現像剤により現像して顕像化するための現像装置及び現像剤担持体に関する。
近年、生分解性高分子材料は、医用材料やドラッグデリバリーシステム、環境適合性材料などに幅広く応用されている。近年は、これらに加え更に、新たな機能が要求されており、様々な研究が行われている。
特に、ポリ乳酸に代表される、ポリヒドロキシアルカノエートについては、分子内に化学修飾可能な官能基を導入することが検討されおり、カルボキシル基やビニル基などが導入された化合物について報告がある。
例えば、側鎖にカルボキシル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、ポリリンゴ酸が知られている。このポリリンゴ酸のポリマーには、ポリマー形式の仕方により、化学式(14):
Figure 0004781018
で表されるユニットを含むαタイプと、化学式(15):
Figure 0004781018
で表されるユニットを含むβタイプが知られている。
このうち、βタイプのポリリンゴ酸及びその共重合体については、特許文献1に、化学式(16):
Figure 0004781018
(R16:ベンジル基)
で表されるβ-マロラクトンのベンジルエステルを開環重合したポリマーが開示されている。また、αタイプのポリリンゴ酸−グリコール酸共重合体、並びにグリコール酸をはじめとするその他のヒドロキシアルカン酸を含む共重合体については、特許文献2に、化学式(17):
Figure 0004781018
(R17は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基などの低級アルキル基およびベンジル基など)
で表される六員環ジエステルモノマーと環状ジエステルであるグリコリド及びラクチド、ω-ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環反応エステルであるラクトン類との共重合したポリマーが開示されている。
また、側鎖にカルボキシル基持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、非特許文献1に7−オキソ−4−オキセパンカルボン酸エステルを開環重合することで側鎖にエステル基を有するポリマーを製造し、更に水素化分解され、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが製造されたことについて開示されている。
側鎖にビニル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、非特許文献2にα-アリル(δ-バレロラクトン)を開環重合したポリマーが開示されている。
また、同様に側鎖にビニル基を持つポリヒドロキシアルカノエートとしては、非特許文献3に六員環ジエステルモノマーである3,6-ジアリル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオンを開環重合したポリマーが開示されている。
上記のように化学修飾可能な官能基を導入したポリヒドロキシアルカノエートに機能性を付与する構造を導入し、新たな機能を持つポリマーについての報告がある。非特許文献4では、α-リンゴ酸とグリコール酸の環状二量体の開環重合により、αタイプのリンゴ酸とグリコール酸の共重合体を得、得られたポリマーを脱保護することで側鎖にカルボキシル基を有するポリエステルを得る。この側鎖のカルボキシル基にトリペプチドを化学修飾し、得られたポリマーについて、細胞接着性について評価した所、良好な結果が得られたとしている。
従来、静電潜像担持体としての感光ドラム表面に形成された静電潜像を、一成分系現像剤であるトナーによって顕像化する現像装置としては、トナー粒子相互の摩擦、現像剤担持体としての現像スリーブとトナー粒子との摩擦、及び現像スリーブ上のトナー塗布量を規制する部材(現像剤層厚規制部材)とトナー粒子との摩擦等により、トナー粒子に正或いは負の電荷を与え、この帯電されたトナーを現像スリーブ上に極めて薄く塗布し、感光ドラムと現像スリーブとが対向している現像領域に搬送して、該現像領域において、トナーを感光ドラム表面の静電潜像に飛翔及び付着させ、感光ドラム上の静電潜像をトナー像として顕像化する方式のものがある。
上述したような従来の現像装置に用いられる現像剤担持体は、例えば、金属、合金又は金属化合物を円筒状に成形し、その表面を、電解、ブラスト及びヤスリ等で所定の表面粗度になるように処理したものが用いられている。一方、近年では、省エネのために要求される現像剤の低温定着化や高精細画像形成を実現すべく、トナーの小粒径化が望まれている。このような粒径の小さいトナーでは、単位重量当りの表面積が大きくなるために表面電荷が大きくなり易く、所謂チャージアップ現象によりトナーが現像剤担持体に固着し、その結果、新たに現像剤担持体上に供給されてきた現像剤が帯電されにくくなり、現像剤の帯電量が不均一となり易い。これに対し、特許文献3に、このような過剰な電荷を有する現像剤の発生や、現像剤担持体への現像剤の強固な付着を防止するため、樹脂中に、カーボンやグラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤等の粉末を分散させた樹脂組成物からなる被膜(樹脂層)を現像剤担持体上に形成する方法が提案されている。特許文献4においては、樹脂被覆層中に固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末、更に球状粒子を分散させた導電性樹脂層を金属基体上に設けた現像スリーブが提案されている。又、特許文献5においては、導電性被覆層中に分散した球状粒子を導電性球状粒子とすることで、更に耐摩耗性を向上させ、現像スリーブ表面の形状を更に安定させると共に、トナーの帯電を更に向上させ、且つ、導電性被覆層である樹脂層が多少摩耗した際にも、トナーによるスリーブ汚染及び融着を抑制することのできる表面層を有する現像スリーブが提案されている。
米国特許第4265247号公報 特開平2−3415号公報 特開平01−277256号公報 特開平02−304468号公報 特開平08−240981号公報 特開昭59−190945号公報 Macromolecules 2000,33(13),4619 Polymeric Materials Science & Engineering 2002, 87,254 Polymer Preprints 2002, 43(2), 727 International Journal of Biological Macromolecules 25 (1999) 265 J.Chem.Soc.,Perkin.Trans.1,806(1973) Org.Synth.,4,698(1963) J.Org.Chem.,46,19(1981) J.Am.Chem.Soc.,81,4273(1959) Macromolecular chemistry,4,289−293(2001)
従って、本発明は、現像装置中で生じるトナーの過剰帯電を防止し、且つ、トナーの帯電量を高めに保持させ、又、現像剤担持体上へのトナー融着が発生しにくい現像剤担持体、及び該現像剤担持体を有する現像装置を提供するものである。又、本発明は、特に粒径の小さいトナーを用いた場合に現れる、現像剤担持体表面でのトナーの不均一な帯電を抑制し、トナーに適正な帯電量を与えることのできる現像剤担持体、及び該現像剤担持体を有する現像装置を提供するものである。
即ち、本発明は、静電潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体により担持搬送された現像剤により現像し、可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体であって、少なくとも基体及び基体表面に形成された樹脂層を有し、該樹脂層に用いられている結着樹脂に、少なくとも化学式(1):
Figure 0004781018
(式中、Rは−A1−SO21を表し、
1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aを表し、
1aおよびA1は、各々が独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造または置換もしくは未置換の複素環構造を有する基を表す。
また、式中のl、m、Z1a、Z1bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z1aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、Z1a、Z1b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
あるいは、化学式(5):
Figure 0004781018
(式中、R5は、水素、塩を形成する基(塩を形成する基としては、NaまたはKを表す。)またはR5aを表し、R5aは、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアラルキル基を表す。
また、式中のl、m、Z5a、Z5bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z5aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、Z5a、Z5b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
の少なくとも何れかに示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートが含有されていることを特徴とする現像剤担持体である。
又、本発明は、現像容器内に収容された現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら、現像剤を潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該現像領域で、潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置において、前記現像剤担持体を用いたことを特徴とする現像装置である。
以上説明したように、本発明によれば、従来用いられてきた現像剤担持体よりも耐久性が向上し、良好な画像を長い間提供することができる状態を保持することが可能な現像剤担持体が提供される。更に、本発明によれば、トナーに対する正帯電付与性を安定化させ、しかも、現像剤担持体上の現像剤層を均一化させ、高耐久な現像剤担持体が提供される。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上記した従来技術の課題について鋭意検討を行った結果、現像剤担持体表面に形成する樹脂層を構成する結着樹脂中に、少なくとも化学式(1):
Figure 0004781018
(式中、Rは−A1−SO21を表し、
1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aを表し、
1aおよびA1は、各々が独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造または置換もしくは未置換の複素環構造を有する基を表す(なお、R1aはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、A1はこれらから選択された構造を有する二価の基である)。
また、式中のl、m、Z1a、Z1bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z1aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、Z1a、Z1b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
あるいは、化学式(5):
Figure 0004781018
(式中、R5は、水素、塩を形成する基(塩を形成する基としては、NaまたはKを表す。)またはR5aを表し、R5aは、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアラルキル基を表す。
また、式中のl、m、Z5a、Z5bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z5aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、Z5a、Z5b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
に示すユニットの少なくとも何れかを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートを含有させることにより、現像剤を迅速に帯電させ、且つ、高めに保持できることが可能であるにもかかわらず、トナーによる現像スリーブの汚染が生じ難く、又、高湿環境においても高い帯電量が得られ、低湿環境においても帯電過剰となることのない現像剤担持体を得ることが可能となることを知見して本発明に至った。
ここで、本発明で使用するポリヒドロキシアルカノエートは生分解性樹脂としての基本骨格を有しており、それゆえ、従来のプラスチックと同様、溶融加工等により各種製品の生産に利用することができるとともに、石油由来の合成高分子とは異なり、生物により分解され、自然界の物質循環に取り込まれるという際立った特性を有している。そのため、燃焼処理を行う必要もなく、大気汚染や地球温暖化を防止するという観点でも有効な材料であり、環境保全を可能とするプラスチックとして利用することができる。
本発明で目的とする化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として用いる化学式(11)で表されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(13)で示すアミノスルホン酸化合物の少なくとも1種との反応で製造される。
Figure 0004781018
(式中、R11は、水素または、塩を形成する基を表す。
また、式中のl、m、Z11a、Z11bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z11aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z11bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z11bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z11aが何も選択されないとき、Z11bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z11bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z11aが何も選択されないとき、Z11bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R11、Z11a、Z11b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(11)で示される化合物において、lが0でありZ11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、具体的には、置換あるいは無置換のシクロヘキシル構造、置換あるいは無置換のフェニル構造、置換あるいは無置換のフェノキシ構造、置換あるいは無置換のベンゾイル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルファニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフィニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフォニル構造、置換あるいは無置換の(フェニルメチル)スルファニル構造、(フェニルメチル)オキシ構造、2-チエニル構造、2-チエニルスルファニル構造、2-チエニルカルボニル構造などが挙げられる。
また、本発明に用いられる化学式(11)で示される化合物において、lが0であるときのZ11bは、水素原子あるいは直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的に、直鎖または分岐上のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2−メチルプロピル基)、ブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3−メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4−メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、Z11bは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
Figure 0004781018
(式中、R13はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、またはOR13aである。また、R13a、及びA3は置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造から選ばれる(なお、R13aはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、A3はこれらから選択された構造を有する二価の基である)。複数種の化合物を併用する場合、R13、R13a、及びA3は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、R13はOH、ハロゲン原子、ONa、OK、またはOR13aである。R13aは直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基である。
3はC1〜C8の直鎖もしくは分岐状の置換または未置換のアルキレン基、置換または未置換のフェニレン基、置換または未置換のナフタレン基、あるいは、置換または未置換のN、S、及びOの何れか一つ以上を含む複素環構造を表す。A3が環構造の場合、未置換の環がさらに縮合してもよい。また、複数種の化合物を併用する場合、R13、R13a、及びA3は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。
3が直鎖の置換または未置換のアルキレン基の場合は、下記の化学式(18)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004781018
(式中、R18は、OH、ハロゲン原子、ONa、OK、またはOR18aである。R18aは直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基である。A4はC1〜C8の直鎖もしくは分岐状の置換または未置換のアルキレン基であり、炭素数1から20のアルキル基またはアルコキシ基などが置換されていてもよい。複数種の化合物を併用する場合、R18、R18a、及びA4は、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(18)で示される化合物としては、2−アミノエタンスルホン酸(タウリン)、3−アミノプロパンスルホン酸、4−アミノブタンスルホン酸、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩、エステル化物があげられる。
化学式(18)で示される化合物と化学式(11)で表されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートとの反応で、化学式(2)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートが製造される。
Figure 0004781018
(式中、R2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aを表し、
2aは、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表し、A2は、直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。
また、式中のl、m、Z2a、Z2bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z2aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z2bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z2aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z2bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z2aが何も選択されないとき、Z2bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z2aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z2bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z2aが何も選択されないとき、Z2bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R2、R2a、A2、Z2a、Z2b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
3が、置換または未置換のフェニレン基の場合は、下記の化学式(19)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004781018
(式中、R3a、R3b、R3c、R3d、及びR3eは、それぞれ独立して、SO23f(R3fはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、またはOR3f1である。R3f1は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基である。)、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR3g(R3gはH原子、Na原子、及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表し、これらの基の少なくとも1つはSO23fである。複数種の化合物を併用する場合、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3f1、及びR3gは、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(19)で示される化合物としては、p−アミノベンゼンスルホン酸(スルファニル酸)、m−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−トルイジン−4−スルホン酸、o−トルイジン−4−スルホン酸ナトリウム塩、p−トルイジン−2−スルホン酸、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸、o−アニシジン−5−スルホン酸、p−アニシジン−3−スルホン酸、3−ニトロアニリン−4−スルホン酸、2−ニトロアニリン−4−スルホン酸ナトリウム塩、4−ニトロアニリン−2−スルホン酸ナトリウム塩、1,5−ジニトロアニリン−4−スルホン酸、2−アミノフェノール−4−ヒドロキシ−5−ニトロベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルアニリン−5−スルホン酸ナトリウム塩、2,4−ジメチルアニリン−6−スルホン酸、3,4−ジメチルアニリン−5−スルホン酸、4−イソプロピルアニリン−6−スルホン酸、4−トリフルオロメチルアニリン−6−スルホン酸、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリン−5−スルホン酸、4−カルボキシアニリン−6−スルホン酸、およびそのアルカリ金属塩、エステル化物等が挙げられる。
化学式(19)で示される化合物と化学式(11)で表されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートとの反応で、化学式(3)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートが製造される。
Figure 0004781018
(式中、R3a、R3b、R3c、R3dおよびR3eの少なくとも一つはSO23f(ここで、R3fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3f1を表し、R3f1は、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表す。)であり、その他は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR3g(ここで、R3gはH原子、Na原子またはK原子を表す。)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表す。
また、式中のl、m、Z3a、Z3bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z3aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z3bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z3aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z3bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z3aが何も選択されないとき、Z3bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z3aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z3bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z3aが何も選択されないとき、Z3bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3f1、R3g、Z3a、Z3b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
3が、置換または未置換のナフタレン基の場合は、下記の化学式(20A)又は化学式(20B)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004781018
Figure 0004781018
(式(20A)中のR4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、及びR4g、並びに、式(20B)中のR4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、及びR4nは、それぞれ独立して、SO24o(R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OK、またはOR4o1である。R4o1は直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、あるいは、置換または未置換のフェニル基である。)、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ、OH基、NH2基、NO2基、COOR4p(R4p:H原子、Na原子、及びK原子のいずれかを表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表し、式(20A)中のR4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、及びR4gの少なくとも1つはSO24oであり、式(20B)中のR4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、及びR4nの少なくとも1つはSO24oである。複数種の化合物を併用する場合、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、R4o、R4o1、R4p、及びmは、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。))
化学式(20A)または(20B)で示される化合物としては、1−ナフチルアミン−5−スルホン酸、1−ナフチルアミン−4−スルホン酸、1−ナフチルアミン−8−スルホン酸、2−ナフチルアミン−5−スルホン酸、1−ナフチルアミン−6−スルホン酸、1−ナフチルアミン−7−スルホン酸、1−ナフチルアミン−2−エトキシ−6−スルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−スルホン酸一ナトリウム塩、1−アミノ−8−ナフトール−3,6−スルホン酸一ナトリウム塩など、スルホン酸、またはそのアルカリ金属塩、エステル化物などが挙げられる。
化学式(20A)で示される化合物と化学式(11)で表されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートとの反応で、化学式(4A)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートが製造される。
Figure 0004781018
(式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4fおよびR4gのうち少なくとも一つはSO24o(ここで、R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1を表し、R4o1は、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表す。)であり、その他は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR4p(ここで、R4pは、H原子、Na原子またはK原子を表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表す。
また、式中のl、m、Z4a、Z4bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z4aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z4bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z4aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z4bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z4aが何も選択されないとき、Z4bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z4aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z4bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z4aが何も選択されないとき、Z4bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、R4o、R4o1、R4p、Z4a、Z4b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(20B)で示される化合物と化学式(11)で表されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートとの反応で、化学式(4B)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートが製造される。
Figure 0004781018
(式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4mおよびR4nのうち少なくとも一つはSO24o(ここで、R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1を表しR4o1は、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表す。)であり、その他は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR4p(ここで、R4pは、H原子、Na原子またはK原子を表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表す。
また、式中のl、m、Z4c、Z4dについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z4cは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z4dは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z4cが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z4dは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z4cが何も選択されないとき、Z4dは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z4cが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z4dは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z4cが何も選択されないとき、Z4dは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、R4o、R4o1、R4p、Z4c、Z4d、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
また、本発明で目的とする化学式(1)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを、化学式(2)、化学式(3)、化学式(4A)、及び化学式(4B)から選ばれる2種以上のユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートとすることもできる。
3が置換または未置換のN、S、Oの何れか一つ以上を含む複素環構造の場合は,複素環として、ピリジン環、ピペラジン環、フラン環、チオール環などのいずれでもよい。化合物としては、2−アミノピリジン−6−スルホン酸、2−アミノピペラジン−6−スルホン酸など、スルホン酸、またはそのアルカリ金属塩、エステル化物などが挙げられる。
スルホン酸エステル構造を−SO2OYで表したときのYとなる基としては、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、置換または未置換の複素環構造などを有する一価の基があげられる。特に、直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキル基、置換または未置換のフェニル基などが好ましい。エステル化の容易さなどの点から、CH3、C25、C65、C37、C49、CH(CH32、CH2C(CH33、C(CH33などがさらに好ましい。
(化学式(1)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
本発明における化学式(11)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(13)で示すアミノスルホン酸化合物との反応について詳しく述べる。
本発明に用いられる化学式(13)に示す化合物の使用量は、出発原料として用いる化学式(11)に示すユニットに対して、0.1〜50.0倍モル、好ましくは、1.0〜20.0倍モルの範囲である。
本発明のカルボン酸とアミンからアミド結合を生成する方法としては、加熱脱水による縮合反応などがある。特に、ポリマー主鎖のエステル結合が切断されないようなマイルドな反応条件という点から、カルボン酸部分を活性化剤で活性化させ、活性アシル中間体を生成させてから、アミンと反応させる方法が有効である。活性アシル中間体として、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性エステルなどがあげられる。特に、縮合剤を使用し、同一反応場中でアミド結合を形成する方法が、生産プロセスの簡略化という点からは好ましい。
必要ならば、一旦、酸ハロゲン化物として単離してから、アミンとの縮合反応を行うことも可能である。
用いられる縮合剤としては、芳香族ポリアミドの重縮合に使用されるリン酸系縮合剤、ペプチド合成に使用されるカルボジイミド系縮合剤、酸塩化物系縮合剤などを化学式(13)の化合物と化学式(11)のユニットの組み合わせにより,適宜選択することが可能である。
リン酸系縮合剤としては、亜リン酸エステル系縮合剤、リン塩化物系縮合剤、リン酸無水物系縮合剤、リン酸エステル系縮合剤、リン酸アミド系縮合剤、などがあげられる。
