JP4779881B2 - フリーピストンエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、フリーピストンエンジンに関するものである。
近時、燃焼ガスの有する熱エネルギを高効率に取り出すという観点から、フリーピストンエンジンが注目されている。特許文献1には、フリーピストンエンジンのピストンに設けた永久磁石が、リニア発電機の磁界内を往復動されることにより発電を行うものが開示されている。また、特許文献2には、互いに一体化された左右一対のピストンを行程をずらして運転することにより、左右一対のピストンが一体となって往復動されるようにし、この左右一対のピストンを連結している連結ロッドに、リニア発電機用の永久磁石を保持させたものが開示されている。
特開2005−155345号公報 特開2003−343202号公報
ところで、フリーピストンエンジンにおいては、前述の特許文献1、特許文献2に開示のように、往復動されるピストンを利用して発電を行って、燃焼ガスの有する熱エネルギを一旦ピストンの往復動という機械的エンジンに変換した後、最終的に電気エネルギとして取り出すことが多くなっている。そして、ピストンの質量は、発電のために永久磁石を保持することから相当に大きいものとなる。
一方、フリーピストンエンジンは、コンロッドを介してクランクシャフトに連結されることがないので、その上死点位置と下死点位置とが一定位置に定まらないという特長がある。このような特長は、圧縮比可変式(あるいは排気行程長可変式とも考えられる)エンジンとなって効率を高める上では好ましい反面、上死点および下死点の位置が定まらないことから、例えば吸気系や排気系の異常等によってピストンが所定位置以上に大きく移動してしまって、ピストンがシリンダの端壁の衝突することが想定される。特に、永久磁石を保持したピストンの質量が相当に大きいために、極端な場合はピストンがシリンダの端壁を突き破って外部へ飛び出るという可能性も考えられる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、ピストンの往復動によって往復動される永久磁石を利用して発電を行う場合に、シリンダに関連するピストン部分の質量を低減できるようにしたフリーピストンエンジンを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
シリンダと、該シリンダ内に往復動可能に嵌合されると共に該シリンダ内の燃焼圧力を受けるピストンと、を備えたフリーピストンエンジンにおいて、
前記シリンダの外部に配設され、前記ピストンと機械的に連動されて往復動されると共に永久磁石を保持した磁石保持体と、
前記シリンダの外部に配設され、前記磁石保持体の往復動によって発電を行う発電部と、
を備え、
前記ピストンと磁石保持体とが、歯車を介して連動され、
前記ピストンの移動方向と前記磁石保持体の移動方向とが互いに反対方向となるように設定されている、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、ピストンが往復動されることにより、ピストンと機械的に連動された磁石保持体も往復動されて、発電部によって発電されることになる。この場合、永久磁石そのものは、シリンダ外部に配設された磁石保持体に保持されているので、シリンダに嵌合されたピストンそのものは、永久磁石を保持しなくてすみ、その分ピストンの質量が大幅に低減されることになる。これにより、仮に、なんらかの異常によってピストンがシリンダの端壁を突き破るような事態が生じても、シリンダ外部に飛び出てくる部分の質量は小さいものとなり、安全上好ましいものとなる。また、永久磁石や発電部は、高熱となり易いシリンダの外部に配設されて高熱の影響を受けにくいので、高い発電効率を確保する上でも好ましいものとなる。以上に加えて、ピストンの往復動によって生じる振動を磁石保持体によって低減させて、振動低減の上で好ましいものとなる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記ピストンが所定位置にまで移動したときに、前記連動機構または前記磁石保持体の一方に当接されて、該ピストンが該所定位置を超えて移動するのを規制するストッパが設けられている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、ピストンが所定位置を超えて移動するのをストッパによって規制して、安全上より一層好ましいものとなる。
前記ピストンと磁石保持体とが、歯車を介して連動され、
