JP4779296B2 - 有機薄膜集積回路の製造方法、及び、電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents

有機薄膜集積回路の製造方法、及び、電界効果型トランジスタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機薄膜集積回路の製造方法、及び、電界効果型トランジスタの製造方法に関する。
従来のシリコン半導体基板等から半導体装置を製造する場合、フォトリソグラフィ技術や各種の薄膜形成技術が用いられている。ところが、これらの生産技術は複雑であり、半導体装置の製造に長時間を必要とし、半導体装置の製造コストの低減に対する大きな障害となっている。また、従来の半導体装置は所謂バルクであり、可撓性や柔軟性が要求される分野への応用が困難である。更には、ムーアの法則に象徴されるように、高速化(集積)の限界が見えつつある。
このような従来のシリコン半導体基板等に基づく半導体装置に代わる電子素子、例えば、電界効果型トランジスタ(FET)として、導電性高分子材料を用いた素子の研究、開発が鋭意進められており、柔軟、且つ、安価なプラスチック・エレクトロニクスという新しい分野が拓かれつつある。
チャネル形成領域が有機半導体層から構成された所謂有機電界効果型トランジスタが、例えば、特開平10−270712や特開2000−269515から周知である。
従来の有機電界効果型トランジスタ(有機TFT)の製造方法の一例の概要を、以下、図7の(A)〜(C)及び図8の(A)〜(C)を参照して説明する。
[工程−10A]
先ず、支持体10上に設けられた基体11上にゲート電極12を形成した後、基体11及びゲート電極12上にゲート絶縁膜13を形成する。次いで、ゲート絶縁膜13上にソース/ドレイン電極14を形成する。こうして、図7の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−20A]
その後、全面に有機半導体薄膜115を形成する(図7の(B)参照)。有機半導体薄膜115をペンタセンから構成する場合、真空蒸着法にて有機半導体薄膜115を形成することができる。
[工程−30A]
次いで、有機半導体薄膜115をパターニングするために、有機半導体薄膜115上にレジスト層131を形成する(図7の(C)参照)。ポリビニルアルコール(PVA)から成るレジスト層131を、例えば、スピンコーティング法にて形成することができる。次いで、リソグラフィ技術に基づきレジスト層131をパターニングする(図8の(A)参照)。具体的には、PVAから成るレジスト層131の露光には紫外線を用いればよいし、レジスト層131の現像には純水を用いればよい。
[工程−40A]
そして、このパターニングされたレジスト層131をエッチング用マスクとして、酸素プラズマを用いたアッシング処理によって有機半導体薄膜115をパターニングすることで、ソース/ドレイン電極14の間のゲート絶縁膜13の部分、及び、ソース/ドレイン電極14の上に有機半導体薄膜115を残し、以て、有機半導体薄膜115から成るチャネル形成領域116を形成する(図8の(B)参照)。
[工程−50A]
その後、有機溶剤あるいは水系溶剤にレジスト層131を浸漬することで、レジスト層131を除去する。こうして、図8の(C)に示す有機電界効果型トランジスタ(有機TFT)を得ることができる。
あるいは又、図9の(A)及び(B)を参照して以下に説明する製造方法で、有機電界効果型トランジスタ(有機TFT)を製造することもできる。
[工程−10B]
先ず、支持体10上に設けられた基体11上にゲート電極12を形成した後、基体11及びゲート電極12上にゲート絶縁膜13を形成する。次いで、ゲート絶縁膜13上にソース/ドレイン電極14を形成する。こうして、図7の(A)に示したと同様の構造を得ることができる。
[工程−20B]
次いで、形成すべき有機半導体薄膜のパターンを転写したマスク133を、基体の有機半導体薄膜を形成すべき領域(具体的にはチャネル形成領域を形成すべき部分)の上方に機械的に固定する(図9の(A)参照)。尚、マスク133は、金属板やシリコン半導体基板等に貫通孔133Aを形成することで製造することができる。
[工程−30B]
そして、例えば真空蒸着法に基づき、マスク133を介してゲート絶縁膜13及びソース/ドレイン電極14上に有機薄膜材料を成膜して有機半導体薄膜215を形成した後(図9の(B)参照)、マスク133を取り去る。
特開平10−270712 特開2000−269515
しかしながら、上記の[工程−30A]において、有機半導体薄膜115上にレジスト層131を形成したとき、レジスト層131を構成するレジスト材料に含まれる溶剤である有機溶剤や水によって有機半導体薄膜115が劣化してしまう。また、レジスト層131を感光させるために照射する紫外線が有機半導体薄膜115に到達して、有機半導体薄膜115を劣化させてしまう。更には、上記の[工程−50A]において、レジスト層131の除去のために有機溶剤あるいは水系溶剤にレジスト層131を浸漬するが、これによっても有機半導体薄膜115が劣化してしまう。
また、[工程−20B]においてマスク133を機械的に固定するが、有機薄膜材料を蒸着する前や蒸着中の振動によって、マスク133に位置ずれが生じ易い。そのため、パターン設計上、位置ずれを見越した大きな位置合わせ余裕を確保する必要がある。それ故、パターンの集積度を高めることが難しい。また、マスク133と基体11との間に大きな間隙があると、有機薄膜材料がマスク133の下に回り込むため、得られた有機半導体薄膜215のパターンの輪郭がぼけてしまう。尚、マスク133と基体11との間の間隙を狭めるためにマスク133を基体11に機械的に接触させると、マスク133が基体等を傷付ける虞がある。更には、使用を重ねるうちに、マスク133の貫通孔内面に有機薄膜材料が付着してしまい、貫通孔の開口寸法が変化したり、貫通孔が埋まり、微細なパターンほど、精度を保つことが難しくなる。