本発明の反応では、亜リン酸エステル等の縮合剤を用いることが可能である。この際使用される亜リン酸エステル類としては、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o−トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−クロロフェニル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル等が挙げられる。中でも、亜リン酸トリフェニルが好ましく用いられる。また、ポリマーの溶解性、反応性などの向上のために、リチウムクロライド、塩化カルシウムなどの金属塩を添加してもよい。
カルボジイミド系縮合剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−エチル−N'−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC=WSCI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIPC)、などがあげられる。DCCあるいは、WACIと、N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、あるいは3−ヒドロキシ−4−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HOObt)などと組み合わせて用いてもよい。
縮合剤の使用量は、化学式(11)に示すユニットに対して、0.1〜50倍モル、好ましくは、1〜20倍モルの範囲である。
本発明の反応では、必要に応じ、溶媒を使用することができる。使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミドなどの非プロトン性極性溶媒類、ピリジン、ピコリンなどのピリジン誘導体、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。特に好ましくは、ピリジン、N−メチルピロリドンなどが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、塩基の種類、反応条件等に応じて適宜定め得る。
本発明の方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は−20℃〜溶媒の沸点の範囲の温度である。ただし、用いる縮合剤に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。
本発明の方法において、反応時間は、通常、1〜48時間の範囲である。特に、1〜10時間が好ましい。
本発明において、このようにして生成した化学式(1)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを含む反応液は、常法である蒸留などにより精製可能である。または、水、メタノール及びエタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類等の溶媒を用いて、反応液に均一且つ、化学式(1)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒と混合し、目的とする化学式(1)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを再沈殿することにより、回収することができる。ここで得られた化学式(1)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(1)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法、透析法などを用いることができる。
本発明の別の製造方法として、化学式(1)中のR部分が−A1−SO3CH3の場合、アミンとの縮合反応後にメチルエステル化剤を用いて、化学式(1)中のR部分を−A1−SO3CH3にメチルエステル化を行うこともできる。メチルエステル化剤としては、ガスクロマトグラフィー分析における脂肪酸のメチルエステル化方法を利用することができる。
酸触媒法である塩酸−メタノール法、三フッ化ホウ素−メタノール法、硫酸−メタノール法や、ナトリウムメトキシド法、テトラメチルグアニジン法、トリメチルルシリルジアゾメタン法などの塩基触媒法などがあげられる。中でも、温和な条件下でメチル化ができるのでトリメチルシリルジアゾメタン法が好ましい。
本発明の反応で使用する溶媒は、ヘキサン、シクロへキサン、ヘプタン等の炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。特に好ましくは、ハロゲン化炭化水素類などが用いられる。溶媒の使用量は、出発原料、反応条件等に応じて適宜定め得る。本発明の方法において、反応温度は、特に限定されないが、通常は−20〜30℃の範囲の温度である。ただし、用いる縮合剤、試薬に合わせた最適な温度で反応を行うことが望ましい。
また、本発明では、化学式(G)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と、化学式(E)で示す化合物とを反応させる工程を経ることにより化学式(H)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造することができる。
Figure 0004781018
(式中、RGcは、炭素数が0〜4の直鎖アルキレン鎖である。直鎖アルキレン鎖が炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で任意に置換されていてもよい。また、RGbは水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、RGb及びRGcは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(G)で示される置換ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートにおいて、RGcが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、具体的には、置換あるいは無置換のシクロヘキシル構造、置換あるいは無置換のフェニル構造、置換あるいは無置換のフェノキシ構造、置換あるいは無置換のベンゾイル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルファニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフィニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフォニル構造、置換あるいは無置換の(フェニルメチル)スルファニル構造、(フェニルメチル)オキシ構造、2-チエニル構造、2-チエニルスルファニル構造、2-チエニルカルボニル構造などが挙げられる。また、RGbは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的に、直鎖または分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2−メチルプロピル基)、ブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3−メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4−メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、RGbは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
Figure 0004781018
(式中、REは−AE−SO2E1を表す。RE1はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOREaである。また、REa及びAEはそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる(なお、REaはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、AEはこれらから選択された構造を有する二価の基である)。複数のユニットが存在する場合、RE、RE1、REa及びAEは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、RHは−AH−SO2H1を表す。RH1 はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはORHaである。RHa及びAHはそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す(なお、RHaはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、AHはこれらから選択された構造を有する二価の基である)。RHcは、炭素数が0〜4の直鎖アルキレン鎖である。直鎖アルキレン鎖が炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で任意に置換されていてもよい。また、RHbは水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、RH、RH1 、RHa、RHb、RHc、AHは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
例えば、化学式(H)において、RHcの直鎖アルキレン鎖が無置換であり、RHbが水素原子である、化学式(F)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(A)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と化学式(E)で示す化合物とを反応させる工程とを経ることにより製造することができる。
Figure 0004781018
(式中、nは、0〜4から選ばれる整数である。RFは−AF−SO2F1を表す。RF1はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはORFaである。RFa及びAFはそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基を表す(なお、RFaはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、AFはこれらから選択された構造を有する二価の基である)。複数のユニットが存在する場合、RF、RF1、RFa、AF及びnは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。
Figure 0004781018
(式中、nは、0〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、REは−AE−SO2E1を表す。RE1はOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOREaである。また、REa及びAEはそれぞれ独立して、置換または未置換の脂肪族炭化水素構造、置換または未置換の芳香族環構造、あるいは、置換または未置換の複素環構造を有する基から選ばれる(なお、REaはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、AEはこれらから選択された構造を有する二価の基である)。複数のユニットが存在する場合、RE、RE1、REa、AE及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
化学式(E)で示される化合物としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸や、そのアルカリ金属塩、そのエステル化物があげられる。
化学式(A)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(E)で示す化合物との反応について詳しく述べる。
本発明は、ポリマー主鎖中のカルボ二ル基の隣にあるα−メチレン基に、化学式(E)で示される化合物をマイケル付加反応することで達成される。具体的には、マイケル付加の反応条件下で、化学式(A)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(A)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのポリマー主鎖中のカルボニル基の隣にあるα−メチレン基をアニオン形成できる塩基とを反応させ、引き続き、化学式(E)で示す化合物とを反応させることにより達成される。また、本発明において、用いる化学式(E)で示す化合物の使用量は、化学式(A)に示すユニットに対して0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
発明の反応で使用される溶媒は、反応に不活性な溶媒であり、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;あるいは、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン又はヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。
反応は塩基の存在下で行われる。使用される塩基としては、メチルリチウム、ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドのようなアルカリ金属ジシラジド類;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアミド類であり、好ましくはリチウムジイソプロピルアミドである。また、本発明における塩基の使用量は、化学式(A)に示すユニットに対して、0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
本発明の方法において、反応温度は、通常−78℃〜40℃であり、好ましくは−78℃〜30℃である。
本発明の方法において、反応時間は通常、通常10分間〜24時間の範囲である。特に、10分間〜4時間が好ましい。
本発明における化学式(5)で示すポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(21)で示すポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(6)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、そのポリヒドロキシアルカノエートの側鎖二重結合部分を酸化する方法により製造される。
Figure 0004781018
(式中、R21は、水素、塩を形成する基を表す。
また、式中のl、m、nについて、
lが0、2〜4から選ばれた整数であり、nが0〜4から選ばれた整数であるとき、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが1〜4から選ばれた整数であるとき、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R21、l、m、nは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中のl、m、及びnについて、
lが0、2〜4から選ばれた整数であり、nが0〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが1〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数である。
複数のユニットが存在する場合、l、m、及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
上記のような炭素−炭素の二重結合を、酸化剤により、酸化開裂してカルボン酸を得る方法としては、例えば、過マンガン酸塩を用いる方法[非特許文献5](J.Chem.Soc.,Perkin.Trans.1,806(1973))、重クロム酸塩を用いる方法[非特許文献6](Org.Synth.,4,698(1963))、過ヨウ素酸塩を用いる方法[非特許文献7](J.Org.Chem.,46,19(1981))硝酸を用いる方法[特許文献6](特開昭59−190945号広報)、オゾンを用いる方法[非特許文献8](J.Am.Chem.Soc.,81,4273(1959))等が知られており、また、[非特許文献9](Macromolecular chemistry,4,289−293(2001))に、微生物生産したポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端の炭素−炭素二重結合を酸化剤として過マンガン酸カリウムを用い、反応を酸性条件下で行うことで、カルボン酸を得る方法が報告されている。本発明においても同様の方法を用いることができる。
酸化剤として用いる過マンガン酸塩としては、過マンガン酸カリウムが一般的である。過マンガン酸塩の使用量は、酸化開裂反応が化学量論的反応であるため、化学式(6)で示すユニット1モルに対して、通常1モル当量以上、好ましくは、2〜10モル当量使用するのがよい。
反応系を酸性条件下にするためには通常、硫酸、塩酸、酢酸、硝酸などの各種の無機酸や有機酸が用いられる。しかしながら、硫酸、硝酸、塩酸などの酸を用いた場合、主鎖のエステル結合が切断され、分子量低下を引き起こす恐れがある。そのため酢酸を用いることが好ましい。酸の使用量は、化学式(6)で示すユニット1モルに対して、通常、0.2〜2000モル当量、好ましくは0.4〜1000モル当量の範囲で用いられる。0.2モル当量に満たない場合には低収率となり、2000モル当量を越える場合には酸による分解物が副生するため、いずれの場合も好ましくない。また、反応を促進する目的でクラウン−エーテルを用いることができる。この場合、クラウン−エーテルと過マンガン酸塩とは、錯体を形成し、反応活性が増大する効果が得られる。クラウン−エーテルとしては、ジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル、ジシクロ−18−クラウン−6−エーテル、18−クラウン−6−エーテルが一般的に用いられる。クラウン−エーテルの使用量は、過マンガン酸塩1モルに対して、通常0.005〜2.0モル当量、好ましくは、0.01〜1.5モル当量の範囲で用いることが望ましい。
また、本発明の酸化反応における溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、たとえば、水、アセトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等を使用できる。これらの溶媒のなかでも、ポリヒドロキシアルカノエートの溶解性を考慮すれば、メチルクロリド、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類およびアセトンが好ましい。
本発明の前記酸化反応において、化学式(6)で示すユニット含むポリヒドロキシアルカノエート、過マンガン酸塩及び酸は一括して最初から溶媒とともに仕込んで反応させてもよく、それぞれを連続的若しくは断続的に系内に加えながら反応させてもよい。また、過マンガン酸塩のみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき、続いてポリヒドロキシアルカノエート及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、ポリヒドロキシアルカノエートのみを先に溶媒に溶解若しくは懸濁させておき、続いて過マンガン酸塩及び酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。さらには、ポリヒドロキシアルカノエート及び酸を先に仕込んでおき、続いて過マンガン酸塩を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、過マンガン酸塩及び酸を先に仕込んでおき続いてポリヒドロキシアルカノエートを連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよく、ポリヒドロキシアルカノエート及び過マンガン酸塩を先に仕込んでおき続いて酸を連続的若しくは断続的に系内に加えて反応させてもよい。
反応温度は、通常−40〜40℃、好ましくは−10〜30℃とするのがよい。反応時間は、化学式(6)で示すユニットと過マンガン酸塩の量論比及び反応温度に依存するが、通常2〜48時間とするのがよい。
また、化学式(5)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(11)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(23)で示されるユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを用い、その側鎖エステル部分を酸またはアルカリの存在下に加水分解する方法、或いは接触還元を含む水素化分解する方法により製造される。
Figure 0004781018
(式中、R11は、水素または、塩を形成する基を表す。
また、式中のl、m、Z11a、Z11bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z11aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z11bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z11bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z11aが何も選択されないとき、Z11bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z11bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z11aが何も選択されないとき、Z11bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R11、Z11a、Z11b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、R23は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基を表す。
また、式中のl、m、Z23a、Z23bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z23aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z23bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z23aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z23bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z23aが何も選択されないとき、Z23bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z23aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z23bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z23aが何も選択されないとき、Z23bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R23、Z23a、Z23b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(23)で示される化合物において、lが0でありZ23aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、具体的には、置換あるいは無置換のシクロヘキシル構造、置換あるいは無置換のフェニル構造、置換あるいは無置換のフェノキシ構造、置換あるいは無置換のベンゾイル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルファニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフィニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフォニル構造、置換あるいは無置換の(フェニルメチル)スルファニル構造、(フェニルメチル)オキシ構造、2-チエニル構造、2-チエニルスルファニル構造、2-チエニルカルボニル構造などが挙げられる。
また、本発明に用いられる化学式(23)で示される化合物において、lが0であるときのZ23bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的には、直鎖または分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2−メチルプロピル基)、ブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3−メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4−メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、Z23bは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
酸またはアルカリの存在下に加水分解する方法を用いる場合、溶媒として水中または、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの水親和性の有機溶媒中において、塩酸、硫酸、硝酸、或いはリン酸などの無機酸類の水溶液あるいはトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸を用いるか或いは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水性苛性アルカリ類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ類の水溶液、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどの金属アルコキシド類のアルコール溶液を用いておこなうことができる。反応温度は、通常0〜40℃、好ましくは0〜30℃とするのがよい。反応時間は、通常0.5〜48時間とするのがよい。但し、酸またはアルカリにより加水分解した場合、何れにおいても主鎖のエステル結合も切断され、分子量低下が認められる場合がある。
接触還元を含む水素化分解する方法を用いてカルボン酸を得る方法を用いる場合、下記の如く行われる。即ち、適宜な溶媒中において、-20℃〜使用溶媒の沸点、好ましくは、0〜50℃の範囲の温度で、還元触媒存在下、水素を常圧又は、加圧下で作用させて接触還元をおこなう。使用溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、酢酸エチル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、N-メチルピロリドンなどが挙げられる。また、上記の混合溶媒として用いることもできる。還元触媒としては、パラジウム、白金、ロジウムなどの単独または担体に担持された触媒またはラネーニッケルなどが用いられる。反応時間は、通常0.5〜72時間とするのがよい。このようにして生成した化学式(11)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを含む反応液は、ろ過により触媒を除去し、蒸留などにより溶媒を除去することで粗製のポリマーとして回収される。ここで得られた化学式(11)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートは、必要ならば、単離精製することができる。この単離精製方法としては、特に制限はなく、化学式(11)に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートに不溶な溶媒を用いて再沈殿する方法、カラムクロマトグラフィーによる方法、透析法などを用いることができる。但し、接触還元を用いた場合においても主鎖のエステル結合も切断され、分子量低下が認められる場合もある。
また、本発明の化学式(5)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートにおいて、化学式(23)で示すユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(11)で示されるユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートを用い、エステル化剤を用いてエステル化することで製造される。
Figure 0004781018
(式中、R23は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基を表す。
また、式中のl、m、Z23a、Z23bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z23aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z23bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z23aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z23bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z23aが何も選択されないとき、Z23bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z23aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z23bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z23aが何も選択されないとき、Z23bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R23、Z23a、Z23b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、R11は、水素または、塩を形成する基を表す。
また、式中のl、m、Z11a、Z11bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z11aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z11bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z11bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z11aが何も選択されないとき、Z11bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z11bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z11aが何も選択されないとき、Z11bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R11、Z11a、Z11b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(11)で示される化合物において、lが0でありZ11aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、具体的には、置換あるいは無置換のシクロヘキシル構造、置換あるいは無置換のフェニル構造、置換あるいは無置換のフェノキシ構造、置換あるいは無置換のベンゾイル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルファニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフィニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフォニル構造、置換あるいは無置換の(フェニルメチル)スルファニル構造、(フェニルメチル)オキシ構造、2-チエニル構造、2-チエニルスルファニル構造、2-チエニルカルボニル構造などが挙げられる。
また、本発明に用いられる化学式(11)で示される化合物において、lが0であるときのZ11bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的には、直鎖または分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2−メチルプロピル基)、ブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3−メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4−メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、Z11bは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
用いられるエステル化剤としては、ジアゾメタン及びDMFジメチルアセタール類を用いることができる。例えば、トリメチルシリルジアゾメタン、DMFジメチルアセタール、DMFジエチルアセタール、DMFジプロピルアセタール、DMFジイソプロピルアセタール、DMF−n−ブチルアセタール、DMF−tert−ブチルアセタール、またはDMFジネオペンチルアセタールなどと容易に反応し、対応するエステルを与える。また、アルコール類、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコールなど、糖類、例えば、D−グルコース、D−フルクトース、その他の糖類などとは、酸触媒、または、DCCなどの縮合剤を用いた方法により反応を行うことで、エステル化されたポリヒドロキシアルカノエートが得られる。
また、本発明では、化学式(G)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と、化学式(K)で示す化合物とを反応させる工程を経ることにより化学式(J)で示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを製造することができる。
Figure 0004781018
(式中、RGcは、炭素数が0〜4の直鎖アルキレン鎖である。直鎖アルキレン鎖が炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で任意に置換されていてもよい。また、RGbは水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、RGb及びRGcは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。RKは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。)
Figure 0004781018
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。RJは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。RJcは、炭素数が0〜4の直鎖アルキレン鎖である。直鎖アルキレン鎖が炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で任意に置換されていてもよい。また、RJbは水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、RJ、RJb、RJc及びmは各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
更に詳しくは、本発明に用いられる化学式(G)で示される化合物において、RGcが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、具体的には、置換あるいは無置換のシクロヘキシル構造、置換あるいは無置換のフェニル構造、置換あるいは無置換のフェノキシ構造、置換あるいは無置換のベンゾイル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルファニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフィニル構造、置換あるいは無置換のフェニルスルフォニル構造、置換あるいは無置換の(フェニルメチル)スルファニル構造、(フェニルメチル)オキシ構造、2-チエニル構造、2-チエニルスルファニル構造、2-チエニルカルボニル構造などが挙げられる。
また、本発明に用いられる化学式(G)で示される化合物において、RGbは水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されているアラルキル基である。具体的には、直鎖または分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基(2−メチルプロピル基)、ブチル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、イソプロピル基(3−メチルブチル基)、ヘキシル基、イソヘキシル基(4−メチルペンチル基)、ヘプチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、メチルベンジル基などが挙げられる。本発明においては、ポリマーの合成に関して、生産性を考慮すると、RGbは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基、フェニルメチル基であることが好ましい。