前記ストッパは、前記ピストンが前記所定位置まで移動したときに前記歯車に係合されて該歯車の回転を規制するように設定されている、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、歯車を利用してピストンと磁石保持体との連動を確実に行いつつ、この歯車を有効に利用してストッパ機能を得ることができる。
前記ピストンの質量と移動速度との積が、前記磁石保持体の質量と移動速度との積と等しくなるように設定されている、ようにしてある(請求項対応)。この場合、ピストンの運動量と磁石保持体の運動量とが互いに等しくなって、ピストンの往復動によって生じる振動を磁石保持体の往復動を利用して十分に低減することができる。
前記ピストンの移動速度よりも前記磁石保持体の移動速度が遅くなるように設定されている、ようにしてある(請求項対応)。この場合、同じ発電量を得るのであれば、発電部の質量増加が可能となる一方、永久磁石の質量を大きくすることが可能となって、永久磁石の移動量が同じであればより大きな発電を行うことができる。
前記ピストンの移動速度よりも前記磁石保持体の移動速度が早くなるように設定されている、ようにしてある(請求項対応)。この場合、同じ発電量を得るのであれば、発電部の質量低減が可能となる一方、永久磁石の質量を小さくすることが可能となって、全体として軽量化や小型化を図る上で好ましいものとなる。
同一直線上において前記シリンダおよびピストンがそれぞれ一対設けられ、
前記一対のピストンが連結ロッドを介して互いに一体化されていて、該一対のピストンの行程が互いに異なるように設定され、
前記一対のピストンと前記磁石保持体とが前記連結ロッドを介して機械的に連動されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、一対のピストンの行程を相違させた運転によって、ピストンを圧縮方向に復帰移動させるためのリターンスプリング等の部材を別途用いるという複雑な構造を採択することなく連続運転を行なうことができる。また、連結ロッドそのものはシリンダ内を気密に往復動させる必要性がないので、磁石保持体との連結も容易となる。
前記磁石保持体が、シリンダの軸線を挟むようにして一対設けられ、
前記一対の磁石保持体の各質量が、前記一対のピストンと前記連結ロッドとの一体化物の質量の半分の大きさに設定され、
前記一対の磁石保持体の移動速度が、前記一対のピストンの移動速度と等しくなるように設定されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、一対の磁石保持体を、シリンダの軸線を挟むようにバランスよく配設しつつ、一対のピストンと連結ロッドとの一体化物の往復動による振動を、一対の磁石保持体によって効果的に低減することができる。
本発明によれば、発電のための永久磁石をピストンから分離させて、なんらかの異常事態が発生したときでも、シリンダから外部へ飛び出る可能性も考えられるピストンの質量を小さいものとすることができ、フェイルセーフの観点から好ましいものとなる。また、ピストンの往復動によって生じる振動を磁石保持体によって低減させて、振動低減の上で好ましいものとなる。
図1は、車両としての自動車を駆動するモータへの給電用としてフリーピストンエンジンを利用した場合の実施形態を示すものである。この図1において、1は駆動用(走行用)のモータで、実施形態ではACモータで構成されている。2R、2Lは左右の駆動輪(前輪または後輪)であり、この駆動輪2R、2Lは、デファレンシャルギア3を介してモータ1によって駆動される。
10は、後述するフリーピストンエンジンであり、ピストンやシリンダを含むエンジン本体11と発電機12とを含めたユニット体として構成されている。フリーピストンエンジン10によって発電された電力(交流)は、整流器20によって直流に変換された後、DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給される一方、余剰電力はバッテリ22に供給される。また、バッテリ22からの電力が、上記DC−ACコンバータ21を介してモータ1に供給されるようにもなっている。制動時の回生エネルギを回収するため、制動時には、モータ1によって発電された電力が、整流器23によって直流に変換された後、DC−DCコンバータ24によって昇圧されてバッテリ22に供給される。
自動車の運転状態に応じた電力供給の流れは、例えば次のように行われるが、フリーピストンエンジン10による最大発電量は、モータ1による最大出力を確保できる程度に十分に大きいものとされている。
(1)要求発電量が極めて少ないとき