従って、本発明の目的は、所望の形状を形成するために、レジスト材料を用いる必要が無く、且つ、有機薄膜材料等を通過させるためのマスクを用いる必要も無い、有機薄膜集積回路の製造方法、及び、電界効果型トランジスタの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の有機薄膜集積回路の製造方法は、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜にエネルギー線を照射することで、エネルギー線に照射された該有機薄膜の部分を除去することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、所謂ボトムゲート型であってボトムコンタクト型の薄膜トランジスタの製造方法であり、
(A)基体上にゲート電極を形成する工程、
(B)基体及びゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程、
(C)ゲート絶縁膜上にソース/ドレイン電極を形成する工程、及び、
(D)全面に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜にエネルギー線を照射することでエネルギー線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、ソース/ドレイン電極間のゲート絶縁膜の部分、及び、ソース/ドレイン電極上に有機半導体薄膜を残し、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、
を具備すること特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、所謂ボトムゲート型であってトップコンタクト型の薄膜トランジスタの製造方法であり、
(A)基体上にゲート電極を形成する工程、
(B)基体及びゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程、
(C)全面に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜にエネルギー線を照射することでエネルギー線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、及び、
(D)有機半導体薄膜上にソース/ドレイン電極を形成する工程、
を具備することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、所謂トップゲート型であってトップコンタクト型の薄膜トランジスタの製造方法であり、
(A)基体上に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜にエネルギー線を照射することでエネルギー線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、
(B)有機半導体薄膜上にソース/ドレイン電極を形成する工程、
(C)全面にゲート絶縁膜を形成する工程、及び、
(D)ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
を具備することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法は、所謂トップゲート型であってボトムコンタクト型の薄膜トランジスタの製造方法であり、
(A)基体上にソース/ドレイン電極を形成する工程、
(B)全面に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜にエネルギー線を照射することでエネルギー線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、
(C)全面にゲート絶縁膜を形成する工程、及び、
(D)ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
を具備することを特徴とする。
本発明の有機薄膜集積回路の製造方法、あるいは、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法(以下、これらを総称して、単に本発明と呼ぶ場合がある)にあっては、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜にエネルギー線を照射することで、エネルギー線に照射された有機薄膜あるいは有機半導体薄膜の部分を除去するが、ここで、「エネルギー線を照射すること」には、例えば、エネルギー線を遮蔽するためのレジスト材料等から成るマスク層を有機薄膜あるいは有機半導体薄膜上に形成すること無く、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜にエネルギー線を照射する形態が含まれる。また、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜の部分を除去するが、この除去は、好ましくは、エネルギー線の照射のみによって行われ、その他の操作は不要である。エネルギー線に照射された有機薄膜あるいは有機半導体薄膜の部分の除去の形態として、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜を昇華させる形態、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜を分解する形態、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜を蒸発させる形態、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜を反応させる形態を例示することができる。