例えば、化学式(J)において、アルキレン鎖が無置換であり、RJcが水素原子である、化学式(C)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートは、出発原料として化学式(A)で示されるユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートを用い、塩基と反応させる工程と、前記工程で得られた化合物と化学式(B)で示す化合物とを反応させる工程とを経ることにより製造することができる。
Figure 0004781018
(式中、nは、0〜4から選ばれる整数であり、mは、0〜8から選ばれる整数である。Rcは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、アラルキル基である。複数のユニットが存在する場合、Rc、m及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、nは、0〜4から選ばれる整数である。複数のユニットが存在する場合、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、mは、0〜8から選ばれる整数である。Xは、ハロゲン原子である。RBは、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基、あるいは、アラルキル基である。)
化学式(B)で示される化合物としては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸ブチル、クロロギ酸シクロヘキシル、クロロギ酸ベンジル、ブロモギ酸メチル、ブロモギ酸エチル、ブロモギ酸プロピル、ブロモギ酸イソプロピル、ブロモギ酸ブチル、ブロモギ酸シクロヘキシル、ブロモギ酸ベンジル、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸プロピル、クロロ酢酸イソプロピル、クロロ酢酸ブチル、クロロ酢酸シクロヘキシル、クロロ酢酸ベンジル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸プロピル、ブロモ酢酸イソプロピル、ブロモ酢酸ブチル、ブロモ酢酸シクロヘキシル、ブロモ酢酸ベンジル、3−クロロプロピオン酸メチル、3−クロロプロピオン酸エチル、3−クロロプロピオン酸プロピル、3−クロロプロピオン酸イソプロピル、3−クロロプロピオン酸ブチル、3−クロロプロピオン酸シクロヘキシル、3−クロロプロピオン酸ベンジル、3−ブロモプロピオン酸メチル、3−ブロモプロピオン酸エチル、3−ブロモプロピオン酸プロピル、3−ブロモプロピオン酸イソプロピル、3−ブロモプロピオン酸ブチル、3−ブロモプロピオン酸シクロヘキシル、3−ブロモプロピオン酸ベンジル、4−クロロ酪酸メチル、4−クロロ酪酸エチル、4−クロロ酪酸プロピル、4−クロロ酪酸イソプロピル、4−クロロ酪酸ブチル、4−クロロ酪酸シクロヘキシル、4−クロロ酪酸ベンジル、4−ブロモ酪酸メチル、4−ブロモ酪酸エチル、4−ブロモ酪酸プロピル、4−ブロモ酪酸イソプロピル、4−ブロモ酪酸ブチル、4−ブロモ酪酸シクロヘキシル、4−ブロモ酪酸ベンジル、5−クロロ吉草酸メチル、5−クロロ吉草酸エチル、5−クロロ吉草酸プロピル、5−クロロ吉草酸イソプロピル、5−クロロ吉草酸ブチル、5−クロロ吉草酸シクロヘキシル、5−クロロ吉草酸ベンジル、5−ブロモ吉草酸メチル、5−ブロモ吉草酸エチル、5−ブロモ吉草酸プロピル、5−ブロモ吉草酸イソプロピル、5−ブロモ吉草酸ブチル、5−ブロモ吉草酸シクロヘキシル、5−ブロモ吉草酸ベンジル、6−クロロヘキサン酸メチル、6−クロロヘキサン酸エチル、6−クロロヘキサン酸プロピル、6−クロロヘキサン酸イソプロピル、6−クロロヘキサン酸ブチル、6−クロロヘキサン酸シクロヘキシル、6−クロロヘキサン酸ベンジル、6−ブロモヘキサン酸メチル、6−ブロモヘキサン酸エチル、6−ブロモヘキサン酸プロピル、6−ブロモヘキサン酸イソプロピル、6−ブロモヘキサン酸ブチル、6−ブロモヘキサン酸シクロヘキシル、6−ブロモヘキサン酸ベンジル、7−クロロヘプタン酸メチル、7−クロロヘプタン酸エチル、7−クロロヘプタン酸プロピル、7−クロロヘプタン酸イソプロピル、7−クロロヘプタン酸ブチル、7−クロロヘプタン酸シクロヘキシル、7−クロロヘプタン酸ベンジル、7−ブロモヘプタン酸メチル、7−ブロモヘプタン酸エチル、7−ブロモヘプタン酸プロピル、7−ブロモヘプタン酸イソプロピル、7−ブロモヘプタン酸ブチル、7−ブロモヘプタン酸シクロヘキシル、7−ブロモオクタン酸ベンジル、8−クロロオクタン酸メチル、8−クロロオクタン酸エチル、8−クロロオクタン酸プロピル、8−クロロオクタン酸イソプロピル、8−クロロオクタン酸ブチル、8−クロロオクタン酸シクロヘキシル、8−クロロオクタン酸ベンジル、8−ブロモオクタン酸メチル、8−ブロモオクタン酸エチル、8−ブロモオクタン酸プロピル、8−ブロモオクタン酸イソプロピル、8−ブロモオクタン酸ブチル、8−ブロモオクタン酸シクロヘキシル、8−ブロモオクタン酸ベンジル、9−クロロノナン酸メチル、9−クロロノナン酸エチル、9−クロロノナン酸プロピル、9−クロロノナン酸イソプロピル、9−クロロノナン酸ブチル、9−クロロノナン酸シクロヘキシル、9−クロロノナン酸ベンジル、9−ブロモノナン酸メチル、9−ブロモノナン酸エチル、9−ブロモノナン酸プロピル、9−ブロモノナン酸イソプロピル、9−ブロモノナン酸ブチル、9−ブロモノナン酸シクロヘキシル、9−ブロモノナン酸ベンジル等があげられる。
本発明における化学式(A)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと化学式(B)で示す化合物との反応について詳しく述べる。
本発明は、ポリマー主鎖中のカルボ二ル基の隣にあるα−メチレン基に、化学式(B)で示される化合物を付加反応することで達成される。具体的には、付加反応の条件下で、化学式(A)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと、化学式(A)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのポリマー主鎖中のカルボニル基の隣にあるα−メチレン基をアニオン形成できる塩基とを反応させ、引き続き、化学式(B)で示す化合物とを反応させることにより達成される。また、本発明において、用いる化学式(B)で示す化合物の使用量は、化学式(A)に示すユニットに対して0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
本発明の反応で使用される溶媒は、反応に不活性な溶媒であり、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;あるいは、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン又はヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類であり、好ましくは、テトラヒドロフランである。
反応は塩基の存在下で行われる。使用される塩基としては、メチルリチウム、ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドのようなアルカリ金属ジシラジド類;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアミド類であり、好ましくはリチウムジイソプロピルアミドである。また、本発明における塩基の使用量は、化学式(A)に示すユニットに対して、0.001〜100倍モル量、好ましくは、0.01〜10倍モル量である。
本発明の方法において、反応温度は、通常−78℃〜40℃であり、好ましくは−78℃〜30℃である。
本発明の方法において、反応時間は通常、通常10分間〜24時間の範囲である。特に、10分間〜4時間が好ましい。
上記の製造方法によって、化学式(C)で示すユニットを有するポリヒドロキシアルカノエートが製造できる。
また、本発明に用いられる化学式(G)に示すユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートは、公知の方法によって製造されるポリマーを、任意に用いることもできる。例えば、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、ポリ−3−ヒドロキシ吉草酸などに代表される微生物産生ポリヒドロキシアルカノエートがあげられる。例えば、特公平7−14352号公報、特公平8−19227号公報等には、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸の共重合体の製造方法が開示されている。また、特開平5−93049号公報、特開平7−265065号公報には、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシへキサン酸の共重合体の製造方法が開示されている。また、特許第2642937号公報には、炭素数6から12(即ち、3−ヒドロキシヘキサン酸から3−ヒドロキシウンデカン酸)までの3-ヒドロキシアルカノエートを含む共重合体の製造方法が開示されている。また、特開2002−306190号公報にはポリ−3−ヒドロキシ酪酸のホモポリマーの製造方法が開示されており、本発明においても同様の方法によりポリヒドロキシアルカノエートを製造することができる。また、他の微生物産生ポリヒドロキシアルカノエートについても、International Journal of Biological Macromolecules 12 (1990) 92、特開2001−288256号公報、特開2003−319792号公報などに開示の方法により、製造することができる。
また、化学式(G)において、RGcが炭素数0の直鎖アルキレン鎖(RGcが何も選択されない)で示される置換α−ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートについても、公知の方法を用いて合成することができる。例えば、置換α−ヒドロキシ酸から、直接、ポリエステルを製造することができる。もしくは、重合工程に先立ち、置換α−ヒドロキシ酸を重合活性の高い誘導体に変換した後に、開環重合により製造することもできる。
(置換α−ヒドロキシ酸から置換α−ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
置換α−ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートは、置換α−ヒドロキシ酸と重合触媒とを有機溶媒中で還流し、重合過程で生成する水を反応系外に除去することによって縮合重合を進行させ得ることができる。
(ア)重合触媒
置換α−ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、重合触媒としては、例えば、スズ粉末や亜鉛粉末等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、2塩化スズ、4塩化スズ、2臭化スズ、4臭化スズ、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、テトラフェニルスズ、オクチル酸スズ、p−トルエンスルホン酸等を用いることができる。重合触媒の使用量は、置換α−ヒドロキシ酸に対し、0.001〜10質量%、好ましくは、0.01〜5質量%である。
(イ)重合溶媒
置換α−ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、重合溶媒としては、容易に水と分液分離できるものが好ましい。例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、1、2、3、5−テトラメチルベンゼン、クロロベンゼン、1、2−ジクロロベンゼン、1、3−ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、1、2−ジブロモベンゼン、1、3−ジブロモベンゼン、ヨードベンゼン、1、2−ジヨードベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル等の溶媒を用いることができ、これらは混合して用いてもよい。重合溶媒の使用量は、置換α−ヒドロキシ酸の濃度が5〜50質量%となる量が好ましい。
(ウ)重合条件
置換α−ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、重合温度は、ポリマーの生成速度と生成したポリマーの熱分解速度を考慮して、50〜200℃、好ましくは、110〜180℃である。縮合重合反応は、通常、常圧下で使用する有機溶媒の留出温度で行われる。高沸点の有機溶媒を用いる場合には、減圧下で行ってもよい。置換α−ヒドロキシ酸の縮合重合に際し、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、不活性ガスで反応装置を置換しながら、または不活性ガスでバブリングしながら行っても良い。また、重合反応過程で生成した水は、適宜、反応装置から除去する。重合によって得られるポリエステルの数平均分子量は、重合溶媒の種類、重合触媒の種類や量、重合温度、重合時間等の条件を変えることによって種々の分子量のものが得られるが、次工程の反応を考慮すると、ポリスチレン換算で、1000〜1000000であることが好ましい。
(置換α−ヒドロキシ酸の環状2量体から置換α−ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの製造方法)
置換α−ヒドロキシ酸を2分子脱水して環状ジエステル化を行い、置換α−ヒドロキシ酸の誘導体として環状2量体ラクチドを作製後、この環状2量体ラクチドを開環重合することにより、ポリエステルを製造することができる。開環重合は一般に重合速度が高く、高重合度のポリエステルを製造することができる。置換α−ヒドロキシ酸を2分子脱水して環状ジエステル化を行う方法としては、例えばDeanStarktrapを備えた反応装置を用い、置換α−ヒドロキシ酸とp−トルエンスルホン酸などの縮合触媒とを、トルエン中で窒素雰囲気下30時間共沸脱水を行い、DeanStarktrap内に溜まった水を適宜除去することによって環状2量体ラクチドを高収率で得ることができる。目的とするポリエステルは、環状2量体ラクチドに重合触媒を加え、不活性ガス雰囲気下、開環重合することによっても得られる。
(ア)重合触媒
環状2量体ラクチドの開環重合に際し、重合触媒としては、例えば、スズ粉末や亜鉛粉末等の金属、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、2塩化スズ、4塩化スズ、2臭化スズ、4臭化スズ、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、テトラフェニルスズ、オクチル酸スズ等を用いることができる。これらの中でも、スズまたはスズ化合物の触媒活性が優れていることから、これらが特に好ましい。重合触媒の使用量は、環状2量体ラクチドに対し、0.001〜10質量%、好ましくは、0.01〜5質量%である。
(イ)重合条件
環状2量体ラクチドの開環重合に際し、重合温度は、ポリマーの生成速度と生成したポリマーの熱分解速度を考慮して、100〜200℃、好ましくは、120〜180℃である。環状2量体ラクチドの開環重合に際し、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとして、例えば、窒素ガスやアルゴンガスを用いることができる。重合によって得られるポリエステルの数平均分子量は、重合触媒の種類や量、重合温度、重合時間等の条件を変えることによって種々の分子量のものが得られる。本発明で用いる置換α−ヒドロキシ酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート次工程の反応を考慮するとポリスチレン換算で、1000〜1000000が好ましい。
本発明の化学式(6)で示されるユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(8)で示されるω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物を触媒の存在下で重合することにより製造される。
Figure 0004781018
(式中のl、m、及びnについて、
lが0、2〜4から選ばれた整数であり、nが0〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが1〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
複数のユニットが存在する場合、l、m、及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中のl、m、及びnについて、
lが0、2〜4から選ばれた整数であり、nが0〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが1〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
複数種の化合物を併用する場合、l、m、及びnは、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
本発明のω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物である化学式(8)を用いた化学式(6)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造では、重合方法については、特に制限はなく、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法などを採択することができる。また、重合溶媒を用いる場合は、その溶媒は特に限定されず、例えば炭素数5〜18の脂肪族炭化水素類や環式炭化水素類、炭素数6〜20の芳香族炭化水素類などの不活性溶媒、テトラヒドロフラン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼン、ジオキサンなどを用いることができる。
本発明において、重合に使用する触媒としては、公知の開環重合触媒を用いることができる。例えば、二塩化スズ、四塩化スズ、フッ化第一スズ、酢酸第一スズ、ステアリン酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、酸化第一スズ、酸化第二スズ、その他のスズ塩が挙げられる。また、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシ−アルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニルム、塩化アルミニウム、ジ−iso−プロピル亜鉛、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、塩化亜鉛、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、三フッ化アンチモン、酸化鉛、ステアリン酸鉛、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテル錯体、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
これらの触媒の使用量は、モノマー化合物の総量に対し、0.0001〜10重量%の範囲であり、より好ましくは0.001〜5重量%の範囲である。
本発明においては、開環重合に際し、重合開始剤として、公知の重合開始剤を用いることができる。具体的には、脂肪族アルコールはモノ、ジ、または多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、もしくは不飽和であってもかまわない。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、p−tert−ブチルベンジルアルコール等のモノアルコール、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール等の、ジアルコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール等の多価アルコールおよび乳酸メチル、乳酸エチル等を用いることができる。これらの脂肪族アルコールは、用いられるアルコールの種類などの条件により若干の相違はあるが、通常、モノマーの総量に対し、0.01〜10重量%の割合で用いられる。
本発明において、開環重合反応温度は、25〜200℃の範囲であり、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜180℃の範囲である。
本発明において、開環重合反応は窒素、アルゴン等の不活性雰囲気、あるいは減圧、もしくは加圧下で行ってもよく、その際、逐次、触媒、アルコールを添加してもかまわない。
また、本発明では、機械特性、分解特性など物性を種々変化させるために、第2成分等を共重合させてもよい。具体的には、α−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルやω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物であるラクトン類を共重合させることができる。更に、具体的にはα−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルとしては、グリコール酸、乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、α−ヒドロキシ−α−メチル酪酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、マンデル酸、β−フェニル乳酸等の分子間環状ジエステルが挙げられる。また、不斉炭素を有するものは、L体、D体、ラセミ体、メソ体のいずれでもよい。また、環状ジエステルは異なるα−オキシ酸分子同士により形成されるものであっても一向に構わない。具体的には、グリコール酸と乳酸の間の環状ジエステルであり、3−メチル−2,5−ジケト−1,4−ジオキサンなどが挙げられる。また、ω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物であるラクトン類としては、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、β−イソバレロラクトン、β−カプロラクトン、β−イソカプロラクトン、β−メチル−β−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、11−オキシデカン酸ラクトン、p−ジオキサノン、1,5−ジオキセパン−2−オン等の分子内閉環化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
重合によって得られるポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、重合触媒の種類や量、重合温度、重合時間などの条件を変えることで種々の分子量のものが得られるが、1,000〜1,000,000が好ましい。
また、本発明の化学式(10)で示されるユニットを分子中に1ユニット以上含むポリヒドロキシアルカノエートは、化学式(9)で示されるω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物を触媒の存在下で重合することにより製造される。
Figure 0004781018
(式中、R9は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基またはアラルキル基の置換基である。
式中のl、m、及びnについて、
lが0、2〜4から選ばれた整数であり、nが0〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが1〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが0である時、mは0であり、
複数種の化合物を併用する場合、l、m、及びnは、各化合物毎に独立して上記の意味を表す。)
Figure 0004781018
(式中、R10は、炭素数1〜12の直鎖または分岐状のアルキル基またはアラルキル基の置換基である。
式中のl、m、及びnについて、
lが0、2〜4から選ばれた整数であり、nが0〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが1〜4から選ばれた整数である時、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、nが0である時、mは0であり、
複数のユニットが存在する場合、R10、l、m、及びnは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
本発明のω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物である化学式(9)を用いた化学式(10)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの製造では、重合方法については、特に制限はなく、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法などを採択することができる。また、重合溶媒を用いる場合は、その溶媒は特に限定されず、例えば炭素数5〜18の脂肪族炭化水素類や環式炭化水素類、炭素数6〜20の芳香族炭化水素類などの不活性溶媒、テトラヒドロフラン、クロロホルム、オルトジクロロベンゼン、ジオキサンなどを用いることができる。
本発明において、重合に使用する触媒としては、公知の開環重合触媒を用いることができる。例えば、二塩化スズ、四塩化スズ、フッ化第一スズ、酢酸第一スズ、ステアリン酸第一スズ、オクタン酸第一スズ、酸化第一スズ、酸化第二スズ、その他のスズ塩が挙げられる。また、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシ−アルミニウム、トリ−iso−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−iso−ブトキシアルミニルム、塩化アルミニウム、ジ−iso−プロピル亜鉛、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、塩化亜鉛、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、三フッ化アンチモン、酸化鉛、ステアリン酸鉛、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテル錯体、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
これらの触媒の使用量は、モノマー化合物の総量に対し、0.0001〜10重量%の範囲であり、より好ましくは0.001〜5重量%の範囲である。
本発明においては、開環重合に際し、重合開始剤として、公知の重合開始剤を用いることができる。具体的には、脂肪族アルコールはモノ、ジ、または多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、もしくは不飽和であってもかまわない。具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、p−tert−ブチルベンジルアルコール等のモノアルコール、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール等の、ジアルコール、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール等の多価アルコールおよび乳酸メチル、乳酸エチル等を用いることができる。これらの脂肪族アルコールは、用いられるアルコールの種類などの条件により若干の相違はあるが、通常、モノマーの総量に対し、0.01〜10重量%の割合で用いられる。
本発明において、開環重合反応温度は、25〜200℃の範囲であり、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜180℃の範囲である。
本発明において、開環重合反応は窒素、アルゴン等の不活性雰囲気、あるいは減圧、もしくは加圧下で行ってもよく、その際、逐次、触媒、アルコールを添加してもかまわない。
また、本発明では、機械特性、分解特性など物性を種々変化させるために、第2成分等を共重合させてもよい。具体的には、α−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルやω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物であるラクトン類を共重合させることができる。更に、具体的にはα−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステルとしては、グリコール酸、乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシイソ吉草酸、α−ヒドロキシ−α−メチル酪酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、マンデル酸、β−フェニル乳酸等の分子間環状ジエステルが挙げられる。また、不斉炭素を有するものは、L体、D体、ラセミ体、メソ体のいずれでもよい。また、環状ジエステルは異なるα−オキシ酸分子同士により形成されるものであっても一向に構わない。具体的には、グリコール酸と乳酸の間の環状ジエステルであり、3−メチル−2,5−ジケト−1,4−ジオキサンなどが挙げられる。また、ω−ヒドロキシカルボン酸の分子内閉環化合物であるラクトン類としては、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、β−イソバレロラクトン、β−カプロラクトン、β−イソカプロラクトン、β−メチル−β−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、11−オキシデカン酸ラクトン、p−ジオキサノン、1,5−ジオキセパン−2−オン等の分子内閉環化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
重合によって得られるポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、重合触媒の種類や量、重合温度、重合時間などの条件を変えることで種々の分子量のものが得られるが、1,000〜1,000,000が好ましい。
本発明のポリヒドロキシアルカノエートの分子量は、相対分子量、絶対分子量として測定可能である。簡便にたとえばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)などにより測定できる。具体的なGPCの測定方法としては、予め上記ポリヒドロキシアルカノエートを可溶な溶媒に溶解し、同様の移動相で測定する。検出器としては、示差屈折検出器(RI)または紫外検出器(UV)など測定するポリヒドロキシアルカノエートに合わせて用いることができる。試料(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど)との相対比較として分子量が求められる。溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO),クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)などポリマーが可溶なものから選択すればよい。極性溶媒の場合には、塩添加により測定することもできる。
また、本発明においては、上記のようにして測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比率(Mw/Mn)が、1〜10の範囲内にある上記ポリヒドロキシアルカノエートを使用することが好ましい。
本発明の方法により製造されるポリヒドロキシアルカノエートポリマーには、スルホン酸基あるいはその誘導体を有するユニット、あるいはカルボキシル基あるいはその誘導体を有するユニットの少なくとも何れかが、そのポリマー分子中に含まれている。これらの構造は、かかるユニット末端における、分子中の電子の局在化を強力に促し、その電気的な性質は、従来のポリヒドロキシアルカノエートと比べ著しく異なっている可能性がある。また、このような電子の局在化により、溶媒に対する挙動も、従来のポリヒドロキシアルカノエートと異なるものとなる。一例を挙げると、ジメチルホルムアミド(DMF)のような極性溶媒にも溶解可能となる。また、熱的特性の制御、特には水素結合に由来するガラス転移温度の上昇が顕著であり、広範な用途への応用が可能となる。
本発明において使用する上記PHAは、化学式(1)あるいは(5)のモノマーユニットがユニット比において0.2%以上40%以下の割合で含まれており、かつ、数平均分子量が1,000〜1,000,000であることが好ましい。より好ましくは1,000〜200,000である。化学式(1)あるいは(5)のユニットの割合が0.2%より少なくなると、トナーに対して正電荷を誘起させる能力に劣る傾向にある。一方、化学式(1)あるいは(5)のユニットの割合が40%よりも多くなると、耐湿性等の環境安定性の悪化や、被膜特性の低下等が生じる傾向があるのであまり好ましくない。又、使用するPHAの数平均分子量が1,000よりも少なくなると、低分子量成分が多過ぎるため、トナーがスリーブに付着又は固着し易くなり、樹脂層の帯電付与性が低下する傾向がある。一方、重合体の数平均分子量が1,000,000よりも大きくなると、樹脂層を形成する他の樹脂との相溶性が悪化し、環境変動や経時により安定した帯電性が得られなくなる傾向がある。又、分子量が高過ぎると、溶媒中における樹脂粘度が高くなって塗工不良を生じ、顔料類を添加した場合には分散不良の原因となり、被覆する樹脂層の組成が不均一になってトナー帯電が安定せず、更に、樹脂被覆層の表面粗さが安定せず、耐摩耗性が減少する等の原因となりえる。
また、本発明において使用する上記PHAは、前述したユニット以外に、さらに化学式(7)に示すユニットを含むことも好ましい。
Figure 0004781018
(R7は、炭素数1〜11の直鎖または分岐状のアルキレン基、あるいは、各アルキレンの炭素数が1〜2のアルキレンオキシアルキレン基または所望によりアリールで置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキリデン基である。複数のユニットが存在する場合、R7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
尚、一般に、トナー用結着剤樹脂のガラス転移点は、50℃〜70℃程度である場合が多いので、上記PHAを使用するに際しては、基体を被覆して形成した樹脂層表面へのトナーの付着を避ける上で、トナーのガラス転移点よりも高いガラス転移点を有するような被覆膜(樹脂層)が形成されるように、適宜に材料を選択して被覆用のPHAとするのが好ましい。
次に、上記のような成分からなる樹脂層を有する本発明の現像剤担持体の他の構成について説明する。
本発明の現像剤担持体は、静電潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体により担持搬送された現像剤により現像し、可視像化する現像装置に用いられるものであり、例えば、現像スリーブ、現像ローラー等が該当する。特に、現像スリーブに好適に適用できる。
本発明の現像剤担持体は、基体表面に、上記した材料で形成された樹脂層を有するが、現像剤担持体に用いられる基体としては、例えば、金属、樹脂、ゴム或いはその複合材で作られた円柱状部材、円筒状部材及びベルト状部材が適用可能である。これらの中でも特に円筒管が好適に用いられる。円筒管としては、例えば、アルミニウム、ステンレン鋼及び真鍮の如き非磁性の金属又は合金を円筒状に成型し、その後、研磨及び研削を施したものが好適に用いられる。これらの金属円筒管は、画像の均一性をよくするために、高精度に成型或いは加工されて用いられる。例えば、長手方向の真直度は、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下がよく、スリーブと感光ドラムとの間隙の振れ、例えば、垂直面に対し均一なスペーサーを介して突き当て、スリーブを回転させた場合の垂直面との間隙の振れも、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下であることがよい。
更に、本発明の現像剤担持体においては、上記したような基体の表面を被覆して樹脂層を形成するが、該樹脂層の形成に用いられる結着樹脂として、前記した化学式(1):
Figure 0004781018
(式中、Rは−A1−SO21を表し、
1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aを表し、
1aおよびA1は、各々が独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造または置換もしくは未置換の複素環構造を有する基を表す(なお、R1aはこれらから選択された構造を有する一価の基であり、A1はこれらから選択された構造を有する二価の基である)。
また、式中のl、m、Z1a、Z1bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z1aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、Z1a、Z1b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
あるいは、化学式(5):
Figure 0004781018