発進時や極軽負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が大きいときである。このときは、発電機12での発電は行われず(フリーピストンエンジン10の停止状態)、バッテリ22からのみモータ1へ電力が供給される。
(2)要求発電量が少ないとき
軽負荷〜中負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が多いときである。このときは、発電機12での発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機12からもっぱらモータ1へ電力が供給される(若干の余剰電力分を発電して、余剰電力をバッテリ22に蓄電するようにしてもよい)。
(3)要求発電量が中〜大のとき
軽負荷〜高負荷時でかつバッテリ22の蓄電量が少ないときである。このときは、発電機12で走行に必要な電力以上の十分な発電が行われて(フリーピストンエンジン10が作動)、発電機12からモータ1へ電力が供給されると共に、十分な余剰電力がバッテリ22に蓄電される。
(4)回生制動時
モータ1が駆動輪2R、2Lによって駆動される発電機として機能されるときである。このときは、モータ1で発電された電力がバッテリ22に蓄電される。なお、フリーピストンエンジン10は、停止してもよいが、次の発電に備えて、極低速で運転を継続させることもできる。
次に、フリーピストンエンジン10について、図2を参照しつつ説明する。この図2において、エンジン本体1は、両端がそれぞれ閉じられた円筒状部材によって構成されたシリンダ部材30を有する。シリンダ部材30は、その一端部側に第1シリンダ31が構成される一方、その他端部側に第2シリンダ32が構成されている。第1シリンダ31内には第1ピストン41が摺動自在に嵌合され、第2シリンダ32内には第2ピストン42が摺動自在に嵌合されている。各ピストン41と42とは、連結ロッド43によって連結されて互いに一体化されている。
第1シリンダ31と第1ピストン41とによって第1燃焼室51が画成され、第2シリンダ32と第2ピストン42とによって第2燃焼室52が画成されている。各燃焼室51,52には、図示を略すが、それぞれ吸気弁、排気弁および燃料噴射弁が配設されて、4サイクルの燃焼が行わわれるようになっている(実施形態では自己着火式とされて、点火プラグは有しないものとなっている)。すなわち、吸気弁が開かれて燃焼室51(52)に吸気が供給された後、燃料噴射弁から燃料噴射が実行されて燃焼が行われ、その後排気弁が開かれて燃焼室51(52)内の排気ガスが外部へ排出されることになる。第1ピストン41と第2ピストン42とは、互いに行程が180度相違されて、一方のピストンが燃焼圧力を受けるとき(膨張行程にあるとき)、他方のピストンが圧縮行程とされる。これにより、一対のピストン41、42と連結ロッド43とのユニット体Uは、互いに一体となって、シリンダ部材30の軸線方向に往復動されることになる。
一方、シリンダ部材30の外部には、第1、第2の一対の磁石保持体61,62が配設されている。各磁石保持体61、62は、ユニット体U(シリンダ部材30)の軸線方向に伸びていて、ユニット体Uの軸線を挟んで互いに反対方向に位置している(ユニット体Uの周方向において180度間隔での配置)。この磁石保持体61,62には、永久磁石63,64が、ユニット体Uの軸線方向に伸びた状態で保持されている。永久磁石63,64は、多数の小さい永久磁石の集合体で構成されている(N極とS極とが交互になるようにユニット体Uの軸線方向に並べた集合体)。なお、磁石保持体61,62は、それぞれ、エンジンハウジングに設けたガイド部(図示を略す)によって、ユニット体Uと平行な軸線に沿って往復動されるようにガイドされる。
上記各磁石保持体61,62には、シリンダ部材30に臨む側の側面において、ユニット体Uの軸線方向に伸びるラック71,72が一体的に形成されている。このラック71、72に対応して、連結ロッド43には、ユニット体U(シリンダ部材30)の軸線を挟んで、互いに反対位置において、ラック81、ラック82が一体的に形成されている。このラック81,82は、ユニット体Uの軸線方向に伸びている。そして、磁石保持体61のラック71と連結ロッド43のラック81とが、中間歯車75を介して噛合されている。同様に、磁石保持体62のラック72と連結ロッド43のラック82とが、中間歯車76を介して噛合されている。なお、シリンダ部材30の側壁には、中間歯車75,76の位置する部分において、切欠30a、30bが形成されている。なお、中間歯車75,76の回転軸が、符合75aあるいは76aで示される。