本発明におけるエネルギー線の照射方法として、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜の上方に配設されたエネルギー線遮蔽マスクを介してエネルギー線を一括して有機薄膜あるいは有機半導体薄膜に照射する方法、あるいは又、例えばチャネル形成領域のパターンに合わせてエネルギー線を、順次、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜に照射する方法を例示することができる。これらの方法を採用することで、エネルギー線に照射された有機薄膜あるいは有機半導体薄膜の部分を選択的に除去することができる。尚、前者の方法にあっては、エネルギー線遮蔽マスクとして、例えば、ガラス板や石英板、プラスチック・フィルム、プラスチック板、金属板等にエネルギー線を透過する領域とエネルギー線を遮蔽する領域が形成されたマスクを用いればよい。また、後者の方法として、具体的には、エネルギー線ビームを、順次、ステップ移動させながら有機薄膜あるいは有機半導体薄膜に照射する方法(より具体的には、基体を載置したステージが所定の距離の移動と停止を繰り返し、所謂ラスタ走査方式あるいは所謂ベクタ走査方式と組み合わせて2次元的走査によってエネルギー線ビームを有機薄膜あるいは有機半導体薄膜に照射する方法)を挙げることができる。エネルギー線として、レーザを含む紫外線、レーザを含む可視光線、電子線、X線といった、広くは電磁波を挙げることができる。
尚、本発明の第1の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法にあっては前記工程(D)において、本発明の第2の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法にあっては前記工程(C)において、本発明の第3の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法にあっては前記工程(A)において、本発明の第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法にあっては前記工程(B)において、あるいは又、本発明の有機薄膜集積回路の製造方法においては、有機半導体薄膜あるいは有機薄膜に、エネルギー線として紫外線を照射することで、昇華によって紫外線に照射された有機半導体薄膜あるいは有機薄膜の部分を除去することが好ましい。そして、これらの構成を含む本発明にあっては、有機半導体薄膜あるいは有機薄膜を構成する材料として、ペンタセン、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、コロネン、ベンゾピレン、トリフェニレンを挙げることができる。
有機半導体薄膜あるいは有機薄膜の形成方法として、有機半導体薄膜あるいは有機薄膜を構成する材料にも依るが、真空蒸着法に例示される物理的気相成長法(PVD法);各種の化学的気相成長法(CVD法);スピンコート法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;ナノインプリント法、浸漬法といった各種コーティング法;及びスプレー法の内のいずれかを挙げることができる。
また、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法において、ゲート電極やソース/ドレイン電極を構成する材料として、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、銅(Cu)、インジウム(In)、錫(Sn)等の金属、あるいは、これらの金属元素を含む合金、これらの金属から成る導電性粒子、これらの金属を含む合金の導電性粒子を挙げることができるし、これらの元素を含む層の積層構造とすることもできる。更には、ゲート電極やソース/ドレイン電極を構成する材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸[PEDOT/PSS]といった有機材料を挙げることもできる。ゲート電極やソース/ドレイン電極、配線の形成方法として、これらの電極を構成する材料にも依るが、真空蒸着法やスパッタリング法に例示されるPVD法とエッチング技術との組合せ;各種のCVD法とエッチング技術との組合せ;スピンコート法とエッチング技術との組合せ;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;上述した各種コーティング法とエッチング技術との組合せ;リフトオフ法;シャドウマスク法;及びスプレー法とエッチング技術との組合せを挙げることができる。
ゲート絶縁膜を構成する材料として、SiO2、SiN、スピン・オン・グラス(SOG)、金属酸化物高誘電絶縁膜にて例示される無機系絶縁材料だけでなく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリビニルフェノール(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)にて例示される有機系絶縁材料を挙げることができるし、これらの組み合わせを用いることもできる。ゲート絶縁膜の形成方法として、真空蒸着法やスパッタリング法に例示されるPVD法;各種のCVD法;スピンコート法;スクリーン印刷法やインクジェット印刷法といった印刷法;上述した各種コーティング法;浸漬法;キャスティング法;及びスプレー法の内のいずれかを挙げることができる。また、場合によっては、ゲート電極の表面を酸化あるいは窒化することによって形成することもできる。ゲート電極の表面を酸化する方法として、ゲート電極を構成する材料にも依るが、O2プラズマを用いた酸化法、陽極酸化法を例示することができる。また、ゲート電極の表面を窒化する方法として、ゲート電極を構成する材料にも依るが、N2プラズマを用いた窒化法を例示することができる。あるいは又、例えば、Auから成るゲート電極に対しては、一端をメルカプト基で修飾された直鎖状炭化水素のように、ゲート電極と化学的に結合を形成し得る官能基を有する絶縁性分子によって、浸漬法等の方法で自己組織的にゲート電極表面を被覆することで、ゲート電極の表面にゲート絶縁膜を形成することもできる。
また、基体として、各種ガラス基板や、表面に絶縁層が形成された各種ガラス基板、石英基板、表面に絶縁層が形成された石英基板、表面に絶縁層が形成されたシリコン基板を挙げることができる。更には、基体として、ポリエーテルスルホン(PES)やポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)に例示される高分子材料から構成されたプラスチック・フィルムやプラスチック・シート、プラスチック基板を挙げることができ、このような可撓性を有する高分子材料から構成された基体を使用すれば、例えば曲面形状を有するディスプレイ装置や電子機器への電界効果型トランジスタの組込みあるいは一体化が可能となる。
