JP4779632B2 - マルテンサイト系鉄基耐熱合金 - Google Patents

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本発明は、マルテンサイト系耐熱合金に関する。さらに詳しくは、ボイラ、原子力発電設備および化学工業設備などの高温、高圧環境下で使用される熱交換用鋼管、圧力容器用鋼板、タービン材料等に適する高温長時間クリープ強度に優れたマルテンサイト系耐熱合金に関する。
ボイラ、原子力発電設備および化学工業設備等の高温、高圧環境で使用される各種部品用の耐熱材料には、高温クリープ強度、耐食性および耐酸化性等が要求される。そのような耐熱材料の一つである高Crマルテンサイト鋼は、500〜650℃の温度において、強度および耐食性の点で低合金鋼よりも優れている。また、高Crマルテンサイト鋼は、熱伝導率が高く、かつ熱膨張率が小さいことから、オーステナイトステンレス鋼と比較して耐熱疲労特性に優れ、かつ安価であるという特徴がある。さらには、スケール剥離が起こりにくいこと、応力腐食割れを起こさないことなど、数々の利点がある。
1980年代後半から1990年代にかけて、NbやVの微細炭窒化物による析出強化により、従来鋼よりも強度の高められたASME P91鋼が実用化された。この鋼を用いて、蒸気温度566℃以上の超臨界ボイラが実用化されてきた。近年、Wを添加してさらにクリープ強度を高めたASME P92およびP122が実用化され、それによって蒸気温度が600℃程度の超々臨界圧ボイラも実用化されている。
しかし、高強度化された高Crマルテンサイト鋼においても600℃程度の高温での長時間クリープ強度が低いという問題がある。長時間クリープ強度が低下する原因としては、低応力・長時間域では旧オーステナイト粒界近傍で組織回復が優先的に進行する不均一回復が挙げられている。
近年、地球環境保護のためにCO2排出量の削減が求められており、それに応えるべく火力発電ボイラにおいても更なる高温高圧化が求められている。そして、ボイラのより一層の高温高圧運転を実現するために、さらに高強度のマルテンサイト系材料の開発が求められる。
従来のマルテンサイト系耐熱鋼は、固溶強化と析出強化によって極限まで高強度化されてきた。マルテンサイト系耐熱鋼の変形の担い手は転位であり、固溶強化および析出強化は、いずれも転位の運動を阻止することによる強化である。
固溶強化元素の代表として、MoおよびWが挙げられる。しかし、固溶強化の効果を大きくするためにこれらの元素の含有量を増加させていくと、固溶限を超える量の元素は析出してしまう。したがって、固溶強化のみによる強化には限界がある。
析出強化という観点でみると、従来鋼は、M236型炭化物、MX型炭窒化物(Mは金属元素、XはCおよびN)に代表される炭窒化物と、Laves相に代表される金属間化合物により強化されている。一般に、析出物の粒子間隔を小さくすればするほど、強度は高くなる。なお、と粒子直径および粒子の体積分率の間には、下記の関係がある。この体積分率とは、合金全体に占める粒子の体積%である。したがって、細かい粒子を大量に分散させれば、材料は強化される。
Figure 0004779632
析出強化を従来以上に有効に活用する目的で、下記のように種々の発明が提案されている。
特許文献1(特開2002−226946号公報)には、炭窒化物の粗大化を抑制するためにBを有効に活用する目的で、Nを0.005%未満に制限した鋼が開示されている。
特許文献2(特許第3118566号公報)には、炭化物による強化に頼らない新たな材料として、炭素無添加のマルテンサイト系鉄基耐熱合金が開示されている。この鉄基耐熱合金は、Moまたは/およびWを多量に添加し、高温まで微細で安定な金属間化合物(Laves、μ、σなど)をマルテンサイト母相、ラス界面および旧オーステナイト粒界に析出させ、高温クリープ強度を向上させている。
特開2002−226946号公報 特許第3118566号公報
しかし、析出物の種類や組成を変化させても、高温において数千時間から数万時間も使用すると、析出物は粗大化する。析出物の粗大化速度(オストワルド成長速度)は、高温になればなるほど大きくなる。耐熱鋼を強化するM236型炭化物、MX型炭窒化物、Laves相などの成長速度は、600℃程度の高温になると顕著に大きくなる。従って、600℃程度の高温では、これまでに強化に用いてきた炭窒化物や金属間化合物による、さらなる強化は困難である。
本発明は、高温長時間クリープ強度に優れたマルテンサイト系耐熱合金を提供することを目的とする。