各磁石保持体61、62は、ユニットUの往復動に応じて往復動されることになるが、その移動速度(往復動速度)は、ユニット体Uの移動速度と等しくされる(中間歯車75、76による増速作用あるいは減速作用はなし)。このような磁石保持体61,62には、シリンダ部材30とは反対側の面において、発電部としてのコイル65あるいは66が、ユニット体Uの軸線方向に伸ばして一体化されている。これにより、磁石保持体61,62が往復動されると、これに保持された永久磁石63,64がコイル65,66の直近を移動して磁界の変化が生じ、コイル65,66に誘導起電力が発生される(発電)。このように、実施形態では、永久磁石63,64とコイル65,66とで共同して、リニア式の発電機12が構成されている。
磁石保持体61には、そのラック71の長手方向各端において、ストッパ71a、71bが形成されている。同様に、磁石保持体62には、そのラック72の長手方向各端において、ストッパ72a、72bが形成されている。また、連結ロッド43には、そのラック81の長手方向各端において、ストッパ81a、81bが形成されている。同様に、連結ロッド43には、そのラック82の長手方向各端において、ストッパ82a、82bが形成されている。
上記各ストッパ71a、72a、81a、82aは、それぞれ、ユニット体Uがその軸線方向一方側の所定位置に移動したときに、中間歯車75、76に当接して、中間歯車75、76の回転を規制して、それ以上ユニット体Uが軸線方向一方側の所定位置を超えて移動するのを規制するようになっている(図3参照)。上記軸線方向一方側の所定位置は、図3に示すように、ユニット体Uにおける第2ピストン42が、第2シリンダ32の端壁に当接する直前の位置とされている。
同様に、図示を略すが、ユニット体Uが軸線方向他方側の所定位置に移動したときは、上記各ストッパ71b、72b、81b、82bは、中間歯車75あるいは761に当接して、中間歯車75、76の回転を規制して、それ以上ユニット体Uが軸線方向他方側の所定位置を超えて移動するのを規制するようになっている。上記軸線方向他方側の所定位置は、図示を略すが、ユニット体Uにおける第1ピストン41が、第1シリンダ31の端壁に当接する直前の位置とされている。
ここで、ユニット体Uの質量(一対のピストン41,42と連結ロッド43とラック81,82等を含み、ピストン41,42と一体に往復動される部材の合計質量)をMとしたとき、各磁石保持体61,62の質量(永久磁石63、64やラック71、72等を含み、磁石保持体61,62と一体に往復動される部材の合計質量)は、(1/2)・M(Mの半分の質量)となるように設定されている。なお、、ユニットUと各磁石保持体61,62の移動速度は、前述のように互いに等しくされる。このように、ユニット体Uの合計質量とその移動速度とを乗算した値となる運動量が、各磁石保持体61、62との合計質量とその移動速度とを乗算した値となる運動量と等しくなるように設定されている。
次に、図2,図3を参照しつつ、フリーピストンエンジン10の作動について説明する。まず、正常時つまり正常に燃焼が行われているときは、ピストンユニット体Uが往復駆動され、これに伴って各磁石保持体61,62が往復駆動されて、発電が行われる(コイル65,66からの発電電力の取出し)。発電電力は、ユニットUの往復動の速度つまり磁石保持体61,62の往復動速度が大きいほど大きくされるので、大きな発電電力が要求されるほど、多量の燃料が燃焼されて、ユニットUの往復動速度が大きくされる。そして、永久磁石63,64とコイル65,66とは、高温となるシリンダ部材30から離間しているため(燃焼温度による高熱の影響を受けにくいため)、高い発電効率を確保する上で好ましいものとなる。
ユニットUは、全体的にかなり大きな質量Mを有するが、各磁石保持体61,62は、ユニット体Uとは反対方向に移動され、しかも一対の磁石保持体61,62の合計質量がユニット体Uの質量Mと等しく、しかも移動速度もユニット体Uの移動速度と同じになるので(運動量が互いに等しい)、大きな質量を有するユニットUの往復動に伴う振動(特に1次振動)が完全あるいはほぼ完全に打ち消されることになる。
なんらかの異常が生じて、ユニット体Uが、シリンダ端壁に当接する付近となる所定位置にまで移動したとき、ストッパ71a、72a、81a、82a(あるいはストッパ71b、72b、81b、82b)が、中間歯車75、76に当接、係合されて、それ以上ユニット体Uがシリンダ端壁に接近する方向の移動が規制されることになり、エンジンの主要部分が損傷されてしまう事態が未然に防止される。
