JP4776349B2 - 超音波撮像装置 - Google Patents
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Description
また、超音波が生体を伝播するに伴い生体の非線形性により発生する高調波をイメージングするTHI技術(ティッシュハーモニックイメージング)がある。
また、フレネルフォーカス制御の場合、音響レンズの場合と同様に深部に行くにつれ超音波ビームが劣化するという問題点がある。
また、音響レンズとフレネルフォーカス制御とを組み合わせ短軸方向の超音波ビームを改善することもできる。しかしながら、THI技術では、送波周波数の2倍の周波数の高調波を受波するので、フレネルフォーカス制御におけるフレネル束ねを送波と受波とで同一にした場合、短軸方向のフレネルフォーカス点の位置が一致しなくなるという問題点がある。
また、送波直後にフォーカス切替を行うとノイズが生じたり、印加直流バイアスが安定するまで時間を要するという問題点がある。
また、前記バイアス制御手段は、前記送波用の超音波振動子の各ブロックに正負いずれかの直流バイアス電圧を印加する送波バイアス選択スイッチと、前記受波用の超音波振動子の各ブロックに正負いずれかの直流バイアス電圧を印加する受波バイアス選択スイッチと、を備える。このように、スイッチ回路を用いて印加電流バイアスの極性を反転させることにより超音波の極性を反転させて、フレネルフォーカス制御を行うことができる。また、正負2種のバイアス電源とスイッチ回路によってバイアス制御を行うことができるため、回路構成を簡素化できる。
このように、送波用の超音波振動子と受波用の超音波振動子とを積層構成とすることにより、超音波探触子及び超音波送受信面の肥大化を抑制することができる。
これにより、送波用の超音波振動子と受波用の超音波振動子との相互間における電界やセンサギャップや膜の影響を軽減することができる。
これにより、送波用の超音波振動子と受波用の超音波振動子との相互間における電界やセンサギャップや膜の影響を軽減することができる。また、同一平面上の1つの層に送波用の超音波振動子と受波用の超音波振動子とが配置されるので、超音波の送受方向について超音波探触子の大きさを小さくすることができる。
最初に、図1を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る超音波撮像装置1について説明する。
図1は、超音波撮像装置1の構成図である。
超音波撮像装置1は、装置本体3及び超音波探触子5及び表示部7から構成される。
超音波撮像装置1は、超音波探触子5により被検体9に対して超音波を送受信し、装置本体3において画像処理を行い、表示部7に被検体9の撮像画像を出力する。
バイアス制御回路21は、送波バイアス選択スイッチ51及び受波バイアス選択スイッチ53を備える。バイアス制御回路21は、超音波探触子5の振動子の電極に直流バイアスを印加する。尚、送波バイアス選択スイッチ51及び受波バイアス選択スイッチ53については、図8を用いて後述する。
画像処理部24は、イメージプロセッサを備える。画像処理部24は、超音波探触子5から出力される信号に基づいて超音波像(例えば、被検体9の断層像)を再構成する。
次に、図2〜図7を参照しながら超音波探触子5の構成について説明する。
図2は、超音波探触子5の斜視図である。
図3は、超音波探触子5の電極及びセンサ部の積層を示す図である。
図4は、超音波探触子5を短軸方向から見た図である。
図5は、超音波探触子5を長軸方向から見た図である。
尚、長軸方向は、超音波ビームを走査する方向である。短軸方向は、超音波ビームを走査する方向と直交する方向である。
超音波探触子5は、送波短軸電極11、送波センサ部12、受波短軸電極13、受波センサ部14、長軸電極15、音響レンズ16、マッチング層17が半導体基板18上に積層されて構成される。図2では、送波短軸電極11及び送波センサ部12が下側に積層され、受波短軸電極13及び受波センサ部14が上側に積層されるが、上下逆に積層するようにしてもよい。
送波センサ部12及び受波センサ部14は、それぞれ、送波振動子31及び受波振動子33のセンサ部として機能するものであり、例えば、センサギャップ等の空間やダイヤフラム膜である。
音響レンズ16は、短軸方向の超音波ビームを収束させるレンズである。
マッチング層17は、超音波の伝送効率を上げる層である。
図6は、cMUT40を用いた送波振動子31を示す図である。
図7は、cMUT40の構成図である。
各cMUT40の上部電極41は、各送波センサ部12−1、12−2、…毎に結線されてそれぞれ長軸電極15−1、15−2、…を構成する。各cMUT40の下部電極46は、送波短軸電極11−1、11−2、…に接続される。送波短軸電極11−1、11−2、…は、送波センサ部12を挟んで長軸電極15−1、15−2、…に直交する方向に設けられる。