上記のとおり、固溶強化にも析出強化にもそれぞれ限界があって、これらの強化法によって、耐熱材料をより一層強化することは難しい。しかし、これまでに知られている析出物よりも微細で、しかも粗大化しない粒子を大量に分散させることができれば、飛躍的に高強度化することが可能であると考えられる。その手法として下記の(1)および(2)がある。
(1) ODS合金(酸化物分散強化合金)
(2) GPゾーンに代表されるクラスターの活用
上記(1)のODS合金については、高強度化が可能であることが知られているが、工業的に安価に、かつ安定的に製造できる溶解法による大型部材の製造方法の確立には、技術的障壁が極めて大きい。
上記(2)のクラスターについて述べれば、本発明の合金のような組成を有する合金においては、最初にマトリックスと同じ構造の核(GPゾーン)が生成し、その後、クラスターと呼ばれる熱力学的に準安定な相が形成され、最終的には熱力学的に安定な析出物へと変化していく。低温域では熱力学的安定状態への移行に時間を要するため、場合によっては材料特性の改善に寄与する可能性がある。しかし、高温域では短時間で容易に平衡相(析出物)に変化していくと考えられる。したがって、クラスターにより長時間クリープ強度を向上させることは難しいと考えられる。
上記(1)および(2)の手法にはいずれも難点がある。そこで、析出物に頼らない強化方法の探索を目的に、炭窒化物および金属間化合物の析出を抑制したモデル合金を用いて基礎検討を行った。モデル合金は、Crが10.5%、Moが1%、Wが0.5%、Coが1%で残部がFeからなり、Cが0.003%以下、Nが0.003%以下の合金である。なお、ここでは合金成分の含有量に関する%は「質量%」を意味する。
マルテンサイトは、高温に保持すると徐々に転位密度が低下して軟化していく。これを組織回復という。合金のクリープ特性を推察するうえでは組織回復過程を掌握することが重要であるため、1100℃で焼ならし後、500℃〜650℃において100時間までの時効を行い、組織回復過程を硬さで評価した。その結果、500℃における時効後は硬さの上昇がみられた。通常、析出物フリーの合金において時効処理によって硬さが上昇することは考えられない。そこで、電子顕微鏡を用いて組織を詳細に調査した。
図1は、1100℃で焼ならし後、500℃で100時間の熱処理を施したモデル合金の電子顕微鏡組織の一例である。図1の(a)の電子顕微鏡の明視野像ではツイード状の規則的で微細な変調構造が確認され、(b)の電子線回折図形にはサテライトが観察され、変調構造の形成が確認された。
上記の変調構造とは、規則的、かつ微細な「ゆらぎ」を示す組織であり、スピノーダル分解によって生じる組織に代表される「濃度ゆらぎ」から濃度振幅が一定の二相(母相とα’相)に分かれるまでの過程で現れる構造である。
変調構造は、一般的には、500℃以下の低温で生じる現象であり、ステンレス鋼では靭性を著しく低下させる475脆性の原因として知られている。通常、鉄鋼材料においては475脆性(即ち、変調構造による脆性)を生じさせないようにする努力が払われており、鉄鋼構造材料に変調構造が積極的に活用された例はない。
しかしながら、変調構造は、熱力学的に準安定な相であるクラスターとは異なり、熱力学的に平衡であり、粗大化が著しく遅い可能性があること、および転位の運動(拡張、すべり、上昇)に対して、通常の機構と異なる強力な障害になる可能性がある。従って、575℃以上の高温域で使用する合金において、その温度域での使用中や、その温度域への昇温過程といった使用過程で変調構造を生じさせれば、クリープ強度を大きく向上させることが可能であると考えられる。
従来、マルテンサイト系耐熱鋼の分野において、変調構造を積極的に利用することについての研究結果はほとんどみられない。逆に、特許文献3(特開平6−65689号公報)には、MoまたはWを多量に添加すると、二相分離・スピノーダル分解を引き起こしてクリープ強度を低下させると記載され、スピノーダル分解を忌避する思想が示されている。
特開平6−65689号公報
先に述べた基礎検討において、通常Crを18%程度含有するフェライトステンレス鋼でみられる変調構造が、10%Cr程度の材料で観察されたことは、極めて画期的である。この現象の要因の一つは、CおよびNの含有量の制限によって、従来の耐熱鋼では不可避であった析出物の生成を抑制したことにあると考えられる。そして、高温域で安定な変調構造を形成できれば、高温・長時間クリープ強度に著しく優れた新材料の創出が可能であると考えられる。
前述のモデル合金において500℃で変調構造を生じた場合、硬さが上昇した例をみても明らかなように、変調構造は、転位の運動の大きな障害になると考えられ、従って、強化に寄与すると考えられる。しかしながら、変調構造を活用した耐熱合金開発には下記の二つの課題が残る。
