JP4779273B2 - 発電制御装置 - Google Patents
発電制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4779273B2 JP4779273B2 JP2001288504A JP2001288504A JP4779273B2 JP 4779273 B2 JP4779273 B2 JP 4779273B2 JP 2001288504 A JP2001288504 A JP 2001288504A JP 2001288504 A JP2001288504 A JP 2001288504A JP 4779273 B2 JP4779273 B2 JP 4779273B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power generation
- voltage
- vehicle
- navigation information
- control device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用発電機の発電電圧を制御する発電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の燃料消費率の改善要求が高まる中で車両の電気負荷が増加しており、発電に要する燃料消費の低減が要求されている。
従来の車両用発電機は、走行条件に関係なく一定電圧で発電するか、加減速時等においてその時その時の走行条件に従って発電電圧を変更して発電を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように従来の車両用発電機は、走行経路全体を把握した発電電圧の制御が行われていないため、無駄に燃料を消費するという問題があった。例えば、低速市街地走行を行った後に高速走行を行う場合を考えると、車載バッテリの充電量が少なくなるとエンジントルクに余裕のない低速市街地走行中であっても充電が行われ、エンジントルクに余裕のあるその後の高速走行に移行したときには充電がほとんど終了してしまうということもある。このように、従来の車両用発電機は、これから走行予定の経路を考慮して走行経路全体で充電収支を満足するように発電を行っていなかったため、結果的に無駄な燃料消費が行われていた。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、発電に必要な燃料消費を低減することができる発電制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の発電制御装置は、車両の走行予定経路の内容に基づいて車両用発電機の発電電圧の制御を行っている。また、本発明の発電制御装置は、走行予定経路に基づいて計算した車載用バッテリの充放電収支を考慮して車両用発電機の発電電圧の制御を行っている。車両の走行予定経路の内容を総合的に判断して、あるいは走行予定経路に沿って予め計算した車載バッテリの充放電収支を考慮して発電機の発電電圧制御を行うことにより、燃料消費効率が悪い走行状態における充電を抑制し、放電状態になることを許容して、その分燃料消費率が良好な走行状態における充電量を増加させることが可能になり、走行経路全体における燃料の消費を低減することができる。
【0006】
また、ナビゲーション装置から送られてくるナビゲーション情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、ナビゲーション情報に基づいて車両用発電機の発電電圧を設定する発電電圧設定手段とを備えている。ナビゲーション装置から取得したナビゲーション情報を用いることにより、正確に走行予定経路を特定することができる。また、最近ではナビゲーション装置の普及が進んでいるため、ナビゲーション装置が搭載された車両については、特別な構成を追加することなく、走行予定経路を特定するために必要なナビゲーション情報を得ることができる。
【0007】
また、ナビゲーション情報受信手段によって受信されたナビゲーション情報に基づいて、走行予定経路に含まれる市街地走行に対応する第1の区間とそれ以外の第2の区間を少なくとも区別する走行内容判定手段をさらに備えるとともに、上述した発電電圧設定手段によって、第2の区間における車載用バッテリの充電可能量を考慮して、第1の区間における車両用発電機の充電を抑制する発電電圧の設定を行うことが望ましい。走行予定経路に含まれる市街地区間とそれ以外の区間とを区分することにより、特に燃料消費効率の悪い市街地区間における充電を抑制し、反対にそれ以外の区間における充電量を増加させる発電電圧を設定することが可能になる。
【0009】
あるいは、上述した発電電圧設定手段は、ナビゲーション装置から走行予定経路に関する渋滞情報が送られてきたときに、充電可能量を再予測し、必要ならば発電電圧の変更を行っている。渋滞情報を考慮することにより、市街地区間以外の区間において回復可能なバッテリ容量をさらに正確に計算することが可能になる。