本発明の有機薄膜集積回路の製造方法においては、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜にエネルギー線を照射することで、エネルギー線に照射された有機薄膜の部分を除去する。また、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る電界効果型トランジスタの製造方法においては、有機半導体薄膜にエネルギー線を照射することで、エネルギー線に照射された有機半導体薄膜の部分を除去する。従って、有機半導体薄膜や有機薄膜の選択的な除去、あるいは又、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域の形成にあっては、エネルギー線を遮蔽するためのレジスト材料から成るマスク層を有機半導体薄膜や有機薄膜上に形成する必要が全く無い。それ故、レジスト材料から成るマスク層の形成や除去に起因した有機半導体薄膜や有機薄膜の特性劣化、あるいは又、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域の特性劣化が生じることを確実に抑制することができる。
しかも、有機半導体薄膜や有機薄膜を構成する材料を通過させるためのマスクを用いる必要も無い。たとえマスクを用いたとしても、エネルギー線を選択的に通過させるためのマスクである。それ故、基板とマスクとの間隔を十分広くとったとしても、有機薄膜材料がマスクの下に回り込むことを抑えることができる。更には、使用を重ねるうちに、マスクの貫通孔内面に有機薄膜材料が付着してしまい、貫通孔の開口寸法が変化したり、貫通孔が埋まり、微細なパターンほど、精度を保つことが難しくなるといったことも無い。
以上の結果として、少ない工程で、高密度にて有機薄膜集積回路あるいは電界効果型トランジスタを高い歩留りにて集積、製造することが可能となる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の有機薄膜集積回路の製造方法、及び、本発明の第1の態様に係る電界効果型トランジスタ(以下、FETと略称する)の製造方法に関する。ゲート電極の延びる方向と直角の仮想垂直面で実施例1のFETの製造方法によって得られたFETを切断したときの模式的な一部断面図を図3の(B)に示す。
実施例1のFETの製造方法によって得られたFETは、所謂、ボトムゲート型であり、且つ、ボトムコンタクト型のTFTであり、
(A)基体11上に形成されたゲート電極12、
(B)ゲート電極12上に形成されたゲート絶縁膜13、
(C)ゲート絶縁膜13上に形成されたソース/ドレイン電極14、並びに、
(D)ソース/ドレイン電極14の間であってゲート絶縁膜13上に形成された、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16、
を備えている。
尚、有機半導体薄膜15は、ソース/ドレイン電極14上にも延在している。また、有機半導体薄膜15をペンタセンから構成した。更には、支持体10をシリコン基板から構成し、基体11をポリエーテルスルホン(PES)から構成し、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14を金(Au)層から構成し、ゲート絶縁膜13をSiO2から構成した。
以下、支持体等の模式的な一部断面図である図1の(A)〜(D)、図2の(A)〜(C)、並びに、図3の(A)〜(B)を参照して、実施例1のFETの製造方法の概要を説明する。
[工程−100]
先ず、基体11上にゲート電極12を形成する。具体的には、シリコン基板から成る支持体10に接着されたポリエーテルスルホン(PES)から成る基体11上に、レジスト層31に基づきゲート電極形成用のパターンを形成する(図1の(A)参照)。
次いで、密着層としてのTi層、及び、オーミック電極としてのAu層を、順次、基体11及びレジスト層31上に真空蒸着法によって形成する(図1の(B)参照)。図面においては、密着層の図示を省略した。蒸着を行う際、基体11が接着されている支持体10は温度を調整することができる支持体ホルダー(図示せず)に載置されており、蒸着中の支持体温度の上昇を抑制することができるので、基体11の変形を最小限に抑えた成膜を行うことができる。
その後、リフトオフ法によりレジスト層31を除去することで、Au層から成るゲート電極12を得ることができる(図1の(C)参照)。
[工程−110]
次に、ゲート電極12上を含む基体11上にゲート絶縁膜13を形成する。具体的には、SiO2から成るゲート絶縁膜13を、スパッタリング法に基づき、ゲート電極12及び基体11上に形成する。ゲート絶縁膜13の成膜を行う際、ゲート電極12の一部をハードマスクで覆うことによって、ゲート電極の取出部(図示せず)をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。また、ゲート絶縁膜13の成膜時、基体11が接着されている支持体10は温度を調整することができる支持体ホルダー(図示せず)に載置されており、SiO2の成膜中の支持体温度の上昇を抑制することができるので、基体11の変形を最小限に抑えた成膜を行うことができる。
[工程−120]
その後、ゲート絶縁膜13上にソース/ドレイン電極14を形成する。具体的には、全面に、レジスト層32に基づきソース/ドレイン電極形成用のパターンを形成する(図1の(D)参照)。
次いで、密着層としてのTi層、及び、オーミック電極としてのAu層を、順次、ゲート絶縁膜13及びレジスト層32上に真空蒸着法によって形成する(図2の(A)参照)。図面においては、密着層の図示を省略した。蒸着を行う際、基体11が接着されている支持体10は温度を調整することができる支持体ホルダー(図示せず)に載置されており、蒸着中の支持体温度の上昇を抑制することができるので、基体11の変形を最小限に抑えた成膜を行うことができる。
その後、リフトオフ法によりレジスト層32を除去することで、Au層から成るソース/ドレイン電極14を得ることができる(図2の(B)参照)。
[工程−130]