(a)変調構造に伴う靭性の低下を抑制すること。
(b)575℃以上の高温域で使用する合金において、その温度域での使用中や、その温度域への昇温過程といった使用過程で変調構造を生じさせること。
これまで、変調構造が生じたために靭性の低下が顕著になっていたのは、フェライトステンレス鋼である。そこで、まず母相をフェライトではなく、微細なマルテンサイトにすることにより大幅な靭性の改善が可能であると考えられる。
マルテンサイト組織の鋼であっても、例えばPH17−4ステンレス鋼では、変調構造の出現により靭性が低下する。その理由としては、下記の(1)および(2)が考えられる。
(1)母相が微細に析出したCuにより硬化している。
(2)変調構造を生じさせるための時効温度が400℃と低いことに起因して、変調構造の形成による硬さの上昇が非常に大きい。
本発明では後述のように変調構造形成のため、CおよびNの含有量の上限を抑えて、炭化物、金属間化合物等の析出を抑制しているが、上記(1)に対処すべく、さらにCuも含めた析出をも抑制することとした。また、本発明合金の使用温度は575℃以上であるため、400℃において生じるような著しい硬化は見られないと考えられ、靭性の低下は抑制できると考えられる。以上の考えに基づいて種々の検討を行った。
マルテンサイト組織とするためには、まず1000〜1200℃における焼ならしの際にオーステナイト組織になる必要がある。即ち、焼ならし時にγループ内に入るような合金設計が必須である。言い換えれば、γループを広げるオーステナイト形成元素を含有し、変調構造を生じる合金設計が求められる。
γループを広げる元素として、最も有効な元素はCおよびNである。しかしながら、CおよびNは、変調構造を構成する基本元素であるCrと炭窒化物を形成し、高温域(500℃以上)における変調構造の形成を妨げるので、活用が難しい。そこで、CおよびN以外のオーステナイト形成元素である、Ni、CuおよびCoの活用を検討した。
Niはオーステナイト化に寄与するが、Ms点およびAc1変態点を大きく下げるため、含有させられる量には限界がある。Cuもオーステナイト化には寄与するが、前述のPH17−4ステンレス鋼におけると同様に、微細に析出して靭性低下を助長する。従って、その許容含有量にも限界がある。
Coは、Ms点およびAc1変態点を下げない元素である。また、上記のCuのように脆化を誘発することもない。そこで、本発明では、Coを含有させることにより、マルテンサイト化を促進することとした。
次に、従来母相が変調構造を持つことが知られるCrが18%の鋼と比較してCrを大幅に減らした鋼において、575℃以上の使用環境で変調構造を有するに到る合金成分を見出すため、各種合金を作製し、種々の温度で熱処理した材料の組織の電子顕微鏡観察を行い、変調構造の形成について調査した。その結果、以下の点が明らかになった。
(A) CとNの含有量を抑制して、即ち、Crが炭窒化物窒化物としての析出するのを抑制して、Moまたは/およびWとCoを含有させることにより、525℃前後の低温域で変調構造が形成される。但し、金属間化合物の析出量は、できるだけ少なくする必要がある。
(B) B(硼素)を含有させることにより、高温まで変調構造が安定になる。通常の耐熱鋼においてもBの効果は必ずしも明確になっていないが、Cr、Moまたは/およびW、Coなどと相互作用していると推定される。
(C) Nbまたは/およびVを含有させることにより、高温まで変調構造が安定になる。通常、炭窒化物を形成して析出するNbまたは/およびVが、CおよびNの含有量を抑制することによって炭窒化物を形成せずに固溶したままであることが、何らかの熱力学的に好ましい影響を与えていると推定される。
上記(A)〜(C)の知見を生かすことによって575℃以上の使用環境において、変調構造が形成されることが明らかになった。
本発明は、以上の知見を基礎としてなされたもので、その要旨は下記のマルテンサイト系鉄基耐熱合金にある。
(1)質量%で、Cr:8〜16%、Co:1〜18%、Si:0.01〜1%、Mn:0.01〜3%、B:0.0005〜0.03%、sol.Al:0.001〜0.1%、Cu:0〜0.5%を含有し、さらにMo:2%以下とW:5%以下のいずれか一方または両方を下記の(1)式を満たす範囲で含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物のうちのCが0.05%以下、Nが0.01%以下、Pが0.05%以下、Sが0.02%以下である合金であって、575℃以上の温度域での使用過程で変調構造を有するに到ることを特徴とするマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