【0010】
あるいは、上述した発電電圧設定手段は、走行予定経路に対応する目的地の取消あるいは変更が生じたときに、発電電圧の変更を行っている。これにより、走行予定経路の変更に応じてその都度最適な発電電圧を設定することが可能になる。
【0013】
あるいは、上述した発電電圧設定手段によって設定された発電電圧にしたがって、車両用発電機による発電動作が行われたときに現れる燃料消費改善効果を計算して表示する効果計算・表示手段をさらに備えている。燃料消費改善効果を表示することにより、これを見た利用者に本発明の機能の使用を促すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の発電制御装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の発電制御装置が含まれる発電システムの全体構成を示す図である。図1に示す発電システムは、車両に搭載される発電機10、発電制御装置20、バッテリ30、ナビゲーション装置40を含んで構成されている。
【0015】
発電機10は、エンジンによって回転駆動されて、バッテリ30に対する充電電力や各種電気負荷に供給する動作電力を発生する。
図2は、発電機10の具体的な構成を示す図である。図2に示す発電機10は、電機子巻線1、界磁巻線2、全波整流器3、電圧制御装置4を備えている。この電圧制御装置4は、励磁電流制御回路5、出力電圧制御回路6を備えている。
【0016】
励磁電流制御回路5は、パワートランジスタ11、還流ダイオード12を有しており、界磁巻線2に流す励磁電流を制御する。パワートランジスタ11は、出力電圧制御回路6の出力端子がベースに接続されており、この出力端子から入力される信号がハイレベルのときにオン状態になる。このとき、界磁巻線2に流れる電流が増加する。還流ダイオード12は、界磁巻線2と並列に接続されており、界磁巻線2に対する通電をオフ制御したときに界磁電流を還流させるために設けられている。
【0017】
出力電圧制御回路6は、C端子に入力される信号に基づいて励磁電流制御回路5内のパワートランジスタ11のオンオフ制御または調整電圧設定値の変更を行う。
上述した電圧制御装置4のC端子は発電制御装置20に接続されており、発電制御装置20から出力される発電電圧指令情報がC端子に入力される。
【0018】
また、図1に示した発電制御装置20は、バッテリ30から入力されるバッテリ情報(具体的にはバッテリ30の充電電流)と、ナビゲーション装置40から入力されるナビゲーション情報とに基づいて、発電機10の発電電圧を制御する発電電圧指令情報を作成して出力する。
【0019】
図3は、発電制御装置20の概略的な構成を示す図である。図3に示す発電制御装置20は、発電電圧指令情報送信部22、バッテリ情報受信部23、ナビゲーション情報受信部24、走行内容判定部25、時計26、温度検出部27、発電電圧設定部28、効果計算部29、表示部31を備えている。
【0020】
発電電圧指令情報送信部22は、発電制御装置20から発電機10に向けて発電電圧指令情報を送信する。バッテリ情報受信部23は、バッテリ30から送られてくるバッテリ情報を受信する。ナビゲーション情報受信部24は、ナビゲーション装置40から送られてくるナビゲーション情報を受信する。
【0021】
走行内容判定部25は、受信したナビゲーション情報に基づいて車両の走行予定経路を特定するとともに、この走行予定経路を走行する際の走行内容を判定し、走行予定経路を構成する各区間を市街地区間、郊外区間、高速区間に区分する。時計26は、着目時点の月日および時刻を出力する。この出力内容に基づいて、車両が走行する際の季節や、一日における走行時間帯(例えば夜間か否か)が判定され、さらにこの判定結果を用いてエアコンやヒータの稼働状態やヘッドライトの点灯状態等が推定される。なお、この時計26は、ナビゲーション装置40に内蔵される時計を用いるようにしてもよい。温度検出部27は、周囲温度(例えば、車室内の温度や車外の温度)を検出する。この検出結果に基づいて、エアコンやヒータの稼働状態が推定される。
【0022】
発電電圧設定部28は、上述したナビゲーション情報、バッテリ情報等に基づいて発電機10の発電状態を制御する際の発電電圧を設定する。効果計算部29は、本発明を適用した発電制御を行った場合に生じる燃料消費率の改善効果を計算する。例えば、市街地走行時に発電機10の発電を抑制することによるエンジンの消費燃料の減少量が計算される。単位距離当たりの消費燃料の減少量を複数の発電電圧のそれぞれについて計算あるいは実測により予め求めておいて、走行予定経路のそれぞれについて設定した発電電圧毎にこれらの実測値を累積することにより、走行予定経路全体に対応する消費燃料の減少量の概算値を求めるようにしてもよい。表示部31は、効果計算部29によって計算された燃料消費率の改善効果を、対応する走行予定経路の目的地とともに表示する。この表示部31は、ナビゲーション装置40やオーディオ装置(図示せず)等に備わっている液晶表示装置等が利用される。