次に、全面に有機半導体薄膜15を形成する(図2の(C)参照)。具体的には、以下の表1に例示する真空蒸着法に基づき、ペンタセンから成る有機半導体薄膜15をソース/ドレイン電極14及びゲート絶縁膜13の上に形成する。
[表1]
支持体温度:60゜C
成膜速度 :3nm/分
圧力 :5×10-4Pa
[工程−140]
その後、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することで(より具体的には、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機半導体薄膜15の部分を昇華に基づき除去することによって、ソース/ドレイン電極14間のゲート絶縁膜13の部分、及び、ソース/ドレイン電極14上に有機半導体薄膜15を残す(図3の(A)参照)。これによって、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16を得ることができる。あるいは又、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することで(より具体的には、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜15の部分を除去する。
具体的には、ゲート絶縁膜13及びソース/ドレイン電極14の上方にマスク(フォトマスク)33を配置する。このマスク33は、残すべき有機半導体薄膜15の部分には紫外線が照射されないような構造を有する。即ち、このマスク33は、紫外線透過領域と紫外線遮蔽領域を有し、昇華させるべき有機半導体薄膜15の部分の上方に紫外線透過領域が位置し、残すべき有機半導体薄膜15の部分の上方に紫外線遮蔽領域が位置する。紫外線の波長は、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜15の吸収波長にあわせて選択する。また、照射強度(照射エネルギー)及び照射時間は、下地に相当するゲート絶縁膜13やソース/ドレイン電極14が損傷を受けない範囲であって、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜15が紫外線のエネルギーを吸収して昇華するように選定する。
[工程−150]
次いで、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図3の(B)参照)。こうして、実施例1のFETを得ることができる。
実施例2は、本発明の有機薄膜集積回路の製造方法、及び、本発明の第2の態様に係るFETの製造方法に関する。ゲート電極の延びる方向と直角の仮想垂直面で実施例2のFETの製造方法によって得られたFETを切断したときの模式的な一部断面図を図4の(C)に示す。
実施例2のFETは、所謂、ボトムゲート型であり、且つ、トップコンタクト型のTFTであり、
(A)基体11上に形成されたゲート電極12、
(B)ゲート電極12上に形成されたゲート絶縁膜13、
(C)ゲート絶縁膜13上に形成された、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16、並びに、
(D)有機半導体薄膜15上に形成されたソース/ドレイン電極14、
を備えている。
実施例2のFETは、このように、ソース/ドレイン電極14及び有機半導体薄膜15の垂直方向の配置状態が実施例1のFETと逆になっているが、その他の点は実施例1のFETと同じとすることができる。それ故、実施例2のFETの詳細な説明は省略する。
以下、支持体等の模式的な一部断面図である図4の(A)〜(C)を参照して、実施例2のFETの製造方法の概要を説明する。
[工程−200]
先ず、実施例1の[工程−100]と同様にして、基体11上にゲート電極12を形成する。
[工程−210]
次に、実施例1の[工程−110]と同様にして、ゲート電極12上を含む基体11上にゲート絶縁膜13を形成する。
[工程−220]
その後、実施例1の[工程−130]と同様にして、全面に有機半導体薄膜15を形成する。具体的には、表1に例示した真空蒸着法に基づき、ペンタセンから成る有機半導体薄膜15をゲート絶縁膜13の上に形成する(図4の(A)参照)。
[工程−230]
次いで、実施例1の[工程−140]と同様にして、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することで(より具体的には、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機半導体薄膜15の部分を昇華に基づき除去することによって、有機半導体薄膜15を残し、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16を得る(図4の(B)参照)。あるいは又、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することで(より具体的には、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜15の部分を除去する。
[工程−240]
その後、有機半導体薄膜15上にAu層から成るソース/ドレイン電極14を形成する。具体的には、有機半導体薄膜15の一部及びゲート絶縁膜13をハードマスクで覆った状態で、密着層としてのTi層、及び、オーミック電極としてのAu層を、順次、有機半導体薄膜15上に真空蒸着法によって形成する。図面においては、密着層の図示を省略した。こうして、Au層から成るソース/ドレイン電極14をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−250]
次いで、実施例1の[工程−150]と同様にして、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図4の(C)参照)。こうして、実施例2のFETを得ることができる。
実施例3は、本発明の有機薄膜集積回路の製造方法、及び、本発明の第3の態様に係るFETの製造方法に関する。ゲート電極の延びる方向と直角の仮想垂直面で実施例3のFETの製造方法によって得られたFETを切断したときの模式的な一部断面図を図5の(C)に示す。