Mo+(1/2)W≧0.5% ・・・(1)
ただし、上記(1)式のMoおよびWは、それぞれの含有量(質量%)を示す。
(2)Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.005〜0.1%およびV:0.05〜0.5%のいずれか一方または両方を含有することを特徴とする上記(1)のマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
(3)Feの一部に代えて、質量%で、Ni:0.05〜3%を含有することを特徴とする上記(1)または(2)のマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
(4)Feの一部に代えて、質量%で、Ta:0.005〜0.1%、Hf:0.005〜0.1%、Ti:0.001〜0.05%およびREM:0.005〜0.1%の中から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)から(3)までのいずれかのマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
(5)Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.001〜0.02%およびMg:0.001〜0.02%のいずれか一方または両方を含有することを特徴とする上記(1)から(4)までのいずれかのマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
ここで「変調構造を有するに到る」というのは、合金の全体が変調構造になることだけでなく、合金の一部に変調構造が生じることをも意味する。
本発明の合金は、575〜650℃の高温下における長時間クリープ強度に優れた耐熱合金である。この合金は、火力発電、原子力発電や化学工業等の分野で用いられる熱交換用鋼管、圧力容器用鋼板、タービン用材料として使用したときに優れた効果を発揮する。
1.変調構造について
図2は、表1に示す化学組成の4種の鋼を用いて、650℃、69MPaでのクリープ速度(Creep Rate)を調査した結果である。表1の鋼aはCoを含有せず、M236およびMXも存在しないフェライト母相を有する鉄基合金である。鋼bはマルテンサイト母相にM236が分散したもの、鋼cは同じくマルテンサイト母相にM236とMX型炭窒化物が分散したもの(ASME P91相当鋼)、鋼dは母相がマルテンサイトでM236もMX型炭窒化物も実質的に存在しない本発明の鋼である。
Figure 0004779632
図2に示すとおり、鋼a、bおよびcでは、いずれも1000時間付近からクリープ速度の急激な上昇が見られる。この現象は次のように説明できる。即ち、鋼aでは、強化因子がないので、短時間で加速クリープが発現し、早期に破断する。鋼bおよび鋼cでは、M236やMX型炭窒化物がこの時間帯で凝集・粗大化して強度が低下し、クリープ速度が大きくなるのである。これに対して、鋼dでは、1000時間を超えてもなおクリープ速度は小さくなっており、6000時間付近からようやく増大に転じている。長時間経過後にもクリープ速度の増大がないということは、長時間クリープ特性が優れているということである。このような極めて意外な現象がもたらされるのは、鋼dには変調構造が生じているからである。
2.合金の母相組織について
本発明合金の母相の主たる組織はマルテンサイトである。母相の主たる組織をマルテンサイトとする理由は、先に説明したとおりである。なお、「主たる組織がマルテンサイトである」というのは、マルテンサイトが面積率で95%以上であることを意味する。マルテンサイトの他に合計面積率で5%未満のフェライトが存在してもよい。本発明合金には炭化物、窒化物、炭窒化物および金属間化合物のような強化相を積極的に含有させる必要はなく、むしろ抑制する方がよい。前記のように、これらは変調構造生成の障害になるからである。
3.合金の化学組成について
以下、本発明合金の化学組成の選定理由を各成分の作用効果とともに説明する。なお、成分含有量に関する%は、質量%を意味する。
Cr:8〜16%