【0023】
また、図1に示したナビゲーション装置40は、出発地と目的地とを結ぶ最適な走行経路を設定する経路探索機能を少なくとも有している。
図4は、ナビゲーション装置40の概略的な構成を示す図である。図4に示すナビゲーション装置40は、車両位置検出部42、目的地設定部44、経路探索処理部46、経路誘導処理部48、VICS情報受信部50、ナビゲーション情報送信部52を備えている。
【0024】
車両位置検出部42は、GPSセンサや自律航法センサ等を用いて車両の現在位置を検出する。目的地設定部44は、経路探索処理を行う際の目的地を設定する。経路探索処理部46は、経路探索処理が指示された時点における車両位置を出発地に設定し、この出発地から目的地までの最適な走行予定経路を設定する。経路誘導処理部48は、経路探索処理部46によって設定された最適な走行予定経路に沿って車両を誘導する。例えば、地図上に走行予定経路を表示するとともに、右左折交差点の拡大図表示や音声案内等によって走行予定経路に沿った誘導が行われる。
【0025】
VICS情報受信部50は、VICSセンタから送信される道路情報を受信する。例えば、この道路情報には、渋滞の程度やこの渋滞の対象となる道路の具体的な範囲を特定する渋滞情報が含まれている。また、道路情報の受信は、FM多重放送、電波ビーコン、光ビーコンのいずれの方式を用いるようにしてもよい。
【0026】
ナビゲーション情報送信部52は、発電制御装置20に向けてナビゲーション情報を送信する。このナビゲーション情報には、経路探索処理部46における経路探索処理によって設定された目的地までの走行予定経路を特定する情報の他に、目的地情報、VICS情報受信部50によって受信された渋滞情報が含まれている。また、この走行予定経路を特定する情報には、この走行予定経路に沿った複数の通過地点(例えば通過する各交差点)の通過予想時間が付加情報として付加されている。
【0027】
上述したナビゲーション情報受信部24がナビゲーション情報受信手段に、発電電圧設定部28が発電電圧設定手段に、走行内容判定部25が走行内容判定手段に、効果計算部29、表示部31が効果計算・表示手段にそれぞれ対応する。
本実施形態の充電システムはこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
【0028】
図5は、発電機10の発電電圧とバッテリ30の充放電電流との関係を示す図である。図5において、横軸は発電電圧を、縦軸は充電電流あるいは放電電流をそれぞれ示している。同図に示すように、発電機10の発電電圧を調整することにより、バッテリ30に対する充放電電流を設定することができる。なお、発電電圧の調整範囲を極端に広く設定すると、各種の電気機器に対して悪影響がでることが考えられるため、本実施形態では、調整範囲の下限値と上限値を設定しておいて、この範囲で発電電圧の制御が行われる。例えば、発電電圧の下限値として12Vが用いられ、上限値として14Vが用いられる。また、図5に示した発電電圧と充放電電流との関係は、電気負荷の大小によって変化するため、電気負荷の使用状態に応じた補正が必要となる。
【0029】
図6は、定電圧でバッテリ30を充電した場合のバッテリ容量と充電電流との関係を示す図である。図6において、横軸はバッテリ容量を、縦軸は充電電流をそれぞれ示している。同図に示すように、定電圧で充電を行った場合にはバッテリ容量と充電電流の間には、バッテリ容量が少なくなるほど充電電流が増加するという関係があり、しかもこれらは一対一に対応していることから、定電圧下での充電電流を検出することによりバッテリ容量初期値を知ることができる。
【0030】
図7は、発電制御装置20の動作手順を示す流れ図であり、ナビゲーション装置において経路探索処理が行われて最初のナビゲーション情報が送られてきた際の動作内容が示されている。
発電制御装置20内のナビゲーション情報受信部24、バッテリ情報受信部23のそれぞれを用いた通信によってナビゲーション情報、バッテリ情報が受信されると(ステップ100)、次に、走行内容判定部25は、ナビゲーション情報によって特定される走行予定経路とその付属情報に基づいて、走行予定経路について走行内容の判定を行う(ステップ101)。上述したように、ナビゲーション情報には走行予定経路を特定する情報とともにこの付加情報が含まれており、走行予定経路に沿った各交差点の通過予想時間がわかるようになっている。走行内容判定部25は、各交差点の通過予測時間に基づいて隣接する交差点間をつなぐ走行経路(リンク)を走行する際の車速を計算し、この計算した車速に基づいて走行経路が市街地区間、郊外区間、高速区間のいずれに該当するかを判定する。このような判定処理を全走行予定経路について行うことにより、走行予定経路の各区間を上述した市街地区間、郊外区間、高速区間のいずれかに区分する。なお、上述した走行内容の判定方法は一例であり、例えば、走行予定経路の各区間が市街地区間、郊外区間、高速区間のいずれに対応するかを示す区間情報がナビゲーション情報に含まれる場合には、この区間情報をそのまま用いればよい。