(式中、R5は、水素、塩を形成する基(塩を形成する基としては、NaまたはKを表す。)またはR5aを表し、R5aは、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアラルキル基を表す。
また、式中のl、m、Z5a、Z5bについて、
lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z5aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが1であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは水素原子であり、mは0であり、
lが0であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
lが0であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
また、複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、Z5a、Z5b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
に示すユニットの少なくとも何れかを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートを含有する。
ここで、該共重合体に、必要に応じて他の公知の樹脂に含有させて使用してもよい。この際に使用できる樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂及びアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂及びシリコーン樹脂等の熱或いは光硬化性樹脂等を使用することができる。これらの中でも、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いは、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、スチレン系樹脂及びアクリル系樹脂のような機械的性質に優れたもの等を用いることがより好ましい。
更に、本発明の現像剤担持体を構成する基板表面に被覆する樹脂層に、導電性微粉末及び/又は固体潤滑剤を含有させて導電性樹脂層とすることが好ましい。潤滑性物質は、摩擦帯電付与剤であり、該潤滑性物質が分散された樹脂層を基体表面に形成することで、より本発明の効果が促進できる。この際に使用することのできる潤滑性物質としては、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石及びステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤が挙げられる。これらの中でも特にグラファイトが、被覆樹脂層の導電性を損なわないので好ましく用いられる。これらの固体潤滑剤は、その個数平均粒径が、好ましくは、0.2〜20μm程度のもの、より好ましくは1〜15μmのものを使用するとよい。
上記したような固体潤滑剤の添加量としては、結着樹脂100重量部に対して、10〜120重量部の範囲であれば、特に好ましい結果を与える。即ち、添加量が120重量部を超えた場合は、被覆した樹脂層の強度の低下及びトナーの帯電量の低下が認められる傾向があり、一方、10重量部未満では、長期にわたって使用した場合等、本発明の現像剤担持体を構成する樹脂層表面におけるトナー付着を防止する効果が少なくなる傾向がある。
本発明では、基材表面に形成する樹脂層の体積抵抗を調整するため、固体潤滑剤の他に結着樹脂中に導電性微粒子を分散含有させてもよい。この際に使用する導電性微粒子としては、個数平均粒径が20μm以下のものが好ましい。より好ましくは、10μm以下のものが好ましく、又、表面に凹凸が形成されるのを避けるためには1μm以下のものを使用することが好ましい。
本発明で使用することのできる導電性微粒子としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック及びチャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及び酸化インジウム等の金属酸化物等;アルミニウム、銅、銀、ニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維及び炭素繊維等の無機系充填剤等が挙げられる。上述した導電性微粒子の添加量としては、結着樹脂100重量部に対して100重量部以下の範囲で使用するのが特に好ましい結果を与える。即ち、100重量部を超えると樹脂層の被膜強度の低下、及び、トナーの帯電量の低下が認められる傾向がある。
本発明の現像剤担持体の樹脂層の好ましい構成としては、上記に述べた添加物質に加えて、更に、個数平均粒径が0.3〜30μmの被覆した樹脂層表面に凹凸を形成するための粒子を樹脂層中に分散させ、現像剤担持体の表面粗さを安定化させ、現像剤担持体上のトナーコート量を最適化することが挙げられる。それにより、前記共重合体(前述のポリヒドロキシアルカノエート)によって得られる摩擦帯電付与効果を十分に発揮させることが可能となる。該粒子は、現像剤担持体の樹脂層表面に均一な表面粗度を保持させると同時に、樹脂層表面が摩耗した場合でも樹脂層の表面粗度の変化が少なく、且つ、トナー汚染やトナー融着を発生しにくくする効果がある。
本発明の現像剤担持体を構成する基材表面に被覆された樹脂層表面に凹凸を形成するために用いる上記粒子としては、個数平均粒径が0.3〜30μm、好ましくは2〜20μmを用いるとよい。該粒子の個数平均粒径が0.3μm未満では表面に均一な粗さを付与する効果と帯電性能を高める効果が少なく、現像剤への迅速且つ均一な帯電が不十分となりやすいと共に、樹脂層の磨耗によるトナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融着が発生し、ゴーストの悪化、画像濃度低下を生じ易くなるため、あまり好ましくない。個数平均粒径が30μmを超える場合には、樹脂層表面の粗さが大きくなり過ぎ、トナーの帯電が十分に行なわれにくくなってしまうと共に、樹脂層の機械的強度が低下する傾向があるため、あまり好ましくない。
本発明において、前記樹脂層表面に凹凸を形成するための粒子は球状であることが望ましい。ここで言う球状粒子における球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度のものを意味しており、本発明において好ましくは、長径/短径の比が1.0〜1.2の粒子を使用することが好ましい。球状粒子の長径/短径の比が1.5を超える場合には、樹脂層表面粗さの不均一化が発生しやすくなり、トナーの迅速且つ均一な帯電化及び導電性樹脂層の強度の点であまり好ましくない。
更に好ましくは、球状粒子の真密度は、3g/cm3以下、好ましくは2.7g/cm3以下、より好ましくは0.9〜2.3g/cm3であることがよい。即ち、球状粒子の真密度が3g/cm3を超える場合には、樹脂層中での球状粒子の分散性が不十分となる傾向があるため、樹脂層表面に均一な粗さを付与しにくくなることがある。又、塗料の保存安定性が低下する傾向があるため、ここでも均一表面凹凸を有する摩擦帯電付与部材表面が得にくくなることがある。球状粒子の真密度が0.9g/cm3より小さい場合にも、樹脂層中での球状粒子の分散性及び保存安定性が不十分となる傾向がある。
本発明に用いられる球状粒子は、公知の球状粒子が使用可能である。例えば、球状の樹脂粒子、球状の金属酸化物粒子及び球状の炭素化物粒子等が挙げられる。球状の粒子としては、例えば、懸濁重合、分散重合法等による球状の樹脂粒子等が用いられる。これらの中でも、球状の樹脂粒子を用いれば、より少ない添加量で、現像剤担持体表面に好適な表面粗さが得られ、更に均一な表面状態が得られ易いので好ましい。このような球状粒子としては、例えば、ポリアクリレート及びポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子及びベンゾグアナミン粒子、等々が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子に、熱的に或いは物理的な球形化処理を行ってから用いてもよい。
又、上記に挙げたような球状粒子の表面に無機物を付着或いは固着させて用いてもよい。この際に用いることのできる無機微粉体としては、例えば、SiO2、SrTiO3、CeO2、CrO、Al23、ZnO及びMgOの如き酸化物、Si34の如き窒化物、SiCの如き炭化物、CaSO4、BaSO4及びCaCO3の如き硫酸塩、炭酸塩、等々が挙げられる。このような無機微粉末は、カップリング剤により有機処理したものを用いてもよい。
特に、結着樹脂との密着性を向上させる目的、或いは、粒子に疎水性を与える等々の目的では、カップリング剤により処理した無機微粉末を用いることが好ましい。この際に用いるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びジルコアルミネートカップリング剤等がある。より具体的には、例えば、シランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び、1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。このようなカップリング剤で処理された無機微粉末が表面に付着或いは固着された球状樹脂粒子等を用いれば、添加させる球状粒子の樹脂層中への分散性が良好となり、形成される樹脂層表面の均一性、耐汚染性、トナーへの帯電付与性及び耐磨耗性等を向上させることができる。
又、本発明で使用する上記したような構成の球状粒子は、導電性を有するものであることがより好ましい。即ち、球状粒子に導電性を持たせることによって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくくなるので、現像スリーブ表面へのトナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができる。本発明において好適な球状粒子の導電性としては、体積抵抗値が106Ω・cm以下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmの粒子であることが好ましい。即ち、球状粒子の体積抵抗が106Ω・cmを超えると、摩耗によって樹脂層表面に球状粒子が露出して部分的に絶縁性となるため、これが核となりトナーの汚染や融着が発生し易くなると共に、迅速、且つ、均一な帯電が行われにくくなる恐れがある。
本発明で好適に用いることができる導電性球状粒子を得る方法としては、以下に述べるような方法が好ましいが必ずしもこれらに限定されるものではない。本発明に用いられる特に好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、球状の樹脂粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成することにより炭素化及び/又は黒鉛化して、低濃度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。そして、球状の樹脂粒子に用いられる樹脂材料としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体及びポリアクリロニトリルが挙げられる。又、メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を多量のタール、中油及びキノリン等の溶剤で洗浄することによって製造することができる。
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体及びポリアクリロニトリル等の球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。
上記した方法で得られる導電性の球状炭素粒子は、上記したいずれの方法においても、焼成条件を変化させることによって得られる球状炭素粒子の導電性をある程度は制御することが可能であり、本発明で使用する導電性を有する球状粒子として好ましく使用できる。又、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために、導電性球状粒子の真密度が3g/cm3を超えない程度の範囲で、導電性の金属及び/又は金属酸化物のめっきを施していてもよい。
本発明に好適に用いられる導電性球状粒子を得る他の方法としては、球状の樹脂粒子からなる芯粒子に対して、芯粒子の粒径よりも小さい導電性微粒子を適当な配合比で機械的に混合することによって、ファンデルワールス力及び静電気力の作用により芯粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着させた後、例えば、機械的衝撃力を付与することによって生ずる局部的温度上昇によって芯粒子表面を軟化させ、芯粒子表面に導電性微粒子を成膜して導電化処理した球状樹脂粒子を得る方法が挙げられる。
上記の芯粒子には、有機化合物からなる真密度の小さい球形の樹脂粒子を使用することが好ましく、樹脂としては、例えば、PMMA、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂及びポリエステル樹脂が挙げられる。芯粒子(母粒子)の表面に成膜する際に使用される導電性微粒子(小粒子)としては、導電性微粒子被膜を均一に設けるために、小粒子の粒径が母粒子の粒径の1/8以下のものを使用するのが好ましい。
更に、本発明に用いることのできる導電性球状粒子を得る他の方法としては、球状樹脂粒子中に導電性微粒子を均一に分散させることにより、導電性微粒子が分散された導電性球状粒子を得る方法が挙げられる。球状樹脂粒子中に導電性微粒子を均一に分散させる方法としては、例えば、結着樹脂と導電性微粒子とを混練して導電性微粒子を分散させた後、冷却固化し、所定の粒径に粉砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化して導電性球状粒子を得る方法、又は、重合性単量体中に重合開始剤、導電性微粒子及びその他の添加剤を加え、分散機によって均一に分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に撹拌機によって所定の粒子径になるように懸濁させて重合を行い、導電性微粒子が分散された球状粒子を得る方法が挙げられる。
上記したような各種の方法で得られる導電性微粒子が分散された導電性球状粒子においても、前記した芯粒子よりも小さい粒径の導電性微粒子と適当な配合比で機械的に混合して、ファンデルワールス力及び静電気力の作用により導電性球状粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着させた後、例えば、機械的衝撃力を付与することにより生ずる局部的温度上昇により導電性球状粒子の表面を軟化させ、該表面に導電性微粒子を成膜して、更に導電性を高めて使用してもよい。
本発明において、個数平均粒径の測定には、マルチサイザーII型(商品名、コールター製)に100μmアパーチャー(3.0μm以下の粒子は50μmアパーチャー)を取付けて測定を行った。導電性の粒子の測定は、粒度分布計LS−130型(商品名、コールター製)にリキッドモジュールを取付けて測定した。
本発明の現像剤担持体の表面を構成する樹脂層に添加し、導電性を付与する材料としては、一般に公知の導電性微粉末が挙げられる。例えば、銅、ニッケル、銀及びアルミニウム等の金属或いは合金の粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ及び酸化チタン等の金属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック及びグラファイト等の炭素系の導電性微粉末等が挙げられる。導電性微粉末の添加量は、その現像システムにより異なるが、例えば、ジャンピング現像法において、一成分絶縁性現像剤を用いる場合には、導電性樹脂層の体積抵抗値が、103Ω・cm以下になるように添加することが好ましい。カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、他の物質に比べて、少量の添加で導電性を付与することができ、添加量のコントロールにより、ある程度任意の抵抗値を得ることができるので好適である。
次に、以上に説明した構成を有する本発明の現像剤担持体の表面に担持させる現像剤について説明する。現像剤を構成するトナーは、主として、結着樹脂、離型剤、荷電制御剤及び着色剤等を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後、分級等をして粒度分布を揃えた着色樹脂微粉体である。トナーに用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂及び芳香族系石油樹脂等を、単独或いは混合して使用できる。
又、トナー中には、着色剤として、上記に挙げたような顔料を含有させることができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエローG、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファーストスカーレットCG及びオイルピンクOP等を使用することができる。
磁性トナーとするためには、トナー中に磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられ、例えば、鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、又は、マグネタイト、ヘマタイト及びフェライト等の合金や化合物が挙げられる。これらの磁性粉の含有量はトナー重量に対して15〜70重量%とすることが好ましい。
又、トナーには、定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そのようなワックス類としては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体等が挙げられる。ここで、誘導体には、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物及びグラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス及びペトロラクタム等も利用できる。
更に、必要に応じて、トナー中に荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤及び正荷電制御剤がある。トナーを負帯電性に制御するものとしては下記に挙げる物質がある。例えば、有機金属錯体やキレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸及び芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類或いはビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。
又、トナーを正帯電させるための物質としては下記のようなものがある。例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物及びフェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド及びジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート及びジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物及びイミダゾール化合物が挙げられる。
トナーには必要に応じて、更に流動性改善等の目的で、無機微粉末の如き粉末を外添してもよい。このような微粉末としては、例えば、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム及び酸化ジルコニウム等の金属酸化物;炭化ケイ素及び炭化チタン等の炭化物;窒化ケイ素及び窒化ゲルマニウム等の窒化物等の無機微粉体を用いることができる。更に、これらの微粉体は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤等で有機処理して用いることができる。この際に用いることのできる有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び、1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等を使用することができる。
又、未処理の微粉体を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。特に、ポジトナーの場合に好適である。そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン及びトリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール、等が挙げられる。
上記に挙げたような各種のシランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば、1)スプレー法、2)有機溶媒法、3)水溶液法等がある。スプレー法による処理とは、一般に、ピグメントを撹拌し、ここにカップリング剤の水溶液或いは溶媒液をスプレーし、この後水或いは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。又、有機溶媒法による処理とは、少量の水と共に加水分解用触媒を含む有機溶媒(例えば、アルコール、ベンゼン或いはハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これにピグメントを浸積した後、濾過或いは圧搾により固液分離を行って、120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは、0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水或いは水−有機溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸積した後、同様に固液分離を行って乾燥するものである。
他の有機処理方法を用いたものとして、シリコーンオイルで処理した微粉体を用いることも可能である。この際に用いることのできる好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が、およそ0.5〜10,000mm2/s、好ましくは、1〜1,000mm2/sのものが挙げられる。このようなものとしては、例えば、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル及びフッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。又、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いてもよい。
特にポジトナーの場合は、シリコーンオイルで有機処理したものを使用することが好ましい。シリコーンオイルによる処理は、例えば、次のようにして行なうことができる。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹乱し、これに、上記に挙げたようなシリコーンオイル或いはその溶液をスプレー若しくは気化して吹き付ける方法か、又は、顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或いはその溶液を滴下する方法によって容易に処理できる。これらのシリコーンオイルは、1種或いは2種以上の混合物或いは併用や多重処理して用いられる。又、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。
更に、以上のようにして形成されるトナーは、種々の方法で、球形化処理や表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となるのでより好ましい。球形化処理や表面平滑化処理する方法としては、攪拌羽根又はブレード等、及びライナー又はケーシング等を有する装置で、例えば、トナーをブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したりトナーを球形化したりする方法、温水中にトナーを懸濁させて球形化処理する方法、熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法等がある。
又、球状のトナーを作る方法としては、例えば、水中に、トナーの結着樹脂の原料となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナー化する方法がある。一般的な方法としては、例えば、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、更に必要に応じて、架橋剤、荷電制御剤、離形剤及びその他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて重合性単量体組成物とした後、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層、例えば、水相中に適当な攪拌機を用いて適当な粒径に分散し、更に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子からなるトナーを得る方法が挙げられる。
次に、上記したような優れた効果を発揮し得る本発明の現像剤担持体が組み込まれて構成される本発明の現像装置の一例を、図を参照しながら説明する。
本発明の現像装置は、現像容器内に収容された現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら、現像剤を潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該現像領域で、潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置において、前記現像剤担持体として前述のような本発明の現像剤担持体を具備するものである。
図1は、本発明の現像装置の一例を示す概略構成図である。図1において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する静電潜像担持体、例えば、電子写真感光ドラム7は、矢印B方向に回転される。円筒状基体12の外周に樹脂層13が形成された構成を有する現像剤担持体としての現像スリーブ14は、ホッパー9によって供給された、例えば、一成分磁性現像剤である磁性トナー10を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像スリーブ14と感光ドラム7とが対向している現像部D(現像領域)に、磁性トナー10を搬送する。この現像スリーブ14内には、磁性トナー10を現像スリーブ14上に磁気的に吸引・保持するための磁石11が配置されている。このような現像スリーブ14上に担持された磁性トナー10は、現像スリーブ14との摩擦によって、感光ドラム7上の静電潜像を現像可能にする摩擦帯電電荷を得る。
又、図1に例示した現像装置では、現像部Dに搬送されていく磁性トナー10の層厚を規制するために、強磁性金属からなる現像剤層厚規制部材である規制ブレード8が、ホッパー9から、現像スリーブ14の表面から約200〜300μmのギャップ幅をもって現像スリーブ14に臨むように垂下されている。この結果、現像スリーブ14内の磁石11の磁極N1からの磁力線が規制ブレード8に集中することにより、現像スリーブ14上に磁性トナー10の薄層が形成される。尚、規制ブレード8としては、非磁性ブレードを使用することもできる。また、ホッパー9内の磁性トナー10は攪拌器16で撹拌されている。
本発明においては、上記のようにして現像スリーブ14上に形成される磁性トナー10の薄層の厚みは、現像部Dにおける現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙よりも、更に薄いものであることが好ましい。このようなトナー薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に、本発明は特に効果的である。しかし、勿論、現像部において、トナー層の厚みが現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち、接触型現像装置にも、本発明の現像剤担持体を適用することができる。以下、説明の煩雑さを避けるため、非接触型の現像装置を例にとって、更に詳細に説明する。
上記構成を有する本発明に好適な現像スリーブ14では、その表面に担持された磁性トナー10を飛翔させるために、電源15により現像バイアス電圧が印加される。本発明においては、この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(磁性トナー10が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ14に印加されることが好ましい。一方、現像画像の濃度を高め或いは階調性を向上させるためには、現像スリーブ14に交番バイアス電圧を印加し、現像部Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記画像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を、現像スリーブ14に印加することが好ましい。
又、高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂反転現像では、トナーは静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用することが好ましい。尚、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても磁性トナー10は、現像スリーブ14との摩擦により静電潜像を現像するための極性に帯電される。磁性トナー10に外添したシリカも、現像スリーブ14との摩擦により帯電する。なお、16は攪拌器である。
以下、実施例により本発明の詳細を説明する。調製例ならびに実施例で示す部は全て重量部である。先ず、下記の方法によって、実施例で使用したポリヒドロキシアルカノエートの製造方法を以下に示す(調製例A〜2P)。
[調製例A−1]
[3,6−ジ(3−ブテニル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン及びL−ラクチドを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成]
3,6−ジ(3−ブテニル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン0.11g(0.5mmol)、L−ラクチド0.65g(4.5mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液2ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液2mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。1時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.63g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400(商品名)
共鳴周波数:1H=400MHz
<測定条件>
測定核種:1
使用溶媒:TMS/CDCl3
測定温度:室温
その結果、モノマーユニットとして、下記化学式(24)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット9mol%、Bユニット91mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=18200、重量平均分子量Mw=24000であった。
[調製例A−2]
調製例A−1で合成した化学式(24)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
Figure 0004781018
調製例A−1で得られた化学式(24)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:9mol%、B:91mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.47gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.38gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを60ml加え、更に水45mlを加えた。次に亜硫酸水素ナトリウムを過酸が除去されるまで加えた。その後、1.0N塩酸により液性をpH=1にした。有機層を抽出し、1.0N塩酸で3回洗浄した。有機層を回収した後、溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次に、水50ml、メタノール50mlで洗浄し、更に水50mlで3回洗浄した後、ポリマーを回収した。次に、THF3mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.44g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(25)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=13200、重量平均分子量Mw=18200であった。
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、トリメチルシリルジアゾメタンを用いポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端にあるカルボキシル基をメチルエステル化することで算出を行った。
目的物であるポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを31mg得た。
調製例A−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(25)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、8mol%、Dのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
[調製例A−3]
調製例A−2で合成した化学式(25)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応
Figure 0004781018
窒素雰囲気下、調製例A−2で得られた化学式(25)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.36gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.09mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥することでポリマーを0.32g得た。
得られたポリマーの構造決定は、1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400(商品名);共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR(商品名))により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。
1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(26)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(26)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、8mol%、Fのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C(商品名)、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=11300、重量平均分子量Mw=16000であった。
[調製例A−4]
調製例A−3で合成した化学式(26)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのエステル化反応
Figure 0004781018
調製例A−3で得られた化学式(26)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(E:8mol%、F:92mol%)0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム21.0ml、メタノール7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)1.35mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。
更に、クロロホルム21.0ml、メタノール7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.30gを得た。
得られたポリマーの構造決定は、1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400(商品名);共鳴周波数:400MHz;測定核種:1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(27)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(27)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Gのユニットが、8mol%、Hのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