Crは変調構造の形成に欠かせない元素で、高温強度確保のために必須である。また、耐水蒸気酸化特性の向上にも寄与する。8%未満では、575℃以上の高温での使用過程で変調構造が生成しにくくなる。しかし、その含有量が16%を超えるとマルテンサイト組織の形成が難しくなり、強度と靭性の両立が困難になる。従って、Cr含有量は8〜16%が適正である。さらに望ましいのは10〜15%である。
Co:1〜18%
CoはAc1変態点及びMs点を大きく低下させないオーステナイト形成元素であり、変調構造の形成の上でも必須である。必要な含有量は、Cr含有量によっても変化するが、Crが8%の場合でも1%以上は必要である。一方、Coが18%を超えるとクリープ強度の低下がみられる。従って、Coの適正な含有量は1〜18%である。
Si:0.01〜1%
Siは脱酸元素として添加され、また耐水蒸気酸化性能を高めるためにも有効な元素である。含有量の下限は、耐水蒸気酸化性改善の効果が現れる0.01%とした。一方、1%を超える含有量ではクリープ強度の低下が著しいので、上限を1%とした。特に耐水蒸気酸化性を重視する場合にはSi含有量の下限を0.15%とするのが望ましい。
Mn:0.01〜3%
Mnは、脱酸剤として、またオーステナイト安定化元素としても寄与する。さらに、MnSを形成してSを固定する。それらの効果を得るためには0.01%以上必要であるが、3%を超えるとクリープ強度の低下を招く。従って、0.01〜3%が適正含有量である。
B:0.0005〜0.03%
Bは変調構造を高温まで安定にするのに有効である。また、焼入れ性を高め、高温強度の確保に重要な役割を果たす。その効果は0.0005%以上で顕著となるが0.03%を超えると溶接性を損ない、長時間クリープ強度を低下させる。従って、Bの適正含有量は、0.0005〜0.03%である。
sol.Al:0.001〜0.1%
Alは、溶鋼の脱酸剤として用いる。その効果を得るためにはsol.Alとして0.001%以上含有されている必要があるが、0.1%を超えて多量に含有させるとクリープ強度の低下を招く。従って、sol.Alとしての適正含有量は0.001〜0.1%である。
Cu:0〜0.5%
Cuは、オーステナイト安定化元素として寄与するため、必要に応じて含有させる。その効果を得るため、含有させる場合には0.05%以上とするとするのが望ましい。但し、Cuは、多量に含まれると微細に析出して靭性低下を助長するので、含有させる場合でも0.5%以下とする。
Mo:2%以下、W:5%以下、Mo+(1/2)W≧ 0.5%
MoまたはWは、変調構造形成のため必須である。また固溶強化元素として強度に寄与する。MoとWはよく似た特性を持つため、どちらか一方を単独で含有させてもよく、両方を複合で含有させてもよい。上記の効果を得るためには、Mo+(1/2)Wで0.5%以上必要である。Moまたは/およびWを過剰に含有させると、粗大なLaves相が大量に析出して、変調構造が形成されなくなるとともにクリープ強度を低下させるため、上限をMoは2%、Wは5%とした。特に靭性を重視する場合には、Moは1.5%以下、Wは3%以下であることが望ましい。
上記以外に不純物であるC、N、PおよびSを下記のように規制することも必須である。
C:0.05%以下、N:0.01%以下
本発明合金は、Crの濃度ゆらぎに起因する変調構造を利用してクリープ強度を確保するものである。CおよびNは、Crと炭化物、窒化物または/および炭窒化物を形成し、特に高温域において変調構造の形成を抑制するので、これらの含有量は少ない方がよい。但し、Cは0.05%以下、Nは0.01%以下の含有であれば、特性に与える影響が小さい。特に靭性を重視する場合には、Cは0.03%以下、Nは0.008%以下とするのが望ましい。更に望ましいのはCが0.01%以下、Nが0.005%以下である。
P:0.05%以下、S:0.02%以下
不純物であるPおよびSは、熱間加工性、溶接性、クリープ強度などに悪影響を及ぼすので、その含有量は低い方が望ましい。但し、極端な鋼の清浄化は大きな製造コストの増大を招くため、許容上限をPでは0.05%、Sでは0.02%とした。
以下に述べる元素は、必要に応じて添加される成分である。
Nb:0.005〜0.1%、V:0.05〜0.5%
NbおよびVは、通常のマルテンサイト系耐熱鋼ではMX型炭窒化物を形成し、クリープ強度に寄与する。しかし、本発明合金では、CおよびNの含有量を抑制しているため、NbおよびVの大部分が母相中に固溶している。
NbおよびVは、変調構造を安定にする元素で、合金の使用温度である575℃以上の高温域まで変調構造を保持する上で有効である。その効果を得るためには、Nbは0.005%以上、Vは0.05%以上必要である。一方、Nbは0.1%、Vは0.5%を超えると、δフェライトが生成してクリープ強度および靭性が低下する。従って、含有量をNbでは0.005〜0.1%、Vでは0.05〜0.5%とした。これらは一方だけの含有でもよく、両方を併せて含有してもよい。