【0031】
次に、発電電圧設定部28は、走行内容判定部25によって判定された走行内容とバッテリ情報受信部23によって受信されたバッテリ情報とに基づいて発電電圧を設定する(ステップ102)。この発電電圧の設定は、時計26の出力に基づいて判定される季節および走行時間帯を考慮して行われる。例えば、季節に応じてエアコンやヒータの使用頻度を予測するとともに、走行時間帯が昼か夜かによってヘッドライトの使用の有無がわかるので、車載機器を動作させるために必要な電気負荷の電流値を概算することが可能になる。郊外走行時あるいは高速走行時に出力可能な発電機10の出力電流からこの概算した電流値を差し引いた値が、バッテリ30の充電を行うことができる充電電流の最大値となり、次の郊外走行あるいは高速走行においてバッテリ30をどの程度充電できるかをある程度正確に予測することができるようになる。発電電圧設定部28は、各市街地区間に着目して、次に存在する郊外区間あるいは高速区間において回復可能なバッテリ容量を算出し、着目した市街地区間においてこのバッテリ容量分だけバッテリ30の放電を許容するように発電機10の発電電圧を低く設定する。このような発電電圧の設定を行うことにより、エンジンの駆動トルクに余裕のない市街地走行時における発電機10の発電トルクを少なくして、発電に必要な燃料消費を抑えることが可能になる。反対に、郊外走行時や高速走行時には、市街地走行時にバッテリ容量が低下した分だけ発電量が増すため発電トルクも多くなるが、郊外走行時や高速走行時にはエンジン回転数が増してエンジンの駆動トルクに余裕が生じるとともに、発電機10の回転数も増して比較的小さな発電トルクで発電を行うことができるようになるため、走行予定経路全体で見ると発電に必要な燃料消費を抑えることができる。
【0032】
発電電圧の設定が終了すると、効果計算部29は、走行予定経路の各区間に対応して設定された発電電圧に基づいて燃料消費率の改善効果を計算し、目的地とともにこの改善効果による消費燃料の減少量を表示部31に表示する(ステップ103)。ナビゲーション装置40の一般的な使い方では、頻繁に行き来する目的地に対しては経路誘導機能を使用しない場合が多いと考えられる。この場合には、ナビゲーション装置40からナビゲーション情報が送信されないため、発電制御装置20は、走行予定経路を特定することができず、発電電圧の設定も不可能になってしまう。このため、目的地を設定して経路探索処理を行った場合に、どの程度燃料消費を低減することができるかを具体的な数値で示すことにより、実際の走行に際してナビゲーション装置40による経路誘導機能の使用が必要であるか否かにかかわらず、燃料消費の改善を行うために経路誘導機能の使用を促す効果がある。
【0033】
次に、発電電圧指令情報送信部22は、その時点で設定する発電電圧を発電機10に向けて送信する(ステップ104)。その後、発電電圧設定部28は、発電電圧にしたがって発電電圧の変更が必要か否かを判定する(ステップ105)。例えば、最初の市街地走行において発電電圧を下限値である12Vに設定し、次の郊外走行において発電電圧を上限値である14Vに設定する旨の内容が設定されている場合には、車両が市街地走行をしている間はステップ105の判定において肯定判断が行われ、ステップ104に戻って一定の発電電圧を指示する発電電圧指令情報の送信が行われる。なお、一定の発電電圧で発電機10による発電を行う際に、最初に一回だけ発電電圧指令情報を送ればよい場合には、ステップ105の判定において肯定判断が行われたときにステップ105の判定処理を繰り返すようにすればよい。
【0034】
また、上記の例において市街地走行から郊外走行に移行した場合のように発電電圧が変更された場合には、ステップ105の判定において否定判断が行われる。次に、条件設定部28は、目的地の取消しや変更がなされたか否か(ステップ106)、バッテリ容量は予定通りか否か(ステップ107)、新たに渋滞が発生したか否か(ステップ108)を判定する。
【0035】
目的地の取消しがあった場合にはその旨の情報が、目的地の変更があった場合には新たな走行予定経路とその付属情報がそれぞれ含まれるナビゲーション情報がナビゲーション装置40から送られてくるため、発電電圧設定部28は、目的地の取消しや変更があったことを知ることができる。この場合には、ステップ105の判定において肯定判断が行われ、次に発電電圧設定部28は、発電電圧の修正が必要か否かを判定する(ステップ109)。例えば、目的地が取り消された場合であって、その時点において市街地走行中の場合には、この市街地走行の後に郊外走行や高速走行が行われる保証がないため、発電電圧設定部28は、郊外走行等を考慮して市街地走行に許容していたバッテリ30の放電を直ちに中止し、バッテリ容量を満充電状態に回復させるために必要な発電電圧を設定する(ステップ110)。その後、ステップ105に戻って、発電電圧の変更ありか否かの判定動作が繰り返される。また、目的地が変更された場合も同様に、発電電圧の修正が必要か否かがステップ109において判定され、修正が必要な場合にはステップ110において変更後の目的地に基づいた新たな走行予定経路に対応するように発電電圧の修正が行われる。なお、発電電圧の修正が必要ない場合にはステップ109の判定において否定判断が行われ、ステップ110における発電電圧の修正は行わずに、直ちにステップ105の判定動作に戻る。