また、電位差滴定装置AT510(商品名、京都電子工業製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C(商品名)、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=10900、重量平均分子量Mw=15600であった。
一連の調整法をスケールアップし、化学式(27)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(A)とした。
[調製例B−1]
[化学式(51)で示される7−(3−ブテニル)−2−オキセパンオンとL−ラクチドを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成]
Figure 0004781018
7−(3−ブテニル)−2−オキセパンオン0.34g(2.0mmol)、L−ラクチド1.15g(8.0mmol)、2Mのジ−iso−プロピル亜鉛のトルエン溶液20μl、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液8mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを1.05g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(52)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=43500、重量平均分子量Mw=67400であった。
[調製例B−2]
調製例B−1で合成した化学式(52)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
Figure 0004781018
調製例B−1で得られた化学式(52)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:8mol%、B:92mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.40gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.32gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを60ml加え、更に水45mlを加えた。次に亜硫酸水素ナトリウムを過酸が除去されるまで加えた。その後、1.0N塩酸により液性をpH=1にした。有機層を抽出し、1.0N塩酸で3回洗浄した。有機層を回収した後、溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次に、水50ml、メタノール50mlで洗浄し、更に水50mlで3回洗浄した後、ポリマーを回収した。次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.44g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(53)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=37500、重量平均分子量Mw=59600であった。
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、トリメチルシリルジアゾメタンを用いポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端にあるカルボキシル基をメチルエステル化することで算出を行った。
目的物であるポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中 に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを28mg得た。
調製例A−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(53)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、8mol%、Dのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
[調製例B−3]
調製例B−2で合成した化学式(53)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸との縮合反応
Figure 0004781018
窒素雰囲気下、調製例B−2で得られた化学式(53)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸0.30gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.03mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥させることでポリマーを0.32g得た。
得られたポリマーの構造決定は、1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400(商品名);共鳴周波数:400MHz;測定核種:1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR(商品名))により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1668cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。
1H−NMRの結果より、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸構造のメチレンに由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(54)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(54)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、8mol%、Fのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C(商品名)、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=37500、重量平均分子量Mw=59600であった。
一連の調整法をスケールアップし、化学式(54)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(B)とした。
[調製例C−1]
[化学式(89)で示される7−オキソ−4−オキセパンカルボン酸フェニルメチルエステル及びL−ラクチドを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成]
Figure 0004781018
化学式(89)で示される7−オキソ−4−オキセパンカルボン酸フェニルメチルエステル2.48g(10.0mmol)、L−ラクチド7.21g(50.0mmol)、0.1Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液2.4ml、0.1Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液2.4mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。12時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを7.08g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(90)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=10300、重量平均分子量Mw=14800であった。
[調製例C−2]
調製例C−1で得られた化学式(90)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体5.00gをジオキサン−エタノール(75:25)の混合溶媒500mlに溶解し、これに5%パラジウム/炭素触媒1.10gを加えて、反応系内を水素で満たし、室温で1日攪拌した。反応終了後、触媒を取り除くために、0.25μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、反応溶液を回収した。溶液を濃縮した後、クロロホルムに溶解させた後、その10倍量のメタノール中にて再沈殿を行った。得られたポリマーを回収し、減圧乾燥することでポリマーを3.70g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(91)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット8mol%、Dユニット92mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=9500、重量平均分子量Mw=12900であった。
[調製例C−3]
調製例C−2で合成した化学式(91)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートと1−ナフチルアミン−8−スルホン酸との縮合反応
Figure 0004781018
窒素雰囲気下、調製例C−2で得られた化学式(91)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)で合成したポリマーを0.40g、1−ナフチルアミン−8−スルホン酸0.45gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.06mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥することでポリマーを0.33g得た。
得られたポリマーの構造決定は、1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400(商品名);共鳴周波数:400MHz;測定核種:1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR(商品名))により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。
1H−NMRの結果より、1−ナフチルアミン−8−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(92)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(92)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、8mol%、Fのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C(商品名)、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=8200、重量平均分子量Mw=12400であった。
[調製例C−4]
調製例C−3で合成した化学式(92)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのエステル化反応
Figure 0004781018
調製例C−3で得られた化学式(92)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(E:8mol%、F:92mol%)0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム21.0ml、メタノール7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)1.34mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。
更に、クロロホルム21.0ml、メタノール7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。
ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.30gを得た。
得られたポリマーの構造決定は、1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400(商品名);共鳴周波数:400MHz;測定核種:1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(93)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(93)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Gのユニットが、8mol%、Hのユニットが、92mol%の共重合体であることが確認された。
また、電位差滴定装置AT510(商品名、京都電子工業製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C(商品名)、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=7500、重量平均分子量Mw=11400であった。
一連の調整法をスケールアップし、化学式(93)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(C)とした。
[調製例D−1]
[テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンとマンデリドを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成]
テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オン0.28g(2.0mmol)、マンデリド2.68g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液4.8mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを2.06g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(73)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット12mol%、Bユニット88mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=48000、重量平均分子量Mw=97200であった。
[調製例D−2]
調製例D−1で合成した化学式(73)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
Figure 0004781018
調製例D−1で得られた化学式(73)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:12mol%、B:88mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.35gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.28gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを60ml加え、更に水45mlを加えた。次に亜硫酸水素ナトリウムを過酸が除去されるまで加えた。その後、1.0N塩酸により液性をpH=1にした。有機層を抽出し、1.0N塩酸で3回洗浄した。有機層を回収した後、溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次に、水50ml、メタノール50mlで洗浄し、更に水50mlで3回洗浄した後、ポリマーを回収した。次に、THF3mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.44g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(74)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=38600、重量平均分子量Mw=69100であった。
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、トリメチルシリルジアゾメタンを用いポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端にあるカルボキシル基をメチルエステル化することで算出を行った。
目的物であるポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを28mg得た。
調製例A−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(74)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、11mol%、Dのユニットが、89mol%の共重合体であることが確認された。
一連の調整法をスケールアップし、化学式(74)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(D)とした。
[調製例E−1]
[化学式(65)で示される3−(9−デセニル)−2−オキセタノン及びL−ラクチドを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成]
Figure 0004781018
化学式(65)で示される3−(9−デセニル)−2−オキセタノン0.36g(2.0mmol)、L−ラクチド1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液4.8mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。12時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.75g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(66)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット4mol%、Bユニット96mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
[調製例E−2]
調製例E−1で合成した化学式(66)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
Figure 0004781018
調製例E−1で得られた化学式(66)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:4mol%、B:96mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.21gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.17gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを60ml加え、更に水45mlを加えた。次に亜硫酸水素ナトリウムを過酸が除去されるまで加えた。その後、1.0N塩酸により液性をpH=1にした。有機層を抽出し、1.0N塩酸で3回洗浄した。有機層を回収した後、溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次に、水50ml、メタノール50mlで洗浄し、更に水50mlで3回洗浄した後、ポリマーを回収した。次に、THF3mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.44g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(67)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=13100、重量平均分子量Mw=19100であった。
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、トリメチルシリルジアゾメタンを用いポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端にあるカルボキシル基をメチルエステル化することで算出を行った。
目的物であるポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中 に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを29mg得た。
調製例A−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(67)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、4mol%、Dのユニットが、96mol%の共重合体であることが確認された。
一連の調整法をスケールアップし、化学式(67)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(E)とした。
[調製例F−1]
[化学式(76)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセパノンとL−ラクチドを用いたポリヒドロキシアルカノエート合成]
Figure 0004781018
化学式(76)で示される3−(2−プロペニル)−2−オキセパノン0.31g(2.0mmol)、L−ラクチド1.44g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液4.8mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、150℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを1.32g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(77)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=132000、重量平均分子量Mw=220400であった。
[調製例F−2]
調製例F−1で合成した化学式(77)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応
Figure 0004781018
調製例F−1で得られた化学式(77)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:10mol%、B:90mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.45gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.36gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを60ml加え、更に水45mlを加えた。次に亜硫酸水素ナトリウムを過酸が除去されるまで加えた。その後、1.0N塩酸により液性をpH=1にした。有機層を抽出し、1.0N塩酸で3回洗浄した。有機層を回収した後、溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次に、水50ml、メタノール50mlで洗浄し、更に水50mlで3回洗浄した後、ポリマーを回収した。次に、THF3mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.44g得た。
得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(78)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220(商品名)、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H(商品名)、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn=115400、重量平均分子量Mw=202000であった。
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、トリメチルシリルジアゾメタンを用いポリヒドロキシアルカノエートの側鎖末端にあるカルボキシル基をメチルエステル化することで算出を行った。
目的物であるポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを28mg得た。
調製例A−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(78)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、9mol%、Dのユニットが、91mol%の共重合体であることが確認された。
一連の調整法をスケールアップし、化学式(78)で示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(F)とした。
(調製例2A−1)
[化学式(98)で示されるL−3−(2−ベンジルオキシカルボニル)エチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンの合成]
Figure 0004781018
L−グルタミン酸 20gを80%硫酸200mlに溶解し、70℃に保ちながら、ベンジルアルコール500gを加えて反応させ、γ−位のカルボキシル基を保護した化学式(99)で示される化合物を含む粗製物を得た。この粗製物100gを1N硫酸1400mlに加え、0〜5℃にて撹拌しながら、亜硝酸ナトリウム45.2gを含む水溶液100mlを約3時間にわたって滴下し、30分間撹拌を続けた。さらに、亜硝酸ナトリウム9.4gを含む水溶液30mlを約30分間にわたって滴下し、室温にて一晩放置した。エーテルで抽出し、抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、残った粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー及び再結晶により精製を行うことで、化学式(100)で示される化合物を得た。この化合物20gおよびブロモアセチルクロリド17.4gをエーテル300mlに溶かし、5℃以下に冷却し、1.1倍モル量のトリエチルアミン9.5gを含むエーテル溶液50mlを30分間にわたって滴下した。反応混合物をさらに室温にて6時間撹拌し、濾過し、濾液に水50mlを加え、30分間撹拌した。数回水を加えて分液を行い、エーテル層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、濃縮し、化学式(101)で示される化合物 28.3gを得た。収率は94%であった。
化学式(101)で示される化合物 10gのDMF50ml溶液を、炭酸水素ナトリウム3.6gのDMF 950ml溶液(不均一溶液)に、室温にて約8時間かけて滴下した。さらに同温度にて12時間反応させ、濾過し、DMFを濃縮し、残渣をイソプロパノール50mlで洗浄した。濾過後、得られた白色粉末をアセトン200mlに溶かし、不溶物を濾去し、濾液を濃縮した。残渣を少量のイソプロパノールで洗浄し、濾過して十分に乾燥した。この白色粉末を昇華し、イソプロパノール400mlで再結晶して、化学式(98)で示されるL−3−(2−ベンジルオキシカルボニル)エチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン 1.9g(収率24%)を得た。
Figure 0004781018
Figure 0004781018
Figure 0004781018
(調製例2A−2)
[化学式(98)で示されるL−3−(2−ベンジルオキシカルボニル)エチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンとフェニルラクチド(3,6−ビス(フェニルメチル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いたポリエステル合成]
調製例2A−1で合成した化学式(98)で示されるL−3−(2−ベンジルオキシカルボニル)エチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン 0.56g(2.0mmol)、フェニルラクチド 2.96g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、180℃に加熱し、開環重合を行った。2時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することで2.98g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調整例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(102)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット12mol%、Bユニット88mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調整例A−1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=37500、重量平均分子量 Mw=53300であった。
ここで得られた化学式(102)で示されるポリヒドロキシアルカノエート共重合体 1.00gをジオキサン−エタノール(75:25)の混合溶媒 100mlに溶解し、これに5%パラジウム/炭素触媒0.22gを加えて、反応系内を水素で満たし、室温で1日攪拌した。反応終了後、触媒を取り除くために、0.25μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、反応溶液を回収した。溶液を濃縮した後、クロロホルムに溶解させた、その10倍量のメタノール中にて再沈殿を行った。得られたポリマーを回収し、減圧乾燥することでポリマーを0.75g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調整例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(103)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット12mol%、Dユニット88mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=31200、重量平均分子量 Mw=46800であった。
(調製例2A−3)
[調製例2A−2で合成した化学式(103)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと2−アミノベンゼンスルホン酸との縮合反応]
Figure 0004781018
窒素雰囲気下、調製例2A−2で得られた化学式(103)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:12mol%、D:88mol%)で合成したポリマーを0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.27gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.82mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥させることでポリマーを0.36g得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR)により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。
1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(104)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(104)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、11mol%、Fのユニットが、89mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =26800、重量平均分子量Mw =42900であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(104)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2A)とした。
(調製例2B−1)
[テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンとフェニルラクチド(3,6−ビス(フェニルメチル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いたポリエステル合成]
テトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オン 0.28g(2.0mmol)、フェニルラクチド 2.96g(10.0mmol)、0.01Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.8ml、0.01Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.8mlを重合アンプルに装入し、その後は調製例A−1と同様の方法によりポリマーを2.06g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(105)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット13mol%、Bユニット87mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例A−1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=32000、重量平均分子量 Mw=56000であった。
(調製例2B−2)
[調製例2B−1で合成した化学式(105)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートの酸化反応]
Figure 0004781018
調製例2B−1で得られた化学式(105)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(A:13mol%、B:87mol%)0.50gをナスフラスコ中に加え、アセトン30mlを加えて溶解した。これを氷浴下に置き、酢酸5ml、18−クラウン−6−エーテル0.35gを加えて攪拌した。次に氷浴下で過マンガン酸カリウム0.28gをゆっくり加えて、氷浴下で2時間攪拌し、更に室温で18時間攪拌した。反応終了後、調製例A−2と同様の方法によりポリマーを0.45g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例A−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(106)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例A−1と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=30100、重量平均分子量 Mw=54200であった。
更に、得られたポリヒドロキシアルカノエートのユニットを算出するため、調製例A−2と同様の方法により得られたポリヒドロキシアルカノエート29mgを調製例A−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、化学式(106)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Cのユニットが、12mol%、Dのユニットが、88mol%の共重合体であることが確認された。
(調製例2B−3)
[調製例2B−2で合成した化学式(106)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートと4−メトキシアニリン−2−スルホン酸との縮合反応]
Figure 0004781018