フォーカス点までの距離に応じて送波短軸電極11−1、11−2、…に異なる位相(例えば、逆位相)の波形を印加することにより、短軸方向のフォーカス制御を行い所望の位置にフォーカス点を形成することができる。
尚、図6では、送波振動子31について説明したが、受波振動子33についても同様である。
次に、図8〜図12を参照しながら、超音波探触子5の動作制御について説明する。
図8は、超音波探触子5の駆動回路を示す図である。
送波バイアス選択スイッチ51は、送波短軸電極11に印加するバイアス電圧を選択するスイッチである。受波バイアス選択スイッチ53は、受波短軸電極13に印加するバイアス電圧を選択するスイッチである。送波バイアス選択スイッチ51及び受波バイアス選択スイッチ53は、共に、直流バイアス電圧(Vdc+)54または直流バイアス電圧(Vdc−)55を選択することができる。
これにより、送波と受波とを独立に短軸方向について束ねパターンを設定することができる。尚、短軸方向の束ねパターンについては、図9〜図11等を用いて後述する。
また、スイッチ回路を用いて印加バイアスの極性を反転させることにより超音波の極性を反転させて、フレネルフォーカス制御を行うことができる(後述する)。また、正負2種類のバイアス電源とスイッチ回路を設けることによりバイアス制御を行うことができるので、回路構成を簡素化することができる。
図9は、送波振動子31毎に行われる短軸方向のフレネルフォーカス制御を示す図である。尚、送波について説明するが受波についても同様である。
しかしながら、実際にこの送波振動子31毎の微小遅延を行うと、送波振動子31毎にフォーカスデータを保持する必要があり、メモリ容量や処理速度等の面で望ましくない。
振動子群71−1及び振動子群71−2は、少なくとも1つの送波振動子31から構成される。
尚、図9及び図10では、送波について説明したが、受波についても同様にフォーカス制御が行われる。
図11(a)及び図11(b)は、それぞれ、送波振動子31及び受波振動子33の短軸方向の分割パターン72及び分割パターン73を示す図である。
図11(c)及び図11(d)は、それぞれ、送波周波数「f0」における送波束ねパターン74及び受波周波数「2f0」における受波束ねパターン75を示す図である。この場合、送波と受波でフォーカス点が一致する。
図11(e)及び図11(f)は、それぞれ、送波周波数「f0」における送波束ねパターン76及び受波周波数「2f0」における受波束ねパターン77を示す図である。この場合、送波と受波でフォーカス点が異なる。
THI技術のように、送波周波数と受波周波数とが異なる場合には、制御部20は、送波周波数や受波周波数に対応させて送波振動子や受波振動子を束ね、送波と受波とを独立して短軸方向のフレネルフォーカス制御を行う。
図12(b)は、送波束ねパターン74(図11(c))と受波束ねパターン75(図11(d))とを独立して設定した場合の送波フォーカス点及び受波フォーカス点を示す図である。
一方、送波束ねパターン74と受波束ねパターン75とを独立して設定した場合、送波周波数「f0」の送波フォーカス点83と受波周波数「2f0」の受波フォーカス点84とがほぼ一致するので、超音波像の画質が向上する。
このように、送波と受波で、フォーカス点を変えて全体的にフォーカスを良くすることもできるし(図11(e)及び図11(f)参照)、送受をほぼ一致させて、フォーカス点近傍をより良くすることが選択できる(図11(c)及び図11(d)参照)。
このように、第1の実施の形態に係る超音波探触子5は、送波用の送波振動子31及び受波用の受波振動子33が積層されて構成され、それぞれ、独立して制御可能である。すなわち、送受それぞれ独自に短軸方向のフレネルフォーカス点を設定できる。
従って、THI技術のように送波周波数と受波周波数とが異なる場合であってもフレネルフォーカス点の位置を送波と受波とで一致させることができ、超音波像の画質を向上させることができる。
また、音響レンズを組み合わせることにより超音波ビームをより高精度に改善することができる。
また、送波振動子と受波振動子とを積層構成とすることにより、超音波探触子及び超音波送受信面の肥大化を抑制することができる。
次に、図13及び図14を参照しながら、第2の実施の形態に係る超音波探触子5aについて説明する。
図13は、超音波探触子5aを短軸方向から見た図である。
図14は、超音波探触子5aの駆動回路を示す図である。
尚、送波振動子31a及び受波振動子33aを、それぞれ、長軸方向に列をなすようにし、送波振動子31aの列及び受波振動子33aの列を、長軸方向と平行に交互に配置するようにしてもよい。また、上下方向から見て送波振動子31aと受波振動子33aとを千鳥構成の位置に配置するようにしてもよい。
次に、図15及び図16を参照しながら、第3の実施の形態に係る超音波探触子5bついて説明する。
図15は、超音波探触子5bを長軸方向から見た図である。
図16は、超音波探触子5bの駆動回路を示す図である。