【0036】
また、バッテリ容量が予定通りであるか否かは、バッテリ30の充放電電流に基づいてバッテリ容量を求めた後に、その時点における発電電圧に対応するバッテリ容量と比較することにより判定される。例えば、郊外走行や高速走行が終了した時点においてバッテリ30が満充電状態に復帰するものとして発電電圧を設定した場合において、市街地走行を開始した時点におけるバッテリ容量が所定量だけ放電状態にあった場合にはバッテリ容量が予定値から外れているため、ステップ107の判定において否定判断が行われる。この場合には、この市街地走行に対応する発電量を増加させる必要があるため、ステップ109の判定において肯定判断が行われ、ステップ110において発電電圧が修正される。
【0037】
また、新たに渋滞が発生した場合には、この渋滞に関する渋滞情報がナビゲーション装置40内のVICS情報受信部50によって受信され、この渋滞情報が含まれるナビゲーション情報がナビゲーション装置40から送られてくるため、発電電圧設定部28は、新たに渋滞が発生したことを知ることができる。この場合には、ステップ108の判定において肯定判断が行われ、ステップ109の処理に移行する。例えば、郊外走行区間や高速走行区間において渋滞が発生した場合には、渋滞のない走行を予定して設定された発電電圧を変更する必要があるためステップ109の判定において肯定判断が行われ、ステップ110において発電電圧が修正される。
【0038】
図8は、走行パターンに対応して設定される発電電圧とバッテリ容量の具体例を示す図である。「走行パターン」は走行内容判定部25において判定された走行予定経路の各区間の内容であり、図8に示した例では、市街地区間、郊外区間、市街地区間、高速区間、市街地区間を経て目的地に至っている。「走行時間帯」は、時計26の出力に基づいて判定される昼夜の別であり、2回目の市街地走行の途中において夜になってヘッドライトの点灯が予想されるものとする。「発電電圧」は、制御される発電機10の発電電圧であり、下限値12Vと上限値14Vの間で設定される。「バッテリ容量」は、バッテリ情報に含まれる積算充放電電流によって検出されるその時その時のバッテリ30の充電容量である。
【0039】
1回目の市街地走行では、次の郊外走行において充電可能なバッテリ容量分の放電が許容される。図8に示した例では、発電電圧設定部28は、季節や走行時間帯、温度等を総合して、郊外走行において20AH充電できるものと判定している。したがって、その前の市街地走行では、バッテリ容量が−20AHになるまで放電されるように発電電圧が下限値12Vに設定される。市街地走行が終了するまでにバッテリ容量が−20AHに達すると、バッテリ容量が−20AHを維持するような発電電圧が設定される。
【0040】
次の郊外走行では、市街地走行で減少したバッテリ容量を回復させるために、発電電圧が上限値14Vに設定され、これによりバッテリ容量が初期値(0AH)に戻る。
2回目の市街地走行では、次の高速走行において受電可能なバッテリ容量分の放電が許容される。但し、スタータが始動できないようなバッテリ容量になって実際の車両運転において支障が生じるため、許容される放電量(例えば−30AH)が設定されている。したがって、発電電圧設定部28は、季節や走行時間帯、温度等を総合して、高速走行において40AH充電できるものと判定した場合であっても、その前の市街地走行では、バッテリ容量が−30AHになるまで放電されるように発電電圧が下限値12Vに設定される。また、バッテリ容量が−30AHに達した後は、この−30AHのバッテリ容量を維持するような発電電圧が設定される。
【0041】
次の高速走行では、2回目の市街地走行で減少したバッテリ容量を回復させるために、発電電圧が上限値14Vに設定され、これによりバッテリ容量が初期値(0AH)に戻る。また、バッテリ容量が初期値に戻った後は、この初期値を維持するような発電電圧が設定される。
【0042】
3回目の市街地走行では、その次の郊外走行や高速走行がないため、バッテリ30が放電されないような発電電圧が設定される。または、図8において符号Aを引き出した点線で示したように、3回目の市街地走行での放電を予測して満充電まで充電され、3回目の市街地走行で目標初期値まで放電し、その後、目標初期値を維持するような発電電圧が設定される。
【0043】