Ni:0.05〜3%
Niは、オーステナイト安定化元素として寄与するため、必要に応じて含有させる。その効果を得るため、含有させる場合には0.05%以上とする。但し、Ni含有量が3%を超えるとMs点およびAc1変態点を大きく下げるため、含有量させる場合は3%以下とする。
Ta:0.005〜0.1%、Hf:0.005〜0.1%、Ti:0.001〜0.05%、REM:0.005〜0.1%
これらの元素はNbおよびVと同様、変調構造を安定にする元素であり、必要に応じて含有させることができる。上記の効果を得るためには、Ta、HfおよびREMはそれぞれ0.005%以上、Tiは0.001%以上の含有が必要である。一方、Ta、HfおよびREMは、それぞれ0.1%、Tiは0.05%を超えると、合金のクリープ強度が低下するため、含有させる場合にはTa、HfおよびREMはそれぞれ0.005〜0.1%、Tiは0.001〜0.05%とするのがよい。なお、REMは、Yを含めた希土類元素の総称である。
Ca:0.001〜0.02%、Mg:0.001〜0.02%
CaおよびMgは、極微量の含有量でも結晶粒界を強化させてクリープ強度を向上させるとともに、熱間加工性の向上にも寄与する。従って、必要に応じて一方または両方を含有されてもよい。しかし、過剰に含有させるとかえって熱間加工性が低下する。そのため、これらの元素を含有させる場合には、それぞれ0.001〜0.02%とする。
4.本発明合金の製造方法について
以上に説明した化学組成を有する本発明合金は、通常工業的に用いられている製造設備により製造することができる。すなわち、本発明で規定する化学成分の合金を得るには、溶解後、AOD、VOD、LF(Ladle Furnace)などにより精錬し、脱酸および合金元素の添加によって成分調整を行えばよい。
所定の化学組成に調整された合金は、連続鋳造法または造塊法によって、スラブやビレットまたは鋼塊に鋳造され、これらから鋼管や鋼板などを製造する。鋼板を製造する場合には、スラブを熱間圧延することによって熱延鋼板とすることができる。
継目無鋼管を製造する場合には、例えばビレットを押出し製管したり、傾斜ロール式のピアサで穿孔圧延して製管したり、エルハルト−プッシュベンチプロセスにより大形の鍛造管を製造したりすればよい。製管前のスラブ、ビレットまたは鋼塊に熱間加工を施す場合もある。また、製管の前後で、必要に応じて1200℃以上の高温でソーキングを施す場合もある。製管後、冷間加工を行って寸法を整える場合もある。
管や板などに成形された後は、1000℃〜1200℃で保持した後、空冷する焼ならし処理、または水冷する焼入れ処理を行う。本発明鋼には、CおよびNを含む通常のマルテンサイト鋼に対して通常実施される750℃前後での高温焼戻しを施さない。上記の焼ならしまたは焼入れのままで使用され、575℃以上での使用中や、その温度域への昇温といった使用過程で変調組織が形成されてクリープ特性が著しく優れたものになる。鋼板も、鋼管の場合と同様に、適宜上記の熱処理を施す。
ここで、575℃以上の使用過程で変調構造を有するに到るとしたのは、本発明合金では、変調構造は500℃以上の温度域で形成されるが、本発明合金の使用温度が575℃以上であるためである。また、使用温度の上限は設けないが、650℃を超えると変調構造の形成が困難になるため、上限を650℃とするのが好ましい。より好ましいのは575〜630℃である。なお、「575℃以上の温度域での使用過程で」とは、575℃以上の温度域で長時間使用する場合だけでなく、昇温過程でその温度域を通過する場合も含む。
真空誘導溶解炉にて表2に示す化学組成を有する鋼を溶製し、各直径144mmの50kgインゴットとした。マークA〜Mが本発明合金、マーク1〜10が比較合金である。
これらのインゴットを熱間鍛造し、熱間圧延して20mm厚の板とした。次いで1050℃以上の温度で1時間保持した後、空冷(AC)した。
熱処理後の試験片から、クリープ破断試験片およびシャルピー衝撃試験片を採取し、下記の条件で試験を行った。さらに、試験後のクリープ破断試験片の電子顕微鏡観察により、変調構造形成の有無を調査した。表3に本発明材および比較材の試験結果を示す。
1.変調構造の生成の調査
試験後のクリープ破断試験片から、厚さ0.08mmの薄片を採取し、電解研磨により電子顕微鏡の薄膜試料を作製した。薄膜試料を電子顕微鏡の明視野15〜20万倍にて観察し、ツイード状の規則的で微細な変調組織が確認されるか、または電子線回折図形にサテライトが観察されるかを調査し、変調構造生成の有無を判断した。