実施例3のFETは、所謂、トップゲート型であり、且つ、トップコンタクト型のTFTであり、
(A)基体11上に形成された、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16、
(B)有機半導体薄膜15上に形成されたソース/ドレイン電極14、
(C)ソース/ドレイン電極14及び有機半導体薄膜15上に形成されたゲート絶縁膜13、並びに、
(D)ゲート絶縁膜13上に形成されたゲート電極12、
を備えている。
尚、実施例3のFETは、このように、構造上、実施例1のFETと異なっているが、各構成要素を構成する材料等は実施例1のFETと同じとすることができる。それ故、実施例3のFETの詳細な説明は省略する。以下、実施例3のFETの製造方法の概要を、支持体等の模式的な一部断面図である図5の(A)〜(C)を参照して説明する。
[工程−300]
先ず、基体11上に有機半導体薄膜15を形成する。具体的には、実施例1の[工程−130]と同様にして、全面に有機半導体薄膜15を形成する(図5の(A)参照)。具体的には、表1に例示した真空蒸着法に基づき、ペンタセンから成る有機半導体薄膜15を基体11上に形成する。
[工程−310]
次いで、実施例1の[工程−140]と同様にして、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することで(より具体的には、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機半導体薄膜15の部分を昇華に基づき除去することによって、有機半導体薄膜15を残す(図5の(B)参照)。これによって、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16を得ることができる。あるいは又、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することで(より具体的には、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜15の部分を除去する。
[工程−320]
その後、有機半導体薄膜15上にAu層から成るソース/ドレイン電極14を形成する。具体的には、有機半導体薄膜15の一部及び基体11をハードマスクで覆った状態で、密着層としてのTi層、及び、オーミック電極としてのAu層を、順次、有機半導体薄膜15上に真空蒸着法によって形成する。図面においては、密着層の図示を省略した。こうして、Au層から成るソース/ドレイン電極14をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−330]
次に、実施例1の[工程−110]と同様にして、全面にゲート絶縁膜13を形成する。
[工程−340]
その後、実施例1の[工程−100]と同様にして、ゲート絶縁膜13上にAu層から成るゲート電極12を形成する。図面においては、密着層の図示を省略した。あるいは又、ゲート絶縁膜13の一部をハードマスクで覆った状態で、密着層としてのTi層、及び、オーミック電極としてのAu層を、順次、ゲート絶縁膜13上に真空蒸着法によって形成してもよく、これによって、ゲート電極12をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−350]
次いで、実施例1の[工程−150]と同様にして、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図5の(C)参照)。こうして、実施例3のFETを得ることができる。
実施例4は、本発明の有機薄膜集積回路の製造方法、及び、本発明の第4の態様に係るFETの製造方法に関する。ゲート電極の延びる方向と直角の仮想垂直面で実施例4のFETの製造方法によって得られたFETを切断したときの模式的な一部断面図を図6の(C)に示す。
実施例4のFETは、所謂、トップゲート型であり、且つ、ボトムコンタクト型のTFTであり、
(A)基体11上に形成されたソース/ドレイン電極14、
(B)ソース/ドレイン電極14及び基体11上に形成された、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16、
(C)有機半導体薄膜15上に形成されたゲート絶縁膜13、並びに、
(D)ゲート絶縁膜13上に形成されたゲート電極12、
を備えている。
実施例4のFETは、このように、ソース/ドレイン電極14及び有機半導体薄膜15の垂直方向の配置状態が実施例3のFETと逆になっているが、その他の点は実施例3のFETと同じとすることができる。それ故、実施例4のFETの詳細な説明は省略する。
以下、支持体等の模式的な一部断面図である図6の(A)〜(C)を参照して、実施例4のFETの製造方法の概要を説明する。
[工程−400]
先ず、実施例1の[工程−120]あるいは実施例3の[工程−320]と同様にして、基体11上にソース/ドレイン電極14を形成する。
[工程−410]
次に、全面に有機半導体薄膜15を形成する。具体的には、実施例1の[工程−130]と同様にして、基体11及びソース/ドレイン電極14上に有機半導体薄膜15を形成する(図6の(A)参照)。具体的には、表1に例示した真空蒸着法に基づき、ペンタセンから成る有機半導体薄膜15を基体11及びソース/ドレイン電極14上に形成する。
[工程−420]
その後、実施例1の[工程−140]と同様にして、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することで(より具体的には、エネルギー線として紫外線を有機半導体薄膜15に照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機半導体薄膜15の部分を昇華に基づき除去することによって、有機半導体薄膜15を残す(図6の(B)参照)。これによって、有機半導体薄膜15から成るチャネル形成領域16を得ることができる。あるいは又、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することで(より具体的には、有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜15にエネルギー線を照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜15の部分を除去する。