このように、本実施形態の発電制御装置20による発電制御を行うことにより、燃料消費効率が悪い走行状態における発電量を抑制して、その分燃料消費率が良好な走行状態における発電量を増加させることが可能になり、走行経路全体における燃料の消費を低減することができる。
【0044】
特に、ナビゲーション装置40から取得したナビゲーション情報を用いることにより、正確に走行予定経路を特定することができる。また、最近ではナビゲーション装置40の普及が進んでいるため、ナビゲーション装置40が搭載された車両については、特別な構成を追加することなく、走行予定経路を特定するために必要なナビゲーション情報を得ることができる。
【0045】
また、使用される電気負荷は、季節、地域、周囲温度、走行時間帯等に応じて大きく変動するため、この変動を予測して発電電圧を設定することにより、市街地区間以外の区間において回復可能なバッテリ容量を正確に計算することが可能になる。特に、渋滞情報や目的地の取消し、変更を考慮したり、バッテリ容量の監視結果を考慮することにより、実情に即した適切な発電制御を行うことが可能になる。
【0046】
さらに、発電制御装置20とナビゲーション装置40および発電機10との間の各種情報の送受信を通信によって行うことにより、各装置間における配置の制約が少なくなり、設計の自由度を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、走行予定経路を市街地、郊外、高速の3種類の走行内容に分類したが、バッテリ30の放電を許容する第1の区間(例えば市街地)と、バッテリ容量を回復させるそれ以外の第2の区間(郊外および高速)に区分するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の発電制御装置が含まれる発電システムの全体構成を示す図である。
【図2】発電機の具体的な構成を示す図である。
【図3】発電制御装置の構成を示す概略的な構成を示す図である。
【図4】ナビゲーション装置の概略的な構成を示す図である。
【図5】発電機の発電電圧とバッテリの充放電電流との関係を示す図である。
【図6】定電圧でバッテリを充電した場合のバッテリ容量と充電電流との関係を示す図である。
【図7】発電制御装置の動作手順を示す流れ図である。
【図8】走行パターンに対応して設定される発電電圧とバッテリ容量の具体例を示す図である。
【符号の説明】
10 発電機
20 発電制御装置
22 発電電圧指令情報送信部
23 バッテリ情報受信部
24 ナビゲーション情報受信部
25 走行内容判定部
26 時計
28 発電電圧設定部
29 効果計算部
30 バッテリ
31 表示部
40 ナビゲーション装置
Claims (5)
- 車両の走行予定経路の内容に基づいて車両用発電機の発電電圧の制御を行う発電制御装置であって、
ナビゲーション装置から送られてくるナビゲーション情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、
前記ナビゲーション情報に基づいて前記車両用発電機の発電電圧を設定する発電電圧設定手段と、
を備え、前記発電電圧設定手段は、前記ナビゲーション装置から前記走行予定経路に関する渋滞情報が送られてきたときに、前記発電電圧の変更を行うことを特徴とする発電制御装置。 - 車両の走行予定経路の内容に基づいて車両用発電機の発電電圧の制御を行う発電制御装置であって、
ナビゲーション装置から送られてくるナビゲーション情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、
前記ナビゲーション情報に基づいて前記車両用発電機の発電電圧を設定する発電電圧設定手段と、
を備え、前記発電電圧設定手段は、前記走行予定経路に対応する目的地の取消あるいは変更が生じたときに、前記発電電圧の変更を行うことを特徴とする発電制御装置。 - 車両の走行予定経路の内容に基づいて車両用発電機の発電電圧の制御を行う発電制御装置であって、
ナビゲーション装置から送られてくるナビゲーション情報を受信するナビゲーション情報受信手段と、
前記ナビゲーション情報に基づいて前記車両用発電機の発電電圧を設定する発電電圧設定手段と、
を備え、前記発電電圧設定手段によって設定された前記発電電圧にしたがって、前記車両用発電機による発電動作が行われたときに現れる燃料消費改善効果を計算して表示する効果計算・表示手段をさらに備えることを特徴とする発電制御装置。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記走行予定経路に基づいて計算した車載用バッテリの充放電収支を考慮して前記車両用発電機の発電電圧の制御を行うことを特徴とする発電制御装置。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記ナビゲーション情報受信手段によって受信された前記ナビゲーション情報に基づいて、前記走行予定経路に含まれる市街地走行に対応する第1の区間とそれ以外の第2の区間を少なくとも区別する走行内容判定手段をさらに備え、