窒素雰囲気下、調製例2B−2で得られた化学式(106)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:12mol%、D:88mol%)で合成したポリマーを0.40g、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸0.33gを100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.84mlを加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、調製例A−3と同様の方法によりポリマーを0.33g得た。得られたポリマーの構造決定は、調製例A−3と同様の方法により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。1H−NMRの結果より、4−メトキシアニリン−2−スルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(107)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(107)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットの割合は、Eのユニットが、11mol%、Fのユニットが、89mol%の共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、調製例A−3と同様の方法により評価した。その結果、数平均分子量Mn =29500、重量平均分子量Mw =53700であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(107)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2B)とした。
(調製例2C−1)
[フェニルラクチドを用いたポリエステル合成]
フェニルラクチド 29.63g(100.0mmol)、0.1Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.0ml、0.1Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.0mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、180℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを24.00g得た。得られた化合物の構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:1H=400MHz
<測定条件>
測定核種: 1
使用溶媒:TMS/CDCl3
測定温度:室温
その結果、得られた化合物は、モノマーユニットとして、下記化学式(108)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=35000、重量平均分子量 Mw=49000であった。
(調製例2C−2)
調製例2C−1で得られた化学式(108)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液33.75ml(67.5mmol)をゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、クロロギ酸ベンジルを11.58g(130.5mmol)加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液1000ml中に注いだ後、ジクロロメタン500mlを加えて有機層を抽出した。水250mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF60mlに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを8.03g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(109)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット11mol%、Bユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=28500、重量平均分子量 Mw=41000であった。
ここで得られた化学式(109)で示されるポリヒドロキシアルカノエート共重合体 5.00gをジオキサン−エタノール(75:25)の混合溶媒 500mlに溶解し、これに5%パラジウム/炭素触媒1.10gを加えて、反応系内を水素で満たし、室温で1日攪拌した。反応終了後、触媒を取り除くために、0.25μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、反応溶液を回収した。溶液を濃縮した後、クロロホルムに溶解させた後、その10倍量のメタノール中にて再沈殿を行った。得られたポリマーを回収し、減圧乾燥することでポリマーを3.66g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(110)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=22500、重量平均分子量 Mw=33800であった。
また、ここで得られたポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを29mg得た。
ここで得られたポリヒドロキシアルカノエートを調製例2C−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、Cのユニットのカルボキシル基がカルボン酸メチルエステルになっていることが確認され、得られたポリマーは再度、エステル化することが可能であることが確認された。
(調製例2C−3)
窒素雰囲気下、調製例2C−2で得られた化学式(110)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)を0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.25g(1.4mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.75ml(2.8mmol)を加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥することでポリマーを0.35g得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR)により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。
1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(111)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(111)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットは、Eのユニットが、11mol%を含む共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =20500、重量平均分子量Mw =30800であった。
(調製例2C−4)
調製例2C−3で得られた化学式(111)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.78mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。更に、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.30gを得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。 1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(112)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(112)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットは、Gのユニットを11mol%含むことが確認された。また、電位差滴定装置AT510(京都電子工業製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =20000、重量平均分子量Mw =30400であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(112)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2C)とした。
(調製例2D−1)
調製例2C−1で得られた化学式(108)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートを用いて、クロロギ酸ベンジルのかわりに5−ブロモ吉草酸エチル14.41g(130.5mmol)を用いる以外は、調製例2C−2と同様の方法でポリマーを8.02g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(113)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=28500、重量平均分子量 Mw=39600であった。
また、上記ポリマーを調製例2C−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.94g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(114)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット8mol%、Dユニット92mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=24900、重量平均分子量 Mw=35400であった。
(調製例2D−2)
窒素雰囲気下、調製例2D−1で得られた化学式(114)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)を0.40g、タウリン 0.13g(1.0mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.53ml(2.0mmol)を加えた後は、調製例A−3と同様の方法により、ポリマーを0.31gを得た。得られたポリマーは、調製例A−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(115)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット6mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例A−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19800、重量平均分子量Mw =31700であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(115)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2D)とした。
(調製例2E−1)
[L−ラクチドを用いたポリエステル合成]
L−ラクチド 14.41g(100.0mmol)、0.1Mのオクチル酸スズ(2−エチルヘキサン酸スズ)のトルエン溶液 4.0ml、0.1Mのp−tert−ブチルベンジルアルコールのトルエン溶液 4.0mlを重合アンプルに装入し、1時間減圧乾燥、窒素置換を行った後、減圧下にて溶封し、160℃に加熱し、開環重合を行った。10時間後反応を終了し、冷却した。得られたポリマーをクロロホルムに溶解し、溶解に要したクロロホルムの10倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを12.68g得た。得られた化合物の構造を特定するため、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(116)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=42800、重量平均分子量 Mw=59100であった。
(調製例2E−2)
調製例2E−1で得られた化学式(116)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液69.38ml(138.8mmol)をゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、クロロギ酸ベンジルを23.81g(277.5mmol)加えた後は、調製例2C−2と同様の方法により、ポリマーを9.55g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(117)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット12mol%、Bユニット88mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=32100、重量平均分子量 Mw=46500であった。
また、上記ポリマーを調製例2C−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.47g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(118)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット12mol%、Dユニット88mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=30100、重量平均分子量 Mw=45200であった。
(調製例2E−3)
窒素雰囲気下、調製例2E−2で得られた化学式(118)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:12mol%、D:88mol%)を0.40g、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸 0.69g(3.1mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル1.62ml(6.2mmol)を加えた後は、調製例2C−3と同様の方法により、ポリマーを0.37g得た。得られたポリマーは、調製例2C−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(119)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2C−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =27200、重量平均分子量Mw =43000であった。
(調製例2E−4)
調製例2E−3で得られた化学式(119)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.90mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。更に、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.30gを得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。 1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(120)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(120)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットは、Gのユニットを8mol%含むことが確認された。また、電位差滴定装置AT510(京都電子工業製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたポリマーの平均分子量は、調製例2C−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =27000、重量平均分子量Mw =43700であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(120)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2E)とした。
(調製例2F−1)
クロロギ酸ベンジルのかわりに8−ブロモオクタン酸エチル34.85g(277.5mmol)を用いる以外は、調製例2E−2と同様の方法でポリマーを8.63g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(121)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット7mol%、Bユニット93mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=35500、重量平均分子量 Mw=52500であった。
また、上記ポリマーを調製例2C−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを4.10g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(122)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット7mol%、Dユニット93mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=31000、重量平均分子量 Mw=48100であった。
(調製例2F−2)
窒素雰囲気下、調製例2F−1で得られた化学式(122)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:7mol%、D:93mol%)を0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸フェニルエステル 0.43g(1.7mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.89ml(3.4mmol)を加えた後は、調製例2C−3と同様の方法により、ポリマーを0.39g得た。得られたポリマーは、調製例2C−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(123)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット7mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2C−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =27500、重量平均分子量Mw =44600であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(123)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2F)とした。
(調製例2G−1)
[ジイソプロピルグリコリド(3,6−ジイソプロピル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いたポリエステル合成]
L−ラクチドのかわりにジイソプロピルグリコリド 22.83g(100.0mmol)を用いた以外は、調製例2E−1と同様の方法でポリマーを14.15g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(124)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=32800、重量平均分子量 Mw=48500であった。
(調製例2G−2)
調製例2G−1で得られた化学式(124)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液43.81ml(87.6mmol)をゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、5−ブロモ吉草酸エチル18.32g(175.2mmol)加えた後は、調製例2C−2と同様の方法により、ポリマーを7.64g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(125)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット11mol%、Bユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=26500、重量平均分子量 Mw=41100であった。
また、上記ポリマーを調製例2C−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを4.05g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(126)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=22200、重量平均分子量 Mw=33700であった。
(調製例2G−3)
窒素雰囲気下、調製例2G−2で得られた化学式(126)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)を0.40g、2−アミノ−2−メチルプロパンスルホン酸 0.27g(1.8mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.92ml(3.5mmol)を加えた後は、調製例2C−3と同様の方法により、ポリマーを0.33g得た。得られたポリマーは、調製例2C−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(127)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット9mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2C−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =20900、重量平均分子量Mw =35500であった。
(調製例2G−4)
調製例2C−4における化学式(111)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2G−3で得られた化学式(127)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.70mlを用いる以外は、調製例2C−4と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、調製例2C−4と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(128)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを9mol%含む共重合体であることが確認された。
また、調製例2C−4と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2C−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =19500、重量平均分子量Mw =33200であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(128)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2G)とした。
(調製例2H−1)
[ヘキシルグリコリド(3,6−ジヘキシル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)を用いたポリエステル合成]
L−ラクチドのかわりにヘキシルグリコリド 25.63g(100.0mmol)を用いた以外は、調製例2E−1と同様の方法でポリマーを16.66g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(129)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=28900、重量平均分子量 Mw=42200であった。
(調製例2H−2)
調製例2H−1で得られた化学式(129)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液39.01ml(78.0mmol)をゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、ブロモ酢酸ベンジルを17.95g(156.0mmol)加えた後は、調製例2C−2と同様の方法により、ポリマーを8.40g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(130)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット9mol%、Bユニット91mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=23000、重量平均分子量 Mw=34500であった。
また、上記ポリマーを調製例2C−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.68g得た。得られたポリマーは、調製例2C−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(131)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット9mol%、Dユニット91mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=19800、重量平均分子量 Mw=30900であった。
(調製例2H−3)
窒素雰囲気下、調製例2H−2で得られた化学式(131)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:9mol%、D:91mol%)を0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.23g(1.3mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.70ml(2.6mmol)を加えた後は、調製例2C−3と同様の方法により、ポリマーを0.35g得た。得られたポリマーは、調製例2C−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(132)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2C−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =18900、重量平均分子量Mw =30400であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(132)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2H)とした。
(調製例2I−1)
調製例2C−1で得られた化学式(108)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 2.00gをナスフラスコ中に加え、THF100mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液18.9mlをゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸メチルを5.91g加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液400ml中に注いだ後、ジクロロメタン200mlを加えて有機層を抽出した。水100mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF12mlに溶解し、次に、THFに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを1.22g得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)で行った。その結果、モノマーユニットとして、下記化学式(133)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Eユニット7mol%、Fユニット93mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2C−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=25500、重量平均分子量 Mw=38200であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(133)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2I)とした。
(調製例2J−1)
本調製例では微生物を用いて、ポリヒドロキシアルカノエートを製造している。本調製例中に用いた微生物は、ラルストニア・ユウトロファ TB64株(Ralstoniaeutropha TB64、特開2000-166587号公報に開示)である。この微生物は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。
また、本調製例において用いた無機塩培地(M9培地)は下記の組成を有するものである。
M9培地組成(1リットル中):
Na2HPO4 6.2 g
KH2PO4 3.0 g
NaCl 0.5 g
NH4Cl 1.0 g
水 残部
(pH 7.0)
また、培養時において、更に良好な微生物の増殖及びポリヒドロキシアルカノエートの生産のために、上記の無機塩培地に培地に以下に示す微量成分溶液を0.3%(容量/容量)程度添加している。
(微量成分溶液組成:単位g/L)
ニトリロ三酢酸:1.5;MgSO4:3.0;MnSO4:0.5;NaCl:1.0;FeSO4:0.1;CaCl2:0.1;CoCl2:0.1;ZnSO4:0.1;CuSO4:0.1;AlK(SO4)2:0.1;H3BO3:0.1;Na2MoO4:0.1;NiCl2:0.1
(化学式(134)で示されるポリ−3−ヒドロキシ酪酸の合成)
Figure 0004781018
特開2002−306190における実施例1に開示の方法により化学式(134)で示されるポリ3−ヒドロキシ酪酸を合成した。
リンゴ酸ナトリウム 0.1%を含有するM9寒天培地上のTB64株のコロニーを、500mL容振とうフラスコ中の、リンゴ酸ナトリウム 0.5%を含有するM9培地50mLに植菌し、30℃で振とう培養した。24時間後、培養液5mLを、窒素源であるNH4Clのみ1/10 濃度に調製したM9培地にリンゴ酸ナトリウム 0.5%を含有した生産培地1Lに加え、同様に振とうして菌体にPHBを蓄積させた。48時間後、PHB蓄積菌体を遠心分離によって収穫し、遠心分離後メタノールで洗浄した後、凍結乾燥した。乾燥菌体を秤量した後、クロロホルムを加え、60℃、24時間攪拌することによりポリマーを抽出した。ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過し、エバポレーターにより濃縮した後、冷メタノールで沈殿固化した部分を集め、減圧乾燥して、生産培地1Lあたり、ポリマーを1.83g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:1H=400MHz
<測定条件>
測定核種:1
使用溶媒:TMS/CDCl3
測定温度:室温
その結果、化学式(134)に示す3−ヒドロキシ酪酸のユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=549500、重量平均分子量 Mw=1263900であった。
上記方法にて、生産培地50Lより、以降の調製例に用いられるポリヒドロキシアルカノエートを45.6g調製した。
(調製例2J−2)
調製例2J−1で得られた化学式(134)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート 10.00gをナスフラスコ中に加え、THF500mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液58.08ml(116.2mmol)をゆっくり加えて、−78℃下で30分間攪拌した。次に、クロロギ酸ベンジルを19.82g(232.3mmol)加えた後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液1000ml中に注いだ後、ジクロロメタン500mlを加えて有機層を抽出した。水250mlで、3回洗浄した後、有機層を回収した。溶媒留去することで粗製のポリマーを回収した。次にTHF60mlに溶解し、溶解に要したTHFの50倍量のメタノール中に再沈殿した。沈殿を回収し、減圧乾燥することでポリマーを8.44g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(135)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=325400、重量平均分子量 Mw=764700であった。
ここで得られた化学式(135)で示されるポリヒドロキシアルカノエート共重合体 5.00gをジオキサン−エタノール(75:25)の混合溶媒 500mlに溶解し、これに5%パラジウム/炭素触媒1.10gを加えて、反応系内を水素で満たし、室温で1日攪拌した。反応終了後、触媒を取り除くために、0.25μmのメンブランフィルターにてろ過を行い、反応溶液を回収した。溶液を濃縮した後、クロロホルムに溶解させた後、その10倍量のメタノール中にて再沈殿を行った。得られたポリマーを回収し、減圧乾燥することでポリマーを3.59g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(136)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット10mol%、Dユニット90mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8220、カラム;東ソー TSK−GEL Super HM−H、溶媒;クロロホルム、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量 Mn=298000、重量平均分子量 Mw=715200であった。
また、ここで得られたポリヒドロキシアルカノエート30mgを100ml容ナスフラスコ中に加え、クロロホルム2.1ml、メタノール0.7mlを加えて溶解した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン-ヘキサン溶液0.5mlを加えて、室温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒留去した後、ポリマーを回収した。これをメタノール50mlで洗浄後、ポリマーを回収した。減圧乾燥することでポリヒドロキシアルカノエートを29mg得た。
ここで得られたポリヒドロキシアルカノエートを調製例2J−1と同様の方法を用いてNMR分析を行った。その結果、Cのユニットのカルボキシル基がカルボン酸メチルエステルになっていることが確認され、得られたポリマーは再度、エステル化することが可能であることが確認された。
(調製例2J−3)
窒素雰囲気下、調製例2J−3で得られた化学式(136)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)を0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.24g(1.4mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.71ml(2.7mmol)を加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール150mlに再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸を用いて1日間洗浄を行った後、1日間水中で攪拌することにより洗浄を行い、減圧乾燥することでポリマーを0.35g得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒: 重DMSO;測定温度:室温)、フーリエ変換−赤外吸収(FT−IR)スペクトル(Nicolet AVATAR360FT−IR)により分析を行った。IR測定を行った結果、カルボン酸に由来する1695cm-1のピークが減少し、新たに、1658cm-1にアミド基に由来するピークが見られた。
1H−NMRの結果より、2−アミノベンゼンスルホン酸構造の芳香環に由来するピークがシフトしていることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(137)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(137)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットは、Eのユニットを10mol%含む共重合体であることが確認された。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =226000、重量平均分子量Mw =497200であった。
(調製例2J−4)