[工程−430]
次いで、実施例1の[工程−110]と同様にして、全面にゲート絶縁膜13を形成する。
[工程−440]
その後、実施例1の[工程−100]と同様にして、ゲート絶縁膜13上にAu層から成るゲート電極12を形成する。図面においては、密着層の図示を省略した。あるいは又、ゲート絶縁膜13の一部をハードマスクで覆った状態で、密着層としてのTi層、及び、オーミック電極としてのAu層を、順次、ゲート絶縁膜13上に真空蒸着法によって形成してもよく、これによって、ゲート電極12をフォトリソグラフィ・プロセス無しで形成することができる。
[工程−450]
次いで、実施例1の[工程−150]と同様にして、全面にSiO2から成る絶縁層20を形成した後、ゲート電極12及びソース/ドレイン電極14の上方の絶縁層20の部分に開口部を形成し、これらの開口部内を含む絶縁層20上に配線材料層を形成し、この配線材料層をパターニングすることで、ゲート電極12に接続された配線(図示せず)、及び、ソース/ドレイン電極14に接続された配線21を形成することができる(図6の(C)参照)。こうして、実施例4のFETを得ることができる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。電界効果型トランジスタの構造、製造条件は例示であり、適宜変更することができる。尚、本発明のFETを、ディスプレイ装置や各種の電子機器に適用、使用する場合、基体に多数のFETを集積したモノリシック集積回路としてもよいし、各FETを切断して個別化し、ディスクリート部品として使用してもよい。
実施例においては、紫外線の一括照射で選択的に有機薄膜あるいは有機半導体薄膜を昇華させることにより、有機薄膜や有機半導体薄膜にダメージを与えることなく、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜を高精度にてパターンニングし、例えばチャネル形成領域を得ることが可能となる。尚、紫外線の照射は一括照射に限定するものではなく、チャネル形成領域のパターンに合わせて成形した紫外線成形ビームを、順次、ステップ移動させながら有機薄膜あるいは有機半導体薄膜に照射してもよい。あるいは、紫外線成形ビームの代わりに、絞ったレーザ光の照射点をチャネル形成領域以外の領域で走査させて、有機薄膜あるいは有機半導体薄膜を分解あるいは蒸発させてもよい。
本発明の有機薄膜集積回路の製造方法は、実施例にて説明したような、有機薄膜トランジスタにおける有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域の形成への適用に限定されない。即ち、本発明の有機薄膜集積回路の製造方法は、例えば、
(1)有機薄膜集積回路(具体的には、ゲート電極)を構成する有機薄膜にエネルギー線を照射することで(より好ましくは、照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜の部分を除去することによって、有機薄膜から成るゲート電極を形成する方法
(2)有機薄膜集積回路(具体的には、ソース/ドレイン電極)を構成する有機薄膜にエネルギー線を照射することで(より好ましくは、照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜の部分を除去することによって、有機薄膜から成るソース/ドレイン電極を形成する方法
(3)有機薄膜集積回路(具体的には、各種の配線)を構成する有機薄膜にエネルギー線を照射することで(より好ましくは、照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜の部分を除去することによって、有機薄膜から成る配線を形成する方法
(4)有機薄膜集積回路(具体的には、絶縁膜、層間絶縁層、パッシベーション膜等の各種絶縁層)を構成する有機薄膜にエネルギー線を照射することで(より好ましくは、照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜の部分を除去することによって、有機薄膜から成り、パターニングされた絶縁層を得る方法
(5)有機薄膜集積回路(具体的には、絶縁膜、層間絶縁層、パッシベーション膜等の各種絶縁層)を構成する有機薄膜にエネルギー線を照射することで(より好ましくは、照射することのみで)、エネルギー線に照射された有機薄膜の部分を除去することによって、コンタクトホールやビヤホールといった接続孔を設けるための開口部やコネクターとの接続部を設けるための開口部を有機薄膜から成る絶縁層に形成する方法
に適用することができる。
尚、上記(1)〜(5)の場合にあっては、ゲート電極、ソース/ドレイン電極、各種の配線、絶縁膜、層間絶縁層、パッシベーション膜等の各種絶縁層(これらを総称して、有機薄膜集積回路構成要素)を構成する有機薄膜として、有機薄膜集積回路構成要素に最適な材料を選択すればよいし、係る有機薄膜に照射すべきエネルギー線も、有機薄膜集積回路構成要素を構成する材料に対して最適なエネルギー線であって下地等に損傷を発生させないエネルギー線を選択すればよい。また、エネルギー線の照射方法や照射条件、有機薄膜の除去の形態も、有機薄膜集積回路構成要素、あるいは、有機薄膜集積回路構成要素を構成する有機薄膜に基づき適宜選択、設定、決定すればよい。