前記発電電圧設定手段は、前記第2の区間における前記車載用バッテリの充電可能量を考慮して、前記第1の区間における前記車両用発電機の充電を抑制する前記発電電圧の設定を行うことを特徴とする発電制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288504A JP4779273B2 (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 発電制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001288504A JP4779273B2 (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 発電制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003095042A JP2003095042A (ja) | 2003-04-03 |
JP4779273B2 true JP4779273B2 (ja) | 2011-09-28 |
Family
ID=19111142
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001288504A Expired - Fee Related JP4779273B2 (ja) | 2001-09-21 | 2001-09-21 | 発電制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4779273B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10341838A1 (de) | 2003-09-09 | 2005-04-28 | Siemens Ag | Verfahren zur Steuerung von Energieströmen |
JP4609106B2 (ja) * | 2005-02-17 | 2011-01-12 | トヨタ自動車株式会社 | 電源装置およびこれを搭載する自動車並びに電源装置の制御方法 |
JP4442646B2 (ja) | 2007-06-20 | 2010-03-31 | 株式会社デンソー | 車両用発電制御装置及び制御システム |
JP5412954B2 (ja) * | 2009-05-22 | 2014-02-12 | 日産自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
JP2023103652A (ja) | 2022-01-14 | 2023-07-27 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車 |
CN114312491B (zh) * | 2022-01-17 | 2023-04-07 | 广东技术师范大学 | 用于新能源汽车的氢燃料电池电能输出控制方法和系统 |
JP2023120671A (ja) | 2022-02-18 | 2023-08-30 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド電気車両及びその制御方法 |
JP2023169802A (ja) | 2022-05-17 | 2023-11-30 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド車 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3264123B2 (ja) * | 1995-03-06 | 2002-03-11 | 三菱自動車工業株式会社 | ハイブリッド電気自動車用ナビゲーションシステム |
JPH08322107A (ja) * | 1995-05-24 | 1996-12-03 | Nippondenso Co Ltd | ハイブリッド車の制御装置 |
JP3211699B2 (ja) * | 1996-09-17 | 2001-09-25 | トヨタ自動車株式会社 | 動力出力装置 |
JP3780521B2 (ja) * | 1998-01-30 | 2006-05-31 | マツダ株式会社 | ハイブリッド電気自動車における走行表示装置 |
-
2001
- 2001-09-21 JP JP2001288504A patent/JP4779273B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003095042A (ja) | 2003-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4910612B2 (ja) | ハイブリッド車両とその制御方法 | |
JP5621898B2 (ja) | 情報提供装置 | |