上記ストッパによるユニット体Uの所定位置以上の移動が規制できないときは、ユニット体Uが、一方側のシリンダ端壁に当接して、これを突き破ってシリンダ外部へと飛び出ることも考えられるが、シリンダ外部へ飛び出る部分の質量は、ユニット体Uそのものが永久磁石63,64を保持している場合の質量よりもはるかに小さくてすみ、フェイルセーフ上好ましいものとなる。
ここで、ストッパ71a、72a、81a、82a、ストッパ71b、72b、81b、82bに代えてあるいは加えて、図3一点鎖線で示すように、エンジン本体11のハウジングに、例えば磁石保持体61,62の端面に臨むストッパ部13a、13b、14a、14bを形成して、ユニット体Uが所定位置を超えて移動するのを規制するようにしてもよい。
図4は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述の実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する。本実施形態では、中間歯車75、76を、互いに同軸で一体回転される直径の異なる2つの歯車75Aと75B、76Aと76Bとによって構成して、ユニット体Uの移動速度を減速させて磁石保持体61、62に伝達させるようにしてある。すなわち、磁石保持体61(62)のラック71(72)に対して小径の歯車75A(76A)を噛合させると共に、ユニット体Uにおけるラック81(82)に大径の歯車75B(76B)を噛合させるようにしてある。これにより、各磁石保持体61,62の移動速度がユニット体Uの移動速度よりも小さくなる減速での連動状態となる。なお、ユニット体Uの移動速度よりも磁石保持体61,62の移動速度を大きくした増速での連動状態とすることもできる。
図4に示すような磁石保持体61,62を減速させたときは、ユニット体Uの移動量が同じであれば磁石保持体61,62の移動量は小さいものとなり、増速の場合はその逆に磁石保持体61、62の移動量は大きいものとなる(図6参照)。この図6において、永久磁石63,64のうち実線で示す位置が一方側ストローク端にあるときを、一点鎖線で示す位置が他方側ストローク端にあるときを示す。また、図5には、同じ発電量を得る場合に、標準の状態(ユニット体Uと磁石保持体61,62との移動速度が等しい状態)と、磁石保持体61,62が減速される状態と、磁石保持体61,62が増速される状態との仕様設定例が示される。
磁石保持体61,62を減速させる場合は、その全移動量は小さくなるが、永久磁石63,64の質量を大きくすることが可能となり(単位長さ辺りの発電量が大)、逆に増速の場合は、永久磁石63,64の質量を小さくしつつ全体として小型化や軽量化を図る上で好ましいものとなる。用いる永久磁石63,64として、適宜のこのを選択できるが、一般に、保磁力が大でかつ磁束密度が大のものは高性能であってコストの制約が高くなる。コスト等の観点から、保磁力が小で磁束密度が大の永久磁石を用いる場合は、磁石保持体61,62を減速させる場合に好適となり、保磁力が大で磁束密度が小の永久磁石を用いる場合は、磁石保持体61,62を増速させる場合に好適となる。
図4の減速状態においても、ユニット体Uの運動量と、各磁石保持体61,62の合計の運動量とが互いに等しくなるように設定されている。すなわち、例えば、中間歯車75A、75B(76A、76B)による減速比を2/3とし、ユニット体Uの合計質量をMとしたとき、各磁石保持体61および62の各質量はそれぞれ(3/4)・Mに設定されている(磁石保持体61,62による効果的な振動低減作用)。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。ピストンは、互いに一体化された一対構造の場合に限らず、1つのみであってもよく、あるいは図2示す構造のものを複数段並置したものであってもよい。例えば、図2に示す構造のものを3段並置して(ピストンつまり燃焼室の数は合計で6個)、1つの燃焼室の排気量を330ccとした場合には、総排気量1980ccのフリーピストンエンジンが得られることになる。図2の構造において、磁石保持体61,62を1あるいは3以上としてもよい。ピストンと磁石保持体とを機械的に連動させる手段としては、歯車に限らずリンク機構等適宜選択できるものであり、また機械的連動機構中に変速機(有段式あるいは無段式)を介在させて、要求発電量や共振振動発生回転数等を考慮して変速比を変更するようにすることもできる。フリーピストンエンジンは、自動車用に限らず、定置式の発電用等に用いる等、その仕様範囲は限定されないものである。フリーピストンエンジンは、火花点火式であってもよく、あるいは2サイクル式にする等、適宜の形式を採択することができる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