図1の(A)〜(D)は、実施例1の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。 図2の(A)〜(C)は、図1の(D)に引き続き、実施例1の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。 図3の(A)〜(B)は、図2の(C)に引き続き、実施例1の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。 図4の(A)〜(C)は、実施例2の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。 図5の(A)〜(C)は、実施例3の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。 図6の(A)〜(C)は、実施例4の電界効果型トランジスタの製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図である。 図7の(A)〜(C)は、従来の有機電界効果型トランジスタの製造方法の一例の概要を説明するための、基体等の模式的な一部断面図である。 図8の(A)〜(C)は、図7の(C)に引き続き、従来の有機電界効果型トランジスタの製造方法の一例の概要を説明するための、基体等の模式的な一部断面図である。 図9の(A)及び(B)は、従来の有機電界効果型トランジスタの製造方法の別の例の概要を説明するための、基体等の模式的な一部断面図である。
符号の説明
10・・・支持体、11・・・基体、12・・・ゲート電極、13・・・ゲート絶縁膜、14・・・ソース/ドレイン電極、15・・・有機半導体薄膜あるいは有機薄膜、16・・・チャネル形成領域、20・・・絶縁層、21・・・配線、31,32・・・レジスト層、33・・・マスク

Claims (10)

  1. 有機薄膜集積回路の製造方法であって、
    該有機薄膜集積回路を構成する有機薄膜に、エネルギー線ビームを、順次、ステップ移動させながら照射することで、エネルギー線ビームに照射された該有機薄膜の部分を除去する有機薄膜集積回路の製造方法。
  2. (A)基体上にゲート電極を形成する工程、
    (B)基体及びゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程、
    (C)ゲート絶縁膜上にソース/ドレイン電極を形成する工程、及び、
    (D)全面に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜に、エネルギー線ビームを、順次、ステップ移動させながら照射することでエネルギー線ビームに照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、ソース/ドレイン電極間のゲート絶縁膜の部分、及び、ソース/ドレイン電極上に有機半導体薄膜を残し、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、
    を具備する電界効果型トランジスタの製造方法。
  3. 前記工程(D)において、有機半導体薄膜に紫外線を照射することで、昇華によって紫外線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去する請求項2に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  4. (A)基体上にゲート電極を形成する工程、
    (B)基体及びゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程、
    (C)全面に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜に、エネルギー線ビームを、順次、ステップ移動させながら照射することでエネルギー線ビームに照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、及び、
    (D)有機半導体薄膜上にソース/ドレイン電極を形成する工程、
    を具備する電界効果型トランジスタの製造方法。
  5. 前記工程(C)において、有機半導体薄膜に紫外線を照射することで、昇華によって紫外線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去する請求項4に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  6. (A)基体上に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜に、エネルギー線ビームを、順次、ステップ移動させながら照射することでエネルギー線ビームに照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、
    (B)有機半導体薄膜上にソース/ドレイン電極を形成する工程、
    (C)全面にゲート絶縁膜を形成する工程、及び、
    (D)ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
    を具備する電界効果型トランジスタの製造方法。
  7. 前記工程(A)において、有機半導体薄膜に紫外線を照射することで、昇華によって紫外線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去する請求項6に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  8. (A)基体上にソース/ドレイン電極を形成する工程、
    (B)全面に有機半導体薄膜を形成した後、有機半導体薄膜に、エネルギー線ビームを、順次、ステップ移動させながら照射することでエネルギー線ビームに照射された該有機半導体薄膜の部分を除去することによって、有機半導体薄膜から成るチャネル形成領域を得る工程、
    (C)全面にゲート絶縁膜を形成する工程、及び、
    (D)ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
    を具備する電界効果型トランジスタの製造方法。
  9. 前記工程(B)において、有機半導体薄膜に紫外線を照射することで、昇華によって紫外線に照射された該有機半導体薄膜の部分を除去する請求項8に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  10. 前記有機半導体薄膜はペンタセンから成る請求項2乃至請求項9のいずれか1項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
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