また、第3の実施の形態では、同一平面上の1つの層に送波振動子31bと受波振動子33bとが配置されるので、超音波探触子5bの上下方向の大きさを小さくすることができる。
尚、送波振動子31b及び受波振動子33bを、それぞれ、短軸方向に列をなすようにし、送波振動子31bの列及び受波振動子33bの列を、短軸方向と平行に交互に配置するようにしてもよい。また、上下方向から見て送波振動子31bと受波振動子33bとを千鳥構成の位置に配置するようにしてもよい。
以上、第1の実施の形態〜第3の実施の形態について説明したが、これに限られるものではない。超音波ビームの短軸方向の方位分解能を中心に説明したが、長軸方向の方位分解を改善する場合にも適用することができる。
また、送波振動子及び受波振動子を不等分割配置する場合、所定の周波数及びフォーカス点についてフレネル分割するようにしてもよい。深度方向に周波数を高周波から低周波へ受信信号の帯域をスイープすることでフォーカス点が深部へと移動する。
3………装置本体
5、5a、5b………超音波探触子
7………表示部
9………被検体
11、11a、11b………送波短軸電極
12………送波センサ部
13、13a、13b………受波短軸電極
14………受波センサ部
15………長軸電極
16………音響レンズ
17………マッチング層
18………半導体基板
21………バイアス制御回路
22………送受信回路
23………加算回路
24………画像処理部
31、31a、31b………送波振動子
33、33a、33b………受波振動子
40………cMUT
51、51a、51b………送波バイアス選択スイッチ
53、53a、53b………受波バイアス選択スイッチ
61………送波整相回路
62………送波回路
63………受波整相回路
64………増幅回路
65………送受分離回路
70………フォーカス点
71………送波振動子群
74………送波束ねパターン
75………受波束ねパターン
81、83………送波フォーカス点(送波周波数:f0)
82、84………受波フォーカス点(受波周波数:2f0)
Claims (7)
- 複数の超音波振動子を用いて被検体との間で超音波の送受を行う超音波探触子と、当該超音波探触子に駆動信号を供給する送信手段と、前記超音波探触子から出力される受信信号を処理する受信手段と、当該受信手段から出力される信号に基づき超音波像を再構成する画像処理手段と、前記超音波像が表示される表示手段を備える超音波撮像装置であって、
前記超音波探触子は、送波用の超音波振動子と受波用の超音波振動子とを有し、
前記送波用の超音波振動子及び前記受波用の超音波振動子は、cMUTから成り、超音波ビームを走査する長軸方向と直交する短軸方向に複数のブロックに分割されて配置され、短軸方向同列にある各ブロックはそれぞれ異なる短軸電極に接続され、
前記送波用の超音波振動子と前記受波用の超音波振動子とに、それぞれ独立に短軸方向のフレネル束ねを形成し、隣接するフレネル束ねに極性の異なる直流バイアスを印加するバイアス制御手段を具備することを特徴とする超音波撮像装置。 - 前記バイアス制御手段は、
前記送波用の超音波振動子の各ブロックに正負いずれかの直流バイアス電圧を印加する送波バイアス選択スイッチと、
前記受波用の超音波振動子の各ブロックに正負いずれかの直流バイアス電圧を印加する受波バイアス選択スイッチと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波撮像装置。 - 前記送波用の超音波振動子と前記受波用の超音波振動子は、更に、前記超音波の送受方向に積層されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波撮像装置。
- 前記送波用の超音波振動子と前記受波用の超音波振動子は、更に、前記超音波の送受方向について重複しないように配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波撮像装置。
- 前記送波用の超音波振動子と前記受波用の超音波振動子は、更に、同一面上に並べて配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波撮像装置。
- 前記送波用の超音波振動子と前記受波用の超音波振動子は複数のブロックに等分割配置され、
前記フレネル束ねの束ねパターンはフォーカス点の深度に応じて変更されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波撮像装置。 - 前記送波用の超音波振動子と前記受波用の超音波振動子は不等分に複数のブロックに分割配置され、所定の周波数及びフォーカス点についてフレネル束ねを形成することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の超音波撮像装置。
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