フリーピストンエンジンを自動車の走行用モータへの給電用として利用した場合の実施形態を示す全体系統図。 本発明によるフリーピストンエンジンの一例を示す一部断面平面図。 図2の状態から、ストッパによってピストン等を含むユニット体が所定位置を超えて移動するのが規制された状態を示す図。 本発明の第2の実施形態を示すもので、図2に対応した図。 磁石保持体を標準状態と増速状態と減速状態とに相違させたときに、同じ発電量を得るための永久磁石等の仕様の設定例を示す図。 磁石保持体を標準状態と増速状態と減速状態とに相違させたときに、同じ発電量を得るための永久磁石の長さ、移動量および質量の具体例を示す図。
1:モータ
2R、2L:駆動輪
10:フリーピストンエンジン
11:エンジン本体
12:発電機
13a、13b:ストッパ
14a、14b:ストッパ
22:バッテリ
30シリンダ部材
31:第1シリンダ
32:第2シリンダ
41:第1ピストン
42:第2ピストン
43:連結ロッド
51:第1燃焼室
52:第2燃焼室
61,62:磁石保持体
63,64:永久磁石
65,66:コイル(発電部)
71,72:ラック(連動用)
75,76:中間歯車(連動用)
81、82:ラック(連動用)
75A、75B:中間歯車(減速用)
76A、76B:中間歯車(減速用)



Claims (8)

  1. シリンダと、該シリンダ内に往復動可能に嵌合されると共に該シリンダ内の燃焼圧力を受けるピストンと、を備えたフリーピストンエンジンにおいて、
    前記シリンダの外部に配設され、前記ピストンと機械的に連動されて往復動されると共に永久磁石を保持した磁石保持体と、
    前記シリンダの外部に配設され、前記磁石保持体の往復動によって発電を行う発電部と、
    を備え、
    前記ピストンと磁石保持体とが、歯車を介して連動され、
    前記ピストンの移動方向と前記磁石保持体の移動方向とが互いに反対方向となるように設定されている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  2. 請求項1において、
    前記ピストンが所定位置にまで移動したときに、前記連動機構または前記磁石保持体の一方に当接されて、該ピストンが該所定位置を超えて移動するのを規制するストッパが設けられている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  3. 請求項2において、
    記ストッパは、前記ピストンが前記所定位置まで移動したときに前記歯車に係合されて該歯車の回転を規制するように設定されている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記ピストンの質量と移動速度との積が、前記磁石保持体の質量と移動速度との積と等しくなるように設定されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記ピストンの移動速度よりも前記磁石保持体の移動速度が遅くなるように設定されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記ピストンの移動速度よりも前記磁石保持体の移動速度が早くなるように設定されている、ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  7. 請求項1ないし請求項のいずれか1項において、
    同一直線上において前記シリンダおよびピストンがそれぞれ一対設けられ、
    前記一対のピストンが連結ロッドを介して互いに一体化されていて、該一対のピストンの行程が互いに異なるように設定され、
    前記一対のピストンと前記磁石保持体とが前記連結ロッドを介して機械的に連動されている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
  8. 請求項において、
    前記磁石保持体が、シリンダの軸線を挟むようにして一対設けられ、
    前記一対の磁石保持体の各質量が、前記一対のピストンと前記連結ロッドとの一体化物の質量の半分の大きさに設定され、
    前記一対の磁石保持体の移動速度が、前記一対のピストンの移動速度と等しくなるように設定されている、
    ことを特徴とするフリーピストンエンジン。
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