調製例2J−3で得られた化学式(137)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体0.30gをナスフラスコ中に加え、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて溶解し、0℃まで冷却した。これに2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.93mlを加えて、4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去した後、ポリマーを回収した。更に、クロロホルム 21.0ml、メタノール 7.0mlを加えて、ポリマーを再溶解させて、エバポレーターにより溶媒を留去した。この操作を3回繰り返した。ここで回収したポリマーを、減圧乾燥することでポリマー0.30gを得た。得られたポリマーの構造決定は、 1H−NMR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;測定核種: 1H;使用溶媒:重DMSO;測定温度:室温)により行った。 1H−NMRの結果より、スルホン酸メチルに由来するピークが3〜4ppmに見られることから、得られたポリマーは、モノマーユニットとして、下記化学式(138)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであることが確認された。
Figure 0004781018
また、化学式(138)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのユニットは、Gのユニットを10mol%含むことが確認された。また、電位差滴定装置AT510(京都電子工業製)を用いた酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC;東ソーHLC−8120、カラム;ポリマーラボラトリーズ PLgel 5μ MIXED−C、溶媒;DMF/LiBr 0.1%(w/v)、ポリスチレン換算)により評価した。その結果、数平均分子量Mn =228000、重量平均分子量Mw =513000であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(138)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2J)とした。
(調製例2K−1)
クロロギ酸ベンジルのかわりにブロモ酢酸ベンジル26.61g(232.3mmol)を用いる以外は、調製例2J−2と同様の方法でポリマーを9.40g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(139)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット11mol%、Bユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=300300、重量平均分子量 Mw=723700であった。
また、上記ポリマーを調製例2J−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.66g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(140)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=286000、重量平均分子量 Mw=700700であった。
(調製例2K−2)
窒素雰囲気下、調製例2K−1で得られた化学式(140)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)を0.40g、2−アミノー2−メチルプロパンスルホン酸0.23g(1.5mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.78ml(3.0mmol)を加えた後は、調製例2J−3と同様の方法により、ポリマーを0.31g得た。得られたポリマーは、調製例2J−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(141)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット9mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =225000、重量平均分子量Mw =540000であった。
(調製例2K−3)
調製例2J−4における化学式(137)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2K−2で得られた化学式(141)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.83mlを用いる以外は、調製例2J−4と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、調製例2J−4と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(142)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを9mol%含む共重合体であることが確認された。
また、調製例2J−4と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =228500、重量平均分子量Mw =548400であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(142)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2K)とした。
(調製例2L−1)
クロロギ酸ベンジルのかわりに8−ブロモオクタン酸エチル29.17g(232.3mmol)を用いる以外は、調製例2J−2と同様の方法でポリマーを8.83g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(143)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット9mol%、Bユニット91mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=321000、重量平均分子量 Mw=776800であった。
また、上記ポリマーを調製例2J−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.85g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(144)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット9mol%、Dユニット91mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=298100、重量平均分子量 Mw=715400であった。
(調製例2L−2)
窒素雰囲気下、調製例2L−1で得られた化学式(144)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:9mol%、D:91mol%)を0.40g、p−トルイジンー2−スルホン酸0.22g(1.2mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.60ml(2.3mmol)を加えた後は、調製例2J−3と同様の方法により、ポリマーを0.32g得た。得られたポリマーは、調製例2J−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(145)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット8mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =215500、重量平均分子量Mw =538800であった。
(調製例2L−3)
調製例2J−4における化学式(137)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2L−2で得られた化学式(145)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.71mlを用いる以外は、調製例2J−4と同様の方法により、ポリマーを0.30g得た。得られたポリマーは、調製例2J−4と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(146)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを8mol%含む共重合体であることが確認された。
また、調製例2J−4と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =218000、重量平均分子量Mw =555900であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(146)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2L)とした。
(調製例2M−1)
なお、本調製例では微生物を用いて、ポリヒドロキシアルカノエートを製造している。本調製例中に用いた微生物は、シュードモナス チコリアイ YN2株(Pseudomonas cichorii YN2;FERM BP−7375、特開2001−288256号公報に開示)である。この微生物は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託されている。
また、本調製例において用いた無機塩培地(M9培地)ならびに微量成分溶液は、調製例2J−1にて用いたものと同様の組成である。
(化学式(147)で示されるポリ3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸の合成)
Figure 0004781018
特開2003−319792における実施例1に開示の方法により化学式(147)で示されるポリ3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸を合成した。
生産培地として、ポリペプトン(和光純薬)0.5%(質量/容量(w/v))、5−フェニル吉草酸0.1%(w/v)を含むM9培地200mLを調製し、これに予めポリペプトン0.5%を含むM9培地で30℃、8時間振とう培養したシュードモナス チコリアイ YN2株の培養液を1mL加え、500mL容振とうフラスコで30℃、24時間培養した。培養後、遠心分離により菌体を収穫し、メタノールで洗浄した後凍結乾燥した。乾燥菌体を秤量後、クロロホルムを加え、50℃で24時間攪拌することによりポリマーを抽出した。ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過し、エバポレーターにより濃縮した後、冷メタノールで沈殿固化した部分を集め、減圧乾燥して、生産培地1Lあたりポリマーを0.60g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、ほぼ化学式(147)に示されるポリ3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸のユニットのホモポリマーであった。得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=91000、重量平均分子量 Mw=172900であった。
上記方法にて、生産培地100Lより、以降の調製例に用いられるポリヒドロキシアルカノエート60.1gを調製した。
(調製例2M−2)
調製例2J−2において、化学式(134)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2M−1において得られた化学式(147)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート10.00gと、2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液28.38ml(56.8mmol)及びクロロギ酸ベンジルを9.68g(113.5mmol)を用いる以外は、調製例2J−2と同様の方法により、ポリマーを8.51g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(148)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット12mol%、Bユニット88mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=72500、重量平均分子量 Mw=141400であった。
また、上記ポリマーを調製例2J−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.72g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(149)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット12mol%、Dユニット88mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=69500、重量平均分子量 Mw=139700であった。
(調製例2M−3)
窒素雰囲気下、調製例2M−2で得られた化学式(149)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:12mol%、D:88mol%)を0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.23g(1.3mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.69ml(2.6mmol)を加えた後は、調製例2J−3と同様の方法により、ポリマーを0.33g得た。得られたポリマーは、調製例2J−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(150)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット11mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =55300、重量平均分子量Mw =113400であった。
(調製例2M−4)
調製例2J−4における化学式(137)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2M−3で得られた化学式(150)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.83mlを用いる以外は、調製例2J−4と同様の方法により、ポリマーを0.29g得た。得られたポリマーは、調製例2J−4と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(151)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを11mol%含む共重合体であることが確認された。
また、調製例2J−4と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =54500、重量平均分子量Mw =114500であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(151)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2M)とした。
(調製例2N−1)
クロロギ酸ベンジルのかわりに6−ブロモヘキサン酸エチル12.86g(113.5mmol)を用いる以外は、調製例2M−2と同様の方法でポリマーを7.87g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(152)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット8mol%、Bユニット92mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=71000、重量平均分子量 Mw=134900であった。
また、上記ポリマーを調製例2J−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.95g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(153)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット8mol%、Dユニット92mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=68500、重量平均分子量 Mw=133600であった。
(調製例2N−2)
窒素雰囲気下、調製例2N−1で得られた化学式(153)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:8mol%、D:92mol%)を0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.15g(0.9mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.45ml(1.7mmol)を加えた後は、調製例2J−3と同様の方法により、ポリマーを0.34g得た。得られたポリマーは、調製例2J−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(154)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット7mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =54200、重量平均分子量Mw =108400であった。
(調製例2N−3)
調製例2J−4における化学式(137)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2N−2で得られた化学式(154)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.54mlを用いる以外は、調製例2J−4と同様の方法により、ポリマーを0.30g得た。得られたポリマーは、調製例2J−4と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(155)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを7mol%含む共重合体であることが確認された。
また、調製例2J−4と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =52500、重量平均分子量Mw =110300であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(155)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2N)とした。
(調製例2O−1)
(化学式(156)で示されるポリ3−ヒドロキシ−5−フェノキシ吉草酸の合成)
Figure 0004781018
特開2003−319792における実施例4に開示の方法により化学式(156)で示されるポリ3−ヒドロキシ−5−フェニル吉草酸を合成した。
生産培地として、ポリペプトン0.5%(w/v)、5−フェノキシ吉草酸0.1%(w/v)を含む、M9培地200mLに、予めポリペプトン0.5%を含むM9培地で30℃、8時間振とう培養したシュードモナス チコリアイ YN2株の培養液を1mL加え、500mL容振とうフラスコで30℃、45時間培養した。培養後、遠心分離により菌体を収穫し、メタノールで洗浄した後凍結乾燥した。乾燥菌体を秤量後、クロロホルムを加え、50℃で24時間攪拌することによりポリマーを抽出した。ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過し、エバポレーターにより濃縮した後、冷メタノールで沈殿固化した部分を集め、減圧乾燥して、生産培地1Lあたりポリマーを0.36g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調整例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、ほぼ化学式(156)に示されるポリ3−ヒドロキシ−5−フェノキ吉草酸のホモポリマーであった。得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=201000、重量平均分子量 Mw=422100であった。
上記方法にて、生産培地125Lより、以降の調製例に用いられるポリヒドロキシアルカノエート44.8gを調製した。
(調製例2O−2)
調製例2J−2において、化学式(134)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2O−1において得られた化学式(156)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート10.00gと、2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液26.01ml(52.0mmol)及びクロロギ酸ベンジルを8.88g(104.1mmol)を用いる以外は、調製例2J−2と同様の方法により、ポリマーを8.29g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(157)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット11mol%、Bユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=131500、重量平均分子量 Mw=282700であった。
また、上記ポリマーを調製例2J−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.75g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(158)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット11mol%、Dユニット89mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=121000、重量平均分子量 Mw=260200であった。
(調製例2O−3)
窒素雰囲気下、調製例2O−2で得られた化学式(158)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:11mol%、D:89mol%)を0.40g、2−アミノベンゼンスルホン酸0.19g(1.1mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.58ml(2.2mmol)を加えた後は、調製例2J−3と同様の方法により、ポリマーを0.33g得た。得られたポリマーは、調製例2J−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(159)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット10mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =100500、重量平均分子量Mw =221100であった。
(調製例2O−4)
調製例2J−4における化学式(137)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2O−3で得られた化学式(159)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.71mlを用いる以外は、調製例2J−4と同様の方法により、ポリマーを0.30g得た。得られたポリマーは、調製例2J−4と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(160)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを10mol%含む共重合体であることが確認された。
また、調製例2J−4と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =101000、重量平均分子量Mw =227300であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(160)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2O)とした。
(調製例2P−1)
(化学式(161)で示されるポリ3−ヒドロキシ−4−シクロヘキシル酪酸の合成)
Figure 0004781018
特開2003−319792における実施例9に開示の方法により化学式(161)で示されるポリ3−ヒドロキシ−4−シクロヘキシル酪酸を合成した。
生産培地として、ポリペプトン0.5%(w/v)、4−シクロヘキシル酪酸0.1%(w/v)を含む、M9培地200mLに、予めポリペプトン0.5%を含むM9培地で30℃、8時間振とう培養したシュードモナス チコリアイ YN2株の培養液を1mL加え、500mL容振とうフラスコで30℃、48時間培養した。培養後、遠心分離により菌体を収穫し、メタノールで洗浄した後凍結乾燥した。乾燥菌体を秤量後、クロロホルムを加え、50℃で24時間攪拌することによりポリマーを抽出した。ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過し、エバポレーターにより濃縮した後、冷メタノールで沈殿固化した部分を集め、減圧乾燥して、生産培地1Lあたりポリマーを0.48g得た。得られたポリマーの構造を特定するため、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、ほぼ化学式(161)に示されるポリ3−ヒドロキシ−4−シクロヘキシル酪酸のホモポリマーであった。得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=70500、重量平均分子量 Mw=155100であった。
上記方法にて、生産培地100Lより、以降の調製例に用いられるポリヒドロキシアルカノエート47.9gを調製した。
(調製例2P−2)
調製例2J−2において、化学式(134)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2P−1において得られた化学式(161)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート10.00gと、2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液29.72ml(59.4mmol)及びクロロギ酸ベンジルを10.14g(118.9mmol)を用いる以外は、調製例2J−2と同様の方法により、ポリマーを7.66g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(162)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、そのモノマーユニットの割合は、Aユニット10mol%、Bユニット90mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=54400、重量平均分子量 Mw=117000であった。
また、上記ポリマーを調製例2J−2と同様の方法により水素化分解を行い、ポリマーを3.85g得た。得られたポリマーは、調製例2J−1と同様の条件でNMR分析を行った結果、モノマーユニットとして、下記化学式(163)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエート共重合体であることが確認された。また、そのモノマーユニットの割合は、Cユニット10mol%、Dユニット90mol%であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリヒドロキシアルカノエートの平均分子量は、調製例2J−1と同様の条件で測定した結果、数平均分子量 Mn=47500、重量平均分子量 Mw=103600であった。
(調製例2P−3)
窒素雰囲気下、調製例2P−2で得られた化学式(163)で示されるユニットからなるポリヒドロキシアルカノエート共重合体(C:10mol%、D:90mol%)を0.40g、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸0.26g(1.2mmol)を100ml三口フラスコに入れて、ピリジン15.0ml加えて攪拌した後、亜リン酸トリフェニル0.60ml(2.3mmol)を加えた後は、調製例2J−3と同様の方法により、ポリマーを0.36g得た。得られたポリマーは、調製例2J−3と同様の条件でNMR分析及びフーリエ変換−赤外吸収スペクトル分析を行った結果、下記化学式(164)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Eユニット9mol%を含む共重合体であることが確認された。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−3と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =30500、重量平均分子量Mw =65600であった。
(調製例2P−4)
調製例2J−4における化学式(137)で示されるポリヒドロキシアルカノエートのかわりに調製例2P−3で得られた化学式(164)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを用い、また、2mol/Lのトリメチルシリルジアゾメタン−ヘキサン溶液(Aldrich社製)0.71mlを用いる以外は、調製例2J−4と同様の方法により、ポリマーを0.28g得た。得られたポリマーは、調製例2J−4と同様の条件でNMR分析を行った結果、下記化学式(165)に示されるユニットを含むポリヒドロキシアルカノエートであり、Gユニットを9mol%含む共重合体であることが確認された。
また、調製例2J−4と同様の酸価滴定により、スルホン酸に由来するピークが見られなかったことからも、スルホン酸がスルホン酸メチルになっていることから明らかになった。
Figure 0004781018
また、得られたポリマーの平均分子量は、調製例2J−4と同様の条件で測定した結果、数平均分子量Mn =31000、重量平均分子量Mw =68200であった。一連の調整法をスケールアップし、化学式(165)で示されるポリヒドロキシアルカノエートを大量に得て、共重合体(2P)とした。
(調製例2Z−1)
[2−ヒドロキシ−5−ヘキセン酸から化学式(166)でm=2で示される 3,6−ジ(3−ブテニル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンの合成]
Figure 0004781018
(mは2〜8から選ばれる整数である。)
調製例A−1で用いた3,6−ジ(3−ブテニル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンの合成は以下の通りである。
還流冷却器、Dean−Starkトラップをつけた1Lフラスコ中に2−ヒドロキシ−5−ヘキセン酸 3.0g、トルエン400ml及びp−トルエンスルホン酸 30mgを加え、窒素雰囲気下で還流した。トラップに溜まった水は随時取り除いた。72時間還流した後冷却した。10ml飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄した後、得られた粗製物を酸化亜鉛存在下で減圧蒸留することで目的とする3,6−ジ(ω'−ブテニル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを1.06g(収率41%)得た。
得られた化合物の構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:1H=400MHz
<測定条件>
測定核種:1
使用溶媒:DMSO−d6
測定温度:室温
その結果、得られた化合物は、目的とする3,6−ジ(3−ブテニル)−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンであることを確認した。
(調製例2Z−2)
調製例B−1で用い7−(3−ブテニル)−2−オキセパンオンは、特開平5−310721号公報に記載の方法を参考に調製した。詳しくは、前記特許文献の実施例43に記載の原料2−アリルシクロヘキサノンの代わりに2−(3−ブテニル)シクロヘキサノン用いることにより7−(3−ブテニル)−2−オキセパンオンを調製した。
(調製例2Z−3)
[調製例E−1に記載の3−(9−デセニル)−2−オキセタノンの合成]
3−(9−デセニル)−2−オキセタノンは、Journal of American Chemical Society 1995,117,3705−3716に記載のジヒドロ−3−(2−プロペニル)フラン−2(3H)−オン(非特許文献中の化合物(6a))の合成において、γ−ブチロラクトンの代わりにβ−プロピオラクトンを、アリルブロミドの代わりに10-ブロモ-1-デセンを用いることで合成できる。
具体的には、ナスフラスコ中にβ−プロピオラクトンを7.20g(100.0mmol)加え、THF55mlを加えて溶解した。これを窒素雰囲気下に置き、−78℃にて攪拌した。次に2MのリチウムジイソプロピルアミドのTHF溶液55mlをゆっくり加えて、−78℃下で20分間攪拌した。次に、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)38mlに溶解した10-ブロモ-1-デセンを26.30g(110.0mmol)加えた後、−30℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を塩化アンモニウム水溶液中に注いだ後、ジクロロメタンを加えて有機層を抽出した。水で、3回洗浄した後、有機層を回収した。回収した有機層は、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。硫酸ナトリウムを除去した後、溶液を留去することで粗製の3−(9−デセニル)−2−オキセタノンを回収した。次にシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、減圧下にて蒸留を行うことで目的とする3−(9−デセニル)−2−オキセタノンを15.14g得た。得られた化合物の構造を特定するため、以下の条件でNMR分析を行った。
<測定機器>
FT−NMR:Bruker DPX400
共鳴周波数:1H=400MHz
<測定条件>
測定核種:1
使用溶媒:CDCl3
測定温度:室温
その結果、得られた化合物は、目的とする3−(9−デセニル)−2−オキセタノンであることを確認した。
(調製例2Z−4)
[調製例D−1、2B−1に記載のテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンの合成]
調製例2Z−3に記載のβ−プロピオラクトンの代わりにδ-バレロラクトンを10.01g(100.0mmol)、10-ブロモ-1-デセンの代わりにアリルブロミドを14.52g(110.0mmol)用いる以外は調製例2Z−3と同様の方法により目的とするテトラヒドロ−3−(2−プロペニル)−2H−ピラン−2−オンを9.81g得た。
(調製例2Z−5)
[調製例F−1に記載の3−(2−プロペニル)−2−オキセパノンの合成]
調製例2Z−3に記載のβ−プロピオラクトンの代わりにε-カプロラクトンを11.41g(100.0mmol)、10-ブロモ-1-デセンの代わりにアリルブロミドを14.52g(110.0mmol)用いる以外は調製例2Z−3と同様の方法により目的とする3−(2−プロペニル)−2−オキセパノンを10.02g得た。
<実施例1>
・カーボンブラック 1重量部
・結晶性グラファイト 9重量部
・共重合体(A) 25重量部
・トルエン 65重量部
上記材料に直径1mmのジルコニアビーズをメディア粒子として加え、サンドミルにて2時間分散処理し、フルイを用いてビーズを分離し、塗工液を得た。この塗工液を用いてスプレー法により、NP−6035(商品名、キヤノン(株)製)の現像スリーブ表面に塗工層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃30分間加熱して硬化させて、スリーブ表面に樹脂層を有する本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。又、下記の方法及び基準で本実施例の現像剤担持体を評価し、その結果を表3及び4に示した。
評価の際には、下記原材料を用いて作製したトナーを使用した。
・スチレン−アクリル系樹脂(Tg56℃) 100重量部
・マグネタイト 80重量部
・正電荷制御剤 2重量部
・低分子量ポリプロピレン 4重量部
上記の構成材料を溶融混練、粉砕及び分散して得られた重量平均粒径6μmの正帯電トナーに、正帯電性外添剤として、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンでカップリング処理したコロイダルシリカを0.9重量%、外添して、正帯電性一成分系磁性トナーAを得た。
本実施例の現像剤担持体と、上記のトナーAとを用いて、H/H(高温高湿、32.5℃/80%)、及びN/L(常温低湿、22.5℃/10%)環境下でキヤノン製NP−6035(商品名)を用いて画像画出しテストを行なった。そして、N/L環境下での評価結果を表3に、及び、H/H環境下での評価結果を表4に、夫々示した。
〔評価〕
(1)画像濃度
反射濃度計RD918(商品名、マクベス社製)で、得られた画像のベタ黒部の濃度を測定し、その値で画像濃度の低下を評価した。
(2)トリボ
現像剤担持体上の現像剤のトリボを下記の吸引法で測定した。吸引法によるトリボ値の測定については、先ず、円筒濾紙を有する測定容器を用い、現像剤担持体表面の形状に沿った金属製の吸引口を取付け、画像形成直後(5分以内が好ましい)の現像剤担持体表面上の現像剤層を過不足なく一様に吸引できるように吸引圧を調整し、現像剤を吸引する。そして、この時に吸引された現像剤の電荷Qを、616ディジタルエレクトロメーター(商品名、KEITHLEY製)で測定し、重量をMとして、Q/M(mC/kg)により計算してトリボ値を求める。
(3)反転カブリ
適性画像におけるベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最低値−未使用転写紙の反射率の最高値)を反転カブリ濃度とし、更に、両者の画像を目視で観察して、これを合わせて下記の基準で評価した。転写紙としては、127.9g/m2の厚紙を使用し、反射率はTC−6DS(商品名、東京電色製)で測定した。
◎ :反転カブリ濃度が1.5以下で、違いは殆どわからない。
○ :反転カブリ濃度が1.5より大きく2.5以下で、注意深く見ないと違いがわからない。
△ :反転カブリ濃度が2.5より大きく3.5以下で、画出しに連れて次第にカブリが認識できるようになる。
△×:反転カブリ濃度が3.5より大きく4.0以下で、実用レベル下限で、一見してカブリが確認できる。
× :反転カブリ濃度が4.0より大きく5.0以下で、かなり悪い。
(4)画像不良(スジ、ムラ、ブロッチ)
ベタ黒、ハーフトーン及びライン画像等の各種画像を確認し、更に、その際の現像スリーブ上のスジ、波状ムラ、及びブロッチ(斑点状ムラ)等、スリーブ上でのトナーコート不良状態を目視によって観察し、その結果を参考にして、下記の基準で評価した。
◎ :画像にもスリーブ上にも全く確認できない。
○ :スリーブ上で僅かに確認できるが、画像では殆ど確認できない。
○△:数枚〜数十枚に1枚程度画像を透かしてみると確認できる。
△○:ハーフトーン画像又はベタ黒画像の1枚目で、且つ、スリーブ周期の1周目に確認できる。
△ :ハーフトーン画像又はベタ黒画像で確認できる。実用レベル下限。
△×:ベタ黒画像全体で画像不良が確認できる。実用不可レベル。
× :ベタ白画像上にも確認できる。
(5)導電性樹脂層の削れ量(膜削れ)
各環境下で画出し評価した後、現像スリーブを取り外し、レーザー測長器Y−CTF型(商品名、真柄計測開発製)で外径を測定した。この測定値と、画出し前の現像スリーブの外径測定値から導電性樹脂層の削れ量を計算し、30点の平均値をとって膜削れ(μm)とした。
<実施例2>
実施例1において、共重合体(A)を共重合体(B)とした以外は実施例1と同様の操作で本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例3>
実施例1において、共重合体(A)を共重合体(C)とした以外は実施例1と同様の操作で本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例4>
実施例1と同様の材料を同様の操作で分散させた後、更に、個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子を5部添加し、直径3mmのガラスビーズを用いて1時間かけて分散し、フルイを用いてビーズを分離し、塗工液を得た。次に、実施例1と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。
更に、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
本実施例で使用した導電性球状炭素粒子は、個数平均粒径5.5μmの球状フェノール樹脂100重量部の表面に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径1.5μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14重量部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に、2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得た。得られた導電性球状炭素粒子はの個数平均粒径は、5μm、真密度1.50g/cm3、体積抵抗は7.5×10-2Ω・cm、長径/短径比は1.15であった。
<実施例5>
・カーボンブラック 1重量部
・結晶性グラファイト 9重量部
・PMMA樹脂 25重量部
・共重合体(A) 5重量部
・トルエン 65重量部
上記材料を用いて実施例1と同様の操作で分散を行った後、同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例6>
実施例5において、共重合体(A)を共重合体(B)とした以外は実施例5と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例7>
実施例5において、共重合体(A)を共重合体(C)とした以外は実施例5と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例8>
実施例5と同様の材料を用い、同様の操作で分散を行った後、個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子を5部添加し、直径3mmのガラスビーズを用いて1時間分散し、フルイを用いてビーズを分離して塗工液を得た。次に、実施例1と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
本実施例で使用した導電性球状炭素粒子は、個数平均粒径5.5μmの球状フェノール樹脂100重量部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径1.5μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14重量部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得た。得られた導電性球状炭素粒子は、個数平均粒径5μm、真密度1.50g/cm3、体積抵抗7.5×10-2Ω・cm及び長径/短径比1.15であった。
<実施例9>
実施例8において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径2μmの導電性球状炭素粒子を7.5部添加した以外は実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
本実施例で使用した個数平均粒径2μmの球状炭素粒子は、個数平均粒径2.3μmの球状フェノール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径0.3μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得た。得られた導電性球状炭素粒子は、真密度1.52g/cm3、体積抵抗7.2×10-2Ω・cm及び長径/短径比が1.12であった。
<実施例10>
実施例8において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径20μmの導電性球状炭素粒子を2.5部添加した以外は実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
この個数平均粒径20μmの球状炭素粒子は、個数平均粒径24μmの球状フェノール樹脂100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて、個数平均粒径3μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得た。得られた導電性球状炭素粒子は、真密度1.45g/cm3、体積抵抗9.6×10-2Ω・cm及び長径/短径比が1.18であった。
<実施例11>
実施例8において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径5μmのカーボンブラック被覆PMMA粒子を使用した以外は実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
使用した個数平均粒径5μmのカーボンブラック被覆PMMA粒子は、個数平均粒径4.8μmの球状PMMA粒子100部にハイブリタイザー(奈良機械製)を用いて、導電性カーボンブラック5部を被覆して得られた導電性の球状PMMA粒子であり、その真密度は1.20g/cm3、体積抵抗6.8×10-1Ω・cm及び長径/短径比が1.06であった。
<実施例12>
実施例8において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径5μmのカーボンブラック分散樹脂粒子を使用した以外は、実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
使用した個数平均粒径5μmのカーボンブラック樹脂粒子は、下記の材料を用い、混練、粉砕、及び分級を行って、個数平均粒径5.3μmの導電性樹脂粒子を得た後、ハイブリタイザー(奈良機械製)を用いて球形化処理を行うことによって得た。得られた導電性球状炭素粒子は、真密度1.21g/cm3、体積抵抗5.2Ω・cm及び長径/短径比が1.20であった。
・スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合体(共重合比=90:10:0.05) 100重量部
・カーボンブラック 25重量部
<実施例13>
実施例8において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径5μmのPMMA粒子を使用した以外は実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例14>
実施例8において使用したPMMA樹脂の代わりにシリコーン樹脂とした以外は実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例15>
実施例8において使用したPMMA樹脂の代わりにスチレン−アクリル樹脂とした以外は実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<実施例16>
実施例8において使用したPMMA樹脂の代わりにポリエステル樹脂とした以外は実施例8と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表1に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3及び4に示した。
<比較例1>
実施例1において、樹脂層を形成しないで、粒径#300のガラスビーズを用いて、基体表面をサンドブラストしたFGBスリーブを用いた以外は実施例1と同様にして、本比較例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表2に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3、4、6、7に示した。
<比較例2>
実施例5で使用した共重合体(A)を除くこと以外は実施例5と同様にして樹脂層を形成し、本比較例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表2に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3、4、6、7に示した。
<比較例3>
実施例14で使用した共重合体(A)及び導電性球状炭素粒子を除くこと以外は実施例14と同様にして樹脂層を形成し、本比較例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表2に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3、4、6、7に示した。
<比較例4>
実施例16で使用した共重合体(A)及び導電性球状炭素粒子を除くこと以外は実施例16と同様にして樹脂層を形成し、本比較例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表2に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3、4、6、7に示した。
<比較例5>
実施例4において、共重合体(A)の代わりに、PMMAを用い、導電性球状炭素粒子に代えてクロルフェノールを含むアゾナフトールのクロム錯体(S)を使用した以外は実施例4と同様にして樹脂層を形成し、本比較例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表2に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3、4、6、7に示した。
<比較例6>
実施例5において、共重合体(A)の代わりに、上記4級アンモニウム塩とした以外は実施例5と同様にして樹脂層を形成し、本比較例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表2に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表3、4、6、7に示した。
Figure 0004781018
Figure 0004781018
Figure 0004781018
Figure 0004781018
<実施例17>
実施例1において、共重合体(A)に替えて共重合体(D)を用いた樹脂層を形成した以外は実施例1と同様にして、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例18>
実施例17において、共重合体(D)を共重合体(E)とした以外は実施例17と同様の操作で本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例19>
実施例17において、共重合体(D)を共重合体(F)とした以外は実施例17と同様の操作で本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例20>
実施例17と同様の材料を同様の操作で分散させた後、更に、個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子を5部添加し、直径3mmのガラスビーズを用いて1時間かけて分散し、フルイを用いてビーズを分離し、塗工液を得た。次に、実施例17と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
更に、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
本実施例で使用した導電性球状炭素粒子は、実施例4と全く同様にして調製したものを用いた。
<実施例21>
実施例5において、共重合体(A)に替えて共重合体(D)を用いた樹脂層を形成した以外は実施例5と同様にして、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例22>
実施例21において、共重合体(D)を共重合体(E)とした以外は実施例21と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例23>
実施例21において、共重合体(D)を共重合体(F)とした以外は実施例21と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例24>
実施例21と同様の材料を用い、同様の操作で分散を行った後、個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子を5部添加し、直径3mmのガラスビーズを用いて1時間分散し、フルイを用いてビーズを分離して塗工液を得た。次に、実施例17と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
本実施例で使用した導電性球状炭素粒子は、実施例8と全く同様にして調製したものを用いた。
<実施例25>
実施例24において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径2μmの導電性球状炭素粒子を7.5部添加した以外は実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
本実施例で使用した個数平均粒径2μmの導電性球状炭素粒子は、実施例9と全く同様にして調製したものを用いた。
<実施例26>
実施例24において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径20μmの導電性球状炭素粒子を2.5部添加した以外は実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
本実施例で使用した個数平均粒径20μmの導電性球状炭素粒子は、実施例10と全く同様にして調製したものを用いた。
<実施例27>
実施例24において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径5μmのカーボンブラック被覆PMMA粒子を使用した以外は実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
本実施例で使用した個数平均粒径5μmのカーボンブラック被覆PMMA粒子は、実施例11と全く同様にして調製したものを用いた。
<実施例28>
実施例24において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径5μmのカーボンブラック分散樹脂粒子を使用した以外は、実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
本実施例で使用した個数平均粒径5μmのカーボンブラック樹脂粒子は、実施例12と全く同様にして調製したものを用いた。
<実施例29>
実施例24において使用した個数平均粒径5μmの導電性球状炭素粒子に代えて、個数平均粒径5μmのPMMA粒子を使用した以外は実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例30>
実施例24において使用したPMMA樹脂の代わりにシリコーン樹脂とした以外は実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例31>
実施例24において使用したPMMA樹脂の代わりにスチレン−アクリル樹脂とした以外は実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
<実施例32>
実施例24において使用したPMMA樹脂の代わりにポリエステル樹脂とした以外は実施例24と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表5に示した。
そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法で、トナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表6及び7に示した。
Figure 0004781018
Figure 0004781018
Figure 0004781018
<実施例33〜40>
実施例1において、共重合体(A)を共重合体(2A)、共重合体(2B)、共重合体(2C)、共重合体(2D)、共重合体(2E)、共重合体(2F)、共重合体(2G)、共重合体(2H)とした以外は実施例1と同様の操作で本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表8に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表9及び10に示した。
<実施例41〜48>
実施例5において、共重合体(A)を共重合体(2I)、共重合体(2J)、共重合体(2K)、共重合体(2L)、共重合体(2M)、共重合体(2N)、共重合体(2O)、共重合体(2P)とした以外は実施例5と同様の操作で樹脂層を形成し、本実施例の現像剤担持体を作製した。得られた現像剤担持体の樹脂層の構成を表8に示した。そして、得られた現像剤担持体を使用して、実施例1の場合と同様の方法でトナーAを供給しながら画像画出しテストを行なって評価し、その結果を表9及び10に示した。
Figure 0004781018
Figure 0004781018
Figure 0004781018
本発明の現像剤担持体を使用した現像装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
7 感光ドラム
8 規制ブレード
9 ホッパー
10 磁性トナー
11 磁石
12 円筒状基体
13 樹脂層
14 現像剤担持体(現像スリーブ)
15 電源
16 攪拌器
A 現像スリーブ14の回転方向
B 感光ドラム7の回転方向
D 現像領域

Claims (8)

  1. 静電潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体により担持搬送された現像剤により現像し、可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体であって、少なくとも基体及び基体表面に形成された樹脂層を有し、該樹脂層に用いられている結着樹脂に少なくとも化学式(1):
    Figure 0004781018
    (式中、Rは−A1−SO21を表し、
    1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aを表し、
    1aおよびA1は、各々が独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造または置換もしくは未置換の複素環構造を有する基を表す。
    また、式中のl、m、Z1a、Z1bについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z1aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、Z1a、Z1b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートが含有されていることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 前記化学式(1)に示すユニットが、化学式(2):
    Figure 0004781018
    (式中、R2は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR2aを表し、
    2aは、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表し、A2は、直鎖状または分岐状の炭素数1から8のアルキレン基を表す。
    また、式中のl、m、Z2a、Z2bについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z2aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z2bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z2aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z2bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z2aが何も選択されないとき、Z2bは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z2aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z2bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z2aが何も選択されないとき、Z2bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R2、R2a、A2、Z2a、Z2b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    に示すユニットである請求項1に記載の現像剤担持体。
  3. 前記化学式(1)に示すユニットが、化学式(3):
    Figure 0004781018
    (式中、R3a、R3b、R3c、R3dおよびR3eの少なくとも一つはSO23f(ここで、R3fはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR3f1を表し、R3f1は、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表す。)であり、その他は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR3g(ここで、R3gはH原子、Na原子またはK原子を表す。)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表す。
    また、式中のl、m、Z3a、Z3bについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z3aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z3bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z3aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z3bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z3aが何も選択されないとき、Z3bは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z3aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z3bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z3aが何も選択されないとき、Z3bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R3a、R3b、R3c、R3d、R3e、R3f、R3f1、R3g、Z3a、Z3b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    に示すユニットである請求項1に記載の現像剤担持体。
  4. 前記化学式(1)に示すユニットが、化学式(4A):
    Figure 0004781018
    (式中、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4fおよびR4gのうち少なくとも一つはSO24o(ここで、R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1を表し、R4o1は、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表す。)であり、その他は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR4p(ここで、R4pは、H原子、Na原子またはK原子を表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表す。
    また、式中のl、m、Z4a、Z4bについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z4aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z4bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z4aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z4bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z4aが何も選択されないとき、Z4bは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z4aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z4bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z4aが何も選択されないとき、Z4bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R4a、R4b、R4c、R4d、R4e、R4f、R4g、R4o、R4o1、R4p、Z4a、Z4b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    あるいは、化学式(4B):
    Figure 0004781018
    (式中、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4mおよびR4nのうち少なくとも一つはSO24o(ここで、R4oはOH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR4o1を表し、R4o1は、直鎖状もしくは分岐状の炭素数1から8のアルキル基または置換もしくは未置換のフェニル基を表す。)であり、その他は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、OH基、NH2基、NO2基、COOR4p(ここで、R4pは、H原子、Na原子またはK原子を表す)、アセトアミド基、OPh基、NHPh基、CF3基、C25基またはC37基を表す。
    また、式中のl、m、Z4c、Z4dについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z4cは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z4dは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z4cが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z4dは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z4cが何も選択されないとき、Z4dは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z4cが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z4dは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z4cが何も選択されないとき、Z4dは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R4h、R4i、R4j、R4k、R4l、R4m、R4n、R4o、R4o1、R4p、Z4c、Z4d、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    に示すユニットの少なくとも何れかである請求項1に記載の現像剤担持体。
  5. 静電潜像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体により担持搬送された現像剤により現像し、可視像化する現像装置に用いられる現像剤担持体であって、少なくとも基体及び基体表面に形成された樹脂層を有し、該樹脂層に用いられている結着樹脂に少なくとも化学式(5):
    Figure 0004781018
    (式中、R5は、水素、塩を形成する基またはR5aを表し、R5aは、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアラルキル基を表す。
    また、式中のl、m、Z5a、Z5bについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z5aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、Z5a、Z5b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    に示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートが含有されていることを特徴とする現像剤担持体。
  6. 前記ポリヒドロキシアルカノエートが、さらに、化学式(7):
    Figure 0004781018
    (R7は、炭素数1〜11の直鎖または分岐状のアルキレン基、あるいは、各アルキレンの炭素数が1〜2のアルキレンオキシアルキレン基または所望によりアリールで置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキリデン基である。複数のユニットが存在する場合、R7は、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    に示すユニットを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像剤担持体。
  7. 前記ポリヒドロキシアルカノエートの数平均分子量は、1000〜1000000の範囲に選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像剤担持体。
  8. 現像容器内に収容された現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら、現像剤を潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該現像領域で、潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視像化する現像装置において、前記現像剤担持体は、少なくとも基体及び基体表面に形成された樹脂層を有し、該樹脂層に用いられている結着樹脂に、少なくとも化学式(1):
    Figure 0004781018
    (式中、Rは−A1−SO21を表し、
    1は、OH、ハロゲン原子、ONa、OKまたはOR1aを表し、
    1aおよびA1は、各々が独立に、置換もしくは未置換の脂肪族炭化水素構造、置換もしくは未置換の芳香族環構造または置換もしくは未置換の複素環構造を有する基を表す。
    また、式中のl、m、Z1a、Z1bについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z1aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z1bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z1aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z1aが何も選択されないとき、Z1bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R、R1、R1a、A1、Z1a、Z1b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    あるいは、化学式(5):
    Figure 0004781018
    (式中、R5は、水素、塩を形成する基またはR5aを表し、R5aは、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアラルキル基を表す。
    また、式中のl、m、Z5a、Z5bについて、
    lが2〜4から選ばれた整数であるとき、Z5aは何も選択されないあるいは炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であり、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、Z5bは水素原子であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが1であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは水素原子であり、mは0であり、
    lが0であり、Z5aが炭素数1〜4の直鎖アルキレン鎖であるとき、その直鎖アルキレン鎖は、直鎖または分岐状のアルキル基、或いは末端にフェニル構造、チエニル構造、シクロヘキシル構造のうち、何れかの構造を有する残基が含まれるアルキル基で置換されていてもよく、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数であり、
    lが0であり、Z5aが何も選択されないとき、Z5bは、水素原子、あるいは、直鎖または分岐状のアルキル基、アリール基、アリール基で置換されていてもよいアラルキル基であり、mは0〜8から選ばれた整数である。
    また、複数のユニットが存在する場合、R5、R5a、Z5a、Z5b、l、mは、各ユニット毎に独立して上記の意味を表す。)
    の何れかに示すユニットを分子中に1ユニット以上含むことを特徴とするポリヒドロキシアルカノエートが含有されていることを特徴とする現像装置。
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