2.クリープ破断試験の条件
試験片・・・直径:6.0mm、標点間距離:30mm
試験温度・・・615℃
負荷応力・・・170MPa
試験項目・・・破断時間(h)
3.シャルピー衝撃試験の条件
試験片・・・・10mm×10mm×55mm、2mmVノッチ
試験温度・・・0℃
試験項目・・・衝撃値(J/cm2)
以上の試験結果を表3に示す。
Figure 0004779632
Figure 0004779632
表3に示すとおり、本発明合金では、615℃におけるクリープ試験後、変調構造が確認された。また、同表に示すとおり、クリープ破断時間は2500時間以上と、規格鋼であるASME-P91(表2のマーク1)およびP92(表2のマーク2)の鋼と比較して大幅に良好であり、衝撃値も問題のないレベルである。
一方、比較合金のうちマーク4および8を除く材料では、高温域での変調構造が確認できず、本発明合金と比較してクリープ強度も低位である。変調構造は確認できるが、合金成分の含有量が本発明で規定する範囲を満たさないマーク4および8はクリープ強度または靭性が本発明合金と比較して低位である。
図3に、上記のクリープ破断試験条件で行った本発明合金(マークA)と規格鋼であるASME-P91(マーク1)のクリープ曲線(時間−クリープ歪)を示す。この図から、本発明合金は優れた長時間クリープ特性を有していることがわかる。
本発明の合金の615℃におけるクリープ強度は、既存のASME-P91およびP92の鋼を大幅に上回り、靭性はこれら既存鋼と同等である。このように、本発明によれば575〜650℃の高温下における長時間クリープ強度に優れた耐熱合金が得られ、火力発電、原子力発電や化学工業等の分野で用いられる熱交換用鋼管、圧力容器用鋼板、タービン用材料として使用したときに優れた効果を発揮する。本発明は、超高圧・高温ボイラの実用化に寄与する産業上極めて有益な発明である。
モデル合金の組織観察結果の一例を示す図である。 各種の鋼の650℃、69MPaでの経過時間とクリープ速度との関係を示す図である。 本発明合金(マークA)と規格鋼であるASME-P91(マーク1)のクリープ曲線である。

Claims (5)

  1. 質量%で、Cr: 8〜16%、Co:1〜18%、Si:0.01〜1%、Mn:0.01〜3%、B:0.0005〜0.03%、sol.Al:0.001〜0.1%、Cu:0〜0.5%を含有し、さらにMo:2%以下とW:5%以下のいずれか一方または両方を下記の(1)式を満たす範囲で含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物のうちのCが0.05%以下、Nが0.01%以下、Pが0.05%以下、Sが0.02%以下である合金であって、575℃以上の温度域での使用過程で変調構造を有するに到ることを特徴とするマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
    Mo+(1/2)W≧0.5% ・・・(1)
    ただし、上記(1)式のMoおよびWは、それぞれの含有量(質量%)を示す。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.005〜0.1%およびV:0.05〜0.5%のいずれか一方または両方を含有することを特徴とする請求項1に記載のマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
  3. Feの一部に代えて、質量%で、Ni:0.05〜3%を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
  4. Feの一部に代えて、質量%で、Ta:0.005〜0.1%、Hf:0.005〜0.1%、Ti:0.001〜0.05%およびREM:0.005〜0.1%の中から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
  5. Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.001〜0.02%およびMg:0.001〜0.02%のいずれか一方または両方を含有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載のマルテンサイト系鉄基耐熱合金。
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