US9604633B2 (en) | Travel support device, travel support method, and drive support system | |
US10281286B2 (en) | Movement information processing device, movement information processing method, and driving assistance system | |
EP2937668B1 (en) | Travel support system, travel support method, and computer program | |
US5815824A (en) | Navigation system for electric automobile | |
JP3596170B2 (ja) | 内燃機関の補機駆動制御装置 | |
JP5565787B2 (ja) | ナビゲーション装置 | |
EP3052358B1 (en) | Predictive and adaptive movement support apparatus, movement support method, and driving support system for a hybrid vehicle for mode driving section optimization | |
WO2011132583A1 (ja) | 情報提供装置および情報提供方法 | |
EP2910442B1 (en) | Travel support device, travel support method, and drive support system | |
JP2009137340A (ja) | 電力マネージメントシステム及び電力マネージメント方法 | |
US20150251557A1 (en) | Drivable distance calculation device and drivable distance calculation method | |
WO2015052921A1 (en) | Travel support device, travel support method, and drive support system | |
WO2015045261A1 (en) | Travel support device, travel supporting method, and drive support system | |
JP5003280B2 (ja) | 駆動源制御装置 | |
JP2008290610A (ja) | 車両用ナビゲーション装置 | |
JP4779273B2 (ja) | 発電制御装置 | |
JP2007306656A (ja) | 車両用発電機制御装置 | |
JP2013159139A (ja) | 充電制御装置、充電制御方法 | |
JP2011158277A (ja) | ナビゲーション装置 | |
JP2000125407A (ja) | 車両用充電制御装置 | |
JP2012189466A (ja) | 走行支援システムおよび車載システム | |
CN112849155A (zh) | 车辆的控制方法、控制装置、车辆和计算机可读存储介质 | |
JP5834634B2 (ja) | 電動駆動車両 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071024 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100728 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100810 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101124 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110106 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110315 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110414 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20110516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110607 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110620 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4779273 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |